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1974-04-23 第72回国会 衆議院 商工委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年四月二十三日(火曜日)    午後一時四分開議  出席委員    委員長 濱野 清吾君   理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君    理事 塩川正十郎君 理事 田中 六助君    理事 武藤 嘉文君 理事 板川 正吾君    理事 神崎 敏雄君       愛野興一郎君    浦野 幸男君       越智 通雄君    加藤 紘一君       木部 佳昭君    小山 省二君       島村 一郎君    住  栄作君       田中 榮一君    丹羽喬四郎君       橋口  隆君    八田 貞義君       前田治一郎君    松永  光君       渡辺 紘三君    岡田 哲児君       加藤 清政君    加藤 清二君       上坂  昇君    佐野  進君       多賀谷真稔君    渡辺 三郎君       野間 友一君    米原  昶君       近江巳記夫君    松尾 信人君       玉置 一徳君  出席国務大臣         通商産業大臣  中曽根康弘君  出席政府委員         外務省国際連合         局長      鈴木 文彦君         通商産業省立地         公害局長    林 信太郎君         資源エネルギー         庁長官     山形 栄治君  委員外出席者         環境庁長官官房         国際課長    馬場 孝一君         環境庁水質保全         局土壌農薬課長 遠藤  茂君         厚生省年金局年         金課長     坂本 龍彦君         資源エネルギー         庁長官官房鉱業         課長      斎藤  顕君         参  考  人         (金属鉱業事業         団理事長)   平塚 保明君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ————————————— 委員の異動 四月十一日  辞任         補欠選任   玉置 一徳君     小沢 貞孝君 同日  辞任         補欠選任   小沢 貞孝君     玉置 一徳君 同月二十三日  辞任         補欠選任   天野 公義君     住  栄作君   稲村 利幸君     愛野興一郎君   越智 通雄君     渡辺 紘三君   粕谷  茂君     加藤 紘一君   竹村 幸雄君     多賀谷真稔君 同日  辞任         補欠選任   愛野興一郎君     稲村 利幸君   加藤 紘一君     粕谷  茂君   住  栄作君     天野 公義君   渡辺 紘三君     越智 通雄君   多賀谷真稔君     竹村 幸雄君     ————————————— 四月十六日  中小企業の経営安定に関する請願瀬野栄次郎  君紹介)(第四三五一号) 同月十九日  商標事務運用改善に関する請願左藤恵君紹  介)(第四七八一号) 同月二十二日  電気料金に関する請願藤井勝志紹介)(第  五八六二号)  中小企業の経営安定に関する請願岡田哲児君  紹介)(第五九一八号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案(内  閣提出第三三号)      ————◇—————
  2. 濱野清吾

    濱野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がございますので、順次これを許します。多賀谷真稔君。
  3. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 資源開発について、いま国連特別総会において、今日資源ナショナリズムの高揚している時期にきわめて注目をすべき会議が開かれております。この会議で、途上国であります七十七カ国グループは、新国際経済秩序のための宣言として、総会決議として、いま特別委員会で、一つ資源恒久主権、二つは国有化権利三つ国有化にからむ補償額決定権国内法における国有化紛争解決、一次産品と工業製品価格のリンク、こういう問題を提起しております。ところが、世界一の資源輸入国であり、しかも資源の乏しいわが国修正案を率先して出しておる。ことに国有化方法処理についてこの決議案に反対の修正案を出しておる。私はわが国の今日の立場からいって、あるいはそのタイムリーの問題からいってきわめて国際的常識を欠いた処置ではなかったか、こういうように考えるわけです。もう少しわが国の今日置かれておる状態の中で慎重な態度が必要ではなかったか、ことに南北融和方向で将来の国際経済秩序の確立の一歩としてのこの総会における日本態度として、はたしてこれでよかったかどうか、これらの問題についてその経緯、その出した動機についてお聞かせ願いたい。
  4. 鈴木文彦

    鈴木(文)政府委員 ただいま御指摘のございました天然資源恒久主権及びこれに関連しまして国有化の問題、それから国有化に対する補償あるいはその支払い方法に関連する問題につきまして、特別委員会開発途上国側が共同の考え方として出しました決議案に対しましてどういうふうに対処するかということでございますが、天然資源恒久主権そのものにつきましては、一九六二年の国連総会決議におきまして最初に決議という形で国連に出されたものでございますが、この場合は天然資源恒久主権内容がまだそれほど固まっておらない段階でございまして、国有化につきましては妥当な補償を伴うべきものであるという内容がございましたために、わが国はこれに率先して賛成した経緯がございます。  今度の特別委員会に出されました開発途上国側の案は、国有化権利のさらに具体的な行使態様といたしまして、その補償額決定補償支払い方法及び補償に関連して争いがあります場合に、これを当該国国内法によって決定することができるのであるという具体的な行使態様を含めました決議案を出してまいったわけでございます。この考え方に対しましては、わが国のみならす西側諸国が、こぞってこれに対して、このかっこうではのめない、つまり特に補償の問題につきまして、あるいは補償支払い方法につきましては、従来とも国際慣行といいますか、あるいは国際法といいますか、妥当な補償を支払うべきであるという考え方一つ慣行として確立していると私たちは考えておりますので、この辺の考え方を早きに及んで表明すべきではないかということから、日本のみならず若干の西側の国が、あるいは口頭であるいは書面によってその考え方を出したわけでございます。  その考え方を出すそのタイミングの点についてちょっと御指摘がございましたが、今度の会議のみならず、特に南北問題を取り扱う国際会議におきまして扱ういろいろな問題につきましての考え方は、できるだけ早きに及んで表明するというのが会議の運営上最も適当であり、また従来ともわが国のやっているやり方でございます。特に会議議論がいろいろ進みまして、方向づけが次第に固まってくるような段階におきまして、これに対してそれと必ずしも調和しないような議論をあとの段階で出すということは、会議の戦術として必ずしも適当でないということが従来の経験にもございましたので、今度の会議におきましては、先ほど申しましたように、会議のわりに早い段階において、西側諸国とほとんど同時にわが方の見解を表明したというのが経緯でございます。
  5. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 社会党は、この九日に開会される国連資源特別総会に対して、あらかじめ四月四日に党見解を発表いたしました。それはいまの点について申し上げますと、「「第三世界」の国々が、自国の天然資源保全のために外国資本国有化する場合には、補償の額や支払い方法決定が、その国の権限に属することの承認」という問題については、やはりその国の自主性を尊重すべきである。こういうことをいっておるわけです。そして現実にすでにかなりの国において、産銅国等あるいは産油国等においても国有化問題が起こっておる。そして現実処理がなされておるわけですね。そしてそれは主として国が出るのではなくて、その当該投資をしております企業産油国あるいは産出国において具体的に解決が行なわれておる。こういうものは国が行なうべきでなくて、やはりその国内法に基づいて行なう場合における当該会社との交渉の問題ではないか。対国家間の問題としてこれを扱うべきではないんじゃないか。現実にすでに産銅国において、産油国においても処理が行なわれておる。今度初めて行なわれる問題ではない。しかも、いまわが国のエネルギー問題についてどういうような状態にあるか、これを考えれば、日本が率先して第一番に修正案提案者になるというのは現在の資源外交からいってきわめて不適当ではないか、こういうように私は思うわけですが、これは通産大臣どういうようにお考えですか。
  6. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 外務省所管事項で私のほうからあまりコメントすることは、所管外のことでありますから適当でないかもしれませんが、やはり国際公法並びに国際私法というものはあるわけですから、そういう国際法というものを尊重するということは、国際関係処理するためには長期的に見て必要なことではないか。法を全然無視するということはないと思いますけれども、それにしても国際私法というようなものもあるわけでございますから、いろいろな関連において国際的協調でものを解決していくというほうが双方に繁栄をもたらすゆえんではないか、私らはそういうふうに考えます。  また、国連の場において日本修正案を出すというイニシアチブをとったということは、そのとき国連においてどういう環境、状況のもとになされたか、私ら電報を見ておりませんからよくわかりません。したがって、これが適切であるかいなかということは、ちょっと論評する条件に欠けているということを申し上げたいと思います。
  7. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 外務大臣はいま非常にお忙しいときですからお呼びしなかったわけですけれども、やはり資源外交の面からいっても——もっとも資源外交ということばも適当でないという話もあります。まさにそのとおりでありますが、非常に不適当な処置ではなかったかというように思うわけです。これは、いずれ関係者が帰ってみえてからわれわれはもう少し本委員会並びに外務委員会等十分究明をしていきたい、こういうように考えます。問題点だけをひとつ提起をしておきたい、こういうように思うわけです。  そこで具体的な国内鉱山の問題ですが、いままで懸案になっております幾多の問題が依然として解決できていない問題があります。一つは、価格安定帯あるいは支持価格といわれた問題です。これは一体どういうように処置をされるつもりであるか。おそらく金属鉱業のいろいろの法案が出たたびに、本委員会では価格支持決定とか、あるいは安定帯を設けるという附帯決議がなされておると思うのです。もう何回も出しておると思います。昭和三十七年に本院の本会議において、自由化に直面する金属鉱業危機打開についてという本会議決議においてもそれがなされました。以来十数年たつわけです。ただ、メタルの場合は、非常な不況のどん底にある場合にやろうとすると、そのうちに景気がよくなる。そうして忘れてしまうわけですね。そのうちまた不況になる。やろうとすると、またしても、いろいろ案を練るうちに景気がよくなる。ところが、それで済めばいいんですが、そういう谷間にあるときにどんどん閉山が行なわれる。そうして首切りが行なわれる。そうして取り返しのつかない状態になる。去年のいまごろ、あるいは一、二月ごろはたいへんな騒動でしたね。はち巻きをして、そうして鉱山所在地市町村長まで上京した。そしてそのうちにどんどん鉱産物の値段が上がりました。もう役所のほうも忘れてしまったという顔をしておる。ですから政策というのは、景気のいいうちに制度をつくっておかなければ不況のときには間に合わないわけです。日本役所はなかなか慎重ですからね。とにかく谷のときにつくったんでは、そのときの不況はいままで救えた例がない。それで、景気がよくなって、その次のときの谷にようやく問に合うぐらいですよ。でありますから、いままで石炭それから金属鉱業の例にかんがみてもそういう状態ですが、一体価格安定支持制度について、政府はどういう作業を具体的にしておるのか、お聞かせ願いたい。
  8. 山形栄治

    山形政府委員 お答え申し上げます。  非鉄金属は、先生のいまのお話のとおり、非常に国際商品として価格乱高下の激しいものでございます。特に非常な特色といたしましては、ロンドンの金物取引所、いわゆるLME国際価格にスライドして国内価格は形成される形をとっておりまして、これは日本に限らず世界各国がそういうかっこうをとっておるわけでございます。したがいまして、著しく国際商品的であるわけでございます。この非鉄金属類につきましては、いまのお話のとおり、この乱高下を何とかしてならす必要があるということで、すずとか鉛、亜鉛につきましては国際機構もすでに相当前から発足をいたしておりますが、一番重大な問題でございます銅につきまして、何らかこういう国際的な機構発足せしめて、これを世界全体の立場で安定できないかということが一つと、それから、いまちょっと御指摘もございましたように、国内的に価格乱高下をならすような機構、またファンクションの創設というのが従来からいわれておるわけでございます。私のほうのいまの感じで申し上げますと、こういう国際商品につきましては、国内だけでこれを全部吸収消化するというのは非常にむずかしいと思いまして、方向といたしましては国際的な場に何らかの機構をつくり、これを調節するということで、いまそういう方向関係国にも若干のアプローチをいたしておるわけでございまして、今後の方向としてはその方向で進みたいと考えておるわけでございます。
  9. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 今日、銅の輸入国としては、数量からいって日本はどのくらいの地位にあるのですか。
  10. 斎藤顕

    斎藤説明員 お答え申し上げます。  昭和四十八年はいま集計中でございますので四十七年について申し上げますと、銅の需要が百十万トンでございまして、そのうちいわゆるメタル輸入されましたのは十九万四千トンということになっております。そのほかに、もちろん鉱石輸入されたものがあるわけでございまして、これが六十一万六千トンということでございます。これらをトータルいたしまして、日本はいま世界の総需要の約九・八%の需要を占めておりまして、アメリカが第一の二四・六%でございます。これは自給率が非常に高うございますので、おそらく日本がそういう意味では輸入依存度が一番高いということになるかと思います。
  11. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 輸入貿易量のどのくらいを占めているのですか。
  12. 山形栄治

    山形政府委員 主要国輸入量を申し上げますと、アメリカが三十六万八千トン、これは一九七二年実績でございます。イギリスが三十九万九千トン、フランスが三十八万二千トン、西ドイツが六十七万二千トン、日本が八十二万七千トンでございまして、輸入量で申し上げますと日本が一番多いわけでございます。
  13. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 日本輸入量世界一なわけですね。ですから私は、日本がやっぱり独自に案をつくって示すべきだと思うのです。私は若干のスメルター会社にその話をしましたら、とにかく今日のように貿易の上で日本ウエートが高いときには、むしろ日本制度というものをやはり国際的に承認をしてもらうべきである、それが可能である、こういう意見すら出ておるわけですよ。ですから、よそ待ちをしないで、日本鉱山並びに日本鉱産物の安定のためにこういう制度を設けたい。このことは需要家も喜ぶし、いまのようにLMEの投機的な相場——それは私はただ高いということを言っておるわけじゃないのです。きわめて振れの大きい、幅のあるゆれ方で、これは産出国から見ても非常な不幸なことであるし、需要国から見ても、消費国から見ても不幸なことであるし、またこの生産業者のほうからいっても、また需要業者からいってもこれは決していいことではない、そうしてそれは産業の安定を阻害する、こういうように私は思うわけです。  そこで、どうしてもここで安定帯をつくるべきではないか。そうして日本がむしろつくって、それを国際会議にかけていく、こういうぐらいもう日本は実力があるわけです。日本世界一大きな輸入ウエートを占めておるわけでしょう。ですけれども、この問題は、まさにじんぜん日を送って、常に局長はやりますやりますといって、ここ十数年来ておるのですよ。そうしてこの話は景気のいいときには出ないんです。不況になると出るわけですよ。そうして論議をしておると景気がよくなるんですよ。ですから、いまわりあい景気のいいときに制度としてつくっておくべきではないか、こういうように私は考えるのですが、長官どうですか。
  14. 山形栄治

