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木原委員 それにしても、私は、やはり朝令暮改に過ぎるような
感じがあるわけです。おっしゃるように、
既存の
省庁の部局を統合したり抽出して合わせたり、そういう御
努力があることは認めるわけなんです。しかし、せっかく臨調で出された中には、われわれの主張を含めている。われわれがいままで主張してきましたことは、ともかく
国民生活が非常に
複雑多岐になってきているし、それに対応する
行政需要もいろいろ新しいものが相次いでふえてきている、やはりそれに対応していかなくてはならないではないか、こういう
議論を、ここでもずいぶんいままで主張してきたつもりなんです。
ですから、繰り返すようですけれ
ども、いまあなたなり
長官がおっしゃった
考え方に、私
どもは決して反対するわけじゃありません。むしろ、われわれが主張してきたことを、おっしゃられるような
感じがするわけなんです。しかし、ついこの間までは、この
委員会あげてそうじゃなかったわけです。それは、たてまえの
議論としては確かにそうなんだ、しかし、そんなことを言って、少し甘い顔をしたら
役所というものはふえてしまって、ともかく公務員の数がふえて
しようがないから、大なたをふるってやるんだ。そうなったら、結局、たとえば
国民が一番欲しておる
行政サービスの
部門、抵抗の弱いところが削られて、どちらかというと、管理的な
部門のようなものがやたらにはびこることになりはしないか、こういう警告な
ども申し上げたと思うのです。今度の場合でも、たてまえの
議論は、私も賛成ですけれ
ども、実際には
一つの
大臣を置いて、非常に大きな
管理部門がいきなり出てくるという形をとっているわけです。だから私は、このお尋ねをするわけです。それでは、この
役所ができまして、
地価の五%でも一〇%でも下げることができるのか、
納税者の
立場、
国民の
立場から見れば、まず、その
約束をいただきたいような
感じがするわけです。
昨年でしたか、
経済企画庁が
物価局というものをつくったわけです。私は、これは何んだと言ったわけです。だから、この
物価局というものをつくったら、たとえば
物価の一%も下がるのか、こういう
約束を求めたわけですが、これは、まあ少し極端な
議論だというのですが、ところが、皮肉なことには、
物価局ができたとたんに、御
案内のようにインフレ、狂乱でしょう。何をやっているんだということになるわけです。それほど
物価問題が大事なら、私は、おにいさんに申し上げたのですが、
物価局などというけちくさいことを言わないで、
経済企画庁をあげて、かつてあったように
物価安定本部なり
物価省なり、そういうものに全部やりかえたらどうだ、こう申し上げたこともあるわけです。しかし、そうもいきませんで、
物価局でやります、こういう話だったのですけれ
ども、
お互い政治というものは結果において批判をする、そういう宿命を持っているわけです。
物価局などというのは、手近な例ですけれ
ども、
役所はできた、たてまえはりっぱだった、しかし、その裏づけは
一つも与えられなかった、結果においては
行政機構だけは、しかも
大臣を含めて非常に
膨大になっていった、それをやはりおそれるわけです。
だから、それについてのきちんとした歯どめ、ありようというものについては、
総務長官だけの御責任ではありませんけれ
ども、特に保利さんを長とされます
行管などには、
一つの
流れがあると思いますから、この段階でちゃんとした理念のようなものを打ち出してもらって、これからはこれでいくのだ、こういう
方向を出してもらいたいと思うのです。
と申しますのは、この
委員会には、いま
一つ経済協力
大臣を置こうという案が出ているのですね。私も、この
委員会に長年席を置いておりますけれ
ども、
一つの国会の中で、二人
大臣をつくる
設置法を
審議するなどということは未曽有のことなんです。しかも、あとでお伺いしますけれ
ども、そればかりじゃありません。
総理の御発言によりますと、今度は中小企業省だ、住宅省だというんですね。まごまごしておりますと、この一年の間に
大臣があと三人も四人もふえてくる。そうすると、これは国家
行政組織上の問題として、インフレ時代だからといって、一体こんなにやたらに
大臣というものが膨張していいのか、こういう問題がある。この点では、私は、伝えられました閣内における山中
防衛庁長官の発言というものを、一ぺん聞いてみたいという気持ちもするわけです。だから、
総理の発言が次々に、報道によりますと、思いつきだとかいろいろなことをいわれておりますけれ
ども、それにしても、あまりにも思いつきが過ぎるのではないのか。
そうなりますと、この
入り口の問題で、やはりここではっきりとしたこれからの
行政機関、
行政機構のあり方についてのちゃんとした理念を示されませんと、ここで私
どもが、必要だといって甘い顔をすれば、それじゃ経済協力
大臣、これも、ちゃんと大義名分は立つわけです。中小企業省、これも大義名分はつくわけです。これは、つい数年前までは、私
どもが同じく中小企業省をつくれという議員
提案を、
法案を、実はここに提起をしてきたいきさつもあります。趣旨には反対の
しようがありません。しかも住宅省だ、こういうふうに考えますと、この辺できちんとした
行政機構のありようというものについて、
政府部内の統一した意思といいますか、きちんとした理念を出してくれませんと、当
委員会としては、ああそうですかというぐあいには、なかなかまいらない、実はこういう
関連があるわけです。ですから恐縮ですが、再度閣僚として御
見解を承っておきたいと思います。