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1973-12-13 第72回国会 衆議院 商工委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十八年十二月十三日(木曜日)    午後六時五十一分開議  出席委員    委員長 濱野 清吾君   理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君    理事 塩川正十郎君 理事 田中 六助君    理事 武藤 嘉文君 理事 板川 正吾君    理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君       天野 公義君    浦野 幸男君       小川 平二君    越智 伊平君       越智 通雄君    小泉純一郎君       小林 正己君    小山 省二君       近藤 鉄雄君    塩崎  潤君       田中 榮一君    田中  覚君       八田 貞義君    松永  光君       宮崎 茂一君    保岡 興治君       岡田 哲児君    加藤 清政君       加藤 清二君    佐野  進君       渡辺 三郎君    木下 元二君       米原  昶君    近江巳記夫君       玉置 一徳君    宮田 早苗君  出席国務大臣         通商産業大臣  中曽根康弘君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     高橋 俊英君         公正取引委員会         事務局長    吉田 文剛君         経済企画政務次         官       竹内 黎一君         通商産業政務次         官       森下 元晴君         通商産業省産業         政策局長    小松勇五郎君         資源エネルギー         庁長官     山形 栄治君         資源エネルギー         庁公益事業部長 岸田 文武君         中小企業庁次長 原山 義史君  委員外出席者         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  連合審査会開会申入れに関する件  石油需給適正化法案内閣提出第四号)      ————◇—————
  2. 濱野清吾

    濱野委員長 これより会議を開きます。  連合審査会開会についておはかりいたします。  まず、連合審査会開会申し入れについておはかりいたします。  物価問題等に関する特別委員会において審査中の内閣提出国民生活安定緊急措置法案について、連合審査会開会申し入れを行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  4. 濱野清吾

    濱野委員長 次に、連合審査会開会についておはかりいたします。  本委員会において審査中の石油需給適正化法案について、現在のところ、地方行政委員会農林水産委員会及び物価問題等に関する特別委員会から連合審査会開会申し入れがありましたので、これを受諾することとし、また、関係委員会から連合審査会申し入れがありましたならば、いずれもこれを受諾することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、連合審査会開会日時につきましては、追って公報をもってお知らせすることといたします。      ————◇—————
  6. 濱野清吾

    濱野委員長 内閣提出石油需給適正化法案を議題といたします。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。
  7. 佐野進

    佐野(進)委員 大臣質問するということで質問順序をきめていたのですが、大臣出席がおくれるということですから質問順序を狂わせなければならぬ。約束が違うので私としてはたいへん迷惑をいたしております。したがって、質問の首尾一貫しない面がありますが、大臣が来ました場合あらためてやるということにいたしまして、エネルギー庁長官中小企業庁次長質問をしてみたいと思います。  昨日の質疑を通じまして幾つかの点について問題点が明らかになったわけでありますが、私は、その明らかにならざる部面、特に配給あっせん、これらの面について、それぞれ質問をしてみたいと思うのであります。  法律条文によりますれば、第十条におきまして「石油供給あっせん指導等」とたいへんわかりにくい表現でございますが、このような名目のもとに、第十条といたしまして「通商産業大臣は、一般消費者中小企業者及び農林漁業者並びに鉄道事業通信事業医療事業その他の公益性の強い事業及び活動(次項において「一般消費者等」という。)に対する石油の円滑な供給を確保するため必要があると認めるときは、石油販売業者構成員とする団体に対し、石油供給あっせんその他必要な措置を講ずるよう指導するものとする。」とありますが、私がなぜこのことを長たらしく、わかっていることを読み返したかと申し上げますれば、このことの持つ意味がたいへん重要だから読み返したわけであります。  昨日、質問でもそれぞれ指摘をされておりますが、この中で「一般消費者中小企業者云々とありまして、「次項において「一般消費者等」という。」こういうような形の表現になっておるわけでありますが、一般消費者並びに中小企業者等々に対して石油供給あっせん指導等をするということでありますが、どのような形の中で指導を行なうのか、この点をひとつお伺いしておきたいと思うのです。
  8. 山形栄治

    山形政府委員 お答え申し上げます。  この法律によりますと、四条から九条まではどちらかというとゆるやかな規制を前提にいたしておるわけでございまして、六条で、どちらかといいますと大口の消費者に対しましては油種別にその制限をきめるわけでございますが、いま御指摘中小企業とか一般消費者に対しましては、七条におきまして、一般的な使用節減目標を定めまして、その協力をお願いいたすわけでございます。したがいまして、末端におきまして供給側需要側とが玉がぶつからない場合が考えられますので、各府県別あっせん所を設け、生産業者販売業者協議会機構をつくりまして、そこで申し出に基づきまして機敏にあっせんを行なうという仕組みでございます。なお、一般消費者というのはもちろん全部の消費者でございますが、特に団地を形成しておる場合または生活協同組合のような場合等が具体的な例としては非常に多いのではないかと考えるわけでございます。
  9. 佐野進

    佐野(進)委員 その一般消費者供給あっせんをするということでありますから、結論からいいますれば、だれでも、どこでも、いつでも、必要とするものが条件ができた場合にはそのあっせん所へ行くことによって供給を受けることができる、こういうぐあいに解釈していいわけですね。簡単に言ってください。
  10. 山形栄治

    山形政府委員 あっせん所には具体的に玉があるわけでございませんが、メーカーと販売業者と全体のリストをつくっておきまして、申し出に応じましてできる限り早く所要の品物があっせんできるようにでき上がっているわけでございます。
  11. 佐野進

    佐野(進)委員 長官、出たり入ったりするとめんどうくさいから、大臣が来るまで前のほうにいなさいよ。  その、あなたの言われるリストをつくるということが、一般消費者ということをあっせん対象の第一号にしているわけでしょう。第一番にしているあっせん対象である一般消費者リストをつくるということはどういうことですか。
  12. 山形栄治

    山形政府委員 ちょっと表現がわかりにくくて恐縮でございましたが、リストをつくるといいますのは一般消費者リストをつくるのではございませんで、地区ごとに、いまどこのいわゆる販売業者倉庫にどういう油種のものがストックといいますかあるか、それがどういう配給可能性状態にいまあるかというような現実リストをつくっておきまして、そこにあっせん申し出がありましたときにはできる限りそれに敏速に応ずるという意味でございまして、あっせんする側のリストをつくるという意味ではございません。
  13. 佐野進

    佐野(進)委員 条文に「一般消費者」と書いてあるのですよ。一般消費者がこの「石油販売業者構成員とする団体」に対して、あなた方が指導する団体に対して申し込みをすれば、その申し込みに対してあっせんするわけでしょう、この条文でいけば。だからその対象は、いつでもどこでも必要とした場合、あっせん申し出をした場合、そこに順序をつけるのですか、つけないのですか。
  14. 山形栄治

    山形政府委員 これは特別の順序をつけるわけではございませんで、申し出がございましたらその順序に従ってといいますか、あっせんに入るわけでございます。
  15. 佐野進

    佐野(進)委員 だから、あなたがあっせんに入るといいましても、いまあなたの通産省を取り巻く情勢は、毎日のようにわれわれの議員会館等に対してもあっせんを要請しているのがたいへん多いのですね。それらの人々が、この法律において要請に応ずる、リストをつくる云々ということを言っておりまするけれども、もしこのあっせん機関に殺到した場合、あなた方はその殺到した条件に対してどのような対策を考えておられるのですか。
  16. 山形栄治

    山形政府委員 これは全体の法律仕組みの問題でございますが、供給側生産配給計画と、それから需要側の六条の使用の限度ということで、マクロ的には数字を合わせるように相なっておりますが、末端におきましては油種別及び地域別相当の不突合というのが出る可能性があるわけでございます。したがいまして、いつでも、いかなる場所においても直ちにあっせんが成功するとは私は考えられないと思うわけでございますが、できる限りあっせんに応じ、かつ地域間のあっせん等もわれわれは当然やるべきだと考えておるわけでございまして、相当の時間の要素はあると思いますけれども、そういう方向努力をすることに相なると思います。
  17. 佐野進

    佐野(進)委員 長官、あなたの言うことが、いわゆるきれいごとに過ぎるということを指摘したいのですよ。私はもしここで討議をする中で——いいですよ、あなたの言われることは。しかし、現実にいま灯油がない、プロパンがない、こういう方々が現にスタンドへ行ってガソリンを買おう、あるいは灯油を買おう、あるいはプロパンを買おうとしても、何時間も待ってもなかなか買えない。特に、いままで取引のない人は全然買えないのでしょう。これは現実ですね。あなたは認めますか。そういう現実の中で、このような条項をきめたとき、あなたのいま言われたような答弁ではだれも信用することはできないと思うのですよ、現実に即してみて。ですから、私の言うのは、それらの現実を踏まえながら、この石油あっせんに対しては、いわゆる権力をもって、力をもってそのあっせんを行なうという体制がなければだめだと思うのですよ。ところが、この条文によれば、「石油販売業者構成員とする団体」に対して、必要な措置を講ずるよう指導するというのでしょう。団体業者団体でしょう。業者団体一定の油の量を受けたとき、いまでも業者は相手によってより好みをしながら配給をしているのですよ。そういう形の中で、業者に全面的な権限を委任するような形の中で、配給が万全に行なわれますか。行なえるという自信があり、必ずやりますということであれば、ここでひとつ御答弁を願いたいと思うのです。
  18. 山形栄治

    山形政府委員 非常にむずかしい問題でございますが、この法案運用におきましては、まず先ほど来申し上げましたような供給目標及び供給計画ということでございますが、これの実際の運用といたしましては、油種別に、需要家サイドにおきまして、たとえば農業関係は農林省、運輸関係運輸省というふうに、それぞれの業種ごとに限られたるある一定供給の範囲内におきまして、できる限り公平を期してこれを配分する計画をおつくり願うように、今後各省で協力してまいる所存でございますが、たとえば、いまちょっとお話が出ましたタクシーLPGのような問題につきましても、先般来いろいろな問題が起こりましたが、その後運輸省と相談をいたしまして、現在タクシー全体につきまして、これを法人系及び個人系でどういう配分のしかたをするか、できましたら、それがどういうスタンドにつながるか、その辺の具体的な作業につきまして、いま運輸省で鋭意案を作成していただいておるわけでございまして、そういうきめのこまかい措置前提にいたしまして、この法案の全体を送り出すことに相なると思うわけでございますが、そういう中においてのあっせんでございまして、そういうことをやりましても、どうしても末端におきましてはトラブルが起こる可能性は私は否定いたしておりませんが、しかし、その場合をあっせんでつなげる。なぜこれが団体であるかといいますと、非常に油といいましても油種が多くございまして、しかも、各販売業者の在庫の現状というのが非常にまちまちでございます。したがいまして、あるところに行ったときにはそこはゼロであるというような場合もございますわけで、これを刻々に役所側で把握するということは事実上不可能でございます。これは業界のそれぞれの団体がございまして、これは公益法人でございますけれども、そこで内部的なる数字の把握及び集計を行なっておいていただきまして、地域別、時期的なるあっせん業務指導すればほぼ目的が達成されるが、それ以外の方法でございますと、役所が個別にそれぞれのスタンド、それぞれの販売業者倉庫等実態をつかんで、それであっせんをするということは実際上不可能であろう、こう私は考えておるわけでございます。
  19. 佐野進

    佐野(進)委員 長官、あなたがいま言われたことが全く事実そのとおり行なわれる形がとれていれば、私は何もこんなことを言うわけじゃないのですよ。業界サイド指導あっせんするといっても、結局業界全体の中にはアウトサイダーもあればあるいは系列外のものもあるわけですよ。それらに対して、たとえばプロパンの場合も、この前百五トン放出した、百五トン放出したところが、いわゆる業界幹部人たちだけがその放出の対象になったということで問題になっておるでしょう。私のところにけさ個人タクシーの第一事業団組合理事長が来て、これらの問題について、いまあなたが言われたような措置について全くそのとおり行なわれていないという具体的な訴えがあったわけですよ。これは、たとえば城西LPスタンドにおいては、いままで購入していたタクシーに対して、新たに四万円の保証金を積まないと配給しませんよ、こういうことを言っているのだそうですよ。そうして、四万円の保証金を積まなければ配給しないと言っていながら、なおかつ新規申し入れした人には、これに対しては全然いわゆる配給をしない。したがって、新規個人タクシー免許を受けた人たちが、現にそのために自殺をしたり、あるいはこれから先行きどうするかという不安におののきながら年の瀬を迎えようとしているわけですよ。百五トン放出しましたから、きのうから大臣はもうだいじょうぶ、だいじょうぶと言っている裏に、現にこういう事実があるわけですよ。いま通産省が直接指導する形の中において行なわれている現実の中にそういうことがあるのに、業者団体に委任したという形の中において、もっと片寄った指導、もっと片寄った配給が行なわれるということは、だれしもそのことについて危惧を持つのはあたりまえだと思うのですよ。だから私はそういうことに対して、たとえばプロパンはこの組合対象事業団体になっていないわけでありますけれども、この石油組合においても目下たいへんな努力をしておられますけれども、それと同じような事態がもうすでにいわゆる地域を離れた状況の中においては存在しているわけです。過日、トラック協会の、運送業協会方々がここで発言陳述されておりますけれども、東京のその地域の中において油を確保することすら困難である、いわんや他の地域へ行った場合においてはもはや帰る車の油がない、そういうような実例を事こまかに陳述しているわけですよ。そういうような例が、このあっせんという形の中で業者団体にまかせるということで、はたして可能であるかどうかということを私はたいへん憂えるわけですよ。したがって、この点についてはあなたが責任をもって、法案が通るならば、その条文の精神に基づいて通産省が前面に立ってその措置を行ないます、ただ一種の手続上の問題としてこれらの機関を活用したいというのですということであるならば、そのように答弁してください。  大臣、あなたにこれから質問いたしますが、この点についてはおわかりにならぬと思いますが、いわゆる配給現実の中で、いま百五トン放出されたという現実の中で、なおかつ泣いておる多くの人たちの声をいま代弁して言っているわけですので、大臣見解もこの際お聞かせ願いたいと思うのです。
  20. 山形栄治

    山形政府委員 結論から申し上げますと、ただいま御質問趣旨のとおり、通産大臣責任をもって必要な措置を考えまして、それを前提指導するわけでございます。  先般のタクシーLPの問題につきましては、非常に短時間でございまして、急にこれをどうしても緊急にやらなければいかぬということで、真夜中に至りまして所要量を放出いたしたわけでございますが、東京都内で一般的には百幾つあるといいますけれども、いわゆるタクシー関係するところは六十五のスタンドがございまして、これが全部タクシー関係——タクシーといいますか、そのスタンド協会を結成いたしておりますが、あしたの朝早急に七トン車を配車するという——緊急事態であったものでございますので、専門家であるスタンド協会に依頼したわけでございますが、本筋はそういうことでございませんで、先ほど言いましたようにタクシー全体の所要量、それは当然に今後だんだんと節約もしていただかなければいかぬと思いますが、その所要量通産省運輸省の間できめまして、タクシー業界の中で、これを個人タクシーは何ぼ、法人経営が何ぼ、それは最も実態を知っております運輸省のほうで配分計画をつくっていただいて、それに基づいてLPガスが公平に配分されるようなことが本筋だと思うわけでございますけれども、今後はそういうふうに努力すべきだと思いますが、あの場合は緊急でいとまがなく、若干トラブルが起こりましたことをここにおわび申し上げる次第でございます。
  21. 佐野進

    佐野(進)委員 大臣あと一緒に聞きます。  それでは、いまのあなたの答弁から判断いたしますと、これからあとはいわゆる新規免許者であろうと、あるいはそこで常時買い付けていなかった人であろうと、少なくとも個人タクシーとして免許し、あるいは法人タクシーとして免許している会社には平等に配給をする措置責任をもってとる、こういうように理解してよろしいですね。この点、大臣からもあわせてひとつ見解を承りたい。
  22. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 けっこうです。いまの条文趣旨は、通産省責任をもってもと配当あっせんを行ない、各省がそれぞれ所管する問題について責任をもって業界指導する、そういう形でやりたいと思います。
  23. 佐野進

    佐野(進)委員 それでは、大臣がお見えになりましたので、私最初から質問をやり直してみたいと思います。時間がだいぶたちましたので、できるだけ簡潔に質問をしてみたいと思います。  私は、この法案を提案され、内容を読み、さらに参考人意見等を聞く中で、この法案が施行される場合、国民に与える影響はきわめて大きい。したがって、この法案審議するわれわれの立場はきわめて厳粛な意味において大きな責任を負わなければならない、こういう形で法案条文を読みつつ、かつ参考人の御意見をはじめ、いままで真剣に審議に参加してきた一人であります。そういう面から、この法案内容を見ますると、私はまず第一に、こういう法案を出さなければならなかった現状について、政府責任を明確にしてもらわなければならないと思うのであります。  昨日の参議院予算委員会の席上において、石油二法で現在の状況が打開できないならば、政治責任も覚悟しておるという田中総理の発言があったわけでありまするが、それ以上に私は、通産大臣である中曽根大臣責任は重いと思うのです。当面の衝に当たっておられるのでありまするから。したがって、中曽根大臣の、本法案提案と、これに対する取り組みについての、今後の覚悟を含めて、ひとつ決意を一番最初にお聞かせ願いたいと思うのです。
  24. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 中東紛争の結果、石油削減という思いがけない事態が惹起されまして、そのために国民生活及び国民経済に重大な影響が来ようとしておりますので、この法案を提出いたしまして国民経済並びに国民生活の安定を確保する、そういう意味において、やむを得ず緊急の措置としてこの法案をお願いしたわけでございます。提案し、かつこれを実行する以上は、通産大臣通産大臣としての責任を完遂してやってまいりたいと思います。
  25. 佐野進

