○
八木(一)
委員 その五十年から、五十一年からということがありますけれ
ども、これはまことに大幅過ぎると思いますので、これは四
段階、せめて五
段階で切っていただきたい。それから長く延ばすならば、一年や二年じゃなくて、これは五年なり七年なり延ばしていただかなければ、ほんとうに問題にならないと思うわけです。
一つ指摘をしますと、先年四十七年に田邊誠
委員の質問に対して、北川
局長が答弁をされていますが、
健康保険法の問題について上限はどのくらいのたまりを考えているかというときに、二ないし三%のたまりを考えているということを答弁をされているわけです。二ないし三のたまりを考えているといたしましたならば、
健康保険で三十六
段階ですね。それで
日雇い健康保険で、今度八
段階にしようとされるわけですね。そうなればたまりは八分の三十六、四・五倍のたまりで
健康保険並みになるわけであります。そうしますと、いまたとえば六級以上のものが、たまりが全部合わせて六か七になると思うのです。片方のほうの
健康保険法のたまりは二ないし三として、二とすると四・五倍ならば九のたまりがあってしかるべきだ。それから三とすれば、一三・五のたまりがあってしかるべきだということになるわけです。そうすると、六等級以上で六か七になる。五等級以上で二八ぐらいになると思う。少なくとも二十万円以上の人、たとえば二十五万円でも三十万円でも、
健康保険法ではたまりがありますから、同じ
保険料しか取っていないわけです。それと対応したならば、少なくとも六等級以上は切るということをしなければ、
健康保険とのバランスがとれないということになろうと思うのです。たまりのバランスからいくとそういうことをぜひ考えられてしかるべきだと思うわけです。それを特に
健康保険並みに考えたとおっしゃるけれ
ども、これは沿革から、それから
制度から、対象者から、
内容から見て、
健康保険並みに考えるということ自体が、これは間違いです。
健康保険よりも
保険料の負担が非常にしんどい、そういう
状態を考えて、あらゆる点で
健康保険よりは労働者の
実態に合った対処をされるべきだ。ところが、ここでは
健康保険並みのこともしておられないわけです。
健康保険では二十万円以上のたまりを二ないし三%とられている。そうしたら、三十六
段階を八
段階にすれば、四・五倍であれば、二としても九以上のたまりがあっていい。それから三とすれば、一三・五のたまりがあってしかるべきだ。そうしたら、六まででとどまるのは当然でありますけれ
ども、五までとどめても
日雇労働者健康保険については、
健康保険法に比較して厚い考え方をするというならば、それでも
健康保険のバランスが合うわけです。それを一ぺんに八
段階にするというのは、たいへんな問題であろうと思うのです。特に、この数年前から五倍になった
保険料が、二年後にまた五倍になる。二十六円が六百六十円、七、八年ではね上がる。ほんとうに急激過ぎて、対象若にとっては気の毒だ。厚生大臣聞いていただいていますか。ぜひそれは考えていただかなければならないと思うわけであります。
それからもう
一つ、この
保険料自体に問題があるわけでございます。
保険料は
日雇労働者健康保険法は、総報酬制で取られている。普通の
健康保険は、標準報酬制で取られている。普通の
健康保険の対象者は盆暮れのボーナスがある、退職金がある、そういうものは
保険料の算定に入らないで、月額
定期的に入るものだけを算定標準報酬で割って、それで
保険料率をかけておられる。それでそういうものは千分の七十二ですね。ところが、今度日雇いのほうは千分の六十四にされた。ボーナスを少し要件に入れたと言っておられる。一・七四だけ要件に入れたということをいって、千分の六十四にしておられるわけだ。そんなものでは困ると思う。ボーナスは一般的にはそんな少ないものではありません。厚生省が資料のもとにされたものは、三・四三か何かの四十七年の資料をもとにして、そして失対労働者等に幾ぶんの盆、暮れのボーナスがあるということを勘案して、その半分を要件にされたという御
説明であります。時間がありませんから、
局長から答弁されなくても局のほうから聞いておりますから。そういうようなことです。それではいけないのであって、ボーナスというものはもっと多くなってくる。四十七年よりも四十八年、四十九年は多くなった。そしてこの標準も高いところの、大規模なところで賞与率は高い、大規模なところで賃金もよくて、その他の労働条件もいい人は高いボーナスをもらっているのに、それは
保険料算定に入らないで、比較的に安い
保険料を取られるということになるわけです。これを考えるときに、平均で取ってはいけません。一番高い、大企業のボーナスが八カ月も出るようなそれを基準にして、その人
たちは負担能力あるけれ
ども、それは
保険料に入っていないわけです。それから賞与の出た一番高い人を基準にして、それだけの分が総報酬制だから換算しなければいかぬといって、それを差っ引いてそして
