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1974-05-07 第72回国会 衆議院 地方行政委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月七日(火曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 伊能繁次郎君    理事 小山 省二君 理事 高鳥  修君    理事 中村 弘海君 理事 村田敬次郎君    理事 佐藤 敬治君 理事 山本弥之助君    理事 三谷 秀治君       片岡 清一君    武藤 嘉文君       渡辺 紘三君    井岡 大治君       小川 省吾君    山田 芳治君       小川新一郎君    折小野良一君  出席国務大臣         自 治 大 臣 町村 金五君  出席政府委員         自治政務次官  古屋  亨君         自治省行政局公         務員部長    植弘 親民君  委員外出席者         自治省行政局公         務員部福利課長 大嶋  孝君         地方行政委員会         調査室長    日原 正雄君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十二年度以後における地方公務員等共済  組合法年金の額の改定等に関する法律等の一  部を改正する法律案内閣提出第七九号)  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案井岡大治君外三名提出衆法第二七号)  地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案  (内閣提出第七六号)(参議院送付)      ————◇—————
  2. 伊能繁次郎

    伊能委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案及び井岡大治君外三名提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。山田芳治君。
  3. 山田芳治

    山田(芳)委員 今回の法律の改正については非常に詳細な点がございますので、ある意味においては関係委員質問とダブる点があろうかと思いますが、ある意味では詰めの意味において質問をいたしたいというふうに思いますので、その点は御了承いただきたいと思います。  まず最初に、大臣はおられませんが、政務次官も言われておるわけですが、これは特に委員長にもお願いをしたいと思うのですけれども共済組合関係法案審議している中で、多くの委員質問をいたしますと、これはやはり国家公務員共済組合法関係があるとかあるいはその他の年金との関係があるということで、当委員会だけで審議をしておっても、何かこの委員会では結論が出ないという答弁が非常に多い。特に重要な問題になると、他の委員会との関係がある、他の省との関係がある、こういうことが言われる。特に大蔵あるいは厚生という関係が出てくる。政府部内においては、この間政務次官から話があったわけですけれども内閣審議室を中心とした恩給なり年金連絡会議でいろいろきめているというようなことで、そこの意見を聞かなければ一歩も進まない、こういうような答弁が非常に多いわけであります。ですから審議方法も、われわれとしてはどうも隔靴掻痒といいますか、くつの上からかゆいところをかいておるという感じがするわけです。しかも、国家公務員共済組合法のほうはすでに衆議院は通過をしておる。恩給法はまだ通過をしていない、これはいままさに結論が出つつある。こういうように、関連する法案でありながら委員会が別々である、しかも各省それぞれと、こういうことでは審議それ自身も、われわれとしても十分な審議ができないというふうに思うわけです。  これは委員長お願いをしたいのですが、ことしのこの問題についていまどうするというわけにもまいりませんけれども、やはり今後この共済年金等の問題については、もちろん国家公務員地方公務員それぞれ相互に関係をするわけでありますから、連合審査最初から持っていくというような審議方法をひとつお考えをいただかないと、これはどうも不十分である、というよりも念の入った答弁が得られない。これはたとえばいま政務次官にこれをお聞きしても、内容は賛成だけれどもと、おそらく消極的な答弁しか出ないと思います。ですから、そういう点について、もう少し、審議方法を含め、あるいは政府委員出席の問題を含めて、今後この種の問題——これは次に出てくる公務災害補償の問題も、これは国家公務員災害補償あるいは労働省の関係のいわゆる労災一般業務会社企業における労災の問題も同じことなんで、単に自治省だけを相手にわれわれが質問をしてもとても結論の出るようなものでないという点において、こういう審議方法、あるいは答弁についても単に自治省だけの政府委員だけでは、われわれとしても、はっきり言うと、お気の毒というとことばは適当ではありませんけれども、十分なお答えが得られないというような点がありますので、この点について今後ひとつ御配慮を願いたいというふうに思うわけです。これは関係理事皆さんにもお願いをしたいと思うわけですが、まずもってその基本的な問題について、政務次官なり委員長なりの御意見を伺いたい、こう思います。
  4. 伊能繁次郎

    伊能委員長 山田委員に申し上げます。  ただいまの御希望、ごもっともでございますので、本委員会理事会において御相談の上、関係委員会とも協議をいたしたい。前例も私の記憶ではあったように記憶いたしております。
  5. 古屋亨

    古屋政府委員 ただいまの共済の問題について、関係委員会あるいは関係各省が非常に分かれておりまして、そのために審議の場合においてもいろいろの問題が起こり、また十分な審議を尽くす上においては何らかの方法を講ずべきではないかという御意見、私も全く同感でございます。  先般も申し上げましたように、たぶん総理府審議室というのは、年金制度連絡協議会、もし私が間違っておったらまた訂正さしていただきますが、あるいは事務次官会議の申し合わせか何かで閣議に報告しているぐらいのもので、いわゆる閣僚的な懇談会には現在のところはなっていないと思うのです。ただ、問題が非常に大きい問題でございますので、もうちょっと上のベースで政府としても協議をすべきではなかろうかという私見をこの前私申し上げまして、町村大臣からも、その線によってひとつ推進していきたいというような御答弁があったとおりでございます。昔と違いまして、いまは総務長官国務大臣になっておるところでございますので、私は、こういうような横と縦と両方重なっておる問題については、ただいまの先生のお話しのように、やはり政府側としてももう少しいまの機構と申しますか、運営のやり方というものも十分前向きに再検討していくべきだと思いますし、その中でいま自治省一つのブランチにすぎないわけでございますから、非常に優秀な方がおられますけれども発言力といいますか、その意思を通す点については、なかなか地方皆さん意見が通っていないのではないかと私は思っておりますので、そういう点、私も前向きに総理府のほうへ、長官なりあるいはそういうところへ申し入れまして、何とか機構的にも政府部内においてももう一ぺん再検討するように申し入れたいと思います。これは口先だけではなくて、実行を前提にして前向きに進めてまいりたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
  6. 山田芳治

    山田(芳)委員 非常に前向きな発言でけっこうでございますので、ぜひこれは、単に内閣審議室長などというレベルでなく、もっと高い段階で、政策的、政治的な配慮の中でこの問題を取り上げていただきたいし、それを、ぜひ実行をしていただくということをお願いをして、前段の話を終わります。  次に、財政担当の方は来ておられませんか。財政局関係はおりませんか。  実は、これは超過負担の問題とも関連してですが、本会議においても私は質問をしたのでありますが、いわゆる事務委託をした職員事務委託というのがあります。たとえば統計事務であるとか外国人登録であるとか、そういった人たち委託費の中に共済組合負担金地方公共団体負担金分が組み込まれていないのです。しかし地方団体がこれを持たなければいけないという問題があるわけです。地方団体としてはそれを持つわけですけれども委託する事務については地方交付税の中にその人員は計算されておりませんから、当然まるっきりの超過負担ということになっているのですね。共済組合負担金について、当該地方公共団体が当然負担しなければならないということは共済組合法の中に書かれているわけですから、委託職員何名という定員、たとえば統計事務については全国で三千数百人という人が完全に置かれている、常勤である、こういうことになっているわけでありますから、それの共済負担金について地方団体はまるまる超過負担という形になっているが、自治省としては、共済負担金について当然各省に対して、負担のための経費というものを委託費の中に含めていくべきであるというふうに考えるわけですけれども、その点について一体公務員部長はどういうふうにお考えになっているか、あるいはそれに対してどういう措置をされたか、ひとつお答えをいただきたい。
  7. 植弘親民

    植弘政府委員 いま御指摘全額国庫委託によるところの統計事務に従事する職員、こういったものは本来、全額国庫委託でありますから、地方財政法の精神によりましても、その事務を執行するに必要な経費、すなわちその職員給与ないしは関連するこういった共済その他のものについても、基本的には委託費の中に入るのが至当だと思います。いま山田委員指摘のその部分が委託費の中に入っているかどうか、ちょっと私いまはっきり覚えておりませんで申しわけございません。したがってこれは早急に財政局からも調べてみまして対策を考えたいと思いますが、基本的には、やはり全額事務委託であるとすれば、事務を遂行するに必要な事務費の中に、全額委託ですから、当然人件費が入るべきが至当だと思います。
  8. 山田芳治

