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1974-02-21 第72回国会 衆議院 地方行政委員会消防に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和四十八年十二月七日(金曜日) 委員会において、設置することに決した。 十二月十三日  本小委員は、委員長指名で、次の通り選任さ  れた。       木村武千代君    住  栄作君       高鳥  修君    中村 弘海君       中山 利生君    渡辺 紘三君       井岡 大治君    佐藤 敬治君       細谷 治嘉君    多田 光雄君       小濱 新次君 同日  中山利生君が委員長指名で、小委員長選任  された。 ————————————————————— 昭和四十九年二月二十一日(木曜日)     午前十時十分開議  出席小委員    小委員長 中山 利生君       木村武千代君    住  栄作君       高鳥  修君    井岡 大治君       佐藤 敬治君    山本弥之助君       多田 光雄君    小濱 新次君  出席政府委員         消防庁長官  佐々木喜久治君         消防庁次長   山田  滋君  小委員外出席者         地方行政委員長 伊能繁次郎君         地方行政委員  亀山 孝一君         消防庁予防課長 永瀬  章君         地方行政委員会         調査室長    日原 正雄君     ————————————— 二月二十日  小委員木村武千代君及び小濱新次昭和四十八  年十二月十七日委員辞任につき、その補欠とし  て木村武千代君及び小濱新次君が委員長指名  で小委員選任された。 同日  小委員住栄作昭和四十八年十二月二十日委員  辞任につき、その補欠として住栄作君が委員長  の指名で小委員選任された。 同月二十一日  小委員細谷治嘉君同日小委員辞任につき、その  補欠として山本弥之助君が委員長指名で小委  員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  消防に関する件      ————◇—————
  2. 中山利生

    中山委員長 これより地方行政委員会消防に関する小委員会を開会いたします。  先般、私、指名を受けまして小委員長に就任いたしましたので、何とぞよろしくお願いいたします。  消防に関する件について調査を進めます。  この際、昭和四十八年中における火災の現況について、消防庁から説明を求めます。佐々木消防庁長官
  3. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 お手元に「昭和四十八年中の火災概況」という資料を差し上げてございますが、これによりまして御説明を申し上げます。この概況の表はさしあたりの集計でございまして、内容についてまだ十分な分析が行なわれておりませんが、現在まで私どもが知り得たところによりまして御説明を申し上げたいと思います。  昭和四十八年中の総出火件数は七万二千四百六十一件でございまして、昭和四十七年に比較いたしまして一万四千百七十件、二四・三%の増加であります。非常に増加率が高いということがいえると思います。ただ、昭和四十七年は昭和四十六年に比較いたしまして若干件数が減っておりましたので、そういう意味増加率が高くなったということがいえると思います。なお、昭和四十六年中の火災件数から見ますと、増加件数が約八千件でございます。  この総出火件数の中で、特に著しく出火件数がふえておりますのは二番目の林野火災でございまして、その増加率が八〇・八%という非常に大きい増加率を示しておるわけであります。この林野火災は、四十七年の増加率も非常に高かったわけでありますけれども、さらに四十八年はこの増加率がふえておるわけでありまして、最近自然愛好といったようなことで、山を歩く人たちが非常にふえたようでございますけれども、それに伴って火災も非常にふえておるというのが現状でございます。  それから、その次に増加率が高いのは、その他火災というところが六五%の増加でございます。これは例の石油コンビナートの爆発といったようなものも含めての件数でございまして、一般建物以外の火災件数も非常にふえておるという状況を示しておるわけであります。  一般建物火災増加率は八・四%でございまして、それほど増加率としては高い件数にはなっておりません。  それから、この出火件数に対しまして焼損いたしましたむね数が五万六千棟でございまして、その増加率が八・二%、大体建物火災伸びとほぼ見合った増加率でございます。罹災世帯数も四万三千世帯、八・七%の増、こういうことでございます。  それから焼損面積でございますが、建物焼損面積が二百六十万平米、六・八%の増加でございまして、建物火災増加率よりはやや下回っておるというような状況でございます。  それから林野焼損面積は八十九万、約九十万アールでございまして、昭和四十七年に比べますと半減しているように見えますけれども昭和四十七年の林野焼損面積の中には、沖繩県におきまして百二十万アール焼けました特殊なものが含まれてございます。その沖繩における特殊な林野火災百二十万アールを除きますと、昭和四十七年の林野焼損面積が五十万アールということになりますので、それと昭和四十八年の焼損面積を比較いたしますと約九〇%の増加率ということを示しておりまして、大体林野火災出火件数とほぼ見合う焼損面積というものが見られるわけであります。そういう意味で、林野火災昭和四十八年の場合も非常に伸び率が大きくなっておるということがいえるわけであります。  それから火災による死者の数が、昭和四十八年は千八百五十八人でございまして、昭和四十七年の千六百七十二人に比べて百八十六人の増、一一・一%の増加でございます。昭和四十七年、四十八年、両年ともデパート火災による百人以上の死者が出た火災がございまして、非常に問題があったわけでありますけれども、この増加数は、そうした特殊なものを除きましても、死者増加数はおおむね二百人近いということがいえるわけでありまして、この点が最近の火災状況から見て最も憂慮すべき問題であるというふうに考えております。  負傷者数は九千五百十六人でございまして、昭和四十七年の九千六百九十二人に比較いたしますと、微減といった程度でございます。  それから損害額は九百二十九億円でございまして、昭和四十七年の八百四十一億円に比べますと八十八億円の増、一〇%の増加でございますが、大体、物価の上昇を考慮いたしますと、ほぼ横ばいあるいはそれ以下というふうに見ることができるかと思います。  大体、四十八年の火災概況は以上のとおりでございます。     —————————————
  4. 中山利生

    中山委員長 速記をちょっととめてください。   〔速記中止
  5. 中山利生

    中山委員長 速記を始めてください。  質疑の申し出がありますので、これを許します。木村武千代君。
  6. 木村武千代

    木村武千代)小委員 消防庁にお聞きしますが、「建物火災」と、ただ建物だけになっていますが、その内訳が大体わかりますか。たとえば、いまちょっと触れましたけれどもデパートとか、工場とか、それから民家とかいうようなことがありませんが、将来の対策としまして、大体どういうような種類建物火災にかかっておるかということをちょっと知りたいのです。  それと、建物もそうですが、林野といっても、これは場所的にどういうような方面にこれが多かったかという、たとえば関西地方とか、北海道とかが多かったとかというようなのをちょっと知らしてもらいたいと思うのです。  まず第一番に建物種類ですね。
  7. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 まだ、昭和四十八年分につきましては詳細な分類がいま作業中でございますので、四十七年の分につきましてはその分類はわかっておりますけれども、四十八年はこれからの作業でございますので、内容につきましてはまだ詳細なことはわかりません。
  8. 木村武千代

    木村武千代)小委員 参考として、四十七年度はどういうぐあいだったですか。
  9. 山田滋

    山田(滋)政府委員 四十七年の用途別建物火災の表がございますが、住居、これが一万八千三百七件、それから劇場、興業場百八十五、百貨店、マーケット百三十二、旅館、ホテル三百八十四、病院、診療所二百二十八、それから学校が五百二十六、神社、寺院等が二百十九、それから浴場九十八、それから事務所八百八十七、飲食店が千二百二十八、工場作業場六千三百三十八、倉庫が三千二百十七、車庫二百二十八、官公署百九、その他が六千三十二、そういうぐあいな分類になっております。
  10. 木村武千代

