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1974-05-22 第72回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月二十二日(水曜日)     午後一時十一分開議  出席委員    委員長 勝澤 芳雄君    理事 大竹 太郎君 理事 斉藤滋与史君    理事 中村 弘海君 理事 野中 英二君    理事 井上  泉君 理事 野坂 浩賢君    理事 平田 藤吉君       阿部 喜元君    越智 通雄君       片岡 清一君    左藤  恵君       野田  毅君    板川 正吾君       太田 一夫君    久保 三郎君       紺野与次郎君    沖本 泰幸君       渡辺 武三君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 徳永 正利君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      秋山  進君         警察庁交通局長 渡部 正郎君         通商産業大臣官         房審議官    江口 裕通君         運輸省航空局長 寺井 久美君         運輸省航空局技         術部長     中曽  敬君  委員外出席者         警察庁交通局交         通規制課長   久本 礼一君         警察庁交通局運         転免許課長   塩飽 得郎君         防衛庁長官官房         防衛審議官   伊藤 圭一君         環境庁大気保全         局自動車公害課         長       小林 育夫君         大蔵省主税局税         制第二課長   福田 幸弘君         通商産業省機械         情報産業局次長 野口 一郎君         運輸省自動車局         整備部長    田付 健次君         海上保安庁警備         救難監     船谷 近夫君         建設省河川局次         長       堺  徳吾君         自治省税務局府         県税課長    福島  深君     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件  航空交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 これより会議を開きます。  ただいま野中英二君外四名から、自由民主党日本社会党日本共産党革新共同公明党民社党の五党共同提出にかかる航空交通安全対策に関する件について、委員会において決議をせられたいとの動議提出されております。  本動議について議事を進めます。  この際、提出者から趣旨説明を聴取いたします。野中英二君。
  3. 野中英二

    野中委員 ただいま議題となりました航空交通安全対策に関する決議案につきまして、自由民主党日本社会党日本共産党革新共同公明党民社党を代表いたしまして、私からその趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    航空交通安全対策に関する件(案)   今日わが国においては、国内定期路線にエアバスとよばれる大型航空機が逐次導入されつつあることを背景として、航空の安全に対する社会的関心が極めで高くなつてきている。   よつて政府は、航空交通の安全に万全を期するため、次の諸点について今後とも所要の措置を強力に推進すべきである。  一、航空保安施設等整備及び保安、運航、整備要員の確保を図るとともに教育、訓練の充実に努めること。  二、航空機故障防止対策に万全を期すること。  三、緊急時における救急施設の改善に特段の努力を図ること。   右決議する。   〔拍手〕  次に、その趣旨について申し上げます。  最近の航空輸送の発達は目ざましいものがあり、航空機大型化高速化がはかられております。  わが国においても、ボーイング747型機、ロッキード一〇一一型機という大型航空機が導入され、国際線及び国内幹線に逐次就航しつつあります。  一方、近時不幸にもトルコ航空所属大型航空機DC10型機及びパン・アメリカン航空所属ボーイング707型機の事故が発生し、大きな社会的影響を与えたことは記憶に新しいところであり、国民の間には航空交通の安全に対する関心が急速に高まってきています。  ここにおいて、航空交通の業務に携わる官民の関係者にあっては、今後とも航空交通の安全のための諸施策を強力に推進し、事故を未然に防止することによって国民要請にこたえていくことが必要であります。これがこの決議案提出する理由であります。  委員各位の御賛同をお願いいたす次第であります。  終わります。(拍手)     —————————————
  4. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 これにて趣旨説明は終わりました。
  5. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 おはかりいたします。  野中英二君外四名提出の動機のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  6. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。  この際、政府より発言を求められておりますので、これを許します。徳永運輸大臣
  7. 徳永正利

    徳永国務大臣 ただいま御決議をいただきました趣旨に沿いまして、航空交通完全安全対策に万全を期してまいる決意でございます。(拍手
  8. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 なお、議長に対する報告及び関係方面に対する参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  10. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 次に、交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。大竹太郎君。
  11. 大竹太郎

    大竹委員 御承知のように、ついこの間交通安全に関するいわゆる白書が出されました。これを拝見いたしますと、幸い自動車事故昭和四十六年以来三年間引き続いて減少の傾向にある、こう述べられておりまして、昭和四十八年度における道路交通事故発生状況数字が発表されております。これを見ますと、死者数が一万四千五百七十四人、負傷者数は七十八万九千九百四十八人であるというふうに報告されております。幸いにして逐次減少方向にあるということは非常にけっこうなことであります。  しかし、死者一万四千人ということ、これはいろいろな読み方があると思いますが、これをたとえば一日に換算してみますと一日四十人以上の人が、これはもちろんまとまってはいませんけれども、なくなっているということであります。この間たとえば伊豆でああいうお気の毒な事故があって、二十何人の方々がなくなられたといって、そう言っては語弊があるかもしれませんが、大騒ぎをしておるわけでありますが、自動車事故は、まとまっていないけれども、その倍近くの人間が毎日死んでいるということ、これはなかなかたいへんなことではないかというふうに私は思います。  また、負傷者七十八万九千人ということでありますが、これはいろいろな見方があるかもしれませんが、一億強の人間がいる日本に換算してみますと、大体年間に十三人に一人ばかりの人間自動車事故でけがをしているということになるわけでありまして、十三人に一人年間自動車事故にあうのだということになると、われわれもなかなか油断していられないわいというような気になるわけであります。  そういうようなことを背景にいたしまして、次をこう読んでまいりますと、自動車運転者が主原因者となった事故は全体の八五%を占めているということが書かれております。  そういたしますと、この自動車事故対策とでも申しますか、交通安全というものを考えました場合に、運転者対策といいますか、優秀な運転者を養成するということが、少なくともこの交通安全対策において第一番に取り上げられなければならない問題じゃないかと実は考えるわけであります。  そういうようなことで、ずっと続けてこれを読んでまいりますと、陸上交通の安全に関する施策というものが出ておりますが、この運転者教育充実というものが、どうもこの順序から見ましてもあとのほうにちょっと書かれているにすぎないように思われて、非常に残念でならないのであります。  こういうような関係からいたしまして、優秀な運転者をつくるのには一体どうあるべきかということを中心にして、きょうは御質問を申し上げたいというふうに考えるわけであります。  そこで、まず第一に、現在のわが国自動車運転免許制度、これが一体どうなっているかということをお尋ねをいたしたいと思います。
  12. 塩飽得郎

    塩飽説明員 ただいま、運転免許制度運転者をどうするかという御質問だと思いますが、現在運転者を生み出すまでの、どこで最初に習うかということにつきまして、いま一番多いのは、自動車教習所というのがたくさんございますから、そこで自動車運転を習ってこられる、あるいはまた、そうでない方は、どこか別なところで練習をしてこられて、そして警察公安委員会で行ないます試験を受けるという形になっておるわけでございます。  試験内容につきましては、適性検査あるいは学科試験、それから運転技能試験、この三つについて行なっておりますけれども、やはり指定自動車教習所で習ってこられる方が非常にたくさんおられます。ちょっと数字を申し上げますと、毎年普通自動車とか大型自動車で二百四、五十万ぐらいというかなり合格者が出ておりますけれども、そのうちの大体七二、三%ぐらいまでは自動車教習所で習ってくる、そういうふうなことになっておりまして、優秀な運転者が生まれますようにつとめておるところでございます。
  13. 大竹太郎

    大竹委員 そこでお尋ねをしたいのでありますが、いまのお答えによりますと、大体毎年運転免許を受ける人の七〇%強ぐらいが指定自動車教習所教習を受けて免許をとるということでありますが、それに関連してちょっとお聞きしておきたいのでありますが、現在日本全体で運転免許を持っている人間はどれくらいあり、そして指定自動車教習所を経て運転免許をとった人間がどれくらいあるか、これをまずお聞きしておきたいと思います。
  14. 塩飽得郎

    塩飽説明員 ただいま日本全国運転免許証を持っております、いわゆる免許人口と称しておりますけれども、これは、大体三千百万人ぐらいの数になっております。三千百万人と申しますと、人口一億としましてかなりのパーセントではございますけれども、その中で教習所を卒業してきた人ということになりますと、教習所制度発足以来かなりの人数がその中に含まれておりますので、いまちょっと急にどれぐらいと正確な数字を思い出せませんけれども、少なくも半分以上、相当な数が卒業者であるというふうに考えております。
  15. 大竹太郎

    大竹委員 そこでお尋ねをいたしたいのでありますが、いまのお答えでもわかりますように、少なくとも現在運転免許証を持っておる人間の五〇%以上——先ほど、年々免許証をとる者の数の七〇%以上というお答えでありますから、おそらくこの全体に占める割合というものは年々、五〇%だとすればだんだんそれはふえていくものだというふうに考えてもよろしいと思うわけでありますが、昭和四十五年の四月の二十四日、地方行政委員会で可決されました道路交通法の一部改正法律案がございますが、この附帯決議がございまして、これは七項目かのことを決議内容としているのでありますが、その第六項にこういうのがございます。「指定自動車教習所の果す役割の重要性にかんがみ、早急にその保護育成に努めること。」という項目がございます。当時の審議の模様その他につきましては、詳細承知しておらないのでありますが、私がいままで質問いたしましたように、自動車事故をなくするためには自動車運転者を優秀ならしめなければならない、それには、指定自動車教習所というものを保護育成しなければならないというこの結論に達して、こういう決議がなされたものだろうというふうに思うわけでありますが、こういう決議——もちろん当時の自治大臣はこれにこたえて、十分決議趣旨に沿うようにやってまいりますというおことばもあったと思うのでございますが、これに対してその後、どういうような処置を今日までとってこられているのか、お答えをいただきたいと思います。
  16. 渡部正郎

    渡部政府委員 お答え申し上げます。  指定自動車教習所がこの交通安全に果たしております役割りは、先生お説のとおりでございまして、しかもその重要性は年々増していくという状況でございます。  いま御指摘のございました昭和四十五年の道交法一部改正に際してなされました衆議院地方行政委員会附帯決議趣旨によりまして、その後、私どもといたしましても、いろいろ努力をしてまいっているわけでございますが、まず一つは、教習用車両に対する自賠法の保険料率の改定の問題がございます。もう一つは、中小企業金融公庫法による融資の問題がございます。  その他もたくさんあるわけでございますが、これらの最も指定自動車教習学校としての関心の強い問題につきましては、私どものほうからそれぞれ関係省庁要請をいたしまして、すでに保険料率につきましては、昭和四十六年一月一日から低率の料率が適用されることとなっておりますが、これは先生も先刻御承知のことだと思います。  その次の中小企業金融公庫法による業種指定につきましても、関係省庁要請いたしました結果、昭和四十八年一月一日に指定されておりまして、その後これを活用しておられる学校が相当あるようでございます。昭和四十八年中の貸し付け金額は五十件、七億六千万円ほどになるようでございます。  さらに税制助成措置があるわけでございますけれども、これも各都道府県警察のほうから関係の御当局のほうにいろいろ働きかけを行ないまして、現在自動車税——府県税でございますが、これにつきまして免税されている府県が二十八、減税されている府県が十三ございます。全然特別の措置がなされていないところも六つほどある状況でございますが、以上、この決議趣旨からいたしまして、まだ不十分だとは思いますけれども、現在までやってまいりましたことはそのようなことでございまして、今後もさらに努力を続けたいと思っております。
  17. 大竹太郎

