運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1974-02-13 第72回国会 衆議院 逓信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年二月十三日(水曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 廣瀬 正雄君    理事 加藤常太郎君 理事 梶山 静六君    理事 羽田  孜君 理事 阿部未喜男君    理事 古川 喜一君 理事 土橋 一吉君       久保田円次君    高橋 千寿君       坪川 信三君    村岡 兼造君       金丸 徳重君    北山 愛郎君       久保  等君    堀  昌雄君       平田 藤吉君    大野  潔君       小沢 貞孝君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 原田  憲君  出席政府委員         郵政政務次官 三ツ林弥太郎君         郵政大臣官房長 神山 文男君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ————————————— 委員の異動 一月二十一日  辞任         補欠選任   田中 昭二君     広沢 直樹君 二月十三日  辞任         補欠選任   池田 禎治君     小沢 貞孝君 同日  辞任         補欠選任   小沢 貞孝君     池田 禎治君     ————————————— 昭和四十九年一月三十一日  郵便貯金法の一部を改正する法律案内閣提出  第二〇号)  簡易生命保険法の一部を改正する法律案内閣  提出第二一号)  簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出第  二二号) 昭和四十八年十二月二十日  簡易郵便局法等改正に関する請願外二件(久  野忠治紹介)(第三七二号)  同(菅波茂紹介)(第三七三号)  同(西村直己紹介)(第三七四号)  同(羽田孜紹介)(第三七五号)  同(森喜朗紹介)(第三七六号)  同(山下元利紹介)(第三七七号)  同(足立篤郎紹介)(第四二八号)  同(梶山静六紹介)(第四二九号)  同(井出一太郎紹介)(第四三〇号)  同(松野頼三君紹介)(第四三一号) 昭和四十九年一月九日  簡易郵便局法等改正に関する請願小澤太郎  君紹介)(第四九七号)  同外三件(大西正男紹介)(第四九八号)  同外一件(服部安司紹介)(第四九九号)  同(船田中紹介)(第五〇〇号)  同(宮崎茂一紹介)(第五〇一号)  同(森下元晴君紹介)(第五〇二号)  同外三件(田村良平紹介)(第五六〇号)  同(西岡武夫紹介)(第五六一号)  同外一件(根本龍太郎紹介)(第五六二号)  同(水野清紹介)(第五六三号)  同外一件(小沢貞孝紹介)(第五九八号)  同外四件(加藤六月紹介)(第六三六号)  同(倉石忠雄紹介)(第六三七号) 同月十七日  簡易郵便局法等改正に関する請願關谷勝利  君紹介)(第六七〇号)  同(福田篤泰紹介)(第六七一号)  同(三池信紹介)(第六七二号)  同外一件(福田篤泰紹介)(第八九五号)  同外三件(仮谷忠男紹介)(第八九六号) 同月二十三日  簡易郵便局法等改正に関する請願外一件(坂  口力紹介)(第一一〇八号)  同外一件(山本幸雄紹介)(第一一〇九号) 同月三十日  簡易郵便局法等改正に関する請願外一件(坂  本三十次君紹介)(第一一八〇号)  同(阿部昭吾紹介)(第一二三〇号)  同外十九件(井出一太郎紹介)(第一二三一  号)  同(太田一夫紹介)(第一二三二号)  同外二十二件(笠岡喬紹介)(第一二三三  号)  同外五件(加藤六月紹介)(第一二三四号)  同外三件(小島徹三紹介)(第一二三五号)  同外二件(下平正一紹介)(第一二三六号)  同外七件(谷垣專一君紹介)(第一二三七号)  同外一件(古屋亨紹介)(第一二三八号)  同外二件(渡海元三郎紹介)(第一二三九  号)  同(野原正勝紹介)(第一二四〇号)  同(福岡義登紹介)(第一二四一号)  同外二件(宮崎茂一紹介)(第一二四二号)  