    山形政府委員 御説のとおり、景気のいいときにこういう発足を促進すべきだと思うわけでございます。現在、先ほども申し上げましたように、IWCC、これは銅のユーザーの国の集まりでございますが、ここで、日本だけでございませんけれども、何らかの国際機構を促進すべきだということで、実は国際すず協定というのが一九五六年にできておりますが、ここでは一定基金を持ちまして、ここで緩衝在庫、バッファーストックを持つ。最高価格最低価格を定めまして、これも先生指摘LME価格を非常に不当に乱高下させるような場合には、現物市場に介入いたしまして、世界全体のすず価格を安定するという動きでございますが、これと同種の形のものを銅についてつくるということでいま話が寄り寄り進んでおるわけでございます。いま御存じのとおり、銅の価格は非常に上がりまして、最近ちょっと下がっておりますが、全体的に好況の段階でございますので、こういう時期を利用いたしまして、いま国際的にそういう話を進めておる段階でございます。
  15. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 日本でそれを実施したらどうなんですか。日本独自でそういうことができないのですか。そうしてそれを国際会議承認をしてもらう。やがて国際的にそういう機構になっていく。これが早道じゃありませんか。その方法ができないのかどうか。上限と下限を設けて、そうしてどういう機関にするか。要するに受け入れ機関を設けて、その安定帯をつくっていくというこの方法をむしろ早く進めていくべきではないか。それを国際的に承認してもらい、そうしてまた国際会議がそういう方向にいくという指導性を持ってしかるべきではないか、こういうように私は思うのですがね。
  16. 山形栄治

    山形政府委員 いまのお話しの日本でそういうものをつくるというのも確かに一つ方向だと思うわけでございますが、先ほど御紹介申し上げました国際すず協定の場合には、すずユーザーである国と生産国と両方が合意に達したわけでございます。どちらかといいますと、生産国基金を積みまして、それで乱高下を防ぐというかっこうにいたしたわけでございます。  私の私見もまじえて申し上げますと、日本は確かに世界最大輸入国でございますけれども、日本国内だけである仕組みをつくるのではなくて、銅の生産国も含めました広い国際的な場でこれを運用いたすほうが非常に効率的であろうと思うわけでございます。ただ、そのきっかけをどこからつくっていくか。日本で早急にまず日本だけの形を考えて、これを国際化していくというのも一つ方向かとも思うわけでございますけれども、その辺も含めまして、この問題につきましては前向きに検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
  17. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 実は、一昨年から昨年にかけてのいわば非鉄金属谷間においてずいぶん閉山が行なわれたわけですね。そして各社言っているわけですよ。今日のような状態ならばああいう閉山をすべきでなかったと言っている。しかし、つぶした鉱山はなかなか復帰できないのですね。炭鉱ほどではありませんけれどもね。ですからそれは、同じ会社でも、外国鉱石が安いならば何も国内の自山を維持していく必要がないというのでつぶしていった。スメルターの中で多くの鉱山をつぶしていったわけですよ。ですから私は、それが問題じゃないかと思うのですね。それは企業として企業内で維持していこうといえばできないことはなかったじゃないかという議論もあるけれども、実際外国から買ってくるほうが安ければ高い鉱山を維持する必要がないというので、御存じのように第二会社に落としたり、閉山をした。しかも、由緒ある鉱山がつぶれていったわけです。そこでこういう意味からいっても、どうしてもこの安定帯を早くつくるべきではないか、こういうように考えるわけです。  そこで、石油危機以来のこの状態の中で、資源を見直すということばがあるけれども、具体的には非鉄金属においては一体どういう方法資源を見直そうとしているのか。よく資源を見直す、国内資源を見直すというけれども、一体非鉄金属については具体的にどういうように国内資源を見直そうとしているのか、実はその具体的な方法が何ら提示されていない。四十九年度の予算もいままでの踏襲ですね。今度の改正海外の問題ですよ。ですから、国内資源を見直すというならば、非鉄金属としては具体的にどういう方法をいまとろうとしているのか、これをお聞かせ願いたい。
  18. 山形栄治

    山形政府委員 これは大きく分けまして、やはり一番ベースでございます国内鉱を維持、強化するというのが大きな方向一つであろうと思います。もう一つは、いま御審議願っております事業団法改正等を通じまして海外探鉱活動を促進し、または海外の各企業また各国政府とより有機的な関係を強めるというのが一つ方向だと思います。国内鉱探鉱の強化につきましては、いま先生お話ですと四十九年度ほとんど横ばいだというお話でございましたが、そう大きくはございませんが、現在の私のほうの四十九年度の予算額で申し上げますと、広域調査それから精密調査、新鉱床探査、こう三つに三段階主義をとっておりますけれども、それぞれ一三%、それから二二、三%の対前年増加をはかっておりまして、特に補助率につきましては、精密調査補助率は五分の三から三分の二にこれを引き上げるというような措置も今回とったわけでございます。  しかしながら、いずれにしても国内資源というのはそう日本は豊富でございませんけれども、あくまでこれを一定水準は絶対維持する、できましたらこれをふやすというのがやはり政策ベースにあるわけでございまして、それとあわせて海外探鉱活動を活発にしていく、この二本の柱で進みたい。国内のあれを軽視しているつもりはございませんので、そういうことを御了解願いたいと思います。
  19. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 ぼくは、資源確保というならば平均政策ではだめだと思うのですよ。やはり平均値政策をとれば、これはやはり平均生産費から下がっているものはつぶれていくわけですよ。ですから、ほんとうに資源を見直すというならば、個別鉱山の傾斜的な政策をやらない以上は資源を確保することはできないわけですよ。もちろんある一定バルクラインが必要でしょうけれどもね。ですから、平均政策というのはそれは幾らやってもあくまでも平均値です。問題はそうでなくて、資源を確保してこれだけ要るんだというならば、あるいは量として確保するんだというならば、やはり個別的な鉱山に対する制度的なものが必要ではないか、こういうことを言っている。私は制度横ばいだと言ったが、金額が横ばいだということを言っているんじゃないんです。制度的にはそのままじゃないか、何ら変化がないじゃないか、こういうことを言っている。ですから、資源確保というなら、やはりそういう鉱山別政策というものが、恣意的ではなくて、制度的に確立しなければならないのじゃないか、かように考える。ですからそれは、私はいますぐそれを今日の景気のわりあいいいときにやれとは言いませんが、制度としてはやはりつくっておかなければならない。とにかくわれわれが非鉄金属政策の場合に、閉山をしようという鉱山をいろいろ救済しようとするけれども、全然制度がないのです。全く制度がないですよ。ですから、幾ら調査に行っても、ただお気の毒でしたと帰るだけです。そういう制度的なものが、ほんとうに資源を保護していこうとするならば、資源保護の政策が必要ではないか、こういうように考えるわけです。それについてどういうようにお考えですか。
  20. 山形栄治

    山形政府委員 私、結論から申し上げますと、非常に先生のお考えを前向きに検討してまいりたいと思っております。現在、金鉱山につきましては最低の価格を保証して、バルクライン的な要素も入っておりますけれども、一つ制度的な歯どめといいますか、下ざさえの一つ政策制度的にとられております。銅その他非鉄につきましても、何らかのかっこうでこの平均値よりもう少しきめのこまかい制度的な考え方の導入ということにつきましては、こういうこれからの日本資源問題、エネルギーも含めました大きな意味での資源問題につきまして、そういう考え方は検討に値する問題だと思います。  何ぶんにも非常に長い古い歴史を持った日本鉱山政策でございます。新しい転換点に応じましてそういう前向きの方向の導入につきましても検討してまいりたいと考えるわけでございます。
  21. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 金については買いざさえの制度があるわけです。まあよくやったものですよ、串木野鉱山なんかは。三井金属から第二会社になって、私はよくほんとうに維持していったものだと思うのですよ。労組に私はほんとうに感謝し、敬意を表したいと思うのです。普通はこれはつぶれていますよ。何ら制度がなかったので、ようやく制度ができた。今日、金価格はものすごく上っておる。今日はほくほくですよ。ですから、そういう点に一貫性が一つもないんですね。古い歴史を持った鉱業政策と言うけれども、古い歴史は、それはいまから千年ほど前からの歴史であるけれども、戦後の政策としては実に浅い歴史ですよ。昭和三十七年ぐらいまでは金属鉱山には政策らしい政策一つもなかった、そういう状態であります。そうしていま出ております金属鉱業事業団だって、最初は金属鉱物探鉱融資事業団ですよ。こんな、融資をする事業団をつくる、いろいろ議論があったけれども、しかしまあひとつ役所は事業団をつくっておけばだんだん太らすだろうという期待をして、これもだんだん大きくなってきたわけですね。しかし、やはり指摘をしておった問題というのは、おくれおくれに政策が出てきておる。もう一歩一歩早く出ておるとずいぶん違っておるということがいえるわけです。そこで私は、いま前向きに検討するとかなんとか言われておるけれども、一体鉱業審議会というものは動いておるのですか。一年間にどのくらい開いているのですか。
  22. 山形栄治

    山形政府委員 鉱業審議会は、大体年二回開いております。特に来年度の予算要求をいたすのが一つ政策方向づけでございまして、来年度予算要求に際しましては必ず鉱業審議会におはかりするというのが従来の慣例でございます。大体年二回原則として開いておるわけでございます。
  23. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 これは予算を出すときにひとつ鉱業審議会でプッシュアップしてください、こういうようなものでしょう。あんなに問題になった硫黄の問題だって鉱業審議会は開いていませんよ。この鉱業審議会なんかあるのですから、こういう状態ならどんどん建議していけばいいのですよ。それが全然建議をされていない。かつて関税問題をめぐって徳永構想が出された、あるいは自由化を前にして本委員会決議をしたときだけですよ、率直に言って鉱業審議会が活発に動いたのは。それ以来この審議会はほとんど眠っておるんだ。そうしてこういう大きな問題になるときに、なぜ建議をして、そうしていまお話になったようないろいろな案を提示をしないんだろうか。私はいまどなたが委員であるかは知りませんが、この資源政策が言われておるときに、もう少し鉱業審議会はどんどん活発に会議を開いて建議をしていただきたい、こういうように思うのです。大体役所が、あなたのほうがあまり好まないんじゃないですか。どうも隠れみのだけにしておる機関のように思っておるところに問題がある、こういうように思うわけです。  そこで、鉱業政策というのは、私は今日のような非常にいいときにひとつどんどん政策を打ち出しておいてもらいたい、このことを要望をします。これについて長官の答弁をお願いします。  続いて、いま銅の輸出をしていますね、なぜしているのですか、どういう事情でこうなったのですか。
  24. 山形栄治

    山形政府委員 鉱業審議会につきまして、これを役所のほうで意識的に活用しないというようなことは全然ございませんで、従来若干運用に欠ける点があったかと思いますけれども、いま先生の御指摘のいろいろな話が出ました以外にも、日本資源問題という観点から、長期の需給問題をどう考えるのか、それから備蓄問題について、これも非常に長い時間、何回も言われておりますけれども、この辺でそれについてどう考えるのか、その場合の所要資金の保持、だれが負担し、やるとしたらどういうかっこうで備蓄をするのか、それからいまの金鉱山にとられているような一つ制度のあり方についてどう考えるのか、この辺につきましては、ぜひとも近々に鉱業審議会の活用をはかりたい、こう思っておるわけでございます。  ちなみに、石油を中心にします石炭、電力、水力、原子力等につきましては、現在総合エネルギー調査会及びその下部の各部会及び基本問題懇談会等でこれを六月末をめどに詰めておるわけでございますが、鉱業審議会につきましてもこれからスケジュールをつくりまして、いまのような大きな考え方の整理及びその方向につきまして検討してまいりたいと思うわけでございます。  輸出につきましては、銅に即して申し上げますと、実は非常に景況の推移に応じまして異常在庫がたまったわけでございます。一つ考え方としましては、これを備蓄に回したらどうかという考え方もあるわけでございますけれども、何ぶんにもまだ制度の完備が行なわれておりませんので、現時点におきましては、異常在庫の圧迫を防止する意味におきまして若干の輸出を認めざるを得ないということで、これは関係者みんなで相談いたしまして踏み切ったわけでございます。今後はこういうような問題も含めて、一つの大きな備蓄問題、国全体のあり方の問題等として、先ほど申し上げましたように鉱業審議会に御審議も願いまして考えていきたい、こう思うわけでございます。
  25. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 私はかつて、もう十年ほどになりますけれども、なぜ非鉄金属は輸出しないのか、鉄だって資源はないじゃないか、しかし鉄はどんどん輸出しておる、しかし非鉄金属は輸出産業としては全然成り立ってないじゃないかという質問を逆にしたことがある。しかし今日、私はそういうことは言いませんよ。今日どんどん国内で使用する以上の生産をされて輸出したら公害問題が起こりますから、これはむしろもういまはあまり好みません。そこで今日、日本国内需要だけでもこれだけ伸びておるのですから、その資源を確保するということはたいへんだろうと思う。今日、輸出というのは基本的な国の政策じゃないと思うのです。やはり備蓄すべきであったと思うのですけれども、残念ながら制度がなかった。ですから私は、先に制度をつくっておきなさいよ、こう言っておるわけですよ。こういう問題が起こるからね。あとから、ああわずかだったけれどもあれは輸出すべきでなかったという悔いを残すことが起こりかねない。このことを申し上げる次第です。  そこでもう一つは、これも本委員会で何度か決議をされた問題ですけれども、一向にらちがあかないといいますか、どこが責任者で一生懸命取りまとめておるかわからない問題に、例の非鉄金属——非鉄金属というわけでもなく金属鉱業ですか、あるいは全体的な石炭以外の鉱業の労働者の年金問題、この年金問題が決議をされるけれども、あるいは要望書が出るけれども、何ら作業が進んでいない。これは一体なぜ作業が進んでいないのか、まず通産省並びに厚生省からお聞かせ願いたいのですが、当該責任者ですから通産省ちょっと先にやってください。
  26. 斎藤顕

