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松本説明員 先生の御質問の中に、
進入管制が非常に浮き彫りにされて御
指摘になっておるわけでございますが、御承知のように、
管制というものには、大きく分けて三つございます。
空全体を
管制しておる、
航空路管制と私
ども呼んでおりますが、この
航空路管制というものが、すべての
管制の根っこでございます。これをやらない限りは、飛行機は飛び立っても、当てもなく飛んでいくだけでございます。
航空路管制というものが根本でございます。
次に、
飛行場から出入りするのが飛行機のたてまえでございますので、
飛行場に直接おりてきて、車輪が
飛行場に着く、
飛行場から離陸滑走をいたしまして車輪が離れる、それからある程度の高さに飛行機が行く、あるいはある程度の高さからおり始める、ここの部分が
飛行場管制でございます。これは
飛行場を
飛行場として
運営してまいりますためには、どうしても
飛行場を
運営しているところが、直接これのめんどうを見ませんというと、非常な混乱が起こってまいりますので、
飛行場管制というものは、おしなべてと言っていいほど少ない例外で、当該
飛行場を
運営するところが行なっておる、こういうことになっておるわけでございます。
そこで、大空を飛んでおりました場合に、
管制というのは、計器飛行で飛ぶ飛行機が対象でございますから、たとえば一例で申し上げますならば、高度三万一千フィートでグリーン4をどこからどこへ飛んでいきなさい、こういうふうに指示するのが、
航空路管制でございます。そうすると、グリーン4という
航空路に、三万一千フィートという高さでどこかで取りつかなければならない。したがいまして、
飛行場を離陸いたしましてから、その
航空路の一定の高さ、あるいはその一定の高さに取りつくための、自動車でいえば高速道路への取りつけ道路みたいなもの、そこまで持っていってやらなければなりません。これが
進入管制と呼ばれておる
管制の部類に属するものでございます。
したがいまして、
飛行場がそこにあれば、そこに
飛行場管制というものがくっついている。ずっと空が広がっておりまして、そこに
航空路が四通八達しております限りにおいて、
航空路管制というものがございます。その
航空路管制のもとに飛んでおります
航空路、その
航空路の一定の高さあるいは特定の
航空路、特定の方向、そういうところへ
飛行場を離陸しました飛行機を持っていく、これが
進入管制。それから名前は進入といっておりますが、今度は
航空路をはずれまして、
飛行場に着陸できるようなきわめて低い体勢まで持っていってやる中間のところ、これも、やはり同じように
進入管制と呼んでおります。
したがいまして、たとえば
沖繩から飛行機が飛んでまいりまして、
羽田におりようといたしますと、
沖繩から大島の上を通って御宿の上
あたりまでは全部、
東京航空
管制部が
航空路管制としてめんどうを見ております。そこら辺から木更津の近くまでおりてくる、このおりてくる途中のところ、これは同じく
羽田の中にターミナル
レーダー管制所という
管制機関がございまして、いまの大分類で申すならば、
進入管制というのを、
東京管制部から受け取ってやるわけでございます。
最後に、
東京のタワー、俗にタワーと呼ばれておりますが、
羽田の
飛行場の中に、
飛行場管制所というのがございます。これが木更津なら木更津の上空で受け取りまして、
最後にILSの波に乗せて滑走路までおろしてやる、こういうことで無事飛行機がおりるいこういうことになるわけでございます。
そこで、御質問の本旨に戻りまして、横田の
進入管制の場合でございますが、
先生、御承知のように横田あり、入間あり、厚木ありということで、米車に提供されました基地、
飛行場が、あの近所に集約されております。それぞれの
飛行場の
飛行場管制というものは、かつてすべてこれは
米軍がやっておりました。現在、厚木は、私の記憶によりますと、自衛隊ではなかったかと思いますが、記憶がさだかでございません。したがいまして、この三つの
空港が非常に近接しておりますので、
飛行場から出る、おりる、これが交差をいたしますと、非常に危険でございます。したがって、一カ所で全部のめんどうを見ないと、航空交通の安全上はなはだしく支障があるということで、この三つの
飛行場を主といたしまして、このまわりを囲む
空域というものが、横田の
進入管制のための
空域というふうにして考えられておるわけでございます。
岩国の場合には、これも
先生、十分御承知と思いますが、岩国は基地でございます。そのほかにわが民間
空港でございます広島の
空港と松山の
空港、この三つの
空港の滑走路の向き及び相互の
距離、これが非常に隣接しております。したがいまして、当初は岩国の
進入管制所というものが、岩国の基地とそれから広島
空港、松山
空港、この三つの
空港をまとめて、そこにおり、そこから出ようとする航空機の
管制をしておったわけでございますが、岩国につきましては、私
どもレーダーを広島につけまして、広島については、岩国の
空域を削りまして、広島の
空域と岩国の
空域を分離いたしました。そして広島につきましては、広島のターミナル
レーダー管制所が、広島
空港に対する
進入管制を行なう、こういう形に現在なっておるわけでございますが、松山につきましては、現在、私
どもレーダーがございませんので、したがいまして、これはノン
レーダーでございますが、総合的な
空域の有効利用及び出入りする航空機の安全性ということを考慮いたしまして、岩国の
進入管制所が、現在、松山に出入りする航空機の
進入管制もあわせて行なっておりますが、松山については、私
ども四十九年度予算が
成立いたしました後において、
空域をどのように使えばより効率的、かつ安全に使えるかということの研究をいたす考えでおります。その研究の結果いかんによりましては、現在、岩国にゆだねております松山の
進入管制を分離するかどうかというふうなことについての結論を出したい、このように考えておる次第でございます。