同外一件(足立篤郎紹介)(第一三六一号)  同外六件(浦野幸男紹介)(第一三六二号)  同外八件(江藤隆美紹介)(第一三六三号)  同外十五件(小沢貞孝紹介)(第一三六四  号)  同(太田一夫紹介)(第一三六五号)  同外八件(大竹太郎紹介)(第一三六六号)  同名六件(大野明紹介)(第一三六七号)  同(大村襄治紹介)(第一三六八号)  同外九件(加藤六月紹介)(第一三六九号)  同(海部俊樹紹介)(第一三七〇号)  同外四件(亀山孝一紹介)(第一三七一号)  同外十一件(唐沢俊二郎紹介)(第一三七二  号)  同外一件(倉石忠雄紹介)(第一三七三号)  同外四件(黒金泰美紹介)(第一三七四号)  同外一件(河野洋平紹介)(第一三七五号)  同(神門至馬夫君紹介)(第一三七六号)  同外十二件(河本敏夫紹介)(第一三七七  号)  同外二件(佐藤文生紹介)(第一三七八号)  同外四件(笹山茂太郎紹介)(第一三七九  号)  同外十二件(櫻内義雄紹介)(第一三八〇  号)  同外四件(塩谷一夫紹介)(第一三八一号)  同外二十一件(鈴木善幸紹介)(第一三八二  号)  同外七件(瀬戸山三男紹介)(第一三八三  号)  同外四件(大西正男紹介)(第一三八四号)  同(田中伊三次君紹介)(第一三八五号)  同外九件(高鳥修紹介)(第一三八六号)  同外四件(谷川和穗紹介)(第一三八七号)  同外二件(楢橋進紹介)(第一三八八号)  同外九件(西岡武夫紹介)(第一三八九号)  同外十七件(野田卯一紹介)(第一三九〇  号)  同外一件(橋本龍太郎紹介)(第一三九一  号)  同外七件(服部安司紹介)(第一三九二号)  同外六件(宮澤喜一紹介)(第一三九三号)  同外八件(武藤嘉文紹介)(第一三九四号)  同(森喜朗紹介)(第一三九五号)  同外二十件(森山欽司紹介)(第一三九六  号) 二月二日  簡易郵便局法等改正に関する請願外六件(伊  藤宗一郎紹介)(第一五〇七号)  同(伊東正義紹介)(第一五〇八号)  同外三件(石井一紹介)(第一五〇九号)  同外三件(今村勇紹介)(第一五一〇号)  同外二件(上村千一郎紹介)(第一五一一  号)  同外二件(小沢貞孝紹介)(第一五一二号)  同外一件(片岡清一紹介)(第一五一三号)  同外二十八件(仮谷忠男紹介)(第一五一四  号)  同外二十二件(金子岩三紹介)(第一五一五  号)  同外一件(菅野和太郎紹介)(第一五一六  号)  同外一件(菅波茂紹介)(第一五一七号)  同(吉川久衛紹介)(第一五一八号)  同外二件(木村武千代紹介)(第一五一九  号)  同外九件(佐々木良作紹介)(第一五二〇  号)  同外八件(佐々木義武紹介)(第一五二一  号)  同外五件(住栄作紹介)(第一五二二号)  同外十二件(白浜仁吉紹介)(第一五二三  号)  同外二件(玉置一徳紹介)(第一五二四号)  同(戸井田三郎紹介)(第一五二五号)  同外一件(床次徳二紹介)(第一五二六号)  同外五件(中村拓道紹介)(第一五二七号)  同(西村直己紹介)(第一五二八号)  同外七件(根本龍太郎紹介)(第一五二九  号)  同外二件(長谷川峻紹介)(第一五三〇号)  同外二件(萩原幸雄紹介)(第一五三一号)  同(原健三郎紹介)(第一五三二号)  同外二件(藤本孝雄紹介)(第一五三三号)  同外十一件(前田正男紹介)(第一五三四  号)  同外五件(三池信紹介)(第一五三五号)  同外二件(宮澤喜一紹介)(第一五三六号)  同外一件(水野清紹介)(第一五三七号)  同外一件(村岡兼造君紹介)(第一五三八号)  同外六件(毛利松平紹介)(第一五三九号)  同外一件(足立篤郎紹介)(第一六二七号)  同(小川平二紹介)(第一六二八号)  同外三件(小澤太郎紹介)(第一六二九号)  同(奥田敬和紹介)(第一六三〇号)  同外八件(金子一平紹介)(第一六三一号)  同外六件(久野忠治紹介)(第一六三二号)  同外一件(斉藤滋与史君紹介)(第一六三三  号)  同外一件(谷川和穗紹介)(第一六三四号)  同(坪川信三紹介)(第一六三五号)  同外十四件(羽田孜紹介)(第一六三六号)  同外十二件(林義郎紹介)(第一六三七号)  同外三件(細田吉藏紹介)(第一六三八号)  同外五件(宮崎茂一紹介)(第一六三九号)  同(村田敬次郎紹介)(第一六四〇号)  