    佐野(進)委員 いま中東戦争の結果惹起された事態だ、こうお話がありましたけれども、たまたま一つの引き金であったか知りませんけれども、昨日来大臣答弁をされるのを聞いておりますけれども、結局、太ったからだ、それを現状に合わして、均衡のとれた形の中において活躍できるようなからだにするんだ、このような説明をされておられたわけであります。結局高度成長に基づいて石油をがぶ飲みし、石油の上に日本経済の繁栄をもたらしてきたことをいまこの事態の中であらためて反省をしよう、言うなれば経済政策転換大臣は言っておられるのではないかと思うのであります。しかも、この状態石油削減されたということよりも、田中内閣の、特に総理大臣の放漫なる経済的な姿勢、その中で今日の経済的な危機がもたらされてきたのであり、たまたまその引き金役割り中東戦争による石油削減という形の中で具体的にあらわれてきた、こう言っても言い過ぎではないと思うのであります。したがって、私は、大臣がこれらの問題について、田中内閣主要閣僚の一人として、経済政策転換をするということを明確にきのう御答弁になっておられるのでありますから、田中総理に対しても、その経済政策の持つ、今日の事態がもたらした危険性について鋭く反省を求める、そういうような御見解があってもしかるべきだと私は思うのでありますが、この点について一言お聞きしておきたいと思うのであります。
  26. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 日本経済構造転換につきましては、産業構造審議会の答申もあり、その方向に向ける大方針はきめられておったのでありますが、不幸にしてその前進の速度がゆるかったように思います。今回こういう事件が起きまして、きのう申し上げたような反省をしたのでありまして、われわれといたしましては、この反省もとにして、日本経済構造転換を今後的確に実行していきたいと思う次第であります。
  27. 佐野進

    佐野(進)委員 この法律をいま大臣が言われたような形の中で提案されておるのでありますが、法律を見て非常に危険に感ずることは、相も変わらず大企業優先である、力のあるものを大事にしていく、力のないものが、この法律条文の中においては、消費者の利益をというような形の中で、先ほど質問申し上げた項もございますけれども、結果的にばかを見るのではないかという危険性をひしひしといろいろの面で感ぜざるを得ない点が、これからあとで御質問申し上げますが、あるわけでございます。したがって、内容審議に入る前に、この法律が施行された場合においても一般国民にその犠牲のしわ寄せをしない、そういうような形の中で運営をする、そういう決意であるということを大臣が常に言われておるわけでございますけれども、この際はっきりひとつお示しを願いたいと思うのであります。
  28. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 一般国民国民生活を守るという点において、私たち責任をもって努力をしていきたいと思います。
  29. 佐野進

    佐野(進)委員 この、法律がもし施行された場合、この法律の持つ内容、いわゆる時限立法の形をとらないで恒久法の形をとっておりますから、結果的に、いつでも発動する必要があれば告示行為によってその行為を発動することができるわけであります。したがって、かつて総動員法が、そのときにも必要だという形の中においてそれが制定せられながら、結果的に日本の国民を塗炭の苦しみにおとしいれる、その役割りを果たしたことを考えるならば、この法律の持つ意味はきわめて大きいと思うのです。したがって、統制経済の道を開く、官僚の手によって経済の運営をする、こういうようなことがあってはならないという、そういうことはたびたび大臣お話しになっておられますが、それに対する具体的な歯どめ、そういうものは一体どこに置いておられるか、お聞かせを願いたいと思うのです。
  30. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 この法律の中にも書いてありますように、わが国への石油の大幅な供給不足が生ずる場合において、石油の適正な供給を確保し、そして節減するためにこれこれのことを行なう、そういうふうに書いてありまして、この法律を発動する要件というものは、やはり大幅に不足する、そうして第三条においては、「国民経済の円滑な運営に著しい支障を生じ、又は生ずるおそれがある場合において、」というふうに書いてありまして、この発動の条件というのはきわめて限定しているわけであります。したがって、この法律を発動する、告示を行なうという場合には、そういう国民のコンセンサス、国民がしてよろしい、そういう段階に至らなければ発動できるものでもないし、国民の協力を得られるものでもないと思うのです。現実事態を見ますと、国民は、もはや公平なる負担を行なうために早くこの法律をつくって、政府はぴしぴしばしばしやれ、そういうような考えでおられるのではないかと思います。なぜなれば、ほっておけば業者の放恣な政策が出てくる危険性があるからということを国民は感じているからだろうと思います。私らはそういう意味において、国民が許容する場合においてこの法律は施行される、実行される、そういうように考えております。
  31. 佐野進

    佐野(進)委員 いま大臣がおっしゃいましたけれども、一般国民はあしたの生活がどうなるのか、あしたの油はどうなるのかということで、まさに迷いに迷い抜いているのが現在の国民の姿だろうと思うのです。したがって、政治に携わるわれわれがその国民の迷いに対して一定方向を示す、その責任はわれわれに課せられた重大な使命だろうと思うのです。したがって、私どももこの法案の持つ内容等々を検討する中において、基本的に反対をしなければならない条項がたくさんあるわけです。しかし、この法律を早期に成立せしむる形の中で、国民に対していささかでもその不安を除去するような、そういうような役割りが果たし得られるならば、この法案の早期成立に対して全面的に協力をしなければならぬ、こう考えて昨夜、きょうとこのようにおそくまでかかって審議を進めておるわけであります。しかし、この法案が持つ内容は、いま申しましたとおり多方面にわたって改めなければならぬこと、あるいは歯どめをかけなければならないこと、あるいはまたもっと注意しなければならないこと等々がたくさんあるわけでございまするが、大臣はわれわれの意見をいれて、この法案に対して謙虚な形の中に修正に応ずるお考えがあるかどうか、この際お伺いしておきたいと思うのです。
  32. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 われわれの考えも必ずしも万全なものではございませんし、考えの至らないところも多々あると思います。謙虚な立場に立ちまして御提案の中身を検討させていただいて、ごもっともの筋があればもちろん修正に応ずるつもりであります。
  33. 佐野進

    佐野(進)委員 それでは次に、石油の緊急対策、この前とられました緊急対策に関連した事項について若干御質問してみたいと思うのであります。  まず第一に石油供給の見通しでありまするが、きょうの朝、いわゆる政府筋の発表という形の中において「原油削減、四割が限界」、政府筋分析では三月には三八%になるであろう、こういうような形におけるところの発表がなされております。しかも、これにつきましてはその前々日でございまするか、いわゆるイランにおけるところの直接販売原油の国際入札結果が一バーレル十七ドルをこす異常高値になったということが発表されております。このいわゆる三八%削減ということは、この十七ドルになったということを含めないで、このような長期的な見通しが立たれておるわけでございまするが、このような両方の結果等を勘案いたしますならば、あるいはこのままの状況で推移するならば、もっと暗い見通しが立たれるのではないかというような予測等もあります。しかし、いま政府が懸命に行ないつつある対策、あるいはまたわが党をはじめとしてそれぞれ局面打開に対して積極的に働きかけている状況等々からいって、これまた緩和への期待も大きくあるわけです。しかし、われわれは最悪の事態を想定しながら具体的な対策を立てていかなければならないという立場からするならば、この政府筋が言明する四割が限界であるということをはたしてそのとおりに受け取っていいのであるかどうか。この石油問題、供給問題が今日の課題であるがゆえにこそ、この問題はきわめて大きな関心を持たなければならないと思うのであります。政府は長期的に、三月末までに四割が限界であって、それ以後は好転し、あるいは石油供給についても一定のめどが立てられるという形の中において対策を立てておられるのかどうか、この際、対策の大局についてお示しを願いたいと思うのです。
  34. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 いまの政府云々という新聞の報道は、私は必ずしも正しいと思っておりません。われわれはそういう考えを持っておりません。大体、厳格な意味でめどというものは立っておらないのであります。これは、大体メジャーズからわれわれが主として供給を受けておるものでございますから、メジャーズの報告を毎月毎月とり、また動向調査もやっておりまして、それで観測をしておるわけでございますが、私らのいまの情勢は、下期、期待に対する二〇%減という見通しを立てておるわけです。まあこれ以上悪くなることもあり得ます。あり得ますけれども、三十何%というようなところまでいくことはいまの情勢ではまずあるまい、そういうふうに思います。
  35. 佐野進

    佐野(進)委員 そこで、いまの情勢では二〇%減であるという見通しに立たれた一つの根拠といたしまして、十二月五日削減緩和のされた、いわゆる五%緩和がEC並みに日本も行なわれたという一定の効果を前提とし、さらにこれから努力を続けるという見通しの中で出されている見解だと思うのでありまするが、私は、前回この委員会大臣に、いわゆる政府声明を大臣がどのようにして発表されるのかということをしつこく追及したことを覚えておるのであります。あのとき大臣が、いわゆる官房長官談話が——私は外務大臣でないから言えないと言いながらも、官房長官談話がその翌日出るということはすでにおわかりになっておられたと思うのであります。私は少なくともそのことの持つ意味が、この委員会で発表するしないにかかわらず、通産大臣としては最もこの問題に責任を持っておられるのでありまするから、より以上積極的な立場に立って各方面に働きかけられることが必要ではなかったか。私はあのときにおける本委員会のわれわれの意見、あるいはその後大臣がとられたこと、政府がとられたことが今日の条件打開のためにきわめて有効であったと思うのでありまするが、大臣はそのことについていかに考えるか、御見解をお示し願いたいと思うのであります。
  36. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 非常に重要なときに、アラブの外相会議が行なわれます前に適切な御質問をしていただきまして、答弁の機会を与えていただき、正確に全貌をそのままお話しすることはできませんでしたけれども、大事なポイントは申し上げたつもりであります。ただ、あのときはまだ一、二点、政府部内で詰まっていない重要なポイントがありまして、私がその点で政府部内の調整に全力を尽くしておったときでもありましたので、そういう点で少しぼかした点もございますけれども、しかし大体われわれの真意はおかげさまで世界にあの瞬間からわかっていただいたと思いまして、モスクワ放送あるいはイギリスの放送等も聞いてみまして、非常にありがたい御質問をいただいたと思っております。
  37. 佐野進

    佐野(進)委員 したがって私は、大臣が今後ともひとつ積極的に勇気を持って、閣内においても、あるいはあらゆる妨害する勢力に対しても、国益を守る、国民の利益を守るという形の中において御努力を願いたいと思うのです。それはこれから質問を申し上げる点について、いわゆる供給が原則であります。節約が原則でなくして——もちろん節約もある程度原則でありますけれども、しかしながら、いかに多くの供給を受けることができるか、それをどうやって確保するかということ、これは国民においては果たし得ないことでありまして、大臣をはじめ田中内閣に課せられた使命であり、われわれはまたそれを側面から大いに協力しなければならぬ責任があると思うのであります。そういう意味において、大臣田中総理に対して、その政治姿勢、そのやり方に対して、積極的にひとつこの石油危機打開のための具体的な方針について決意を持って立ち上がっていただきたいということを要望しておきたいと思うのであります。  そこで、その次の問題で、緊急対策の中でいわゆる石油供給削減影響がかなり甚大であるということを前提にいたしまして、キャンペーンを幾つか試みられたわけであります。その中で、いわゆるマイカーの禁止であるとか、あるいは家庭用設備については、この法案が成立した場合直ちにそれを実施するということを新聞紙上で私どもは見ておるわけでございまするが、大臣は、この法律が成立するんだということを背景にして、一般国民の持てる権利に対して直接的に打撃を与える、いわゆるその権利を制約する、こういう意味におけるところの発言をしておるわけであります。しかし、マイカーに対する自粛を求める、あるいはまた節電の協力を要請する、それらのことは本法律案の成立に関係なく当然行なってしかるべきものであり、行なわなければならない。この法律を隠れみのにして国民に対して犠牲を求めるということは、私はその本来のあり方からしてうなずけないのでありまするが、大臣見解をひとつお伺いしておきたいと思うのであります。
  38. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 私は、新聞記者会見におきまして新聞記者の皆さんから御質問がありまして、それにお答えしましたときに、この法案がもし成立した暁にはマイカーの制限とかあるいは電力の規制とか、そういうことをやむを得ずやらざるを得ない状態に至るかもしれないということを申し上げました。必ずやるというようなことは実は申し上げておらなかったのであります。
  39. 佐野進

    佐野(進)委員 私はまた、これらについてはいわゆる国民の権利に関係する重要問題でありまするから、その前にやはり打つべき手、それらの手については着々と打っておかなければならないと思うのであります。たとえば、今日田中内閣に対する批判の一つといたしまして、大企業を優先し、いわゆる中小零細企業その他国民生活を圧迫するんではないかという批判が非常に大きいわけであります。私どもそのことを声を大にして主張しておる一人であります。その立場からするならば、今日自動車産業の生産量は野放しにする、その他あらゆる条件については大企業優先の政策の中で野放しにしながら、ただ単に日曜日あるいはその他の条件の中で車を走らして用を足そうとする人に対して、おまえたちだけが悪であるという表現は適切でないと思うのであります。もし必要であるならば、全機関を通じてそれらに対して、どのようなことをやったからこれこれの協力をしてくれというような形の中において納得と理解が得られる、そういう措置が必要であろうと思うのであります。これらについて、大企業を優先する形の中において、いま行なわれつつある政策等の関連の中でその自粛と協力を求める場合における腹がまえについて御見解を承っておきたいと思うのです。
  40. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 自動車産業をチェックするということはお説のとおりであるだろうと思います。しかし、マイカーの問題につきましては、マイカーを使う方にもいろいろ種類がございまして、お医者さんとか弁護士さんとか自由職業の方々は、これは商売道具としてお使いになっておりますが、レジャーのために行くのもずいぶん多いわけであります。そういうのは外国では弁護士もお医者さんも一緒にして全部日曜日は禁止にしておりますが、日本の場合も、できるだけ抑制してください、そういうことでキャンペーンいたしましたが、なかなか日本人は言うことを聞いてくれないで、むしろふえこそすれ減らないという情勢であります。そういう状態は、外国の情勢も見ましてちょっと恥ずかしいような申しわけないような情勢でもあると私ら思いまして、やはり外国並みの欲望の制御はお互い同じようにやらなくちゃいかぬ、そういう考えに立ってマイカーの問題も処理していきたい、そういうように思うわけであります。
  41. 佐野進

    佐野(進)委員 それでは法律案の内容審議に入りたいと思います。  私は、先ほど大臣がお見えになっていたかどうかわかりませんが、質問の中で、本法律案が持つ最大の危険性恒久法案である、いわゆる時限立法的な形の中において、限時法的な形の中においてこの法律案が緊急やむを得ざる措置として全国民的にこの法律を支持して、それに協力する形の中でこの危機を乗り切っていくんだ、こういうような形になるならば、その一定の目的が達せられたとき廃止し、また必要があるならば新たに法律を制定する、こういうようなことが必要ではないか。しかも、この法律案の内容等につきましては、ほとんど一般国民にはその理解が不足しておる。特に、過日ここで参考人の御意見を伺ったのでありまするが、声を大にして賛成だと言っておられた参考人が、それではあなた、この法律案の内容を御存じですかと言ったら、私はきのうこれを見ただけですと言われた。きのうこれを見ただけですと言って声を大にして賛成を叫んでおられる面があるわけであります。非常に危険だと思うのであります。したがって、国民全体が、あるいは関係する業者その他が十分この法律を思索する形の中で血となり肉となる形の中においてこれが施行せられる、そういう意味におけるところの効果を期待するならば、短期の時限の中においてこの問題を十分全力的に御理解を願う運動を進める中で協力を求めるということが必要ではないか、こう考えるわけでございますが、これは私だけの意見ではなく、相当多くの面においてそのことは力説されておるように考えるわけですが、大臣見解をこの際お伺いしておきたいと思うのです。
  42. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 まことにごもっともな意見であると思います。こういうふうに石油が不足したものですから、国民が公平に負担を受ける、みんなで一緒に公平にがまんしようという精神で、国民の皆さま方は趣旨には賛成であると思いますが、条文の個々になれば、これは技術的な問題があっていろんな波紋も起こるわけであります。そういう点を知らないで賛成だと言っている方々が大多数ではないかと思うのです。しかし実際レギュレーションをやるとなるとそういう具体的な問題が必ず起こってくるのでありますから、そういう点についてもっとよく理解を求め、法律ができた上についてはさらに努力を重ねていかなければならない、そのように思います。
  43. 佐野進

    佐野(進)委員 そこで、いま大臣がお答えになったように、この法律が施行された場合における影響というものは非常に大きいわけであります。特にその影響が直接的に国民の権利を抑制する、抑圧するという面に働く部面が非常に多いわけであります。権利を抑圧せずして需要供給の面における調整を行なうことは不可能なことはだれしも知っておるわけでありますけれども、その権利の抑圧をでき得る限り民主的な形の中において緩和する、そういうことがこの法律の精神を生かす一番大きな道ではないかと思うのであります。この法律が施行せられたとき、いま大臣がお答えになられたように、いわゆる政省令をもってこれらの問題について処理に当たる、これはこの段階の中においてやむを得ざる措置でありますが、政省令が結果的には国民の代表である国会の権利を侵すようなおそれのある、そういう状況にまで至りますし、いわんや末端、弱い立場に立つ人たちの声、利益を守ることができなくなる状況におちいる、いわゆる官僚的な、役人の書いた文章の中で、運営の中でそのような状況が出てくる可能性を、われわれはいままでの経験の中でたくさん見ているわけです。したがって、それらの欠陥を是正するために、国会におけるところの承認事項あるいはまた消費者等の参加を求める審議会の設置、あるいはまた流通経路に対する監視機構の民主的な成立、これらのことはこの法律が実施される際、政省令と同時に欠くことのできない条件であると考えるのでありますが、大臣見解をお伺いしたいと思います。
  44. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 この法律の一番影響を受けるのは、私は石油関係業者だろうと思うのです。石油関係業者も日本国民でありますから営業の自由を持ち権利を持っておるわけでありますが、こういう事態になりまして、大多数の国民の自由を守るために石油関係業者の自由を抑圧するというのが、大まかに言ってこの法案内容ではないかと思うのです。そういう意味においてやはり最大多数の最大幸福ということを守るという民主主義の趣旨がここには出てきておるのであって、これが適正に運用されれば、この時局に最も大事な重要な意味を果たす法案であると思います。ただし、その内容につきまして、運用上非常に注意を要するところもございます。いま御指摘になりました点は社会党の御意見としてきのうも承りましたけれども、きょうは謙虚に拝聴いたします。
  45. 佐野進

