○
久保(三)
委員 警察庁の
お話、それから
自動車局長の
お話も、
積み荷は
千差万別であるからなかなかそう簡単にはいきませんよという
お話なのですが、
千差万別だからいろいろ問題が
一つはあるのですね。それからもう
一つは、
事故を起こすというのは、
千差万別の中でも大体さっき
お話があったように、
鉄鋼とかあるいは原木なんというものも危険が伴うのですね。あるいは長尺ものの材木とかそういうもの。それからこういう例はあまりないとは思うのですが、
硫化銅みたいなさらさらしたもの、こういうものがそのまま
バラ積みになっていると、
傾斜があると片荷になるのですね。片荷になれば当然危険になってくる。ある
程度そういう特殊なものがあると思うのです。私は、しつこいようでありますが、少なくともいまの
道交法の五十七条ぐらいで、あるいはそのほかにもあるかもしれませんが、そういうものだけでいろいろ
考えられても、これは無理ではなかろうかというふうに思うので、さっき二つの
項目について希望を兼ねて
質問したわけなのでありますが、むずかしいけれ
ども何か手を打たなければならぬということはおわかりだと思うのです。そうだとするならばやはり検討を加えてもらいたい。
たとえば非常に皮肉な、意地の悪い
質問でありますが、
道交法五十七条で
出発地の
警察がその
積載の特例を認めて、その認められた
トラックがもしも
積み荷の積み
つけの不良によって
事故を起こしたというときには、これは当然
運転手の
責任だろうと思うのです、五十七条では。
警察は単に、これは重たいけれ
ども分割はできないから、やむを得ないから持っていってよろしいというだけの、気楽な許可を与えるにすぎないものではなかろうかと思うのです。たとえば
ストリップミルの
鉄鋼、
コイル、これは一巻き二十トンくらいあるそうでありますが、これは分割できないから十トン車でいいから持っていけといった場合、まあそれは分割できないから五十七条を引用して許可した場合に、本来ならば
コイルはまるいから移動するのですね。一本や二本の
ロープで引っぱってみたところで、これはそうなかなか
——ブレーキをかけたり、坂道をのぼったりおりたりした場合には、これは歯どめをかけなければならぬ
品物だと思うのですね、
一つは。しかも、歯どめも単に車の歯どめなどをちょっとかすがい
程度に差し込むということではまずいのですね。車体にちゃんと
くぎなら
くぎで取り
つけられたものの歯どめがなければあぶないのではないかというふうに思うのですね。そういうことまでの
指導はおそらく五十七条ではしないし、また、そこまでの点検を
警察官は義務づけられていないと思うのですね。これは一切
運転手に義務づけられているということなんです。義務づけられているのはそれでいいと思うのですけれ
ども、少なくとも許可するからには、危険であるかないかの認定はやはり当然職務上必要な
範囲だと思うのです。そういうところからいって、第一線の
警察官は規則にないことまでやれといったってこれは無理でありますが、内部的には少なくとも
積み荷はこういうふうにやれというくらいの
指導はやるべきだと私は思うのです。
運転手のほうもできなければ、
警察官自体が
危険度の判定ができないようでは、
交通警察をまかせておくわけにはいかないのではないかというふうに思う。そういう
意味では
一つある。だからあわせて
運転者の
教育というか、
指導もするのが当然ではないか、
千差万別でむずかしいことはありますよ。しかしおおよそは先ほどの例のとおりあぶないやつはわかるのですよ。ですから、それくらいのやつはひとつ
考えてみたらどうか。もう一ぺん再考を促したいのであります。
それからもう
一つは、
運輸省の
お答えでありますが、
メーカーに対する、
使用方法の明示というか、そういうものを御検討いただくことを御同意いただきましたので、これは推進してもらいたいと思うのです。
保安基準について全くの
しろうと、技術的には何もよくわかりませんけれ
ども、どうも
しろうとの勘として、
積載時におけるところのいわゆる
保安基準といったらおかしいが、
保安度はどの
程度まで許容されるものかというのは、やはり
許容限度というものがあると思うのです。
品物によって
かさ高になるものもあるし、
かさ高にならぬものもある。あるけれ
ども片荷は大体どの
程度まで、こういう
品物ならこの辺までくればこれは
保安基準の
範囲外になりますよというようなことくらいは、やはり
使用する、
運転するあるいは
積み荷を積み
つける者の目安として何かを明示する、
保安基準というしかつめらしいものでなくても、ある一定の
限度をつくっておく必要がありはしないか。私は、車がいまの
保安基準だけで全部安全だとは、
しろうとなりに
考えてみても
考えないのですよ。
道路の
構造もありましょう。あるいは
積み荷の物によっても違うと思うのですよ。だから、そこでいま申し上げたようなことをひとつ
考えてみたらどうか、そして
メーカーにもやはりそういうものに合致する
構造を検討してもらうということが必要ではないかというふうに思うのです。そういう点は
しろうとの意見でありますから、どういうふうにお