    斎藤説明員 同じ地下労働者対策でありながら、石炭の産業には実施され金属鉱業に実施されておらないという職種上の差があるのはいかにもおかしいではないかというふうな議論があったわけでございますが、これは労働対策というよりも産業というふうな見方からいたしまして、金属鉱山というものは、適正なる価格で掘ればこれは鉱山として掘り得る、稼働し得るということと、それから新しい鉱床をさがして、より品位のいいところに移り変わっていくということから十分その対策がとられるではないかというふうなこともございまして、現在までそういう意味でのことはなされておらなかったわけでございます。  しかしながら、こういたしまして、だんだん日本鉱山一つのコスト的な限界にくるということになりますと、そういう面での山の維持ということからは、労働対策の面からと、それからいわゆる鉱山の経営という両面から、その問題についても、私どもも厚生省と過去に何回か相談をしたわけでございますが、年金ではございませんけれども、厚生省のほうから御説明があるかと思いますが、昨年離職者対策という面での活路を一部開くことができたわけでございまして、先生指摘のとおり、徐々にそれらのところもほんとうに進めていきたいというのが鉱山行政に携わっている私どもの気持ちでございます。
  27. 坂本龍彦

    ○坂本説明員 金属鉱業鉱山労働者につきましては、現在、御承知のように厚生年金の適用がございます。この厚生年金におきましては、特に坑内作業に従事される方については、他の従業員に比べましていろいろな面で優遇措置を講じてございます。昨年も厚生年金につきまして、大幅な改善をいたしましたところでございます。今後とも厚生年金の給付改善ということに力点を置いて、老後保障の充実をはかりたいと考えておるわけでございます。  なお、御指摘のように、石炭鉱山の労働者の方につきましては、特別に法律に基づきまして制度がございます。ただこれは厚生年金とは全く別の制度ではなくて、むしろ厚生年金に加入している石炭鉱業の従業員の方についてその年金を上積みするというふうな形で設けられておるわけでございます。そしてその財源といたしましては、安定補給金というような裏づけもございまして、すべて事業主負担という特殊な形をとっておるわけでございます。金属鉱業につきまして、厚生年金のほかにこのような制度をつくる問題につきましては、やはり給付財源というものをどのように考えていくかという点について非常にむずかしい問題もございますので、いろいろと検討はいたしておりますが、現在の段階ではまだはっきりした結論を得るに至っておりません。  いずれにしましても、鉱山労働者の方の老後保障という問題につきましては、厚生年金の問題でもございますし、私どもとしては今後とも十分この点についての充実という問題を検討してまいりたいというふうに思っております。
  28. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 最初の鉱業課長の説明は全然わからない。退職金じゃないのですよ。退職金なら、あなたのおっしゃるように、鉱山というのは次から次へ探査をして、そして開発できるから、いわばわりあいに生命が長いといいますか、永続性があるから年金は必要ない。そういうことじゃないのですよ。退職金の話をしているのではないのです。いまは年金の話をしている。ですから、それは何も理由にならないのです、そういう認識では。問題は、いまお話がありましたように、厚生年金の第三種被保険者になるわけですね。これは石炭も鉱山非鉄金属もあるいは鉄等も同じですけれども、要するに、鉱業法の第四条に掲げる鉱業に従事した者は、当然第三種の被保険者になり得る。ですから、確かにおっしゃいましたように恩恵はあるわけです。しかし、この恩恵では足りないからというので厚生年金の補完年金として石炭鉱業年金というのができておる。これは率直にいいますと、地下労働者特有の問題ですよ。地下労働者というのはやはり入り手が少ない。それで、若い労働力を集めることができない、こういうことなんです。ですから、その点においては私は石炭も鉱山も一致をしておると思うのです。ですから、当然石炭鉱業年金と同種のものが考えられてしかるべきではないか。これは業界のほうからも要望事項が出ておるのですよ。本院でも決議しているのですよ。それは石炭が先駆的な役割りをしたことは事実ですけれども、やはり地下労働者という特殊事情にあり、しかも今日のような労働力が逼迫しておるときには、こういう地下産業に働く者が非常に少ない、労働力の確保もむずかしい、こういう点からできた制度ですから、これは私は当然金属鉱山にも及ぼしてしかるべきではないか、こういうように思うわけです。これは厚生省がしっかりやるよりも、通産省がしっかりやらなければできないのですよ。問題は財源なんですよ。厚生省がわざわざ財源をよそから取ってくるわけじゃないのですよ。厚生省というのは、本来ならば社会保障としては画一行政を望んでいるのです。しかし、産業の特殊的な、あるいは労働の特殊的な事情から、それに特別の補完年金をつくる、こういう制度になっておるわけです。ですから、これは当然通産省のほうで財源を見つけるべきではないか、こういうように思うのです。その点はどうですか。
  29. 山形栄治

    山形政府委員 この問題は、いま先生の御指摘のとおり、給付財源の問題が最大のポイントであろうかと思います。金属鉱山、地下鉱山、地下労働者という問題でございますので、厚生当局とも相談しまして、われわれのほうといたしましては、石炭にとられている制度、これと全く同じということになるかどうか、この辺も問題だと思いますけれども、これからの資源問題を考えましたときの金属鉱山労働者の福祉の確保という点から、その実現につき前向きに考えていきたいと考えておるわけでございます。いずれにしましても、財源をどこに求めるかという非常に大きな問題にかかわっているわけでございます。新政策論議等を通じまして早急に検討に入りたいと考えておるわけでございます。
  30. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 財源をどこに求めるかというのは、率直に言いますと、会員から取る、会員というのは事業主から取るということですよ。これは労働者負担はないのです。事業主から取るということですよ。そのようにはっきり書いてある。ですから、業界のほうから要望しておるならば、ああそれはけっこうです、じゃ作業に入りましょう——そして事業主から取ればいいのですよ。それはもうきわめて簡単なことなんです。事業者のほうが要望しているなら、受けざらは私のほうでつくります、こういってつくってやればいい。そしてその原案を厚生省に持っていけば、厚生省は一応厚生年金においても石炭と金属鉱山は何も区別していないのですから、厚生省としては異議をはさむ余地はない。ただ厚生省としていうならば、本来こういうものは画一的にやってもらいたい、こういうのが要望でしょうけれども、しかし厚生省だって調整年金というのをわざわざ企業別につくったわけです。厚生年金のほかに調整年金というのをわれわれが反対したけれどもつくったのですから、つくったならば、政府がこれを産業別に確立をするということの異議をはさむ理論的根拠は何もない、こういうように思うのです。ひとつ長官と厚生省からもう一回御答弁を願いたい。
  31. 山形栄治

    山形政府委員 金属鉱業の経営者といいますか、全体の考え方、この辺実は恐縮でございますけれども、私いまはっきり確認しておりません。しかし、重要性につきましては非常によく認識できますし、金属鉱業経営者にもよく事情を聴取いたしまして、厚生省とも打ち合わせをして、今後前向きに取り組んでまいりたいと思うわけでございます。
  32. 坂本龍彦

    ○坂本説明員 鉱山労働者の実態等につきまして私どもも必ずしも十分な知識を持っておるわけでもございませんので、今後通産省とも十分相談の上検討さしていただきたいと存じます。
  33. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 大体これは新しい問題じゃないのですよ。かなり前からこの問題はこの委員会でも論議されているわけですよ。そして附帯決議もついておるわけです。それなのに長官課長も厚生省もまるっきり——きょう聞いたとは言いませんけれども、ごく最近耳にしたような話をされて、これは非常に心外だと思うのです。  そこで大臣に、一つは、ぼくは国連資源総会の問題は別の機会にもう一回質問いたしますけれども、要するに価格安定帯、備蓄対策問題、それからいま申しました厚生年金の補完年金としての鉱山の労働者の年金、この問題については大臣としてどういうようにお考えであるか、最後にお聞かせ願いたい。
  34. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 国連総会におきましては目下いろいろ妥協が行なわれつつあると思います。できるだけ産出国の意見も尊重して消費国産出国の問に調和がとれるように日本としては長期的観点に立って根回しをやることは適当であると思います。  いまの年金の問題につきましては、これはいろいろ原資にも関係するところでございますけれども、やはり原則として一般と同じように年金制度を確立して長期的、安定的に年金制度は運用されるように今後とも推進していくことが適当であると思います。
  35. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 大臣は意識をしておっしゃったのか、それともついことばが出たのか、一般とは何ですか。私は一般では困ると言っておるのですよ。右炭並みにしてやってくれ、こう言っておるのですよ。
  36. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 一般と同じようにという意味は、厚生年金や国民年金が行なわれているように金属鉱業においても年金制度を確立して、そして金属鉱業としての年金体系を確立するということが望ましい、そういう意味で、一般と同じように国民年金の中へ入れてしまえとか厚生年金でやってしまえとか、そういう意味ではありません。
  37. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 あとから問題になったときによく速記録を見てくれとおっしゃると困るのです。要するに、地下労働者として石炭と同じように待遇してもらいたい、こういうことを言っておるのです。
  38. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 石炭あるいはそのほか鉱山関係におきましては、普通の工場と違った環境条件のもとに働くということもありまして、金属鉱業関係独自の年金体系というものも私は必要ではないかと思っております。ただしかし、いまの情勢から見ますとなるたけ年金体系とか社会保障体系というのは総合化していこう、そういう時代でもありますから、長い目で見たら一般的な一つの総合体系でシステマチックに行なわれることが望ましいと思いますけれども、いま現実の時点に立って見てみれば、石炭は石炭、金属鉱山は金属鉱山の特性があるわけでありますから、それらに適応した年金制度を確立するということが適当であると思います。
  39. 濱野清吾

    濱野委員長 米原昶君。
  40. 米原昶

    ○米原委員 私は、本法案の基本的な問題点について若干質問したいと思います。  この法案が実施されると政府出資によって自主開発探鉱事業などを促進させることになるわけですが、いまも質問にありました現在行なわれている国連資源総会を見ましても、天然資源恒久主権の原則が確認される方向に進んでおりますし、日本代表もそういう発言があったようであります。ただし、そのことは具体的な問題点について発展途上国の主張と必ずしも一致していないようにも見えますが、日本政府は発展途上国の主張に対してどう対処しようとしているかをまず大臣から承りたいと思います。
  41. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 日本政府といたしましては、いわゆる産出国七十七カ国グループの諸国と消費国が協調して共存共栄の道を歩めるような方法現実立場に立って模索しているというのがその立場であります。もちろん産出国七十七カ国グループの立場というものについては、われわれは十分な理解を持って、それらの資源を産出しているという立場を十分尊重して、そして消費国立場もまた理解をしていただいて、調和のとれる、長続きのする体系を生み出すように政府としては努力しておるところであります。
  42. 米原昶

    ○米原委員 では若干具体的に聞きますが、開発途上国の要求であり、今回の国連総会の宣言にも盛り込まれようとしておる資源に対する国有化、所有権の移転の権利、これについてはどう対処されますか。
  43. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 その国家が自国で産出する鉱山あるいは鉱石等々について国有化をなさろうとする場合には、これは主権の範囲内のことでやむを得ないことであると思いますが、その補償問題とか、あるいはその処置につきましては、やはりこれは国際法を考え、国際的秩序、協調体系を維持できる形でやることは適当であると考えます。
  44. 米原昶

    ○米原委員 それについてでありますが、チリにおけるケネコットなどの鉱山国有化などの例を見てもわかるように、天然資源恒久主権はやがて国有化にまで及ぶ、これは時代の流れであり、歴史の方向だ、こう考えるわけです。今回のこの法律の改正点である事業団の出資による大型プロジェクトの海外資源探鉱開発はいわば自主開発方向でありますが、これはいま述べました発展途上国国有化などの資源主権の要求、主張と対立することにならないかどうかという点、これをどう考えておられるか聞きたいと思います。
  45. 山形栄治

    山形政府委員 結論から申し上げまして、これは対立的に考えておるわけではございませんで、いまわれわれのほうで法律改正等もお願いいたしておりますのは、いまの現時点における資源開発のいろいろなバラエティーがございまして、特にその中で相手国から出資を求められておる場合が多いわけでございます。われわれといたしましては、あらゆる多様化した形を通じまして資源の獲得をはかるというのが大眼目でございます。これはいま大臣からもお話しございましたように、大きな流れとして国有化になるということとは別問題でございまして、それはそれで、その場合には国有化に応じ、相手国の主権は当然に尊重する、こういう立場にあるわけでございます。
  46. 米原昶

    ○米原委員 発展途上国の要求である天然資源恒久主権とか国有化権利などの問題がどういう過程で起こってきたかを考えてみると、従来強大国、欧米諸国が行なってきた海外資源開発、支配などのやり方が発展途上国の批判の対象となってきた。発展途上国の要求として天然資源恒久主権とか国有化、こういう問題が生まれてきたのも、いままでの欧米諸国がやってきたやり方の結果であります。しかしその点で、現在政府や事業団が進められようとする自主開発方向でありますが、はたして従来の欧米諸国がやったものとどこが違うのかということを聞きたいと思います。
  47. 山形栄治