    大竹委員 御承知のように、自動車教習所というものは大部分は中小企業でございまして、いまおっしゃったような融資の面あるいは税の面、こういうものを主としていろいろお考えいただくということ、非常にけっこうなことだと思うわけであります。  このことはあとでまたお聞きすることといたしまして、それに先立ちまして、先ほどの免許制度に関連をいたしまして、この指定自動車教習所というものを充実をしていくという面からいたしまして、さっきお答えがありましたように、現在の免許制度というものは二本立てになっているようでございますが、最近のように逐次、おかげさまで自動車教習所というものが充実をしてきました段階において、自動車免許制度の二本立てというものはもう必要ないんじゃないか、もう自動車教習所一本でまかなえるのではないかというふうに実は思うのであります。  ことに御承知のように、各県では県直接検査をやるということで、金をかけて検査場というような施設をしていられる。これは相当県の負担にもなるということでもありますし、もちろんそれに応じた人間も必要だということにもなると思いますが、この指定自動車教習所というものを充実をし、責任をもっと持たせていくという趣旨からいたしましても、私はこれはもう県の直接検査というものはおやめになってもいい段階に来ているのではないかというふうに思うのでありますが、その点についてはいかがでしょう。
  18. 塩飽得郎

    塩飽説明員 ただいま試験制度が二本立てというお話がございまして、確かに現在は、試験場で直接受けてもよろしい、それからまた、指定教習所を卒業した人は技能試験が免除されるということで、学科試験だけを試験場へ来て受けていただく、そういう二本立ての制度になっているわけでございますが、ただいまの先生お話のように、これだけのたくさんの人が教習所を卒業してきているので、これから先は全部教習所を出た者でよいではないかというお話だと思いますけれども、ただ、これにつきましては、実は教習所自体が、全国で千三百校ぐらい、たくさんございますけれども、そのうちの八〇%ぐらいが私の企業と申しますか、普通の企業で運営されておるわけでございます。そういうところで、実はかなりお金もかかる、財政的に負担もあるというふうなこともございますし、そういったことから、非常に財政的に苦しい方、あるいはまた免許を昔持っていた方で技術的にはたいへんじょうずな方が、もう一度試験を受けて通ろうという方もございます。または、行政処分で取り消しを受けて、何年かたってまた受けられる方もございますし、いろいろ、そういったこともございますので、やはりいまの二本立てで、直接試験試験場で受けるということがあるというのが、むしろいまの時点では適当ではなかろうかというふうに私ども考えておるわけでございまして、ただいまのお話の点につきましては、これから先の将来の問題として、やはりこれから先検討はいたしますけれども、早急に解決ということは、これはむずかしいというふうに考えております。
  19. 大竹太郎

    大竹委員 そこで申し上げたいのでありますが、いまもお答えにあったように、実技検定については指定教習所にそういう認定をする責任おまかせになっているというお話でございましたが、それなら、私に言わせれば、何もいまの指定教習所でいわゆる教習を受けなくても、指定自動車教習所試験そのものを、すばり受けさせれば私は事足りると思うのでありまして、少なくとも実技検定能力があるということを指定自動車教習所にお認めになっている以上は、何も教習を受けないでも、指定教習所へ行って、技術の検定指定教習所をしてやらしめれば私は事足りると思うのでありますが、その点いかがですか。
  20. 塩飽得郎

    塩飽説明員 お答え申し上げます。  確かに、そういった事実上ほとんどの人が指定教習所を出ている、数字の上でそういうふうになっておりまして、実は私ども免許を取るにあたってどういうふうに教習を受けてくる、どういうふうに練習をしてくるという点で、こういった教習所のような施設の中で、計画的に初歩の段階から正しい教習を受けるということが一番いいことであろうというふうに考えておりまして、現在でも教習をできるだけ受けるような方向でいろいろと考えておるわけでございます。  そういう意味で、これから先も、初心運転者というものが、そういった正しい教習をりっぱな施設の中で受けてこられるように、いろいろと考えてまいりたいと思いますけれども制度の問題として考えますと、現場で直接試験を受けるという制度がございますので、これにつきましては、いま早急にこうだというふうな結論出しかねるということでございます。  教習所自体をこれから先、初心者が大いにそこで勉強していただいて、そして安全な運転をできる人が育っていくということにつきましては、これから先もなお大いに施策の面でつとめていきたいと思っている次第でございます。
  21. 大竹太郎

    大竹委員 どうも私の質問に対して直接お答えになっていないのでありまして、私いま申し上げたのは、自動車教習所というものは、実技の面においてはいわゆる運転免許を与えても差しつかえないものだということを認定できる組織になっているという現状でしょう。だから、いま教習所で何も教習を受けない人間でも、自動車教習所へ行ってすぐ本番で県の試験場で受けているような試験を受けさせて、それでいいのではないか。わざわざ県で検査場をおつくりになったり、そのために人をそれに向けられたり、そんなむだなことをされなくても、現在の指定教習所で事足りるのではないかという質問ですから、それに答えていただきたい。
  22. 塩飽得郎

    塩飽説明員 お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたように、全部の免許をおとりになる方のうち、大体七二、三%の人は現実に教習所免許をとっておられるわけでございますけれども、やはり例外的に、本人は運転十分技量がある、何かの事情で免許を失効されたりあるいは取り消されたりしたというふうな人が、またあらためて全部教習所のルートを通ってこなければならないというふうなことも若干問題があるのではないかというふうなことで、制度としては二つの道をつけておきまして、事実上初心者が育っていくのは、やはりそういうりっぱな教習施設を通して、そこでよく勉強していただいて通ってくるというふうな形がよろしいのではないかというふうに思っておる次第でございます。
  23. 大竹太郎

    大竹委員 どうも私の質問が悪いのかどうかわかりませんけれども、私の質問そのものにはちっともお答えになっていないように思うのです。  自動車教習所というものは、いまの制度では、とにかく自動車免許を与えてもいいかどうかという実技検定するに足る制度になっているのでしょう。それなら、自動車教習所でいわゆる自動車教習所の教程を経なくても、いまのお話のように何かのぐあいで免許を失効したとか、そういうような者は、いきなり自動車教習所へ行ってすぐ実技試験を受けて、いままで県の試験場でやっていたと同じ試験自動車教習所にやらせても一向差しつかえないと私は思うのですが、その点はどうなんですか。
  24. 塩飽得郎

    塩飽説明員 お答え申し上げます。  自動車運転のできる資格といいますか、それを認定しますのは、現在公安委員会試験をやりまして、これはだいじょうぶということで認定をしておるわけでございまして、指定自動車教習所のことにつきましては、初心者教育をつかさどる組織であるということで、これは教育をする機関でございます。それで、教育をする機関でございますので、その教育内容から、また技能の仕上がりと申しますか、十分技能能力も備わったというふうなことで、試験は免除しましょう。これだけの技能が育っておれば試験はあえて公安委員会でするまでもないであろうというふうなことで、技能試験を免除しておるという制度になっておりますので、最終的にその者が運転をしても安全であるかどうかというふうな判定をしますいわゆる試験機関と申しますのは、あくまで公安委員会であろうかということでございます。
  25. 大竹太郎

    大竹委員 それはおかしいので、幾ら指定教習所でも、これは順序を経て一番最後には実技試験をしてこれでいいということになるのだろうと思いますから、いまの県でおやりになる試験自動車教習所最後にやる実技試験も、少なくとも同じものでなければならぬと私は思うのでありまして、そういう面から考えてみますと、いまのあなたのお答えは、失礼だけれども、全然お答えになっていないように思う。  いつまでも同じことを議論していると時間がなくなりますから、この程度にしておきます。  ただ、私が最後に申し上げておきたいことは、現在は御承知のように実技の面については二本立てになっていますが、学科の面については一本立ててしょう。私は、だんだん学科の面も——試験の問題をお出しになるようなことは役所として統一してお出しになることは必要だと思いますが、行く行くは学科試験そのもの指定自動車教習所おまかせになってしかるべきものだと思うのだけれども、少なくともいまの段階ならば、私は実技試験については、わざわざ県があんな大きな試験場のような施設をされ、またそれに人間を配されるというようなむだなことはおやめになって、指定教習所おまかせになる、これが指定教習所というものを充実をし、そしてまた大いに責任も感じさせるようにするゆえんだというふうに思いますので、申し上げて次の質問に移らせていただきたいと思います。  次に、自動車教習所保護育成の問題について、融資の問題あるいは税制の問題についてお答えがございましたので、この点について少しお聞きしたいと思うのでありますが、いまのお答えの中で、自動車税の問題にお触れになりまして、各県によっては全然免除しているところ、また軽減しているところ、そしてまた全然軽減、免除していないところがあるということをお答えになりました。これはもちろん各県の自主性によりまして、指定自動車教習所というものを県の立場でどう評価するかというような面から、いろいろ差異が出てくるのだろうというふうに思いますけれども、一応さっき申し上げましたような決議があり、そして県も逐次その方向へ行っているということでございますので、自治省のほうの御指導で統一をして、全部を免除をするとかなんとか、私はどの辺がちょうどだ、全部を免除するべきだとまでは申し上げませんけれども、全然何もしていないところがまだあるというようなことは、自治省として、こういう決議の面その他から見ましても、まだ十分この決議に沿うているゆえんでない、こういうふうにもいえるのではないかと思いますが、その点。それから、きょうは自治省の府県税課長さんもお見えになっているようでありますが、そういう御指導その他はどうなっておりますか、お答えをいただきたいと思います。
  26. 福島深

    ○福島説明員 自動車教習所に対します自動車税の問題につきましては、先ほど警察当局からお話があったわけでございますが、自動車税の性格といたしましては、自動車を所有していれば自動車税がかかるというような問題になるわけでございます。  自動車練習場等におきます自動車につきましては、実際には登録ナンバーを持っていないような車が多いわけでございまして、そのような自動車について従来から課税をしておるような県もあったわけでございますが、これについては、私どもの指導といたしましても、登録をしていないようなものについては免除の方向でいくようにいたしておりまして、私どものほうで示しております府県税の準則におきましても、知事がそういう場合には認定をして免除するというようなことにいたしているわけでございます。しかし、実際には登録ナンバーで練習をしているというものがかなりあるようでございまして、この扱いが実は一番問題だと思います。  その点につきましては、その実態によりまして、県によって減免をしているというようなことになっているのではないかと思いますが、これが先ほど警察当局からお話がありましたように十三県ほどある。六県ほど何も措置していないということになっております。これは路上で使用していなければいいのでございますが、実際にナンバーを持っておって、路上で使用される。その使用のされ方はいろいろあろうと思いますので、その認定を一律にすることは非常に困難であろうかと思います。私のほうで全国一律に指導するということはちょっと無理があると思いますけれども、監督官庁のこれに対する具体的な方策なども承りながら、私のほうで適切な指導ができるものがあれば今後指導して、県によってあまり違った取り扱いのないようなことにしていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
  27. 大竹太郎

