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白根説明員 実は
インテグレーションにつきましては、現在までの
段階でその概念というようなことになりますと、いろいろと諸説がございまして、私
どもといたしましては、
先生の御
質問の中にもございましたいわゆる
契約飼養と申しますか、たとえばひなでございますとか
えさでございますとか、こういうものをある特定の者が供給いたしまして、また、ただそれだけでなくて、そこで
生産されます果実を受け取りまして、それを次の
消費段階まで持っていくというような、そういう中でのいわゆる契約に基づきまして
農民が現実の
家畜を飼養している、こういうものと、それからもう一つは、農外資本と申しますか、ここいらは何を農外資本とするかむずかしい問題もございますけれ
ども、そういうものが直接にみずから
生産を担当する、
生産の場に乗り出すというような、ことばが適切かどうか問題があるかと思いますけれ
ども、一種の
直営農場、こういうような二つの形に大体大別されるのではなかろうかというふうに見ておるわけでございます。
それで、御
質問の御
趣旨は後段のものに大きいのではないかと思われるわけでございますけれ
ども、順序といたしまして、まず前段の
契約飼養について申しますと、現在のところ、まあこのようなことを十分よく承知しておかなければという気持ちを持っておるのですが、なかなかむずかしい問題もございまして十分なところまでいきかねている点は反省いたしておるわけですけれ
ども、四十八年に全国的に、たとえば採卵鶏でありますとこれは事例数が少ない、五十七程度ぐらいである。それからブロイラーについては二百六十一事例ぐらい。これはインテグレーターの単位で見ているわけでございすまけれ
ども、その程度見られまして、全体の羽数の中でのシェアで見ますと、ブロイラーの場合は高うございまして約五四%程度、それから採卵鶏の場合は低うございまして、七%弱程度ではなかろうかというふうに私
どもとしては見ておるわけでございます。このほかに見られますのが一部、採卵鶏よりももうちょっと全体のシェアが低うございますけれ
ども、豚の面で四%程度のシェアを持っておるというふうに見ておるわけでございます。
それから、第二のタイプとして御
説明申し上げました
直営の形になりますと、私
どもとしては、これは急いでその
実態をもっと現実のものをつかまなければいけないということで現在調査をいたしております。やや古い
資料で恐縮なんでございますが、採卵鶏の場合で六十五農場、それからブロイラーの場合で四十二程度というのが、時点が古うございますけれ
ども、こういうところまでは把握しておるわけでありますけれ
ども、これでなお不十分というふうに私
ども一考えておりますので、現在都道府県にもお願いいたしまして、こういう
実態をつかむという調査を進めておる、こういう
状況でございます。
そこで、そういうものについての
生産調整というようなことにからみましての御
質問もあったかと思うわけでございますけれ
ども、そこらについての
考え方をちょっと申し上げておきたいと思うわけでございます。
いずれにいたしましても、前者の概念の
契約飼養になりますと、
農家がやはりやっておるということでございますし、御
指摘のように、後段の
直営というようなものが非常に無計画に事を取り進めるというようなことになりますと、
需要が順調にどんどん拡大をしておるというような場合にはまだしもという感じでございますけれ
ども、特に今日のような、一方ではコストプッシュの要因になり、一方では、その
需要というものが従来のように順調に伸びるというようなことは
鶏卵の場合に特に問題がございますので、ここいらで無計画なことが行なわれるといたしますと、これが
先生御
指摘いただきましように、いわゆる一般の
農家の
養鶏経営の存立ということに大きな問題がある。ここに一つの秩序と申しますか節度と申しますか、こういうことがどうしても必要になるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
今後、このようなことを進めていきます際に、私
どもとしましては十分
実態を早急につかむということがまず第一だと思いますが、各県にもそういうことをいまお願いしておるわけでございますけれ
ども、と同時に、今後いろいろといまの計画的な
生産を進めるためにはどうしたらいいかということで、
生産者団体等を中心に御一緒に御相談したいということでございます。これは早急に何らか具体的に施すということが必要だと思って、鋭意現在検討を進めておるところでございます。そういうものでだんだん現地の
段階、県
段階でございますとか地域
段階でございますとか、進めていきます中で、そういうものをやはりこの問題については取り込んでいくというふうなことで、かなり積極的に私
どもも指導していく、またそういう点を団体の
関係の方もやってもらうというようなことで当面の対応をいたしていく。
なお、さらに
基本的に申しますならば、
生産者の組織と申しますか、そういうものの、抽象的に申しますと主体的な活動を強化していくというようなことが
基本的にはまた必要ではないか。これをひとつ、非常に重大な局面に来ております時点に、十分もう一度再そしゃくと申しますか、いたしまして、今後に遺憾のないように進めていかなければならぬし、いきたい、こういうふうに考えておるわけであります。