    山形政府委員 従来の世界資源といいますのは、非常に巨大な企業が相当昔からこれを保有したり占有したりする形をとったわけでございます。日本は非常に立ちおくれているわけでございます。今回われわれの考えております方向といたしましては、あくまでも相手国の合意または賛同の上に立ちまして、むしろ相手国側から出資をしてくれというような御要望等を受けてこれを行なう形をとりたいと思っておるわけでございます。  なお、鉱山開発といいますのは、鉱山だけでございませんで、そのまわりにございます町とか保健施設その他のインフラストラクチュアの建設等も当然随伴する問題でございます。この辺につきましても、われわれとしては、経済協力基金の活用等それぞれの国、それぞれの国有会社等々と具体的な打ち合わせをしまして、むしろその地域の開発、その国の発展にそれが寄与するという立場でこれに取り組んでまいるのが基本的な方向でございます。
  48. 米原昶

    ○米原委員 発展途上国のほうの合意とか、いやもっと進んで要望するとか、それ自体はけっこうなことなんですが、要望あるいは合意といいましても、つまり発展途上国の場合、まあ発展途上国といわれるゆえんは、簡単にいうと、まだ近代的な経済発展をしていないということですね。そこの支配者というのは、どっちかというと地主とか封建的なそういう勢力なんです。憲法では人民主権とか国民主権とか書いてありましても、実際は非常に古い型の勢力が権力についておるわけです。だから、その要望というのはそこの国民の要望とは食い違うことだってずいぶんあるんです。そのあたりで非常に心配するわけです。資源の多くを海外に依存する日本にとって、資源の安定供給のためにも正しい意味の経済協力が必要だという点じゃ、もう私たちも異論ありません。それをやらなければいけない。しかし、それはそう簡単なことじゃないと思うのです。簡単じゃないというのは、この間、田中総理が東南アジアを訪問されたときに非常に現地住民の反発を受けたというような事実から考えてみましても、相当その点で反省すべき点があるのじゃないか。というのは、つまり現地の要望だとか、意向だとか、あるいは合意だとかいうことが、ほんとうの意味の現地の広範な国民の要望と必ずしも一致してないような政治体制、経済体制にあるのが発展途上国なんですよ。  それだけに、そこで反発を受けたような例を調べてみましても、日本企業が非常な低賃金を押しつけているとか、あるいは土着の民族資本を圧迫しているとか、こういうことが問題になっておるようですが、そういうことだとすると、かつて欧米の強大国がやったやり方とちっとも違わないどころか、もっと悪いとさえ評価されているのでありますから、そういうものだとすると、ほんとうの意味の経済援助でもなければ経済協力でもない。事実上は経済侵略になり、経済支配になっていく。発展途上国との真の意味での経済協力にならないのではないか、このことを一番心配するわけなんです。この点をどう考えていられるか、聞きたいと思います。
  49. 山形栄治

    山形政府委員 従来のように金を出して物とか資源を買ってくるという時代は非常に早いところで過ぎ去ったと思うわけでございまして、特に最近の資源ナショナリズムの台頭及び国連のただいま議論されております資源問題等も一大きな歴史の流れだと思うわけでございます。われわれといたしましては、一番大事なことは日本資源の確保でございますけれども、半面、その資源の確保を通じましてそれぞれの国が共存共栄で相ともに栄えるという形がとられない限りは、これはその国とわが国との関係、ひいては世界全体の成長、発展もないわけでございますので、その点は十分に留意して進みたいと思うわけでございます。たとえば現地人の雇用、活用のあり方、それから日本から関連施設を出しますときの公害輸出にならないような配慮のあり方、この辺も全部これからの経済協力の積極的な運用として配慮いたしまして、かつ当該の国のほんとうの考えている考え方、気持ちをくみ取りまして、円滑に事業全体が進むように配慮する所存でございます。
  50. 米原昶

    ○米原委員 発展途上国を単なる資源提供国、商品輸出国というような取り扱いをしている限り、正しい経済協力はあり得ない、こう思うわけであります。発展途上国の経済発展、自立化、工業化などに貢献できなくてはならないと思います。その点で政府の経済協力の方針にはどのようなものがあるか、御説明願いたいと思います。
  51. 山形栄治

    山形政府委員 これはいま申し上げましたように、日本資源をただ確保するということだけでございませんで、こちらが資源をいただく以上は相手の開発途上国の進歩、成長、発展にこれがつながる形でこれをとらえる必要があろうかと思います。現にこの非鉄金属に即して申し上げますと、ザイールのムソシ鉱山、ペルーのカハマルカ鉱山、ビルマのモニワ鉱山等がすでに探鉱から開発に進んでおりますが、これらの鉱山開発を進めますに際しましても、その現地の福祉施設、それから港湾、鉄道関係、それからそれの製錬施設の援助等につきまして、そのそれぞれの国と緊密な連絡をとりまして、両方ともがよくなるように、共存共栄になり得るような配慮で現実にも進んでおるわけでございます。
  52. 米原昶

    ○米原委員 ペルーの場合は私もあとで若干質問しようと思ったのですが、いま話が出ました。ペルーの場合は、確かに現地の政権自体が封建的な古い勢力というものをむしろ一掃して、ナショナリズムの新しい政権ができています。その点で確かに条件があるということを私たちも考えるわけですが、一般的に言えば、発展途上国の進歩発展あるいは工業化にも協力する、そういうことは言われるわけですが、具体的な問題として一つお聞きしたいのです。現にわが国輸入されている鉱物を見ますと、圧倒的に鉱石の形が多く、それを加工した地金などの製品輸入は少ないわけであります。特に自主開発資源はほとんど現地で加工されないで鉱石のまま日本に持ち込まれております。発展途上国の工業化に協力するならば、製錬などの現地加工だけでなく、さらに高度の製品化を現地で行なうようにして関連産業などの発展に貢献すべきである、こういうふうに考えるわけです。マレーシアのマムート鉱山開発のときにも、現地製錬がたびたびマレーシア側より要請されたが、現地製錬は実現しなかった。その理由はどこにあるのかという点で、マムート鉱山開発株式会社社長の小林さんの話によると、これは「鉱山」という雑誌の一月号に出ておりますが、適正規模に達しないとか、硫酸を回収して消費する工場もないとか、関連機械工場もないなどの理由で結局ペイしないということから断わっておりますが、発展途上国の経済協力のあり方としては問題があるのではないか。このようなことを言っていたのでは現地製錬はどこに行っても実現しないことになる。製錬所に関連する工場などの建設もあわせて行なう総合的な経済協力、鉱山開発が望まれているのであり、それにこたえるべきだ、このように私は思うわけです。ペルーの場合はその点がかなりいっているのではないか。現地の加工度をかなり高めて経済協力に役立てることができると思うのですが、一般的な問題としては、やはりいままでその点で問題があったのではないか。この点について聞きたいと思う。
  53. 山形栄治

    山形政府委員 大きな方向及び発展途上国の発展という観点から言いますと、鉱石だけを輸出するのではなくて、より付加価値の高い形にこれを現地でいたしまして、それを輸出いたしたいという発展途上国考え方は尊重すべきであり、今後推進されるべきことであろうと思います。また、日本の側から見ましても、日本の狭い国土で環境問題等もございますので、今後の方向といたしましては、両方の立場から見ましてもできる限り現地製錬というのを進めるべきであろうと考えるわけでございます。  ただ、いまマムートのお話が出ましたけれども、これは私の聞いている限りにおきましては、考えられております製錬の規模が採算ベースからいいまして、われわれのほうの試算から見まして、いかにしても採算に乗りにくいという形であるわけでございます。もう少し処理量等の増大がはかられ、またはほかの鉱山から鉱石を持ってきて、それを集めまして中間地で製錬するというようなことも考えられると思いますが、いずれにしましても、これは経済採算問題でございますので、今後この辺につきましては、いま申し上げましたような、一つだけでものを考えずに、これを複数でものを考えるとか、よりいいかっこうで付加価値のより高い形でどういうふうに多数国間でこれを協調するとか、そういういろいろな方向が考えられると思うわけでございまして、大きな方向といたしましては、当然に開発途上国の製錬事業の促進ということにつきましてはわれわれも決して反対するものではございませんで、むしろその方向に進むのがこれからの方向であろうと考えておるわけでございます。
  54. 米原昶

    ○米原委員 さらに、先ほども言われましたインフラストラクチュアについてですが、港湾、道路といったような産業基盤だけでなくて、鉱山開発を行なう以上、病院、学校その他の社会福祉施設の建設も必要であり、それらについて経済協力すべきだ、そう思いますが、海外における鉱山開発に伴ってそのような援助の方針はいまはどの程度まであるのか、また、その際進出する大企業などの負担を必要としますが、それはどういうふうに考えておられるか、聞きたいと思います。
  55. 山形栄治

    山形政府委員 発展途上国におきましては、いまお話しのとおり鉱山を起こすにあたりましてまず町づくりをしてもらいたい、当然その中には厚生福祉施設等も入れてもらいたいというかっこうで話がこのごろ非常に多いわけでございます。たとえばマムートの鉱山を例にとりますと、これは昭和五十年の四月に生産を開始する予定になっておりますけれども、現在までに投資いたしました費用は全部で二百七十億円でございます。このうち当然のことながら探鉱及び選鉱等の鉱山施設及び鉱害防止のための沈でん池の設置等があるわけでございますが、これ以外に、道路、港湾施設で二十一億円、その他現地従業員用の社宅、それから病院の建設等で五億円というのが当然に含まっておるわけでございます。この辺の費用につきましては、それぞれこれを推進いたします企業負担である場合と、もう一つは経済協力基金の活用という二つの形で、これらの鉱山の町づくり、それから福祉施設の建設等を行なっておるわけでございまして、今後の鉱山開発はみんなこういうかっこうで進むのではないかと思うわけでございます。
  56. 米原昶

    ○米原委員 そういうふうにまあ進んで——どの程度まで進んでいるかをほんとうは私は聞きたいわけですが、時間もありません。  問題は、海外資源開発の必要性が非常に強調されて、大企業海外進出が盛んなわけですが、発展途上国立場に立った資源開発、経済協力、これがほんとうにできているだろうかという点に非常に疑問を感ずるのです。インフラストラクチュアの整備などと言っても結局大企業のやる資源略奪、利潤獲得の道具にすぎない、政府がそのしりぬぐいをやるような形で協力基金を使うというようなことじゃ困るわけであります。当然企業自身にも出すべきものを出させなくちゃなりませんし、そのあたりを十分考えていただきたいのです。  こう申しますのは、たとえば金属鉱業事業団が昭和四十八年の五月に出版した「十年のあゆみ」という本を読んでみました。その中に「事業団十年の回顧と展望」という座談会があります。その中で、たとえば元日本鉱業協会の会長の新井友蔵さんがこんなことをしゃべっておられるのです。「とくに鉱山なんていう労働集約型の産業は工賃の低い、原単位の低いところでやるべきですね。利益をあげるのは、国内でも国外でも一緒だと思いますよ。」そしてさらに、インドネシアでは電力費なんか日本の三分の一、工賃なんか五分の一だ、こういうことを強調されている。大企業海外資源開発の出発点、その動機は、結局最大限の利潤といった利潤原理で貫かれております。工賃や電力費が安いから海外立地、公害問題がうるさくないから海外立地ということで、発展途上国の利益にもかなう経済協力がはたしてできるかどうか。これでは新しい型の植民地主義といわれてもしかたがないじゃないか。こういうような発言を見て私は全く驚いているのですが、こういう考え方はどう思われますか。
  57. 山形栄治

    山形政府委員 私の感じますところでは、いまのような非常に単純かつ古めかしい考え方でこれからの資源エネルギー開発というものは、私は非常にむずかしいのではないかと思うわけでございます。当然に、発展途上国の持っております有利な面、それから日本の持っております技術その他の有利な面、この両方の有利な面が組み合わされまして、それでその両方に共存共栄といいますか、の実があがるというかっこうでこれからの海外の経済協力及び資源開発を考えるべきであろうかと思います。また、そういうかっこうでなければ、とてもこれだけの資源ナショナリズムの高揚しております現時点で、長期間にわたって安定的に一つ開発事業が進むはずがないわけでございまして、先ほど来申し上げておりますように、開発途上国自身にとりましてもそれが将来の発展の第一歩につながるようなかっこうで、われわれとしては謙虚に協力をしながら進んでまいりたい、こう考えるわけでございます。
  58. 米原昶

    ○米原委員 私は率直に申しますが、いまあげました日本鉱業会の元会長新井さんの発言にはっきり示されているような、利潤をあげることが第一で、それが目的であって、資源の安定供給や経済協力などはその手段にすぎないといったようなことだったら政府が出資する必要はない、こういうふうに考えるわけであります。そのような立場から発展途上国立場に立った経済協力は不可能だからであります。  もう一つお聞きしますが、近年国内鉱山閉山が相次いでおりますが、これも実をいうと、いまあげましたような利潤第一主義、コスト主義で進む限り、貴重な国内資源開発は望めなくなるのではないか。石炭産業の二の舞いにならないように、国内鉱業の正しい育成にも力を注ぐべきである、そういうふうに考えます。その意味で、海外探鉱にのみ出資するというのは片手落ちのような感じがするのであります。国内の中小鉱山を切り捨てるつもりか。低賃金や安易な海外立地を望む海外自主開発が進む限り、国内鉱山の前途は見通しの暗いものとなります。利益第一主義にとらわれないような資源政策を立てるべきだ、先ほどもそういう質問がありましたけれども、その点について明快な答弁をいただきたいと思います。
  59. 山形栄治

