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山本(弥)委員 その再検討の際に、私は
先ほど大臣に申し上げましたように、
市町村のいわゆる民主主義を徹底するという場合に住民参加ということが今後重要であるとすれば、できるだけ
市町村事務は
市町村で処理するということが第一義でなければならぬ、
市町村を
強化すべきであるということが重要でなければならぬ、かように考えるわけです。
それでいろいろ事務を見ますと、私、極端な例を引きますと、たとえば児童館を建設するという場合に、児童館というものは当該
市町村にあることによって効果を発揮することは当然ですね。そのときに中央児童館という構想を出して、それは広域
市町村圏でやるのだ。あるいは今日困っておりますのは、子供の遊び場とか、あるいは学校の校地も子供以外が利用しているというような
状況ですね。身近なところでこれを
整備する。それを大きな運動公園を共同事務としてやらなければならぬというような例示が
自治省の
指導の中にあるのですね。そういったことは今後の財政の
強化にまつことにする。
それから図書館のうちに、たとえば私
どものほうの地域でいいますと、盛岡の図書館は中央図書館である、周辺の図書館は分館という構想を打ち出している。それを広域で一緒に処理をしょう。ところが、図書館というのは本来身近な、たとえば中学校単位ぐらいにあることによって効果を発揮できるので、モデルの建物を建てることは理想じゃないのです。図書の
充実その他は県立図書館で事足りているわけですね。私
ども、まあ乏しいものでありますけれ
ども、盛岡の図書館、いまりっぱなのができておりますが、なぜ私のときにりっぱなのを建てなかったのかというのは、私は中学校単位に図書館をつくるべきだ。りっぱな建物、うちにはこんなりっぱな図書館がありますぞと自慢することは、それは対外的に町のていさいを整えるだけで、地域住民には何ら
活用の価値はないということを主張してまいったのであります。盛岡市ですら
一つの図書館で、分館も
整備できないときに、隣接
市町村の分館と一体となって広域行政の共同事業をやろうということが、いかに
地方自治体の実情にそぐわないかということは明瞭なことなんですね。
ですから、手直しをいたします際には、今後の
地方自治体のあり方を十分お考えになって、広域行政は必要だけれ
ども、いま必要なのは、たとえば困っておりますのは、下水道みたいに、周辺の町が
相当市街地を形成をしておるところに、単独で二万や三万の町や村ができるわけじゃないわけですから、これは盛岡を中心として一緒にやろうかという必要はありますね。全然ないことはありません。それは当然出てまいります。そういうことを考えますと、
補助金がほしい、
交付税で見てもらおう、
起債がつくというようなことで、あまりに共同事業の数の多きを考えるということは、本来の基礎団体である
市町村を
強化するものではない、その厳選を願いたい、私はかように考えております。
先ほどの二千幾らとなりますと、平均しますと七つか八つになるわけですね。大部分の市は三つくらいで事足りる、といいますのは、
一つは仕事をやりますのに個々ばらばらにならないということで、協議会ですね、お互いにお互いの事情を知ろうじゃないかという、これが協議会によるか一部事務組合によるか、それは必要でしょう。もう
一つは、いま問題になっておりますが、
消防法の救急業務その他と関連いたしまして、これもやり方等があります。応援計画を立て、あるいは
消防団の
活用からいくと、各
市町村が
消防行政をやるほうがいい。しかし、
消防の性格からいいますと応援計画も立てられれば協定もできるということでありますけれ
ども、しかし、救急車を急速に
整備するために特別の
起債の配慮があるとかなんとか、あるいは
補助金が多くなるとかということであれば、当然
消防というのは一体となってやることも考えられると思うのです。
そうすると残りは環境
整備その他で、ここに
相当あります中学校とか小学校の共同事務というのはそう重要な一部事務組合ではないのですね。本来小学校、中学校というのは自分の村に小さくとも建てるべき問題ですね。今後
自治省が
指導されておりますコミュニティーといいますか、コミュニティーからいいましても、小学校単位とか中学校単位でお考えになるとすれば、それはできるだけ、小さくとも中学校は自分のところで建てるということが本来ですけれ
ども、しかし、僻遠の地にあるのが隣接すると、ちょうど山を接しておいて一緒にやったほうがいいというところも出てくるかもわかりません。しかしそれは例外ですね。
市町村の事務と共同事務をやらなければならぬということからいくと例外ですね。病院なんかも
相当あるのですけれ
ども、病院なんかもあわててやりましても、いま医師が
確保できませんね。そういうふうにあわてて、うまく医師が来るだろうと思ってやったことがみんな、いわゆる二十万や三十万の中央市立病院でも医師
確保に困窮しておる。それを連合でやって
起債でやって、あとの償還に困るという場合も出てくるわけで、共同事務でやって困るという事態も出てくる。十分吟味を願いたい。
その検討が私はここ一、二年、急務だと思いますね。二千八百もできております一部事務組合、これは
市町村の自発的意思に基づいてやったことですから、これは私は
自治省が強要したのでないとは思います。自発的意思でやったことである。しかし、いまの財政が苦しいと、自発的にやる場合に、
補助金が来る、特別の
交付税で配慮されるというと、つい苦しまぎれに目先のことで処理することが多くなると私は思う。したがいまして、この際十分、幸い行政局長もそういったお考えをもって再検討してみよう、実態の
調査をしてみようというお考えがあるわけですから、これは
予算を
相当、ことしの
予算はともかくとして、来年も組まれて、ここ二、三年、徹底的にいわゆる広域圏行政、いまの制度からいうと一部事務組合ですが、そのあり方を検討すべき時期じゃないか、かように考えるわけです。
大臣いかがでございますか。