    木村武千代)小委員 それから林野の大体地区別のは……。
  11. 山田滋

    山田(滋)政府委員 林野関係は、個票を各県から集めておりますので、帰ればございますが、ここにはちょっとございません。
  12. 木村武千代

    木村武千代)小委員 いいです。終わります。
  13. 中山利生

  14. 山本弥之助

    山本(弥)小委員 それでは、この機会に、二、三お尋ねしたいと思います。  第一点は常備化の問題ですが、これはどの程度まで進んでおられるか。町村まで、一定の基準を定めて常備化を進めておられるようでありますが、現在の体制はどうなっておるか。  それから、この点はすでに大臣の所信表明の際に質問を申し上げたのですが、比較的消防体制広域化が進んでおるのではないか。この広域化の問題につきましては、消防広域化ということはもう以前から問題になっておりまして、ほとんどの都市中心になりまして、付近の町村との間に消防相互応援体制というものがすでにできておるかと思います。それが広域市町村圏の自治省の指導に関連いたしまして、一部事務組合としての広域消防体制が比較的進んでいるのじゃないかと私は思うのですが、その状況と、それからそれ以外に、従来の相互応援体制というものをとっておるのがまだどのくらい残っておるか。急な質問を申し上げるわけですが、そういうことがわかっておりましたらお知らせ願いたい。
  15. 山田滋

    山田(滋)政府委員 常備化関係でございますが、いまお話がございましたように、最近たいへん順調に進んでおりまして、総数を申し上げますと、一応常備化された市町村が、これは四十九年にされる予定も含めまして二千四百六十七市町村常備化されております。市町村数が三千二百七十六といたしまして七五・三%の常備化ができておるわけでございます。  その内訳は、いまお話がございましたように、数カ市町村集まりまして消防に関する一部事務組合をつくりましたものがたいへん多うございます。その数が市町村にして千九百十二でございまして、組合の数が三百七十一にのぼることになっております。そのほか、単独常備化、通常の形で消防本部・署を設けておりますのが四百七十市町村ございます。それからそのほかに、隣接等の大きい都市委託をするという例が相当ございます。まあ東京都なんかが代表でございますが、その委託をしておる、つまりお願いをしておるほうの市町村の数が八十五ございまして、これも常備化市町村の中に加えておりまして、先ほど申し上げました二千四百六十七というのは、いまの組合による千九百十二と、それから単独の四百七十、それから事務委託をいたしております八十五を加えましてそういう数になります。  それから、もう一つお話しございました隣接市町村等相互応援協定、これはだいぶ進みまして、特に全県が全部協定を結んでおるという例も相当ございまして、大体いまのところの数字では九六%余り相互応援協定を結んでおるような実情でございます。
  16. 山本弥之助

    山本(弥)小委員 私は、この一部事務組合による消防体制は相当効果があがっておると思います。ただ、この数字をお聞かせ願ったところによりましても、千九百十二市町村、三百七十一組合というのは、圏域からいいますと三百二十九ですから、それより多いわけですね。ほんとうに私は現実に消防体制の強化ということで各市町村が考えておると思うのですが、これは画一的になさらないように、広域市町村圏といいましても一応の線引きですから、消防ほんとう効果をあげる上からいきますと、必ずしも一圏域市町村の加盟した一部事務組合を結成するということは、地域的に無理が生ずるというような実情を十分加味した配慮だと思うのであります。これはいいと思います。  ただ、消防の場合は実効をあげることが肝心なわけでありますので、単に一部事務組合という形式によって実効をあげることが必要なのか。あるいは、東京都のような委託ということは当然だと思うのです。わざわざ組合をつくって、中で共同事業としてやるなんということは意味がないので、東京の二十三区にある消防が都下のほうの委託を受けて一元的に東京都の消防体制を整えておるということは必要なわけですが、こういう事例は、今後常備化ということの推進を進めていく上にも関連をいたしまして、共同事務でやるか、あるいは従来と同じような相互応援協定。これは私は、組合事務でいろいろ議会を設けて協議をしていくということよりも、場合によっては応援経費協定しておきまして、そのつどケリをつける。毎日火災発生するということは町村では比較的少ないのではないかと私は思う。相当連檐戸数のある市街地は、これはほとんど毎日火災が大なり小なり起こるということはあり得るけれども、そういたしますと、組合よりもむしろ相互応援協定のほうが、応援した出動経費を直ちに支払うということで、的確な予算経理もできて決着がつくのではないかというふうな感じも私はいたします。その辺は、十分実効のあがる広域体制ということの配慮を願っておきたい、かように考えております。  それから第二の点は、林野火災が多くなったわけでありますが、これは機材からいいましても従来相当整備をしてまいられたと思うのでありますが、どの程度まで整備されているか。たとえばヘリコプターによる消火でしょうか、あるいは査察といったようなことも考えておられると思うのでありますが、岩手県のごときは山林も多いようでありますけれども、いまだ県に一台のヘリコプターも持つというような体制にまでは至っておらぬのであります。それを今後どういうふうに進めていかれるのか。確かに林野火災というのは、今後レクリエーションというようなことで、人が入れば入るほど火災発生する可能性が多い。  それからもう一つ国有林の多いところはやはり営林局、営林署の管轄しておるところが多いと思うのであります。そういうところを強化しまして、そしてそういうところは過疎町村だろうと思いますので、人手もそう十分ではないということでありますので、多少そういう方面経費関係をどうするか。民有林を含めて、国有林と合わせて、これはどうせ関連があるわけでありますから、山続きであろうと思うわけですから、その辺の体制を整備するということになれば、国有林管理との関係で、ある程度まで人手をそういった過疎町村にも定着させるということも可能なわけであるわけでありますから、そういう話し合いがもう少し進まないものかどうか、またこういうことについて話し合いを進めておられるのかどうかということにつきましてお聞かせ願いたいと思います。  以上の点について伺います。
  17. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 最初に、先ほど火災概況のところでちょっと数字を取り違えましたので、訂正をお願いしたいのでありますけれども林野火災は、昭和四十七年は火災発生件数が減っております。それの反動もあったと思いますが、四十八年は八〇%ふえたというふうに御訂正をお願いしたいのでございます。  林野火災につきましては最近非常に件数がふえてまいっておりまして、私どもも、特に人里離れた地域火災発生するというようなことがございますので、空中消火方式というものの開発消防研究所中心にいたしまして急いでおったわけでございますが、大体資機材についての実用化のめどが立ちましたので、本年、昭和四十九年度から必要な資機材については県が備蓄をするという方式をとってまいります。それを必要なときに使用する、こういう方式をとりまして、その必要な補助金について予算化をいたしております。  空中消火をいたします場合にヘリコプターを使うということを考えているわけでありますけれども、このヘリコプターにつきましては、操縦技術につきましてもいろいろ問題がございますので、現在は、私ども林野庁と、それから自衛隊のほうと協議をいたしまして、自衛隊ヘリコプター林野火災の際に災害出動をお願いするという方式を、いまできる限り組織化しようということで協議を進めておるわけでございます。ただ技術的には、いままでの経過から見ますと、ややそのための特別な訓練も必要でございますので、昭和四十九年は、全国を大体五つ程度のブロックに分けまして必要な自衛隊訓練を行なうと同時に、その地域消火用資機材備蓄をするということで進めてまいりたいというふうに考えております。
  18. 山田滋