    山形政府委員 国内鉱山は、われわれにとりまして最も安定した供給ソースでございます。ここのところ、関係者の非常な努力によりまして、著しい増加はございませんけれども、日本国内における国内鉱物生産量というのは横ばいを維持できておるわけでございます。もちろん、これはもっと増加するのが一番望ましいわけでございますが、今後とも、まずベースとして国内鉱山の維持強化につとめてまいりたいと思うわけでございます。四十九年度予算も、対前年で大体二割ぐらいの金額の増加とあわせまして、補助率のアップもこれを高めておりますのは、そういうところから出たわけでございまして、決して海外に偏重して国内鉱山開発をおろそかにしているというつもりはわれわれございませんことを申し上げたいと思います。しかしながら、日本の全需要量をまかないますための海外開発の重要性も、これは非常に重要でございまして、これは車の両輪ということでございますから、両方を相ともに強めて、制度の完備もはかり、所要資金の確保もはかり、両方の力を合わせて所要の鉱物を確保するように進みたいと考えておるわけでございます。
  60. 米原昶

    ○米原委員 終わります。
  61. 濱野清吾

  62. 近江巳記夫

    ○近江委員 この間から国連資源総会が始まりまして、終了したわけでありますけれども、ここで問題になりました天然資源恒久主権という問題があるわけであります。こういう問題をてことした南北の経済的な格差是正の問題ということが非常に大きく提案されたわけでありますが、今後先進諸国との共存共栄をはかっていかなきゃならぬわけでありますが、この資源の供給構造の根幹という問題につきまして、私は、資源保有国の主張というものにつきまして、やはり理解をすべきじゃないかと思うわけです。そこで、こういう問題につきましての政府の基本的な考え方をまず初めにお伺いしたいと思います。
  63. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 先ほど来申し上げましたように、資源保有国とわが国のような消費国との間に共存共栄関係が成立するように、われわれとしては誠意を尽くして努力をしていくことが好ましいと思います。わが国の持っておる技術、情報力あるいは要員の訓練、そういうような問題点、また資源保有国が持っておる資源というものとを結合させて両方に利益をもたらすような方法は、十分考えられるところであります。それと同時に、その資源保有国の資源地帯に対するインフラストラクチュアの建設等にも日本が積極的に貢献して住民の福祉のために働いていくということもあわせて私たちは考えていきたいと思います。
  64. 近江巳記夫

    ○近江委員 いろいろ具体的な何項目かのそういう提案もいまされたわけでありますし、基本的には、わが国としては十分資源保有国のそういう主張も理解できるという大臣のいまお話であったわけでございますが、さらに具体的に、いま大臣大体おっしゃったわけですが、今度はエネルギー庁長官にもう少し細部にわたった具体的な考えがあればお伺いしたいと思うわけです。
  65. 山形栄治

    山形政府委員 大臣の御答弁で尽きておると思うわけでございますが、われわれは、資源保有国が自己の資源に主権を持っておるということは当然に認めておるわけでございます。この資源が、その国の発展に最も貢献すると同時に、世界全体のためにも一番いいかっこうで活用されるというのがこれからの世界のあり方だと思うわけでございます。日本は最もその意味では海外資源に依存しておる国でございますので、これからわれわれは謙虚にそういう観点から、そういう立場で、われわれの立場も従来の悪いところは反省いたしまして、相手国の立場を尊重して進むことが必要であろうかと思います。より具体的に申し上げますと、先ほど来申し上げましたように、相当きめこまかい、病院とか職員の訓練とか学校の建設とか、そういうところまで含みました有機的な関係の樹立につとめてまいりたいと考えるわけでございます。
  66. 近江巳記夫

    ○近江委員 それじゃ、具体的な一つの問題をお聞きしたいと思うのですが、現在ある制度の中におきまして事業団が行なっております資源開発協力基礎調査、それから海外鉱物資源基礎調査、これは予算等を見ましても、まだまだ強化充実という線にまでいってないんじゃないか、このように思うわけです。やはりこういう点につきましては直接結びつかないこともそれはあろうかと思うわけでありますけれども、やはりこういう基礎調査ということが一番私は大事なことだと思うのです。今後の省エネルギーあるいは省資源というパターンに移行していく中におきましても、やはりこれは上昇線をたどっていくことはもう間違いないわけでありますし、こういう基礎調査ということにもっと私は力を入れる必要があるんじゃないか、このように思うわけです。この二つの基礎調査につきまして、いままでの実績であるとか今後の方針について、強化充実についてはどういうことをお考えになっておられるか、少し具体的に聞いてみたいと思います。
  67. 山形栄治

    山形政府委員 現在、事業団を通じて基礎調査を事業として行なっておるわけでございますが、大きく分けまして二つございまして、一つは、有望地域に対しまして地質構造調査を行なっておるわけでございます。これが一つでございます。これは四十三年から実施しまして、四十八年度までに十六地域、総額二十六億七千万円の調査を実施いたしたわけでございます。この結果ザイールのシャバ鉱山、インドネシアのハルマヘラ鉱山、それからブラジルのジャコビナ鉱山、それからペルー南部等七地域で非常に有望な鉱床の賦存が確認されまして、近く日本企業によります開発が検討されておるわけでございます。  それから、もう一つの基礎調査といたしましては、これは発展途上国から技術協力を要望されまして、それを受けて行なうものでございます。いわゆる地域経済開発計画策定調査ということでございますが、これは昭和四十五年から実施しておりまして、四十八年までにペルー、それからインドネシア等七カ国で九プロジェクトが行なわれまして総額十八億円の経済協力を行なっておるわけでございます。この調査の結果によりまして、ペルー、特にその南部及びフィリピン等におきまして資源の有望地域が発見されておるわけでございます。これは非常に高い評価を現地におきましても受けておる次第でございます。
  68. 近江巳記夫

    ○近江委員 いま長官お答えになったのは、その実績であり、しかもかなり成功しておる。非常にそれはけっこうだと思うのですが、相手も非常に喜んでおるわけでありますし、さらにこの強化充実という点におきまして、ただ毎年の予算を若干積み上げるという形であってはまだまだ弱いと思うわけです。それで強化充実という点について、さらに具体的に今後どういうことをお考えになっていらっしゃいますか。
  69. 山形栄治

    山形政府委員 この予算といいますか事業規模につきましては、年々非常に増加いたしておりまして、たとえば一番最初に海外で行ないます資源開発協力基礎調査につきましては、四十五年が一億七千六百万であったわけでございますが、四十八年度ではこれが七億二千七百万でございます。四十九年度はこれがより一そう強化される予定に相なっておるわけでございます。  それから一番最初に申し上げました海外鉱物資源基礎調査につきましては、四十三年が一億一千三百万であったわけでございますが、これは非常に急速に規模がふえまして、四十八年度では四億六千四百万でございます。これは四十九年度におきまして、なお一そうの充実を考えておるわけでございますが、海外開発途上国からの協力要請の分につきましては、いま非常に各国から多数この案件が要望いたされておりますので、四十九年度以降は相当大きな事業規模に相なろうかと考えておるわけでございます。
  70. 近江巳記夫

    ○近江委員 そういう点は最も大事な問題でありますから、さらに力を入れてもらいたいと思います。  それから当然そうなってきますと、一番のかなめはこの技術者の問題だと思うのです。非常にこの技術者が不足しておるとかいうこともよく聞くわけですし、その技術者の今度は中身という問題にもなってくるわけです。こういう点につきまして、この技術者の現状と今後の養成についてどういう強化対策をとっておられるか、この問題についてお伺いしたいと思います。
  71. 山形栄治

    山形政府委員 鉱山関係の技術者につきましては、国内鉱山の従来の長い歴史においてこれが育成され、確保されておるわけでございます。もちろんこれからの進展に応じまして、この技術者の育成というのは大問題でございます。特に海外資源開発という新しい分野の向上につきましては、国内だけでなく、いろいろな語学問題、それから海外の地理、歴史等の知識等も必要であろうかと思うわけでございます。こういう観点から、昭和四十五年に実は財団法人で資源開発大学校というのをつくりまして、ここで計画的に鉱山技術者の教育育成をはかっておるわけでございます。この財団法人につきましては、われわれはもちろんのこと、関係の各企業等も強力な協力をいたしておるわけでございまして、今後といたしましては、この資源開発大学校の育成強化を通じまして、所要の鉱山技術者の確保をはかってまいりたいと思うわけでございます。
  72. 近江巳記夫

    ○近江委員 この資源開発大学校というのは、何名くらい学生がおるのですか。それから文部省令に基づくそういう学科における教育等についてはどうなっており、また今後どうするかという問題についてお伺いしたいと思います。
  73. 山形栄治

    山形政府委員 現在は年間四十名ということで教育いたしております。これは当然のことでございますが、専門技術の再教育が一つの大きな柱でございますが、もう一つは、先ほど申し上げましたように、それぞれの海外の所要の語学及びその国の地理、歴史等の教育、これが二本の柱で教育科目に相なっておるわけでございます。
  74. 近江巳記夫

    ○近江委員 一つは、この四十名ぐらいのもので、将来この基礎調査にしろ強化拡充していくとおっしゃっているわけですね。そういうことで技術者も育成をしていくということをおっしゃっても、横ばいのような状態でそれがいけるかという問題があるわけです。  それともう一つ私が聞いているのは、文部省令に基づくそういう教育においては、今日どういうようになっており、今後どういうようにそれを強化していくのか。これは文部省とは当然将来の技術者養成ということで相談されておると思うんですね。それは文部省の問題だから知らぬというわけにいかぬと私は思うのです。
  75. 山形栄治

    山形政府委員 いわゆる文部省の関係のそれぞれの大学及び専門学校、これは一つの基礎的な教育をはかっておるわけでございます。先ほど申し上げました海外の技術開発大学校といいますのは、むしろ目的的にそれぞれの国に合うような人文地理、語学等も含めた特殊教育機関であるわけでございます。  四十名というのは若干少ないように思えますけれども、これからもちろん海外開発の進展に応じてこの要員の強化拡大というのははかるべきだと思いますが、マムートは非常に大きな鉱山でございますが、いまこのマムートに関係いたしております技術者数が三百名でございます。一鉱山三百名ということで非常に大きいわけでございますが、毎年四十名ずつそれぞれの専門の再教育を受けて計画的にこれを育成しておくということで、われわれのいまの感じでございますと、これはその学校卒業生だけでございませんで、当然企業の技術陣がベースになって、その上にそういう特殊教育を受けた人間が乗っていくようなかっこうになっておりますので、その辺を含めますと、これは大体計画的に遂行できるのではないか。必要に応じましてこの増強、増員等につきましては検討してまいりたいと考えるわけでございます。
  76. 近江巳記夫

    ○近江委員 教育というものは、物を買ってふやせばいいんだという行き方では間に合わぬわけでしょう。だからやはり今後はこういうことはさらに強化しなければならぬわけです。必要に応じてまたふやしますということではまずいと思うんですね。こういう大学校制度を設けておられるわけですからけっこうだと思いますし、今後さらにもっと強化をしていく、これについてはどのようにお考えですか。
  77. 山形栄治

    山形政府委員 当然にこれからの資源問題というのは日本の最大の問題でございますので、いま先生の御指摘のとおり、これをますます増強いたしていきたと思います。  四十名と申し上げましたのは、ちょっと誤解がございましたので訂正いたしますが、年々これがふえて現時点で四十名でございまして、将来は四十名を御指摘のとおりもっとふやして、計画的に教育の強化につとめてまいりたいと考えるわけでございます。
  78. 近江巳記夫

    ○近江委員 その教科の中身も、専門技術と同時に、現地社会のいろいろなことを教える、これは非常にけっこうだと思います。しかし、いわゆる日本人が出かけていけば、結局現地では日本代表という形で見るわけです。ですから、これは人格、識見ともに日本を代表するという自覚を徹底して持たせなければいかぬわけですね。ですから、その教育内容等も、これはやはりもっと——詳しいことは私は知りませんけれども、やはり現地でトラブルを起こしたり、あまり評判がよくないというのが大体日本企業進出の空気なんですね。ですから、やはりそういう点については中身をもっと考えて、ほんとうにそういう幅広い国際人として育てていく、技術者としてのそういう実力というのはもう当然でありますが、国際人としてのそういう育て方をしなければいけないと思うんですよ。そういうことを中身等においても再検討しておりますか。
  79. 山形栄治

    山形政府委員 私の答弁が非常に不十分な点があったと思いますが、いま先生お話のとおりでございまして、語学とそれから地理、歴史と私は申し上げましたけれども、むしろ現地の風俗、人文も合わせ、それから一番大事なことは、その人間が全人的に一つの指導能力、人間としての指導能力が持てるような、また現地人と融和できるようなそういう人間性が大事だと思っておりますので、今後ともそういう点、むしろそこに重点を置きまして、その大学校の教育の中心をそこに置くというぐらいのつもりで運営してまいりたいと考えております。
  80. 近江巳記夫

    ○近江委員 そういう点は特に注意してやってもらいたいと思うんですね。そうしないと、日本を理解せよと言ったって、やはりそういう第一線で接触する人が大事なんですよね。これをただ技術だけ教えればいいわ、向こうはこういう状況だ、そういうことでは浅いと思います。これを特に要望しておきます。  それから、先ほどからマムート鉱山の話が何回も出ておるわけでありますが、これは非常に大きな露天掘りの大型銅山ということを聞いておるわけですが、この会社の総開発費が二百八十七億円ということを聞いておるわけです。これは全額日本側の負担であるということを聞いておるわけですが、そうであるかどうかということです。  それから、資金調達の内訳としまして、経済協力基金であるとか輸銀であるとか市中銀行であるとか自己調達とか、いろいろあろうかと思うのですが、これはどうなっておるのか、まずこの二点。第一点は確認、それから中身、これについてお聞きしたいと思います。
  81. 山形栄治

    山形政府委員 マムート鉱山につきましては総開発費が二百八十七億円で、これは全額日本でございます。  これの内訳でございますが、現金貸し付けが百五十一億、それから機材の輸出が百三十六億でございまして、うち出資が十二億入っております。この出資が経済協力基金でございます。機材の輸出につきましては、これは輸銀融資においてカバーされておるわけでございます。
  82. 近江巳記夫