    山田(芳)委員 公務員部長がその例を御存じないという、われわれのほうが知っておるというようなことは、これはきわめて職務怠慢と言うとことばが過ぎるかもしれぬけれども、これだけ超過負担の問題が叫ばれておって、最もひどいのは委託職員にかかわる昇給の問題と退職手当の問題と、そして共済組合負担金であるということは再々この委員会で私は申し上げておるのです。この経費だけでも何億かという金になるはずでありますけれども財政局を調べてなどと言いますが、財政局長はすでに当委員会では、各省のそういうのはけしからぬと言うておるくらいの内容のもので、これはほかの委員さんも聞いておられるわけです。だから、共済のことについて、地方団体負担金について、やはり公務員部長たる者地方団体立場に立って、各省に対して、こういうものは当然入れるべきだということで、財政局だけでなくて、やはり公務員部長地方公務員給与なり福祉関係責任者立場にあるわけですから、このくらいのことは当然措置をしておるべきものであるというふうに私は考え質問をしているので、この点についてはそれではあとからあなたの報告を聞かしていただくということで、質問を留保さしていただきます。委員長、ひとつよろしくお願いいたします。
  9. 植弘親民

    植弘政府委員 まことにその点は職務怠慢と言われると申しわけございませんが、私ども財政常識でいいますと、先ほど至当と申し上げましたように、全額国庫委託であるならば、そういう議論をすること自体が、私としては正直のところを申し上げて心外であったわけでございます。その意味で当然入っているものと思っていたものが、実は山田委員から御指摘をされて弱ったのでございまして、もしそれがそういう事態であるとするならば、私ども十分そういったものにも目を光らす。もちろん私がいま申し上げましたのは、自治省というのは御承知のように狭い役所でございまして、そういうものは財政局がすぐ所管をしてやっている、行政行政局のほうでその他の面に注意を向けるというふうに、いわば事務分担をしている形でございますために、若干力を抜いたといいますか、気がつかなかった面がある点はひとつお許しをいただきたいと思いますが、その御指摘の点は他山の石といたしまして、いろいろな点についても十分これから注意しなければならぬと、覚悟を新たにいたします。
  10. 山田芳治

    山田(芳)委員 質問を留保してありますから、あと報告をいただきたいということだけはひとつ……。  では次に移ります。具体的な事務の話なんですが、廃疾年金程度認定は、毎年受給権者調査をやっているわけですね。それで、毎年その程度認定するにあたって、他の疾病が出たような場合の因果関係有無について、この認定が非常に問題になるわけであります。毎年受給権者調査を行なう際に、やはり本人意見というものを十分聞いてほしいということを私は要望をするわけであります。  というのは、こういった問題についてのいわゆる不服審査というのは、六十日という不服申し出期間というものがあるわけですけれども一般受給権者というものは六十日というような期間をつい忘れる可能性がないわけではない。非常に法規に詳しい人ならばそういう点を見のがさないのだけれども、やはり一般受給権者というものは、必ずしもそういう不服申し出期間というものに対する感覚というものがない場合もあるので、そういう期間なり何なりというものが過ぎても、そういった状態について因果関係有無あるいは受給権者意見の聴取というような点について、一体どのようにいまおやりになっておるのか。改めるべき点があるというふうに思うのでありますが、公務員部長意見を伺いたいと思います。
  11. 植弘親民

    植弘政府委員 御指摘審査請求は本法の百十七条にございますが、御指摘のように同条二項に、「六十日以内にしなければならない。ただし、正当な理由により、この期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない。」ということがありまして、通常の場合、山田委員指摘のように、いわゆる法の不知をもって対抗できないといいますものの、一般的にはそういうことについては無関心なのがわが国の一般的な国民生活の実態だろうと思います。したがって、そういう単に忘れたということが正当な理由に該当するのかどうかという点については非常に判断にむずかしい点もあろうかと思いますが、少なくとも共済制度自体掛け金をもって社会保険として組合員のためにある制度でございますから、そこらのところは十分組合員立場に立ってものを考えるということが、共済制度の運用の基本であろうというふうに考えております。
  12. 山田芳治

    山田(芳)委員 ですから、毎年受給権者調査を行なう際には本人意見を聞くというふうに、ひとつ親切にやっていただきたいということを申し上げておきます。  次に、ほかの委員からもあるいは質問があったかと思いますけれども年金多額所得停止制度というもの、これについては、恩給費節減というか、年金節減というために設けられた制度であろうと思うのですが、この点について、これを廃止をするという意見はないかどうか、この点についてひとつ……。
  13. 植弘親民

    植弘政府委員 いま御指摘の点は、従前恩給法なり退隠料条例ですか、恩給条例といいますか、こういったものを受けることができる者であったものの通算の場合にその問題が起こるわけでありますが、新法の場合それは起こっておりません。となりますと、やはり問題としては確かにあるわけでありますけれども従前からの経緯、制度引き継ぎの問題がございますので、それを簡単に変えるということもなかなか困難な問題だろうと思います。
  14. 山田芳治

    山田(芳)委員 多額といいましても、いまの時代において、これだけインフレが高進しているので、やはり廃止する点について一ぺん十分検討をしていってほしいし、やはりその程度等も何らかの形で検討に値するのではないだろうかというふうに思うわけで、所得多額であろうとなかろうと、受ける本人にとってみれば、当然納付金を納め、そうしたものがあるわけですから、その点についてひとつ検討をしていただけるかどうか。
  15. 植弘親民

    植弘政府委員 先般来繰り返し申し上げまして、冒頭山田委員から御指摘がございましたように、この恩給法なりそういったものと関連がある問題となりますと地方共済独自で結論を出すということはできませんが、ただ御趣旨は、いま御指摘の点はよくわかりましたので、先ほど政務次官が言われましたように、公的年金連絡会議等を通じまして、そこらの問題も恩給とのからみにおいて検討させていただきたいと考えます。
  16. 山田芳治

    山田(芳)委員 次に、いまの法律との関係では直接ないわけでありますが、これも検討事項一つとして考慮を願いたいと思うのは、いわゆる既給一時金の控除方法ですね。一つの例を私はここへ持ってまいったわけでありますが、旧国家公務員共済組合法の適用を受ける人で一時金をもらった人、その人が新しい法律共済組合法によって、引き続いて勤務をした、いわゆる雇用人なり何なりの期間のある人、その人については、御承知のように、退職当時の給料または受給額によって既給一時恩給を控除されることになっているわけですけれども共済既給退職一時金については、退職時の給料年額一定率を乗じ、さらに年数倍して控除されるので非常に多額になっている、こういうことになっております。  たとえて言いますと、ここにいる職員は旧長期組合員期間が約九年余あったわけでありますが、それが全部で二十六年たって退職をして、新法期間が十一年ばかりありました。その人の基本額が七十万一千六百十七円ということでありますが、施行法十二条による控除額十二万一千八百六十二円をいまの七十万から引いて五十七万九千円というのが年金額になる。ところが、一時受給を幾らもらったかというと十一万一千二百五十八円。十一万一千二百五十八円もらったばかりに、今度は基本額のときに十二万一千円と、それを上回るものが引かれるというような、いわゆる既給退職一時金控除額算出方法において、非常に高いのであります。いま言いましたように、五十万か七十万程度年金をもらうのにその程度のものが引かれていくというのを、もう少しこれは何らかの形において、軽減措置もしくは元利金返納制度を設けるというような措置をすべきではないかと思うのだが、この点については公務員部長はあまり専門家じゃないかもしれませんから、ひとつ課長さんでけっこうですから、どう思いますか、答えていただきたい。
  17. 植弘親民

