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長谷川国務大臣 二、三日前に、何とか自由
労働組合の——組合の名前はもう忘れましたけれ
ども、ニジンスキーさんという人の名前は覚えています。そういう
方々が三名ほど
日本に来まして、そして各大臣を表敬したいということだったらしいです。しかしながら、よその国は、
労働組合の幹部が来たからといって、なかなか大臣が会わぬのだそうです。しかし、せっかく呼んできたからだれか一人ぐらい会えというふうなことだったらしくて、私がその番に回ったわけです。
そこで私は、お見えになりましたから、おすわりになったとたんに、とにかく、
日本に一、二度お見えになった皆さん方、よくいらっしゃいました。それと同時に、
労働省によくおいでいただきました、御訪問いただいてありがとうございましたと、こう非常にやわらかく申し上げたとたんに、
日本の公務員にスト権をやっていないのはけしからぬ、何がけしからぬ、かにがけしからぬという話になったものですから、私も日
本人ですから、思わず、一体それはあなた、ここへ表敬にお見えになったんですか、抗議しにお見えになったんですか。ILOの話をよくあなたがされますけれ
ども、ILOでは、公務員のスト権の
問題等々は
日本の国内問題として片づけろ、こういうふうな話になっておりますので、私のほうは実は公務員
制度審議会をつくってやっているのでございます、こういう話を申し上げたんです。
〔斉藤(滋)
委員長代理退席、山口(敏)
委員長代理着席〕
それぞれの国はそれぞれの国情に合って
仕事をしております、アメリカに行って、あるいは西ドイツに行って、公務員にスト権を与えろという
お話をあなたはされたことがありますか、もしそういう話があるなら参考に聞かせてもらいたい、こう私は実は申し上げたんです。ILOは二月二十七日に、スケジュール闘争は違法ストであると勧告をしていただきました、そういうこともあなたはよくおわかりでございましょう、処分の問題についても勧告が出たことは知っております、こういう問題についても、わが国内においてば、いろいろまた話し合いをしているものがございますと言って別れたようなことでございまして、私は、
日本は自主独立の国です、参考意見は
幾らでも聞きますけれ
ども、そういうふうに、こう世の中ががたがたしているときに来て、抗議のような話というのは、ちょっと私、心にひっかかっているものでございます。こういう気持ちでお別れしたということをお伝え申し上げておきます。
橋本さんの話は、まあこれは党人でございまして、こういう時期に談話を発表されたから、それぞれ受け取り方がだんだんあるかと思います。私な
ども、影響力のある人であればあるほど、その真意はどういうものか、こう思っているわけでございますが、さて、お互いこういう場所にいる者からしますというと、公務員
制度審議会でいろいろ検討し、ILOのいろいろな話な
ども聞く間に、やはり三公社五現業に——三つ案かあったわけてしょう、三者並列、その中には、できるものからやったらいいんじゃないかという話もあり、そしてILOの結社の自由
委員会の中では、専売とかそういうものについては将来検討すべき課題じゃないかという実は勧告をいただいて、私たちがここで御議論していることも御
承知のとおり。それらのものを取り上げてお言いになったものであって、
制度としてこれをいま徹底的にやるかやらぬかということは、連絡
会議において鋭意検討している。何さま長い
日本の将来の
制度につながることであり、経営につながることであり、あるいはまた国会の審議につながることでありますから、一部の
方々には、性急な結論を出さないのはけしからぬと言われながらも、そういう
制度問題であるだけに、やはりちょっと慎重を要するというのが今日の段階じゃないか、こう
理解しているものであります。