○
高木(文)
政府委員 先ほど
伊藤委員の
お尋ねに対しまして担当の各省から
お答え申し上げましたように、
電源開発地域の住民の福祉を考慮しながら電源
立地を進めていかなければ、何ともこれ以上新しい
電源開発地点を見出すことがむずかしいという現状にございます。そこで、そのために、
特別会計を通じまして
周辺地域に所要の資金を
供給をするということのために
特別会計をつくるわけでございますが、さて、
特別会計の財源を
一般財源に求めてはどうかというのは、私
どももそういう考えを持たないわけではなかったわけでございます。一つの案としては考えられるということであったわけでございます。
しかしながら、よく考えてみますと、
発電所が
設置されます
地域の方々からいたしますと、先ほ
ども関係各省から御
説明申しましたとおり、せっかく
発電所を置きましても、
周辺地域にはあまりこれといったメリットもない。たとえば、
発電所ができましても、その地元においていろいろの新しい雇用が起こるというようなこともそれほど大きくない。そして非常に安全なものであるということでございますけれ
ども、温水の処理の問題とかいろいろ若干のデメリットも全くないわけではないということから、所在
地域及び
周辺地域においては、その
地域の福祉の向上ということを強く求める要請が出てまいりますことは、事の自然であろうかと思うのでございます。そう考えますと、そのためにお金が必要であるということであるならば、その必要なお金というものは、ある意味から申しますと、まさに発電のためのコストの一部と考えるべきものではないか。発電のためのコストの一部であるというふうに考えるならば、
一般財源をもって周辺
対策を行なうというよりは、むしろその負担を発電
事業者に求めることによって、その経費とコストの結びつきを明確にするほうがよりよろしいのではないかというふうに、だんだん私
ども考えるようになってまいったわけでございます。
今度の税は、
一般電気事業者を納税者といたしまして、
一般電気事業者に負担を求めるわけでございますが、その負担は結果といたしましては、やはり何らかの形を通じまして電気料金の一部を構成することになるわけでございます。したがって、ある意味では、第一次的には
電力会社と申しますか、
電力の
供給者に負担を求めることになりますが、結果的には、やはり何らかの形を通じて
電力の
利用者、受益者に負担を求めるという結果になるという形になっております。このことは、
周辺地域の整備ということが
発電所の
設置のために必須のことであるならば、むしろ
発電所の建設費自体と全く同様に一種のコストと考えるべきものでございましょうから、そのような
関係をむしろ明確にしたほうがよろしいという
判断に立つわけでございまして、その意味で、御
指摘のように、
一般財源として考えるのではなくて、あらためて目的税を創設するということに踏み切ったわけでございます。
それから第二に、現在、電気の受益者と申しますか電気の
利用者は、何らかの形で電気ガス税を——今度は改正になりまして電気税ということになりましたが、地方税としての電気税を納めておられるわけでございますが、その納められた電気税の一部を地方税から国税として吸い上げて充当してはどうかというただいまの御
指摘でございますが、もし電気税のままの形で受益者から納税をしていただいて、特別徴収義務者である
電気事業者がその一部を国に納めるという形をとる場合を考えてみますと、これはいままでにない形式のものになります。そういう複雑な仕組みをとりませんでも、結局、今回の税のような形をとりまして、料金の一部を構成する形式を通じて、結果的には消費者に負担を求めるという形をとりましても、経済的には同じ意味を持つことになると思います。経済的には同じ意味を持つことになりますが、今回のものは、電気税のように市町村の
一般財源ではないわけでございまして、先ほどから申しておりますような、
電源開発をいたしますための必須のコストにつながるものであるというふうに考えますならば、御
指摘のような案も考えられますけれ
ども、それよりもこのような形のほうがよろしいのではないかというふうに考えたわけでございます。
なお、現在、電気税は、一部の産業用電気については非課税になっておりますけれ
ども、先ほど来申しましたような意味で、コストとしての性格が強いという点を考えますならば、非課税というようなものがいろいろあるということは必ずしも好ましくないというふうに考えられるわけでありまして、従来から電気税の非課税対象となっておりますところの電気をたくさん使います産業にも負担をしていただくということが、より望ましいのじゃないかというふうに考えましたことも、電気税の振りかえ形式あるいは一部吸い上げ形式ということをとりませんで、新しく税を設けることにしたという一つの大きな理由でございます。