    佐野(進)委員 そこでこれが関係する一つの例といたしまして、たとえば先ほども御質問申し上げましたけれども、供給面におけるところの取り扱いということに関して、一定のいわゆる流通過程における混乱がもたらす結果として幾多の弊害が、この法律がたとえ通ったとしても、具体的にあらわれてくる危険性を強く感ぜざるを得ないわけであります。現在の流通機構の現状からする認識をもってするならばその危惧なしとしないわけであります。したがって、それらについては、先ほど御質問申し上げまして大臣決意をお聞きいたしたので、一応私は法律審議の経過の中では安心を申し上げたわけでありますけれども、特にプロパン——家庭燃料の問題はあとで申し上げますが、プロパン等におきましてはいま非常なる暴騰を続ける、いわゆる値上がりを続けているということで、通産省が十キロ当たり千三百円に家庭プロパンは凍結するのだ、このような御見解を示しておるということを新聞で見ておるわけでございますが、このような措置をとっておるのかどうなのかということをこの際お聞きしておきたいと思います。
  46. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 石油行政を担当しておりまして一番大事なことは国民の弱い人たちの立場を守るということで、具体的にはそれは灯油になってあらわれ、さらにプロパンガスの問題になってあらわれてきているわけです。むしろプロパンガスのほうは灯油よりもさらに関心の強い問題ではないかと思います。そういう意味で最近の模様を見ておりますと、実はプロパンガス業者は先月の末から値上げを非常に強く要請してきておったのを押えつけておったわけです。ところが、メジャーズのほうからプロパンガス業者に対する売り値というものが非常に暴騰してまいりまして、二・八倍ぐらいのことを言ってきておるわけです。それで、そういう影響も受けまして、約八百円ぐらいから千二、三百円ぐらいであったプロパン十キロの値段が、最近は千五百円であるとか千六百円であるとか、非常に高値が出始めてきております。これを見て一般国民の心配というのは相当なものであると思いまして、そこでこの前灯油をやりましたときに、全国に指示の徹底が行なわれなくてちょっとみっともないかっこうを出しまして、たいへん恐縮したわけでございますが、今回はよく根締めをして全国末端に至るまでその価格が守られるような指導価格をつくろう。それで、こういう時期になりましたら、かみそりで斉合性を心配しながらやるというよりも、この辺でなたでぶった切るというような形で、大もとをまず締めて、そしてあとは調整で少しずつ修正していけばいい。要するに、そういう石油戦争をやっているようなことであり、国民心理、集団心理との心理戦争もやっておるようなものでありますから、非常にエネルギー庁長官には苦労願って業者を説得して、そして最高値千三百円、それからそれ以下のものについてはいままでどおりの価格にプラス三〇%以内、そういう形で業者にも協力を求めて協力をするということでありましたから、きょう発表したわけでございます。灯油プロパンをやりまして、あとはまたやはり軽油とかあるいはA重油とか、そういうものも心配の材料になってきておるわけでありまして、逐次進めていきたいと思っておるわけであります。
  47. 佐野進

    佐野(進)委員 一度は、大臣のいまの大もとをぶった切るほどの決意をもってやらなければならない。私は、いまの経済界の現状を打開するために、経済全体の仕組みについて一大勇猛心をもって取り組まなければ、この事態の難局を打開することはできないと常々考えておるわけであります。したがって、大臣のその見解には大いに賛意を表するわけでありますが、私も実は、灯油三百八十円ということが守られるかどうかということにつきましてたいへん危惧いたしまして、私のところに入ってくる各店に対して、三百八十円が守られているかということにつきまして、常々家族の者にその内容を調査さしておるわけでありますが、それらの店が、この価格を守っておることについては、私は、やはり通産省指導の及んでおる結果だ、実はこのように高く評価いたしておるわけです。一般的に守られていないというところが相当多いわけでございますけれども、私の家庭に関係する限りはそのことが守られているということは、やはり通産行政が一たび決意をし、そのことを勇猛心をもって行なえばできるのだということの具体的なあらわれではないかと敬意を表しておるわけです。したがって、通産大臣は、これからもそれらの面については勇猛心をもって対処してもらいたいと思うのでありますが、この際、条文が飛びますが、第八条に関係いたしまして、このような困難な状況の中で三百八十円を守り抜く業者努力というものはたいへんなものがあるわけであります。  ところが、この業者努力に対して、この法律条文によりますれば、特に第八条だけ特定の業者対象にして制限を強要している条文になっておるわけであります。私は、そのこともやむを得ないと思うのでありますけれども、多く存在する業種の中で一部特定業者にのみそのことを強要する、その結果起きるであろうところのその業者方々の犠牲、その犠牲に対してどういう措置をとるかということについては、この法文の中においては一言も触れていないわけであります。  私は、この点について大臣並びに中小企業庁にお尋ねしたいのでありますが、今日のこの高物価、物不足の中で苦しみあえいでいるのは零細小規模企業者人たちが一番多くのしわ寄せを受けておると思うのであります。小規模零細企業の方方が犠牲を受けながら、いわゆる末端業者においては、消費者にあしざまにののしられるような場面もありながら、油を売ることに対して血のにじむような努力をしながら、なおかつその生活については安定せずに、前途に苦い見通しの中で暮らしておる中小企業零細規模企業者がたくさんいるわけであります。そういうような方々に、第八条において制限規定を設けていながら、何らこれに対して裏づけある措置をとっていないということは、きわめて片手落ちであると思うのであります。したがって、これについてどのようなお考えであるのか、大臣並びに中小企業庁にお尋ねをいたしたいと思うのであります。
  48. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 この条文はガソリンスタンド等に対する条文であると思います。もちろん、ガソリンスタンドに対して使用の節減等を指示するという場合には、その業態に応じ、また、その人たちの生活のことも考えて成り立ち得るような指示をしなければ、一人の国民といえども民生について政府として心がけなければならぬことは当然でございますから、そういう趣旨でこれはやるべきものであって、負荷すべき限度以上の重荷をそれらの人々に負荷させるということは、政治、行政ともに避くべきことであると思います。
  49. 原山義史

    ○原山政府委員 ただいま大臣がお答えしたことに尽きるわけでございますが、具体的に中小企業者の経営に重大な影響が出てくるというような場合になりますと、金融等の面で十分対策を講じていきたいと思っている次第でございます。
  50. 佐野進

    佐野(進)委員 金融程度のもので対策を講ずることで足りるものではございませんで、中小企業庁は、これらのきわめて緊急な事態に対応する対策として、もう少し積極的に取り組んでもらいたいと思います。  そこで大臣、いま御質問申し上げてきたわけでありますが、零細規模企業者が特に石油供給等に関して苦労を忍びながら協力しているということに対しては、これはわれわれも認めるわけでございますけれども、同時にまた、業者の中においては世の批判を受けなければならない行為をしている人たちも一部存在することは、これは間違いないと思うのであります。特に、油が足りない、何が足りないといいながら、ドラムカンで一万本、三万八千世帯分を隠しておる。しかも、それは単なる氷山の一角であり、多くの隠匿が行なわれていることは間違いない。このような指摘がこれまたたびたびされておるわけであります。私どもは、そのような隠匿をする形の中で、国民や同業者に迷惑をかける中で利益を追求する特定の人たちに対して、きわめてきびしい姿勢をもって臨まなければならないと思うのであります。  しかるに、この条文を見まする場合において、第六条、第七条、第八条、第九条、それぞれ通産大臣の指示に従わなかったときはそれを公表するということが記されておるわけであります。私は、第十一条に関連いたしまして、最後の処罰規定におけるところの罰則を見ておるわけでございますけれども、それぞれ公表するというぐらいのなまぬるい手段しかないということは、いわゆる買い占め、売り惜しみ法が骨抜きの形の中において十分その効果をあげていないのではないかと批判されるのと同じように、公表というような手段のみをもってしては、その効果をあげることはでき得ない。しかも第六条、第七条、第八条、第九条という、それぞれの条文の持つ意味はきわめて重大でありますので、この公表という措置だけをもってしては足りないではないかと考えるわけでございますが、具体的に大臣はこの方面についてはどのようにお考えになっておるか。この足りない分をどのように補充するお考えかを含めてお聞かせ願いたい。
  51. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 この法律は二つの部分からなっておりまして、前段は主として行政措置等によってゆるやかに行なう、業者の協力を求めながら行なう。後段に至って、割り当て、配給、罰則というような形で権力的に強く行なう。大体そういう二つのニュアンスでできておるわけです。  これはいわゆる民主的調整という考えを実行するために、そういう構成にしたわけでございますが、その中でも公表というやり方は、この前の売り惜しみ、買いだめ法案以来出てきた発想でございまして、今日の事態においては、二百万円や三百万円罰金をとられるよりも、新聞やテレビに商店の名前が出るぐらいつらいことはない時代に入ったと思うのです。悪徳業者として一たび新聞に出されるということがどれくらいつらいかということは、先般来商社の問題で皆さま方が御追及になって以来、よく知悉されていることだろうと思います。そういう社会的制裁という意味において公表という方法を用いておるのでありまして、いまのような民主的調整というやり方からすれば、この方法は適当ではないかと思う次第であります。
  52. 佐野進

    佐野(進)委員 まあ私は罰則を考慮しろとか、あるいはもっときびしい体制をとれとかいうことについては、感情として持っておるわけでございまするが、はたしてそれが適当かどうかわかりませんが、少なくとも公表するだけでなくして、それに対して反省を求める具体的な措置命令あるいはその他の措置の中において、これらの業者に一大打撃を与え、再びそのような行為を行なわせない。ただ、テレビ、新聞に出たからそれで済むんだということだけでない措置をやっぱりおとりになることのほうが、今日これからますます加重されていくであろう一般国民のこれらの問題に対する苦痛を考えるならば、当然の措置ではないかと思うので、この点については強く要望を申し上げておきたいと思います。  次に、石油供給目標に関連した事項であります。  通産大臣が閣議の決定を経て告示する石油供給目標は、どのような内容のものになるのか。この際、ひとつ長官からお聞かせを願いたいと思うのであります。
  53. 山形栄治

    山形政府委員 第四条の供給目標でございますが、これは刻々に入ります輸入の動向、在庫状況、それから需要面の動き等を勘案いたしまして定めるわけでございますが、石油は、御存じのとおり、油種が非常に数多くございますので油種ごとに、それからこういう流動的な状態でございますので大体一カ月ごとに、または長くても二カ月ごとにというようなことが当面考えられるわけでございますけれども、なお補足的に申し上げますと、それぞれの供給目標が、需要側にこれがつながるわけでございますので、特に在庫減らし等につきましては、たとえば灯油等につきましては、在庫減らしをしてでも家庭用を確保するというような観点も含めまして、全体の供給目標を定めたいと思います。したがいまして、第二項で「閣議の決定を経なければならない。」といいますのは、それぞれの油ごとに需要官庁の御意向も十分に調整いたしまして、政府全体としての統一性及び斉合性をはかりたいというのがこの趣旨でございます。
  54. 佐野進

    佐野(進)委員 きのうも、長官はそのように御説明になっておるわけでありますが、この目標数量の設定によって本案の制限内容が導き出されてくる、こう考えるわけであります。したがって、厳密な算定を行ない、かりにも目標を下回ることのないよう慎重に対処しなければならぬ、そういうようにわれわれ考えるわけでございまするが、供給目標は、実質上、政府供給保証数量としての意味を持たないと、不安、混乱を拡大する結果となると考えられますが、この点、十分にお考えになっておられるかどうか、いま一度お尋ねをしてみたいと思います。
  55. 山形栄治

    山形政府委員 これはただいまのお話のとおりでございまして、当然に、この供給目標に従いまして、第五条の生産計画等も定まり、それに基づいて需要側もきまりますので、御趣旨のとおりで運営いたしたいと思います。
  56. 佐野進

    佐野(進)委員 大臣にお尋ねいたします。  次は、石油の販売関係です。  第八条は、「自動車に直接給油する事業を行う石油販売業者」に揮発油の使用削減することについて指示をすることとなっております。さらにまた元売りについても、それぞれ一定の指示をすることになっておりまするが、このガソリンスタンドと元売りとの中間に多くの機構があるわけであります。これらについては、あるいは末端の中におきましても、それぞれ消費者供給をする段階が存在をするわけであります。この法案の中では、それらの関係については全然触れておらないわけであります。いわゆるガソリンスタンドには供給についてこれこれこうだ、元売りについてはこうだ、しかし、現実に先ほど申し上げましたとおり、ドラムかんで一万本を持っていたという、そういうような方々は、この法文の条項の中にあらわれてこないわけであります。となりますると、この法文の持つ意味は、全くなっていないのではないか、このような考え方になるわけであります。したがって、私は、この法文を読みましても、これは少しおかしいのではないか、特にいま世の中の非難を受けている、そういうような方々に対して、この法律運用される際、そういう面についてどのような補強をなされるお考えがあるのか、この点をお伺いしておきたいと思います。
  57. 山形栄治

    山形政府委員 まず八条でございますけれども、先ほど大臣から御答弁がございましたように、これはどちらかと言いますと、各国でも行なっておりますように、レジャーの車等に即応する油を規制するということでございまして、その末端のそういう目的的なる使用の節減でございます。一般の中間の元売りからその次の販売業者等につきましては、第五条におきまして、「石油の販売量が一定の数量以上であることその他の通商産業省令で定める要件に該当する石油販売業者」というふうになっておりまして、これはさしあたりは、運用として元売りを考えておりますけれども、必要に応じまして、通産省令でこの数量を下げることによりまして中間の販売業者対象にし得るわけでございます。
  58. 佐野進

    佐野(進)委員 大臣、そうすると、いまの考えは、元売りとガソリンスタンドに対する規制は出しているが、その中間、末端については、ないものはこれは補強する、こういうように解釈してよろしいか、大臣の口から御答弁を伺ってみたいと思います。
  59. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 いま山形長官が申し述べたとおりであります。
  60. 佐野進

    佐野(進)委員 そこで、先ほどの質問に関連いたしまするが、中小企業庁次長、あなたがいま答弁されたことは、私にとっては全く不満であります。しかし、これはあなたの立場からすれば無理がないと思いますので、大臣に御見解をお聞きしておきたいと思うのであります。  これらのいわゆる末端業者あるいは第八条関係業者、その他中小企業関係業者は、今日の物価高、物不足、さらに油不足の中に痛めつけられているわけであります。したがって、これら小規模零細関係業者に対する手厚い保護は、今日ほど強く叫ばれなければならないときはないと思うのです。したがって、私は、これらの面について、政府がこの法律の実施に際して起こり得べき条件に対して、積極的ないわゆる金融、税制その他指導等中小企業全般にわたる対策を立てるということを、この際お約束なされておくことのほうがより必要ではないかと思うのでございまするが、大臣見解をこの際お聞きしておきたいと思います。
  61. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 まず八条の適用にあたりましては、八条の対象業者国民の一人でありまして、これを国家の名前において必要以上、あるいは無理と思われるような著しいことを指示したり要請するということはできないと思います。やはり合理的な範囲内において国民の一人として協力してもらえる範囲内でなければいけないと私ら思います。もしそういう範囲を逸脱してやるという場合には、それを強制するだけの何らかの措置を別に講じておく必要があります。たとえば損をかけないとか、そういう意味において金融、税制そのほかの万般の面においてわれわれはめんどうを見てやらなければいかぬと思います。
  62. 佐野進

    佐野(進)委員 次に、石油使用制限についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。  第六条にいう「石油使用する者」という意味はどういうぐあいにわれわれは解釈したらいいのか、いわゆる国または国の機関、あるいは一般家庭すべてに関係しておるのか、あるいは特定の人を対象にしているのか。この解釈をこの際明らかにしていただきたいと思うのです。
  63. 山形栄治

    山形政府委員 六条によります「石油使用する者」は、全部を含んでおります。一般消費者も当然に入りますし、国の機関もここに入るわけでございます。ただ、ちょっと補足いたしますと、ただし六条の運用といたしましては、ここでは、むしろ大口のものに対しまして、一定の政令で定める数量を限度として定めたいという趣旨でございます。
  64. 佐野進

    佐野(進)委員 次に、私は石油の保有について御質問してみたいと思うのであります。  第九条で、通産大臣は保有、売り渡しを指示することができるということになっておりますが、この運用はきわめて重要であります。具体的に事業活動の範囲を明確にされたいと私は考えるわけでございますが、特に自衛隊、こういうものに対してはどのようにこの保有あるいは売り渡しについてお考えになっておられるのか。いわゆる対象としてきわめて重要な要素を含みますので、この際、見解をお伺いしておきたいと思うのであります。
  65. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 具体的には長官からお答え申し上げますが、自衛隊等に対する場合は一般官庁と同じ扱いにいたします。
  66. 山形栄治

    山形政府委員 具体的にお答え申し上げますが、「国民の生命、身体若しくは財産の保護又は公共の利益の確保のために不可欠な事業又は活動」といいますものは、医療事業、それから消防活動、それから警察活動、緊急通信事業、救急活動、海上保安活動、災害防除活動、災害復旧活動等をさすものでございます。
  67. 佐野進

    佐野(進)委員 それでは、それに関連してお尋ねをしたいと思うのでありますが、第六条関係に先ほど御質問申し上げましたとおり、対象はどうかということを御質問したわけでありますが、この際特に聞いておきたいのは、使用を特に節減する必要がある石油を特定石油として指定することになっておりまするが、当面どの油種を指定する予定か、指定の有無による政令で定める数量はそれぞれどの程度を予定しておるのか、この際明らかにしていただきたいと思うのです。
  68. 山形栄治

    山形政府委員 第六条におきます特定石油といいますのは、これをきめました趣旨は、民生の安定確保のための規定でございます。具体的には、現時点におきましては灯油LPGをわれわれは考えておるわけでございます。  かつ、政令で定める数量につきまして若干補足いたしますと、一般の石油がたとえば最高限度百キロリットルというようにきめますような場合にこれは設例でございますが、産業で使っておりますLPGとか灯油につきましてはたとえば二十と少なくこれをきめまして、これをできる限り民生のほうに回すという趣旨でこの六条を運用いたしたいと思っております。
  69. 佐野進

