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松村政府委員 江東デルタ地帯の
河川の耐震
対策の問題でございますけれ
ども、確かに
江東デルタ地帯は
地盤沈下によりましてほとんどの区域が満潮位以下というような低い地帯になっておるわけでございます。したがいまして、満潮の場合に
地震が来たときの脅威というのは
先生御
指摘のとおり非常に危険なものでございます。この
対策といたしまして、まず外郭堤防、荒川の右岸堤、それから隅田川の左岸堤、それからこれに付随する水門、これにつきましては、伊勢湾台風級の高潮、また
関東大震災級の大
地震、こういうものにも構造的には安全な
程度にしましてこれは完成しておるわけでございます。したがいまして、これが問題は一応技術的にまずわれわれとしても安全と見ておるわけでございますが、問題は
内部河川の問題でございます。この
内部河川の問題につきましては、
先ほど簡単に御
説明しましたように、東西二つに分けまして、片方は水位を低下するということで
地震時におきましてのはんらんをないようにしよう、また高いほうの部分につきましては、これは耐震護岸というような形でもって非常に基礎等にくい打ち等をやりまして強固な護岸をつくっていこうという、二本立てで進めているわけでございます。
それでこれらのものの
安全性についてもう少しふえんいたしますと、外郭堤であります荒川の右岸堤、これは土の堤防でございますけれ
ども、堤防敷幅におきまして約五十五メートルというような相当
安全性の高いものであります。したがいまして、
地震の際にこれが一挙に崩壊しましてはんらんするというおそれはまずないものと
考えております。また、隅田川の左岸堤防につきましては、既設護岸の前面に木ぐいあるいは鋼ぐい、こういうものを打ちまして、これは堅固なる
地盤まで届いているわけでございますが、この上に鉄筋コンクリート擁壁をつくっております。しかし、この鉄筋コンクリートだけでは
地震の
程度等においては
安全性にさらに問題があるというようなことで、その背後に築堤、盛り土をしているわけでございます。約五メートルないし二十メートル幅の盛り土をして押えておる。こういう二重構造にしておりまして、
関東大震災級の大
地震が発生した場合に、あるいは亀裂等のこういうような発生等は起こると思いますが、これが一挙に崩壊するというようなおそれはないように
措置をしておるということでございます。また、水門とか閘門、こういうようなものにつきましても、十分その基礎につきましては、ニューマチックケーソンとかあるいは鋼管ぐい、こういうものでかたい基礎盤まで打ち込んでおりまして、基礎の耐震構造は十分考慮しております。また、これの排水機場等の
地震時における電気がとまって動かないというようなことにつきましては、排水機場の動力というものは実は全部ディーゼルエンジンにしておりまして、モーターを使っておりません。また、水門等の開閉、これにつきましても、動力はモーターでございますが、自家発電装置等も併用して安全を期しておるというような状況で、われわれといたしまして現在の
地震に対します
対策については十分考慮している
予定でございますが、まださらにこれについて一そう検討を加え完全なものにしていきたいというふうに
考えております。