○近江委員 あなたのそういうような
説明であれば、国民はやはり納得と理解ができないと思うのですね。原油がこれだけ上がっておるのですから値上げはやむを得ないということは、国民もわかっているわけですよ。だけれ
ども、昨年からの石油危機ということで、先取り、便乗、すさまじいものが行なわれまして、それが国民生活のあらゆる点に波及してきているわけですね。そういう点を思いますと、値上げを認めてほしいというならば、先取り、便乗した分もこれだけありました、これはこういう形で還元をいたします、そこでエネルギーの安定供給という大きな立場もあるわけでありますから、どうかひとつ理解もしてもらいたい、これである
程度協力も得られると思うのですね。ところが、そういう先取り、便乗の利得につきましても、業界は三百億、
通産省は六百億くらいだろうと言う。私たちがはじいたら、一千億こえるのですよ。そういうベールに包まれた中で、ただ原油が上がってきたから値上げをしてくださいといっても、それほど甘くはありませんよ。だから、そういう資料を出すことを勘弁してほしいというのは、立場もあるし、よくわかりますけれ
ども、何らかの形でそういう理解を求めるという立場において、やはりある
程度納得できるものを出さないといけないのと違いますか。私がざっと計算してみたあれですけれ
ども、四十八年の八月から十二月まで、これは
価格が上昇していますね。これは実質計算でいきますと、約三〇%ちょっとですよ。そうしますと、キロリットル一万円から一万三千円。ところが、この
価格を見ますと、実際の
価格というのは一万四千五百円になっているのですね。そうしますと、四五%ということでありまして、この計算値からいきますと三〇%、差の一五%、これはすなわち一万四千五百円から一万三千円を引きますと、キロリットル当たり千五百円ですね。そうしますと、四十八年十二月販売量の過剰値上げによる利益は、十二月の石油製品の販売量二千二百五十八万キロリットルに千五百円かけますと三百三十八億七千万という数字があがってくるのです。それから、四十九年一月二十日現在の
在庫量の過剰値上げによる利益ですね。これは十二月末と
在庫量はほぼ同じだと私は思うのですが、原油が二王五十八万キロリットル、製品で二千三百二十三万キロリットル、合計四千三百八十一万キロリットル、日数換算で五十四日分、そうしますと、四千三百万キロリットルに千五百円掛けますと六百四十五億。それから四十九年一月二十日までの販売量の過剰値上げによる利益が、一月の石油販売量を四十八年十二月とほぼ同様と仮定いたしますと、二十日でその三分の二、過剰値上げ額が一応千五百円といたしますと、二千二百万キロリットル掛ける三分の二掛ける千五百円、そうしますと二百二十億。これを足しますと一千百九十八億七千万、こうなってくるのです。
通産省が出した六百億というのはどこから出したのですか。また、業界がなぜ三百億ということをいっておるか、私
ども、これは当てずっぽうで言っているのと違いますよ。あらゆる数値からこれを出している。得率だって全部出しましたよ。言いましょうか。それからバーレル三ドル二十五セントですね。これから一応十ドルにはね上がったといたしましても、そうしますと試算
価格の上昇率というのは一〇七%ぐらいになるのです。先ほどお話しましたように、過去に四五%上げておるわけです。そうしますと、一〇七から四五引きますと六二%、こうなるのです。そうしますと二万七百円。これから一万四千五百円引きますとキロリットル六千二百円、こうなるのです。二千二百万キロリットルを三十日で割りますと七十三万キロリットル。いま
部長は八十万ということをおっしゃったけれ
ども、一応七十三万、これに六千二百円をかけますと四十五億二千六百万。八十億とこれはあまりにも差があり過ぎるのですよ。現在も赤字になっているなんていっていますけれ
ども、四十九年一月二十日現在の
在庫量が五十四日でしょう。そうすると、三月十六日までは
在庫量はいままでの
価格で入っているわけですよ。これは何も赤になっていませんよ。そうでしょう。そこで今度は社会に還元をするという
意味からいきまして、過剰値上げによる利益の合計を一日当たりの損失額で割りますと、三月十六日以降、製品値上げの繰り延べ日数というものが出るわけです。千百九十八億七千万を四十五億二千六百万で割りますと、二十六・四八日、四月十一日まではいけるわけですよ、いままでの不当利得をはき出させれば。計算上からこうなる。
通産省がおっしゃっている六百億ということからいきますと、また業界がいう一日八十億の損失、これも一応すんなり受け入れたとして計算をしますと、七日半の
余裕があるわけですね。そうしますと、三月十六日から七日半ですから、三月二十四日までは、その利益をはき出させれば何も値上げしなくていけるのですよ。これは私が試算したわけですけれ
ども、そういうように何らかの形で、国民がなるほど不当利得もこのように還元するのか——そういうものを出さないで、ただもういま業界は赤字になっているのです、そんなことでは通りませんよ。いままでやってきた業界のために、どれだけ国民はこれで迷惑を受けているかわからぬです。そうでしょう。もっと納得のできるものを出しなさいよ。
政府部内でいま話し合われておるから一エネルギー庁ではできないなどと言っていますけれ
ども、これはエネルギー庁が主体じゃないですか。その点はどうお考えですか。