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金丸(徳)
委員 だんだん時間が迫りましたので、私はこれ以上お尋ねを申し上げることを、この場合は遠慮
——遠慮というとおかしいのですけれども、控えたいと思います。といいますのは、問題を新しくいたしますと、また時間が足りなくなります。
ただ、私はいまのお答えを承りながら、あらためて思ったことですけれども、なるほど他にはもっと広い、二つを合わせたよりももっと広いほどの
地域を持った
演習場があるかもしれません。しかし、あの地帯というものは、繰り返し申し上げますように、特殊地帯なんです。ことに京浜あるいは広く関東平野などの中心地帯として非常に大事な大事な、理想的に守らるべき自然
環境の地帯であるべきなんですね。だから、よそではそういうふうなぜいたくな、と言っては失礼かもしれませんが、十分なる演習上の
使用地域、
使用方法があるにいたしましても、あの地帯においては、いろいろなことを
考えながら、できるだけつましく
——演習場なんかないほうが、私の
考えには合うのです。かりに必要だとしましても、その
演習場というものは、きわめてつましく、きわめて犠牲の少ないような、一般に心配の起こらないような
使用方法、
使用計画、
使用体制でなければならないと思うのです。
いま国民の一番大事な関心は、この狭い国土をどうみんなで分けて使うかということなんです。いま政治の最大の課題だといわれている。そのときに、もう少しつましく演習をするとするならば、二つを一つにしてもいいのじゃないかという
使用計画が成り立たないものかどうか。そこまで真剣に
考えて国民に訴えて、初めてこれは
環境保全上、自然
環境を保持する上において、決して理想ではないけれども、やむを得ざるに出た
措置でありますからという国民への訴えになると思うのです。その誠意なり、その努力なりが、今日までやられておるのでありましょうか。それは
アメリカさんから言われているのだから、やむを得ないと言われれば、それまでなんです。それまでなんですけれども、それをもなおかつ押して、
アメリカさんにも理解を得、
自衛隊の皆さんにも納得してもらって、この地帯のこの
状況の中だから、不便ではあろうけれども、この程度の施設でやってくれよという努力が続けられてこそ、私は国民が納得すると思うのです。
そして、いまの
段階においてほんとうに国土防衛の責任をとるとするならば、国民の納得と協力なくして
自衛隊の責任は果たせるものではありません。そうじゃないですか。国民の不満を買うことを
承知の上で国民に心配をかけるような中で演習をしても、その演習は私は国民からの協力を得る戦力にはならぬと思うのです。この点はどうでありましょうか。いま
地元は納得しているかのように言われましたけれども、この問題は、
地元の一部の人たちが、ある種の
条件の中で納得したからどうということで解決さるべき問題じゃないと思いますよ。この
法律にも言われておりますように、日本の象徴として、あるいは全世界の人々の憧憬の的として守らなければならないと第一条にうたってある。これほどとうといものなんです。だから、それに非常な災害の種をまき散らしたり、国民からしますれば、
自衛隊さん、少しいまの
段階においてぜいたくではありませんかなどという
使用体制の中では、ほんとうの
意味の国土の防衛の責任を果たせる力は出てこないと思う。この点、どうなんでしょう。
もう時間が参りましたから、お尋ねを締めるにつきまして、政務次官、私は、きょうは
長官においでいただいて、
長官のほんとうの高い
立場からのお返事をいただきたかったのでありますが、これは後日にまた譲らせていただきます。これを補佐なさっておる政務次官として、ほんとうの腹の中から、
自衛隊のためにも、国民のためにもなる
措置を、この
法律制定のこの
段階において私は言明していただきたいと思います。どうぞそういう
意味において、ごまかしでなくて、言いわけでなくて、おれもこう思うのだという心底からの御
答弁をちょうだいいたしたいのであります。