保険料率を設定しなければならない。そうなれば千分の六十四じゃなしに、千分の五十ぐらいにしなければならぬような要件があるわけです。
そういうことをしっかり考えていただきたいと思うわけです。公務員の人
たちも期末手当と勤勉手当と合わせると、年末と夏と年度末と合わせると約五カ月になる。それを少ないところの統計を入れたもので、三・四で、また失対労働者にもそういうものがあるからということで半分に設定して、それで千分の六十四というところに問題があるわけです。一番ボーナスの高いところを問題にして、その比率で総報酬制を標準報酬制に
改善をする、そういうことでなければならないと思うわけであります。
特に、先ほどの問題の関連を申し上げておきますと、この一番高い八
段階とか七
段階とか六
段階に関連のする人は、民間の山林に働いている人にこの関連が非常に多いわけです。この人
たちはボーナスはゼロであります。盆、暮れも期末も何もありません。そしてまた退職金もありません。厚生年金の適用もありません。非常に重労働でございますから、名目賃金は多いけれ
ども、盆、暮れのボーナスもなく退職金もなくて、しかも職場に行くまでにわずか一日に一回か二回しか交通機関がないから、自動車も自分で買ってガソリンも負担をしてそこまで行かなければならない。そういうものが賃金に入っているわけです。そうしたならば、その賃金ははるかに低く見て、そして料率をかけてするのが公平である。特に過疎地帯で重労働で働いておることを考えれば、それ以上に配慮してもしかるべきだと思うのです。ところが、このようことのために、百三十円が一ぺんに六百六十円に
昭和五十一年度からはね上がる。あまりにも残酷な
制度ではないかと思うわけであります。いま、それならば
傷病手当金が上がるじゃないかといわれるけれ
ども、率直にいえば、労働者にとって
医療給付というものが
医療保険の大部分の大切なものであります。病気になるかならないかわからないということが第一、病気になったときに
医療給付がその中の一番大切なものである。
傷病手当金はそれの付随的なものである。支出を見ても、この
日雇労働者健康保険法の支出、その中の
医療給付の支出が大部分であります。一〇〇のうち九九まで
現行だったら
医療給付金であります。将来これが
改善されても七%ぐらいにすぎません。その
傷病手当金がふえることはいいですけれ
ども、それをかせにして
保険料が一ぺんに五倍にはね上がる。しかもはね上がる人はボーナスがない、退職金がない、そういう人
たちであります。そういうことを考えられると、ほんとうにこの八
段階制というのは過酷なものである。これをせめて五
段階制にぜひ切っていただきたい。五
段階制に切るということは、労働省のほうも——失業保険の
段階をふやすようにわれわれは主張はしておりますれけ
ども、
政府が一体になって、厚生省も労働省も同じようにバランスをとるということにもつながるわけでございます。そういう点でこの八
段階制を五
段階制にとどめおくというようなことをぜひ考えていただきたい。将来を顧慮されるならば、どんな場合でもこのような過酷なことは、五年か七年ぐらいは延長するという考え方に立っていただくべきであろうと思うわけであります。
時間がないので、責められておりますから、一問一答で申し上げたいことを全部一発で申し上げます。
非常に急速な
保険料値上げで、前に五倍になったものが一両年後にさらに五倍になる、この労働者の気持ちをぜひ考えていただきたい。
医療給付も同じであります。ですから、ほんとうにそれだけ負担が、毎日の生活が苦しいということにつながるわけです。
〔山口(敏)
委員長代理退席、枝村
委員長代理着席〕
そして、しかもこれは労働省との
関係でいけば八と三というアンバランスがあります。そしてまた
保険料の中にはこのようなボーナス算定が十分に考えられていないという点があります。そしてボーナスのない、特にその
段階の高いところに当たる人は、一番苦しいところがぶつかるわけです。そういうことをぜひ考えていただいて、ぜひ八
段階制については、これを考え直していただく、五
段階制ぐらいにとどめていただくということが必要だろうと思います。
政府のほうはお出しになったら、確信を持って出したという立場をとられると思いますが、そのような
政府のメンツとか立場ではなしに、ほんとうに労働者の、対象者のことを考えていただいて、このことをひとつ熟慮していただいて、他のわれわれの同僚
委員の
村山さんや島本さんやその他の
委員が御質問になられますが、そのときまでにひとつりっぱな対処をお考えいただきたいと思いますが、まずもって私のこの質問に対しては、そういうことは確かにそうだ、そういうことは考えなければいけない、そういう積極的な御答弁をぜひいただきたいと思うわけであります。ぜひ体面やメンツにこだわらずに、ほんとうに対象の労働者のことを考えていただいて、その点を、私の要望に対し積極的な御答弁を賜わりますように要請をいたします。