    ○近江委員 この鉱山について事業団との関係はどうなっておりますか。
  83. 山形栄治

    山形政府委員 事業団は、現行法の限りにおきましては融資機関でございまして、出資機能が実はなかったわけでございます。今回の改正で、いま御審議願っておりますので初めて出資機能が付与されるわけでございます。このマムート鉱山は非常に有望な鉱山で、探鉱ではございませんで、最初から開発段階に入ったものでございますので、いま申し上げましたようなかっこうで、輸銀の資金の活用を中心にいたしました日本側の資金負担でございます。事業団は、そういうかっこうではこのマムートには関係いたしておらないわけでございます。
  84. 近江巳記夫

    ○近江委員 それで関係者の話を若干聞きますと、基金であるとか輸銀あるいは市中銀行等のそれぞれの窓口に資金調達にかけ回るのは非常な手間が要る、神経をすり減らすというのですね。効率という点からいきますと非常に悪い。しかしリスキーな業務でありますから、危険分散ということもあってそういうことをされておると思うのですが、少なくとも基金であるとか輸銀は国の機関なんですね。ですから、その辺は一元的にできる体制にすべきじゃないか、このように思うわけです。その場合、事業団が開発段階まで投融資できるそういう機能を持って一元的に実施すべきじゃないかと思うわけですが、この辺の考え方についてはどのようにお思いですか。
  85. 山形栄治

    山形政府委員 基金と輸銀の関係につきましては、これはおのずから性格も違うわけでございます。しかしながら、これは実際の案件の処理におきましては非常に相関連するところも多いわけでございます。私所管でございませんが、聞くところによりますと、基金と輸銀とは定期的な密接な会合を常時持っておるやに聞いておりまして、この辺われわれといたしましても、基金と輸銀の有機的な、実質的な、一体化的な運営につきまして、今後とも御協力を要望いたしたいと思っておるわけでございます。  また、事業団とこれのからみでございますが、事業団は探鉱段階の出資でございまして、将来の問題として開発段階の出資及び融資の問題も出てくると思いますが、現時点におきましては、改正法におきましても開発段階が若干抜けておる関係もございますので、その辺は直接的にマムートに即しましては関係いたさないわけでございますが、ただ、市中の金の融資につきましての保証業務は行なっておりますので、そういう意味では、事業団と輸銀と基金と三者が、このマムート鉱山の促進につきまして今後より一そう連絡を密にして進みたいと考えるわけでございます。
  86. 近江巳記夫

    ○近江委員 いま一例としてマムートの話をしたわけですが、これはどこにおいても一緒の問題でありまして、そういう各機関なり政府の連携といいますか、そういうものが海外協力という問題になってきますといつも非常に大きな問題になってくるわけですね。当面としては今後そのようにしますということですけれども、なかなか改善がされないわけですね。これはやはりまずいと思うのです。これについては、今後でき得る限り一元化の方向に進んでいくということをいま長官おっしゃっているわけですが、それでは具体的に、たとえば今後定期的にこういう会合をするとか、こういう形にするというような、そういう構想ははっきり描いていますか。当面だけそういう方向へ行きたいということじゃ弱いですよね。それについてはどう思いますか。
  87. 山形栄治

    山形政府委員 機構の一元化というのはなかなか問題だと思いますが、いま御指摘のとおりの必要性は非常に強いわけでございます。マムートは、現時点では三者の関係もわりあいに円滑に行なわれておるわけでございますけれども、今後の事業遂行上、より一そうそういうことも考えられますので、定期的な三者間の連絡の会合等につきまして早急に検討してまいりたい。それで、企業側がばらばらに三つのところを飛び歩くということは非常にむだなことでございますので、御指摘のとおり、何かそういうものを解消できるような仕組みというものにつきまして考えてまいりたいと思います。
  88. 近江巳記夫

    ○近江委員 大臣もおっしゃっておられたわけですが、このインフラストラクチュアの問題、すなわち付帯工事であるとか地域社会開発のそういうふうな問題があるわけですね。ここの会社では道路、港湾に二十一億ですか、それから港湾、社宅に五億であるとか、いろいろ投資しておるんだということを先ほどちょっとおっしゃっておられましたが、そのほか、たとえば橋梁であるとか発電設備であるとか機械工場であるとかレクリエーションの設備であるとか学校であるとか上下水道等の環境設備であるとか、そういういろいろな形での協力という問題があるわけです。先ほどおっしゃったのは、道路、港湾あるいは病院、社宅ということしか私も聞かなかったわけですけれども、私がいま何項目か申し上げましたような点についてどのぐらい投資されておりますか。
  89. 山形栄治

    山形政府委員 マムートに即して申し上げますと、その本体でございます鉱山関係、これが百億、それから公害防止施設が二十四億、道路と港湾が二十一億、現地従業員の社宅及び病院が五億でございますが、別途、道路に関連いたしました橋につきましてもこの道路、港湾の中に入っております。発電施設はそれぞれの関連の、おそらく自家発だと思いますが、これも当然に入っておると思います。水道及び機械工場につきましては、私いまはっきりいたしておりませんけれども、これは後刻調べまして御報告申し上げたいと思います。
  90. 近江巳記夫

    ○近江委員 レクリエーション施設であるとか学校とか上下水道等のそういう環境設備についてはどうなっていますか。
  91. 山形栄治

    山形政府委員 上水道につきましてはこの中に入っております。
  92. 近江巳記夫

    ○近江委員 いずれにしても、そういう抜けておるところがたくさんあるわけですね。こういう問題は現地の社会開発という点にとりまして非常に重要な問題なんです。現地の円滑なそういう関係を維持していくという意味におきましても、私これは絶対におろそかにすることはできないと思うのです。わが国のそういう金属鉱物の関係企業というのは資本力も非常に弱小でありますし、こういうインフラストラクチュアの関係というものは非常に負担にもなっておるわけであります。そういうことで、これまでの海外探鉱開発事業におきまして、この関係政府による経済協力が行なわれた事例の代表的なものがあればひとつお答えいただきたいと思うのです。
  93. 山形栄治

    山形政府委員 非鉄金属に即して申し上げますと、四十六年度のザイール国のシャバ地区ムソシ鉱山一つの例でございます。それから四十七、八年度におきまして、ペルーのカハマルカ地区のミチキジャイ鉱山が二番目の大きなものでございます。それから四十九年度で予定されております大きなものといたしましては、ビルマのモニワ地区におけるモニワ鉱山が非常に大きな有望鉱床地区でございます。
  94. 近江巳記夫

    ○近江委員 大きなということはわかるわけですが、たとえばどういうことを実施しているのですか。マムートでも、私が何点か指摘しましたけれども、やっていないのがたくさんあるわけですね。充実した、きめこまかな、そういうところまでやっていますか。
  95. 斎藤顕

    斎藤説明員 ただいま長官が御答弁申し上げましたザイール国とかペルーとかあるいはビルマ国における個々の案件でございますけれども、これらは将来鉱山開発される地域、ザイールはすでに鉱区を開発しておるわけでございますが、それらの鉱山開発される以前に一、二年前にそれらの開発に伴う当然のインフラストラクチュア部門の建設をいかにすべきかということにつきまして調査してまいったことにつきまして御答弁申し上げたわけでございます。このように、御指摘のマムートに限らず、日本海外自主開発鉱山につきましては、鉱山本体以外の関連施設、福祉施設等について広域なインフラ部門、福祉部門の調査を専門機関にゆだねて経済協力の形でやっておるわけでございます。
  96. 近江巳記夫

    ○近江委員 この点につきましては政府の経済協力との有機的な結合が行なわれるべきである、このように思うわけでありますが、政府の答弁を聞いていますと、非常に何もかもスムーズにいってうまくやっておる、そういう答弁なんですね。きょうは参考人も来られておるわけですが、現地はよく知っておられると思うのですが、そんなに政府が言うようにうまくいっているのですか、ひとつ忌憚のない意見を聞かしてほしいと思うのです。
  97. 平塚保明

    ○平塚参考人 お答え申し上げます。  ただいま長官、鉱業課長から御答弁申し上げましたように、私ども直接間接に海外の仕事に携わっております者から見ましても、ただいま御答弁がありましたマムート鉱山、これはいま開発途中でございまするが、これに対するインフラ関係は、現在道路、港湾、橋梁その他について計画を進めておりますし、また山元の水道、電気、住宅、病院、これらについては現在必要な範囲において着々進んでおるように私どもは見ております。また、先ほどお話がございましたザイール国のムソシ鉱山、これはたいへんなところでございまするが、私も現地を両者とも見ておりまするが、これらも病院などは地元の現地人を無料で見ておりますが、その数が一日に五百人からに及んでおりまして、また小学校もつくっておりますが、御案内のように、上級生より下級生に至るほうが非常な傾斜の度合いでふえておるというようなことで、ただいまの先生の御指摘のインフラ関係につきましてはかなり十分にやってくれておるものと信じております。
  98. 近江巳記夫

    ○近江委員 やってくれておると信じておるということをおっしゃっておるわけですが、政府も、このほうに今後力を入れるということをおっしゃっておるわけですから、やはりあなた方は政府に世話になっておるからというようなことであまり政府に同調するあれじゃなくして、これは結局日本を代表しておるわけですから、言うべきことはどんどん言って、また、われわれにもその意見を聞かしてもらっていかないと、同じやる以上は、やはり現地も喜び、日本人に対する評価も上がる、これが大事だと思うのですね。だから、今後そういうようにやってもらいたいと思うのですが、何かありましたら……。
  99. 平塚保明

    ○平塚参考人 お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘のとおり、インフラ関係につきましては、私どもも鉱山開発の中に、道路、港湾など、あるいは電力につきましても山元の自家発ぐらいはよろしゅうございますが、それより大きなものまで全部をひっくるめてやるということはたいへんなことでございますので、ただいま先生のおっしゃるとおり、インフラ関係については別個の金融をやっていただきたいということを常々要望はいたしております。この点は、今回国際協力事業団というのができるやに伺っておりますが、そこが別途に考えていただけることと私どもは思っております。ただ、その前提となる鉱山に関するインフラの調査につきましては、三年前から私どものほうの事業団が国の委託を受けてやってその結果を報告いたしております。
  100. 近江巳記夫

    ○近江委員 だから、そういう国際協力事業団なりできるわけでありますし、そういう有機的な結合ということが大事だと思うのですね。ところが、事業団同士のセクトがあるし、政府でも関係各省はそういうセクトがあるわけですし、これはみんな認めておるわけですね。ですから、そういう点は今後少なくとも有機的によく連携をはかってほしい、これは特に要望しておきます。  それから国際分業ということも一つの大きな課題になってきておるわけですが、このマムート鉱山におきましては、現在現地で精鉱段階まで行なう計画のように聞いているわけです。今後の南北問題あるいはそういう国際分業という形を考えていきますと、将来はこういう製錬所まで現地に設立をして、あるいはそれに伴う輸入はブリスター、粗銅の関係あるいはまた地金の形で行なっていく、こういうことも一つの方式じゃないかということを非常によく最近聞くわけですが、この辺の考え方については政府はどう思いますか。
  101. 山形栄治

    山形政府委員 マムートにつきましては、先ほども答弁いたしましたように、若干いまの計画が採算ベースから不十分な点があるわけでございます。今後もっと広い国際的な立場で中間地製錬というような形で当然にこれは前向きに考えるべきであって、マムート鉱山鉱石を全部日本に持ってくる、日本で製錬するという考えをわれわれとっておるわけではございません。これは大きな歴史の流れでございますので、その方向で今後考えたいと思うわけでございます。
  102. 近江巳記夫

    ○近江委員 今後の方向としてそういう方向も大きく考えていくということをいまおっしゃったわけですが、そうしてきますと、現地労働者の技術水準の向上ということが非常に大きな問題になってくるわけですね。前に私もインドネシアへ行きましたとき、オランダが引き揚げた。そうすると、いわゆる現地の技術者がおらないから、もういわゆる十分の一ぐらいにそういう仕事も減ってしまったというようなケースも聞いたわけでありますが、そういうことで現地労働者の技術水準の向上ということが非常に大きな問題になるわけです。その点につきまして、現在現地労働者の技術指導についてどういう対策をとっておられるか、また、今後、どういうことをお考えになっておられるかということをお伺いしたいと思うわけです。
  103. 斎藤顕

    斎藤説明員 例をムソシ鉱山にとって御答弁申し上げたいと思いますが、ムソシ鉱山では、日本人の職員及び技術労働者が最高三百名以上派遣されております。徐々に日本の熟練労働者を引き揚げておるわけでございますが、やはり坑内労働というものは機械になじんでおりませんとそれだけの労働効率をあげることはできません。現地労務者の技術レベルのアップということに一番の重点が置かれたわけでございます。日本鉱山労働者は、長い歴史の上でたいへん熟練度の高いものでございます。急速にこれに追いつくということはなかなかむずかしいことではございますけれども、これらの悪条件の中にありながら、教育、訓練施設と相まちまして相当なレベルまで上がってきたという時点を見きわめた上で徐々に現地の熟練労働者と交代していくというふうな具体的な方策をとっております。
  104. 近江巳記夫

    ○近江委員 それで、海外のそういう企業で非常に批判が出るのは、いわゆる幹部が全部日本人であって、かなりのそういう人物であり、またそれだけの技術を持っておってもなかなか登用しない、そういう現地の人の大きな感情があるわけですね。こういう問題も私は非常に大事だと思うのです。その登用していく道を開くことが非常に大事だと思うのですが、この辺についてはどのようにお考えですか。
  105. 斎藤顕

    斎藤説明員 同じくムソシ鉱山について御説明申し上げたいと思いますが、すでに現在、いわゆる国内における係長クラスといいますか、ある現場の一地域を責任をもって仕切るというふうなところまでそういう訓練者、現地における訓練をした人が育ってきておるということが実情でございます。また一そういうことが今後ともたいへん必要であるということの認識のもとにつとめておるというふうに私どもは報告も受けておりますし、事実また現地へおいでいただいた方からもそのように聞いております。非常に大事なことだというふうにわれわれも認識しております。
  106. 近江巳記夫