同(渡部恒三紹介)(第一六四一号)  障害者団体発行機関紙郵便料金無料化に関す  る請願矢野絢也君紹介)(第一六二五号)  郵便料金値上げ反対に関する請願鈴木善幸  君紹介)(第一六二六号) 同月四日  簡易郵便局法等改正に関する請願小渕恵三  君紹介)(第一七〇二号)  同(越智伊平紹介)(第一七〇三号)  同(大竹太郎紹介)(第一七〇四号)  同(奧野誠亮紹介)(第一七〇五号)  同外六件(倉成正紹介)(第一七〇六号)  同(小島徹三紹介)(第一七〇七号)  同外一件(小林正巳紹介)(第一七〇八号)  同外一件(櫻内義雄紹介)(第一七〇九号)  同外一件(染谷誠紹介)(第一七一〇号)  同外十八件(田村良平紹介)(第一七一一  号)  同外一件(高鳥修紹介)(第一七一二号)  同(戸井田三郎紹介)(第一七一三号)  同外五件(中尾栄一紹介)(第一七一四号)  同外一件(西村英一紹介)(第一七一五号)  同(羽生田進紹介)(第一七一六号)  同(原健三郎紹介)(第一七一七号)  同外九件(三木武夫紹介)(第一七一八号)  同外五件(水野清紹介)(第一七一九号)  同外一件(森下元晴君紹介)(第一七二〇号)  同(安倍晋太郎紹介)(第一七七九号)  同外一件(足立篤郎紹介)(第一七八〇号)  同外三件(阿部喜元紹介)(第一七八一号)  同外一件(池田禎治紹介)(第一七八二号)  同(臼井莊一君紹介)(第一七八三号)  同外三件(植木庚子郎君紹介)(第一七八四  号)  同(浦野幸男紹介)(第一七八五号)  同外一件(江藤隆美紹介)(第一七八六号)  同外一件(小川平二紹介)(第一七八七号)  同(折小野良一紹介)(第一七八八号)  同外二十九件(小沢一郎紹介)(第一七八九  号)  同外二件(小沢貞孝紹介)(第一七九〇号)  同(加藤紘一紹介)(第一七九一号)  同(河野洋平紹介)(第一七九二号)  同外一件(倉成正紹介)(第一七九三号)  同外一件(齋藤邦吉紹介)(第一七九四号)  同(坂田道太紹介)(第一七九五号)  同外八件(澁谷直藏紹介)(第一七九六号)  同外二十件(鈴木善幸紹介)(第一七九七  号)  同(菅波茂紹介)(第一七九八号)  同(島田安夫紹介)(第一七九九号)  同外八件(關谷勝利紹介)(第一八〇〇号)  同外七件(中尾宏紹介)(第一八〇一号)  同外二件(橋本登美三郎紹介)(第一八〇二  号)  同外五件(早川崇紹介)(第一八〇三号)  同外二十七件(廣瀬正雄紹介)(第一八〇四  号)  同外一件(細田吉藏紹介)(第一八〇五号)  同外三件(増岡博之紹介)(第一八〇六号)  同外一件(水野清紹介)(第一八〇七号)  同(山下元利紹介)(第一八〇八号)  同外八件(渡辺栄一紹介)(第一八〇九号)  同(安倍晋太郎紹介)(第一八四二号)  同外一件(足立篤郎紹介)(第一八四三号)  同(上村千一郎紹介)(第一八四四号)  同外十四件(大橋武夫紹介)(第一八四五  号)  同外五件(久保田円次紹介)(第一八四六  号)  同(坂田道太紹介)(第一八四七号)  同(正示啓次郎紹介)(第一八四八号)  同(谷垣專一君紹介)(第一八四九号)  同(福永一臣紹介)(第一八五〇号)  同(藤井勝志紹介)(第一八五一号)  同外一件(松岡松平紹介)(第一八五二号)  同外四十件(松澤雄藏紹介)(第一八五三  号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  逓信行政に関する件(郵政省所管事項及び日本  電信電話公社事業概況)      ————◇—————
  2. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 これにより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  まず、郵政省所管事項について説明を聴取いたします。郵政大臣原田憲君。
  3. 原田憲

