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有住説明員 お答えいたします。
新聞などで、それから
中央防災会議の御
報告でも出ておりますが、
マグニチュード六・八ということで、
伊豆半島の南約二十キロぐらいのところで、深度が二十キロでございますが、そういう
地震が起きたということでございます。現在の
学問とか
技術のあれからいたしますと、こういうような前ぶれなしに起こります
地震なものですから、あらかじめお知らせするというようなところまでできませんで、皆さんにたいへん御迷惑をかけておるわけでございます。しかしながら、これからの
予知をどういうふうに進めますかということで、
地震予知連絡会その他で検討しているわけでございます。
ちょっと前置きが長くなりましたが、いまの御
質問の
関東大震災、
河角先生が六十九年
周期というのを出しておりますが、それとは、一応いままでの
学問的な見解では別というふうに
考えております。その根拠と申しますのは、今度の
地震と申しますのは、
南海トラフというのがございますが、それの東側にございます、いわゆる
海嶺といっておりますが、山になったところでございます、そこで起きているわけなんでございます。そういうことで、そのことがつまり、
地震も浅くて二十キロだというようなことと符合しているわけでございます。
地震の大きさからいいましても六・八ということて、いわゆる非常に大
規模——これは大きい
規模でございますけれども、
地震学上いっておる非常に大
規模な
地震というのから比べますとやや小さい。小さいと言いますと語弊がございますが、七以上を大
地震と申しておりますので、それからいきますと大
地震よりはやや小さい。ただ
直下型でございましたからたいへん
被害も出ておりますし、たいへん御迷惑が起きておるわけでございますけれども、そういうことでございますので、いわゆる
関東の大
地震というものとは系列は違うというふうにわれわれ
考えております。
それから、その後余震もだいぶ出ておりますが、
気象庁の
地震計の
記録等によって調べてみますと、
有感地震としてはいままでに六十回ほど起きております。それから人体に感じないものとしては二百回ほどありますが、これは漸次少なくなっていくものとわれわれ推定しておるのでございます。
また、重ねてこういう
地震が起こるかどうかという心配でございますが、いまお話ししましたような
海嶺の
地震ということでございますので、過去の
地震記録を調べた限りでは、あれと同じくらいあるいはそれ以上というような
規模の
地震がああいう地域で二回続けて起こったという
記録はございませんので、いまの
技術的な水準から申しますと、続けて起こることはなかろうというふうにわれわれ
考えておりますが、しかし今度の
地震でも
予知できなかったというような、
学問、
技術としてはまだ不備な点がございますので、非常にはっきり確定的なことを申し上げるわけにはいかないのですけれども、われわれとしてそういうふうに推定いたしております。