考えでありますかわかりませんが、私
どもはそういうふうに思うのです。これはあわせて
あとから御答弁をいただきたいと思うのです。
時間の
関係で、続けて次は
警察庁にも
自動車局長にも
関係のない
質問に入ります。
これは
船舶局長に
お尋ねをするのでありますが、最近というか、先般この
委員会で
ジャンボエアバスの
脱出装置についての議論がなされたと思うのです。
脱出装置の
脱出が可能であるかどうかの問題ではなくて、
脱出装置そのものについて私は問題があるというふうに思うのです。たとえば
カーフェリーなどにもあるいは
旅客船にもあると思うのでありますが、なわばしごがあると思いますが、これは
荒天時でなければ、波も風も全然ないというようなところならば、大の男で血気にはやる者は
しろうとでも、たとえば
乾舷八メートル以上ありますね。そういうところからでもおりることはできます。しかもこれは垂直でありますから、下を見たら非常に健康な者でない限りは目がくらんで、どうも
恐怖心が先に立つのじゃなかろうかと私は思うのです。ましてや
荒天時においては、残念ながらセーラーというか乗り組みの
船員以外は
——船員でもなかなかむずかしいのじゃないかと思うのですが、それ以外の者は残念ながらなわばしごなどで下の
救命艇なり
救命ボートに乗り移ることは、私はかなり困難だろうと思うのですよ。ましてや
シューターは、最近
合成繊維というか、そういうものでできている。これは波風には動揺するわけですね。動揺しますから、これまたそういうものでかなり下までおりていくというようなことはむずかしいと思うのですね。飛行機の場合でも、
脱出装置を使うのはおおむね海の上だろうと思うのですね。その場合に、おそらく風波があってそういう
脱出装置そのものが動揺しますから、その
脱出装置に乗っても下までさっとおりられるかどうか、私はたいへんむずかしいのじゃなかろうかと思うのです。こういうものの
研究はどうしているのか。これで安全だと思って、たとえば
カーフェリーのごとく五百名も六百名も乗せていくのだが、これで安全だという
実験をしたことがあるかどうか。五百も六百もの一般の人を対象にして
実験したことがあるかどうか。おそらくないのじゃなかろうかと思うのです。また、やろうったってこれはたいへん無理だと思う。しかしこの
実験をしないで、ただ観念的に、
膨張式の
ゴムボートもあります。
漁船のような場合には、乗り組み員も、
荒くれ男といっては
語弊がありますが、血気盛んなものがある。しかも
漁船のごときものは
乾舷は非常に低い。だから
膨張いかだであっても、泳ぎもできるというから飛び込んでいって
膨張いかだに乗り移っていける場合がある。しかしこれは、
しろうとが
乾舷の高いところから
シューターでうまくおりても、動揺している
ゴムボートに乗り移ることは、私はそう簡単にいくものとは
考えられないのですね。なわばしごにおいてもそうですね。
ボートは上下に動揺しているのですから、なわばしごでおりてきて、くろうとであれば上がったときにぽっと乗り移れるが、
しろうとはおそらく下がったときに手を離すのじゃないかというふうに思うのです。その場合には、残念ながら
ゴムボートには移れないで海のほうへ落ちてしまうという
心配があるのですね。いままであまり大型の
事故はなかった。あっても、いつか瀬戸内ですか、その
事故のときには乗客は非常に少なかった。また
平水航路と同じようなところであったというようなところで、これは難をのがれたのでありますが、どうもその点が
心配なんであります。
船舶建造の際にはそういう安全の
装置についていかなる
規制があるのかないのか。それから、
現行のこういう
脱出装置というか
救命装置というか、そういうものについていまはどんなふうに
考えられているのか。時間もたくさんないようで、
あとの
質問がありますから簡単に願いたいのですが、そういうこと。あるいは現在
研究開発はしているのかどうか。そういう諸点についてお伺いをしたい。
それからもう
一つ、
海上保安庁に
つけ加えてですが、これはある
会社の
社長の書いた書物の中に、たまたま最近私が見まして
——これは
旅客船をやっている
船会社の
社長かもしれませんね。その人の言うことには、船が岸壁に着く寸前に
海上保安庁が乗り込んでいって、
定員オーバーだ、けしからぬということで処罰されたそうであります。これはどういうふうに思いますか。なるほどこれも
取り締まりだけれ
ども、乗せないのが
取り締まりだと思うのですね。乗船時においてこれはチェックする。下船時にチェックしたって何になるか。無事に帰ってきたものは何も
関係ない。もし
事故があったらたいへんだというだけの話で、これこそ形式的な
取り締まりであって、もしもそういうものをほんとうにやっておるとするなら、
海上保安庁はたるみ切っているのじゃないかというふうに思うので、これはどういうふうなのか。これから夏になってレジャーの問題もかなり出てくる。
定員オーバーというような問題が出てくる。そういう際に、やはり安全の観点からチェックはするのでありますから、その
やり方についてどういう
指導を持っておるか、これを
説明してください。
以上です。