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大出委員 じゃ、精力的に進めます。
さすがに、この十二月二十四日の
文書を見ますと、あなた方のほうも、たいへん内心じくじたるものがあるような受け取り方になる。「特に、都市化
地域に航空
基地があることに伴う種々の問題につきましては、当方としても十分に認識いたしております。」、こういうふうに書いてあります。都市化
地域に航空
基地があることについて、これに伴ういろいろな問題がある、これは
防衛庁もよく認識している、こう言っているんですね、あなた方のほうは。認識しているなら、なぜ入れたか。
これは中曽根
防衛庁長官の時代から、
立川であるとか、あるいは
厚木であるとか、こういう首都圏の中にある
地域、その中心にすわっている
基地、こういうふうなものについては見直しが必要である、そういう
意味で、
自衛隊基地全体をこの際見直したい、これが当時、中曽根氏の言い分であります。江崎
防衛庁長官のときに、
立川問題とからんで、駅から五分、七分というところに
基地がある、そのためにたいへんな交通渋滞になっている、これは当然、
市民感情というものを考えなければならぬ、そういう情勢にある、したがって、一年間という期限を切って、
防衛局長を長にするプロジェクトをつくって
基地の見直しをやる、当時、政務次官の野呂君等が提案をしておりました。、
防衛庁は、それをやると言い切られた。こういうことになっているやさきに、その結果も詳しく聞いていない、報告もされていない、かれこれ一年たとうとしている、そういう時期に、百も
承知で、この認識を持ちながら入れたということについて、これは、まことにもって心外であります。
さらに、この中には、「ご迷惑を極力緩和し、軽減するため、従来から種々御協力申し上げてきたところであり、さらに
基地と
地域社会との一層の調和をはかるため、」云々と、こうなっているのです。強行して入れておいて、調和をはかるためなんて
あとから言ったって、けんか過ぎての棒ちぎりということばがあるけれ
ども、だれも聞きやしません、そんなことは。こういう
文書をうたっているとすれば、それなりの真情が
長官になければいかぬと私は思う。
地域でいろいろな問題が起こるのは当然ですよ、あなた方も百も
承知で入れているのだから。
そのことが、がまんがならぬと神奈川県知事は言うのですよ。耐えられぬと言うのです。百も二百もわかっていて強行するというふざけた話があるかと言う。それでは
基地問題を含めて協力はできぬぞという気になる。耐えられぬと言う。がまんならぬと言う。あたりまえです。われわれもがまんがならぬ。
地域住民の方々はなおがまんがならぬ。今度は、たいへんな発着回数に今日なっている。
先ほ
ども、実は、きょう
地元からお見えになった方々に実情を承ってみたのです。それぞれ口の端にのぼることがあります。能勢さんとおっしゃる
大和の鶴間の駅のすぐそばにおいでになる御婦人がきょうお見えになっている。この方とさっき下で話しておりましたが、まさにたいへんな騒音に悩まされ続けてきた一生だったと言う。そこで飛行機ぶ飛ぶ、屋根に白い液体がさあっと落ちていく、これはすぐかわいてしまう、だから、写真にとりたくてもなかなかとれない、そのことは肉体的にたいへんに障害がある、最近しばらくそれがなくなって、どうやら肉体的にも元気になったような気になっていたところへ、またこれだ、この方のここのところを通らなければ飛行機は飛べないのですから。
また、爆音防止期成同盟以来、苦労されている真屋さんも、きょう来ておられますけれ
ども、また彼のうちの上を飛ばなければ飛べないのです。
〔小宮山
委員長代理退席、
委員長着席〕
だから、一日家にいる者にとっては、たいへんせつないことだと言っておられますが、そういう現状に戻ってしまった。黒煙を上げて飛ぶ飛行機、この黒い排気ガスその他は、庭の木を枯らしている、今日、こういう状態にある。だから、返してくれるということで、先般、ほんとうに返してくれるのだと思って喜んだ。ところが広大なこの
厚木基地のうちのほんの爪のあかほどのところを返すという。何ともせつない限りだとおっしゃっておる。こういう現実が現にある。
あなた、これは百も
承知なはずだ。だとすると、このままで居すわって、
集団司令部は強行と言われてもいたしかたない、この点は迷惑をかけたと思っている、これだけで事が済む筋合いじゃないでしょう。ここらのところを振り返って、どういうふうにお考えになりますか。