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荒木委員 いま部長がおっしゃったような趣旨の返事が前回の神崎議員の指摘に対して、関西
電力側の意向として新聞で報道されておることは私も読みました。しかし、それならなぜ実際に工事がやられていないということを認めておりながら、年度を越して未着工であるということを文書自体で書いておきながら設計書をつくり、しかもそれと違う
理由まで書けということを監査に備えて指示をするのでしょうか。いま夏場について急に
電力需要がふえるというふうな話がありました。昨年の
申請のときに出された
昭和四十九年の電灯の需要見積もりは七百三十三億キロワットアワしであります。ところが、ことしになって四月に出された
申請書によりますと、
昭和四十九年は七百三億キロワット
アワーにダウンしております。つまり関電が公式に発表したこの
申請書によりますと、去年の
段階の見積もりよりも、ことしになってむしろ需要は下がった、こういっているわけです。もちろん部門別の問題はありましょう。しかし、この中請書の数字で見る限りは、いま私が指摘したようなことがあわててやられなければならないような
理由は見当たりません。しかも、ことしの四月になりまして、関西
電力が昨年に続いてまた供給規程の変更を
申請した。四月二十四日の朝日新聞の報道によりますと、
消費者団体の代表者が関電を訪れ、吉村社長らとひざ詰めで話し合った。会社としてはどんな経営
努力を払っているのか、これに答えて社長の回答として、電源工事以外の設備投資は繰り延べている、紙一枚の節約にもつとめて
値上げの
申請書の質まで落とした、現場では一センチの電線も大切にしているというのです。一センチの電線も大切にしているといいながら、なぜ十七億円もの電線を設計書もつくらずに、しかも、
理由も虚偽のことを言って、
通産省に対しては理論武装をせよとまで言って、どうしてそれを形の上で出したことにする必要があるのでしょう。この点について、この鉛筆一本、紙一枚と言われますことが、この関西
電力新聞の社報の上で再三繰り返されている。そして
申請書の中でまでそういうふうな指摘があって、なおかつこういう指示が出されている。ですから、この
料金査定の問題にあたって、先ほど農事用
電力の問題をあげましたけれ
ども、たとえば定額用の電灯は
値上げ幅が今度一円十三銭であります。それの需要見積もりは
申請書によりますと一億八千九百万キロワット
アワーでありますから、これを据え置くとすれば要るお金は二億一千三百万円であります。この十七億をきっちり皆さんがいまのような
方向で、現場でどうなっておるかわかりませんというようなことじゃなくて、
ほんとうにきっちりと調べるならば、それの七分の一のお金で定額電灯は据え置くことができます。また、従量電灯にしましても、このうち百キロワット
アワーまでしか使っていない人、これは今度
ナショナルミニマムということできざみができましたけれ
ども、かりにこの線をとってみますと、関西
電力の第十六回のモニタリング
調査によりますと、従量電灯の消費量全体の中で百キロワット
アワー以下しか使ってない人は一八・二%であります。従量電灯全体の需要の見積もりは六十六億キロワット
アワーでありますから、これの一八・二%ということになりますと十二億キロワット
アワーになります。これの
値上げ幅は今度三円八十八銭ですから、これを据え置くとすると、要る費用が四十六億円ということになります。私が先ほど言いました退職給与引当金をかりに私
どもが先ほど大臣にお見せしたように、いまのような過大計上をやめて、そして労働者の者のほうも
考えながら一割というところで置くならば、それでも実際に比べてはまだ三倍もの計上になるわけです。そういうふうにするならば百億のお金が浮いてきて、十七億と合わせ百十七億です。半分以下の分でもってこの百キロワット
アワー以下のところは据え置くことができるわけですよ。また、先ほどのモニタリング
調査によりますと、百五十キロワット
アワー以下しか使っていない人は、消費量が従量電灯全体の中の四六・九%であります。ですから、これは従量電灯全体の需要見通しの中で約三十億キロワット
アワーになります。約半分弱ですからね。
値上げ幅は、先ほど申し上げたとおり三円八十八銭ですから、全部これを据え置くとすると、要る費用は百二十億であります。この百億と十七億をきっちり皆さんが
査定をすることによって、いまあれほど
公聴会の中で据え置きをしてほしいというふうな
意見が出て、また私
どもの党をはじめずいぶんと据え置きの陳情がありますが、その分を皆さんが誠実に
査定をなさることによって実現をすることができるわけです。先ほど部長は
調査をして
報告をすると言われました。
調査の結果によっては、いま私が提案したような
方向でそれを考慮に入れて
検討なさるべきだと思いますが、誠実にひとつお答えをいただきます。