    大竹委員 いまお答えのように、教習所の持っている自動車の使い方はいろいろあると思いますが、私は大体二つあると思う。教習所より一切外へ出ない、いわゆるナンバーを持たぬで使っているものと、それから最近は路上教習ということで外へ出て使っているものがあると思うのでありまして、もちろん構内だけで使っているものについては、私は全面的に免除していただいてしかるべきじゃないかなと思いますし、外に出るものにつきましては、教習のために出るわけでありますから、これについては相当の軽減をしていただくということで、統一した御指導をいただきたいということを特にお願い申し上げておきたいと思います。  いま一つ、地方税関係で問題になっておりますのは固定資産税でございますが、道路交通法施行令第三十五条でございますか、これによりますと、自動車教習所は、指定を受けるためには、少なくとも八千平方メートル以上の面積を持たなければならない、また自動車一両について二百平方メートル以上を確保しなければいけないというような規定になっておるわけでございます。御承知のように自動車教習所というものは、比較的市の郊外の、一口にいえば地価の安いところにつくられているのが通常でありますけれども、地方都市におきましても郊外までだんだん都市化されてきている。そうかといって、すぐまたよそへ移るということも、実際問題としてなかなかできかねるわけでございます。もちろん、これは教習所自身が持っている土地もあれば、賃借をしているものもある。実際問題としてどっちが多いか、私はよくわかりませんけれども、いずれにいたしましても相当の面積を使用しなければならないという立場にある、そういう面からいたしまして、そしてだんだん自動車教習所の所在地にも都市化が進んでき、地価、地代が上昇してくる中にあって、いわゆる近所並みの地代あるいは税金というものを取られては、これはなかなかやっていけない時代になってきつつあるというふうに私は思うのでありますが、県の立場あるいは自治省がこれを指導される立場において、この固定資産税を軽減することはできないものかどうかということをお聞きしておきたいと思います。
  28. 福島深

    ○福島説明員 固定資産税は市町村税でございまして、市町村でどのように扱うかということになるわけでございますが、御指摘の点は確かにあろうかと思います。  この問題は、最近土地が異常に高騰しておりまして、それに伴って固定資産税が非常に高くなっていくというところから問題になろうかと思うわけでございますが、実はこれは一般的な問題でございまして、いわゆる非住宅用地と申しますか、事業に供しておる土地、これは業態によっていろいろあるわけでございますけれども、非常に大きな土地面積を要するような業態の場合には、その土地に対する固定資産税の軽減が何とかはかれないものかというような御意見は一般論として確かにあるわけでございまして、私どももいまのような形でいいとは必ずしも思っておりません。法律でもございますが、五十一年度の評価の際には、固定資産税の課税のあり方について根本的に再検討をするということになっておりますので、自動車教習所だけ取り上げてその土地の固定資産税をどうするかということはさておきまして、固定資産税の根本の問題といたしましてもう少し検討さしていただきたい、このように考える次第でございます。
  29. 大竹太郎

    大竹委員 次に、国税関係についてお聞きをしたいと思います。時間がございませんから一括してお聞きをいたしますので、お答えをいただきたいと思います。  第一は物品税でございます。御承知のように、物品税は、物品税法施行規則第三十五条だと思いますが、これによりまして、学校法人その他については免税措置が講じられるのでありますが、先ほども申し上げましたように、自動車教習所というのは大体中小企業の会社組織になっておりますし、また承るところによると、自動車教習所そのものは、たしか六カ月の教習期間がないものは学校法人というものにはしたくてもできないのだというような、社会教育法ですか、そういう制限もあるとかいうようなことで、この物品税の免除は受けられない、率直にいえばそういうことになっているようでございますけれども、先ほど来申し上げますように、自動車教習所のいわゆる社会的な使命というようなものから考えてみまして、また非常に零細な企業だというような趣旨からいたしましても、運転資格というものは最近においての社会教育というような面から見ましても、これはりっぱな、一般人が持つべき資格というようにも考えられるわけでございますので、いわゆる学校法人でなくても、学校法人に右へならえをして減免措置その他が講じられても、私はしかるべきものではないかというふうに思うのでありますが、いかがなものであるか、それが第一点。  第二点は重量税の問題でございます。御承知のように、先般の特別措置で、営業用の自動車については重量税の倍化はされなかったのでございますが、指定自動車教習所で使っております自動車については、これは特殊用途自動車というのですか、現在はそうなっておりまして、これはいわゆる重量税が倍化されたという処置になっておるのであります。これは、先ほどの学校法人という考え方と、ある意味においては矛盾する面もあるように思いますけれども自動車教習所で使っている自動車というものは、事業用といえば事業用でありますが、営業用といえば営業用だというふうに私は考えるのであります。国税関係で、きょうは税制第二課長お見えになっておるようでありますが、これに対する大蔵省の見解はいかがなものかということが第二点。  第三点は揮発油税でありますが、これは申し上げるまでもなく、揮発油税は道路財源に充てるために徴収される、ある意味における目的税であります。そういたしますと、自動車教習所で使っております車の大部分というものは、教習所内部において、いわゆる外部の道路とは関係のない自動車だというふうに考えられるわけでありますが、教習所内部において教習用に使ういわゆる指定自動車教習所自動車の揮発油税というものに対して、国としてどうお考えになっているか、これは減免できないものかどうか。  この三つについて大蔵省の見解をお聞きしておきたいと思います。
  30. 福田幸弘

    ○福田説明員 お答えいたします。  指定自動車教習所役割りについては、十分趣旨は理解しておりますが、御質問の税に関する考え方、これは、税は公平を考えまして、いろいろの点からバランス、原則から非常にむずかしい点がございますので、御了解いただきたいと思いますが、第一点の、教習所自動車の物品税の関係でございます。  これは、先ほどおっしゃいましたが、法律のほうの第二十二条にございますが、非常に厳格に制限しておりまして、学校教育法の第一条、これは中学校までの義務教育を意味しておるわけでございます。それからあと学術研究機関とか、社会福祉事業法、法律をあげて非常に限定した——あと国立博物館等がございますが、それをさらに政令の別表第三というところで詳しく品目まであげております。これが現在の扱いでございまして、法律上もそうなっておるわけですが、学校教育法第一条というところで、どうしても小学校、中学校ということで義務的に入る場合のその学校における教材ということに扱っております。次は、社会福祉施設等における身障者のために保護をせざるを得ない、入れざるを得ないというところの資材という考え方でやっております。——第一条は大学までもございますので、一がいに義務的とは申せませんが、学校教育というワク内での話であるということでございます。あと各種学校に該当するかと思うのですが、その辺は、やはり役割りについてはいろいろの差があると思いますが、そういうことで各種学校については、技能の訓練ということをいろいろの学校もやりますし、入るかどうかのその辺の選択、それからそれによるライセンスの取得というようなことがうらはらにございますので、この辺は、物品税としては免税の対象にはしないというのが現状でございます。  それから試験場、これは公安委員会でもやります試験場、ここでも自動車は使うわけでございますが、これはやはり予算で買うわけでございますけれども、物品税込みで買うということで、物品税はすべて価格に入っておりますので、それで購入して、予算でやることになっておりますが、税金は歳出面で見るのが適当だという見方もあり、税のほうでまず減免するということが先行するのは、判断がなかなかむずかしいということがございます。  それから第二点の重量税でございますが、これはもう十分御承知のことでございますが、結局、現在の料金問題といいますか、物価問題の観点から、原則上は、重量税というものは、国であろうと地方団体であろうと、持っておりましたらかかる性格のものでございまして、何に使おうが、だれが持っておるか関係なしに、これは一律の課税をするという、重量による道路の損壊、社会的なロスの負担ということでございます。  ただ、それをやりますのに、現時点におきましては、非常に物価が高騰し、特に交通関係、運輸上の顧慮が要るということで、特別措置法でこれを上げないということに扱ったわけでありまして、確かに事業のために使うという点も、営業でやられるわけですからございますが、これは各企業が白ナンバーでやります事業用の車、これもかかるわけでありまして、ちょっと第一問とのその辺が——御質問ございましたが、事業であるといいますと、第一の公共性との関係がございますけれども、事業といいましても、各企業がやります白ナンバーの事業用は、運輸上の青ナンバーの優先という点から差を設けるといいますか、かけておりますので、それと運輸省のほうといいますか、課税上の実務で青ナンバーでやりませんと第一線の課税が非常にむずかしいということでございまして、青ナンバーで区分するということが、執行上の問題として優先しておりますので、運輸料金の問題と執行上の問題から、白ナンバーは原則でやるということの一環としてやむを得ないという結果になったわけでございます。  それから、第三点の揮発油税の問題でございますが、これは非常に税の技術的な話でございますけれども、製造所から出るときに揮発油であればかけるというわけでございますので、それが色がつくわけではございませんで、教習所もやはりスタンドから買うわけでございますが、そのときにこれはその分だということは、これは身障者の揮発油とかいろいろ問題がございますけれども、執行上どうしても——外交官だけは、これは国際上両方の国でやりますから、非常なややこしいことをやりまして、あとで免税の手続をしますけれども、製造所移出ということからいきますと、色をつけて用途によって分けることができない。揮発油は自動車が使いますので、全体としてそれが道路の整備に回っておる。個々に使われるのが、道路を走らなかったとかいうことまで一々判定いたしますと非常にたいへんなことになりますので、非常に申しわけないのですが、そういうことで扱っております。  以上でございます。
  31. 大竹太郎

    大竹委員 大体時間が来ましたので、これでやめたいと思いますが、最後にいま一つお聞きしておきたいのであります。  これは全国で四、五十カ所というふうに私は聞いているのでありますが、自動車教習所に使っております河川敷であります。もちろんこれは地代は納めているのだろうと思いますが、河川敷を使って自動車教習所をずっとやってきた。先般、ゴルフ場その他河川敷でやっておる、これは不都合じゃないか、やはり河川敷というものは一般公共的に使わなければならないというようなことからいたしまして、ゴルフ場なんかはもちろん返還と申しますか、やめさせたということだろうと思いますが、この自動車教習所も逐次契約を解除して返す方向にあるということを聞いておるのであります。これはもちろん河川敷でありますから、たとえば河川の改修のために必要だというようなもの、これは文句なしにあれだと思うのでありますけれども、たとえばこれを取り上げて木を植えて緑地帯にするとか、あるいは公園にするとか、一般が使うということになると、一般のしろうと野球の練習場にするとか、そういうような方向で使うのだろうと思いますけれども、やはり自動車教習所の使命とか、それからさっき申し上げましたように、よそにまた新たにつくるということになれば、相当な何といいますか資金その他も要るというような面等々から考えまして、こういう自動車教習所というような公共的な使命を持っているものに対しては、建設省として何か特別にお考えになってもしかるべきものではないかというふうに、私、思うのでありますが、これに対しての建設省のお考えをお聞きいたしておきます。
  32. 堺徳吾

    ○堺説明員 お答えいたします。  河川敷の占用のあり方につきましては、実は現行の河川法が昭和四十年に制定されたわけでございますけれども、そのときに河川審議会に諮問をいたしまして、答申を受けて現在の占用準則というものを定めておるわけでございます。  この準則の考え方を簡単に申しますと、治水上の支障のない範囲におきましては一般公衆の自由な使用に供すべきであるという大原則でございまして、したがって、占用というのは一般に認めるべきではない。ただ社会経済上やむを得ない場合にはこの準則の条項に従ってやるということで、内容的には公園緑地、それから一般の運動場とかいう、きわめて公共性の高いものに限って許可するのだということにしておるわけでございます。  それで、従前から占用してきておるものにゴルフ場とかいろいろあったわけでございますけれども、こういったもので準則に適合しないものについては逐次開放していくということで、これまで進めてきておりまして、自動車練習所につきましても、東京周辺では五、六件、実は四十年以降現に開放が進んでおるわけでございます。  それで、私どもといたしましては、基本的な方針そのものとしましては、自動車練習所を例外にするということは困難だと思いますけれども、ただ、現実に具体的なそれぞれの場所につきまして、たとえば大都市のまん中であるというようなところにつきましては、公園等が非常に不足しておりますので、そういったものを優先的に計画すべきところでは、やはり開放してそういうところへ転用する必要があると思うわけでございます。それ以外の場所につきましても、基本方針としては曲げられないわけでございますけれども、実態的にそこの実情に特に不自然でない、特に利用計画がないという場合につきましては、個々の実情に応じて、その開放自身がなおおくれてもやむを得ないではないかというようなことで考えておるわけでございまして、現在、国有河川敷で約四十六カ所占用している自動車練習所がございます。
  33. 大竹太郎