    原田国務大臣 逓信委員会皆さまには平素から郵政省所管業務の適切な運営につきまして、格別の御尽力をいただき、ここに厚くお礼申し上げます。  申し上げるまでもなく、郵政省全国津々浦々に散在する二万一千余の郵便局を通じて、郵便貯金保険の三事業を行ない、国民日常生活にきわめて密着した重要な機能を果たしており、また、通信主管庁として、電信電話等をはじめとする電気通信及び電波放送の各行政分野において国民生活発展向上に寄与してまいっておりますが、現下のきびしい経済社会情勢の中で総需要抑制貯蓄奨励等高度成長から福祉優先を指向する政府施政方針にのっとり、私どもに課せられました重大な使命を果たし、国民皆さまの御期待に沿うべくこん身努力してまいる所存でございます。  本日は、この機会に所掌事務の当面する諸問題について所信一端を申し上げ、皆様の深い御理解格別の御協力を賜わりたいと存じます。  まず、郵便事業について申し上げます。  昨年末期における郵便業務は、労働組合の長期かつ激しい闘争により、一時全国で二千万通をこえる滞留が生ずるなど業務運行が大きく混乱し、さらに国鉄輸送事情日本海側の豪雪の影響も加わって国民皆さまにたいへん御迷惑をおかけしましたことは遺憾に存じます。このため年賀郵便物の処理につきましても懸念されたところでありますが、幸い、全国的におおむね順調に配達することができました。特に本年は、郵便外務員に休養を与えるため一月二日の郵便配達を休止させていただきましたが、このことについての国民皆さまの御協力と御理解にあらためて感謝する次第であります。  郵便事業の財政の問題につきましては、昨年十二月、郵政審議会から郵便事業の健全な経営を維持する方策について答申をいただきまして、答申は、郵便事業収支改善をはかるためには、この際、郵便料金改正することが適当であるとの御意見でありましたが、昨今の経済情勢にかんがみ、現在の最大の政治課題である物価抑制に取り組む政府公共料金抑制基本方針にのっとり国鉄運賃消費者米価値上げ繰り延べ措置と同様に通常郵便料金については昭和四十九年度予算にその改定を織り込まないことといたしました。  小包料金につきましては国鉄小荷物運賃との関係もあり十月から改定することとしておりますが、通常郵便物料金凍結の結果、郵便事業収支は、昭和四十九年度において約七百億円の歳入不足が生ずる予定となっております。これらにつきましては緊急の措置として同額の借り入れ金によりまかなうこととしております。  なお、郵政審議会答申では、郵便事業改善策について種々の提言をいただいておりますので、これら検討すべき事項については鋭意検討いたし郵便事業の円滑な運営につとめてまいりたいと存じております。  次に、為替貯金事業について申し上げます。  政府貯蓄増強策一環として郵便貯金としましても、昨年以来四回にわたり貯金利率引き上げを行なったほか、特別定期貯金を新設するなど、預金者利益増進につとめ、貯蓄に対する国民信頼感を高めるよう努力をしてまいりました。また、今国会冒頭には、貯金総額制限額引き上げを内容とする郵便貯金法の一部改正を御可決いただき、去る十二月十五日から施行しているところであります。  郵便貯金としましては、今後とも国民に魅力のある貯蓄手段を提供し、国民消費生活合理化と、健全な資産形成に寄与しつつ、貯蓄増強努力する所存でありますが、さしあたって今次国会におきましては、国民生活の実態に照らし、預金者貸し付け制限額引き上げについて御審議をいただく考えであります。  次に簡易保険事業について申し上げます。  簡易保険は、国の信用と組織を基盤とし、生命保険の普及を通じて、国民経済生活の安定と福祉増進につとめてまいっております。  最近におけるわが国経済社会の変化は著しいものがあり、国民保険需要高度化多様化しておりますが、一方、外国生命保険会社進出等を契機として、わが国における生命保険事業は新たな対応を求められております。このような情勢に対処し、簡易保険は、国営事業としての特色を生かしながら、時代の推移に即応したサービス向上経営効率化に一そうの努力を払ってまいりたいと存じます。  この一環として、さきの特別国会簡易生命保険法の一部改正を御可決いただき、本年一月から定期保険及び疾病傷害特約を創設する等制度充実をはかったところでありますが、さらに、昭和四十九年度においては、加入者に対する保障の充実をはかるため保険金最高制限額引き上げるとともに、資金運用利回り向上を通じて加入者利益増進をはかるため資金運用範囲を拡大する等、制度改善を行なうことを予定しており、今次国会におきまして、所要の改正法案について御審議をいただく考えであります。  ところで郵政事業は、人力に依存する度合いのきわめて高い事業であります。