○松尾
委員 電気料金のことで、先ほど大臣から、まだまだいま党としても
政府としても取り組むべきではないような答えがありました。しかし問題は、やはり何といっても、
石油の値段も上がってきた、そういうことで電力会社も苦しいということで、先ほ
ども質疑が出ましたとおりに、この電力料金の問題が毎日非常に騒がれておるわけであります。そういうことで、いま取り上げるべき問題ではないとおっしゃいますけれ
ども、やはりそういう中で、われわれの基本的な
考え方というものははっきりここで十分論議を尽くしていって、そうして大臣にもそういう点を納得してもらって、今後適正なる電力料金というものの決定をしてもらいたい、このようなことで申し上げる次第であります。ですから、こういうことはちょっとつけ足しになりますけれ
ども、この公共料金というものが
国民消費生活に占める比重は非常に大きい。総理府の
調査でも家計支出の二〇%も占めておるといわれております。おまけに、ほかの品物だったら安いものへ切りかえができますけれ
ども、この公共料金の分は代替性がないわけですね。そういうところで、非常に安いものというようなかっこうに家庭はいかないわけであります。他方、物価の面からながめてみましても、卸売り物価もどんどん上がっている。それから
消費者物価も、二月は前年同月比二四%と終戦直後の混乱期のような状態になっておりますときに、この電力料金というような公共料金が上がりますると、先般の
石油製品の
値上げ、ああいうものと相乗作用といいますか、両方ぶつかりまして、物価は急上昇して非常に憂慮されるというような状態になります。そういう
値上げの要素の分というようなものは他方確かにありますが、そういうものを
消費者にいきなりそのまままるまる転嫁するというようなことではつまらぬわけでありまして、やはり電力もうんと
消費を
節約していくんだ、
石油と同じく電力もそのような
考え方が基本的になくちゃいけませんでしょうし、それは当然
政府もそのお
考えでありましょう。
それからもう
一つは、福祉型というようなものへ今回は転換していこう、今回の料金改定を
一つの境にして、福祉型の料金制度をとっていこう、このような動きが出ておりまして、これは電気事業審議会の中間報告でありますけれ
ども、われわれも納得できる線は出ております。方向はそのような方向でわかるのでありますけれ
ども、その内容がはたしてどのようにきめられていくかとなりますと、われわれは非常に疑問の点が多いわけであります。特に大口の電力と家庭用の電灯とでは、約二倍というふうに家庭電力のほうが高いわけですね。この理由も先ほど
説明をされておったようでありますけれ
ども、どうしても私は基本的にそこに問題があるのじゃないかと思うのです。
そしてまた、最近、発電所をつくらなくちゃいけないというようなことは、産業用の
需要がふえたから、それにこたえるために発電所をつくらなくちゃいけないというような要素が非常に多いわけですね。そうして発電所ができた。そこで、電力料金を算定する。そのとき、何としても、この流通
段階の末端におる家庭というものは、いろいろこの流通
経費がたくさんかかりますものですから、
ほんとうは自分がほしくてその発電所をつくってもらったんじゃない、もともとは産業用のためにつくらなくちゃいけなかった発電所なんですが、その電力料金の割り振りになった場合には、一対二というような比率で家庭用にそれが割り振られてくるということです。新しい電力料金の改定だとか、また新しい発電所ができたというようなときには、基本的にそういうものを見直していく。流通の過程からいえば、ある
程度家庭電力のほうが産業用大口等に比べて高くなることはわかりますけれ
ども、今度は、その発電所をなぜ建てなくちゃならぬのかといえば、それは大企業だとか、そういう大口電力のための
需要を満たすためだという大
前提があるんですね。そのときにつくった発電所の電力料金というものが、結局家庭の電灯のほうへ一対二の比率でかかっていく。こういうことは非常におかしいのじゃないか。ですから、今度大口料金は割り増す、いままでの逓減とかがない、これは使ったその
使用量に応じてうんと電力料金は取りますよ、このようなかっこうでいわれておりますけれ
ども、方向はわかりますが、現実にはやはり一対二というような大きなこの基本的な比率というものは変わるものじゃない。そうすると、幾らその方向づけがされましても、結局は家庭の電灯料金というものによってその大口の電力というものを満たしておる、建設も引き受けておる、料金も高く払っているというようなことは、当然これはもう免れ得ない、こう思うのでありますけれ
ども、そこをどのように今後そのような福祉型の新しい料金、使えば使うほどたくさん料金を取っていこうという
考え方、そういう点からひっくるめてどのようにお
考えになるのか、この点をはっきりお答え願いたいと思うのです。