    大竹委員 終わります。
  34. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 次に、井上泉君。
  35. 井上泉

    ○井上(泉)委員 交通事故の死亡者がだんだん減少しておるということは、非常にけっこうな傾向だと思いますが、しかし、やはりいま大竹先生の指摘されたように、毎日何人か死んでおることについては、もう新聞の二、三行の記事で片づくような軽い扱いというか、あまりにも慢性化して、重視をしてないような傾向があるわけですが、そういう状態の中に、一昨日か、警察庁が交通安全についてのいろんな方針を打ち出されたということは、私、非常にけっこうだと思います。  そこで、その点についての質問をいたしたいわけでありますけれども、たまたま府県税課長がおいでになっておりますので、府県税課長にひとつお尋ねしておきたいことは、自動車、特に貨物自動車の中のダンプカーの運行について、青ナンバーの業者については正規の軽油を使っておるものが多いというか、ほとんどそうだと思うわけですけれども、俗にいう一匹オオカミのダンプカーで運行しておるものは、大半といってよいほど重油もしくは灯油を使って運行しておるという話を私、よく聞くわけです。  そこで、その辺についての検査なんかも、走行中に抜き取り検査をしないと、停車中の車とかあるいは車庫に入っておる車とかいうものの中で油の抜き取り検査をすることはできない、こういう油の税を扱っておる県の関係者に聞くと、そういう答えが返ってくるわけですが、そういう脱税の油で走っておるものの検査は、走行中でないとできないものかどうか、その辺について府県税課長の見解を承っておきたいと思います。
  36. 福島深

    ○福島説明員 先生御指摘のように、特にトラックでございますけれども、軽油にたとえば灯油等を混入いたしまして燃料に使っておるというケースが実はかなりあるわけでございまして、その捕捉をどういうふうにするかということが一つの大きな問題点になっておるわけでございます。現在各県でやっておりますのは、もちろん県の徴税当局が単独で自動車をとめて油を抜いて検査をするということもやっておりますが、大半は警察の交通取り締まりの際に油を抜き取らせてもらいまして、それが灯油等と混入をしておるという疑いのあるものについては、必要最小限度の容量を見本品として採取をいたしまして持ち帰って検査をする。それによってもし混入の事実があれば、その事実に基づいて調査をし、課税をするというようなことをいたしているわけでございます。  一般的に走行をしている車をとめて検査をするということは、いまの地方税法に書かれておりますいわゆる徴税吏員の質問検査権ということでやりますには、ちょっと法律的に問題があるのではないか。と申しますのは、やはり「納税義務があると認められる者」について質問検査をすることは可能でございますけれども、走っておるトラックを全部とめて検査をするということについては、いろいろトラブル等もあるといけませんので、そのような形はあまり現実の問題としてはとっていないわけでございます。  そこで御指摘のように、徴税当局のほうから、何らかこれを法律的に検査等が行なわれ、適正な課税ができるような方法はないかということの指摘がございまして、私どもの検討課題の一つになっておるわけでございます。しかし、法改正をするにいたしましても、徴税吏員が軽油引取税のためにトラックをとめて油の抜き取り検査をするということにつきましては、これまた逆の意味での問題もあろうかと思いまして、私ども何かいまの徴税吏員の苦労に報いる適切な方法がないかということで現在検討いたしておるわけでございます。御指摘の点は私どもも十分わかりますので、なおその点については検討を進めさせていただきたいと考えております。
  37. 井上泉

    ○井上(泉)委員 走行中にとめるということは非常に困難でありますから、なかなか問題があろうと思うのですけれども、車庫なんかに停車しておる、つまり車庫入りしておるような車に対して、あなたのところの油の状態を検査させてもらいたいということで、そういう一匹オオカミ的な車に対する油の検査というものは、やはり税法の関係でこれまたできないことになっておるのですか。
  38. 福島深

    ○福島説明員 車庫に入っておる車につきましても、たとえば取引先等の調査から、軽油に灯油等をまぜて使っておるというような事実なり、あるいはそういう情報がある程度入りました場合には、そういった事実の調査をするということは可能でもございますし、現在でもそういうようなことはある程度やっておるわけでございますけれども、しかし、実際問題として全面的に行なうということはなかなか困難でございまして、先ほど申し上げましたように、走行中の車を交通取り締まりの際にとめる、その際に抜き取らせてもらうというような形でやっておるのが大半でございます。  いま御指摘がありましたように、走行中でない場合にできれば一番望ましいことでございますので、そういった取引先の調査等、徴税吏員たいへん苦労いたしますけれども、そういう点については努力をしておると思いますし、また今後ともそのような指導はしてまいりたいと考えております。
  39. 井上泉

    ○井上(泉)委員 府県税課長、どうもありがとうございました。  そこで、その次に——通産省は審議官がおいでになっておりますね。自動車のガソリンの無鉛化ということで、四十五年のときに、その当時の通産大臣は宮澤通産大臣ですが、宮澤通産大臣が、無鉛北は四十九年の四月一日から無鉛ガソリンを供給するように取り計らう、こういうことに国会の中で答弁をされておるわけですが、それが行なわれておるような状況は一向ないわけですが、これは一体どうなったのか。これは審議官でもあるいは機械情報産業局次長でも、いずれでもけっこうですから御答弁願いたいと思います。
  40. 江口裕通

    ○江口政府委員 ガソリンの無鉛化でございますが、御承知のように、四十五年の八月、例の柳町事件が発生いたしまして、急速通産省といたしましても、関係各省庁と御連絡いたしまして対策を検討いたしますと同時に、さらに昭和四十五年の同時点におきまして産業構造審議会にもおはかりをいたしまして、そして四十九年の四月一日から無鉛ガソリンを供給する、その途中年度におきましても漸次低鉛化するという御答申をいただいております。それから、確かに通産大臣も国会の席におきましてそういうような趣旨のことをお述べになっておったように記憶しております。その後通産省は、漸次低鉛化のほうは着々として進めてまいっておりますし、それから対策車につきましても、四十七年以降の新車につきましては無鉛化ガソリンの使用ができるような対策車をつくる、あるいは油の業界に対しましても無鉛ガソリンの供給設備をつくるということで、投資を要請いたしまして、二百数十億円の投資をしてもらうというようなことで準備を進めてまいってきておるわけでございましたが、その経緯におきまして、例のバルブシートリセッションの問題が生じてまいったわけでございます。いわゆるバルブシートリセッションが起きた場合には、御存じのようにエンストを起こすということでございまして、交通安全上の問題が非常に大きく出てまいったわけでございます。  そのために通産省といたしましても、関係業界及び通産省所管下の研究所等に御依頼をいたしまして、約二回にわたりましてテストを実施したわけでございます。そのテストの結果、やはり何らかの対策を必要とするということになりまして、具体的に申しますとバルブシートの取りかえ等の措置が必要であるというような結論が出たわけでございます。  そういうようないろいろなことがございまして、そういった対策の検討等をかねて進めてまいったわけでございますが、そういう状況でございますので、一応このときには四十九年の四月に実施をするという予定でおりましたけれども、準備の都合上これを半年ずらしまして、現在では四十九年の十月から無鉛ガソリンを供給してまいる。そして最終的には五十二年の四月に全面の無鉛化に入るというスケジュールで進めてまいりたい、このように実は考えておる次第でございます。  簡単に申しますと、やはり安全性の問題と公害規制の問題という一つのトレードオフと申しますか、相反する問題が出てまいりまして、実はその調整に非常に苦慮したというのが実情でございます。しかしながら、方向といたしましてはいま申し上げた方向で進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
  41. 井上泉

    ○井上(泉)委員 それでは、安全性において問題もあるというような関係でこれが非常におくれてきておるというわけですが、運輸省の自動車局のほう、それから通産省の機械情報産業局次長のほうで、自動車の構造についていま審議官が言われたようなことが、四十九年の十月ごろには解消されるような見込みが立っておるのかどうか。   〔委員長退席、野坂委員長代理着席〕  そしてまた、五十二年といえばずいぶん先になるわけですが、五十二年ごろには全部無鉛化ガソリンによって走行されるような構造に模様がえができる見通しにあるのかどうか、説明をいただきたいと思います。
  42. 野口一郎

    ○野口説明員 お答え申し上げます。  ただいま江口審議官からお答えがありましたように、四月からの実施を十月に延ばしたわけでございますが、この春四月、あるいは十月時点におきまして、未対策車、すなわち昭和四十七年の春以前につくられたものであって、現在走って使われている車が、大ざっぱに申しまして八百五十万台から九百万台ぐらいあるわけでございます。この車が、ガソリンが無鉛化された場合には、先ほども説明がありましたように、バルブシートリセッションというようなことが起きまして、始動不良とか、あるいは走行中のエンストとかいうことが起きまして、安全上非常に大きな問題になるわけでございます。したがいまして、通産省といたしましては、一方におきまして全面的な無鉛化の時期を延ばす。したがって、その期間におきまして古い車が順次新しい車にかわっていく、新しい車というのはもちろん対策済みになっておるわけでございます。ですから、そういうふうに新しい車にかわることをその期間において促進するという方法が一つと、それからもう一つは、現在使われている車のエンジンを改造いたしまして、無鉛ガソリンになってもだいじょうぶなようにするという両建てでもって現在進んでいるわけでございます。  五十二年の四月と申しますと三年足らず先でございますが、ただエンジンの改造と申しましても、やはり現在動いている車、使っている車でございますし、いまのままだったらもちろんそのまま異常なく使えるということでございますので、エンジンの改造はやはりユーザーが希望してかえてくれというふうな申し出があった場合にやりたいということで、強制的にエンジンの改造をやろうというふうには考えておりません。したがいまして、五十二年の四月までに全部の車のエンジンの改造が終わるかどうかということにつきましては、これから調査をいたす段階でございますので、現在のところ確たることは申し上げにくいわけでございますが、いまのままで申しますと、あるいは若干の未対策車がまだ五十二年の四月に残るかもしれないという見込みがあるわけでございますが、ともあれ、この三年間に運輸省のほうとも協力をしながら、交通の安全対策ということに十分な努力をやってまいりたいというふうに考えております。
  43. 井上泉

    ○井上(泉)委員 そのことは、引き続いて行なわれる五十年、五十一年の排気ガスの規制、これもいわれるような規制は実現する可能性はまずない、こう思っていいですか。これは、排気ガスの規制は五十一年には完全にやることができるのですか。
  44. 野口一郎