    佐野(進)委員 それでは私は、第十条、十一条に関連いたしまして幾つかの点にわたって質問をしてみたいと思うのであります。  まず第十条につきましては、先ほど御質問申し上げましたとおり「石油販売業者構成員とする団体に対し、石油供給あっせんその他必要な措置を講ずるよう指導する」と書かれておりまして、第十一条には「第四条から前条までに規定する措置をもってしては、第三条第一項に規定する事態を克服することが著しく困難であると認められる場合においては、政令で、」云々と書いてあるわけであります。したがって、この条項の持つ意味はきわめて重大だと思うのであります。いわゆる政令をもって四条から十条までの措置を行なっても、できない場合は割り当てまたは配給をするということになるわけでありますが、それらのあっせん行為並びに配給、割り当て行為を行なう者はだれがその衝に当たるかということであります。だれがその衝に当たるかということの持つ意味は、私の申し上げようとする意味は、その人の主観的な考え方に基づいて、その事務をとり行なう人の主観的な考え方に基づいて、その割り当てまたは配給あるいはあっせん行為が行なわれる可能性があるわけであります。そのようなことを主観的でなく客観性をもってそれらが行なわれるという措置は、どのようにしてこの条文の中で生かされるお考えであるか、具体的にお示しを願いたいと思います。
  70. 山形栄治

    山形政府委員 たとえば十一条が発動に相なりますと、これはできる限り避けるべきだと思いますが、石油のカットがますます非常に大幅になるというような場合には、十一条の発動ということも考えられるわけでございますが、この場合には、当然に強度の割り当てなり配給なりが行なわれる可能性もあるわけでございます。  御指摘のとおり、これが恣意に流れますととんでもないことに相なるわけでございまして、われわれのほうで考えておりますのは、まず割り当て等を行ないます場合の油が何であるか、何を対象にするか、その場合の割り当て数量を何ぼとするか、これを分けますときに、たとえば家庭用に回すときにはその家族の構成員数で行なうのか、要するに算出の基礎を明確にいたしたいと思います。また、産業用に回すときには、対前月の実績を統計類から確認してその実績に応ずるというような、だれが見ましてもその間に主観の入りにくい基準をつくりたいと思っております。かつ、中間の販売業者等につきましても、これが複雑でございますとなかなかうまくいきませんので、これを登録制等をしきまして、できる限り簡素な流通形態にいたしまして、この登録以外のものの人間の活動というものを封殺することによりまして、必要なる制限、禁止の措置を行なう。いずれにしましても、主観ができる限り入りにくいかっこうで、公正に行ないたいと考えております。
  71. 佐野進

    佐野(進)委員 それでは、政令その他の中で主観の入りにくい公正な構想をもってつくりたいということでありますが、その原案ができておりますか。
  72. 山形栄治

    山形政府委員 これは十一条の発動の場合でございますので、まだどの油種をどうするかということはきまっておりませんし、何ぶんにも非常に時間がなかったところでございますので、現在類型的に、総員全力をあげて検討しておる段階でございます。これは過去のやり方、過去になじまず、現時点においてどういう公正がはかられるのか、どういう能率性が発揮できるのか、その辺も含めまして現在検討中でございまして、いま申し上げましたように、大体において大きな筋道はそういうことでございますが、これが油種別にみんな違いますので、この辺につきましては、検討の結果、その中間におきましても、御審議の途中におきましても、でき次第御披露をいたしたいと考えております。
  73. 佐野進

    佐野(進)委員 私は、いまあなたのほうの資源エネルギー石油部の書いた原案をここに持って質問を申し上げておるわけでありますが、石油製品あっせん相談所実施要領第一条云々というような形、あるいは別表というようなものを私は持っておるわけでありますけれども、この実施要領ないし別表の形の中においてすでに行なわれておるわけでしょう。そのような答弁をしては困りますよ。
  74. 山形栄治

    山形政府委員 これは非常に誤解だと思うのでございますが、私の申し上げましたのは、法十一条が発動になりましたときの政令のことを申し上げたわけでございまして、石油製品のあっせん相談所につきましては、ここであらためて御説明申し上げますが、これは従来から石油あっせんについては鋭意検討しておりまして、現時点で各府県ごとに石油あっせん所をつくろう、かつ十二月十二日、私のほうと中小企業庁で相談しまして、このあっせん所の設置についての、先生のお手持ちのものだと思いますが、それはきめたわけでございます。  ちょっとちぐはぐになりまして恐縮でございましたが、誤解がありましたことをおわび申し上げます。
  75. 佐野進

    佐野(進)委員 大臣、いま長官から答弁があったように、具体的な対策は進められておるわけであります。そして、その具体的な対策の中においても、すでに多くのアンバランスが発生しておるわけです。A対B、B対C、それがいかなる力関係において決定されるかということについてたいへん大きな危惧を関係者に持たれておるわけです。したがって、もしこれらの問題が——いまはあっせん所の問題でありますが、しかしこれは第十条に関係する重要事項であります。十一条政令事項として決定いたしましたならば、この条文の最後のところにあるところのいわゆる処罰規定に基づきまして、十一条に関係する問題について処罰が行なわれる場合におきましては、いわゆる「五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の」云々という条項が定められておるわけであります。私は、この重要なる条項を決定するその政令が政府責任の中で行なわれ、その責任の中で行なわれた条項に基づいて多くの関係者が苦しまなければならない。いまあっせん所という形の中においてもすでに苦しまなければならない現状が出たとき、政令という形の中でそれが行なわれたとき、きわめて重大なる意味を持ってくるのではないか、このように考えざるを得ないのであります。もちろん政令でございまするから、これは法律条文として生かされますが、少なくともそれらの問題が決定される際、国会の承認事項、あるいはまたこれらに対する監視機能、そういうものをこの際明らかにしておく必要があるのではないか、こう考えますが、大臣の御見解をお伺いしておきたいと思うのです。
  76. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 国民の権利義務に関するところ、特に罰則の適用される部面というものは、確かにお示しのとおり非常に重要なポイントでありまして、それに関する政令もわれわれは非常に慎重につくらなければなりませんし、運用も同じように慎重に、公平に行なわれなければならぬと思います。それらの政令の作成並びに運用につきましては、よく考えまして、また皆さんのお知恵もお借りいたしまして、万全を期してやっていきたいと思います。
  77. 佐野進

    佐野(進)委員 長官、この作業を進められつつある別表の項の実施については十分慎重なる配慮をもって行なうということについて、この際答弁を聞いておきたいと思います。
  78. 山形栄治

    山形政府委員 これは、ただいま大臣からもお話がございましたように、非常に全国民にも関係するような問題でございます。慎重の上にも慎重を期しまして、最も公平にかつ最も合理的に運営できますように心がけたいと考えております。
  79. 佐野進

    佐野(進)委員 次に、私は優先順位の問題について御質問をしてみたいと思うのです。いまの私の質問もそうでございまするけれども、結果的に第十一条が発動される形になりますと、優先順位がどのように定められるかということがきわめて大きな問題になってくるわけであります。本案においても、石油の保有、売り渡し及びあっせん指導の規定である程度優先供給がはかられておりまするが、不要不急の度合い等による業種別、用途別の優先順位に基づく供給については、配給、割り当てによる場合等は別として、特に触れるところがないように思われるのですが、政府はこの問題についてどう考え、どう措置をされるか、この際、先ほどの問題と関連いたしましてお伺いをしておきたいと思うのです。
  80. 山形栄治

    山形政府委員 優先業種の問題でございますが、これは非常にむずかしい問題でございまして、いま御質問にございましたように、十条及び九条等におきまして、最優先業種的な考え方が表明されておるわけでございます。これ以外に、これも御指摘のございましたように、どちらかというと非優先業種的なものも当然あろうかと考えるわけでございます。現在まだ成案も得ておりませんので検討が進んでおりませんけれども、今後規制を行ないます場合が生じました場合には、おそらく優先度の非常に低いレジャー系統のものから四段階ぐらいで優先度がある程度考えられるのじゃないかと考えております。  ただこの場合に、これは通産省だけできめる問題でございませんで、関係各省、結局内閣全体の責任においてこれを斉合性のある形のものとして考えることが必要であろうかと思うわけでございます。
  81. 佐野進

    佐野(進)委員 それでは、大臣にいまの問題についてお伺いし、さらに長官についてもお伺いしておきたいと思うのです。  先ほど来いろいろお話しになっておられるのでございますが、レジャー関係、レジャー関係とたいへん目のかたきにされておる。いわゆる石油消費に対する最大の害毒はレジャー関係である、こういうような印象を受けるわけでございます。しかし、健全なる国民生活の発展を期する場合、レジャー関係の育成もまた政策の重要な柱である、こういうことで、大臣もあるいは歴代内閣もそのように一定の育成をされてきたと思うのであります。私は不要不急のいわゆる乱費浪費、そういうものにわたることについては極力抑制をしなければならないと思うのでありますが、健全なる娯楽といいますか、健全なるレジャーといいますか、人間性を高め身体を強固にする、そういう生活環境をより明るくするレジャー関係というものは一がいにそれを否定するという形にはならないのではないか、こう考えるわけです。したがって、そういう意味において四段階程度に分けるといういまの考え方等について、大臣がお考えになって、いわゆる一般的にいわれているレジャーというか、そのマイナス面におけるレジャーは別として、健全面におけるところの国民のためになるという面については、週休二日制等がもう今日の課題になっているとき、どのようにお考えになっておられるか、この際お聞きしておきたいと思うのであります。
  82. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 マイカーのようにガソリンを使うということをしないレジャー関係なら私はいいと思うのです。スポーツとかあるいはいわゆる健全なる娯楽というようなものは、こういうときこそ、萎縮しないで思い切って張り切って伸び伸びやってもらう必要があると思うのですけれども、たとえばよくカーレースをやっておったり、あるいは高速道路を百二十キロでふっ飛ばして喜んでおったり、あるいは物見遊山をやる、そういうようなことでしかも油の消費を伴う、そういうようなものは抑制していかなければならぬと思います。
  83. 佐野進

    佐野(進)委員 私は蛇足的な質問を申し上げましたけれども、やはり今日暗い気分がわが国には横溢いたしておるわけでございまして、この暗い気分を脱却して明るい国民生活政府の当事者としてはやはり志さなければならぬ。われわれもまたそのことについて全力を尽くさなければならぬ。そういう意味におきまして、乏しきは平等に分かち合う、そしてある者だけが特に有利な条件の中で特別の利益を享受することのないように、そういう政治を志向する、そういう面においても、いま申し上げましたとおり、あまりしゃくし定木な考え方に基づいてきびしい指導をなされないほうがよろしいのではないか、こう考えて御質問したわけです。  そこで、長官大臣に最後にお尋ねいたしますが、長官、四段階についておよその見当を簡単でいいですからひとつこの際話してください。
  84. 山形栄治

    山形政府委員 これは先ほども申し上げましたように成案を得ているわけではございませんが、おそらく非優先的なものと一般的なものと、それから優先の中で最優先のものとその次のものという、非常に抽象的で恐縮でございますが、四つというのはそういう意味であるわけでございます。
  85. 佐野進

    佐野(進)委員 時間が参りましたから私の質問を終わりますが、最後に大臣決意をお聞かせ願いたいと思うのであります。  先ほど来一時間半にわたって私は本法律案の内容等について真剣に大臣質問を続けてまいりました。今日この法律の成立に期待する多くの国民は、この法律を通じて、いま国民の前に展開されつつある石油不足の不安の中から早く脱却し、安定した生活を願っている。この希望がみなぎっておるわけであります。したがって、われわれは長時間、深夜にわたって審議を続けておるわけでございますが、当面の責任者である大臣、たいへんお疲れのようでありますけれども、われわれ以上にもちろん当然そのようにやっておると思うのですが、先ほど申し上げましたとおり、平等公平の原則に立って、特に持たざる人たち、特に苦しみつつある人たちに、あたたかい態度をもって接していただくことを御希望申し上げ、御見解を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
  86. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 本法案国民生活国民の権利義務に影響する重大な法案でございますから、本法案運用にあたりましては、本法成立の上はあくまでも慎重、公平に実行してまいりたいと思います。  先ほど来御質問いただきました中で、ガソリンスタンドの零細企業者に対する思いやりとか、あるいはレジャー関係についても必ずしも全部否定すべきものでない、そういう点はいままでどなたも申されなかった点で、私らやはり国民の一人としてそういう御質問に非常に共鳴するわけでございます。何でもそういうものが悪いときめつけている風潮はどうかと思うので、みんな国民でございますから、ひとしく平等に犠牲を分かち合う、そして、そういう苦しい中にあっても、みんなでできるだけ伸び伸び生活し合う、そういう生活の知恵を働かし合いながらやっていきたいと思います。
  87. 濱野清吾

    濱野委員長 渡辺三郎君。
  88. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 大臣が時間の都合で八時半に退席なさるそうでありますから、一番最初大臣にお伺いしたいと思います。  いま最後に大臣は、この法案の取り扱いについての基本的な考え方といいますか、あるいは特に留意しなければならない問題点について表明されました。これは十分にわかりました。私は、短い時間でありますから、大臣がわれわれがいま審議をしておりますこの法案をめぐって、国民の関心が一体どこに集中しているか、それをどのように政府としては認識をしておられるか、その点をまずお聞きしたいと思うわけです。
  89. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 きょうはたいへん申しわけないことでございますが、きのうから日タイ経済閣僚会議が開かれておりまして、タイの代表団一行を私が招待しておるものでございますから、八時半で失礼さしていただきたいと思います。  国民の皆さま方が一番心配しておられることは、この法律が通ったら自分の生活はどうなるか、自分に何が響いてくるか、そういうことであると思います。それと同時に、この法案が提出されましたのをごらんになって、事態はいよいよ重大だ、石油が足りなくなった場合に、自分の身辺にどういうことが起こるであろうか、自分たちはみずから防衛しなければならぬ、そういうような気持ちで、不安なまなざしで見ておられることであると思います。
  90. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 いま大臣が言われたことは、私はそのとおりであると思います。しかし、特にことしの春以来、とりわけ物価高騰が非常に続いておる、こういう状況の中で、国民がこの法案の取り扱いをめぐって心配を寄せてきておりますことは幾つかあると思うのですけれども、いまこういう異常な混乱事態、いわば石油供給がきわめて少ない、こういうふうな状況の中においても、大きなメーカーであるとか、あるいは元売りであるとか、こういう面には結局致命的な打撃というものはいかないんではないか、そして、石油を直接消費をする国民の立場、あるいはまたそれに近い中小の零細な末端業者、ここにばかり結局しわ寄せが来るんじゃないか、そのような法律になってしまうんじゃないか、あるいはそういうふうな運用面においての危険性がありはしないか、こういう点が一つの心配として非常に大きくあると思います。これらの問題をめぐって昨日来いろいろ質疑がかわされましたし、あるいは大臣エネルギー庁長官の一応の見解もお聞きはしたわけでございますけれども、いまの問題にしぼって、ひとつもう一度大臣から決意といいますか、お考えをお聞きしたいと思います。
  91. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 中小企業者、零細企業者の方面におかれましては、特に大企業あるいは政府権力からの圧力、しわ寄せを受けるのではないか、そういう御心配があるということはまことにごもっともであります。そういう点につきましては、私たちも深甚の注意を払いまして、中小企業者や零細企業者がそういう不安におちいらないように十分手当てを尽くした政策をやっていきたいと思います。
  92. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 今回の法案の提出を前にいたしまして、通産側と石油業者の中で何回か話し合いが持たれたと思うわけです。特に石油連盟とは何回かの会合をなさったのではないかと思います。そうした状況の中で、通産省の姿勢として、とにかくこの法案を早く通したい、あるいはまた、通せば何とかなる、だからそれまでは騒がないでくれ、こういうふうな趣旨の要請をひたすら石連や大手の業者に対して行なってこられたのではないか、私どもはそのように実は聞いておるわけであります。  しかし問題は、たとえこの法案が通ったといたしましても、今日の石油供給をめぐる事態というものはきわめて深刻であり、そのこと自体は容易に大きく変わるというふうな甘い見通しはできないと思っておるわけです。この法案さえ通ればあとはというふうな業者の考え方の中には、いままでわれわれも通産側の要請を受けて、価格の問題であれ、あるいは供給の問題であれ、がまんをしてきたのだ、しかし、この法案を一たん通してしまえば、あと業者自体が、悪いことばでありますけれども、談合を進めるなら進めることによって価格の相当の維持もできる、こういうふうな考え方がその裏にありはしないか、こういうことを私どもは心配をしますし、また国民の中でも、そういう声を率直にあげておる方がたくさんおります。こういう点についてもひとつ重ねて大臣から見解をお聞きしたいと思います。
  93. 中曽根康弘

    中曽根国務大臣 この法律は、国民生活を守り、また国民経済の運営を守っていくための法律でありますから、業者が談合するとか、あるいは利益をむさぼるとか、そういうことは断じてわれわれは許さない方針で運営していくつもりであります。
  94. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 それでは次に、エネルギー庁長官にお伺いをしたいと思います。  いま大臣がこの運営にあたっての基本的な考え方を決意を込めて述べられたわけでありますけれども、山形長官としては、今回の法案を提出するにあたりまして、この法案が通れば、今日起きているような混乱については十分に事態を解決することができる、このような確信をお持ちでありましょうかどうか、まずその点をひとつお伺いしたいと思います。
  95. 山形栄治

