○米原
委員 質問に入る前に、一言わが党の立場について明確にしておきたいことがあります。
昨日、中曽根通産
大臣は、用紙問題についてのわが党石母田議員に対する答弁の中で、わが党の代表、つまり私のことでありますが、紙
不足に際して通産省を訪れられた際に、用紙の配分が片寄っているから、政府が割り当て制をとるように要求したかのように答弁しましたが、それは事実に反しております。政府に用紙の割り当て制を要求した事実は全くありません。このことは、十月二十三日の商工
委員会における私の発言を速記録でごらんになれば一目りょう然であります。わが党は、現在の紙
不足が言論出版の自由を物質的に圧迫している
事情にかんがみ、この自由を保障するために、各種用紙の生産が需要にこたえられるように、
石油と電力を製紙業に可能な限り
供給すべきであることを、そしてそのことを政府が保障するように強調しているのであります。この点を一言明確に申しておきます。
次に、先日、私の質疑が時間切れのためにできなくなった点について、本日は若干、わずかな時間でありますが、質疑を続けさしていただきます。
まず、在日米軍が、今日
石油不足というわが国のきわめて困難な経済情勢のもとで、
石油の調達を削減しているかどうかという点であります。この点について
外務当局は、米軍は昨年度と比べて本年度は一四%の削減の
方針をとっておるし、在日米軍もこの
方針に従ってすでに削減を実施している、こう言われるのみで、削減について具体的な事実は何一つあげられませんでした。在日米軍側が
外務当局にそのように言っている、こう言うだけでは証拠にならないのであります。だから私は、それと反対の発言を米軍側が述べているじゃないかということで、スターズ・アンド・ストライプスの記事を
紹介しただけであります。だが、この際つけ加えておきますが、在日米軍が
石油の使用を削減しているかどうか、この事実は何も米軍側に
伺いを立てなくてもごと簡単にわかることであります。日本の
石油業者から在日米軍がどれだけ
石油を調達しているか、これをお調べになればすぐわかる。通産省に調べていただけばすぐわかるはずであります。私も通産省に尋ねて、本年十月までの調達状況はすでに存じております。それを見ましても、昨年と比べて一四%削減しているということは全然ありません。逆に昨年と比べると調達量がふえている、これが事実であります。そしてこのことはまた、すでに衆議院内閣
委員会でも、十一月二十一日ですが、防衛庁の方が答弁されて、ことしの一月から八月までに約五十五万キロリットルの
石油が日本の
石油業者から在日米軍に出されている、こういうことを発言しております。この点を見ますと、昨年は約三十八万キロリットルの
石油が出されたというのですから、すでに去年よりももうこの時点で十七万キロリットルもたくさん出されている。そのあとで私が通産省に尋ねて調べたのでも、九月と十月で八万七千キロリットルというものが在日米軍に出されております。ですから、どう考えたって昨年と比べてことしすでに一四%削減されているなどということはないのであります。ところが、この国会になりましてから、何回かの場所で、この問題に対して質問が出るといつでも、米軍は一四%削減する
方針だということを聞いておるとか、すでに実施されていると聞いているとか、米軍側に聞いてそうだという、それだけをオウム返しに繰り返すだけのことなんですね。これは日本の政府ですぐわかることだと思うし、通産省は実は
御存じだと思うのです。そして米軍に対して、この際、
石油の調達を削減してもらいたいという
折衝もすでに始まって話し合いをされているということでありますけれども、それならば、実際は削減されてないというこの事実をつかんで
折衝されるのが当然であって、全く不可解なんです。ですから、この点については、何ももう外務省に聞く必要はなくなりました。私は、これはこの
法案自身はもう間もなくこの
委員会でも通過することになるでしょうから、時間はありませんけれども、あとでもいいですから、この問題は今後もあとを引く問題だと思いますから、当然通産省のほうで
御存じでありましょうから、在日米軍がどれだけ日本の
石油業者から
石油を調達しているか、この状態をぜひ資料として
提出していただきたいのです。このことを
委員長に特にお願いしておきます。
時間がありませんから、もうあとは一瀉千里に進めていきます。
次に、自衛隊への
石油の問題であります。これは防衛庁のほうから資料を出していただきました。先日は、
大臣のほうは、緊急用備蓄は別としてというようなことを言ったのではない、スクランブルのような領空侵犯に対する緊急発進のようなものは練度を落としてはいけないから、やはりやっておいてもらう必要がある、こういうことを言ったんだという御説明がありました。私も、速記録を読んで、
大臣の発言はそのとおりであったということを再確認いたします。
それで、それはそれといたしまして、そうなると、もう一つ具体的なことをお聞きしたいのですが、この防衛庁から出された資料を見ますと、二番目の「緊急用備蓄量」というところに「自衛隊では油の緊急用備蓄は特に保有していない。」こう書いてあるわけなんです。私は、幾らか保有しているのが当然じゃないかと初め思っていたので、どういう
意味なんだろうかと思って考えましたが、結局、そうだとすると、防衛庁の方にお
伺いしたいのは、中曽根
大臣の言われた緊急用発進のために練度を落としてはいけないと言われるそうした訓練用の燃料ですね、これは、この資料の中の一のところに書かれている「通常の油の使用量」の中に含まれているのであって、特に別扱いにして備蓄しているのではない、こういうふうに理解していいでしょうか、この点をひとつ
最初に聞きたい。