    植弘政府委員 詳細はまた課長から御報告いたしますが、山田委員冒頭に言われましたように、やはり検討課題でございまして、現在やっていますのは旧法に基づく規定の解釈といいますか、そのまま規定を適用する場合こうなるということでございますので、旧法規定が現在において、現行制度の上で適当するかどうかという点は、先ほどの問題と同じようにやはり検討すべき問題です。  ただ、問題が一つあるのは、恩給の場合でございますと、山田委員承知のように、あれは定額控除でございましたですね。それで旧共済法によりますと、あれは定率なんでございますね。したがって、スライド的に額がベースアップされますとやはりこの控除額もふえるわけですね。そこらのところに、逆に言うと共済の場合は恩給よりむしろ控除される額が多くなるという若干の制度的な矛盾はあろうかと思います。しかしそれも、いま申し上げましたように旧法規定によっておりますので、そのときの制度においてそれがそのまま現在でも運用されるというたてまえになっておりますから、旧法規定そのものを現在のようなたてまえのほうに改めるかどうか、こうなりますと、これはやはり旧法時代掛け金だとかその負担金だとかに関連も出てまいりますので、やはり御指摘のように矛盾点が若干あるということはわかりながらも、これは相当慎重な検討を要する問題になるのではないだろうかという感じがいたします。
  18. 山田芳治

    山田(芳)委員 いまのは、それは確かに理屈を言えばそうですけれども、漸次改正されてよくなってくるわけです。しかも現実にそういった人がいま在職しているわけですね。昔のその期間を持って在職をしている。だから、その人たちの過去の問題についてもやはり是正をしていってやらないと、たまたまそういうものを持っておるし、いまの制度から見るとおよそナンセンスみたいなようなものがそのまま、まだ、旧法時代のことであるからということで見のがされていると、いま言ったように非常に不合理なことになってくる。本人からいえば、それはその当時確かに一定の額を、本人意思にかかわらずもらわざるを得ないという形になってもらっている。ところがあとでやめたときにその分が上回って引かれる、こういうことになるわけです。しかも永久にその人が受給権を持っており、またそれが、本人が死んでも遺族にも出てくる。こういうようなかっこうになりますと、これは非常に不利になりますので、できれば元利金返納制というようなものを設けて、本人の選択にまかせるというような考え方をどうしてもとってやってほしい。これは具体的に私はいまそういった人からの要望を受けて質問をしているわけなんで、ここに例がありますので、何でしたらそれ持っていっていただいてけっこうなんで、私もこれを見て非常に不合理であるというふうに思っております。ひとつ担当課長さんの意見をちょっと聞かしてもらいたいと思います。
  19. 大嶋孝

    大嶋説明員 問題は、その退職年金の基礎に一時金をもらった期間が入っておるというところに問題があろうかと思います。御指摘の点、確かに人によりましては非常に不合理なといいますか、非常にかわいそうといいますか、気の毒な面もあろうかと思います。したがいまして、私どもとしては、でき得るならば、少なくとも最低保障額からの既給一時金の調整だけはやめたいというようなことも検討したわけでございますけれども、今回実現を見ていないということで、種々検討さしていただきたいと思います。
  20. 植弘親民

    植弘政府委員 いまの元利問題等、また最近におきまして、昨年も大いに指摘されました例のPTA雇用みたいような問題、ああいうものも、制度的な問題としては現行制度ではどうにもならないですけれども、やはり全般的な社会保障制度を拡充するという立場から前向きで検討しているわけでありますから、その個々具体の例につきましても十分今後検討さしていただきたいと思います。
  21. 山田芳治

    山田(芳)委員 次に、これは制度の問題としてお伺いをしたいのですが、特別職であった人がやめますね。そうすると、特別職の人は、あるいは休職者ですね、この人たち昇給がないわけですね。昇給がない、特別職のたとえば副知事とか出納長とかいう人、だからそれは昇給の率をかけていくというやり方仮想給料方式によるという形になっておりますね。そういう点について、一般職員との格差があるというふうに考えられるので、こういう不均衡是正というものの何らかの措置についてはどうお考えになるか、ちょっとお伺いしたい。
  22. 植弘親民

    植弘政府委員 特別職の場合ですと、一般的には上限の、今度で二十四万五千円にさしていただきますね、ああいうことで大体は頭打ちになる可能性のほうが多いと思うのであります。個別の場合の問題としてどうかということになってまいりますと、一応やはり標準的なものを考えて、それでいまおっしゃったように仮定俸給なり仮想俸給なりをつくっておるわけでありますから、非常に個別的な不合理という問題があるとするならば、それは個別的によく検討さしていただかなければなりませんが、一般的には大体上限で救われるといいますか、一緒になっているのではないかと思います。
  23. 山田芳治

    山田(芳)委員 古くやめた人ですね。最近やめた人は頭打ちがあるのだけれども、その頭打ち以下でやめているような特別職の人です。
  24. 植弘親民

    植弘政府委員 非常に個別的な問題はケースごとに当たってみませんとよくわかりませんので、率直のところ、私もいまちょっと答弁に困っておるわけであります。ただ一般的に、ベースアップいたします平均のアップ率よりも——なるほど特別職の場合は一般職のような定期昇給はございませんけれども、二年に一回なり三年に一回なり、額の改定を行ないますね、いわゆるベースアップ、その上げ幅というのは大体一般職のアップ率よりも高いはずですから、それほど不合理はないのではないかと思いますが、そこらのところは一ペん個別的な問題としてお教えいただきたいと思います。
  25. 山田芳治

    山田(芳)委員 こまかい点もありますので、これはそういう点があるということを指摘して、また一ぺんよく論議をしてみたいと思います。  次に、減額退職年金について、減額率が平均余命で定められているわけですね。最近のように平均余命が非常に長くなってきているという状態のもとにおいて、従来のような方式ではすでにおかしいではないか、補正をすべきであるというふうにわれわれとしては考えているわけですが、その点についてどういうふうに考えておられるか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
  26. 大嶋孝

    大嶋説明員 確かに、御指摘のように、減額退職年金がある程度平均余命といいますか、それでつくられておるということは事実でございましょうし、またそれが最近のように延びておるということであれば、その減額率そのものをもっと軽くするとか、そういうふうな意味検討はあるいはしなければならぬかというふうに考えております。
  27. 山田芳治

    山田(芳)委員 非常にそっけないわけですけれども、大体十五年というのがいままでの保険数理の中から出てきておるわけです。五十五でやめて十五年というわけですけれども、平均寿命がもうすでに七十何歳というふうになっているわけでありますから、当然これは検討すべきでありますという答えが返ってくるものと期待をいたしておるわけですが、その点、部長、どうですか。
  28. 植弘親民

    植弘政府委員 その点はまだ正式に結論を出しておるわけじゃございませんけれども、たとえば現在の五十五歳の問題、これ自体を六十歳にすべきじゃないかとか、こういった問題も実はあるわけです。したがって、そこらのところともあわせながら積極的に検討はいたしておりますが、まだここで申し上げるだけの方向が出ておりません。六十歳にすべきじゃないかという感じもいたしております。そこらのところとあわせますと平均余命のとり方もまた違ってまいるわけでございますから、十分にそこらのところは真剣に検討さしていただきたいと思います。
  29. 山田芳治

    山田(芳)委員 それは、六十歳まで在職することが公然と認められるという前提ならその答弁けっこうですけれども、そういう指導をいまだかつてされたことすらなくて、ときどき定年制の法案など出そうというような状態であって、おそらく六十歳などということは聞いたことがないのですが、そこまで考えておられるというならそれはけっこうなことだと思います。  それなら逆に伺いますが、例のいわゆる短期給付の任意継続を今度一年としたわけでありますが、そこまでおっしゃるなら、一年といわず、当然五年、ないし六十歳に到達するくらいまで、短期給付の任意継続加入制度というか、今度新しく置かれた制度を認めるべきであると思うが、この点はどうですか。
  30. 植弘親民

    植弘政府委員 その点は、先ほども申し上げましたように、いろいろそういった年齢の問題余命の問題といったようなものを考える場合における一つのポイントであろうということで申し上げたわけでありますが、少なくとも今度お願いいたしております任意継続は、現行制度のもとにおいて、他の年金、すなわち健康保険との関係等もございますから、それで合わせさせていただきます。ただ全般的な、先ほど来山田先生いろいろ御指摘のような基本問題を考える場合には当然そこらのものも含めて考える、こういう考え方でございますので、御了承いただきたいと思います。
  31. 山田芳治

