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加藤(清二)
委員 アメリカン・テキスタイル合同
企業という
意味でございます。十五社でできております。Aバーンズ、リーガル、有名な会社が全部入っております。主要紡績会社十五社で組織し、宣伝売り込み
機関、もっぱらプロモーションを行なう会社でございます。商品内容はテキスタイル、ミールプロダクト、ドメスチック、ベッドカバー等々、糸から
製品にまで至っております。これが
日本へ敵前上陸をしてまいったことは、すでに御承知のとおりでございます。その代表者はN・シーカル、トンプソン、W・クローゼの三者で非常に努力してつくられたのですが、バーリントン、スティーブンスは抜けました。理由があってです。しかし、これはどういう方かというと、
アメリカ最大の別珍、コールテンの大手でございます。これが敵前上陸をしてまいりまして、大阪で大きなデモンストレーションをやりました。そして、
日本の
業界にプロモーションをアクチブしました。その結果、
日本のコールテン、別珍は
アメリカへ
輸出されるどころか、逆にどんどん
輸入される結果になったのです。いまや宣伝のセンターのために大きなビルまで買い取って、
アメリカ商品の
日本根拠地となっておる。
きょうの新聞をごらんになりましたか。朝日です。もうこれだけ詳しく出ますと、もはやこれは私が言う必要がないでしょう。
アメリカの流通大手のペニーが三越とダイエーと組むということなんです。これはイタリアでは失敗をしておるのです。しかし三越の取締役は「ペニーの
衣料品はファッションが優れているうえ、大量
生産でコストダウンされているので、物価高騰に悩む
日本の消費者に喜ばれるはず」と言っておる。したがって、朝日はこれに対して追い打ち記事で批評して、「足元みられた三越・ダイエー」と書いて解説をしている。あたりまえですよ。大体、失礼なことを言いますが、三越の専務ごときや常務ごときが
繊維の商品学を知っておりますか。今日の
繊維の
苦境を知っておりますか。
日本の
繊維産業が出血
生産をしておるということを知っておりますか。自分のところは安く買いたたいて、買いたたいてそれを三倍、五倍、ひどいものは十倍に売っておきながら、なお荒
利益は二二%ですとしゃあしゃ
あと言っておる。
具体的に言いましょう。ここの共済組合で買いますと二百円です。これは百十円です。これが二百円です。ところが、これを三越で買いますと、柄ものでなくて、染めでなくて白でもって二百五十円です。ここの共済組合は幾らかけておるのです。ただじゃありません。やっぱりここだって二割ぐらいかけているのです。私は仕入れが何ぼであるか知っております。百五十円以下です。百五十円以下で仕入れた、三越は大量仕入れですからもっともっと安いのです。ずんと安い。それを二百五十円で売って、それで利幅が二二%とは一体何ごとですか。私は物価
委員会に行ってそれをやったら、お客さんだから突っ込まずにおいてくれ、ここは予算
委員会と違うから、突っ込んでくれては困るという某党の
意見がありましたので、私は突っ込みませんでしたが、二割二分というのは明らかにうそ八百なんです、純
利益ですかといったら荒
利益ですとこういう。冗談じゃない。百五十円で仕入れたものを二百五十円に売れば、六割余の荒
利益があるじゃありませんか。そういうむちゃをやっておきながら、あたかも物価高騰が他人のことのように言っている。
日本の
繊維産業は、こんなものが敵前上陸してどんどんやられたらますますいかれてくる。舶来品なら
品物が悪くてもええじゃろうという観念がまだ残っているのですからね。しかし
繊維は
日本が世界最高なんです。にもかかわらず、
日本で
在庫があり余るほどあり過ぎて
生産が回らないという時期に、なぜ外国からこんなものを買わなければならぬのですか。内にあり余って掃き捨てなければならぬ、凍結しなければならぬほどあるものをなぜ
輸入しなければならぬのですか。ひとつ
委員長にお願いしたい。ぜひ三越の社長を証人に呼んでもらいたい。あなた、祖国愛あるのか、もうかりさえすればだれと組んでもいいのか。祖国愛はインドネシア、マレーシアの学生だって持っている。ユダヤ以上なんです。こんなことは許されることではない。逆に
日本の
商社が
アメリカに行ってやったらどうなる、インドネシアでやったらどうなる、マレーシアでやったらどうなるのですか。こういうばかげたことを許しておって、それで
繊維が助かるなんて思ったら大間違い。
私は、きょうは今度の
繊維法の背景だけをお尋ねしました。具体的な問題、
法案の逐条については
あとで
質問したいと思いますが、具体的な事実として、USテックスはすでに大阪で仕事を始めております。三越とダイエーが足元を見られているペニー、これは試験販売をやろうとしております。さすがの伊藤忠の越後さんも、あまりにも
条件が、なめていて常識に合わないから断わったのです。それをやろうとしている。それについてお答え願いたい。