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1974-02-12 第72回国会 衆議院 公害対策並びに環境保全特別委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十九年二月十二日(火曜日) 午前十時三十九分
開議
出席委員
委員長
角屋堅次郎
君
理事
坂本三十次君
理事
登坂重次郎
君
理事
林 義郎君
理事
島本 虎三君
理事
木下
元二
君
戸井田三郎
君 八田 貞義君 渡辺 栄一君
岩垂寿喜男
君 小林 信一君
米原
昶君 岡本 富夫君
稲富
稜人君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
環境庁長官
)
三木
武夫君
出席政府委員
環境政務次官
藤本 孝雄君
環境庁長官官房
長
信澤
清君
環境庁長官官房
会計課長
竹谷喜久雄
君
環境庁企画調整
局長
城戸 謙次君
環境庁自然保護
局長
江間 時彦君
環境庁大気保全
局長
春日 斉君
環境庁水質保全
局長
森
整治
君
委員外
の
出席者
特別委員会調査
室長 綿貫 敏行君 ――
―――――――――――
委員
の異動 一月二十一日
辞任
補欠選任
中島
武敏
君
米原
昶君 二月七日
辞任
補欠選任
小宮 武喜君
稲富
稜人君
同月十二日
理事中島武敏
君一月二十一日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
木下元二
君が
理事
に当選した。 ――
―――――――――――
昭和
四十八年十二月十四日
PCB
、
水銀汚染防止
の
緊急対策
に関する
請願
(
土橋一吉
君
紹介
)(第一四四号) 同月二十日
公害
による
集団移転
のための
関係法令
の
整備
に 関する
請願
(
橋本龍太郎
君
紹介
)(第二七四 号)
公害監視測定器材整備費
に対する
国庫補助率引
上げ等
に関する
請願
(
橋本龍太郎
君
紹介
)(第 二七五号)
中小業者
の
公害防止対策費助成
に関する
請願
(
荒木宏
君
紹介
)(第三二〇号) 同(
神崎敏雄
君
紹介
)(第三二一号) 同(
正森成
二君
紹介
)(第三二二号)
昭和
四十九年一月九日
中小業者
の
公害防止対策費助成
に関する
請願
(
青柳盛雄
君
紹介
)(第五〇五号) 同(
栗田翠
君
紹介
)(第五〇六号) 同(
紺野与次郎
君
紹介
)(第五〇七号) 同(
庄司幸助
君
紹介
)(第五〇八号) 同(
土橋一吉
君
紹介
)(第五〇九号) 同(
中川利三郎
君
紹介
)(第五一〇号) 同(
平田藤吉
君
紹介
)(第五一一号) 同月十七日
公害防止強化
に関する
請願
(
木下元二
君
紹介
) (第六七九号) 同(
多田光雄
君
紹介
)(第六八〇号) 同(
中島武敏
君
紹介
)(第六八一号) 同(林百郎君
紹介
)(第六八二号)
PCB
、
水銀汚染防止
の
緊急対策
に関する
請願
(
中島武敏
君
紹介
)(第七六二号) は本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
昭和
四十八年十二月十九日
水銀
、
PCB
の
排出禁止等
に関する
陳情書
(第九二号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
理事
の
補欠選任
公害対策
並びに
環境保全
に関する件(
公害対策
並びに
環境保全
の
基本施策
) ――――◇―――――
角屋堅次郎
1
○
角屋委員長
これより
会議
を開きます。
理事補欠選任
の件についておはかりいたします。
理事中島武敏
君が去る一月二十一日
委員
を
辞任
され、
理事
が一名欠員となっております。この際、その
補欠選任
を行ないたいと存じますが、先例により
委員長
において指名するに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
角屋堅次郎
2
○
角屋委員長
御
異議
なしと認め、よって、さよう決しました。 それでは、
木下元二
君を
理事
に指名いたします。 ————◇—————
角屋堅次郎
3
○
角屋委員長
公害対策
並びに
環境保全
に関する件について
調査
を進めます。 まず、
環境庁長官
から
所信
を伺うことといたします。
三木環境庁長官
。
三木武夫
4
○
三木国務大臣
第七十二回
国会
における
衆議院公害対策
並びに
環境保全特別委員会
の審議に先立ち、私の
所信
を申し述べます。
中東戦争
を契機とする
石油危機
により、はしなくも
わが国
の
経済成長
の基盤は、限りある
資源
の上にあまりにも立ち過ぎていることが明らかになりました。
わが国
は、これまで、
資源
の
有限性
に対し今日のごとく深刻に考えず、
資源
を消費し、生産の拡大と
物的生活
の向上を追い求めてまいりました。しかしながら、このことは
公害
の
発生
と
自然環境
の
破壊
をもたらし、
国民
の健康を害し、
生活環境悪化
という深刻な事態を引き起こすに至ったのであります。 今日、
国民
はだれ一人として
環境
問題の
重要性
を認識せざる者はなく、いまや最大の
政治課題
の
一つ
となってまいっております。 限りある
資源
は
石油
のみではありません。きれいな空気も、澄んだ水も、豊かな大地もかけがえのない貴重な天与の