    山田(芳)委員 いまおっしゃるとおりなんで、私も基本的な問題あるいは個別的な問題、ばらばら出しておるわけですけれども基本的な問題だと、結局さっきの一番最初の話で、ここでは必ずしも答弁ができぬ、意見はまことにそのとおりだけれども、ということになっているので、どうも隔靴掻痒の感だというわけなんで、基本問題は古屋政務次官のおっしゃったようなレベルで、もう少し真剣に討議をしてほしいというふうに思うわけです。  それとともに、遺族年金について百分の八十程度支給されるように改善されたいという意見が非常に強いわけでありますが、こういう点についての意見をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  32. 植弘親民

    植弘政府委員 これも先般来しばしばお答えいたしまして、各委員さん方からおしかりを受けましたが、やはり共済年金制度も社会保障の一環をになうものとして充実すべき方向にあること、またそういうふうに努力しなければならないことについては何ら異存はございませんが、それを百分の八十まで持ち上げていきますためには保険数理論をどうするかという問題もございますし、もう一つは、いつも議論がもとに返るわけでございますが、他の年金制度をどうするかという問題になってまいります。しかしその過程において、少なくとも今年は一歩前進という形で扶加制度ですか、これを創設させていただく、こういうようなかっこうで進めておるわけでありますので、御説の点も今後基本問題として十分検討させていただきたいと思います。
  33. 山田芳治

    山田(芳)委員 結局検討事項でしょうが……。  次に、これもまた検討事項かもしれませんが、最低保障額、今度できましたね。最低保障額がありながら、一方で一時金の調整措置もかぶってくるということがあり得るわけですね。それは最低保障額の趣旨と合わないというふうに思うのですけれども、その点はどう考えられますか。
  34. 植弘親民

    植弘政府委員 この前もお答えしたかと思いますが、調整という考え方は、基本的にいいますと、保険数理論といいますか、保険制度に基づいておりますから、やはり掛け金をかけた期間というものが中心になって、その掛け金をかけなかった期間は調整するというのが基本的な原則であります。そこで、最低保障制度をとりましてもそういった一時金の問題がどうしても残ってくるわけでありますが、これは今後とも検討を続けていかなければならない問題というふうに考えております。
  35. 山田芳治

    山田(苦)委員 だけれども、最低保障制度を設けるというのは、少なくとも福祉政策優先という立場に立ってくるのですから、そういう最低保障額を一方で決定していくというなら、調整措置というのはその分については当然廃止すべきだと思うのですが、どうですか。
  36. 植弘親民

    植弘政府委員 先ほど申し上げましたように、制度のたてまえはございますが、結果的には、おっしゃるように、あるべき方向といいますか、社会保障の一環として充実するたてまえからいいますと、なくすほうが適当だろうかと思います。他の制度との均衡を十分考えながら、前向きに検討させていただきます。
  37. 山田芳治

    山田(芳)委員 どれもこれもみな検討で、ぼくは非常にいい提案をしているつもりなんだけれども、けっこうですというのは一つもない。まことに遺憾に思うわけですけれども、まあいままでいろいろ出したものはそれぞれ理屈はあるけれども最低保障額から一時金の調整措置をやるなんということは、これはいまここででも廃止すべきだと私は思うので、この点はもうちょっと積極的に考えていただきたいというふうに思いますが、政務次官意見をお聞きしたいと思います。
  38. 古屋亨

    古屋政府委員 最低保障制度ができたということはやはりそれだけの意味があることでございますので、その間の過程において調整的な制度というものはできるだけ廃止していくべき、改めていくべきたてまえだと私は考えておりますので、そういうような方向に向かって進んでまいりたいと思います。
  39. 山田芳治

    山田(芳)委員 次には、私どもの党の小川委員からいろいろ話があった点や、漏れている点についてもう一度お伺いをする点があろうと思いますので、その点は重複質問になるかもしれませんが、お許しをいただきたい。  まず第一は、附則三条の二ですか、いわゆる組合員である資格をなくしても運営委員の任命が二年間できるという規定が今度できたわけであります。運営審議会等及び地方公務員共済組合審議会の委員等の資格要件の緩和という点でありますが、審査会の審査委員についても当然そういう措置を設けるべきであるということを小川委員からたしか質問をしたと思うのでありますが、非常に消極的な答弁であったと思いますけれども、もう一度ひとつこれをお伺いしたい、こういうふうに思います。
  40. 植弘親民

    植弘政府委員 小川委員の御質問にもお答え申し上げましたように、基本的には、共済組合制度というのは組合員をもって構成するというのが主体でございます。したがって、運営審議会の委員にいたしましても、それから共済会の議員にいたしましても、やはり組合員であることが主体でございますが、その共済組合制度が、いわば使用者と被用者といいますかの、両者の負担により運営されているということ、そしてまた被用者の意思を代表するような立場の者の意見も十分に入れることが円満な運営に資するものであるというような点を考えまして、そういった運営審議会の委員さんには、二年を限ってでありますが、経過的な意味で、共済組合員の身分を持っていなくても委員にするという道を開こうとするのが附則の趣旨でございます。  ところで、いま御指摘の審査会になりますと、これはいわば準司法的機関でございます。したがってそこに、そういう代表というような考え方がそれほど濃厚であるかどうかという点が問題になろうかと思います。すなわち、一つのこういった機関におきましては、執行機関があり議決機関がありということでありまして、執行機関と議決機関とに代表的な意見を入れるということについては、なるほど円満なる運営のために必要かと思いますが、その結果に基づくところの不服審査といったような問題の、準司法的機関でございます審査会までそういう代表制といったようなものを加味することはどうであろうかというようなことから、審査会は除いたのであります。そこで問題は、審査会というのは、釈迦に説法でございますけれども、準司法的機関として、これに不服のある場合にはほんとうの司法機関の手続が残っておるわけでありますから、その意味では共済組合自体を越えた問題になってこようかと思います。そういうことから審査委員ははずしたわけでございますので、この前もそう申し上げましたが、そういうふうに御了解いただきたいと考えるのであります。
  41. 山田芳治

    山田(芳)委員 これはわれわれとしては納得できませんので、あと小川委員からあるいは関連質問があるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。  次に、組合専従等で休職をした場合に、復職をする、そしてその人がやめた場合には給与の特例的な措置をすべきである。というのは、一年間の平均給与で裁定をするわけでありますが、その間は御承知のように昇給が行なわれないという形になっておるのでありますから、非常に低い形の中で決定をされるということは、どうも制度の上からいっても不合理である。したがって、復職の際、給与については、そういった休職者等については特別の措置をすべきではないかというふうに思うわけですが、この点についてはどうですか。
  42. 植弘親民

    植弘政府委員 休職の場合、たとえば結核の場合だとか、刑事休職の場合だとか、それから専従休職とか、いろいろと休職の種類もございますが、それが復帰した場合といいましても、それはちゃんと法律に基づきまして、運用上その期間における給与の再計算という制度は示されておるわけであります。  そこで、その制度を越えてどうするかという問題になってきますが、これは在籍専従を離脱した場合といえども他の休職の場合といえども、それは扱いは均衡を得たものでなければならぬだろうと思います。ただ、そういった場合もいろいろ考えられますが、今回の改正でもお願いをいたしておりますように、ベースアップがありました場合には、一年前にさかのぼってベースアップがあったものということで、できるだけ有利に扱おうとしておるわけでございます。そこで全然給与を受けなかった期間のものを一〇〇%ということになりますと、これは制度のたてまえとしてできませんので、十分検討したわけでございますけれども、いま山田委員の御指摘のような点は、それほど明確には措置できるようには思われません。
  43. 山田芳治

    山田(芳)委員 ベース改定が行われるというのですけれども、ベース改定は、インフレ、物価高、その他によるいわゆる生計費の増高ですから、それといま私が問題にしておるいわゆる定期昇給の問題とは関係がないわけであって、当然その人も身分を有し、しかも定期昇給というものは、年をとれば生活費が拡大をするという前提で定期昇給というものがなされているわけですから、当然、休職者であってもそれが復職しておる際においては、若干の時間がたてば御承知のように三分の二復活をし、いずれ次期昇給期その他の措置によって一〇〇%復活していくという運用がなされているのでありますから、休職者が復職をしたとたんにおやめになるというような場合に、その部分を復元をしてやるということは当然あってしかるべきことではないか。その間において給与をもらっておったというのであれば、それは職務をしなくて組合に専従をしておったという点で問題はあるかと思うけれども、少なくともそれだけの身分を有しながら、しかも年齢的にいえば、年齢を一年積み重ねていくということで生活の拡大ということは当然考えられるので、昇給の趣旨からいっても当然そういう特例措置を講じていくべきで、いま法律にないからという意味ではなくて、われわれはそういう特例措置法律をつくってでも措置すべきではないかということを言っているので、もう一ぺん御答弁願います。
  44. 植弘親民