したがって、業務の円滑な運営をはかる上で、労使間の円満な協調関係の樹立は不可欠なことであり、省としましても特に重要課題として取り組んでいるところであります。  幸い、昨年末、省から組合側に対して、労使関係正常化について労使双方が真剣な努力をすべきであることを提起しましたところ、組合側からも同意が得られ、両者共通基本認識が得られましたので、今後さらに労使関係改善がはかられていくものと期待しております。  省といたしましては、今後とも誠実でしかも筋の通った労務管理を行ない、秩序ある明るい職場づくりのために積極的な努力を傾けていく所存でありますが、労使関係はあくまでも労使双方の存在の上に成り立つものでありますことから、労働組合に対しても労使関係正常化努力するよう率直に要望してまいりたいと考えております。  なお、事故犯罪の防止につきましては、省をあげて努力してまいったところでありますが、事業信用確保のため今後一そう防犯体制強化をはかりますとともに、不祥事件等の根絶を期し、国民期待信頼にこたえるため職員の指導監督に配意し、もって綱紀粛正の実をあげるよう格段の努力をいたす所存であります。  次に、電波放送行政について申し上げます。  今日、電波利用は、わが国社会経済活動のあらゆる方面に及んでおり、今後さらに増大する傾向にあります。また一方、宇宙開発海洋開発における電波利用等新しい分野技術開発も急速に進展する趨勢にあります。  これらの情勢にかんがみ、今後、多様化し、高度化するであろう国民情報需要の動向に即応して、適時適切な電波行政を推進してまいりたいと考えております。  当面する問題について申し上げますと、通信衛星及び放送衛星開発につきましては、これまで順調に進捗いたしております。昨年十月二十九日、宇宙開発委員会におきまして、両衛星昭和五十一年度打ち上げが正式に決定されましたが、最近における諸外国の急速な宇宙開発の現状に照らし、わが国としても国際的権益確保をはかるとともに、今後増大する通信需要放送需要を満たす技術の確立をはかるため、昭和五十一年度打ち上げはぜひともこれを実現する必要がありますので、今後さらに一そうの努力をしてまいりたいと考えております。  テレビジョン放送につきましては、最近の石油不足からくる緊急事態に対処するため、電力節約をはかる見地から、昨年十一月、深夜におけるテレビジョン放送を実施している一般放送事業者に対し、午前零時以降の放送を自粛するよう要望したのであります。また、去る一月十六日からは、東京タワー等三十三の事業所に対し、電気事業法に基づく電力の一〇%の使用制限が行なわれております。なお、日本放送協会におきましては、電気事業法に基づく電力使用制限の実施に伴って、一月十六日からテレビジョン放送時間の一〇%を短縮しております。  次に、電気通信行政について申し上げます。  資源、エネルギーの節約流通機構整備改善等わが国が当面している重要課題に対処するため、電気通信はきわめて有効に機能するものと考えられます。このような見地から、生活必需品としての加入電話需給均衡の達成に一そうの努力を傾注するとともに、データ通信その他の情報通信システム開発等社会的要請に応ずる新しいサービス開発実用化を推進していく所存であります。また、国際交流緊密化多様化により国際間のかきを越えた情報の自由かつ円滑な疎通の必要性が一段と高まっていることにかんがみ、各国の電気通信関係機関との密接な連携をはかるとともに、衛星通信海底同軸ケーブルなどの最新の技術による世界情報通信ネットワーク形成促進に寄与していく所存であります。  さらに、わが国の高度に発達した電気通信技術に対する開発途上国期待にこたえ、国際協力を一段と推進していきたいと考えております。  以上、所掌事務の当面の諸問題について所信一端を申し述べさせていただきましたが、この裏づけともなります昭和四十九年度予算案につきまして概略を御説明申し上げます。  まず、一般会計でありますが、歳出予定額は百十九億九千七百万円で、これを前年度予算額と比較いたしますと、八億四千六百万円の増加となっております。  この歳出予定額には、通信衛星及び放送衛星開発に必要な経費のほか、電離層観測衛星及び実験用静止通信衛星研究開発福祉社会のための情報通信システム開発調査総合的電気通信施策強化など、多様化する情報化社会に即応した通信行政に必要な経費が含まれております。  