    山田(滋)政府委員 ちょっと補足的に申し上げます。  御質問がございましたこれまでの林野火災にどういう措置をしているかという問題の一つでございますが、いま長官が申し上げましたように、四十九年度から都道府県に対して、いまの空中資機材補助をいたしたい。これは新しい施策でございます。ただその前に私どもとしては、やはり林野火災の特に危険な地域がございまして、全国見渡しましても多発地域がございますので、そういうところは特別地域指定をしまして、それに対して市町村に対する資機材補助、これを国としてもいたしております。これは大体いままで四十地域余り指定を済ませまして、今後、まあ将来百ぐらいまで伸ばしていきたい、かように考えております。  それからもう一つお話がございましたこの林野火災につきましては、これは当然消防庁として、いま御説明申し上げた火災の趨勢からしましても重視いたしておりますが、特に林野庁においてもこの問題につきましてはたいへん心配をいたしておりまして、私どもとしては常時連絡体制をとりまして、いろいろ協議しながら進めておるわけでございまして、林野庁予算のほうにもこの林野火災対策経費を計上しております。これはおもに、施設関係と申しますよりも、啓蒙関係経費が多いのでございますが、計上いたしておりまして、両者で絶えず緊密な連絡をとっておりますので、御報告申し上げておきます。
  19. 山本弥之助

    山本(弥)小委員 林野庁関係との協力体制につきましては、積極的にお話し合いをなさっておられるわけですか。
  20. 山田滋

    山田(滋)政府委員 はい。
  21. 山本弥之助

    山本(弥)小委員 それからもう一つ、いまの資機材補助をしておられるというのは、資機材のおもなものは何々でございますか。
  22. 山田滋

    山田(滋)政府委員 ウニモクと申しまして、前輪駆動の、でこぼこな土地でも入っていけるような車がございます。林野工作車と申します。そういうものに対する助成とか、あるいはチェーンソーでこう刈る、ああいうものに対する補助とか、それから簡易な水槽、それに対する補助とか、そういうものを含めております。
  23. 山本弥之助

    山本(弥)小委員 水槽というのは携帯用の、持っていける水槽ですか。
  24. 山田滋

    山田(滋)政府委員 持っていけるのじゃなくて、土地につくるものでございます。
  25. 山本弥之助

    山本(弥)小委員 もう一点、過般、神戸共同ビルといいますか、火災があったようでありますが、やはり、新聞記事だけで見ますと、死傷者は一人だか見つかったというのが出ておりましたが、燃焼する品物もたくさんあることでしょうが、相当時間をかけて、類焼を防ぎながらある程度まで燃え尽くす、それが大事に至らないように、外からほかのほうに延焼しないように防ぐという、従来のパターンしかないような印象をやはり依然として受けるのです。従来いろいろな内部の体制不備だとか、あるいは消火施設不備等も多少あったかと思いますけれども、何か新しい教訓といったような点が見出し得たのかどうか、お聞かせ願いたい。
  26. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 神戸デパート火災の概要を御報告しながら、私ども気がつきましたことを申し上げたいと思います。  この神戸デパートは、都市開発事業によりまして神戸市が施行いたしましたいわば複合ピルでございます。地域の再開発とともに、その地域商店街をこのビルに収容するというために設置いたしましたものでございまして、建築面積が千八百八十五平方メートル、延べ面積で一万六千平方メートルでございます。地下一階、地上七階の建物でございまして、これは昭和四十年の秋に完成をいたしております。その時点における消防法規建築法規に従いまして必要な消防設備は完備いたしております。したがいまして、問題のスプリンクラー設備地下一階の部分と七階の二カ所に設置されておりまして、一階から六階まではスプリンクラー設備はございません。ただ、防火区画等建築法規に従いまして完備されておるわけでございまして、これが火災発生と同時に連動いたしまして、必要なシャッター等は全部締まったというようなことで、地上一階からの火災発生であったわけでありますけれども、そうした防火施設が作動いたしました関係で、上のほうに延焼するというのが非常におそかったわけでございます。  それで、当初の火災では一階部分でほぼ火勢は鎮圧することができたという状況になったわけでありますけれども、二階に相当な熱気がこもっておった。ただ、その二階も、窓からシャッターから全部締まっておって空気が入らなかったために、熱気を帯びながらも二階がすぐ延焼するという状態にならなかったわけであります。その時点におきましては、三階から上の部分はまだ火が行っておりません。そこで、その二階部分をどう処理するかという点につきまして非常にこれは問題だったわけでありますが、シャッターを破るとすれば、その破った部分から新しい空気が入って火が再び燃え上がるというようなことで、この点につきましてどういう方法で二階部分を制圧するかという点が戦術的には非常に問題だったわけであります。その点について、私ども、各現場担当者間でいろいろ今後検討を進めてもらいたいというふうに考えております。  そうして、二階をどうするかという点についていろいろ迷っているうちに、いかに防火シャッター等がおりておりましても、すき間が少しずつあるわけでありますから、その辺から少しずつ空気も入り、熱気も漏れてきて、上のほうに延焼が始まるというような状態になったんじゃないだろうかというような感じがいたしておるわけでございます。そういうことで、二階を完全にけ破って一斉に消火をするという態勢に至らないうちに、熱気が次第に上のほうに徐々に移っていくというような状況になって、そして最終的には五階の部分で窓とかシャッターとかを一斉に破って一斉放水をやることによって、五階でとめた。それで六階、七階は全然被害がなくておさまったということになるわけでありますけれども、結局、この三階部分をもう少し放水等を十分にしてやった場合にはおそらく三階でとまったであろうというふうに推定されるわけでありまして、三階の部分をあまり痛めないようにして、いかに二階で食いとめるかという点について少し時間をかけ過ぎたのではないだろうか、その辺、私どもとしまして、消防戦術上もう少し現場消防戦術の問題として研究を進めてもらいたいというふうに考えております。  いま申しましたように、いろいろな設備が作動いたしました関係で、その延焼速度が非常におそくなったというために、五階までに上がる間の時が相当かかった。それで最終的には、五階の部分で食いとめるということで決心をして放水をした関係で五階でとまったということになるだろうと思います。  それから、死者は一人でございましたけれども、これはまあこのビル関係のない死者でございまして、この点はいま消防警察等で調べをしておりますけれども、どうも昨日の新聞等から見ますと、ちょっと問題のある死者じゃないだろうかということで、いま最終的な確認を急いでおるという段階でございます。
  27. 木村武千代