    植弘政府委員 いま御指摘のとおりでございまして、休職時の給与というものは復職の際に復職調整をやるわけでありますから、それをこえて一〇〇%の復職調整ということになりますと、これは他の休職との関係もあって簡単にまいりませんということを申し上げたわけでございます。
  45. 山田芳治

    山田(芳)委員 それをわれわれとしてはいま言ったような理由から、当然特例措置をしてほしい、すべきではないか、こういうふうに問うているのですが、部長としては絶対にそれはできないというわけですか。
  46. 植弘親民

    植弘政府委員 これは国家公務員の扱い等もございまして、それから休職者相互間における復職の扱いとの均衡の問題もありますから、なかなかそう簡単にはいかないだろうと思います。
  47. 山田芳治

    山田(芳)委員 これについてはあとでまた関連して質問が出ますので、ひとつ次に移らしていただきます。  次に、これも小川委員から質問があったわけでありますが、短期の任意継続、例の一年の問題でありますが、これの掛け金負担金の問題について、非常に過重であるという点について、何らかの軽減措置を講ずべきではないかということの質問があったわけでありますが、これについても非常に消極的な答弁であったわけでありますが、この点についてもう一度ひとつ答えていただきたいと思います。
  48. 植弘親民

    植弘政府委員 これも先般お答えいたしましたように、健康保険制度の例によって今回お願いしているわけでございますから、健康保険制度との関係において、共済のみで独自の制度をとるというわけにもまいらぬだろうと思います。
  49. 山田芳治

    山田(芳)委員 これは政令できめていくということになるわけですね。ですから、いまここでそういうふうに断定的に言わないで、各県、各省と十分相談をして、そしてできるだけ——いい制度ですよ。先ほど部長みずからも六十までとおっしゃった。われわれは、老人医療がもっと拡大をされて、老人医療がそれに引き継ぐというところまでやはり任意継続の適用を行なうべきだという意見を持っているわけです。あなた、先ほど言ったように地方公務員責任者なんだから、もっとあたたかい立場で公務員の身分というものを考えてもらわぬと、ほかに例があります、こちらにはこういう制度があります、こういうことになってくると、地方公務員をあずかっておる公務員部長の主体性、自主性というものが、ひいていえば自治省の主体性がどうも失われていくというふうに思うのです。いまの問題は、これは政令ですよ。法律できまるわけじゃない。政令でこれからきまるわけですから、もっと前向きに、そういう実情を十分お聞きの上、できるだけ前向きでやりますというお答えがどうして出てこないか。その点をひとつ……。
  50. 植弘親民

    植弘政府委員 実は私も非常に、先般来お答えしながら、つらい思いをしておるわけでございまして、やはり制度的にいいますと、公務員という職場と、地域社会と、それから一般の民間企業者ないしは一般に働く人との、そういった保険関係といいますか、社会保険といいますか、こういったものをどのように考えていくかという基本命題になろうかと思うのでありまして、(山田(芳)委員「遠慮することないですよ、公務員がどんどん先に行くべきだ」と呼ぶ)公務員が先に行くべきなのか民間が先に行くべきなのかということは、非常に大きな問題だろうと思うのです。  ただ、現在の公務員を考えます場合には、地方公務員はやはり国家公務員との均衡論をまず先に考えなければならぬと思います。同じように公務員という立場で、国家公務員地方公務員というのは同じグループとして考えざるを得ないと思います。国家公務員がいま人事院の勧告体制なんかをとっておりますが、この場合にも、民間との較差をどうするかというのが基本でありまして、いわば民間との較差の補完、追随といいますか、これが公務員の現在のそういった勤務条件の決定の基本的なセオリーになっていると思うのであります。  そこで、こういった共済制度におきましても、民間ということをまず考えるというのは、公務員サイドからしてまず第一に考えなければいかぬ問題だと思います。現行の制度をごらんになっていただきましても、やはり地方公務員のそういった共済等につきましては国家公務員との均衡をとれと書いてある。国家公務員のほうにおきましても民間との均衡をとれと書いてあるわけであります。そこで、非常に残念ながら、地方自治体だけの自主性というものが一体ここで出せるのかという非常に大きな、いわば哲学的な命題みたいなかっこうになろうかと思いますが、そこのところがお答えしながら非常につらいところでございまして、この前から同じことを繰り返させていただいてまことに恐縮ですけれども、やはり国家公務員なり他の社会保険制度との均衡というものを第一義に考えなければならぬので、なかなか意にかなったお答えができないので恐縮いたしておるところでございます。
  51. 山田芳治

    山田(芳)委員 自治省公務員部長さんはほかの省の局長や部長さんの立場に立って考える必要はないのであって、地方公務員立場がよくなるために奮闘努力をすれば、ほかの省の人がやっぱりこれはやらなければいかぬというふうになってくるかもしれないし、また大蔵省も、それだけ要望があるならこれはやらなければいかぬということになるので、まず一番責任のあるところが遠慮をしておるというような答弁では、われわれとしては激励したり叱咤するということができない。もっと前向きでやるのをわれわれが激励をするというぐらいでないと、制度というものは前向きに進みませんよ。  民間が、先導型をいかぬと言うかどうか知りません。明後日また公務災害補償制度の問題について質問をするつもりですが、これなんか民間がずっと出ていますよ。法定外給付をどんどん民間の会社が、例は幾らでもあげますけれども、やっていますよ。だから、ものによっては民間がどんどん進んでいるのは知らぬ顔をしているし、何かこっちが進むと悪いようなものの考え方というのはおかしいと思う。それは民間の会社や企業については、それぞれの財政状況によって、健康保険でも財政の豊かなところは、あっちこっちの療養所なんてたいしたものをつくっているということはあなた一番よく知っているはずなんです。民間のほうがどうであろうかということをどう調整し、判断するかは、最終的には総理大臣であり、あるいはその他の大臣で、少なくとも公務員部長はやっぱり地方公務員のために奮闘努力するという姿勢をまず示してくれなかったらこれは進みません。  先ほどからの答弁をずっと聞いておると、どうも解決のできない原因をほかに押しかぶせていて、みずから壁を打ち破るという気魄に若干欠けるのではないかというふうに思うのですが、この点についてもう少し、みずからやる、おれは地方公務員の最高の責任者であるという気概をもってやってもらわぬと、公務員部長、困るですよ。その点、どうですか。
  52. 植弘親民

    植弘政府委員 今回お願いしています改正事項の中におきましても、内輪の話をするのは恐縮ですが、少なくとも私どもが、いろいろと関係団体の意向等も踏まえながら、または昨年までの当委員会の附帯決議等の御趣旨に沿いながら努力しながら持ってきた点は二、三、特にございます。しかしそれをいまここで言うつもりはございません。ただ、そういうことは私ども努力しているつもりでありますが、少なくとも閣議決定をして法案を出し、国会の審議お願いしている以上は、その域を越えてこれからこうやるのだと言うわけにもまいりません。しかし私どもはそう言いながらも、この委員会における御意見、あるいは従来の附帯決議の御趣旨、こういったものを十分踏まえながら、逐次改善には努力してきているつもりであります。その点はひとつ御信用いただきたいと思います。
  53. 山田芳治