    ○近江委員 それでは、そういう点についてよく指導してもらいたいと思うのですね。やはり基本的にそういう認識がないと、どうしてもその辺、ある程度のところまでは、これは会社の有利にもなるわけですし、そこまでは育てよう、しかしそれ以後は、これをするとまずいというような、企業としてもそういう考えが濃厚にあるわけです。それが大きな感情問題にもなるわけです。ですから、そういう点については大きく登用していく道を考える、こういう点を特に要望しておきたいと思います。  それから非常に大きい問題は鉱害の問題でありますが、わが国の、たとえば足尾銅山によります渡良瀬川の汚染問題等、そういう蓄積鉱害というものが非常に大きな社会問題となっておるわけでありますが、これは海外では特にこういう問題は起こしてはならぬ問題であると思うのです。  先ほど私が具体的にマムート鉱山のことも聞いてみたわけでありますが、マムート鉱山においてはどういうことをやっておりますか。それからまた、その他の代表的なムソシ鉱山であるとかおっしゃったわけですが、その辺についてはどういう対策を立てていますか。
  107. 林信太郎

    ○林(信)政府委員 お答え申し上げます。  海外で事業をやります場合は、現地尊重あるいは現地融和ということを基本といたしまして現地の開発、発展に貢献するということが目標でなければならぬわけでございまして、こういう要請というのは、一般工場活動と同様に鉱山開発の場合もきわめて重要な要請だと考えております。特に鉱山の場合、ただいま近江先生指摘のように、保安の問題、それから鉱害の問題が特につきまとっておるわけでございます。したがいまして、現地におきます関係法規を厳守することは当然でございますが、日本側といたしまして公害を輸出しないということが絶対の要請だと考えております。こういった趣旨で、昨年六月、経済関係五団体が発展途上国におきます海外投資活動のあり方と指針という一般的な方針を発表しておりまして、その中で、受け入れ国の環境保全に十分つとめるという趣旨も盛り込んでおるわけでございます。  私ども通産省といたしましては、こういった方向を前提にいたしまして、より具体的に鉱山開発の場合に保安と鉱害防止に万全を期するという方法をとってまいっておるわけでございます。  具体的に申し上げますと、先進国に出ます場合には、相手国に法規及び監督体制が完備されておりますので、一般的には問題がないかと思われますが、問題は発展途上国の場合でございまして、この場合には、鉱害関係の諸法規がございましても不備である、あるいは監督体制が十分でないというふうな例が一般的でございます。したがいまして、ただいま私どものほうでは、こういったやり方で未然に防止をすべきではなかろうかということで検討しておる段階でございますが、一つは、事前に計画をチェックいたしまして、国内の諸法規に準ずる程度以上のことは少なくとも現地でもやって、保安の確保あるいは鉱害の防除に協力をさせる。それから第二番目といたしまして、大使館あるいは金属鉱業事業団あるいはその他の関係の現地の政府及び政府関係機関の者が機会がございますたびに現地に参りまして、そういった事前の計画と現地とのチェックを行なう、あるいは必要に応じまして現地から専門家より構成されました調査団を派遣いたしまして、その操業状況を指導監督するというふうなやり方が考えられる方法でございます。  ただいままでに私どものほうがチェックいたしておりますのは、自主開発の一番大きなプロジェクトでございますムソシ鉱山の場合でございますが、この場合は、一応鉱業法規が現地にございますし、大統領令あるいは大統領の演説といったようなものがその根拠法規になっておるようでございますし、政府組織といたしましても、鉱山局もあり、あるいは自然保護局もあり、監督官あるいは鉱害調査官というふうな制度も一応はあるようでございます。ただし、排出基準が具体的にございません。したがいまして、ムソシ鉱山では、日本国内法規に準じた排出基準を援用して安全、鉱害防除に当たっておるわけでございます。たとえばここは精鉱までの段階でございますので、煙よりはむしろ水が問題でございまして、PHにつきましては八、銅につきましては〇・五、あるいは懸濁物につきましては一〇〇というふうな数値で、日本のこういった数値と比べまして遜色のない、それ以上の数値を基準にして鉱害防除をやっておる。なお、この危害防止のための安全規定も、日本の場合とほぼ同様な規定を設けて実施しておりますし、こういった基準は、ザイールにおきますベルギー等諸外国の事業所の場合に比べましてすぐれた基準になっておるというふうな評価を受けておるように聞いております。
  108. 近江巳記夫

    ○近江委員 それで、きょうは環境庁もお見えになっておると思うのですが、海外のこういうような鉱害問題については、通産省とはどういう連携をとり、どういう監督をしていかれるわけですか。
  109. 遠藤茂

    ○遠藤説明員 最近、鉱山開発海外で行なわれるということで、その場合に環境汚染を防止するということについては、相手国の法的規制に従うなど十分配慮をする必要があるというふうに考えておりますが、先ほども出ましたように、相手国の法規が十分でないというふうなこともありますので、環境汚染の防止について現在通産省で御検討中というふうに聞いております。環境庁としましても、それらの検討経過を見ながら、必要があれば通産省に対して環境保全上の観点からの意見を申し述べたい、また、企業に対しても強力な行政指導を行なうように申し入れていただきたいというふうなことをいたしまして、海外における環境汚染防止に遺憾のないようにしてまいりたいというふうに考えております。
  110. 近江巳記夫

    ○近江委員 そうしますと、環境庁さんはそういうようなニュース、現地の状況というのはどこから入れるわけですか。環境庁も一回ぐらい——一回じゃなしに、やはり海外のそういう状況というものは調べて、そうじゃないと通産省から報告だけ受けたんじゃ監督はできないでしょう。
  111. 馬場孝一

    ○馬場説明員 私ども必ずしも一つの省からの情報だけで動いておるわけではございませんので、特に世界各国に出先を持っておられます外務省を通じて、いろいろなセクションにとらわれずに入ってくる情報を集めております。それが第一であります。  それから第二は、それぞれの分野に従って、たとえば鉱山開発なら通産省、それから輸送問題なら運輸省、そういう面からも技術的な情報がやはり入ってまいります。  それから、そのほかの新聞、雑誌等で出ておりますものも、真偽を確かめつつフォローしております。
  112. 近江巳記夫

    ○近江委員 じゃ、特に公害問題等で公害輸出をしておるというようなそういう非難を受けないようにこれはやってもらいたいと思うのです。いつも問題が起きてからばたばたする、これが日本の非常に悪いくせなんですね。ということは、やはり企業の利益優先ということが第一番に立つのです。  それから、これは離れた外国のできごとでありますから特にやかましく言うのですが、それでもなおかつ心配なんです。だから、この点は特に政府が強力に目を光らせていく、これをひとつ申し上げておきます。  それから、私は特にマムート鉱山等の例を引いて質問をしたわけでありますけれども、その中で金融の一元化であるとか、あるいはインフラストラクチュアに対する経済協力とのそういう有機的な結合の問題であるとか、労働者の技術指導あるいは鉱害対策等申し上げたわけです。これはいずれにしても共通した問題でありますし、今後政府は真剣な検討をしていただきたい、このように思うわけです。  それで時間もだいぶん来ておりますので、最後に、私もいろいろ質疑をしたわけでありますが、まとめて大臣から今後の政府の取り組みの腹がまえ、姿勢等についてお聞きして終わりたいと思います。
  113. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 基本的には、最初に申し上げましたように、共存共栄をはかるというそういう理念を実現するように努力していきたいと思います。そして産出国の主権を尊重して、それと同時にまたインフラストラクチュア、周辺地域に対する配慮あるいは環境問題に対する配慮等も十全に行なって、その産出国の国民から歓迎されるような態度で謙虚に協力するということは必要であると思っております。  また一面におきましては、技術者の問題あるいは製錬技術その他に関する進歩発展というような問題もやはりこれは大事でありまして、海外に出ていくためには、国内にそれだけの要員と技術的な蓄積がなければこれはできませんから、その点につきましても鋭意発展し、また要員を質的にも強め深めるように努力していきたいと思っております。
  114. 近江巳記夫

    ○近江委員 終わります。
  115. 濱野清吾

  116. 玉置一徳

    玉置委員 金属鉱業事業団法の一部改正で、海外探鉱その他、やりやすいような一里塚を迎えたと思うわけですが、ここに「わが国の経済と海外鉱物資源」、資源エネルギー庁の一九七四版ですが、「資源保有国との協調および経済協力による海外資源開発を強力に推進しなければ、その需要がますます増大する非鉄金属資源の安定的確保はますます困難なものになります。わが国鉱業各社は、これまでも海外資源開発の母体としてその推進にとりくんできましたが、海外資源開発に関して長年の実績と尨大な資金量をもつ国際資源企業に比較して、企業力の脆弱なわが国企業海外資源開発はきわめて立遅れた状態にあり、しかもわが国鉱業をとりまく諸条件の悪化により海外資源開発の推進力およびその意欲は相当低下しております。このまま手をこまねいておれば、今後のわが国資源の安定的確保の上でとり返しのつかない大きな問題を生じてくるものと考えられます。このような状況に鑑み、わが国経済発展の基盤となっている海外非鉄金属の安定的確保のためには、国の助成を大幅に強化し官民一致して海外資源開発を推進することが是非とも必要になっております。」こう書いておいでになります。     〔委員長退席、稻村(佐)委員長代理着席〕  そこで私は、政府並びに通産大臣にお伺いしたいのでありますが、この法令はできましたけれども、はたしてそれの資金量というものは、ほんとうはどの程度必要として数年続けなければならないのかというような問題になりまして、まあ最初のことでありますから、出資にいたしましても資金量がわずかであることもわからぬことはございませんけれども、一体こう立ちおくれたものを通常の軌道に持っていこうとするのならば、十年なら十年でどのくらいの資金量を必要とするのかというようなことを、おくれた分を取りかえすのですから普通の資金量よりもはるかに大きな資金量が要ると思うのですが、政府当局からやや具体的にひとつかいつまんで、どのくらい立ちおくれておって、どのくらいの資金量を必要とするか、説明をいただきたいと思います。
  117. 山形栄治

    山形政府委員 わが国非鉄金属につきまして、これは非常に海外依存度が高いわけでございます。銅につきましては八八%、鉛と亜鉛は六五%ということでございます。非常に大きな比率を占めておるわけでございます。いま先生指摘のとおり、この立ちおくれた、しかも必要性の非常に強い非鉄金属のこれからの生産の確保及びこれに所要する資金の確保という問題が最大の問題でございます。今回の法案の改正におきましても、探鉱段階における融資でなくて出資を認めていただくことにいたしまして、初年度八億円の出資を認めてもらったわけでございます。これに自己資金の一億を足しまして九億円で、さしあたり初年度運営したい。しかしながら、これは初年度でございますので、今後これを拡充強化してまいりたいと思っておるわけでございます。  いま御質問の、今後十年ぐらいでどういう姿が考えられるかということは、御指摘のとおりであるわけでございますけれども、私のほうでは近くこれを鉱業審議会にはかりまして、一つ日本全体の需給、それから世界の動き、その中におきます開発のあり方、この辺につきまして御検討願うように考えております。  いずれにしましても、国内鉱山をまず保持育成するというのが前提でございまして、その上に立って、多種多様化した開発途上国及び先進資源保有国の動向と弾力的に応じ得るような形をどうやっていくか、そのための所要資金がどうかということでございます。さしあたりの初年度九億円の出資といいますのは、いま考えられております具体的案件に即していいますと一見少ないように見えますけれども、四十九年度の現段階におきましては、私のほうは十分な資金量だと思います。  御質問の十年先の見通しにつきましては、審議会の御審議も待ちまして決定をいたしたいと考えるわけでございます。
  118. 玉置一徳

    玉置委員 大多数の採掘可能な発見されておるところは、大体今日までにアメリカ資本等々から押えられておるということを聞いております。ますますその点が狭められていくんじゃないだろうかというような感じがするのと同時に、後進国、いわゆる発展途上国の国民感情そのものが、だんだんとかってな開発がしにくくなってくることも事実だと思います。一日おくれれば一日やりにくくなることは事実でありますので——開発するのだったら一億ドルというのがいままで相場でありましたが、今後はそれだけではとても話にならぬ。したがって、探鉱だとはいいながら、八億か九億でもってこのおくれを取り戻すということにはならないのじゃないだろうかということはにわかに想像できるわけであります。したがって、いまのお答えはそっと置いておきまして、初めのことでありますから、対大蔵関係その他、なかなかあれだと思いますが、今後十年、二十年先を見通すと非鉄金属資源というものはどの程度必要といたします、国内では一生懸命やりますが、この程度しかならぬと思います、したがってその分は差し引き算術計算ですぐ出るわけでありますので、これだけはどうしても確保しなければいかぬ、その確保がますます困難になります、一日おくれれば一日おくれるだけ、いわゆる上陸と申しますか、そういうことをお許しをいただくことが困難になる、したがって、このぐらい思い切った形をとっていきたいと思います、こういうようなことを国民の前ではっきりすべきじゃないだろうか。資源の確保についてはこれだけ要るのです、でなければ将来石油と同じで省資源的な産業にこれとてもある程度持っていかなければならないような動向になるんじゃないだろうかというようなこともお考えいただきまして、ことしの十月ごろまでに衆議院、したがって当委員会にそのことをお出しをいただけぬだろうか、そうすることによりまして、国民の皆さんにも非常に大切な問題であるということをPRできるんじゃないだろうか、こういうように思うのです。  そこで、問題点はこれとこれとこれです、その問題点に対しては各省の協力を求めなければいかぬ問題もたくさんあると思いますが、予算の編成時期よりも若干前に、当委員会で十分御審議をしていただけるような時間の余裕を持って、法案とは別に、重要資源であります非鉄金属の将来の需給とその安定的な供給確保の見通しについてひとつお願いを申し上げたい、こう思います。     〔稻村(佐)委員長代理退席、委員長着席〕
  119. 山形栄治