    ○野口説明員 お答え申し上げます。  五十年の規制につきましては、一月に環境庁のほうからその基準が示され、決定されたわけでございます。五十年度の規制に対しましては、私どもの見込みでは、この規制には合格するような車を出してもらう、すなわち円滑な実施がはかられるように業界にも強く希望し、指導しておるわけでございますが、業界のほうにおきましても、その規制には合格するという見込みで現在進んでおります。  問題なのは二番目の五十一年度の規制でございます。五十一年度の規制は、御案内のとおりNO2、酸化窒素化合物のところで、五十年の規制に比べて約五分の一という非常にきびしい規制でございます。この基準に達成すべく自動車関係業界におきましても努力をしておるわけでございます。特に技術開発の面で鋭意努力を進めているわけでございますけれども、何ぶんにも非常にきびしい規制ということでございますので、現段階におきましてその規制に合格し得るかどうか、技術的なめどは現在立っていない状況でございます。
  45. 井上泉

    ○井上(泉)委員 それでは、いまの通産省の見解について、環境庁はこれをどう受け取られますか。
  46. 小林育夫

    ○小林説明員 お答え申し上げます。  私どもといたしましては、公式に五十一年規制が達成可能であるかどうかということにつきましては、いまだ調査をいたしておりません。それにつきましては、来月の六日から十八日にわたりまして、自動車メーカー各社を呼びまして私どもがヒヤリングを行なうわけでございまして、その結果を待ちませんと、公式に私どもといたしましては、五十一年が可能であるかどうかということについて、はっきり判断できるということにはならないというふうに考えております。
  47. 井上泉

    ○井上(泉)委員 そのことは、各自動車メーカーも、これは全部のメーカーではないと思うのですけれども、大半のメーカーのほうでは、五十一年規制というものはとてもできないから、これはひとつごかんべん願いたい、こういうふうなことが盛んにいわれておるように聞くわけですが、そういう業界の要請にこたえての通産省の姿勢あるいは環境庁の考えでありますか。
  48. 小林育夫

    ○小林説明員 いまの御質問趣旨がよくのみ込めなかったわけでございますけれども、今度やりますヒヤリングに対します私どもの基本的な考え方というものは、環境庁といたしましては、すでに五十一年の規制に対する自動車の排出ガスの許容限度の設定方針という方針は告示いたしております。で、その数値も、平均値ではございますけれども、すでに示してあるところでございまして、私どもといたしましては、この方針を貫くという方針に変わりはございません。  ただ、私どものこの規制をやりますもとになりました中央公害対策審議会の答申の中に、それぞれそういう設定値はきめるけれども、実施にあたっては技術の開発状況を勘案してやれという答申になっておりまして、したがいまして、これを実施する段階には、そうした開発技術を私どもが確かめるということが必要なわけでございます。したがいまして、六日から行ないますヒヤリングというものも、そういう技術状況を私どもが把握するという考え方でやるわけでございまして、おそらく先生の御質問趣旨というのは、メーカーの圧力によってそういうヒヤリングをやるのであろうという御趣旨だといたしますれば、決して私どもはそういうことでやるわけではございませんで、技術の開発状況がどこまでいっているのか、新聞紙上できないというようなことが書かれておりますけれども、同じできないにいたしましても、五十年では窒素酸化物を四十八年の車に対しまして四五%削減しておるわけで、先ほどお話もございましたように、さらにこれを五分の一程度にするということでございまして、その五分の一が一つもできないのか、あるいは五分の一はできないけれども四分の一ならできるのか、そういうことにつきましては、私どもはまだ公式に何らのデータも得てないわけでございます。そういう意味におきまして、私どもはこのヒヤリングを通じまして、どこまでできるのか、あるいは全部できるのか、そういう状態を把握するということでございまして、この一回のヒヤリングでもし把握が不十分ならば、さらに今後ともそういうヒヤリングを続けて、私どもが納得できるところで判断を下す、おそらくそういうことになろうかと考えております。
  49. 野口一郎

    ○野口説明員 メーカーのほうにおきましては、五十一年の規制はすでに一昨年に示されたわけでございます。それ以降、新しいエンジンを開発すべく目下鋭意努力中でございます。  ただ、五十年規制、五十一年規制と、二年続けましてきびしい規制値の実現という課題を負わされているわけでございますので、技術開発として鋭意やっておりますけれども、問題は、かりに試作エンジンでできましても、あるいは実験的にできましても、自動車というのは大量にユーザーに使用されるものでございますので、これが実用化しなければならないわけでございます。で、そういう試験研究、開発、実用化というには、先ほどちょっと環境庁の方のお話もありましたように、いろいろ時間的な要素ということも考慮しなければいかぬのじゃないかというふうに考えております。
  50. 井上泉

    ○井上(泉)委員 そう言われることは、結局五十一年規制は無理だ、通産省のほうではそういう考えの上に立っておる。環境庁のほうはあくまでも五十一年規制の実施ということを前提に置いて、この問題でヒヤリングをやって、どういう状態かということをなにする。通産省のほうは、どうもこういう状態だから実施はむずかしいのですよ、こういう説明をするということになろうと思うわけで、これは全くやる気のないお答えだと思います。  私、全く機械のこともわからぬわけですけれども、たとえばマツダとか本田のつくっておる低公害車なんかは、五十一年規制にも合格するという話を聞くわけですが、それもきかないものであるかどうか。メーカーが研究しておるとかいいますけれども自動車のモデルチェンジについては、何ぼ国会の中でやかましく言ってもひんぱんにやっておるわけで、そういう肝心かなめの排気ガスを規制する問題については、これはやっておるとはいっても、それが結果的にあらわれてこなければやっておるとはいえないわけです。モデルチェンジすることに精力を注いでやるのじゃなしに、やはり排気ガスを規制するためにはエンジンをどうするのかということに、メーカーがもっと努力すべきであるし、また、そういう方向に通産省あたりも指導すべきであると思うわけですが、この点についての御見解と、さらにまた運輸省の整備部長なり技術部長なり、いずれでもけっこうですから、五十一年規制についての通産省、環境庁のいまのお答えを聞いてどうお考えになっておられるのか、どう指導されるつもりなのか、承りたいと思います。
  51. 田付健次

    ○田付説明員 二つございまして、前のほうの御質問でございますが、私の記憶に間違いがございませんでしたら、現在出ておりますホンダ、それから東洋工業のマツダの車につきましては、五十年の規制には適合いたしますが、五十一年については問題があると思います。  それから第二番目の、五十一年規制に対するメーカーの指導の問題でございますが、先ほどもお話がございましたように、五十一年は窒素酸化物を減らすということが非常にきびしく出てまいりますので、これについての開発が必要だということであります。もちろんこれはいろいろな方法がございまして、これだけがきめ手だというものはまだ出ておりませんけれども、基本的にはやはりエンジンの構造をいじるということと、現在の触媒を使いますれば、還元触媒を使うということなどがいろいろ取りざたされている状況でございます。いずれにいたしましても、これの開発を急がなければなりませんので、この点につきましての先生の御趣旨ごもっともでありますし、私どもといたしましても、できるだけの範囲でメーカーの技術開発を促進するように指導してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  52. 野口一郎

    ○野口説明員 先ほど、通産省のほうはメーカーの規制適合努力というものに対して甘く見ておるのじゃないかという先生お話でございますけれども、そういうことは毛頭ございません。私どものほうは、自動車産業の将来というものは環境問題にかかってくるというふうに考えている次第でございまして、いわばメーカーのしりをたたいている状況でございます。  ただ、私どものほうは、先ほど環境庁の方の御説明にありましたように、メーカーのほうからまだまとまった形でその見通しを聞いておりません。いろいろな形で報道されていることを総合するに、まだ技術的になかなかむずかしいのではないだろうかというような考え方を持っておるわけでございますが、規制に適合するような努力というものは、あくまでもメーカーに期待しておるわけでございます。  それから、本田あるいは東洋工業等のいわゆる低公害車の問題でございますが、五十年規制につきましてはりっぱにクリアーするというふうに聞いておるわけでございます。もちろん五十一年規制というものを目ざしてメーカーも努力しているわけでございますけれども、この基準に適合するという問題は、同時に商業車として成り立つ必要がございます。いろいろむずかしい問題等がございまして、現在両社も大いに努力をしておるところでございます。  それから、モデルチェンジの問題につきましては、先般来から省資源、省エネルギーの問題等々いろいろな観点から、実は私どものほうでモデルチェンジの自粛という方針を打ち出し、メーカーを指導しております。特にいま申しましたような公害規制の問題があるわけでございます。ですから、現在自動車メーカーが当面している最大の問題は、この公害規制に合格した車を出すことである。ここに全力を集中すべきであるということで指導しておりまして、こういうことに関係のないようなモデルチェンジは、極力抑制するように指導しております。
  53. 井上泉

    ○井上(泉)委員 今度排気ガス規制の問題についての聴聞会を来月の上旬に行なうというのは、これは環境庁主催でやられるわけですか。
  54. 小林育夫

    ○小林説明員 先ほども申し上げましたように、今回のヒヤリングというものの性格は、五十一年の規制に対してメーカーがどのように対応しているか、現在の技術開発のレベルがどのくらいであるかということを環境庁として確かめたいという趣旨でございますので、仰せのとおり環境庁が主催して、五十一年の規制の対象になっております、一言で申せば乗用車をつくっております九社を対象にして行なうものでございます。
  55. 井上泉

    ○井上(泉)委員 それで環境庁にお願いをしておきたいのですが、聴聞会での結果というか、聴聞会で審議をした内容等については、資料としてあとで報告をしていただきたいと思います。  前にも委員会で、こういう問題を含めて自動車メーカーが、排気ガスの規制の問題にどう取り組んでおるのか、あるいは交通安全対策についてどう取り組んでおるのかということで、日産、トヨタあるいはいすゞとかマツダ、本田というようなおもなるメーカーを当委員会に参考人として呼んで、その見解を承ろう、こういうことで提議をしたわけでありますけれども、なかなかそれが実行に至ってないので、ひとつ委員長においてしかるべき機会に理事会に相談をして、これについての結論出していただいて、メーカーの姿勢等もただしていきたいと思いますので、これについての委員長の見解を承って、これに対する質問は終わりたいと思います。
  56. 野坂浩賢

    ○野坂委員長代理 参考人等の問題につきましては、後刻理事会にはかって協議をいたします。
  57. 井上泉

    ○井上(泉)委員 そこで、今度は交通規制の問題でありますが、大体交通安全というのはどこが一番熱心にやっておるか。これは順位をつけると非常に悪いのですけれども、やはり警察のほうが一番熱心にやっておるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。  そこで、一昨日か、全国の交通部長を集めて、新聞の見出しでは「一目でわかる交通戦争」「『列島障害図』の作成へ」こういうふうなことで、四項目の総合規制を行なうということがうたわれておるわけでありますが、私は前にも、交通規制でよいと思ったことは早く実行すること、あまり時日を置くというような、あるいは五十年までにどうとかいうようなことでなしに、早くするということを要望したわけであります。新聞の記事には載っておりませんけれども、何か官公庁の関係で、マイカーで通勤しておる者の駐車場を官公庁が提供するようなことはやめるようにするとかいうようなこともラジオで私は聞いたわけでありますが、そういうことも非常にけっこうだと思うわけです。そこで、駐車規制の強化それから部長会議出したいろいろな方針について、私は交通局長の説明を承りたいと思いますので、交通局長よりお願いしたいと思います。
  58. 渡部正郎