    木村武千代)小委員 関連して……。  いま消防のほうとか防火のほうは聞いたんですが、人命救助に対しましてどういうぐあいの処置をとられておるか。消防法におきましては、建築許可をするときに人命救助の処置の規定があって、それがなければ建築を許さないということになっておるのでございますが、しかし実際、火災にあたりまして、大洋デパートの問題にしましても、また大阪の千日前のあの大火災にしましても、そういう点において規定のとおりに当然、調べたらなっておるけれども、実際は行なわれていなかったとか、あるいはその設備が非常に少なかったために十分効果を発揮しなかったというようなことがありまして、最近になりまして、大洋デパートのあとになりましてからは、いわゆるマルチプル感応器とかいうのがだいぶ世間にはやっておりますけれども、そういうようなものに対して消防庁はどういうようにお考えになっておるか、ちょっとそれを聞かしていただきたいと思っております。
  28. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 建物を建築いたしました場合におきましては、その用途に従い、また建物の大きさに従いまして、それぞれ必要な消防設備、避難器具等の設置が義務づけられておるわけでございます。ただ、これまでの消防法規の規制のしかたというものは、改正の時点におきまして、今後新築したものから適用するといったような改正のしかたをしておりましたために消防設備等につきましても既存の建物について遡及をしないという方式をとってまいりました関係で、必要な施設について不十分な面が見られたということでございますが、避難器具なりあるいは自動火災報知機等の、いわば設備にそれほどの金を要しないというものにつきましてはこれは遡及適用をいたしております。そういう点で、大洋デパートのような例は私どもとしましては例外的に考えたいと思っておるわけでございますけれども、既存の建物についてそういう法律の規定が適用されるという状態になりましてもそうした避難器具等の設置がされておらなかったという点は、私ども非常に問題だったと思います。  これは、一つは経営者の問題もありますけれども消防自体も、それを査察をしながら、そういう不備があったということを警告しながら、それを強制までしておらなかった、この点において、やはり消防担当者としてその最終的な責任を果たしていなかったのではないかというふうなことについて、私ども十分反省をいたしておるわけでございます。  火災の際に人命救助をまず優先するということは消防の原則でございます。そういう意味におきまして、一般住家の火災におきましてもまず人間をさがすということを先にいたしまして、人命の安全をまず考える、それから火を消す。この辺が、火災の鎮圧についてやや問題がありますけれども、ともかく人命の安全を優先をさせるという原則のもとに、いまの体制をつくっているわけでございます。  それから、最近のように大きなビルができてまいりますというと、いろいろな消防設備をしましてもなお火事が起こり得るのではないかというような観点から、消防としましても、人命の救助隊といいますか、いわばレンジャー部隊の訓練というものを非常に重要視してまいりまして、この救助隊の編成を特に都市部において急ぐようにということで指示をしているわけでございます。逐次そうした救助隊の整備、それからあとは必要な救助工作車といいますか、酸素吸入器などを設備いたしました救助工作車の整備というようなことも、いまできる限り急がしておるという状況でございます。
  29. 木村武千代

    木村武千代)小委員 その原則、また方針はわかったのですけれども、つい四、五日前でしたか、そこの有楽町のそごうデパート消防練習をしておりましたが、あそこは八階くらいでしたけれども、新宿あたりとか、そこの霞ヶ関の四十八階、とてもはしごは届かない。それからまた救助袋があっても、救助袋はあぶなくて使えない。そうすると、そこの上のほうの人はどういうぐあいにして救うかということにつきまして、またその火災に対しては、どのようなお考えを持っておるか。これは当面いつ火災が起こるかわからぬのに、十階くらいなところへやっと届くようなはしごで、とても三十階も五十階もの人を救うことはできないのではないかと思いますが、これは早急な問題でありますので、どういうぐあいにお考えになっておるか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  30. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 いわゆる高層ビルにつきましてはただいま御指摘のとおり、外部から消防の力で人命救助をするということは、上層階になりますというと不可能でございます。はしご車もいまのところ四十メートルくらいまでのところが限界でございますので、そうした高層ビルの場合におきましては、その建物の中にそういう設備をつけておくというのがいまの建築基準法のたてまえでございます。  それからまた消防の面から見ましても、原則的には、ああいうビルの場合に、火災発生しにくい資材を使う。それから、火災発生したならば、その発生した部分で火を消す。それから、その火がもうちょっと広がった場合には、一定の防火区画内で火をとめる、こういう構造にいたしまして、そうした消防設備につきましては二段、三段の消防体制を整えておるということでございます。さらに、人間の避難をする設備というものは、煙を防ぐ区画を持ちました非常階段というものを建物の各所に設けるということになっております。したがいまして、相当煙が出ましても、防煙設備を持った非常階段をつけることになっておりますので、それによって人間が避難ができるというような、いわば建築基準法上の設備としてそういうものを設けておるということでございます。
  31. 中山利生

