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鬼木委員 そこで、いま
長官のおっしゃったように、本年度はできなかったけれども、来年度あるいはまた将来においては、必ず
自衛隊員の食費は国費にしたい、国でまかないたいというお気持ち、これは、まことに私はありがたい。ぜひ、そうしていただきたいんですが、現在は、少なくとも、いま私が言っておりますように、毎年ベースアップもあっておるんだから
——いまおっしゃるように、それを食費のほうにめり込んでとれば、ほかのほうを削られる、これは、さっきから私が何回も申し上げている。食費のほうによけいとれば、結局ほかのほうのどこかがひっ込んでくる。これは、もうやむを得ぬですよ。ほかの
一般公務員だってそうなんですから。何かをとれば、その分はどこかがめり込んでいく、こういうことになる。ですから、ほかのほうを節約してでも、ほかのほうは多少倹約してでも、食費は
隊員のふところから、
月給から取り上げるから、かわいそうだから安くしているんだ、それも一理ある。一理あるけれども、いま
長官もおっしゃったように、だからといって、
一般の食生活と
自衛隊とはそんなにかけ離れるわけはない。何か特別、
自衛隊のほうが安ければ別ですけれどもね。
巷間では、市場では大根一本が百円だ、
自衛隊は一本が一円か五円で来る、まあ、そんなことないでしょう。そんなことないんだから、やはり食生活は、普通
一般社会と大体そうかけ離れておるわけはないんですね。しかも
自衛隊は、昼夜を分かたず、重労働と言うとなんだけれども
——まあ重労働ですよ。大きにこれはたいへんだと思うんです。しかも若い食べ盛りだ、特に営内居住者は。ですから、ほかのほうは節約しても食事だけは、食べるものだけは、私は
考えるべきだと思うんですがね。
そういう点において、ここにも載っておるんですが、
ほんとうですが、離隊がふえているというんですよ。そういう実態を、あなた方、よく御存じかと思うんだけれども、これは簡単な問題じゃありませんよ。陸上
自衛隊は、二万も三万も欠員じゃないですか。二万も三万も欠員ですよ。その上、食べものがないからといって離隊しているなんて、こんなことは人に話されませんよ。ここでこっそり言わぬと。だが、何ぼこっそり言っても、国民は全部聞いていますがね。こういうことはあり得べからざることなんですよ。
いま
長官御
説明のとおりですよ。だから、
自衛隊だからといって、特別安く食費をやるということはでき得ないですよ。それは大衆生活、大群衆、大軍団だからね。それは、わずかの者が食べるよりも、よけいな人が食べれば、格安にはできますけれども、特別に
自衛隊だけは別世界である、特別安くできるなんということはあり得ない。だから、非常に苦心していると書いてある。
長官、ようございますか。物を買うにも、調達場所を、周辺の住民の生活を脅かさないよう慎重に配慮している。というのは、調達面で大量に購入すれば安くなる、しかも集中的な調達や生産地と直結した
方法がとられる場合が多い、でも、この集中調達は、度を越すと、
自衛隊の買い占めだと批判を受ける、こういうところまで、これは
自衛隊もなかなかいいところを
考えておるよ。ここまでやはり周到に
考えている。それは生産地と直結して、たんぼならたんぼを一反歩なら一反歩、二反歩なら二反歩のできておる野菜を、全部ばっと買い込んでしまう、そうすると非常に安いでしょう。しかしそうなると、
自衛隊が買い占めだという非難を受ける。だから、そこまで
考えておりますので、なかなか簡単に、
自衛隊だからというて、特別安くは入れられません、こういう訴えなんです。ですから、
ほんとうに
一般社会の食生活とそう大差はない。
それに一日三百九十円ではね。試みに、あなた方、一日に三百九十円で
月給を
計算する、
防衛庁の
皆さんは、それを
月給に引き直す
——御承知ですか。だったら、私は、人事院の佐藤総裁に言って、
防衛庁関係の
職員諸君は、全部一日三百九十円で
月給を引き直してくれ、どうですか、
皆さん、そういうわけにはいかぬでしょう。
でございますから、それは
自衛隊の
隊員のふところから出るんだから、なるべく金がよけい出ないようにという、そういう
長官の親心、
ほんとうにありがたい、だけれども、やはりものには限度がある。そのために離隊をするような
隊員が出てくるというようなことになれば、これは事態は逼迫しているのです。そういうことをお
考えの上、踏まえた上で、ぜひひとつ、
長官の御配慮を願いたいと思います。