    山形政府委員 非鉄金属につきましては、非常に各方面に使われておりますが、大きく申し上げまして自動車と電気機械それからいわゆる特殊鋼、これが非常に多いわけでございます。当然のことながら、この辺の産業部門というのは、これからの十年間、日本産業構造としてどういうあり方であるべきなのか、当然資源多消費産業的な要素が多いわけでございますので、そういう需要面及び構造面の変化も前提として考えざるを得ないと思うわけでございます。  先般来、話が出ておりますように、日本の非鉄の輸入というのは世界一である、非常に高い、その意味では非鉄金属資源多消費産業であることは確かでございますので、その辺の構造変化も含め、それから国内の維持を前提にしての海外のそれぞれの大きなプロジェクトについての具体的な接近のしかたはどうあるべきか、そういう観点を含めての供給の可能性がどうであるかということにつきましては、先生の御指摘のとおり、十月と約束できるかどうかわかりませんが、十月近辺におきまして、私のほうで鉱業審議会の議を経まして当委員会にも御報告を申し上げたいと存ずる次第でございます。
  120. 玉置一徳

    玉置委員 そこで、今度の出資ですが、これは開発途上国に限られておる、あとは協力基金がやるのだとか——その逆か。そういう範囲が確定しておるのですか。
  121. 山形栄治

    山形政府委員 出資につきましては、全世界を一応対象といたしておりますが、ただ、その案件が非常に大規模のものであって、かつ日本側も共同でこれを進める必要があるというもの、かつ現地政府または政府系の企業からの強い要請のあるもの、この三つの要件で考えていきたいと思うわけでございます。
  122. 玉置一徳

    玉置委員 開発に二つの方法があると思うのですが、先ほど御質問がございましたように、一億ドル以上の費用が要るような非常に大型なもの、新規のものと同時に、小型ではありますけれども、現に稼行いたしておりまして、さらにそのことを拡充することによって非常に効率がよくなる、寿命は十年ぐらいかもわかりませんし、大量じゃないかもわからぬけれども、落としめがない、こういうものも私は並行してたくさんいらっていくべきじゃないかという感じがするのですが、こういうものに対する力添えということについて積極的に手を差し伸べていくというような方法はお考えになっておりませんか。
  123. 山形栄治

    山形政府委員 従来から事業団の融資という道があるわけでございまして、これは日本企業開発はもう済んでいるようなものにつきましても、活動いたしますときの所要資金の融資でございます。  先ほど来申し上げました出資は、非常に新しいペルーとかパプアとかいうところに出資をいたしまして、大規模な開発をはかりたいというものでございます。先生の御指摘のとおり、両方の道、両方のあり方を併用して進むべきだと思いますし、その心がまえでおるわけでございます。
  124. 玉置一徳

    玉置委員 この問題と経済協力基金とはどういう整理をされていくおつもりですか。
  125. 斎藤顕

    斎藤説明員 金属鉱業事業団と経済協力基金の分野について一言触れさせていただきますと、いわゆる基金は発展途上国、そして事業団はいわゆる先進国に対する探鉱について融資する、こういう制度でございます。しかしながら、今回の出資機能を持つという事業団法改正を契機といたしまして、今回の出資機能は、先ほど長官が申し上げましたように全域に及ぶということになったわけでございます。一方、融資につきましては従来と同様でございます。
  126. 玉置一徳

    玉置委員 そこで、そういうようになってまいりますと、いわば金属鉱業事業団はイタリアでいえばENIというような姿のものになってくるように思います。したがって、備蓄の問題にまで自分の仕事を拡充すると申しますか、現実にそういう作用をも兼ね備えるような方法の運営を考えられないかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  127. 山形栄治

    山形政府委員 これは先ほども申し上げましたように、日本非鉄金属自給率は非常に低いわけでございまして、今後もし需要が非常にふえますれば自給率はますます下がる可能性すらあるわけでございます。一方、国内資源の生産コストは毎年上昇しておりまして、先ほど御質問もございましたように、価格が暴落するような場合には、その国内鉱山の存続すら非常に問題になってくる可能性もあるわけでございます。今後、非鉄金属に限らず、資源の問題がこれだけ大きな問題になりました現段階として、国家的に備蓄問題をどう考えるかというのが大きな問題であるわけでございます。ただ、これにつきましては、だれがどういうかっこうでこれを行なうのか、その場合の所要資金をどう負担するのか、いろいろとむずかしい問題があるわけでございますが、この辺につきましても近く鉱業審議会にはかる予定にいたしております。国際的な商品である性格を前提にしながら、前向きに日本として考えていきたいと考えておるわけでございます。
  128. 玉置一徳

    玉置委員 そこで、海外に非常に依存をしますし、今後とも需要の伸びをこれで安定的に供給を確保していかなければならない。しかも、現状において非常に立ちおくれておるものを思い切って推進しなければいかぬ、こういうことで、安定した供給の確保という観点から将来を見通した、ものごとを見通した施策を確立しなければいかぬということでありますけれども、そこで、国内探鉱の位置づけというのですか、あり方、これは近江さんの質問にもお答えになっておったように、これだけの技術陣の確保という問題が非常に必要でありますが、国内資源の将来の確保、位置づけというものをどういうふうにお考えになっておるか、そして備蓄という点も若干ここで、国内鉱山の問題ではあわせて考えてもいいんじゃないだろうか、つまり自然条件のいかんによりまして、鉱山というのは御承知のとおり、それとまた海外価格の変動が非常に著しゅうございます。国内鉱山が非常な圧迫を感ずるような場合には、ある意味では備蓄という考え方で長日月買い取りをしてあげるくらいなことも、場合によっては生ずるのではないだろうかというような感じがするわけですが、どういうふうにお考えになっておりますか。
  129. 山形栄治

    山形政府委員 国内鉱山は、現時点におきまして銅で一二%ぐらいの供給比率、鉛、亜鉛で三〇%ぐらいでございますが、これは何といいましてもベースのものでございますので、われわれといたしましては、予算、税制等を通じまして、少なくともこの水準は維持すべきであろうと思うわけでございます。現に秋田で黒鉱という非常に大きな有望な鉱脈が数年前に発見もされましたわけでございますので、これから探鉱技術の推進も含めて、国内鉱を捨てるというようなことは絶対あり得ないと思うわけでございます。  それからもう一つの御指摘の、国内鉱山鉱山のままで備蓄機能を営ますべきであるということは、私賛成でございます。先ほど答弁いたしましたように、金鉱山につきましては、一般会計の操作によりまして下ざさえの一つの効果をとっておるわけでございますが、非鉄金属につきましても同じような制度の導入、これは真剣に検討すべきだと思いまして、これは審議会においても検討していただく予定にいたしておるわけでございます。いずれにしましても、最も重要な地下資源でございますので、そういう諸制度の整備もはかりまして、備蓄の要素も含めた強い政策をぜひとも打ち出したいと考えておるわけでございます。
  130. 玉置一徳

    玉置委員 それにつけましても、一番大事なことは、労務者の確保と技術の教育だと思うのですが、先ほども質問がございましたが、労務者の確保のために、ことに坑内労務者は特別な年金制度等々打ち立てなければ、将来確保が困難ですぞということは、年来当委員会で建議され、質疑をされてきたわけでありますが、それに対して一体どういう手を打ってきたか、将来どういう手を打とうと思っておるか。  それから第二点は教育でありますが、教育は学校だけではなくて、現場の優秀な技術屋さんをしょっちゅう再訓練するということ、それで常に幹部に養成をしていくというような手だてが非常に必要な時期じゃないだろうか、こういう感じがいたします。海外にこれだけ送り出さなければいかぬというようなことを考えれば、なおさらその感を深くするものでありますが、これについてもう少しものの考え方——大学というような名前をつける必要も何もないので、優秀な技術屋さんをほんとうに養成していくのだ、日本で養成された技術屋というのはたいしたものだというような折り紙がつけられるようなやり方についてさらにくふうしていっていいのじゃないだろうかと思うのですが、この二点についてお答えをいただきたいと思います。
  131. 山形栄治

    山形政府委員 鉱山はいわゆる地下資源でございまして、地下労働者の勤労でございます。労働条件、これは一般の地上の労働条件より非常に悪いわけでございます。石炭につきましては年金の特別の制度が創設されておりますので、鉱山労働者につきましてそういう同種のもの、またそれに近いものにつきまして、早急にその創設をはかるべきであるということで検討してまいりたいと考えておるわけでございます。  それから教育訓練につきましては、四十五年に財団法人の資源開発大学校というものをつくったわけでございますが、ここでは一つの労働者の再教育のことを目的にいたしておるわけでございます。今後ますますそういう意味での多面的な知識を必要とする労働力の要請が強いと思いますので、この資源開発大学校だけでございませんけれども、そういう機能をますます強化いたしたい、その方向で努力をいたしたいと思うわけでございます。
  132. 玉置一徳

    玉置委員 大臣、参議院のほうへお行きになるように承っておりますので、最後にまとめまして大臣に伺います。  ただいま質問を申し上げましたとおり、海外資源にたよらざるを得ないような仕組みに日本非鉄金属の場合もなっております。こういうような意味におきまして、石油と同じような意味において今後の日本非鉄金属等々の重要資源の供給を安定的に確保するための方策として、需給の状況から確保難なり、しかも立ちおくれたこの中でどのような思い切った方策が要るのか、それについてはどれだけの手を打たなければいかぬのかというようなことをわが国の各省庁にわかるように、国民にわかっていただけるように、そのためにできるだけすみやかに当委員会に、審議会等経由されるのだと思いますけれども御説明をいただきたいということをいま御要請を申し上げたわけでありますが、と同時に、国内鉱山のあり方、位置づけというものと、それの中で一番重要な技術の練摩と労働者の確保というための施策はどうあるべきであるかというような点につきまして、ひとつ思い切って方策をお定めいただきたい。そうしてそのことを国会に、当委員会に御説明をいただきたい、こういう要請をしたわけでありますが、これについてどのようなお考えをお持ちになっておるか御所見を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
  133. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 わが国は、非鉄金属におきましては、たとえば銅において海外依存率が八八%、鉛、亜鉛等において六五%等々の非常に大きな海外依存率を持っており、将来におきましても、こういう傾向は依然として増大していく可能性がございます。そういう面からいたしまして、長期的な計画をもってそれらの産出国鉱山資源の調査開発等に対して積極的に手を広げて、むしろこちらから好意的に協力を申し出る等の積極的な政策をもって手を広げて、そういう多方面から日本資源を確保するという形に努力したいと思っております。それと同時に、それらの国々と共存共栄の実をあげるような体制を組み立てるということが今後の大問題でございまして、それにはやはり利益目的という、いままでのようなやり方から脱却して、現地の発展と向上に協力する、あわせて日本資源も獲得させてもらう、そういうような基本的理念を持って出ていく必要があると思います。それにはインフラストラクチュアに対する協力とか、あるいは現地の要員に対する訓練であるとか、そういう面についても、われわれとしては誠意をもって当たっていかなければならぬと思います。それらの仕事についてやはり長期的な計画をもって、まあ世界地図を目の前にしてある程度の戦略計画も必要であると思います。これは日本の内部構造の改革、産業計画ともにらみ合わせながらそういう長期的計画をつくっていく必要もあると思います。それらにつきましては鋭意努力いたしまして御説明申し上げたいと思います。
  134. 玉置一徳

    玉置委員 その際、国内鉱山の位置づけと労務者の確保等についても、さらにひとつきちんときめていただきたい、こういうようにお願いしておったわけでありますので、よろしくお願いいたします。  終わります。
  135. 濱野清吾

    濱野委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  136. 濱野清吾

    濱野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  137. 濱野清吾

    濱野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  138. 濱野清吾

    濱野委員長 本法律案に対し、稻村左近四郎君外三名より、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。板川正吾君。
  139. 板川正吾

    ○板川委員 附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、最近の金属鉱業をめぐる内外情勢の変化にかんがみ、次の諸点についてすみやかに適切な措置を講ずべきである。 一 鉱物資源の長期安定供給を図るため、探鉱開発の目標を設定するとともに、金属鉱業事業団の機能を一層強化するため、投融資規模の増大、融資対象地域の拡大、融資条件の改善等に努め、あわせて技術センターの設置について検討すること。  二 鉱物資源の備蓄に資する制度及び安定的な引取りのための制度の確立について検討するとともに、海外鉱物資源開発にあたつては、資源保有国の経済発展に協力し、特に環境の保全等に万全を期するよう指導すること。  三 蓄積鉱害対策を総合的、計画的に推進するため、関係各省庁による対策会議を設けるとともに、休廃止鉱山鉱害防止工事費補助金制度については、補助率の大巾引上げ、補助事業量の拡大等を図り、また、土壌汚染等原因者及びその原因の程度が早急に確定し難い場合については、国が先行してすみやかに対策事業を実施する制度の確立を図り、あわせて事業者負担に対する金融税制上の特別措置について配慮すること。  四 鉱山における労働力の確保を図るため、鉱山労働者年金制度の創設及び中小鉱山の退職金共済制度の確立を図るとともに、鉱山労働者の労働条件の改善について十分指導すること。 以上であります。  各項目の詳細につきましては、案文により、十分御理解いただけることと存じますので、この際、省略させていただきます。何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  140. 濱野清吾

    濱野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  141. 濱野清吾

    濱野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  附帯決議について政府から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中曽根通商産業大臣
  142. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 附帯決議の御趣旨を尊重して、万遺憾なきを期します。     —————————————
  143. 濱野清吾

    濱野委員長 おはかりいたします。  本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  145. 濱野清吾

    濱野委員長 次回は、明二十四日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十分散会