  32. 多田光雄

    多田委員 私、二、三お伺いして、それから意見をまじえての御質問をしたいと思うのですが、きょうは御用意されておらないようですから、できましたら早急に次の点の資料をひとつつくっていただきたいと思います。  先ほどお話があった、建物あるいはその他の火災という中で、ビルデパート工場ですね、こういう火災。それから工場も、十人くらいの小さい町工場もありますし、それから何千人という大きなコンビナートもありますから、そういう類別をつけて、どこに、どういう分野に火災が多く、どういう分野に死傷者が一番多いかというのがわかるような資料を御準備願いたいと思います。  それから次に消防士ですね、これがどの程度なくなっているか、それからどういう火災で犠牲者が出ているのか、これもひとつつけていただきたい。  それから、消防士の件についてさらに言いますと、いろいろ消防士の待遇問題その他でもよく話を聞くわけですけれども、待遇が他の仕事に比べてどうなのかということ、それから消防士の希望者、これは一体全国的に充足しているのかしていないのか、していないとすればどうなのか、これはちょっと数字の上には出にくいことだろうと思いますが、皆さんにとってもたいへん大事なことだと思いますので、それも伺っておきたい。  それからもう一つ消防士の問題では、いろいろ学校教育をされておると思いますが、消防のおもな学校の教科の内容をひとつ教えていただきたい。これはきょうでもよろしゅうございます。  以上の資料をお願いしておきます。  昨今の火事の一番大きな問題は、一般の家屋、それからこの数字を見ますと林野火災も非常にふえているということですけれども、何といっても一番悲惨で犠牲者が大きく、そして金額の上でも大きいと思われるのは、やはりデパートあるいはまたビル、コンビナートなどの火災ではないか、こう思うわけです。普通の民家の場合、これは類焼ということがあって、間違って出火をしても、隣接の家屋に移ってまた被害が大きくなるということもありますけれども、私は、ビルデパート、それからコンビナートの火災というものは、こういう民家の火災、類焼とまた違った性質のものだろう、こう思うわけです。  というのは、たとえばデパートの場合は、日に何万人という人がそこに集まってくる、いわば公的なところです。ここでの火災、これに対してどういう対策をとるのかということが問題だろう、こう思うのです。実は昨年暮れ、地行の委員長さんを先頭にしまして、新宿の幾つかのデパートを私も見せていただいたのです。そのとき、私は総括のときちょっとお話し申し上げたのですが、やはり企業責任というのがほんとうに自覚されているのかどうなのかということなんです。たとえばデパートの中の案内にしても、結局消防署長さんがおやりになっていて、そこの企業の責任者が案内をなさらないで消防署まかせ、こういう姿勢ではほんとうに企業責任というのを自覚しておられるのかどうなのかという疑問を持つわけです。あの日、調査に行きましたら、消防班の方々が腕章をしておりました。私、常時しているのかと聞いたら、誘導のためにしております、こう言っているのですが、私はその後数回新宿や渋谷のデパートに行きましたけれども、腕章を巻いた人はまず一人も見ていない。私が行ったのは日曜日でございまして、非常な混雑です。あそこで火災が起きたらもう手のつけようがないというふうに私思うのです。  ですから、やはり私は、消防署まかせというのではなくて、ああいうデパートビルそれからコンビナート、まずこの企業責任を明確にさせていくという上で、どういう点で問題点があるのか、あるいはこれからおとりになる対策はどういうふうにお考えになるのか、これをひとつ伺っておきたいと思うのです。  特に、デパートはわれわれもしょっちゅう自由に出入りできますけれども、コンビナートはなかなか仕事の関係で出入りできません。これに対して消防庁としてどういう立ち入り調査をしているのか。そしてその場合、かなりの技術を覚えた方でなければ入ってもわからないわけですが、そういうことをやっておられるのかどうか、その辺もひとつ伺いたいというふうに思います。  それから三つ目の点は、全国的にも問題になり、地行でも話題になったことですが、例の病院、救急車の問題ですね。この間東京都の消防にも行きましたら、消防の皆さんが、救急車の問題、それから病院の指定の問題でたいへん御苦労なさっているわけですね。これに対して消防庁のほうとして、この体制が適切なのかどうなのか、あるいは他に移すべきなのか、あるいは今後も続けていくのが妥当なのか。もし妥当とすれば、非常に消防庁現場の方は苦労なさっているわけですが、法の改正を含めてどういう対策をこれからお考えになっているのか。  この三点、ひとつお伺いしたいと思います。
  33. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 まず第一点の、デパートを含む、不特定多数の人の出入りする特殊な防火対象物に対する消防法規の規制強化の問題でございます。先般の大洋デパート火災にも見られますように、火災による危険度というものは、現在の消防法規の規制が適用されておらない建物について非常にあぶないという問題が出ておるわけでございまして、現在消防法の改正を準備中でございます。  その考え方としましては、現在、現行法にあります消防設備の義務設置というものを、既存の特別防火対象物につきましてこれを強制をしていくということで改正をお願いをいたしたいというふうに考えております。それからもう一つは、こうした消防設備が完備されましても、それが常に作動するように完全な維持管理が行なわれなければ意味がないわけでありますので、そうした保守についての義務規定もあわせて今回の消防法の改正に織り込んでいきたい。定期的に、一定の消防設備については定期検査等を行ないまして、常に完全な維持管理体制をとる、こういうことにいたしたいということで、こういうのをおもな改正点にいたしまして、消防法の改正案をこの国会に提案をいたしたいというふうに考えております。  それから第二点の、石油コンビナート火災の問題でございます。石油コンビナートにつきましては、最近におきましても小さい火災が引き続き起こっておるわけでございますが、これの完全な防災体制をとるということにつきましては非常に技術的にも問題があろうかと思いますし、コンビナートの装置の中身の問題ということになりますと、現在の市町村消防というものがはたしてこれに十分対応し得るかどうかという点につきましては非常に問題でございます。ただ、通産省のほうが、昨年の石油コンビナートの連続いたしました爆発事故によりまして、現在学識経験者を動員いたしました再点検を進めておるところでございます。私どものほうもそれと対応いたしまして、昭和四十九年度の予算におきまして、石油コンビナート地帯の防災診断を実施したいということを考えておるわけでございます。  この石油コンビナート地帯の防災診断といいますのは、通産省がやっておりますコンビナートのいろいろな機械装置等それ自体の点検ということではなしに、むしろコンビナートが置かれているその地域の防災という観点から防災診断を行ないたい。いわばコンビナートにおいて万が一火災発生いたしました場合に、その地域の一般住民の安全が脅かされないかどうか、こういう観点から、その地域の防災という観点からの診断を行なってまいりたい。それによりまして、必要な遮断緑地あるいは空地というものの設定も考えていただかなければならないだろうということでございまして、そういう意味で防災の診断を実施しながら、通産省のほうの技術点検とも相まちまして防災体制を整えていきたいというふうに思っておるわけでございます。  それから三番目の救急の問題でございます。これは確かに御指摘のとおり、救急車が参りまして収容いたしましても、それを持っていく病院というものが非常にいま不安な状態にございます。  一つの問題は、現在、救急車に収容いたします患者の内容が非常に多様化してきたということが一つの問題でございます。これまでの救急は、交通事故でありますとか災害によるけがとかというような、主として外科的な患者を救急していくということを考えておったわけでありますけれども、最近の住民の要求というものは、お産から発熱から、あらゆる病気に対して救急車の出動を要請するというような事態になってまいりました。従来考えておりました外科的な患者というものが四〇%を割るというような状況でございまして、したがいまして、救急車が出動の要請を受けてその患者のところへ参りまして、その患者を見てから、産婦人科に連れていくのか、外科に連れていくのか、内科に連れていくのかというのを判断をして、それから病院をさがさなければならない。こういうような患者の多様化のために、非常に救急患者を収容してからいろいろ問題が出てくる。  それにまた、御承知のとおり、医療体制というものに非常に問題もある。こういうことで実は私ども、救急体制の問題につきましては厚生省とも相談をしながら、救急医療体制について何らかの手を打ってもらいたいということも要請をしているわけであります。厚生省におきましては、そうした救急病院に対する救急医療体制の整備のための補助制度というものをことし相当額準備をしたわけでありますけれども、はたしてそれによって医師が確保されるかどうか、あるいはベッドが確保されるかどうか、これはこれからの問題でございます。消防としましては、こうした救急患者の収容、搬送という点につきましてはあらゆる努力を払っておりますけれども、そうした医療体制の面からのいろいろな問題というものが出てまいりまして、いま御指摘のような問題が非常に起きておるということは御指摘のとおりだと思いますので、できる限り、医療担当の省とも十分相談をしながら、救急体制の整備拡充というものを考えていかなければならないというふうに思っております。
  34. 山田滋

    山田(滋)政府委員 ちょっと、最初の御質問の企業責任という問題でございますが、それにつきまして私から補足させていただきますが、お話しございましたように、ビルとかあるいはデパート、そういったような都会における施設につきまして、当然消防法で防火管理者を任命いたしまして管理をいたしております。問題は、いまお話しのございましたように、企業そのものの最高責任者が、特に保安であるとか防火であるとか防災、そういうものにつきましてほんとうに腹の底から考えてもらわなければわれわれの期待には沿わないわけでございます。その意味におきまして、実は従来の法のたてまえとしては、消防計画をつくるとか実際の日常の防火管理は防火管理者が、いわば使用人としての防火管理者が行なっておるわけでありますが、それをできれば、今度私どものいま考えております法律の改正の中で、権原を持っておる者、つまり社長とか最高責任者がほんとう防火管理者をみずから任命をして、そして消防計画もできればその指示によってつくらせる、日常の管理についての報告を常時受けて、責任をもって身をもって行なう、そういうふうな体制に切りかえたいという気持ちで現在考えております。それが一般的な問題でございます。  それから、特にコンビナートの問題につきましては、かねて、その地域地域における、長官が申しましたように防災計画というものをつくる場合、当然企業も中に入れまして、所在の消防機関、あるいは通産省の出先であるとか国の出先機関のみならず、県、市町村、そういうものと企業とが一体になりまして協議会をつくりまして、その中で責任のある計画を立てておるわけでございます。また企業自体も、そういう点で最近は特に保安についての責任体制をつくるということで、あるいは重役等も責任者に任命をするというふうなことで、保安ということについて相当関心が高まっておることは事実でございます。しかし、まだいろいろ事故が起こっておるのも御承知のとおりでありまして、私どもとしては消防法の中で特に自衛消防、企業自体に化学車をはじめとしまして人員を張りつけさせまして、自衛消防力を持たせておるわけですが、その点は、最近の事例にかんがみて、できるだけ今後もっと強化していきたい、自衛消防力の強化をはかっていきたいということを一つの私どもの考え方としては打ち出したいと思います。  また同時に、最近消防審議会がございまして、その席でいろいろ御意見が出まして、やはり現在の状況を見ますと、率直なところ、消防機関の中にもそうでございますが、企業の中で、保安に関してほんとうの専門的な化学工場なら化学工場の技術的な知識、保安に関する知識を十分備えた人材が少ないわけでありまして、そういう専門家の養成、これは国も責任をもってやるべきであるし、同時にまた、企業自体がそういう人材を配置していくということに、もっと責任をもってやらせるべきだという強い意見が出ておりますので、その方向で指導をしてまいりたい、かように考えております。  その他、企業自体の責任については、原則として、いまお話しのように、まず、私ども消防が行く前に、企業がその保安についての第一線の責任体制をとって、みずから自衛消防を駆使して処理をしていくというのがたてまえでありまして、そのための全体的ないろいろな指針というもの、つまり事故が起こります前に予防体制としての指針、それから起こりました場合の措置をどうするか、そういう点につきましても、消防がいろいろ側面的な援助をしまして、その指導の指針を出して今後指導していくということに、これは消防審議会でも強く要請をされておりますので、そういう方向で進みたい、かように存じております。
  35. 多田光雄