    渡部政府委員 ことに都市の総合規制というふうに私ども呼んでおりますが、これにつきましては、実は昨年来実質的には進めてきているわけでございます。  昨年の死者状況は、御案内のとおり全体で八・四%ほど減りましたけれども、都市では必ずしも減っている状況ではございません。ことに人口集中地区におきましては、いかなる場所においても軒並み増加しているという状況でございます。そういうことが一つございます。  それから最近はやはり単なる死亡事故、人身事故だけではなくて、交通のいろいろな障害、渋滞あるいは光化学スモッグをはじめとする私どもが呼んでおります交通公害、騒音の問題もございますし、そういういろいろな障害が非常に複合的に起こってきておりまして、だんだん問題になってきておるわけであります。いろいろな観点から実態を調査してみますと、都市につきましては少なくとも部分的なあと追い対策ではだめであるという考え方に立ちまして、都市の交通の全体の量と流れというものを問題にしていかなければだめなんだという考えがだんだん強くなってまいりました。  昨日、全国の交通部長会議をいたしまして、従来の経験をもとにしまして、今後やるべき基本的な考え方を示したわけでございます。  一つは、やはり都市の交通に対する一つの容量というようなものがございまして、その容量を越えますと、シンギュラーポイントと申しますか、ある点を越しますと、いろいろな障害があっと一ぺんに起こってくる。そういう一つの限界点のようなものがございます。それ以下に押えるということを考えていかなければならないのではないかということが一つ。  それから、残りました交通量につきましては、道路によります交通の配分をいたしまして、合理的に流して、安全と環境保全の中で都市の交通機能を最大に発揮させる、そういう形の流れの管理をしていくべきではないか、たいへん抽象的で申しわけないのでございますけれども、そういう考え方に立ったやり方を指示しているわけでございます。  早くやれというお話に関連して申し上げますと、いま申し上げたような規制をやりますときに一番必要なのは、各種の標識、標示でございますけれども、これは県の単独費用になっておりまして、国の補助対象になっていないものがほとんどでございます。県の財政事情もございますので、一気にはなかなかやれないということで、全体の問題を大づかみに三年ぐらいでやるという形をまずつかみ取りまして、その中で毎年毎年の実施計画をやっていこうというふうにも指示してございます。  また、やりようによりましては、交通というのは一つの流れでございますので、局部に強力な規制をかけますと、都市全体の交通の流れが変わってまいりまして、その結果いろいろな障害が全体として効率的に減少するというような手法もないわけではございません。予算の使い方については、それが可能な場合には、そういう考え方にも立って、できるだけ早く事故をはじめとするいろいろな障害をなくしていきたいという指示をしたわけでございます。  それから、こまかい問題について一つ具体的なことを申し上げますと、たとえば先般のある調査によりますと、私ども学校にあがる六歳以下の幼児の死亡率の高さというものを常に問題にしてきたわけでございますけれども、六歳以下の幼児を持っておられます家庭で、近くに遊び場がない世帯というのは全国で半分くらいあるという調査結果なども新聞に報道されたわけでございますが、そういうような面でもきめこまかに、子供の遊び場として道路をできるだけ開放してやるということで子供の事故も防いでいきたいというようなことで、相当こまかい具体的な指示も含めまして、基本的な考え方を指示したわけでございます。
  59. 井上泉

    ○井上(泉)委員 これはいわゆる車優先の政治から人優先の政治へというようなことで、この対策というものが推進をされることを私は非常に期待するわけです。ところが、こういう対策を進めていくについても、行政の機関が協力をしないと、警察が幾らがんばったところでこれはなかなかいかないと思います。そういう点で、やはり交通安全の総元締めであります総理府の秋山交通安全対策室長に、今度の警察庁の示した交通安全対策施策というものを行政の中でどういうふうに推進していこうとお考えになっておるのか、そのお考えがありとするなら、いまここでそのお気持ちを聞かしていただきたいと思います。
  60. 秋山進

    ○秋山政府委員 総理府といたしましても、昨年来の警察の都市における総合交通規制対策の打ち出しにつきましては、これを非常に高く評価いたしまして、推進いたしたい、こういうふうに考えておるところでございますが、御指摘のように、警察の総合交通規制だけでその目的が十分に達せられるとは存じておりません。たとえばいわゆるマイカー規制、通勤時における自動車の抑制の問題にいたしましても、バスその他大量輸送手段、いわゆるその受けざらというものを十分に整備していくという方向が必要ですし、さらには、全体として住民の協力あるいは意識の高揚といういわば国民運動としての推進ももちろん必要でございます。さらには、自動車の総交通量についていろいろと合理化していくという場合には、物流の問題にもなってくると思います。そういたしますれば、それを担当する経済関係の各機関がそれなりの行政指導をして合理化をはかっていくということも必要でありましょうし、そうした問題を総合的に推進いたしたいということで私どももただいま検討し、各省と協議中でございます。
  61. 井上泉

    ○井上(泉)委員 そこで、警察出した中で、病院や学校周辺の非常な騒音の規制も出ておるわけですが、具体的な事例として、環境庁がいないから環境庁に質問できないわけです。あるいは厚生省も呼んでおきたかったのですけれども、その準備もできていないわけですが、首都の高速自動車道路が築地の国立がんセンターのすぐそばを走っておるわけです。あのがんセンターができたのが先なのかあるいは高速自動車道ができたのが先なのかどうか知りませんけれども、あの病室のすぐそばに高速自動車道が通っておって、ぼくが見舞いに行くたびにもうたいへんな騒音。ガン患者というものは、そこへ入っておる人は、あす死ぬとは考えていないけれども、どうせ命なくなるという気持ちの中に毎日毎日おるし、家族の者もたいへんだと思いますが、あそこの騒音というものを、あの上にふたするとかぐらいの規制する道はないのかどうか。まだそこの現地を承知していないとするならば、ひとつ実地を警察庁なりあるいは交通安全対策室なり、連絡をとって調査をして、対策というものを考えてもらいたいと思うのです。ああいうがんセンターの隣の騒音状態というものを知っていなければそうしてもらいたいし、知っておるとするならばそれについての対策というものを、たまたま病院のそばの騒音、こういうことが載っておりますので、これはどうもがんセンターのところじゃないかと思ったのであえて取り上げたわけですが、それについての見解を承りたいと思います。
  62. 久本礼一

    ○久本説明員 お答えいたします。   〔野坂委員長代理退席、委員長着席〕  昨日の都市総合交通規制の推進につきまして私どもが示しました四つの対象でございますが、交通事故の防止、交通渋滞の解消、公害の防止ということのほかに、住民が安心して快適な生活を送れるような環境を特に交通の脅威から守っていくということを、一つの生活環境の保全という意味で掲げたわけでございます。これは具体的には都道府県警察がそれぞれそういう方針を体して具体的な規制で実現をはかるわけでございますので、特にどのことを想定してということではございませんが、先生が御指摘になりましたような問題は、東京だけにかかわらずあちこちにあるというふうに私ども考えておるわけでございまして、そういうものを、やはりおっしゃるような問題も含めて、全面的に取り上げてほしいというのが私どもの気持ちでございます。  具体的な規制につきましては必ずしも各県の状況が同じでございませんので、それぞれ障害なり病院の位置その他周辺の関係等も含めまして各都道府県警察が独自に対策を講ずると思いますが、一般的にどのようなことがとられるかという点につきまして、きのう示しました問題に触れてお答え申し上げますと、まあそれにつきまして、いま御指摘になりましたように、本来自動車を通す自動車専用道路と、本来はその付近に自動車が通っては困る病院が近くに同居しているということは、交通警察の立場からいたしますとたいへんに困ったものだというふうに考えておるわけでございます。しかし、そういうことをいいましてもそれはすぐに解決になりませんので、基本的にはやはりそういう問題は施設的に解決されるべきであるし、されるであろうということを期待いたしまして、そういうことがとられるまでは交通規制で、ある程度目的とされたもの、たとえば道路の効率なるものに多少の支障があっても、そういう障害が多ければ、これに対して規制で対症療法的な措置を講ずることはやむを得ないし、それは必要であろうということで、場合によっては速度を落とすなり、あるいは警視庁が以前からやっておりますように、住宅その他に近いほうに騒音の出るような大型の車を通さないで、遠いほうに通させるというような手段を個別的に規制の方法で選択をして、できるだけ規制によって、これだけはできるというような可能な限りの対策を講ずるようにということを昨日示しておるわけでございまして、そういうことをとるということを含めまして、これは一種の対症療法であるから施設的な面でもひとつ今後十分に考えてくださいということを、あわせて関係の方面にもお願い申し上げるというやり方を指示したところでございます。
  63. 井上泉

    ○井上(泉)委員 秋山室長にお願いをしておきたいと思います。これは社労の委員会なり適当な場所で私ぜひこの改正をやっていただきたいと思いますので、このがんセンターのそばのあのすさまじい交通騒音の実情を調査をされて、それについて厚生省あるいは建設省等それに対する対症療法がないのかどうか、そういう点をひとつ調査をしていただくように秋山室長にお願いしたいと思います。  それで最後に、二十日の午後五時に自衛艦と客船のニアミスがあって、そしてそれはもうたいへんな数メートルという衝突寸前の状態を起こした。これには観光客が五百四十人も乗っておって、たいへんな事故を起こすところであったわけですが、幸いにして自衛艦の「ゆきかぜ」は右へ行き、「はまゆう」は左へ行ってそこで衝突を免れたということで、これはほんとうにほっとした気持ちになったと思うわけでありますが、これについて昨日双方から事情聴取をした、こういうことを聞くわけですが、その経過について海上保安庁のほうから報告を承りたいと思います。
  64. 船谷近夫

    ○船谷説明員 お答えいたします。  御指摘の事件がありましたので、両船が下田保安部の近くに入港いたしましたので、同保安部におきまして、きのう一応の事情聴取、両関係者から聞きましたが、若干事実問題としての食い違いがございまして、なおきょうも引き続いて聞いております。その上でないと具体的な両船の行動について申し上げるまでに至っておりません。
  65. 井上泉

    ○井上(泉)委員 それでは双方からひとつ言い分を聞かしてもらいたいと思うのですけれども、双方といっても、片一方の民間の船会社はここへ呼んでどうということはないのですが、防衛庁の伊藤審議官にお尋ねするわけですが、これがあわや衝突ということになって、それで「ゆきかぜ」は右に、「はまゆう」は左に避けたのですから、これは明らかに正面で突っかかるような状態の中で起こったのではなしに、何か目標物を見つけてその目標物、つまり東海汽船の「はまゆう丸」に向けて自衛艦「ゆきかぜ」が衝突の寸前で方向転換をしてみようかというようなそういう危険きわまる演習観念でやったのじゃないか、いままでの自衛隊の航空機のニアミスの問題等から想像して、どうもそういうふうに自衛艦がやったのじゃないか、こういうふうにいわれておるのでありますが、防衛庁ではこの事故をどうとらえておるか。
  66. 伊藤圭一