次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入予定額歳出予定額とも一兆八千百三十八億円で、前年度予算額と比較いたしますと、歳入では五千百九十億円、歳出では五千五十七億円とそれぞれ増加いたしております。この歳入予定額中には、業務運営に要する経費の財源として六百九十六億円の借り入れ金を計上いたしております。また、歳出予定額中には、重要施策としております郵便局舎改善集配運送諸施設の拡充整備等円滑な郵便業務運行確保するための施策に必要な経費をはじめ、郵便貯金簡易保険増強利用者サービス向上に必要な経費、並びに明るい職場づくりのための施策に必要な経費などが含まれております。  次に、日本電信電話公社予算案でありますが、建設投資につきましては、総需要抑制方針に沿って、電話増設に重点を置くとともに、その他投資については、つとめて圧縮することにより建設勘定支出予定額を一兆二千五百四十億円とし、これにより一般加入電話三百二十万加入事業所集団電話七万五千加入等増設を柱とする建設計画を実施することとしております。  損益勘定収入予定額及び支出予定額とも一兆九千二百七十七億八千万円で、ともに前年度予算額と比較いたしまして二千六百五十三億五百万円の増加となっております。  また、資本勘定収入予定額及び支出予定額とも一兆四千九百二十九億二千百万円で、収入では、減価償却引き当て金等内部資金で六千九百十三億三千九百万円、加入者引き受け電電話債券等の外部資金で八千十五億八千二百万円を見込んでおりまして、この外部資金のうちには政府引き受け債三百三十億円、特別債一千七百五十億円が含まれております。なお、支出では、前述の建設投資のほか、債務償還等に二千三百八十九億二千百万円を予定いたしております。  以上、るる申し述べましたが、郵政省所掌事務の円滑な運営のため委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。     —————————————
  4. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 次に、日本電信電話公社事業概況について説明を聴取いたします。日本電信電話公社総裁米澤滋君。
  5. 米澤滋

    ○米澤説明員 電信電話事業につきましては、平素格別の御配意と御支援を賜わり、まことにありがたく厚く御礼申し上げます。  ただいまから、日本電信電話公社の最近の事業概況について御説明申し上げます。  まず経営状態でありますが、昭和四十八年度は、電信電話拡充第五次五カ年計画の初年度として、建設資金一兆一千九百四十億円をもって、一般加入電話三百十万加入を中心とする電信電話の拡充、改善を実施するとともに、データ通信サービス開発拡充を積極的に推進しております。  本年度予算におきましては、事業収入を一兆六千六百二十五億円と見込んでおりますが、十二月末における実績は一兆二千四百十四億円でありまして七四・七%の達成率であり、収入予定に対しましては、おおむね順調に推移しております。  公社といたしましては、今後とも、加入電話の早期架設、通話の利用促進をはかる等の経営努力により、収入確保につとめてまいりたいと考えております。  建設工事につきましては、工事費総額は、前年度からの繰り越し額に加え一兆二千四百八十六億円となっておりますが、最近における経済情勢にかんがみ、政府の財政運営方針に即応して契約の繰り延べを実施した結果、十二月末における契約額は一兆一千三百三十一億円でありまして、総額に対し九〇・七%の契約率となっております。一方、支出状況についてみますと、十二月末における支出額は九千二百二十四億円でありまして、総額に対し七三・八%の支出率となっております。  また、十二月末における加入電話増設数は二百五十三万加入でありまして、年間予定の八一・七%を消化しております。  なお、第六十五回通常国会におきまして御可決いただきました広域時分制につきましては、昭和四十七年十一月十二日から逐次実施してまいりましたが、昨年八月の沖繩県を最後に全国すべての地域について円滑裏に切りかえを完了いたしました。  次に、昭和四十九年度予算案につきましては、電信電話拡充第五次五カ年計画を基礎とするとともに、政府の総需要抑制方針に沿って編成いたしました。  