    山形政府委員 今回の石油危機は、御存じのとおり十月の半ばに起こったわけでございます。これがどの程度永続するか、当時非常に不明であったわけでございますが、政府としまして十一月の十六日に閣議決定を行ないまして、緊急対策を確立したわけでございます。     〔委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕 われわれとしましては、この先行きについては若干不明の点がございますけれども、きびしくこれに対処しなければいかぬことは当然でございます。われわれといたしましては、この法案によりまして、供給側の体制、供給目標供給計画等を全役所の協力のもとにつくりまして、それに需要を合わせ、これも各所管官庁の力も借りまして、きめこまかくやっていきたいと思いますが、そういう需給の突合をはかり、間におきますあっせん所の機能の活用等をはかりますことで、全般的に、乏しい中で公平に、かつ金持ちがうんと油を持っていってしまうというようなことを絶対に排除し、かつ、もう一つの国民生活安定法のほうにございます価格規定等も活用しまして、価格面、数量面、全国民の公平なる配分をこの法律運用よろしきを得て達成できることを確信いたしておるわけでございます。
  96. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 価格の問題は、この法案では直接扱わないという考え方が政府提案の内容であります。もちろん別に出されております安定法案の中で規制をされるというお話でありますけれども、すでに何回かこれも議論をされましたように、この春以来の異常な物価の値上がり、加えて石油供給の不足から、この十月、十一月以降たいへんな値上がりになっております。特に石油関係の製品についてはたいへんな値上がりであります。  それから、これも何回も言われましたけれども、たとえば灯油に例をとりましても、三百八十円はようやく末端にいま浸透しつつある、こういうことが昨日も答弁がありました。しかし、これはまだまだ実態を十分につかまえた報告にはなっておらないのじゃないか、こういうふうに私は思います。現にきょうも、この灯油の問題だけにしぼっても四件私どものほうにいわば訴えがありました。その中では、地方公共団体が暖房用——この中には病院やあるいは施設やあるいはまた学校も含むわけです。これに使用する灯油を契約するにあたっても、三百八十円などというのはとんでもない、絶対いけません、こういうふうな立場で業者が頑強に拒否をしておるという実態さえもその中では報告をされております。それから若干これは期日は前になりますけれども、ある県の県立病院では五割程度の暖房用の灯油しか求められない、こういうふうな深刻な状況も、これは値段の関係でいわれておるわけであります。  こういうふうになってまいりますと、結局は先ほど大臣にも私申し上げましたが、弱い者がいじめられるという状態が固定したままで、単なる統制面だけが強められるという危険はないのか。売り惜しみをする、そして値段がつり上がる、そのつり上がったところでようやく品物が出てくる、そういう値段で固定化される、こういうふうな悪循環の繰り返しではどうにもならないというふうに私は思うのです。したがって、そういう点について、ほんとうに長官としては、この法の運用にあたっていま真剣に議論をされているような内容を含めて運用していくのか。この点は重ねて、しつこいようでありますけれども、お聞きをしておかなければならぬと思います。
  97. 山形栄治

    山形政府委員 灯油のことが出ましたので、ちょっと申し上げたいと思いますが、灯油につきましては、三百八十円の凍結を行ないましたときに、われわれのほうに若干手違いがございまして、小売りの約七割を占めます薪炭業との連絡が不十分でございました。これは認めざるを得なかったわけでございます。その後、薪炭業組合とも鋭意話を進めまして、去る十二月三日付で合意に達しまして、全国薪炭業組合から下部にこの旨を流しました。現在時点におきましては、各府県支部とも全部通産案を了承し、これを守るという通告に相なっております。  ただ、この間若干時間が経過いたしまして、現時点におきましても、末端が十三万軒もあるわけでございますのでトラブルが起こっておると思いますが、この辺は、私のほうとしては、その後の情勢を見ておりますと、相当の浸透度が近く行なわれる予定に相なっております。  なお、その灯油につきましては、三百八十円に凍結をしましたのは家庭用の小売り価格でございます。いわゆる工業用的なものは一応対象にいたしておりません。  これはいまの御質問には関係ないと思いますけれども、同じ灯油でございましても、工業用のものは一応価格は自由に相なっておりますことを付言いたしておきます。
  98. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 これは公取の委員長質問したいと思っていましたが、まだお見えになっていないようですから、いまの長官答弁に関連して、それならばもう一つお聞きをしたいと思います。  いまたまたま灯油の話が出ておりますけれども、長官も言われましたように、私が例をあげた、たとえば地方公共団体で必要としておる例については、これは工業用とはかかわりないわけですね。しかし、工業用とかかわる問題で申し上げるとするならば、こういうふうになっております。  大体店頭で売る場合も、四割は民生用、六割ぐらいが営業用ですというふうな言い方をして、そして最初に買い取った人の合計が四割に達してしまうと、あとは家庭で使おうがどこで使おうが、元売りのほうからは値段が営業用というかっこうで別に高くなってきておりますから、安い三百八十円のいわゆる家庭用のものは品切れであります、こういうふうにいわれておるのが実態なんです。この混乱も含めて、薪炭商組合のほうと、あるいは元売りのほうと合意が明確にできておるのかどうか、その点をひとつ重ねてお伺いします。
  99. 山形栄治

    山形政府委員 若干私の説明が不十分だったわけでございますので、補足的に御説明申し上げますと、御指摘のとおり、灯油につきましては、家庭用とそれから小口業務用——小口業務用といいますのは、パーマネント屋さんとか、とうふ屋さんとかいうものでございます。それからわりあいに大きな産業用という三つに分かれておるわけでございますが、従来私のほうで行なっておりましたのは、この家庭用だけを対象にいたしておったわけでございますけれども、末端の薪炭商、小売り商におきましては、その小口業務用と家庭用とを込みにして売っている例が多いわけでございますので、その間非常なトラブルが起こったわけでございます。これを前提にいたしまして、十一月の二十八日に、小口業務用につきましても、家庭用と同じように元売り仕切り価格を凍結いたしまして、家庭用と同じ値段で、三百八十円で売るべきであるということで、これを含めまして薪炭商の了解が成立いたしております。  なお、産業用というのはわりあいに使っておるところは限定されておりますので、企業も限定されておりますので、別途これは把握いたしております。
  100. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 それでは公取の委員長にさっそくですがお伺いをしたいと思います。  例の覚書の問題でありますが、これは昨日来委員長からも、あるいはまた通産側からもその考え方が答弁をされました。しかし、率直に言って、依然として私どももうひとつ釈然としないものがあります。委員長は、あの覚書それ自体は、従来の独禁法の解釈をいささかも変えたものではない、こういうふうなことを明確にきのう言われたわけでありますけれども、端的にいえば、それならばなぜわざわざこの時期に覚書をかわさなければならなかったのか、裏返しの言い方でありますけれども、私どもはそういうふうに考えておるわけです。その理由ですね。それならば、なぜわざわざきまりきった解釈を覚書としてかわさなければならなかったのか、これをお聞きしたいと思います。
  101. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 いろいろいきさつ等についてはお話し申し上げましたので、あまりくどくど繰り返しません。覚書というものの性質は、確かにこれは要らないといえば要らないのです。なくても、具体的なケースにおいて、それは抵触する、それはいかぬということを言えば、公取としてはそれで済むわけでございます。しかし、この非常な緊急を要する事態において、急に起こった、言ってみれば、天災のような石油危機という状態において、それに対処するためには、ある程度産業界のいろいろな分野の協力を求めたい。協力という意味は、共同行為を認めるものでないことは言うまでもありませんが、たとえば通産相が主務大臣となってやっているいろいろな石油その他のことについて、業界の協力というもの、善意ある協力——業界のエゴになるようなものはだめですけれども、そうでなくてそれぞれが、たとえば産業界のある者が通産省に対して必要なデータを提供する、あるいは下部の末端価格を定めた場合に、灯油の三百八十円というものをいかに守らすか。いま有効な手段はないわけです。これは標準価格制度になった場合も標準価格ではないし、特定標準価格になってようやくきき目のあるあれになると思いますけれども、それはともかくとして、そういうものを守らなかった場合には、そういうものに制裁として出荷停止まで認めるんだということはどうなんですか。その点、国の完全な必要な政策に基づいてきめられた末端価格を順守させるためにそういう手段をとる。普通ならば、ただやれば独禁法違反になるのです。しかし、そういう趣旨のものであれば独禁法違反にならぬ、独禁法に抵触しないということを明らかにする、こういうことでございます。ひょっとすれば、出荷停止をすれば常に不公正な取引方法として独禁法違反になるわけです。ただ、やればなるけれども、目的が国の政策に協力するという趣旨のものであれば、そこに違法性がないということをいってあるわけでございます。  そのほか、数量のいろいろな不突き合いを突き合わせていかなければなりません。一方には強い需要があり、また優先度の高いものがある。そういうものに対して、片方の販売先のほうは出し渋っているという場合に、これらを何とかうまく調整するのには、業界を両方呼んでといいますか、これをこういうふうに回したらどうだというふうに、通産当局が監督指導よろしきを得て現実に中に介入してやるんなら、これは独禁法に抵触しないんだ、こういう趣旨であります。書き方においてちょっと包括的に「主務大臣の指示監督に基づいて」云々というふうになっていますが、これは各項目にそれがまたがるわけでございまして、一々書かなかったという点がかえって文章としてはきびしさが欠けているようにも思われるかもしれませんが、そういうことの解釈を明らかにしておくことが行政的な政策として必要な場合には適当じゃないか。これをあえて私のほうが拒否するというものではなくて、むしろそういうことをあらかじめわからしておいたほうがいいんだ、その範囲でならば抵触しないけれども、この範囲でないとかえって独禁法違反に問われますよ、その危険がありますよということを、また裏返して言っているわけでございます。いろいろ文言の誤解から曲解されていますけれども、この点は私は何とか了解していただきたいと考えておるわけであります。
  102. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 経団連とか同友会が強く価格安定カルテルの導入を認めよ、こういうふうなことのキャンペーンを次々とやっておる。そしてこの石油供給が異常な事態に来た、そういう逼迫した情勢であることは事実としても、先ほど言ったように、同友会や経団連が盛んにそういう圧力とも思えるようなやり方をかけて、今日まできびしくやられてきた独禁法のたてまえというものを少しずつくずしていく、こういう危険性を特に物価騰貴の中で苦しんでおる国民は強く感じておるわけです。そういうやさきであるだけに、結局は、きのうも言われましたけれども、実質的にはその状況の中で内容が屈服という形をとらざるを得なかったのではないか、こういう心配が非常に強いわけです。ですから私どもは、そういう点についてはきびし過ぎるほどきびしい態度をとらないと、たいへんな状況を、逆に混乱を助長する、こういう結果になるのではないかということを強く心配します。  そこで、この覚書にはカルテルを指示するときの発動の要件、その際の公取との事前協議、こういうふうないわば歯どめといいますか、こういうふうなものについても触れられてはおりませんが、その必要は、あの覚書の性格からいえば全くない、こういうふうに委員長はお考えですか。
  103. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 ですからこの覚書の考え方がそのまますなおに受け取られれば、私は(注)に、いかなる意味においてもカルテルを意味するものでないということははっきりさしております。共同行為というものはカルテルに通ずるわけでございますが、共同行為ということばだけでは実はカルテルにはならない場合もあります。しかし、そういうものは絶対いけないんだという趣旨を(注)ではうたっておるわけですから、それでなおかつカルテルを認めているんじゃないかと言われるともう何ともいたし方ないのですけれども、私ども昨日の定例記者会見の場合でも、その点は、来ていただいた新聞社の方にも克明に御説明して、ある程度了解を得られたのじゃないか。しかし、いきさつからいいますと、当時カルテル条項が原案にあったものを削った、そしてそのかわりにというふうに受け取られますと、何かこう取引したみたいになる。そうすると、それはいわゆるやみカルテル的なものを容認するんじゃないかという疑いを持たれる。これはそういう趣旨では全くございません。正面からカルテルを認めて、そして適用除外にするという方法もございます。それでは底抜けになってしまう。それをやったら日本じゅう至るところにカルテルが大手を振ってまかり通ることになりますから、そういう条項を法文の中に入れて適用除外にするということは全く有害である。有害であるし、また私はその必要はないと思うのです。そこまでしなければならないというなら、はっきり私のほうに言わせれば、統制なら統制らしくしていただきたい。民間の力をかりていて実はカルテルをどんどん認めていく、公認する、われわれはそれに手を出せない、こうなってしまったのでは何にもならぬ。あとにたいへんな後遺症を残しますから、そういうことは絶対反対であるということでやった。もし、この覚書がそれに振りかわるものであったら、私どもはインチキをやっていることになるわけですから、そういうことではない。国会をだまし、国民をだましというふうなことは、私どもはする気持ちは全くありませんから、この点は念のために、決してカルテル条項の振りかえというものではないことをはっきりさしておきたいと思います。
  104. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 いまの覚書はまだ正式な資料として私どもいただいておりません。これは委員長のほうから、あとで正式な資料として提出するようにひとつ手続をとっていただきたい、こういうふうに思います。  そこで、引き続いて公取の委員長に御質問したいのですが、十一月の二十七日には、石油連盟と元売り十三社にも立ち入り検査をなさったようであります。それからさらに二十九日には石油化学二十社、塩化ビニール工業協会、これに対しても相当大がかりな立ち入りの調査をなさった。これは塩化ビニールなどの価格協定の疑いですけれども、このように公取としては十一月の下旬、相当決意をされたいわば立ち入り調査をされたと思うのです。それだけに、私ども繰り返して申し上げますけれども、業界といいますか、この大手の側の抵抗が公取に対して非常に強まってきた、こういうふうに時期的には見ておったわけであります。  たとえば十一月二十七日の石油連盟の立ち入り調査の問題でありますけれども、石連などの考え方を聞かしてもらいますと、販売数量の調整も独禁法違反、こういうふうになったんではとんでもない判断ではないか、こういうふうな言い方をしているやに聞いております。今回の覚書によって、覚書の中にあります協力措置、こういうふうなことで、たとえば石連を調査された際にこの販売数量の調整、こういうふうな点についても免罪になるのですか。どうでしょうか。
  105. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 私はすでに立ち入り調査もいたしました。それにいまおっしゃられました事件につきましてはその内容を申し上げることができないわけでございまして、この点は法律で禁じられております。しかし、仮定の話といたしまして、原油の入手が非常に削減された、したがって石油精製なり販売を減らした、それが全く他律的なものから起こっているだけで、業界の意思に基づくものでないならば、カルテルとは何であるかといえば、自分たちの都合で販売数量を制限したり生産数量を制限したりする、これはカルテルでございます。共同して同業者が実際にはもっとそれを生産できる、あるいは販売できるのにそれを一緒に同じように何%か削ろうじゃないか、こういうふうな申し合わせをして、そういう縮小をしているとすればこれはカルテルでございます。しかし全くそうでなくて、いわば外的な条件から生産が減らざるを得ない。このことは、私は具体的な事件について申し上げでいるんじゃありませんが、石油のみならず、これから電力の削減あるいは油の削減によりまして、いろいろな業界生産の縮小に向かわざるを得ない、こうしますれば、それは自分の意思に基づいて共同してやったのではありません。共同行為に基づかないで他律的な条件だけでいやおうなしに生産縮減に向かうことは何らカルテルではなくて、違法性があるものとは申せません。
  106. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 公取の委員長は時間ですからけっこうです。そこで、公取に対しては続いて事務局長にお伺いをしたいと思います。  いまも高橋委員長がお答えになりましたけれども、私が聞いておるのは、あなたのほうで具体的に十一月の二十七日に石連を調査されたわけです。その調査されるについては、独禁法のこうこうこういう違反の違いがあるからということで当然調査をされるわけです。そうでしょう。その際に、販売数量の調査が独禁法の違反の疑いの一つとして、あなたのほうで調査をされたとすれば、今度の覚書によって、これは政府に対する協力措置だ、こういうかっこうで免罪になるのかどうかということをこの一点だけでいいですからはっきりお答えいただきたい。
  107. 吉田文剛

    ○吉田(文)政府委員 確かに立ち入り検査をしたときには、価格協定と同時に販売数量の制限の疑いがある、つまり、カルテルの疑いがあるということで、これはあくまで疑いでございますが調査をしたわけでございますが、これが先ほど委員長も申し上げましたが、全部これは、特に価格協定は別といたしまして、販売数量の調整、もとがもう石油なり何なりの供給量が減ってきている、だから、どういう方面にどういう数量を向けなければいけないかということについて政府の介入があり、その介入に基づいてとった協力措置であるならば、これは仮定の問題でございますが、違反とは言えないのじゃないか、業者によるカルテルとは言えないのではなかろうかというふうに考えております。
  108. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 時間の関係もありますからいまの問題はそれでやめますが、しかし、これは石油事情がこういうふうになっておって、そして石連と政府——政府がといいますか、通産省がそれをめぐっていろいろな話し合いがなされておるなどということはもう公取だって知らないはずはないのです。それでなおかつ疑いを持ってあなた方が立ち入り調査をされた。ですから、いま仮定の問題というふうな前提で話し合いをしておりますから、私はこれ以上ここでは申し上げません。しかし、この問題はきわめて重要な課題として、あらためての機会にもう少し見解を掘り下げたい、こういうふうに思います。  そこで、最後に公取に対してもう一点だけお聞きをしたいと思うのですが、十一月三十日に各県の石商などに対して勧告が行なわれたわけであります。この勧告の応諾の状況はどうなっておりましょうか。あすが応諾の期限になっているはずです。
  109. 吉田文剛

    ○吉田(文)政府委員 ただいままで応諾が来ておりますのは群馬県の石商だけでございます。
  110. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 わかりました。  それじゃ、次に中小企業庁のほうにお伺いをしたいと思います。この石油供給の逼迫によります中小零細企業の現状についてでありますが、時間の関係もありますのでこまかい数字のすべてを聞くことは省略をしますけれども、まず第一には、昨年の下半期の倒産件数それから負債金額、それと今年の同期の倒産件数並びに負債金額の動向をお聞きしたいと思います。
  111. 原山義史

    ○原山政府委員 お答えいたします。  倒産状況は八月ごろから非常にふえてまいっておりまして、八月が七百十九件、九月が七百四十四件、十月が八百八十九件でございます。これは前年同期の四一・八%と大幅な増加を示しております。十一月に入りまして十月よりやや減ってまいりまして八百五十七件、前年同期に比べまして三五・二%増というふうになってかなり高い数字を示しております。件数だけで申しますとそういうことでございます。
  112. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 各月ごとの負債金額、こういうものも大体の動向でけっこうですから……。  それから、この原因等についても、あまりこまかい点までは時間の関係がありますからお聞きできませんけれども、大体の特徴的な動向、これをひとつ述べていただきたいと思います。
  113. 原山義史

    ○原山政府委員 負債金額でございますが、八月以降増加いたしましたので八月以降について申し上げます。  負債金額は、八月は五百九十八億三千一百万円、九月が五百七十九億五千五百万円、十月が七百三十九億円、十一月が六百八十三億六千万円、こういうふうに相なっておりまして、いずれも前年同期に比べまして四〇から八〇%ぐらいの増加を示しているわけでございます。  なお、原因等につきましては、金融引き締め、原材料不足、原材料価格の上昇による採算割れというものを直接の動機とするものが徐々に増加する傾向にあるようでございます。
  114. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 この倒産の原因でありますけれども、関連倒産とか、それから企業のしわ寄せといいますか、これは石油のこうした事情の中でも非常に関係が出てくると思いますので、そういうふうな動向については、昨年と比較をして著しい増加になっておるかどうか、この点もあわせてお聞きしたいと思います。
  115. 原山義史

