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板川委員 この
資料にも、操業度やその後の技術構造、生産構造、そういった変化は一応同じものとみなす――四十八年なり四十九年なりの連関表がそう簡単にできませんから、そういう意味で
一つの目安として使っておる、これはわかります。こういった指数が完全でないということはわかりますが、
一つの指標、目標として使えると思います。
そこで私は、
石油業者がこの指数を使ってどういうふうに
値上げをしたかというのをちょっと私なりに
計算してみました。それは昨年の八月現在、公取がとりました元売り
会社の
資料の平均ですが、これをもとにして得率を掛け、キロ
当たりの製品価格を出して
計算しましたところが、昨年八月の
石油製品の平均価格が約一万円です。一万七十六円という
計算がありますが、一万円です。この
通産省が出した上昇率試算によりますと、八月から十二月まで
原油の価格が三ドル二十五セントから五ドル十三セントに上昇したとしても、
石油製品は三割
値上げすればよろしいという
計算になります。もちろん三割一分か二割九分かは、これは問いません。三割でよろしい。ところが、
石油元売り
会社はカルテルを結んで、十二月には御承知のように
値上げをいたしました。その
値上げもまた元売りの品目別に価格を出し、得率を掛け、そして
計算をいたしますと、これが一万四千六百円、四五%の値上がりということになります。
通産省の試算をもとにして
計算すると三割
値上げをしてよろしいというのに、十二月の
石油製品の価格は平均して四割五分上がっておる。一割五分いわば
先取り値上げをしたという
計算にもなる。この一割五分、一五%の金はどういう
計算かといいますと、十二月に
石油会社が販売いたしました二千二百五十八万キロリットルというのに、一キロリットル千五百円過剰に
先取り値上げをしておった金額を掛けてみますと三百三十八億七千万円。とにかく三百四十億円近く十二月分だけで
先取り値上げをしたという
計算になります。
それで、実は
通産大臣は、近い将来に諸
外国でも
原油の大幅
値上げによって
石油製品も値上がりせざるを得ない、できるだけ押えたけれども値上がりせざるを得ない、新しい
石油価格もいま試算中だ、こういうように
考えられておるようでありますが、一体いつから
石油製品の価格を変えようとされるのか、これが
一つです。
ちなみに私の
計算でやってみました。この十二月一日に一五%、千五百円もキロリットル
当たり先取り値上げをした。それで十二月までの
原油の価格、それから
原油の価格が一月一日から
公示価格は十一ドル六十五セントになって大幅な倍ぐらいの値上がりになったわけでありますが、しかし、値上がった
中東からの八〇%の
原油が入ってくるのに二十二日間かかるというと、一月の二十日前には、少なくとも
中東の油は昨年の十二月の
実勢価格ですから安いやつが入るわけです。一月に入った
石油の平均価格は幾らかということがきのう発表されましたが、平均六ドルであります。三分の二は五ドル圏内、三分の一は八ドル見当でありましょう。平均して六ドルということになっておりますから、この
計算で見当はつきます。
そこで、十二月に三百四十億円近く
先取り値上げで
利益を得た。そして一月二十日まではやはり同じ率で
利益をあげておる。一月二十日の在庫量が、十二月末の在庫量と同じ
計算をいたしますと五十四日分、四千三百八十一万キロリットルあるわけであります。これは安い
原油であります。この一月二十日までに入ってきた安い
原油が五十四日分次に繰り越されていくとしますと、安い
原油のために
値上げによってなお
もうけておる金額は、在庫量の四千三百万キロリットル掛ける千五百円で六百四十五億円、そして一月二十日までに入ったものは安いんですから、この販売の
利益がいま言った
計算で二百二十億円、つまり昨年の十二月に
もうけた三百三十八億円、安い在庫で高く売れるので六百四十五億円、一月二十日までに安いものが入ってきているわけですから、これを
計算して合わせて大体一千二百億円ぐらいいわば
利益をあげている
計算になります。
しかし、十ドル
原油が入ってきますと、この十ドル
原油をいまの
値段で売ったら一体どのくらい損になるかということを
計算してみましたらば、一日平均四十五億円欠損になります。この一日平均四十五億円で千二百億円よけいに取った分を割ってみますと、四月十一日までは――安い
原油の在庫が終わるのが三月十六日であります。そしていままで
値上げによって
もうけ過ぎた分でその後吐き出していくとしますと、四月十一日まではとにかくいまの
値段でも精製
会社は損をしない。これは私の試算であります。
一つのポイントであります私の試算でありますが、こういうふうに
考えるんですね。
そういうことを
考えてみますと、新しい
石油価格体系を、近々
通産省は何か
メジャーの圧力で
値上げを許可するというような空気があるようでありますが、一体その
値上げの時期はいつごろを
考えておられるのですか、
伺いたい。