まず、事業収支計画でございますが、収入は総額一兆九千二百七十八億円で、その内訳は、電信収入三百八十八億円、電話収入一兆七千三百二十三億円、専用収入一千二十八億円、雑収入五百三十九億円を見込んでおりまして、昭和四十八年度に比べて二千六百五十三億円の増加となっております。  一方、支出は総額一兆九千二百四十七億円で、その内訳は、人件費五千八百四十九億円、物件費二千七百九十九億円、業務委託費九百九十億円、減価償却費六千五百十五億円、その他利子等三千九十四億円でありまして、昭和四十八年度に比べて二千六百六十八億円の増加となっております。  以上の結果、収支差額は三十一億円となります。  建設投資について申し上げますと、その規模は、総額一兆二千五百四十億円で、前年度当初予算一兆一千九百四十億円に対し五・〇%の増加となっております。  この資金の調達は、内部資金で六千九百十三億円、外部資金で八千十六億円、総額一兆四千九百二十九億円でありますが、このうち債務償還等二千三百八十九億円を除いた額を建設資金に充てることといたしております。  外部資金の内訳は、加入者債券四千二百三十四億円、設備料一千七百二億円、政府引き受け債及び特別債で二千八十億円を予定いたしております。  建設計画の内容について申し上げますと、一般加入電話三百二十万加入、公衆電話約八万四千個等の増設を計画いたしております。  なお、基礎工程につきましては、手動式局の自動化を推進するとともに、既自動式局においても、設備の行き詰まり状況、近傍局とのサービス均衡等を考慮して、分局開始を行なうなど、合計一千百三十二局の新電話局建設を行なうことといたしましたが、このうち昭和四十九年度中にサービスを開始する局は、五百七十二局であります。  また、データ通信施設につきましては、需要の実態等を勘案し、六百四十五億円をもって、販売・在庫管理システム七システム、科学技術計算システム三システム、各種システム二十一システムの建設と、特定通信回線五千六百回線及び公衆通信回線二千端末回線等の増設を計画いたしております。  また、災害時における通信の確保をはかるため、昭和四十八年度に引き続き防災計画を推進するほか、農山漁村における電話サービス改善のため、逐次加入区域の拡大をはかるとともに、既設地域集団電話についても、一般加入電話への変更、組み合わせ数の緩和等を行なうことといたしております。  以上をもちまして最近の公社事業の既況説明を終わらせていただきます。
  6. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 これにて郵政省所管事項及び日本電信電話公社事業概況の説明は終わりました。  小沢君から、ただいまの説明について発言を求められております。この際、これを許します。小沢貞孝君。
  7. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 冒頭からこういうことではたしていいかどうかと私は思うのだが、いま電電公社総裁からの説明の第一ページ終わりから四行目にいくと、「一般加入電話三百十万加入を中心とする」というぐあいに三百十万個になっております。先ほど郵政大臣の説明の終わりから二ページの一番最後の行には「これにより一般加入電話三百二十万加入」とこうなっております。それからまた電電公社総裁のほうの終わりから三ページ目の最初から四行目によると、「建設計画の内容について申し上げますと、一般加入電話三百二十万加入」、最初から数が違うんだが、これは提案からこういうことじゃどうかと思うので、ひとつ次回の委員会の冒頭に、どれが正しいのかあらためて説明をお聞きいたしたいと思います。  以上であります。
  8. 米澤滋

    ○米澤説明員 私、ちょっと補足させていただきますと、最初に申し上げました公社の説明は四十八年度を述べておりまして、最後の予算は四十九年度になっております。四十八年度が三百十万加入、四十九年度の予算案が三百二十万加入、そういうことでございますから、御了解願いたいと思います。
  9. 小沢貞孝

    小沢(貞)委員 了解しました。
  10. 廣瀬正雄

    廣瀬委員長 次回は明十四日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時四分散会