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山本(弥)
委員 あと、もう少しの時間をあれいたしまして、
奄美についてお尋ねしたいと思います。
奄美につきましては、これは二十年
特別措置法でやってまいりましたが、まだ不十分であることは私も率直に認めます。何とか五年間のうちに
奄美群島がりっぱに
発展をするという体制を、国、県の力で実行していただきたいと思うのです。
それにいたしましても、これは二十年たっておるわけでありまして、今度の
計画は、何か従来の補助金のかさ上げをして
産業基盤の
整備をする、あるいは道路その他の
生活基盤の
整備をするという、所得格差の是正ということをねらいながら公共
施設の
整備をはかるという惰性ではなくて、何か
奄美はこれだというようなことが必要だと思うのです。それにしては、
行政局長の補足
説明にありました、一点から三点まであげて、「明るく住みよい地域社会を建設」「亜熱帯の自然的特性を生かした
産業の
振興」「亜熱帯の海洋性の美しい自然と特色ある文化を生かし、海洋性レクリエーション地帯の形成を促進」、抽象的ですがこの三つをあげられたのです。これはだれでも
考えられることだと思うのですが、どこに
重点を置いてこれをやっていくかという問題だろうと思うのですね。
奄美の青少年が、惰性で女子は大島つむぎをやる、男子はサトウキビを耕作するということ以上に、何か意欲的にやらなければならぬという
感じがするのですが、そのためには、やはりだれでも
考えることですけれ
ども、この第三点の「海洋性の美しい自然と特色ある文化を生かし、海洋性レクリエーション地帯の形成を促進」ということを大きく取り上げた
機会に、俗にいえば
観光行政ですね、これに何か筋金を入れられるのかどうかですね。たとえば、国定公園に指定されておる、私
ども見に行きませんでしたが、古仁屋湾一帯、これを全国的な——何かいろいろ各省でありますね、青年の家だとか、あるいは中小企業の
雇用者のためのあれだとか、国民宿舎だとか、各省競ってレクリエーションに対応する設備を、国民休暇村というようにやっておられますね。それを何か特色のある古仁屋湾一帯の国定公園の
中心施設として、そこが
島民の青少年の生きがいも感ずるような、いわゆる研修の場になり、レクリエーションの場になり、あるいは静養の場になり、それが全国的な
施設の基地にもなるということでそれにあわせていく。
たとえば、あそこにこの前行ってごちそうになりましたが、鶏飯ということであれば鶏も卵も鹿児島県から持ってこなければだめだ、自給率はせいぜい二割とか三割とかというようなことではおかしいので、
地元でそういうものをそういったことにあわせて、サトウキビ以外に、あれだけの亜熱帯性の気候のところですからそういったものをある
程度まで自給をして、高いものを買わなくていい、
島民の
生活も安く
生活用品は供給できる、そういうような体制で自給体制を
農業ではとっていく。
漁業でも同じことですね、ほかから魚を入れないで、あそこでとれる魚をふやしていく。一本釣りだから
漁業はなかなか
振興しないのだということじゃなくて、それもあわせていくというようなことで、何か一本
中心を国として持ち込んで、だらだらと
振興計画の補助金のかさ上げじゃなくて、飛躍的に何か転換するような
施設を
中心に、青年も永住する、
農業にも精励する、
漁業も
振興をはかるというような体制をこの際とらないと、五年やっても格差は解消されないという事態に追い込まれるのではなかろうか、こういう
感じがするのです。
これは、何か今度の
計画策定の場合には鹿児島県もいろいろ
考えておるでしょうが、鹿児島県としてはやはり離島を持っておる、
奄美にばかり力を注ぐわけにはいかぬし、鹿児島県全体の均衡をはからなければならぬというふうな
考え方に立つ場合もなきにしもあらずだと私は思うのですが、しかし
奄美の
復興については、これも過去の経緯、戦争の遺物がつきまとっておるわけであります。そういうことをひとつ
考えるべきじゃないかと思います。
〔
委員長退席、村田
委員長代理着席〕
ことに、私
どもの
小川委員の言った、国鉄が
本土からはない。あの辺は飛行機と海運だということであれば、いわゆる国鉄にかわるべき海運として鹿児島−
奄美−沖繩を結ぶとか、そういったことで
観光行政も助長するのだというような、国としてもこれだというようなことをやらないと、
奄美の「
振興開発」ということばを挿入したわけですが、なかなかそこまでいかぬのではないかと思いますが、その点をお聞かせ願いたいと思います。これは大臣がいませんので、林
行政局長のお
考えを承ったあと、政務次官は沖繩などへも何回も行っておられるので、その辺のことをお聞かせ願いたいと思います。大臣のかわりにひとつ抱負を聞かせていただきたい。