    ○伊藤説明員 当日の事実につきまして艦長から報告が参っております。それに従いまして事実を御説明申し上げます。  まず一番最初に、先生おっしゃいましたけれども、この「ゆきかぜ」は当日は訓練の任務を持って航海していたわけではございません。二十一、二十二日、きのうときょうにわたりましてソーナーの実験をするために、前日の夕方伊東の沖で仮泊をするために横須賀を一時に立って伊東の沖に向かっておったわけでございます。五時ごろ左後方に「はまゆう」を認めたことになっておりますが、報告によりますと、実際は十六時四十分、四時四十分ごろ左後方二千五百ヤードないし三千ヤードのところに「はまゆう」を認めているようでございます。その時点で「はまゆう」があとを追ってくるような形になっておりまして、五時の時点におきまして「はまゆう」の速力が「ゆきかぜ」の艦長の判断によりますと十七、八ノットである、自分のほうは十四ノットで走っている、左の後方から速力を上げて船が近づいているというのを認識いたしまして、これは「はまゆう」が「ゆきかぜ」を追い抜いていくものと判断いたしました。そこで「ゆきかぜ」の艦長は方向と速力を十四ノット、二百六十度の方向に保ちながらそのまま進んでいったようでございます。そして五時九分の時点になりまして「はまゆう」が左の後方におったのがほとんど並ぶような形で、その角度を見ますと二十度ないし三十度の交角をもって進んでいるということを判断いたしまして、このままでいくと衝突するのではないかという判断をいたしました。そこで速力を落としまして右にかじを切っております。その時点で「はまゆう」も同じように右にかじを切ってまいったようでございます。そこで「ゆきかぜ」の艦尾と「はまゆう」の船首がぶつかりそうになりましたので、今度はまた左にかじを切ってそれをかわそうといたしまして、その時点で「はまゆう」が減速いたしまして離れていったというふうな報告が参っております。  このかじを右に切りますときに、「ゆきかぜ」の艦長もあぶないということを感じまして、注意を喚起する信号音を鳴らしておりまして、それを聞いたのではないかと言っておりますけれども、その時点で「はまゆう」がスピードを落としてきているようでございます。この艦尾が船首をかわしました時点で艦長は三メートルぐらいまでに近づいていたというふうに言っておりますが、艦長の判断といたしましては、追い越しの船という判断をいたしまして、そのままの方向に進んでおったようでございます。  以上が事実関係でございます。
  67. 井上泉

    ○井上(泉)委員 新聞記事ですが、「ゆきかぜ」の左後方に「はまゆう」を認めた、それなら、かりに左後方から「はまゆう」が追い越すとするならば、やはり左を通るわけだから、右に「ゆきかぜ」がおっても「ゆきかぜ」が左に寄ってこなければ、これは問題ないんじゃないですか。これは、ぼくはしろうとですからわからないですけれども、いまあなたの説明で、左後方に「はまゆう」がおって、「はまゆう」を見かけた。それが「はまゆう」が強い速力でやってきた。「ゆきかぜ」を追い越す、こういうように思っておったということであるなら、これは「はまゆう」も、右におるのをわざわざまた右へ回って追い越すというおろかなことは、常識的にないと思うのですが、この辺の状況についてもうちょっと説明していただきたいと思いますけれども
  68. 伊藤圭一

    ○伊藤説明員 御説明申し上げます。  衝突予防法によりまして、後方から追っかけてくる船を認めたときには進路、速度を一定に保って進めということで、それを守って走っておったようでございます。それから、さらにこの左側から走ってきた船、すなわちその船が右側に船を見つけたときには、追い越し船である船が回避するであろうということを判断しておったようでございます。したがいまして、まっすぐ進んでおったわけでございますが、五時九分の時点で、このままいくとあぶないという判断をしましたので、その時点から緊急時の操作に移りまして、とにかく近寄ってくるから右によけなければいかぬという判断をいたしまして右に曲がったようでございます。
  69. 井上泉

    ○井上(泉)委員 それで船谷救難監お尋ねしたいわけですけれども、こういうふうな場合に、これは両方が対面交通をしておるのではないから、つまり左後方からきているのを「ゆきかぜ」が見た。ところが、その左後方からきておるのが「ゆきかぜ」になお当たろうとするから、「ゆきかぜ」は右に切った、こういうふうに言われるのですが、これは東海汽船のほうはどういう言い分だったでしょう。
  70. 船谷近夫

    ○船谷説明員 東海汽船のその当時の当直者等から事情聴取をいたしましたが、それによりますと、ニアミスの何分前になりますか、約二十二、三分前に「はまゆう」は「ゆきかぜ」を右五十度、王マイルに発見しております。それでコースは大島の岡田港から熱海向けでありましたので、三百二十度の方向に十四ノットで航行中であったようです。それで、「はまゆう」としましては、衝突予防法によりまして避行義務があるほうになります。これは、「はまゆう」のいうところからいえば、追い越しではなくて横切り関係になります。それで十七時三分に右二十度、一・二マイルとなって方位が変わらない。これは衝突するときには常に同じ方向に見えていきます。衝突をしない場合にはどっちかへずれていきます。それをいつも航海者は見ておるわけですが、その方位が変わらないということで十七時八分に機関員を用意して半速、微速、停止というふうにしたと言っております。  しかし、そういった点でありますけれども、要するに両者の言うことに食い違いがございますので、引き続き調査をするということにしております。
  71. 井上泉

    ○井上(泉)委員 時間が参りましたので、私これ以上この問題について論議をすることができないわけですけれども、要するに自衛艦が、その艦長も——これは新聞記事てすけれども、甲板の乗客に自衛艦の船を見せようとサービスしているのかと思った。えらいのんきな想像したものだ、こういうふうに思うわけです、これが事実なら。  そこで、自衛隊の船だからといって、これと民間の東海汽船側との間における公正な調査というものがゆるがせになってはならないし、また、さようなことはないと思うわけですが、この辺のことについての状況というようなものを、私はこの新聞記事でなしに保安庁のほうからひとつ状況報告をして、この船の進行速度、進行方法、そういうふうな点から、当然横切る——この新聞で見ると、私、横切るというふうに思わないですけれども、こういうふうにいけば、これで「はまゆう」の速度が速くて「ゆきかぜ」がおそかった場合にはどの時点で追突をするようになるのか、そういうふうなことを専門家として資料をひとつ出していただきたいと思います。これはまた以前、いろいろと空のニアミスあるいはまた今度の海のニアミスというような事態がたまたま自衛艦で——防衛庁の管轄の中にある船でありますので、自衛艦はむちゃなことをするものだなとこういう常識的な観測というもの、常識的な判断というものを私自身もしておるような状態でありますので、その辺を明らかにして資料として出していただきたいと思います。  以上申し上げて私の質問を終わります。(拍手
  72. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 次に、沖本泰幸君。
  73. 沖本泰幸

    ○沖本委員 私は、本来は日台航空路の廃止に伴って起きておる中華航空の従業員問題で御質問しようと思っていたのですが、たまたまニアミス問題があり、井上先生の御質問があるという関係で、同じ方向から二、三の質問を先にやっておきたい、こう考えるわけでございます。  そこで、ただいまのお答えなり何なりを伺っておったわけですけれども、当日は視界が十分きいておったということであり、民間の船のほうの乗客もそれを確認して、そういう事故、ニアミスの前に大声で叫んでおるというほど危険度が高まってきておるという点があるわけなんですけれども、少なくとも同じ方向に向かって進んでおる船であれば、船の航行感覚なり何なりというものは、一定角度を保ちながら船をかわしていくというのが原則であり、そういうことは一番初歩的なことで皆持っていらっしゃる。自衛艦のほうも客船のほうも両方持っているはずなんです。それが考えられないようなニアミスという事件を起こしたところに異常性があると私は思うのですけれども、それは勘違いなり何なり、たとえば一番おしまいの御質問にあったとおり、船を見たい、見せてやろうということがどちらかに作用して、そういう方向で接近していったことがあるのかとも考えられますけれども、少なくとも両方とも外洋を走っている船であり、レーダーの操作はすでにしておったと思われるわけなんですけれども、レーダーの関係なり何なりというものの扱い方、それからレーダーで確認しながら船の進路なり方向なり速度なりというものを計算して出していくのが通常だと思うので、そういう関係から、機械操作の中から距離なり速度なりが出てきたというふうに考えられるわけです。  いまのお話ですと、報告だけにとどまっておるということになるわけですけれども、演習でないにしましても、少なくともソーナーの操作なり何なりということをやるための訓練のためということなり何なり、自衛艦そのものの主要目的に向かって行動をやっておったわけですから、こういう船はたえず非常時に対する何らかの訓練なり何なりというものがあるはずなんです。ですから、横切ったりあるいはお互いの船が接近し合う接近度なり何なり、これは演習の過程の中でしょっちゅう出てくる問題で、いろいろ仮定された計算なり、机上作戦なりあるいは実地訓練なりというものが行なわれておるはずなんです。それがなぜ、自衛艦同士のニアミスなら別として、特に民間船とのこういうニアミスが起きたかというところに問題があると思われるのですけれども、もっと詳しい事情がわかったほうがいいとは思いますけれども、いま私が申し上げた観点の中で幾つか疑問が出てくる点を申し上げたんですが、その点について審議官のほうで、問題点はどれどれどれだという点を御指摘いただきたいのです。
  74. 伊藤圭一

    ○伊藤説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生のおっしゃいましたように、現実にこういった異常事態が起きているわけでございますから、問題点がなかったというふうには私どもも考えていないわけでございます。  一つにはこの緊急の避難動作をやる時期の判断が正しかったかどうかという問題があろうかと思います。しかし、また半面、海上衝突予防法によって横切り船、追い越し船があるときには一定の進路を保って一定の速度で走れ、いままでの速度を保っていけということがきめられておりますので、あまり早くこっちが動くということが相手にまた迷いを与えるのではないかという判断もあったのではないかというふうな気もするわけでございます。  いずれにいたしましても、この事実関係をさらに詳しく私のほうでも調べますし、また、海上保安庁のほうの御指導なども得まして、今後事実関係を詳しくきわめまして、こういうことが起こらないようにするためには今後どういう点をはっきりさせていかなければならないかということについて、海上保安庁のほうとも研究してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  75. 沖本泰幸

    ○沖本委員 保安庁のほうにお伺いしますが、食い違いがあるから報告を聞かないとまだはっきりしたことを言えない、こういうお答えなんですけれども、通常航行の場合、先ほどのお話の中で当直者ということばが出ているのです。ワッチを分けて出ているはずなんですけれども、こういうふうな事態が出たとき、しばしば責任者が現場にいなくて事故を起こしている場合が多いのです。船長がブリッジに出ておったか、当直の士官なり何なりがみな現場にいたのか。非常事態であるということを予測したり、広い海の上で船が接近するわけですから、それだけの問題に対処するだけの人員があったのか、警戒体制に入っておったのかという点報告があったかなかったかという点、それから自衛艦のほうも緊急事態を発令したとかなんとかおっしゃっておりますけれども、いわゆる戦闘隊形とか緊急隊形で全員が配置について指令を受けて緊急動作をやっていくような緊張した状態に船の状態を置いておったのか、あるいは通常航海なり航行のままの状態で判断をしながら処置をとったのかどうか、両方にそれをお聞きしたいと思うのです。
  76. 伊藤圭一

    ○伊藤説明員 御説明申し上げます。  自衛艦は当時艦長が艦橋におりまして指揮をとっておりました。しかし、通常の航海の勤務体制はとっておりましたが、五時の時点で視認するまでの間は通常の航海の監視体制で航行しておったと聞いております。
  77. 船谷近夫