    ○原山政府委員 倒産の中で関連倒産はどうかというふうな御質問でございますが、七月ごろ特殊な事情がございまして、中日スタジアム関係、これによる関連倒産が比較的多かったわけでございますが、それを除いて考えますと、最近、現在時点においては関連倒産が非常にふえておるという事情ではまだないようでございます。
  116. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 もう一つお聞きしておりますが、企業のしわ寄せはどうですか。
  117. 原山義史

    ○原山政府委員 現在私ども中小企業庁におきまして、二百五十の中小企業業種を対象といたして調査いたしておりますが、十一月二十六日現在の実態調査によりますと、前月に比較して操業度が低下したものが三七%、そのうち二〇%以上の生産低下を示したものが九%程度でございます。全般的には横ばいないしやや低下の状況にございます。  ただ、今後原材料資材の不足がますます激しくなってまいりまして、また特に十二月に入りましては石油供給不足が深刻化してまいっておりますので、操業率の低下、これがさらに進んでまいりますれば、あるいは企業の休業、倒産というふうなことになるおそれがございますので、私どもは注意深く注視していきたいと思っているところでございます。
  118. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 中小企業向けの年末融資の体制でありますけれども、これは本会議でも通産大臣答弁になりました。政府系三機関の貸し出し規模を今年の年末では三千四百億円準備をした、こういうふうに答弁があったわけでありますけれども、その後の石油不足に伴う追加積み上げといいますか、こういう準備は考慮されているのかどうか。されているならされている、なければないでいい、それだけでけっこうです。
  119. 原山義史

    ○原山政府委員 御指摘のように、政府関係機関に対して年末融資三千四百二十億円を追加投資することにいたしたわけでございますが、これは昨年の千九百九十億円に対して一・八倍の規模に当たるわけでございます。私ども、現在時点におきましては、年末までは少なくともこれのやりくりでどうにかやっていけるのではないかというふうに思っておりますが、さらに事態の推移によりましては、必要量の資金を追加してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  120. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 これは減産の資金あるいは滞貨の資金といった資金需要が次第にふえてくるのではないかというふうに私どもは心配をするわけです。そして特に物不足、それから原材料コストの高騰、こうした中でとりわけ中小の加工流通業界、こうした価格転嫁の弱い分野での企業が一そう資金繰りが苦しくなっていくだろう。特にこれは十二月に入ってからきわめて顕著な方向として出てくるのではないか、こういうふうに思うわけです。こういう点について、石油事情の中で、いま法案さえ通せばそれですべてがうまくいくのだ、こういうふうな甘い考えでないというふうなことは先ほど私も申し上げましたし、また、そういうことのないようにという大臣答弁もありました。この手だてがいま非常に重要だと私は思うのですよ。したがって、こういう点についてひとつ十分な措置というものをとっていただきたい、こういうふうに考えますけれども、金融措置だけではなくして、今日の石油問題に関連して政府がとっておる中小企業対策、この柱は一体どこに置かれているのですか、簡潔にひとつお答えをいただきたいと思います。
  121. 原山義史

    ○原山政府委員 金融問題につきましては、先ほど追加しました三千四百二十億円を地域ごとまたは業種ごとの需要、実情を十分反映して適時適切に行なうようにというふうに各三機関に対して通達しておるところでございます。  なお、金融問題については、ただこれだけの金額でもって足れりとするわけではございませんで、確かに先生おっしゃるとおり原材料不足の問題、あるいは休業資金というふうな問題が出てくる可能性がございますので、私どもも十分事態の推移を見守りつつ、逐次必要あらば金融の追加をしてまいりたいと思っておるところでございます。  なお、金融の問題とともに、中小企業関係に対しては物資不足のしわが非常に寄りがちであるというふうな点がございますので、この点につきましても、不足資材のあっせん所の開設等につきましてはことしの夏ごろからやっておりますが、さらに石油問題につきましても、必要量の確保につきまして、あっせん所の開設によって県単位に製品のあっせんを行なうという点につきまして鋭意検討を続けておるところでございます。  なお、この問題とともに下請問題がございます。下請関係にしわが寄るというふうなことが考えられますので、十一月二十六日に通商産業大臣と公正取引委員長の連名の通達によりまして、親団体百三十一団体でございますが、これに対しまして下請代金の支払いの適正化、それから親企業の減産の程度を上回る下請に対する発注量の削減はやめてもらいたいというふうなこと、それから原材料支給、それから納期についての配慮、適正な下請単価の設定等について要望したところでございまして、また中小企業庁長官より、中小企業団体百四十五団体に対しまして上記の趣旨を傘下の下請事業に徹底させまして、親企業から不当な措置を受けた場合は直接積極的に申し出てもらうようにというふうに通達したところでございます。これによりまして、しわが下請に不当に寄らないようにわれわれも十分監視してまいりたいと思っておるところでございます。
  122. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 法案の中身については昨日来各条にわたっていろいろな角度から討議をされておりますが、私は二、三の点について山形長官にお伺いをしたいと思います。  一つは、法案の十六条でありますが、十六条の最後のほうに「地方公共団体の長に委任することができる。」というふうにあるわけですが、この委任する内容、これはもちろん政令できめることになるわけでありますけれども、内容としてはどういうことを委任対象として考えておるのか、明らかにしてもらいたいと思います。
  123. 山形栄治

    山形政府委員 委任のやり方でございますが、現在確定はいたしておりませんけれども、現時点における私の考えを申し上げたいと思います。  この法案は、先ほど来出ておりますように、全体を通じて二段階がまえになっておりまして、一段階が行政指導前提にして、それを法文の根拠に置きまして、いわばゆるやかなる規制を行なうわけでございますが、その一段階目は、どちらかといいますと大口の消費等をきっちりつかみまして運営いたすのがたてまえに相なっておりますので、これは地方に全面的なる権限委任はしなくて済むんではないかと考えております。     〔稻村(左)委員長代理退席、委員長着席〕 ただし十一条の発動が行なわれましたような場合には、これは油種ごと及び取引系路等々、非常にこまかい規制の形になると思いますので、先ほども御答弁申し上げましたように、客観的なる基準をできる限りつくりまして、これを地方支分部局の長または必要に応じまして地方公共団体の長にも委任するという形になろうかと思います。
  124. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 これはさかのぼって私は十条と若干関連があると思いますからお聞きをするのですが、きのう来議論をされておりますこのあっせん所の問題でありますが、このあっせん所の機能については大体対象になる団体をお聞きしましたが、このあっせん所の持つ機能、それからこれに対して、いまお話がありましたけれども、この十条の場合、たとえば地方公共団体の長に委任をするというふうな場合の行政の指導介入の度合い、その行政機関というのは一体具体的に何をさすか、こういうふうな点についてお伺いします。
  125. 山形栄治

    山形政府委員 十条のあっせん業務でございますが、これはこの法律で根拠を置くわけでございますけれども、現時点におきましては、実際の必要性というのは非常に多く現出しておりまして、かつての鋼材、セメントそれから紙製品等々もすでにありせん所の実際の行為が進んでおるわけでございますが、石油類につきましても近く府県ごとにあっせん所を設けることにつきまして中小企業庁と了解が成立し、通牒を出した次第でございます。この場合に開きますあっせん所の窓口は、県単位及び通産局単位でございます。したがいまして、いま御質問に即してお答えしますと、県がまず受けまして、これを県単位でさばけない限りにおきましては通産局につないで、そこであっせん行為を行なうということに相なろうかと思うわけでございます。
  126. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 これはいま長官、簡単に県単位というふうにおっしゃっておりますけれども、各都道府県が一応の窓口になる、こういうふうなことでありましても、たとえばことしの夏ですか、問題になりました塩ビの際のああいう機関とも異なって非常に複雑であり、かつ内容が深刻だと私は思います。     〔委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕 したがって、これに地方の公共団体が、県なら県が行政介入をしていくというふうな場合の体制というものは非常にたいへんではないか、こういうふうに私は思います。その辺はまだ法律ができ上がっておりませんから、しゃくし定木に答弁をすれば、まだやっておりませんということになるかもしれませんけれども、その準備とかあるいは連携、連絡、そういう面についてはどこまで進んでおるでしょうか。
  127. 山形栄治

    山形政府委員 まだ法律が通っておりませんので、整備の点に非常に劣る点がございますけれども、何ぶんにも、いま御質問のとおり、石油につきましては非常に油種が多く、かつ県下の販売店のタンクの容量等の違いもあるわけでございます。本省機構といたしましても、私のほうの石油部はわずか二十九名であったわけでございますが、本省内部の総動員をかけまして、近くこれを実質的に五十五名に兼務のかっこうで運営する、いま緊急対策本部の設置が進んでおるわけでございますが、これから県側と、石油の実際の知識及びあっせん業務の運営のしかた等につきまして、県の機構、人員のそういう形での充実も前提にして、通産局を中心に指導といいますか、みんなで集まりまして説明会を開くなり、これから早急にそういう体制を進めていきたいと考えており、いま準備をしておる段階でございます。
  128. 渡辺三郎

    ○渡辺(三)委員 先月の二十一日に当時の石油の値上がり問題で、各地方の通産局あるいは都道府県の指導体制というものはまだまだ不備ではないか、こういうふうな御質問を申し上げまして、長官のほうから一定の当時の見解をお聞きしました。その後さらに私もきわめて注意をしながら各都道府県の今日の事態に対処する体制について聞いておりますけれども、残念ながら、非常に不十分です。その体制が十分にないと思うのですよ。したがって、今後こういう法律ができ上がって実際に法に裏づけられた仕事をするにしても、法律ができたから直ちにその体制がうまくいくというふうな簡単なものではないと思うのです。ですから、これは通産省としても資源エネルギー庁としても、手の込んだ、相当きめのこまかい指導を徹底してやっていただかないと、かけ声だけではきわめて不十分な結果に終わる、私はこういうふうに危惧をします。その点はひとついまのうちから十分に体制を整えていただかなければならない問題の一つではないか、こういうふうに思います。  時間が迫っておりますから、最後にお聞きをいたしたいと思いますが、これは大臣にも繰り返し質問が行なわれておったようでありますけれども、わが国のエネルギー対策、エネルギー政策というものを今後の産業構造の面で大きく変えていかないと、いままでのようなああいう高度経済成長政策というものは、それ自体が無理なんでありますから、できなくなると思う。ただ当面、中東問題を中心にした今日の混乱の中で、これもきのう言われておりましたが、わが国の独自の自主的な開発というふうな問題について、長官として一体どう考えておられるのか。  それからもう一つ、日本と韓国の合弁の石油の大型の中継基地をつくる、こういうふうな問題がいわれておるようでありますけれども、これについて一体エネルギー庁が具体的にどこまで関与をし介入をしておるのか、このかかわりについて、ひとつはっきり答えていただきたいと思うのです。
  129. 山形栄治

    山形政府委員 産業構造の問題につきましては、これは私の私見も入りますけれども、日本の産業構造問題というのは、国際的に見ますと、これは国際分業論の裏返しであろうかと思いますが、特に産業構造を考えますときに重視しなければいかぬ点は環境問題、立地の問題、それからやはりドルをかせがぬといかぬという意味での輸出競争力の問題、それから最近一番大きくクローズアップされております資源上の制約の問題等々があろうかと思うわけでございますが、いま私の関係といたしましてのこのエネルギーの問題が、やはり非常に大きな制約要件で出ておりますので、大臣からもお話がございましたように、急速にこれを省エネルギー化して、少ないエネルギーで付加価値の高い産業構造をつくりませんと、全国民の生活にも関係する問題だと思いますので、その方向で急速な産業構造の変更をはかるべきだと思うわけでございます。  資源の自主開発につきましては、こういう情勢下におきましてその必要性がますます強調されるべきだと思うわけでございますが、何ぶんにも資源開発というのは、非常に時間のかかる、また金のかかる仕事でございますが、こういうチャンスといいますか、こうい機会にもう一回想を新たにしまして、供給源の分散化及び日本近海の大陸だなの開発等々は急速に進めるべきであり、かつ新エネルギーの開発につきまして真剣に取り組む時期に来ておるのではないかと思う次第でございます。  韓国におきます石油の中継基地の問題でございますが、これは韓国にかかわらず、日本周辺に中継基地をつくるという動きは相当あるわけでございます。これの評価でございますが、私は、供給源を分散することを前提に、全部日本に石油基地をつくるべきではなく、中間地または中継地に基地をつくり、ここで、タンクだけではございませんで、精製も行なってもいいんじゃないか。それを精製製品輸入のかっこうで日本に入れても当然いいのではないかと考えております。これからは、立地問題も含めまして幅広く、日本国内だけでなく、日本近海、日本周辺、世界全体を前提にいたしまして、大局的に考える時期に来ておるのではないかと考える次第でございます。
  130. 稻村佐近四郎

    ○稻村(左)委員長代理 木下元二君。
  131. 木下元二

    ○木下委員 公取委員長は見えていますか。
  132. 稻村佐近四郎

    ○稻村(左)委員長代理 事務局長が参っております。
  133. 木下元二

    ○木下委員 通産省公正取引委員会の間でかわされました覚書は、独占禁止法違反のカルテルを合法化したものだといわれております。一方、本法案を見ましても、第十条のようなカルテル容認条項と見られる規定があります。そこで私は、主として法律的側面から覚書、カルテルの問題を中心にお尋ねいたしたいと思っております。ところが、公取委員長がお見えになっておりませんので、まずほかの問題から少しお尋ねをいたしまして、公取委員長が来られましてから、この独禁法あるいはカルテルの問題についてお尋ねいたしたいと思います。  本法案では、政府側の権限が強大になっております。これは、石油危機という緊急事態に対処する立法といたしまして、ある程度やむを得ないと思います。むしろ五条二項あるいは九条のように、政府に当然必要と思われる一定の命令権さえ与えられていないというような点は改めて、権限を強化してしかるべきだと思います。罰則も強化すべきだと思います。ただ、この法案に目を通しますと、政令または省令委任事項がやたらと多いのであります。この点は、法案自体として言うならば、単に権限の強化ではなく、権限の不明確をもたらすものだと思います。こうした政令または省令委任事項はカットするか、もしくは法令審査の段階でできるだけ内容の詳細を明確にすべきであると思いますが、この点はいかがでしょうか。
  134. 山形栄治

    山形政府委員 この法律に基づきます政令の規定でございますが、数はちょっと私、数えておりませんが、たとえば六条の第一項に三つございます。それから十六条、十五条にそれぞれ全部で三つございます。これらの政令は、どちらかといいますと手続的な規定を定めるもので、手続といいますと語弊がございますが、政令で定める期間、政令で定める数量ということでございます。ただし、この十一条の「割当て又は配給等」のところにございます政令は、実体規定でございます。しかしこの十一条は、いままで何回もお話が出ましたように、緊急時におきまして、非常に数の多い油種につきまして、それの特定の油種をどういう形で強度な割り当てまたは配給にするかということを機敏に行なう必要があるということで政令に譲られているものでございまして、ほかの政令事項とは違いますが、ほかの政令事項は、どちらかというと手続ないしは期間を定める基準というようなものでございまして、そういうふうに御理解を願いたいと思います。
  135. 木下元二

    ○木下委員 非常に短い時間でありますから、私の質問に簡明にお答え願いたいと思うのです。  いまのお答えはお答えになっていないのですよ。何も政令の性格を聞いているのじゃありません。法案審査の段階において、内容を全部とは言いません、少なくともその骨子、基本的な点は明らかにするべきではないかということをお伺いしておるのです。できるかできないかということをお尋ねしておるのです。簡単にお答えいただきたい。
  136. 山形栄治

    山形政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、実施的に、実体的に重要でございますのは十一条の政令でございますが、これは先ほど来説明しておりますように、対象石油、その割り当ての総量等々をきめるものでございますが、現在検討中でございまして、成案を得ておりません。総力をあげていまやっておりますけれども、でき次第御審議の途中におきましても御披露するということを申し上げておる次第でございます。
  137. 木下元二

    ○木下委員 いま一つの問題でありますが、この緊急に対処する政府の権限強化に対しましては、同時にこれをチェックし得る民主的なシステムが必要であります。この押えがなくていたずらに政府の権限ばかり強化すれば、これは必ず官僚統制の悪弊を生むことになります。たとえばこの十一条によりますと、政府配給制を実施すべきだと考えましたときに、政府は一方的にこれを実施できる、どのような配給制にするかもすべて政府の独断専行を許しておるということになります。     〔稻村(左)委員長代理退席、委員長着席〕  配給制などというのは国民生活に重大な影響を及ぼすものでありまして、中小企業に至りましてはもう死活にかかわる事態さえ招くのでありますから、四党案のように、これには政府がとるべき措置の大綱を定め、国会の議決を経て実施するようにするべきだと思いますが、いかがでしょう。
  138. 山形栄治

    山形政府委員 十一条のような場合には、非常に緊急、機敏を要する問題でございますので、政府が全員一致いたしまして、政令でこれを迅速に事態に対応するということでございます。ただし第二項におきまして、その「政令で定める事項は、その事態を克服するため必要な限度を超えるものであってはならない。」ということで、一応これが過当に拡大することは避ける規定も入っておりますので、政府責任におきまして統一的に運営をいたしたいと考える次第でございます。
  139. 木下元二

    ○木下委員 もうこれからの質問は公取委員長に対する質問がおもになりますので、公取委員長が来ないところで質問はできませんので、保留いたしたいと思います。ちょうど私の持ち時間は九分ほどありますから……。
  140. 濱野清吾

    濱野委員長 おいでになったそうですから継続してください。
  141. 木下元二

    ○木下委員 もう一つだけ通産省のほうに、先ほどの質問と関連いたしましてお尋ねいたしておきますけれども、国民各階層をもって組織いたします石油需給調整審議会、これは私ぜひとも必要だと思うのです。通産大臣は、石油問題に対処する機動性、迅速性から審議会にはなじまないというような答弁をされましたけれども、私はこれは誤まりだと思います。行政を進めるのはもとより通産省であります。個々の問題を審議会にかけるのではありません。本法を運用していく基本方針だとか、あるいは大まかな基準の設定であるとか、こういうことについて国民の声を反映させようというものであります。したがって、これは機動性、迅速性とは少しも矛盾しないし、官僚統制の弊をなくすためにぜひとも必要だ。なじまないというような予断を捨ててぜひともなじんでいただきたいと思うのです。この点、政務次官いかがでしょうか。
  142. 森下元晴