    多田委員 そうすると、いままで石油コンビナート、ここに一定の技術者なり科学者を含めて、たとえば立ち入って調べるということをやられているのかどうか。当然市町村を含めた協議会をつくるというのはけっこうでしょうけれども、いまおっしゃったように、市町村が中に入って、いろいろむずかしい機械の装置を見て、それで判断するということはなかなかむずかしいと思います。そうすれば、やはり相当そういう力を持っている消防庁なんかが音頭をとられまして、そういうコンビナートを相当点検してみる。これも私は限度があると思います、どこにでも火事の危険があるわけですから。しかし、これはベストということでおやりになる必要があると思いますが、この実績をお持ちかどうか。  それからコンビナートの自衛消防力という問題ですが、これはちょっと私不明にしてよくわからないのですが、どの程度の自衛消防力を持っているのか、その辺、ちょっとお聞かせください。
  36. 山田滋

    山田(滋)政府委員 自衛消防力につきましては後ほどまた、いま整理をいたしまして資料を提出してもよろしゅうございますが、概略でよろしゅうございますか。
  37. 多田光雄

    多田委員 概略でよろしいです。
  38. 山田滋

    山田(滋)政府委員 いまの、企業に対する何と申しますか、常時、消防のタッチする査察でございますか、そういう点につきましては、もちろん、いまお話がございましたように、消防としては、コンビナートと申しましてもすべてが対象ではないわけでございます。これはたいへん問題がございますけれども、現在の法のたてまえとしては、たとえば高圧ガス関係等は通産省の所管であるとか、危険物関係消防庁でございます。全体としまして保安ということで、もう必ず消防現場へ出ざるを得ないわけでございますけれども、予防措置としては、権限が分かれておりますから、そういう点では直接介入できない点もございますが、やはり所在の消防機関としてはそういう点も含めまして、常時、さっき申し上げました工場との連携の中で情報をキャッチしまして、危険な個所は絶えずマークしながら、年に何回かその工場の査察を行なう。そしてそこでいろいろ問題点を指摘しまして、直すべきところは直させるという方向で努力をいたしておるわけであります。もちろん協議会というのはそういった空気の中でそれぞれ自主的に努力をするという場でございますが、私どもとしてはそれと別にまた法を厳正に執行するという立場もございまして、そういう意味においてはやはり積極的に、その工場の保安ということについて、真剣に消防の立場から努力をいたしておるわけでございます。  それから自衛消防関係につきましては、これは現状では私どもとしてはまだ十分であると思っておりませんが、一応消防法の体系の中で、一定の人員、工場の規模に応じまして現在整備させておるわけでございまして、全体的な配置等につきましては、もし必要でございましたならば資料を提出してもよろしゅうございますが、大体の考え方を申し上げました。
  39. 多田光雄

    多田委員 最後に、冒頭申し上げました資料をひとつぜひできるだけ早目にお願いします。  それから、先ほどまだ御回答なかったんですけれども消防署の各消防士の方々の待遇の問題希望者、それからできれば教育の教科、これはひとつあとで教えていただきたいと思います。  特にお願いしたいことは、やはり大企業の自覚の問題というか、ただ精神教育だけじゃなかなかできません。私は、デパートは通路をもっと広くしたほうがいいんじゃないかと思うのですが、ともかくそういう問題も含めてひとつ御検討願いたいことと、それから長官がいまお話しのあった救急車の問題これはやはりたいへんな問題なんです。置いていいかどうかというお話もありませんが、これもひとついずれ機会を改めてまたいろいろお聞かせ願いたいと思います。  それでは終わります。
  40. 中山利生

    中山委員長 小濱新次君。
  41. 小濱新次

    ○小濱小委員 消防庁長官から火災概況について御説明がございましたが、数点お尋ねをしていきたい、こう思います。  まず一つは、焼損むね数罹災世帯数の比較が出ておりますが、この中で、四十七年度は、むね数が五万一千九百、世帯数が四万百七十六世帯、こうなっている。それから四十八年度が、むね数が五万六千百四十八で世帯数が四万三千六百七十八。いずれも一万一千あるいは一万二千以上の開きがあるわけです。これはむね数世帯数の比較ですが、何かばかに開きがあり過ぎるように思います。学校その他、何かこういう世帯のない建物が多いのではないかと思いますが、非常に開きが多いので、この点についておわかりならば具体的に御説明をしていただきたいと思います。
  42. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 罹災世帯むね数の相違は、ただいま御指摘ございましたように、焼損むね数のほうは住居以外のむね数が相当含まれておりますので、このうちから罹災世帯数に見合ういわば居住用の建物が何むねあったのかということを出しませんとちょっと比較にならないわけでございます。したがいまして、四十八年中の火災件数につきましては、いまその内容の分析作業中でございますので、またその作業が済み次第資料として御配付申し上げたいと思います。
  43. 小濱新次

    ○小濱小委員 先ほども長官は、この概況については十分な分析ではないという前提に立って御説明をされましたので、その点はよくわかりました。それではいずれまたお教えをいただきたい、こう思います。  それから、次は船舶火災について少しお尋ねしていきたいのですが、数は、四十七年度三百十三件、四十八年度が三百件、こう出ております。少ないように思いますけれども、船舶の火災としては三百件、これは非常に大きな数字であろう、こう思うわけです。この内容についても、たとえば何トン船が何隻で、それ以上が何隻だとか、こういうふうに具体的にわかれば御説明をお願いしたい、こう思います。
  44. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 まだ内容の分析をいたしておりませんので、できる限り早い機会に内容について御報告いたしたいと思います。なお、船舶につきましては海上保安庁と消防とで、いわば火災の所管といいますか、その差がございますので、それらの資料も取りまとめまして、できるだけ早い機会に御報告をいたしたいと思います。
  45. 小濱新次