    山田(芳)委員 審議をし、質問をしておって、いま私はこれでもう何項目かあげましたよ。その点でも改善されてしかるべきものが相当あると思うのですよ。さっき私が言った、最低保障制度の中からもまだ調整措置の金額を引っぱるなんということはおかしい、こんなものは努力してもらって当然のことであると私は思うけれども、まあ審議を進める意味において途中で、これは努力をされ、これから検討されるということを前提としてそれ以上追及していないのですよ。  だけれどもことばの端々をとらえるわけではないけれども答弁の姿勢が非常に消極的だという感じを受ける。これは政務次官も横におっておそらくそういう感じを受けられると思うので、その点もうちょっとしっかりしてくれということを私は注文しているのであって、それは政府できめて出したものを、そのワクを越えていいと言えないということもわかっているから、冒頭に、こういう審議の方式では自治省が気の毒であるということさえ言っているのだから、そんなことは百もわかっておるのだから、もうちょっと積極的な姿勢を持ってもらいたい。地方行政委員会というのは、与党、野党あるけれども、ひとしく地方団体のために努力しようという、そういう意味では非常な対決というような場面のない委員会であるということを先輩各位からわれわれは聞いているし、また現実にここ一年半、われわれも参加をしている委員会の中でそれは非常に印象づけられ、審議にも協力をしていくという態勢をとっているんだから、もう少し内輪の腹を割った積極的な答弁を期待してやまないわけで、残念だというふうに思います。  いまの掛け金負担金の問題は政令ですから、その負担が非常に過重なので、その点について政令施行の際にはひとつわれわれの意見に十分沿うような努力をしてもらうということを注文をつけて次に移ります。  次に、いわゆる「平準的」という規定があったのを削除いたしましたね。長期給付の費用負担の取り扱いの改正、新法第百十三条関係ですね。これは保険数理からいうと、五年ごとに見直して掛け金、料率というものをきめていくというたてまえに従来はなっている。これぐらいインフレが進んでくると五年というものが適当であるのかどうか、いろいろ疑問があるわけでありますが、その「平準的」という規定を削除したわけで、その理由としては、他の同様の年金、厚生年金関係、農業者年金関係あるいは石炭鉱業年金関係等についてその規定がないから削除したというふうにいわれているわけであります。その趣旨とするところと、いま言った五年ごとの計算の見通しについて、一体これをどういうふうに考えているかという点についてお答えをいただきたいと思います。
  54. 植弘親民

    植弘政府委員 財政方式におきまして、積み立て方式をとるのか賦課方式をとるのかという基本的な問題がございます。この点はもう山田委員よく御承知のことで、この「平準的」ということばを削ったことによって、もう積み立て方式をやめて賦課方式へでも移行するつもりがあるのかというようなことかと思いますが、いまのところ、私ども、この改正の段階では直ちに賦課方式に移行する気持ちは持っておりません。ただ現在、経済社会情勢が非常に流動的でありますから、この流動化に即応できるように、若干そこのところを考えて「平準的」ということばを削ったわけであります。  ただ問題は、御指摘のように五年ごとに財政見積もりというか、これを見直すことになっておりますから、その際にそこらの点を十分配慮して見るわけでありますが、しかし問題はやはり責任準備金ですね。これを一体確実に全部見込んでいけるのかという問題になってまいりますと、基本的な問題があろうかと思います。ただ、責任準備金をかりに全部見ないといたしましても、現在の積み立て金の運営によって、責任準備金を持っておると同じような形で運用するとするならば、幾分そこのところはカバーできるわけでございますから、今年に当たりますが、見直しの時期におきましても、そこらの事情を十分考えながら、格別に直ちに掛け金負担金負担率が高くなるというようなことのないような配慮をしながら進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  55. 山田芳治

    山田(芳)委員 非常に高いレベルでちょっと議論をしてみたいと思うのですが、賦課方式にするか、いわゆるいまの積み立て金方式にするか。もちろんわれわれとしては当然賦課方式にすべきだというたてまえを強く持っている。これは他の厚生年金等においても同じ主張をしているわけですが、次官として、あるいは公務員部長として、将来の見通しですね。日本という国はだんだん老齢化するから、賦課方式をやっていくと将来の財政負担が非常に重たくなるから、後進国並みだけれども積み立て方式を採用せざるを得ないのであるというのが答弁であるのだけれども、はたしてそうであろうか。  少なくとも日本の給与水準は、戦後の段階においては三十何位あるいは二十何位といわれておったのが、だんだん西欧諸国並みに進んできておる。一方、老齢者の数もふえるけれども、先ほどから話が出ているように、定年制が五十五から五十八、六十というふうに進んでくるということになってくるし、一方では給与水準全体が西欧諸国あるいはそれ以上になってくるという可能性が出てきたときに、全体として賦課方式をとれないというのはいまの段階の試算をそのまま進めるからであって、要素が変わってくる段階において、賦課方式はとれないのだというような、財政当局、大蔵省が言うようなことには必ずしもならないというふうに私は考えているのですが、そこらあたり、非常に将来の見通しなり考え方であるわけですけれども政務次官はどうお考えになっているか、お伺いをしたい。
  56. 古屋亨

    古屋政府委員 賦課方式か積み立て方式かという問題はいろいろ議論されておるところでありますし、ただいまのお話しのように、賦課方式にすることが将来、日本のこういうようなベースの現状とか、そういうことからして適当ではないかという御意見もございましたが、これはむしろ私が私見を申し上げますよりも——私見を申し上げましてもこれは拘束力のないものでございますから、先ほど申し上げましたような機構というものをさっそくつくって、そこでしっかり運営をしていくことが行政的にはより早い道ではなかろうかと思っておるわけでございます。いずれにいたしましても、先ほどお話しのような財政負担とか、そういう問題も入ってきますので、私は、国全体のベースというか、各省を総合した総理府というか内閣というか、そういうベースで早急に検討してもらうように私のほうからも申し入れたいと思っております。
  57. 山田芳治

    山田(芳)委員 ちょっと部長の意見を……。
  58. 植弘親民

    植弘政府委員 積み立て方式か賦課方式かというのは、率直にいいまして非常にむずかしい問題だろうと思います。ただ現在の時点に立ってわが国の経済情勢、給与水準、そういったものを考えた場合には、いまの高齢化の非常な進行といったものを考えると、はたして賦課方式がいいのかという点については非常な危惧がございます。  それからもう一つはまた、賦課方式の場合においては基本的な資源配分論も根底にあろうかと思います。公的セクトとそれから私的セクト、こういう資源配分論といいますか財源配分論といいますか、そういったものも基本的なものとして当然考えなければならぬ問題があろうかと思います。  そこら考えてまいりますと、いまわが国の情勢で賦課方式に移行することは、保険制度の成熟度合いあるいはこういった社会資本の充実といった状況、そういうものからいったらまだ早いのじゃないだろうかという感じは率直にいたします。しかしこれも、非常に申しわけありませんが私の感想程度でございまして、確固たる自信で、賦課方式はだめだ、積み立て方式でなければならぬといったことを言えるものでもないだろうと思います。しかしいまのところは、少なくともこういう流動的な情勢に対応し得るように、弾力的な運用ができる積み立て方式を維持させていただきたいというのが今回の改正の趣旨でございます。
  59. 山田芳治

    山田(芳)委員 一歩進めまして、こういう共済年金制度自身も、だんだん進んでくればやはり社会保障制度の一環という形になってくる。先ほどのたとえば最低保障額の確保の問題であるとか、これは社会保障制度の領域の部分である。したがってその部分については、いまのような地方団体並びに本人負担ということでなしに、国庫補助というものが厚生年金にあるようにというような常識的な意見でなしに、社会保障制度そのものに共済年金というものが大きな役割りを果たしている、その部分については当然国庫が負担をしていくべきである。交付税で措置されているというような——地方団体固有の財源だと、あるときには地方交付税を言うかと思うと、何か補助金と同じような扱いをしてみたり、その点自治省としては答弁が非常に混淆しているという場合があると思うのですけれども、国庫補助導入というものの可能性というものが当然論ぜられてしかるべきであるし、また自治省としては大蔵当局に対して、財源の有無の問題じゃなくて、事の本質が社会保障制度の一環であるという部分に入りつつあるという前提の中で、そういう社会保障制度にかかわる部分については国庫補助を当然導入すべきである。財源が不足する、しないの問題ではなくて、本質的にそうすべきであるというふうに考えるわけですが、その点についてはどう思いますか。
  60. 植弘親民