    ○森下政府委員 審議会の設置は民主的な一つの方法であると思います。しかし、今回の場合におきましては、非常に緊急事態に処しまして、早急に処置をしなければいけないというような性格もございますし、また国会という機能、いわゆる民主的に選ばれた国会議員によって構成されておる、そういう強いチェックの機関もございます。そういうことで、大臣のおっしゃいましたように、この法案において審議会でチェックするのはなじまないということを申し上げたいと思います。
  143. 木下元二

    ○木下委員 時間がありませんので、覚書の問題について公取の委員長に伺いたいと思います。時間がありませんので、ひとつ簡明にお答えいただきたいと思います。  この覚書は独占禁止法三十八条に違反しないかどうか、一言お答えください。
  144. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 違反いたしません。
  145. 木下元二

    ○木下委員 理由はなぜでしょうか。
  146. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 三十八条にその事件に関して云々とあります。つまり意見公表、事実公表の禁止規定は、これは私どもが具体的に独禁法違反事件として取り上げた事件に関して、その事実があるとかないとか、あるいは法令の適用について述べることをさすのでありまして、解釈することを禁止している規定ではございません。
  147. 木下元二

    ○木下委員 たとえば最近の公取委が摘発しました事件は、新聞報道にありますとおり、石油製品の価格を協定を結んでつり上げたり、あるいは元売りから末端業者まで含めた業界ぐるみのカルテルの疑いがある事件が見られます。これらは独禁法三十八条にいう事件であることは明らかだと思いますが、確認するまでもないと思いますが、どうでしょうか。
  148. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 そのとおりであります。
  149. 木下元二

    ○木下委員 これらの摘発された事件にかかわる行為というのが通産省の指示監督に基づいたものかどうかという点は調査しなければわからないはずでありますが、それを覚書は、通産大臣または主務大臣の指示監督に基づいたものであるならば独禁法には触れないと発表したのであります。だから覚書は、事件に関して、法令の適用について意見を外部に発表したことになると思います。だから一昨日の御園生参考人も、この点を独禁法違反だということを言われたのであります。いかがでしょうか。
  150. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 その覚書は、独禁法の解釈、一般的な適用基準についての見解を示したものでありまして、具体的な事件に関する意見を公表したものではありません。つまり、独禁法の解釈あるいはその統一的な見解、基準、こういうものは三十八条で禁止している対象ではございません。
  151. 木下元二

    ○木下委員 単なる法律解釈あるいは抽象的見解を発表する場合、これは例外になっておることは言うまでもありません。そうではなくて、現にカルテルなど独占禁止法違反の疑いのある事件が公取に係属しているのであります。その場合に、政府側の監督が及んでいたとすれば独禁法の禁止するカルテルではないんだというような意見を発表したことになるのではありませんか。
  152. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 覚書にあります行為は、カルテルになるような行為は含まない。カルテルと私どもが認めるような行為は含まない。具体的にいろいろこまかいケースがございますが、一切がっさい主務官庁でもって全部きめるということはおそらく実際問題として不可能でございましょう。民間の協力を求める、その協力措置というものはカルテル行為とは違う、こういうふうに私どもは一般的には申し方をしているわけです。しかし、具体的にそれがカルテルに化けてしまえば、その場合はこの覚書に該当しない行為になりますから、取り締まりの対象になります。
  153. 木下元二

    ○木下委員 政府指導監督に基づいた一定の行為はカルテルではないんだという覚書の発表であります。そこで、私がいま言っているのは、この前から摘発をされておるいろいろな事件があります。そういう事件の内容の行為がもしかりに、これは調査して見なければわかりませんが、政府のそうした、特に通産当局の監督に基づく行為であるとすれば、これは独禁法の禁止するカルテルにはならないんだという、そういう意見を発表したことになるのではないかと、こういうふうに言っておるわけであります。公取委に係属する事件そのものについて意見を述べたのではないといたしましても、少なくともその意見というのは係属事件に関係を及ぼすことは明らかではないでしょうか。そうでしょう。関係を及ぼすのではないでしょうか。
  154. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 私どもの見解は、あくまでそういうふうな関係を及ぼさないということでありまして、これは、いまおっしゃられた行政官庁の何か介入があって、そうして独禁法違反が行なわれているという、陰でそういうあれがあったといたしましても、私どもは、違反は違反である、勧告操短のようなものは、もうとうにこれは違反として扱うことになっておりますから、その趣旨と同じでございます。
  155. 木下元二

    ○木下委員 関係しないというが、なぜ関係しないのでしょう。やっぱり関係するんじゃありませんか。
  156. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 覚書のたとえば(ハ)と(ニ)に、標準価格等に関する規定の覚書がございます。しかしこれは、あとに合わせて読みますと、末端価格を監督官庁、主務官庁がきめた、そういう場合に、それを守らせるためにメーカーあるいは元売りが出荷停止をするということは、本来ならば違法行為でありますけれども、この場合、末端価格が政府によってきめられておる限りは違法性を持たない、こういうことを言っただけでございまして、いまおっしゃられるような係属している事件に云々というふうなことは、そういう心配はないはずでございます。
  157. 木下元二

    ○木下委員 この独禁法の三十八条というのは、事件そのものについての意見見解の発表ということではなくて、その事件に関する意見を述べてはならない、こうあるんです。だから、この覚書というのは、最近の一連の係属事件に関係するものであることは、委員長がどう言われようと、これは客観的に明らかだと思うんです。御園生参考人も述べておりましたように、これは公取自体が法律違反をしている。しかもこれはほかの法律ではありません。公取が武器として使うべき独禁法に公取自身が違反をしている、こういうことじゃないんですか。違反はないと言われますけれども、少なくとも経済法を専攻しておられる大学の先生が違反は明らかだと言われておるんです。少なくとも違反の疑いが濃厚だといわざるを得ません。この点はひとつ今後のこともありますから、厳重に注意をしていただきたいと思います。
  158. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 いま独禁法を専攻しておられる学者の意見だからとおっしゃられましたけれども、しかし、これは一人の方の意見でございまして、私どもの統一された公取委員会——それから、事件に関してとあるのは、あくまで具体的な、先ほど、立ち入り検査を行なった事件、これについて私どもが取り調べの途中であれこれ述べることはいけない、こう言っておるのでありまして、一般的基準をつくることを禁止しているものではございません。
  159. 木下元二

    ○木下委員 その点については、もう時間の関係で次の問題に移ります。  この覚書によって、政府の指示監督に基づくカルテル行為は独禁法の規定に抵触しないと確認されたわけでありますが、単なる行政官庁の覚書によりまして法律の適用の除外を設けるというやり方はきわめて問題だと思います。独禁法の適用除外をつくるというならば、これは御園生参考人も述べましたけれども、独禁法の中に、あるいは石油立法の中にその規定を置くべきではないか。私は実体論としてこうしたカルテルを容易に法律上認めるべきではないと考えますけれども、それはさておきまして、純粋な手続論として考えますときに、そのとおりだと思うんです。独禁法が禁止をしたカルテルを合法化するのに、法律によらずして通産、公取の覚書によるというのは、もうその点ですでに重大な瑕疵がある、こういわざるを得ないと思いますが、いかがですか。簡単にお答えいただきたい。
  160. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 私どもは、いかなる意味におきましてもカルテルを認めた覚えもないし、これからも認めるつもりはございません。ですから、覚書をどう解釈されようとも、私どもはそういうつもりでやったのではないし、相手方である通産省も、それから企画庁もその点は認めておられます。
  161. 木下元二

    ○木下委員 ちょっと通産省のほうに伺いますが、特にこの初めの通産省の原案では、業界のカルテル行為と見た上で独禁法の適用除外を置くという構成であったと聞いております。それを公取が反対して結局構成が変わった。この経過から見ましても、カルテルでないというのは、黒を白と言いくるめるような、作為的な、擬制的な印象が強いのであります。私はこの覚書で定められた行為ははっきりカルテルだと断定いたしますが、ただ、その点の議論はあとにいたしまして、いまお尋ねいたしたいのは、この覚書で定められました行為というのはカルテルでない、こう言われるのですが、初めからカルテルでない行為をカルテルでないとなぜ確認する必要があったのですか。これも一言でお答えいただきたい。
  162. 森下元晴

    ○森下政府委員 独占禁止法の精神はあくまでも守らなければいけないし、カルテル行為はあくまでも排撃しなければいけない。そういうことで、いまおっしゃいましたように、それであれば別にこういう覚書をつくらなくてもいいじゃないかと言われましたけれども、現在の急迫した情勢で急遽いわゆる発動するような場合に、こういう覚書の内容を取りかわすことによりまして、カルテル行為に入らないように十分通産省としても心してこの法案を守っていきたい、そういう意味もございまして、あくまでも自主的に通産省が個々の業者に価格を指示していく、こういう方法でやっていく、結論は絶対にカルテル行為をやらさない、こういうことを強く申し上げたいと思います。
  163. 木下元二

    ○木下委員 ちょっといまの言われた意味がよくわかりませんが、カルテル行為をやらさないようにつくった、この覚書に書いてある一定の行為というのは、これはカルテルではないのだ、だからこれはどんどんやりなさい、こういうことでしょう。カルテルではないのだ、だからこれはやっていいのだ、やれ、こういうことですね。なぜそういうことをする必要があったかと聞いているのですよ。
  164. 小松勇五郎

    ○小松政府委員 ただいまの政務次官のお答えを補足して御説明申し上げます。  立法作業の過程におきまして、ただいま御指摘のような案文が盛り込まれて、これが独禁法の例外になるようにという規定が討議されたことがあったのは御存じのとおりでございます。ただし、それはあくまでも業界のカルテル行為あるいは共同行為を認めようという趣旨のものではございませんで、この覚書にありますような異常事態におきましての石油製品の増産だとか、需給緩和のための措置その他につきまして業界に協力を政府が求めます場合に、初めての事態でございますので、これが独禁法上いかなる解釈になるのか、不明な段階がございまして、そのときに念のために独禁法の例外だということを書いたらどうかという意見があったという経緯でございます。その後、公正取引委員会におきましていろいろ御審議の結果、この覚書にございますように、政府の施策に関する協力措置であって、主務大臣または通産大臣が指示監督いたしまして、事業者または事業者団体が行なうこういう行為は、独禁法の規定には抵触しないということがはっきりいたしたわけでございます。先ほどから委員長がおっしゃっております御意見通産省は完全に意見が一致いたしております。
  165. 木下元二

    ○木下委員 非常に短い時間ですので、私の質問に対してお答えいただきたいと思うのですよ。それは質問に答えてないのですよ。  カルテルでないと言われるのでしょう。カルテルでないなら、別にこれをカルテルでないというふうに確認する必要がどこにあったのか、こう聞いているのですよ。いま言われた中でいみじくも言われましたけれども、独禁法上いろいろ不明な複雑なややこしいことがあって、そこらを解明する意味でここにはっきりしたのだ、こういう意味ですか。つまりここに書いてある行為というのは、カルテルの疑いがある、疑いがあるけれども、よく検討、吟味してみるとカルテルではないのだ、こういう見解に立って、疑いがあるけれどもカルテルではない、こういう確認をしたのだ、こういうことでしょう。そうでなければ、カルテルでないことがもう明らかであるのに、これをカルテルでないという必要はさらさらないと思うのです。いかがですか。
  166. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 カルテルであるものをないとするために覚書をつくったのではありません。カルテルでない限界、ここまでならば違法なカルテル共同行為にはならない、この範囲にとどまる、必要最小限度の範囲で、しかもそれは具体的に主務官庁の介入がなければならない、こういうのが私どもの見解でございまして、その必要最小限度の範囲に抵触しないものとしてきめたにすぎませんので、限定的なものでございます。
  167. 木下元二

    ○木下委員 私は、カルテルであるものをカルテルでないというふうに認めた、こういうふうにほんとうは思っているのですが、いま私が質問したのはそうではなくて、少なくともカルテルの疑いがある、その疑いがあるのをカルテルではないというふうに確認したんだ、こういう意味ではないのかという、あなた方の立場に立って聞いておるのですよ。  もう私、時間がないので、その点についてこっちから聞きますけれども、公取が通産省とこういう覚書によって独禁法上の解釈にかかわる問題について確認を行なうということは全く異例のことだと思うのですが、過去にありましたか、一回でも。あったかなかったか。
  168. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 同じようなケースについてはなかったと思います。
  169. 木下元二

    ○木下委員 かつて公取は価格協定事件につきまして判示をいたしております。「私的独占禁止法の運用のためには、公正取引委員会なる独立の官庁が設けられているのであり、これを、裁判所の再審査条件として唯一の公権的解釈及び適用の機関となしている。」と判示をしているのです。この宣言を公取はみずから破ったことになると私は思うのです。通産省とこういう確認をしているのですから。さらにまた、この独禁法違反のカルテルの疑い、少なくとも疑いが濃い行為であります。これはお認めになると思うのです。さっきから私、言っておりますように、もう全くカルテルではない、疑いさえない、そう言うのだったら、何もこういうカルテルでないという確認をする必要はないのですから。いま公取委員長も言われましたように、限界をきめるという意味におきましても、いろいろ疑いがあるものを明確にした、こういう意味だと思うのです。ということは、裏を返せば少なくとも疑いが濃厚であったということなんです。これを独禁法の除外規定を設けるという方法をとらずに、あるいはまたこれはカルテルではないと言われるわけなんでありますが、そうだとすれば、独禁法違反でないという法律上の確認規定を置くという方法が必要だと思うのですけれども、そういう確認規定を置くという方法をとらずに、単なる役所同士の覚書でカルテルでないと確認するというのは一体どんなものでしょうか。国会でつくった法律の抜け道みたいなことを官庁間でつくり出すことになると思うのです。これは国会軽視もはなはだしいと思います。  特に指摘をいたしたいのは独禁法の四十四条であります。「公正取引委員会は、内閣総理大臣を経由して国会に対し、この法律の目的を達成するために必要な事項に関し、意見を提出することができる。」こういう規定であります。この規定の趣旨からしましても、立法手続をとらないというならば、公取としてはまず国会に意見を提出すべきであったと思います。国会をないがしろにするように通産当局と覚書をかわしたこと、これは少なくとも軽率のそしりを免れないと思います。これは国民は納得いたしません。いかがでしょうか。
  170. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 今回のこの緊急二法案について、その事態の緊急性は十分に認識しなければならぬと私どもも思っております。だから独禁法について、民間の協力がすべて独禁法違反であるというふうに一々なったら、民間はおそれをなして協力さえも拒むことがあるでしょう。ですから、主務官庁が必要な限度において、共同行為ではない、個々の業者等から必要な資料を徴求するというふうなことは当然必要な事項でありますから、あくまで目的が政府の施策に対する協力の範囲にとどまる限りは、これをカルテルとして摘発することはないということを示しただけでありまして、それ以上のことをすれば、当然独禁法に抵触します、こういう趣旨でございます。
  171. 木下元二

    ○木下委員 その点は、いろいろ弁明されましても、どうしても納得できないところであります。  そこで、次の問題でありますが、この覚書に規定されました行為、これはさっきからカルテルではないと言われる。その理由は一言で言うとどういうことですか。
  172. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 カルテルとは、まあ通常カルテルと呼んでいますが、不当な取引制限のことでありまして、これは法律条文によれば、つまり民間の事業者同士が共同して価格をきめたり数量制限を行なったりする行為を言うのであります。でありますから、特に法律に基づく権限で行政官庁が十分具体的な介入を行ないながらある程度の話し合いをする、それが法の執行上どうしても必要である限りにおいては、私どもは、それを一々違法な、不当な取引制限であるというふうに認定するのは度を越している場合もあると思います。ですから、必要最小限度の範囲でもって、一定条件もとでやるものは不当な取引制限には該当しない、こう申し上げているわけです。
  173. 木下元二

    ○木下委員 カルテルの本質は、いま言われたことは私も認めます。ところが、そうしたカルテル行為というのは、政府の施策に対する協力と決して相いれないものではないと思うのです。たとえば、この場でいま業者が流通過程あるいは価格の問題などについて話し合いをしておるといたします。こうした行為はこのカルテルに該当する場合があるでしょう。取引制限をする、ところが同時に政府の施策に対する協力という一面をあわせ持っている場合だってあると思うのです。そうでしょう。どうですか。
  174. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 もちろん私はそういう場合があると思います。ただし、正面から法律で認めるということは、いわば底なしになってしまいますから、その点は違います。
  175. 濱野清吾

    濱野委員長 あるという場合があると言っておりますから、そこでどうですか。
  176. 木下元二

    ○木下委員 私、十時までということですが、ちょっと時間がおくれた関係で五分ほど超過いたします。これは私の質問が長くなったということではなくて、始まるのがおそかったわけでありますから……。
  177. 濱野清吾

    濱野委員長 わかりました。
  178. 木下元二

    ○木下委員 政府の施策に対する協力という一面があれば、業者間の競争制限行為がカルテルでなくなるということではない、これはもう当然だと思うのです。そうだとすれば、この業者の競争制限行為であっても、政府への協力的な側面があればそれはかまわぬのだということになると、これは、よいカルテルは認めて悪いカルテルはいかぬということにするのだということになります。ことばをかえて言いますと、政府指導監督が行なわれても、それによってカルテルの実質はなくならないと私は思うのです。もしカルテルの実質を失わしめるというのであれば、そのような指導監督というのは一体どういう行為なのか。どうでしょうか。
  179. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 たとえて申しますと、数量の面では、いま物不足の時代で、石油は特に最初の発端をなしております。石油にもいろいろな種類がたくさんございます。種類がたくさんございますが、需要者の側にもいろいろな団体がある。いろいろな需要者の業界がある。これらについてその希望と供給力とを突き合わせれば、必ず大きなギャップがあるわけでございますね。需要するものと販売するものとは、その数量においては大きなギャップが現在あるわけです。ですから、それを政府が、たとえばプロパンガスならプロパンガスでもいいですが、あるいは灯油というようなものに重点を置く、灯油の量は確保するとなれば、ほかのものを多少押えるということになりますから、そういった問題について、政府通産省の非常に忙しい間に直ちにそれを行なうのには、全部その業者との話を封じてしまうというのは、私は行き過ぎだろうと思うのです。政府がその間に総量をきめる、そして個々に、取引先が複雑でありますから、そういうものについても話し合いをある程度させますが、それはちゃんと監視、監督してやる、そうして結果においてもそれを通産省がきめるならきめるのだ、こういうことになれば、民間同士でかってに行なうカルテル行為とは相当性質も異にするし、目的も全く異にする。違法性があるかないかということの認定だと思います。ですから、その範囲を逸脱すれば、その機会を利用して業者のエゴだけを貫こうとするものであるならば、それはここにある協力措置にはなりません。協力ということをどう読むかということでございますが、協力措置は共同行為を意味するものではございませんから、その点ぜひ誤解のないようにしていただきたいと私どもは念願しておるわけでございます。
  180. 木下元二

