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松本説明員 非常にたくさん
先生おっしゃいましたので、あるいは私あわせてお答えするようなことになるかとも思いますが、現在、管制の取り扱い機数に対してどのような
基準を設けて、それによって行なっていくかという点につきましては、非常に混雑度が高いと一般にいわれております
東京国際空港と
大阪国際空港につきまして、一時間当たりの取り扱い機数、三時間連続の取り扱い機数、一日の取り扱い機数、こういう三段階に分けて実は
規制をしております。
なぜこのような三段階にしたかと申しますと、一時間の
発着回数というものはほぼ理論的に出てまいりますが、それを連続してやっておりますと、管制官の疲労度が蓄積をいたします。当然そこに山と谷がないと、管制官がかなりくたびれるということがございますので、三時間連続の機数をやや低目に押えるというふうな措置をとりました。さらに、一日の総数というものは、全体的に見まして待ち時間の、つまりコールドをかけられる時間の平均が十分をこえないということをめどにいたしまして、一日の取り扱い機数を、たとえていえば
東京国際空港は四百六十機、こういうふうに定めてあるわけでございます。
ただいま申し上げました管制官の疲労度というものを、しからばどのように客観的に判断するかという点につきましては、四十二年から三年にかけまして、
東京管制部において労働科学研究所が
一つの実験をいたしております。その実験は、管制官が対空通信をいたしますときに、その管制官の脈搏の数と、それから扱っております
飛行機の数、それが一定時間に何機扱ったか、それから一定の時間の間に何分間パイロットと話しておったか、こういうふうな数字の相関
関係を求めました。その結果、六五%の通信負荷率、つまり、かりに一分といたしますと一分間のうち約四十秒、この間をパイロットと話しておるという
状態になった場合には、管制官の脈搏数の増加が通常の作業をするのには支障があるのではないかと判断される程度までふえる、こういう結論が得られたわけでございます。
私
どもはこれを
一つのめどといたしまして、先ほど申し上げました中部北陸セクターの三十分十八機というような数字も、これを六〇%に押えました。六〇%になった場合に評価五ということで相当回数にわたって実験を繰り返した結果、
先生おっしゃったように三十分十八機、三カ所のフィックスに対して積み上げられましたストリップの数が十六、こういうことでめどをつけたわけでございます。現在
東京管制部におきましては、関東セクター、中部北陸セクター及び近畿セクター、この三カ所に、多少数字は違っておりますが、ほぼ似たり寄ったりのフローコントロール
基準というものものができております。それを
実施いたしておりませんのは、これはあえてしていないわけではございませんで、
現実のトラッフィックの数が、そろそろかけようかな、十八になってきたな、こういうときにちょっと模様を見ているとまたすうっと下がるというふうなことのために、
現実のトラフィックの数が十八、十九というふうに単調にのぼっていくという傾向を示さないというふうなこともあって
実施をしていない。この数字は実は御
承知のように、東富管制部はコンピューターですべての飛行
計画を処理しておりますので、コンピューターのほうも自動的にはじき出してまいります。向こう三十分に何機出てくるという予想数字を出してまいります。したがいまして、主管と呼ばれておりますスーパーバイザーでございますが、この管制官がその数字と
現実に前に置いてありますストリップの数を見ながら、これならあぶないぞというときには直ちにフローコントロールがかけられるように、その場合、どういう手続でするかというふうな点については、すべて詰めを終わっておりますので、
先生御
指摘ではございましたけれ
ども、あえてしていないということではございませんので、御了解をいただきたいと思います。
それから最後に、こういったような管制の近代化というものを進めていきます場合に、官制官の数をただふやしたのでは実はうまくいかない面がございます。私
どもはまずレーダー化するということに最大の眼目を置きました。次に、
一つのセクターに何人を配置するかというのは、たとえばマニュアルセクターは三人、レーダーセクターは四人というのが互いに協調
動作する場合には大体よろしい数字かと思いますので、その三人なり四人なりで扱える数字というものを出して、それ以上にふえた場合にはセクターのほうを分けてしまう、こういう考えでございます。ただ、セクターをあまりに細分化いたしますと、今度はセクター同士のコーディネーションが要りますので、管制官はよけいな労働がかかります。そこで、いま私
どもが考えておりますのは、この近代化
計画に従いまして管制部を移転し、
全国をおおいます八つの長距離監視レーダーができましてレーダー管制ができる時点をおおむねのめどといたしまして、レーダーセクターというものをつくる。そのレーダーセクターをつくります場合に、
先生御
指摘のございました空域のありよう、それからトラフィックの実態、こういうものを勘案して、現在の九セクターがおそらく十とか十一とかそういうふうな数にふえていくのではないか。その実態はもう少しトラフィックのありさまをよく調べた上で具体的な数字は出していただきたいというふうには考えておりますけれ
ども、セクターの分割という点についてそういうやり方で対処していきたい、こういうふうに考えております。