    ○小濱小委員 海上消防体制の基準率が非常に低いわけですので、そういう点での責任というものも考えていかなくてはならぬという見地から、これもまた具体的に御説明をいただきたい、こう思います。  そこで、これは一つ伺っておきたいのですが、こういう物不足という社会情勢下にあって考えられることは、海上消防についての消火剤とか、いろいろなそういう関係の資材がさてどこまで蓄積されているのか。十分であるわけはないと思いますが、ちょっと心配な点が消火剤にあるわけです。こういう点ではどういうふうになっているか。どうでしょうか、これもひとつ説明をしていただきたいと思いますが、無理ならばまたあとでもけっこうであります。
  46. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 船舶の火災につきましては、非常に簡単に申しますと、海に浮かんでいる場合の火災は海上保安庁が担当するということになっておるわけであります。港に着いております船につきましては消防が担当する、こういうような分野になっております。いま港を持った市町村消防艇などを設置いたしておりますのは、そうした船に対する火災の鎮圧ということのほかに、特に港の部分につきましては陸上のほうから消防ポンプ等が接近することが非常に困難な地域がある場合が多いわけでありますので、その場合に海のほうから火災の鎮圧をはかるということのために消防艇は主として設置をされておるというふうな状況でございます。そういうことで、いま御指摘の点は特に船舶火災等で油火災等が出た場合どうするのかという問題だろうと思いますけれども、そういう面につきましては大体は海上保安庁が主としてその火災の鎮圧に当たって、消防はこれに応援をしていく、こういう体制になっているわけでございます。
  47. 小濱新次

    ○小濱小委員 長官、よく御存じだろうと思うのですが、海上保安庁の船が東京湾を含めてこの周辺に何隻あるのですか。一つしかないわけです。それで特に湾外に出ている機会が多いわけです。そこでたとえば仮泊している、あるいは沖に停泊している、こういう船が問題を起こしたときに、私のほうは分野が違いますので出ていきませんというわけにはいかぬわけですね。どうしてもあの小さな消防艇が波にほんろうされながら出ていくわけですが、作業できないわけです。波にもまれてどうにもならないという状態です。そのときにどうしても消火剤の問題が出てくるわけです。相当量ありませんとどうにもならないが、そういう場合にはたして、臨機応変の処置をとるときに消火剤がどうなっているのだろうかなという不安が非常に起きますのでお尋ねしたわけでございます。その辺、どうでしょうかな、やはり消防艇も防波堤の外に出ていくくらいの船の大きさ、五十トン船以上くらいの船が相当配備されていかなくちゃならないかと思うわけですが、いま小さくて、たとえば木更津でも東京でも、あるいは川崎、横浜でも、防波堤の外まで出ていっても、ちょっと波の荒いときにはとても操作ができないような船ばかり持っているわけです。そういう点での何か海上保安庁とのこれからの話し合い、その話し合いの進め方によってそこまで消防体制も整えていかなくちゃならないのじゃなかろうか。三百隻の火災件数がどういう内訳になっているか知りませんけれども、どうしてもそういう事態が発生する機会が多いかと思います。したがって、そういう想定のもとに準備をしていかなくちゃならないのじゃないかということで、私どもちょっと憂えるわけですが、この点、長官いかがでしょう、何か御意見があればひとつ聞かしていただきたい。
  48. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 確かに現在、海の火災の鎮圧の体制というのがややおくれておるというのは御指摘のとおりでございます。先ほど申しましたように、現在海上保安庁と消防の担当分野というものは一応分けてございますけれども、これは当然に相互応援協定がございまして、消防も海上保安庁の分野につきましては応援をするという体制になっておるわけでございます。  ただその際に、海上の場合に一番問題がありますのは、これは非常にこまかい問題になって恐縮でございますけれども地上におきますように行政区域の境界線がない。本来市町村消防でございますから、その市町村消防が担当するのはその行政区域においてまず原則的には担当していくわけでありますが、海の上ではそうした行政区画がないということから、結局国がその部分について火災を制圧する責任を持つという体制になっているわけで、もちろん現在、たとえば東京湾におきましても、川崎、東京、千葉といったようなところは相互に全部応援をしながら火災の鎮圧にはつとめているわけでありますけれども、その際に相当な消防艇で、個々の市町村についてその責任を持たして海の火災も全部担当するという原則を立てるのかどうかということになりますと、やや私は問題があるような感じがいたします。そういうようなことで、現実の問題は応援協定で処理はいたしておりますけれども、その辺は海上保安庁がいわば国の立場で、要するに市町村の区域外のところのものについては国がそれを担当司るのだという線を実は明確にしてもらわなければならないというふうに私どもは考えております。  ただ現実問題として、いま火災発生した場合に、これは国だ、これは地方だというようなことにはいきませんから、やはり必要な資機材の準備はしておかなければならないということでございますし、御指摘のとおり、海の消防艇等の整備状況は非常にまだ不十分な体制にございますので、私どももさらに消防艇の大型化に対応する施設整備という点につきましても、四十九年度は配慮していきたいというふうに考えております。  また資機材につきましては、これも相互協定をいたしながら、たとえば東京湾の場合には、沿岸のコンビナートを持つ会社等の消防資機材の使用につきまして、これはお互いに彼此流用し合って使うというような協定もできておりますので、必要なときにはそういう備蓄分をお互いに使い合う、こういうことでやっていけると思いますけれども、なお特に東京湾沿岸というものはそういうあぶない火災が予想される地域でございますの  で、十分な防災体制をとり得るように海上保安庁とも十分打ち合わせを続けてまいりたいと思います。
  49. 小濱新次

    ○小濱小委員 ただいま長官から、四十九年度には改善をしていきたいという御意向のように伺いました。これはどこの港でもそうだろうと思いますが、この海上火災の場合の責任分野が非常に現場に即していない場合が多いのですね。命令権がどこにあるとか、もちろん海上保安庁にあるわけですが、そこから、ではどうやって命令権が出てくるのか、その船へ行って聞いてこなければ命令権はわからないとか、ここはこっちの区画だとかあっちの区画だとか、ここはおれの分野だとかそうでないとか、この辺はやはり何かひとつ長官に考えていただき、改良改善をしてもらいたいという、そういう現場からの声もございますし、私どもも直接それは痛感しておりますし、ひとつ御検討をお願いをしたい、こう思います。  それからもう一点お伺いしたいことは、先ほどもコンビナートの話が出ておりましたが、たとえば京浜重産業地帯、ここには塩素のタンクがだいぶあるわけです。先ほどいろいろ自衛消防のことについての質疑応答がありましたけれども、この塩素の被害が出たらどうするか。たとえば川崎の場合は、羽田におりる飛行機が、満ぱいで着陸できないで川崎の上空を飛んでおりますが、その事故が発生した場合にはこの塩素のタンクに被害がないとはいえないわけです。これの対策ができていないということで非常に憂えられているということ、一つやられても東京何十キロ圏は被害をこうむっていくであろう。これは人命に大きく損傷をもたらすような内容でありますので、この対策はどうかなというふうに感ずるわけですが、何かひとつ具体的に御説明がいただければお伺いしたいと思いますが、塩素対策、いかがでございましょう。
  50. 永瀬章