    ○木下委員 私は、政府が個々の業者に対しましてじかに一々具体的に指導監督を行なう、業者がそれに協力をする、その範囲ではこれはカルテルではない、これは当然のことですよ。横の業者の共同行為がないわけですから。しかし、そうではなくて、業者間の横の共同行為がある以上は、幾ら指導監督をやってもこれはやはりカルテルになる、これは理屈からいえばそうだと思うのです。たとえば、卸業者の会合に通産省の役人がやってきていろいろ指導監督をする。灯油の小売り価格は三百八十円、これを守れるようにひとつ業者のほうで配慮をしてもらいたい、こういうふうに指導をする。そこで業者のほうでは、一次卸の価格を幾らにするか、二次卸の価格を幾らにするか、自由に話し合ってきめるということになれば、これはやはりカルテルだと思うのです。一次卸の価格あるいは二次卸の価格を政府が直接きめれば、これは別ですよ。そうでない以上はカルテルであります。それからまた、たとえば家庭用灯油をどうするかということは、当然、産業用灯油あるいは軽油、ガソリン、そうした関連商品の扱いにも関係してまいります。こうした関連商品の価格について、ついでに業者の話し合いが進むということになれば、これもカルテル行為があるということになるわけであります。その点はお認めになるでしょう。
  181. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 いまおっしゃられましたその中間の価格、これを協定するとか、その他の例をあげられましたが、これはまさにそのとおりでございます。
  182. 木下元二

    ○木下委員 もう時間がいよいよ来ましたので、最後に結論として申します。  いろいろお尋ねしたいことがあったわけでありますが、結論として申しますが、結局、この覚書によりまして、いわゆる政府の施策に対する協力措置が公然とあたりまえに行なわれるようになると思うのです。ところが、これは実質的にはカルテル行為を伴うということであります。これはいま委員長も、私が具体的な例を示しましたけれども、それに伴って起こるであろうカルテル行為をお認めになったと思うのです。昨日公取委員長は、こうしたカルテル行為というのは事実として起こるかもしれぬ、なくなることを期待する、こういうふうな答弁をされましたけれども、私はこれは無責任だと思います。これまでもたとえば四十八年度のやみカルテルに対する破棄勧告の件数は四十八件であります。一月から計算いたしますと五十六件であります。特に石油商業組合関係は十三件にも及んでおります。しかも、この覚書によりまして独禁法違反のカルテル行為が続発をする新たな危険を生ぜしめたのであります。新聞は、総カルテル時代への道を開いたと報道しております。独禁法を厳守し、独禁法違反をきびしく取り締まるべき責任のある公取と通産当局がこうした覚書を取りかわしたことははなはだ遺憾であります。公取と通産当局は責任を痛感してこの覚書を破棄すべきだと強く要請いたします。  それから最後に、それとともに、この独禁法を厳正に運用していく姿勢を堅持すべきであると思います。たとえばカルテルなど違反者に対する告発あるいは刑事罰の適用もほとんど形骸化している現状でありますが、こうしたもとでやみカルテルで現実に引き上げられた価格は一向に下がらない。あるいは違反行為が繰り返し行なわれ、しかもこれが激増のおそれなしとしない。こうしたときに独禁法の厳格、公正な適用、運用を特に要請いたしたいと思います。最後に一言答弁をいただきたい。
  183. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 この覚書の解釈あるいはその運用はもちろんでございますが、独禁法全般の運用につきましては、従来以上にむしろだんだんにきびしくするというくらいの考えでございます。いままででも私はやわらげたという気持ちはありません。むしろ強化してきたと思いますが、さらにこの異常事態を迎えまして、独占禁止法違反行為に対してはきびしい態度でもってこれを処理するということを考えております。
  184. 濱野清吾

    濱野委員長 宮田早苗君。
  185. 宮田早苗

    ○宮田委員 だいぶおそくなりましたが、短い時間でございます。答弁はできるだけ端的にお願いをいたします。  その前に、まずこの法案が提出されたわけでありますが、言うまでもなく今日の異常事態をどう打開をするか、それは同時に、供給と需要のバランスを保つ、しかも国民にしわ寄せをしないようにというこのことが趣旨じゃないかと思っております。  そこで、まず経済企画庁にお願いいたしますが、石油事情が流動的で経済見通しも立てられないのだということを各閣僚がおっしゃっておいでになるわけでございますが、考えてみますと、来年度の予算の編成という時期に到達をしておるわけでございます。そのときになりながらも、いまだに来年度の経済見通しが立てられないという状態では、はなはだ困るんじゃないかと思います。そこで、次官にお願いいたしますが、大体のところ、来年度の経済見通しというのはもうおそらく出てきておるのじゃないかと思っておるわけでございますので、その点についてまず御答弁をお願いをいたします。
  186. 竹内黎一

    ○竹内(黎)政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のように、石油の事情が流動的でありまして、来年の経済見通しが従来以上に策定しにくいという事情は御指摘のとおりだと思いますが、そのような事情にかかわりませず、私どもとしましては、四十九年度の経済見通しにつきましては、二十一日の閣議報告をめどに現在その作業を急いでいる次第でございます。
  187. 宮田早苗

    ○宮田委員 特に私がまず要望しておきますのは、供給と需要のバランスというものが、いまのところ、石油というものが一つの問題点としてとらえられておるわけでありますが、考えてみますと、わが国の経済は石油だけじゃないと思うのです。もちろん石油がすべての産業に関係しておるのは事実でございます。しかし、その産業そのものが国民の生活に与える事態というのは非常に大きいものがあるわけでございまして、いま石油だけに目をとらえられておる。もちろんそうなければならぬと思いますけれども、それ以外のこの需要という問題についてのバランスをくずさないように、ひとつこの際特にお願いをしておきます。  そこで、石油の問題に移らせていただきますが、まず石油の備蓄政策に関連をしてお尋ねをいたします。  エネルギー調査会の答申に基づきまして、政府は、四十九年度の備蓄量を六十日分とするのが今回の石油危機が到来するまでの目標であったというふうに聞いております。ところが現実には、この構想は絵にかいたもちのようなものになってしまいました。わが国の石油精製各社の原油並びに製品備蓄量にはかなりの開きがあるようにいままでの答弁からも聞くわけでございますけれども、どの程度が考えられておるか、何日ということでお答えを願いたいと思います。
  188. 山形栄治

    山形政府委員 備蓄につきましては、九月末の備蓄日数が五十九日であったわけでございます。十月は入着が順調でございまして、やはり五十九日で推移いたしておりますが、十一月末現在におきましては、若干の備蓄の食いつぶしがございまして、五十七日程度でございます。十二月につきましては、おそらくこれがもうちょっと下がることに相なろうかと推定されるわけでございます。
  189. 宮田早苗

    ○宮田委員 そうしますと、OPECやOAPECからの原油供給が各社同率に続けられた場合、国内の産業界には強気の石油各社も操業ができなくなる事態も考えられると思うわけですけれども、この点はどういうふうに各社間の融通をされるものかということをひとつお伺いします。  さらに、原油からちょっと離れますけれども、来年一月−三月のLP供給は、政府が公表しております以上にはるかにきびしくなっておるというのが石油各社の見方と思います。一〇〇%輸入に依存をしておりますところと一〇〇%国内精製品に依存しておるところというふうにあるわけでございまして、OAPECの一月からの削減、例の五%上のせということがもし実施されるということになりますと、LPガスの製品輸入は非常に困難になるのじゃないかというふうに私は思います。そうなりますと、末端小売り店での、系列化されたいまの販売機構から見まして、需要家の受ける影響はたいへんなものになりはしないか。LPガスの融通をどう考えられておるかということをお聞きいたします。  もう少しつけ加えて申し上げますと、さっき通産大臣は、石油の今日の事態を招いたのは中東戦争というものが非常に大きな原因だ。もちろんそうかと思います。しかし私は、LPガスに関する限り中東戦争が大きな契機というふうには思われないわけであります。と申しますのは、LPガスは輸入と国内精製の過程の中で出るものと半々じゃないかというふうに推測をするわけであります。そこで、中東のほうから輸入をする場合に、容易に輸入できたはずであります。ところが、個々の設備その他の関係かもしれませんけれども、そういう点について若干の政府の手抜かりがあったんじゃないか。そこにこのLPガスの不足を招いた非常に大きな原因がある。さっき申し上げましたように、来年一月五%の上のせがされますと、せっかくのこのLPガスがまたまた入らなくなるということから、いま私が申し上げました質問でありますが、そういう点を踏まえて御答弁をお願い申し上げます。
  190. 山形栄治

    山形政府委員 全般的な石油の備蓄につきましては、御指摘のとおり、石油各社のタンクの容量とか、タンカーの着桟能力、それから原油処理能力等に差がございますので、現状の備蓄は若干の食い違いが各社あるわけでございますが、これはわれわれのほうで非常に大問題でございますので、先般、石連の中にわれわれの指示に基づきまして石油需給対策本部というものを設けさせまして、緊急時における原油段階の融通等も行ないやすいようにいま手配をいたしておる段階でございます。  それからLPGの問題でございますが、LPGはこれも御指摘のとおりでございますが、国産が半分、輸入が半分でございます。しかし、その国産といいますのは原油の処理から出てくるわけでございますので、やはり原油のカットがそのまま影響するわけでございます。ただいま私のほうの推算でございますと、ことしの下期におきましては、当初の生産がどうしても一割減らざるを得ないと考えております。輸入のほうは現段階ではわりあいに入着が順調でございますが、これもまた非常に不幸なことに中東地域が七割でございます。これはサウジアラビアとクウェートから輸入されておるわけでございますが、これの価格が非常に暴騰を示しておりまして、先ほども大臣から、ちょっとほかのことのときにお話がありましたように、一月一日から二・八倍の通告がなされておるわけでございます。今後のLPGはそういう意味で、原油のカット、それから輸入ものの大幅な価格の上昇、それからスポットの輸入がいま非常にとりにくくなっておりますので、やはり輸入の減ということを若干考えざるを得ないと思いますので、今後は産業用その他ほかの用途をできる限り転換して、民生用のLPG及びタクシー用のLPG、両方のものの確保をはかっていくことでいま立案を急いでおるわけでございます。
  191. 宮田早苗

    ○宮田委員 下期一〇%の削減をしなければならぬ、こうおっしゃっておるわけですけれども、私もいままでの質問をずっと聞いておりまして、下期というものが対象になっておるわけでございますが、下期と申しますと、もうすでに三カ月済んでおるわけでございます。あと残りますのは一月、二月、三月ということになるわけでございまして、このままでいきますと、これは単純計算でいきますと、一〇%が一月から二〇%になる、こういうふうに私ども見るわけでございます。そうなりますと、民生安定ということについていろいろ配慮はされておりますものの、よりトラブルというものがそこに起きてくるんじゃないかというふうに思っておるわけでございますので、そういう点もうちょっとひとつお答えを願いたい。  もう一つは、将来の希望も含めて質問いたしますが、備蓄体制というものがわが国はたいへんおくれておる。おくれておるということよりは整っていないんじゃないかというふうに思っておるわけであります。特に民間企業の原油備蓄基地の建設に対します反対運動というものも一つのネックになったと思いますが、重化学工業を中心にした成長政策のためでなしに、国民福祉向上のために必要なエネルギーをたくわえるという観点から、石油開発公団に備蓄の機能を持たせたらどうかというふうに思うわけであります。自主開発原油を全体の三割にするという長期的な考えは特に推進をして当然というふうに思っております。少なくともそういう処置をして西欧並みの九十日から百二十日分のストック水準を一日も早く実現する用意をすべきじゃないかというふうに思っておるわけでございまして、これは将来の希望も含めてでございますので、そういう点についてのお考えがありましたらお聞かせを願いたいのです。  それから時間の関係上もう少し申し上げます。石油のストックに関連をいたしましてお伺いいたしますが、石油化学コンビナートに隣接をしております発電所には当然重油パイプで送られておるわけでありまして、これまではこのパイプ方式が最大のメリットということで発電所ができておったわけでありますが、今日のような状態を迎えますと、当然備蓄タンクの設置が必要になってくるんじゃないかというふうに思います。そういう問題についてどのようにお考えか、あわせてお聞かせ願いたい。
  192. 山形栄治

    山形政府委員 LPGの一−三の削減率でございますが、御指摘のとおりすでに十月、十一月が過ぎておりますので、通期一〇%程度の削減というのは、より加重されたかっこうでこれからの一−三で消化しなければいかぬことに相なると思うわけでございます。ちなみに、現在家庭用と都市ガス用の合計のLPGの需要がちょうど五〇%でございます。あと工業用、大口特殊用、化学原料用等があるわけでございますけれども、この辺の産業の用途を極力民生用に振りかえるのがこれからの課題であろうかと考えます。ただ、ここで一つ申し上げたいのは、公害対策にからんだ面が若干ございますので、その辺はあくまで公害対策を優先しなければいけませんので、これから製法の転換等も含めまして努力いたしたいと思うわけでございます。  それから原油の備蓄の将来の問題でございますけれども、御指摘のとおり、日本はこれから極力努力して原油の備蓄をふやさなければいかぬと思うわけでございまして、その点、公団による政府備蓄的な構想というのは当然考えられるわけでございます。現在、石油部会という審議会の機構で、将来の備蓄のあり方、そのときだれが負担するのか、政府はどういうふうにかぶるのかということにつきまして、鋭意検討していただいておりまして、近く御審議結論も出るかと思いますので、その辺も参考にして今後の方向を考えていきたいと思います。  それからコンビナート関係の問題でございますけれども、現在、石油精製と電力等がコンビナートを組んでおります場合には、これは当然パイプでもってつながっておりますので、特別に火力側に備蓄能力が必要でないわけでございますけれども、いわゆる電力等が単独で建っておりますときには備蓄基地は当然必要なわけでございます。これについては立地問題がいま最大の問題でございますので、今後はやはり政府相当関与いたしまして、管理の整った備蓄基地を共同でつくるというのも一つの案ではないか、こう考えますけれども、この辺も将来非常に大きな問題でございますので、検討いたしてまいりたいと存じます。
  193. 宮田早苗

    ○宮田委員 自主開発原油の確保に関しまして、今度は政務次官にお尋ねいたします。  わが国の新しい技術開発のあり方に最大の問題があると思います。事石油に関しましても、日本列島周辺の大陸だな開発を私企業にまかしたままでいいのかどうか、ばく大な資金と長い時間を要する開発につきまとうリスクを何とか国がめんどう見るべきだという声が非常に今日強くなっておりますが、この点についてどうお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
  194. 森下元晴

    ○森下政府委員 石油資源のないわが国におきまして、非常に有望な地域はいわゆる大陸だなでございます。その開発につきまして、民間企業にのみゆだねていいかどうか、国が強くこれを推進すべきである、こういうような御意見であると思います。この大陸だなの石油、それから天然ガス資源の開発の促進は非常に重要でございまして、国としても、昭和四十五年度から、水深二百メートル、これは大陸だなの範囲でございますけれども、これの基礎調査を行なっておりますし、採鉱に関します石油開発公団の高率の投融資、開発に対する特利、特ワクの開銀融資も行なっておるし、また現在、大陸だな石油開発法制の整備、石油開発公団の強化等の施策の充実によって検討を進めたい。非常に有望な地域でございますので、強力に進めていって石油資源の確保につとめたいと思っております。
  195. 濱野清吾

    濱野委員長 宮田君、時間が来ましたから……。
  196. 宮田早苗

    ○宮田委員 時間が来ましたので、もう一問だけで終わります。  電力制限についてお伺いいたします。通産省は、節電呼びかけの効果があまりあがらないことや、一月からの石油削減強化に備えまして、契約電力五百キロワット以上の事業所にも電気事業法第二十七条を適用する方針ということになっております。そのために国民は、一体どのような方法をとるのかという非常な不安にかられておるわけでございまして、当然事業所には優先順位をつけねばならぬという考えもあるでしょう。また、カットの率をどうするかということも考えておると思いますが、そういう点についてお答えを願いたいと思います。特に一月から実施いたします消費電力の基準月をどこに置くか。これはLPガスも電気も同じことなんですけれども、十一月を基準にして一〇%の削減ということにいたしましても、十二月は特殊な月でございますから、二〇%以上の削減をしいられるということになるわけでございまして、こういう問題について実際に電気を使用しておる国民はたいへんに不安を感じておるわけでございますので、こういう問題についてどのようにお考えになっておりますか、最後にお聞かせ願いたいと思います。
  197. 森下元晴

    ○森下政府委員 現在の電力エネルギー源は七〇%を火力に求めております。そのほとんどが石油でございまして、石油削減によって電気に大きな影響を及ぼしていることは先生のおっしゃるとおりでございます。それで、この五百キロワットといういわゆる大口の電気使用、これは電気事業法に示してある一つの数字でございますけれども、いわゆる大口電気使用者に対しましては、電力利用の限度の設定、そういうものを通じて節電をしてもらうとか、またネオンとか広告の不急不要の電気使用制限、それから休電日の設定、この三つの手段を具体的に実施の方法によって検討をしておるわけでございます。  なお、一月以降の節電の基準はどれであるか、係が参っておりますので、その係より説明させます。
  198. 岸田文武

    ○岸田政府委員 削減の場合の基準の問題でございますが、何か一定の月をとりましても当然季節性の問題が起こってまいります。私どもは今後、節減の呼びかけをし、あるいは規制をするという場合には、このような季節性を織り込んだ規制方法を考えていきたいと思っております。
  199. 濱野清吾

    濱野委員長 次回は、明十四日午後六時から理事会、六時三十分から委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後十時三十一分散会