    植弘政府委員 その点だけについて申し上げますと、先般申し上げましたように、国庫補助といいますか、公的負担、これを拡充すべきであるという点については数年来私どもの主、張であります。ただ、財源をどこに求めるかという点になってまいりますと、御議論があるように、直接国庫から出るのがいいのか、地方交付税という方式をとってやるのがいいのかという点については御議論があると思いますが、その点は一応おくといたしまして、少なくとも公費負担の額はもっとふやすべきであるという点についてはおっしゃるとおりであります。
  61. 山田芳治

    山田(芳)委員 ちょっとズレがあると思うのです。交付税というのは地方固有の財源ですから、国庫そのものと同じような観念はちょっと違うと思うのです。自治省は常にそういう答弁をしておられるわけです。ですから、私の言うのは、財源の有無は別として、財源措置は別として、少なくとも社会保障にかかわる部分については国庫補助亡いうものの導入を、たとえその額がいかがであれ、すべきであるし、これは理の当然として論理的に認められるものではないかということを申しているわけで、その財源をどこに求めるかは別としてではなくて、私の言うのは、別にしないで、国庫に求めるべきではないかと言っているのです。
  62. 植弘親民

    植弘政府委員 私も実はその点は山田委員の御質問の趣旨を取り違えたわけではございません。それをふえんいたしますとすれば、地方交付税はなるほど固有一般財源というふうに観念されておりますが、それにいたしましても、交付税のもとはやはり国税で徴収されますところの所得、法人、酒税三税であることは言うまでもございません。そういたしますと、こういった国税の中においても、国の租税収入の中においても大宗を占める所得、法人、酒税というものの三税の一定割合、そのどの割合を地方の固有的一般的財源として付与するかというのは財政政策の問題だと思うのでございます。  そこで、国が直接にいわゆる国の一般会計を通して出すか、地方交付税特別会計というものを通じて出すかというのは、財政付与方式の単なる形式だろうと思います。したがってそこは、問題は、運用論も含めて考えてみました場合において、若干の国庫補助を地方共済でもらうのがいいのか、ないしは固有一般財源という立場において、地方自治体もちゃんとそういう社会保障の一環をになう立場という、広い意味政府的な立場においての地方団体がみずからの固有一般財源をもってそれに給付したほうがいいのかという考え方だろうと思うのであります。そういう意味で私はその点はおくというふうに申し上げたのでありますが、少なくともそういった国庫からの地方共済に対する負担というものを拡大すべきであるという点については同じでありますし、その拡大のしかたを、単純に国の一般会計からもらうのがいいのか、特別会計である地方交付税を通じてもらうのがいいのかという点については、私どもは後者のほうがより現実的じゃないかという考え方を持っているだけであります。
  63. 山田芳治

    山田(芳)委員 交付税は一般財源ですから、ひもつきじゃない、補助金じゃないです。ですからそれをどう使うか、こう使うかというひもつきで論議をすることは間違いだ。だけれども、いまの議論を聞いていると、ひもつきでもたくさんもらえればそれだけいいという議論は誤りである。むしろ、多少にかかわらず国庫から道をつけて国庫補助をとるということのほうが、現在の社会保障制度の一環をになっている共済制度としての道をつけるというところに、額の多少を問わず大きな意義があるということを私は強く主張しているのであって、公務員部長としてもっと大蔵当局に対してその点を強く主張すべきであるという主張を持っているのであって、もちろん交付税において当面財源措置をしていくことを否定しているわけじゃなくて、それとあわせて少しでも国庫負担の道を開くべく努力をせいということを申しているのですが、その点についての姿勢、覚悟についてひとつお伺いしたいと思います。
  64. 植弘親民

    植弘政府委員 公費負担の増額についてはもう数年来の懸案でございまして、今後とも真剣に取り組むつもりでおりますが、直接国庫補助をもってするかどうかについては、いまのところは考えておりません。
  65. 山田芳治

    山田(芳)委員 そんなばかなことはないので、国庫補助を要求してやってもらうべく、自治省として社会保障制度にかかわる部分については当然主張すべきであるというふうに私は考えるわけでありますが、その点はひとつ努力をしてもらわないと困るというふうに考えます。  次に、地方関係団体が共済加入するということで、知事会が加入するということを今度は認めていくわけですね。——あれは準じて措置をするということですね。  いま問題になっているいわゆる地方の互助会、全国の都道府県で四十三あるわけです。それから教職員互助会が六十一ございます。警察職員の互助会が四十三あるわけで、職員数が千四百五十六人おるということになっておるわけですが、これはやはり地方公務員法によるところのいわゆる福利厚生の団体として、地方公務員法四十二条及び四十三条に基づく、職員の厚生福利制度についての団体である。地方公務員法はあるけれども、そのもとにおける付属法がないという形になっているので、各地方団体では互助会という組織を設けて、いろいろの付加給付的なものあるいは福利厚生を増進させる目的として条例で設置をされているわけでありますから、これが地方公務員等共済組合法の第百七十四条に規定する団体共済組合に加入できる措置が講ぜられるべきであるというふうに考えているわけでありますけれども自治省としてはどういうふうに考えているかという点について、積極的にわれわれとしては加入の方途を講じてほしいということを前提として、どう考えているかをお伺いしたいと思います。
  66. 植弘親民

    植弘政府委員 地方関係の団体職員共済組合加入の問題でありますが、実は昨年の当委員会の附帯決議におきましても土地開発公社の関係を御決議いただいておるわけでありますが、実はその土地開発公社にしてもなかなかむずかしい問題がございます。もう御承知のように、共済制度も社会保障といいますか、広い意味社会保険の一環であることは間違いございませんし、社会保険なり社会保障といった全国民を対象にして一本化するという基本考え方は、政府の諮問機関でございますが、非常に力を持っております社会保障制度審議会、この審議会におきましても、そういうふうにばらばらにすべきでないという非常に強いお考えがございます。したがって、当委員会のお力もいただきまして、かつて道路公社なり住宅公社を団体共済に入れていただいたのでありますが、それと同じように、法律をもって一昨年当委員会でおきめいただいた土地開発公社でございますから、当然に団体共済に入れてもらいたいということで、この法案をつくります際に厚生省とも折衝したわけでありますが、厚生省自体もそのような社会保障制度審議会の基本考え方を持っておりますから、当然政府原案ではなかなかオーケーできませんで、今回も土地開発公社も入れられないままに政府原案ができていま御審議いただいておるわけであります。  そこで問題は、その基本的な前提がございますために、これはもう非常に政府部内では難航いたしております。そこで、それじゃ道路公社なり住宅公社はどうして入ったかといいますと、やはり法律をもってつくられた特別法人であるということを一つの根拠にしてやられた経緯があるようであります。そこで今回は当委員会の先生方にもお願いしなければならぬのでありますが、土地開発公社は住宅公社なり道路公社と同じような特別法人の公社でございますから、修正でもお願いしたいと思っておりますが、その他となってまいりますとこれはなかなか大きな問題でおさまりがつかぬだろうと思います。そこで、そこのところは、やはりこの社会保険制度全般の中においてどう団体共済を位置づけるかという問題になってくるかと思いますので、非常に問題であろうかと思います。
  67. 山田芳治

    山田(芳)委員 政府としてはそういう考えであろうと思いますけれども、われわれとしては互助会を加入さすべきだという強い意見がありますので、これは関係委員皆さんに御協議をいただきたいというふうに考えております。  その次に、施行期日の繰り上げの問題をまず伺いたいのですが、一点は、この法律は、これから衆参両院を通過して公布の日から施行されるという形になっていますね。そうすると四十九年四月一日、あるいは三月三十一日にやめる職員についてはこの法が適用されないということになるけれども、四十九年度から施行されるわけですから、こういった四十九年四月一日あるいは三月三十一日にやめる職員についてもこの法律の恩恵が受けられるような施行日の繰り上げというものが必要ではないかというのが一点と、第二点は、厚生年金あるいは他の恩給法その他が繰り上げられていく場合に、この法律にいうところの十月一日ですか、それを繰り上げていくという点についてどういうふうに政府としては考えておられるか、この二点についてお伺いしたいと思います。
  68. 植弘親民