    ○船谷説明員 「はまゆう丸」のほうは一等航海士が当直士官でございまして、衝突の少し前機関を停止した時点で船長が船橋に上がってまいりました。そういったことで、その前の状態が問題であるものですから、主としてはこの当直士官に事情を聴取したわけでございますが、同時にまた、船長にも来てもらいまして、いろいろ事情も聴取いたしました。
  78. 沖本泰幸

    ○沖本委員 狭い水域を通航している場合の状態でなくて、広い場所でこういうことが起きたわけですから、そのこと自体が考えられないということになるわけですし、私たちのしろうと考えの常識ですと、一定の距離なり一定の間隔なり、追い越しするにしたって一定の幅をもっているべきであり、その常識を越えた限界点に来たときにはもう非常事態的な考えを持って当たるべきだと思うのですが、両方ともどういう考えの食い違いがあったのかどうか。判断の誤りがあったのか。  それは異常な接近を起こしたということになるわけですけれども、井上先生の御質問の中にも出てきておりますように、われわれが想像することと全然違った方向で、これは事実をつかんでみなければ疑いを持ってはいけないわけですけれども、非常にあとに問題点を残す議論が出てくるのですね。雫石の問題にしてもいずれの場合にしても、これは全部が死んでしまったということで、あとはもう残った者の間で証拠を調べていく以外にないわけですけれども、今度の場合は、別に接触しそうになっただけで、その点は危険を間一髪のがれたということで不幸中の幸いであったということがいえるわけですけれども、絶対にこういうことがあってはならないと思いますし、また許されない範囲内まで船を接近さして見物したり、見せてあげたりあるいは友好的な姿勢をとったり、そういうこともあり得る場合もあるでしょうけれども、それは非常に速度を落としたような地域の問題であって、こういうふうな場合は厳重に訓練体制なり何なりの体制をとって間隔をあけてしまう。むしろその行動自体は、自衛艦のほうに早い行動性があるわけですから、そのことはできると思うのですね。そういうところから考えて私たちが判断すると、その辺に大きな問題があったと思われるわけです。  ですから、その辺をよく御検討をしていただいて、事実を明らかにしていただくと同時に、今後こういうふうなことのないように厳重に問題を解明していただき、対処していただきたいのですが、自衛隊の、われわれのほうには何もなかったのだというふうな高い姿勢でものをお考えにならないで、一方では地震なんかの場合は非常に住民から喜ばれ、感謝され、大いにその功績をたたえられておる事実があるわけですが、一たんこういうことになると、とたんに非常な疑いの目で問題を見られるというところにやはり自衛隊の何らかの姿勢があるわけですから、やはり国土を守り、国民を守っていくための立場にあるわけですから、そういう面が十分解明されるように努力していただきたいと思うわけです。  それから保安のほうも、これは徹底的に内容を検討していただきたいですね。そして今後この種のことはないとは限らないわけですから、厳重に問題点を明らかにして、再びこういうことが起こらないような対策なり何なりをやっていただきたい、こう考えます。  問題がはっきりしていませんので、この点についてはこれぐらいにいたします。あと航空局のほうにお願いいたします。  これは非常に気の毒な問題でありまして、何らかの方法を講じてあげなければならないわけなんですけれども、日中航空協定の締結に従いまして、台湾との関係が悪化して、一たん日台航路が打ち切られたわけです。その時点で、直ちに中華航空のほうはいわゆる日本にある施設を全部締めてしまって、従業員は全部首になったという事態が起きたわけなんですね。働いていらっしゃる方々にとってみれば、寝耳に水であり、何の責任もないわけなんです。ただ、国の政策的な問題であり、お互いの問題でこういう事態に至ったわけですから、急激なことであり、戸惑うのは当然なんです。この点は十分考えるべき余地があるわけでありまして、したがって、この人たちに責任がないわけですから、この方たちの今後の措置というものを国のほうも十分考えて早急に立ててあげなければならないことになるわけです。  一部の新聞なんかを読みますと、しばらくの間日台の関係を冷却する、静観しておるということであり、参議院の選挙が終わった時点ぐらいからいろいろ検討していくとかいうようなこともありますし、それからまた、日中航空の一番機が飛ぶくらいまでにはその間に何とか解決したいということになりますけれども、この従業員の皆さんの問題等はその後のことにかかってくる。民間の関係で日台間の航空を維持するようなことに話がついても、どこの会社がどういう形でやっていくかということであり、その後においてお互いに協定を結んで、お互いの国に支店を持つなり、事務所を持つなり従業員を置いていくということになるわけですから、この従業員の方々はいわゆる退職金なり長期の生活を保障されるだけの何ものもないわけなんです。そういうことでも、たちまちその月から困ってくるという問題が起きておるわけですから、これに対して十分政府のほうは対策を立てていただかなければなりませんし、そういうことになるわけですが、現在のところどういうふうな考えをお持ちなんですか。
  79. 寺井久美

    ○寺井政府委員 御指摘のとおり、日台航路が途絶いたしまして、その結果、台湾の中華航空の職員あるいは日本航空の台湾における現地職員、この双方が現在解雇されるという状態になっておるわけでございまして、私どもといたしましては、日台航路が一日も早く復活することを願っておるわけでございまして、その努力は続けなければならないし、続ける用意をしておるわけでございますが、何ぶんにもこの措置は、直接的には台湾政府措置によって発生したものでございまして、台湾政府の意思というものが非常に大きくこれには作用しておるわけであります。先生御指摘のように、確かに台湾の中華航空の職員自体には別に非難されるべき点はなかったわけでございまして、これの救済策というものにつきましては、できる限りの措置をとりたいということで、現在までのところ外務省、労働省、運輸省、三省におきましてどういうことができるかという問題を検討いたしております。責任関係とかいうことになりますと、たいへんややこしい法律的な議論にもなりますので、実際問題としてどういうことができるだろうかという線でいま検討いたしております。  当面やはり航空会社につとめておられた方でございますので、できるだけ他の航空会社にごあっせん申し上げたいということで、紹介をするべく準備をいたしておる段階でございます。ただ御存じのように従業員が地位保全の仮処分の命令を申請いたしております関係もありまして、組合といいますか、従業員がどのような職種でどういう就職先を希望するかというようなことが、まだ具体的に実はとれておらないという状態にございまして、そういった資料をつけまして、関係航空会社、外国航空会社も含めまして、なるべく採用してほしいという依頼をしようということで現在準備を進めておる段階でございます。
  80. 沖本泰幸

    ○沖本委員 日中航空協定交渉に関連して、日台航空路線の取り扱いについての方針並びに処理に関する決定の中で、外務、運輸両省案の政府決定の第六条の中に「従業員の生活の安定については所要の配慮をする」こういう政府の決定事項があるわけですけれども、これはそのままお考えになっておるわけですか。
  81. 寺井久美

    ○寺井政府委員 ただいま御指摘の外務、運輸両省案と申しますのは、実は日台航路が切れないという前提で考えておりましたものでございまして、切れないという状態の場合には、必ず日台間を運航する台湾側の企業日本側の企業もあるわけでございます。したがいまして、そういう企業がございますので、現に働いておる従業員の方々はそういう新しい企業に吸収されるということを頭の中に置きまして、そういう方針を立てたわけでございます。ただ不幸にして現在切れておりますので、まとめてこれを雇用するというような実態がないという状態になっておりまして、その両省案をつくりました前提条件と現在はちょっと違っておりますので、そのままその六項目は適用されないという状態になっております。
  82. 沖本泰幸

    ○沖本委員 職種の点が十分わからないからということなんですけれども、これは一覧表が出ておると思うのです。「日本地区中華航空における総体表」というのがあって、昭和四十九年四月二十五日現在で、この中華航空労働組合が調べたところによると、総職種数が十七、総従業員数が百七十二、総組合員数が百二十一、正式に組合に加入した者が百二十名、約百七十名ほどになるはずなんですけれども、それの職種は、日本におる中国人、それも含めて、こまかい数字が運輸省のほうに出ておりませんですか。これはいかがですか。
  83. 寺井久美

    ○寺井政府委員 ただいま先生御指摘の職種別の人数というもの、これは私ども実は受け取っております。ただ先ほど申し上げましたのは、具体的に各人が経験年数がどのぐらいで、どういう就職先の希望があるか、そういったものを実は期待いたしておりますが、これがまだ出てこない、こういう状態でございます。
  84. 沖本泰幸

    ○沖本委員 できるだけ配慮してやって、同じような職種の職場を見つけてやろう、こういう御配慮だと思うのですが、民間会社のほうに多少お当たりになってみられたわけなんでしょうか。あるいは政府のほうで具体的なことを決定してから交渉してみてやろうというふうにお考えなのか。あるいはそのほかのことで御検討いただいておるのか。その辺はいかがですか。
  85. 寺井久美

    ○寺井政府委員 実はまだ具体的に航空会社に対して直接希望があるかないかというようなことを問い合わせてはおりません。先ほど申し上げましたような、経験年数その他の資料をもちましてできるだけ採用してもらいたいという依頼をしよう、こういうことになっております。
  86. 沖本泰幸

    ○沖本委員 そこで、三省でいろいろ検討してやろうということなんですけれども、検討が長引いて、ずっと向こうになって結論が出てくるということになると、それまでにこの人たちは消えてしまうと思うのですね。いま一生懸命になって何とか維持してほしいということで運動もしていらっしゃる様子ですけれども、このまま何カ月も空白状態が続くとたちまち生活費に困ってくるということになるわけですから、どうしても早期解決ということが大事でもあり、そういう時点で、いずれは日台間というものが改善されてお互いに飛行機の行き来ということが生まれてくるということを予想した上でのことだと思いますし、そうなればあるいはもとの職種、職場へ帰れるかどうかということも含めてのことだと思うわけで、予想したことで注文をつけることはどうかと思いますけれども、いろいろな点を考慮していただいて、できるだけ日本にある在来の航空会社なり、日本にある外国航空会社——もっとも中国語なり英語なりということばの点のあれなり仕事の職種の関係、いろいろ違ったものもあるので、難解な点もあるのじゃないかとは予想されますけれども政府のほうであっせんをしてやっていただいて、何とか早い時点でこの問題の円満解決なり、この人たちのこういう立場を救ってあげる方向結論出していただきたいということなんですが、その辺はどの辺までに結論を得ようというのか。あるいは早い時期にそういう方向に向けているのかどうか。その辺の感触をお教えいただきたいのです。
  87. 寺井久美

    ○寺井政府委員 この問題の一番むずかしい点は、先生御指摘のように、日台航路というのがいつの時点で復活し得るのか、こういう見通しが現在のところ全く立っておらない点に非常に問題の解決のしかたのむずかしいという点がございます。しかしながら、私どもといたしましては、できるだけ再就職のごあっせんを申し上げていきたいということで、御指摘のように、あまりおそくならないで、早い時期にそういう手段、措置をとっていきたい。効果のほどはどの程度あるか、これもなかなかむずかしい問題でございますが、行政官庁としてできる範囲のことをやっていきたいというふうに思います。
  88. 沖本泰幸

    ○沖本委員 これで終りますけれども責任があるとかないとかいうことになると、台湾のほうが手を切ったので向こうに責任があるのだといって政府は逃げられると、責めようがないということになるわけで、したがって、日台の間を維持していくために努力をしていらっしゃるわけですから、そういう政治的なあるいは外交的な配慮の中でこういう不幸な人たちができたのだという点を十分認識していただいて、早急にこの問題の解決に御努力をしていただきたいことを要望いたしまして、質問を終わります。
  89. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後三時五十分散会