資源
であります。 全人類が共有するこの有限な
資源
をいかに有効に利用し、子孫のためにいかにして確保すべきかを真剣に考え始めているとき、
わが国
のみがこの
資源
を大量に消費しつつ、ひとり高い
経済成長
を遂げることは、もはや許されなくなりました。 いまや、
わが国
にとって、
一つ
の
時代
は終わりを告げ、
資源
多消費型の
産業構造
や
生活様式
の転換をはかるべき新たな
時代
へ、大きく一歩を踏み出すべきときに来たことを痛感するものであります。これがまた
公害防止
、
環境保全
並びに
資源
の
保全
の道にも通ずるものと考えます。 私は、
環境庁長官就任
以来、
環境
問題の解決に最大限の努力を傾注してまいりましたが、残念ながら緊急に解決すべき
課題
はまだまだ山積しております。私は、われわれに課せられた至上の命題であるこの
環境行政
の
前進
のため、引き続き全力を傾注する覚悟でありますが、当面次の事項に重点を置き、
所管行政
の積極的な
推進
をはかってまいりたいと考えております。 まず、第一は、
公害規制
の
強化
をはかるため、新たに
総量規制方式
を採用することであります。 すなわち、
各種公害
にかかる
環境基準
や
排出基準
の設定、
見直し強化
に引き続きつとめるとともに、
規制
をより有効ならしめるため、特定の
地域
における
汚染物質
の
排出総量
の
許容限度
を定め、その範囲内に
排出量
を押えるいわゆる
総量規制方式
を採用してまいりたいと考えております。 このため、現在、
大気汚染防止法
の一部
改正
を検討中であり、成案を得次第、今
国会
に提出する予定であります。 次に、
公害
の
発生
及び
自然環境
の
破壊
を
未然
に
防止
するため、
各種
の
公共事業
の
実施
及び
地域開発
について、その計画の各段階において
環境
に及ぼす影響の内容及び程度、
環境破壊
の
未然防止策等
について事前に
十分評価
を行なういわゆる
環境アセスメント
をさらに積極的に
推進
することとし、そのための手法の
開発
、
審査体制
の
強化等
をはかってまいりたいと考えております。 また、
瀬戸内海
の
環境
の
保全
に資するため、さきの
国会
において
瀬戸内海環境保全臨時措置法
が成立いたしました。 目下この法律に基づく
各種
の
措置
を講じつつあるところであり、先般
汚濁負荷量
を二分の一に減少させるための
府県別限度量
を決定いたしましたが、引き続き
諸般
の
施策
を早急に確立するとともに、東京湾、伊勢湾についても
水質汚濁
の
シミュレーション調査
を
実施
する等、
広域水質汚濁対策
の一そうの
推進
をはかってまいります。 また、
水銀
、
PCB等
の
有害物質
や
カドミウム等
の
重金属類
によるいわゆる
蓄積性汚染
の問題は、緊急に解決すべき重要な
課題
であります。すでに、
水銀等汚染対策推進会議
の決定に基づき、
全国
の
環境調査
を
実施
するとともに、
水銀使用工場
における
クローズドシステム化
の促進、
底質
の
除去等
の
対策
を講じ、日本の海域を浄化するため今後引き続き
対策
を
推進
するほか、新たに、
休廃止鉱山
による
カドミウム等
の
環境汚染
について広域的な
調査
を
実施
する等
諸般
の
施策
を強力に
実施
する
所存
であります。 不幸にして
公害
により
健康被害
を受けられた方々の救済に万全を期することは、最も緊急を要する
課題
であります。 昨年、
公害健康被害補償法
が成立いたしましたが、さらにその
整備
をはかるための所要の
法改正
を行なうとともに、その
実施
に当たる組織の
整備
をはかるなど、
諸般
の準備を進めているところであり、今秋にはこの制度の完全な
実施
をはかっていきたいと考えております。
公害対策
を
推進
するためには、
公害発生メカニズム
の解明、
公害防止技術
の
開発等
が不可欠であります。そのため
国立試験研究機関等
の総力を結集して
試験研究
を強力に
推進
していくとともに、本年三月には
筑波研究学園都市
に、
公害
に関する中核的かつ総合的な
試験研究機関
としての
国立公害研究所
を設置し、
公害行政
の一そうの
前進
をはかっていきたいと考えております。
公害
の
防止
と並んで、いま
一つ
の重要な
環境行政
の柱は、
自然保護
の
推進
であります。 美しい国土、豊かな自然を保護し、これを次の世代に伝えるのは、われわれに課せられた責務であります。これがため、昨秋明らかにした
自然環境保全基本方針
にのっとり、また現在
実施
中の
全国
にわたる動植物の分布、地形、
地質等
に関する
自然環境調査
を基礎として、積極的な
自然環境保全政策
を進めてまいる
所存
であります。 以上、私の
所信
の一端を申し述べましたが、今後とも本
委員会
及び
委員各位
の一そうの御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第であります。 何とぞ、よろしくお願いいたします。(拍手)
角屋堅次郎
5
○
角屋委員長
以上で、
三木環境庁長官
の
所信表明
は終わりました。 次回は、来たる十九日火曜日午前十時
理事会
、午前十時半
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十九分散会