    ○永瀬説明員 お尋ねの塩素でございますが、塩素そのものの取り締まりは、御案内のごとく高圧ガス取締法の対象になっておりまして、通産省が所管いたしております。しかしながら、全体の防災、災害防止という面に関しますと、消防必ずしも無縁というわけにはまいりません。しかしながら、この塩素は非常に腐食性を持っております関係で、バルブ等がなかなかつけられない。つけますと洩れが起こる。あるいはポンプにいたしましても、普通の油を送るようなポンプをつけられないというような性質からきますところの、配管あるいは輸送、タンクから装置とか、タンクからタンクへ送りますその間の輸送の仕組みというものは、非常にむずかしい状態になっておる。でございますので、その点、現地の消防では通産省の出先機関と連絡をとりながら、なおかつ会社の技術と知識を導入しながら安全方策を考えてはおりますけれども、現在のところ、飛行機が落ちたりあるいは大きな地震があったりしたときに、十分洩れないような状態がっくり出されているかというと、必ずしもそうではないような状態でございます。これは今後さらに消防機関と一緒になりまして、また通産とも連絡をとりながら考えていかなければならない、かように考えております。
  51. 小濱新次

    ○小濱小委員 まあ、塩素の話ですからあまり無理はないようですけれども、そこに必ず火災発生するという、そういう前提に立って塩素対策も講じていかなければならないであろう、こういうふうに思っているわけですが、ぜひひとつ、これは起こってからではどうにもなりませんので、これもあわせていろいろとひとつ御研究、改善のための御努力をお願いしたい、こう思っております。  それから、先ほど林野火災についていろいろ話がございましたけれども林野消防体制ということになりますと、あるんだかないんだかわからないのですね。一応ある形ですけれども、少し大きな火災になりますともう処置なしということで、ただ遠巻きにして伐採するとか、あるいはまたいろいろと消火剤をわずかなものをまき散らかしているとか、何となくもう自然消火を待つような、そういう措置が多いのです。先ほどもヘリ消火ということを、当然これは考えられる問題として取り上げられておりましたけれども、それにしても、遠巻きにして伐採することもいいのですけれども消火剤がやはりこれは必要であり、そうなると大量に消火剤が要るわけですね。市町村にそれだけの貯蔵量があるとは考えられません。東京湾周辺の貯蔵量を調べてみても、ほんとうにもうわずかしかないように聞いておりますし、そういう点では林野火災が起きたならばさてどういうふうになっていくのかということで、どうしても延焼から延焼ということで大きくなっていく、そういう傾向が多いようであります。まあこの消火剤のことについてはやはりこれから何らかの対策、措置を講じていかなければならないし、それの散布方法、どういうふうにしてそれをまいていくのか、そういうことの機械設備というものを考えていかなくちゃならないであろう。林野火災は、先ほどの概況報告によりますと非常に大きな数字になっていますね。沖繩の百二十万アールを引きますというと、四十七年度に比べて四十八年度の増加率は九〇%、こういうことになるわけですから、ぜひひとつこの点についても十分研究もし、努力をしてもらわなくちゃならない、こういうふうに思うわけです。  これについて長官どうでしょうか、ぜひひとつ、ことしはいろいろとやってもらわなくちゃならないことがたくさんあるわけですが、この点についての長官のお考えと、それから最後に、これからの消防体制強化が叫ばれている現在ですから、将来の展望について、抱負でもけっこうでありますが、最後に長官からお伺いをしたい、こういうふうに思います。
  52. 佐々木喜久治

    佐々木政府委員 林野火災につきましては、先ほど私と次長からお話し申し上げましたように、市町村につきましては特別な地域指定をしながら、それの対策資機材の整備を行なわせる、これが大体従来方式資機材でございますけれども、さらに昭和四十九年度は、市町村ごとに資機材を整備するということよりは、むしろ県のほうに必要な資機材備蓄させるということのほうが合理的な場合が多いというふうに考えられますので、さらに必要な消火資機材整備を府県のほうに備蓄をしてもらう、こういうことで、その必要な補助金を計上したわけであります。  それから、先ほどのヘリコプターによる林野火災消火という問題につきましては、実はこのヘリコプター自身のいわば操縦技術上の問題もございまして、いまヘリコプターが出動できる体制にあるのは関東地域だけでございます。それを昭和四十九年度はできるだけ全国に及ぼしていきたいということで、自衛隊のほうの防衛庁の協力を要請をし、防衛庁も大体そういう方向で、四十九年度は必要な訓練を実施しながら、大体全国を五ブロックくらいに分けて、ヘリコプターによる山林火災消火部隊をつくっていきたい、こういうことをやっております。  そのほか、私どもはことし、大震火災のために、一応まだ四十九年度は実験でございますけれども、カナダで開発されました林野火災専用の飛行艇を借り入れて、これを都市の大きな火災消火のために使えるかどうかという点の実験を行ないたいというふうに考えております。これは特に大地震に伴う火災発生の際に、避難路を確保するためにそういう飛行艇が使えないだろうかということで実験をするつもりでございますけれども、これはおそらく同時に、カナダの実験の例、あるいはこの飛行艇はフランスあるいはスペインで現実に使用されておりますけれども、それらの例から見まして、山林火災につきましても相当効果があるということが実験的にも実際的にも認められておりますので、それらの実験の例、あるいはこちらに持ってまいりました実験を通じまして、こういう飛行艇の使用が可能であるということであれば、それらの導入ということも当然考えられてくるだろうというふうに思っております。  そういうことで、林野火災につきましては、大体消防研究所消火資材の開発が一応成功いたしましたので、とりあえずそれを配備、全国的に備蓄をさせるということにいたしますとともに、さらに将来そうした飛行艇等の導入が可能になりました場合には、それらを使用することも考えられるだろうというふうに思っておるわけであります。  それから、今後の消防についての展望の問題でございますが、これは先般も申し上げましたように、最近の火災の多様化に対応いたしまして、それからまた消防職員の充足あるいは週休二日制の問題といったようないろいろな問題をかかえております関係から、本年は消防力の基準といったようなものについて再検討を行ないまして、時代の要請に合うような消防体制の目標というものをまずつくっていきたいというふうに考えております。これによりまして各市町村の必要な財政措置あるいは人員充足の措置といったようなものもあわせ考えながら、今後の火災の多様化に即応し得る消防体制をつくっていきたいというふうに思っておるわけであります。
  53. 小濱新次

    ○小濱小委員 ぜひひとつ、ことしこそは思い切った措置を講じていただきたいと心から念願をしております。  林野火災の場合、水がなければ消火剤が使えません。林道をどうやって車を進めていくのか。車が入れないという道路も非常に多いわけですね。この間ちょっとテレビで見たのですが、「日本沈没」という映画、いまたいへん好評のようでありますが、長官、一ぺんごらんになったらいいかと思うのです。この中に、あのものすごい林野火災の中にあって、ヘリコプター消火弾を落とすところがあるのですよ、ばあんばあんと爆弾のように。えらい威力で一帯が鎮火していくのですね。いやあ、これだなあと思って私、見ていたのですが、ああいうものが、いまの近代消防といわれる時代ですからなくちゃならないはずだと思うのです。消火弾ならいいですね。持っていって要所、要所にぼんぼんぼんと置いていけばいいのですからね。いやあ、これだなあというふうにほんとうに心から感じて見ていたのですが、そういう点もありますので、何とか努力をすれば、いまの消火体制防火体制、できないわけはないというふうに特に感じました。そういう点で期待するところが大きいわけですから、長官の今後の一そうの御努力を心から期待いたしまして、私の質問を終わります。
  54. 中山利生

    中山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午前十一時四十九分散会