    植弘政府委員 改定の時期の問題につきましては、これもたびたびお答えいたしておりますが、恩給なり国家共済というものとの均衡がございますから、それに合わしてございます。それから個別の問題といたしまして四十九年三月ごろとおっしゃいましたか、これは先ほどちょっと申しました三年を一年に変えると同時に、ベースアップが一年前にあったというふうに仮定してやりますから、その分はある程度救われるのじゃないかと思うのです。それである程度救われると思います、個別に計算してみないとわかりませんが。  それから、それでは全般的に十月を繰り上げるべきかどうかという問題でありますが、これは私どもも、かつては二年半くらい違っていたわけでございます。それがだんだんと短縮してまいりまして、ようやく十月までになっているのでございますが、これはできるだけ短縮されて、共済制度の水準が実質上拡充されることには賛成でありますが、これもさっき申し上げましたように、他の制度とのからみがあると思っております。
  69. 山田芳治

    山田(芳)委員 それでは私の質問を終わりまして、関連して……。
  70. 小川省吾

    小川(省)委員 山田委員質問関連して一点だけお尋ねをいたしたいと思うのです。  私は去る二十五日に、いわゆる任意継続の短期について、いま山田委員からも発言がございましたけれども掛け金が非常に高いので、画竜点睛を欠くのではないかという主張をいたしたわけであります。おそらく、この法案が衆議院を通過すれば参議院は一瀉千里ということになるわけでしなうから、そういう意味では私は当然政令なりはほとんど準備をされている段階だというふうに考えています。そういう意味で、私が主張をした、いわゆる掛け金の引き下げについて幾つかの案を出したわけでありますが、いわゆる受給をする年金に相当する掛け金にしたらどうか、かりにどうしてもそれが不可能である場合には、いわゆる平均給与額をとって、それを下回る者は退職時でもやむを得ないけれども、平均給与をとったらどうかということを提案したわけですが、その後すでに十二日近い日数がたっているので、特に短期給付の任意継続についてどのような検討を具体的にされたのかをお聞きしたいと思います。
  71. 植弘親民

    植弘政府委員 先般もお答えいたしましたが、健康保険との関係で、健康保険が最終標準方式をとっておりますから、それによることになるのは当然だと考えているわけでありますが、先般も小川委員から相当いろいろなケースについての御指摘もございましたので、その趣旨によりまして、現在国家公務員共済関係も大蔵省とも協議中でございます。
  72. 小川省吾

    小川(省)委員 そうすると、健康保険の現行制度によらざるを得ない。いわゆる地方公務員共済法の中で、国公共済との関連は若干出てくるのでしょうけれども共済組合の中でいわゆる健康保険と異なる方式をとった場合、これは問題があるわけですか、どうなんですか。具体的に政令等もできておるのでしょう。大嶋課長、どうなんですか。
  73. 植弘親民

    植弘政府委員 御承知のように、共済組合の短期給付というのは健康保険の中から特別に認められた特例でございます。したがって、共済組合員でなくなると自動的に健保に帰るわけであります。これはもう社会保険一本の原則からいって、地方公務員の身分でなくなった者は地方共済組合員でなくなりますから、黙っておっても健康保険に帰っていくのが筋であります。そこでやはり本家である健康保険との関係考えないと、地方公務員だけの立場で特別の措置をするということは、そこらの点について非常に問題がございます。ですけれども、いまも山田委員からも御指摘がございましたように、現実問題としては非常に掛け金も高くなる場合が予想されますので、共済サイドでどう考えるべきであろうかということで、最も身近な国家共済との関係で寄り寄り相談をしている、こういう段階でございます。
  74. 小川省吾

    小川(省)委員 確かに健康保険の一つの特例だというのはわかります。そういう筋論はわかりますけれども、少なくとも保険の掛け金というのは、いわゆる現行所得に対する一定掛け金比率がかかってくるわけですね。ですから、任意継続といっても、退職時の賃金をとった掛け金だから任意に継続なんだということじゃなくて、それならばいわゆる現行のそのときの所得によって掛け金というのは当然定められるべきだというふうに私は思うわけです。特に事業主負担までも合わせて、これは健保でもそうでありますけれども負担をするわけでありますから、非常に高いわけですよね。そうなれば任意継続を希望する者がなくなってくるわけですよ。そういう意味で、制度をつくってもこの問題を解決しなければ任意継続を希望する者がいないではないか、制度をつくってみても実際にそれの適用を希望する者がいないことであっては、これは画竜点睛を欠くだろうと思っていますから、その点についての実際にまだ政令ができていないならば、先ほど山田委員からもありましたけれども、特にその掛け金について検討をされて、具体的な、任意継続制度をつくってよかったと、自治省側から見てもよかったというふうな状態に検討をされる用意がありますか。
  75. 植弘親民

    植弘政府委員 小川委員から先般も御指摘がございましたので、今度は具体に国保にいった場合ですね。健保にいった場合には任意継続する必要はほとんどないと思いますから、問題は国保にいった場合との比較だろうと思います。そこで数市町村の例などを見てみたのですけれども、なるほど一般的には、事業者負担分を持ちますと国保補助よりも高いのが多いようであります。そうなると、なるほどおっしゃるように、任意継続してもあまりうまみがないではないかということになります。しかし、これは非常に言いにくいことですけれども、不幸にしてそういった共済の適用を受ける事態が起こりました場合には、特に家族なんかについては健保、国保よりも相当給付がようございますから、そこらのところは危険負担をどの程度見て、そして万一そういった疾病等にかかった場合にどう優遇されるかということを考えてまいりますと、まあある程度そのリスクはやむを得ないのじゃないだろうかという感じもするのです。しかし、そういった実態も調べておりますので、十分大蔵省とも詰めてみたいと思います。
  76. 小川省吾

    小川(省)委員 じゃあ、詰めてみたいということですから、検討をされるということだと思います。ぜひ、その点に関して制度をつくって、任意継続を希望する方がふえるような状態になるように、掛け金等については検討されるよう強く要請をいたしておきます。  終わります。      ————◇—————
  77. 伊能繁次郎

    伊能委員長 ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  78. 伊能繁次郎

    伊能委員長 速記を始めて。  次に、内閣提出にかかる地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。町村自治大臣。     —————————————  地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案   〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  79. 町村金五

    町村国務大臣 ただいま議題となりました地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。  最近における社会経済情勢にかんがみ、公務上の災害または通勤による災害を受けた職員及びその遺族に対する保護の充実をはかろうとするものであります。  このことに関しては、政府は、すでに、一般労働者の災害補償について、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を、また、国家公務員災害補償について、人事院の意見申し出により、国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案を、それぞれ今国会に提出し、御審議を願うことといたしておりますが、これらとの均衡をはかるため、地方公務員災害補償制度につきましても、同様の改善措置を講ずる必要があります。  以上が、この法律案提出いたしました理由であります。  次に、この法律案内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、障害補償年金及び障害補償一時金の額の引き上げであります。現在、障害補償年金及び障害補償一時金の額は、地方公務員災害補償法別表に定める身体障害の等級に応じ、年金にあっては平均給与額の百十七日分から二百八十日分、一時金にあっては平均給与額の五十日分から四百五十日分の額となっておりますが、これを、おおむね一二%程度引き上げ、年金にあっては平均給与額の百三十一日分から三百十三日分、一時金にあっては平均給与額の五十六日分から五百三日分の額にすることといたしております。  第二は、遺族補償年金の額の引き上げであります。現在、遺族補償年金の額は、遺族の人数の区分に応じ、平均給与額の年額の三〇%から六〇%に相当する額となっておりますが、これを、おおむね一三%程度引き上げ、平均給与額の年額の三五%から六七%に相当する額にすることといたしております。  第三は、遺族補償年金受給権者に対しその請求により支給される前払い一時金制度の改善であります。現在、平均給与額の四百日分の額を支給することとしておりますが、これを、平均給与額の千日分をこえない範囲内で自治省令で定める区分に応ずる額を支給することとし、また、現在の前払い一時金制度昭和五十二年十一月三十日までの暫定措置とされておりますが、これを、さらに十年間延長するものとする等の改善措置を講ずることといたしております。  以上が、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  80. 伊能繁次郎

    伊能委員長 以上で提案理由の説明は終了いたしました。  次回は、来たる九日木曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時十五分散会      ————◇—————