○米原
委員 中村委員の了解を得まして、ここで
質問させていただきます。
中村委員がいま申しましたことは私も全く同感なんです。これは一
所長がやったというよりも
会社がやったに違いないということがむしろ常識だと思うのです。事実一部の新聞も報道しておりますが、この事件について実情
調査のために長崎県と
福岡鉱山監督局の
調査団が町に入った。このときに町民の中からそういう声があがっております。こう言っているのです。「国や県、町は新聞で暴露されたから大騒ぎしているが、いまはじめて知ったというのはウソだ」「県、町は
カドミウム汚染田の作付けをことしから全面禁止するよう指導しているが、百姓が米を作らずに生活はどうなるのだ」こういう直接的な、おそらく農民のもっともな
考え方もあるのでしょうが、そこからいままで何も知らなかったというのはうそだといって、この
調査団が入ったときの集会で、県や
監督局の側に対していままで泣き寝入りをしてきた被害農民たちが、初めて思いの限りをぶちまけたということが記事に出ております。「ブルドーザーによる
川ざらいについては四十三年六月の定例議会で町議が追及しているが、それでも県は知らなかったというのか」こういうことも言っております。当時すでに町
会議員がこの
川ざらいのことは知っていて、町議会ですら問題になっているのです。「第一ダムの横で飼ってあったコイが目はつぶれる、ヒレはなくなる、からだが曲がるなど日もあけられないような惨状を呈し
鉱山はすぐにそれらを捨てていた。それでも
カドミウム害がないといえるか。このことは通産局側も知っていたはずだ」「県の試験田に
企業が夜中に石灰などをまいて中和しているといううわさもあった。試験用のPPMもあやしいものだ」、
調査団が行かれたときに町民の中からこういう声があがったという記事が出ているのです。
こういう点を考えますと、いままでの
調査そのものも
企業に対する態度というものが非常に甘いんじゃないか。こういう
公害の
調査というのは、
企業のほうからすれば、何とかそれは隠したいというのがある意味じゃ経営者の本音かもしれない。だからいろいろな隠す工作をやるのは当然予測しなくちゃならない。だから調べる側からいうと、前もって
調査する日付を知らせるだけで何かやるのです。これは私自身何回も経験しております。衆議院議員として
調査に行く。議員が行く場合は
通産省から連絡してもらわぬと見せてくれませんから、それで行きますと、それこそ二週間前から
川ざらいをやったなんという事件に私は幾つもぶつかっております。
川ざらいを二週間前からやったというのは足尾の銅山ですが、足尾の銅山の汚水の中から砒素が流れて、これが桐生市の水道に入っていって、砒素が基準を上回っているという問題でたいへんな騒ぎになっておる。その基準を上回っておる水道を
厚生省が指導してごまかしている。この問題を私は
公害委員会で追及したことがあります。その結果、私は足尾まで行ったのですよ。そうしたら、行くと知らしたら、二週間前から
川ざらいをやって、石の位置まで方向を変えてやったというような経験がありますが、そのときはもう結果はわかっている
あとですから、特別新しい
検査に私は行ったのじゃないのです。それでもそういうことをやるんですからね。
通産省や
環境庁が
調査すると前もって知らせると、こういうことが起こるのがむしろ当然じゃないか、非常に甘いんじゃないかという感じがするのです。
この点について、今後こういう
調査をやるときにはいままでのようなやり方を改めるべきじゃないか。今度の物価の高騰に際しての物資の隠匿、この
調査も、前もって倉庫を
調査に行くと知らせるもんだから、もう二、三日前から全部倉庫の荷物を動かしてしまったなんという話を一ぱい知っていますよ。必ずそれをやられるのですよ。その点でいままでの
調査のやり方というのは重大な反省をすべきときだと思うのです。この点についてまずどう考えられるか、聞きたい。