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1974-02-06 第72回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年二月六日(水曜日)     午後零時十七分開議  出席委員    委員長 勝澤 芳雄君   理事 小此木彦三郎君 理事 中村 弘海君    理事 野中 英二君 理事 井上  泉君    理事 野坂 浩賢君 理事 紺野与次郎君    理事 平田 藤吉君       阿部 喜元君    片岡 清一君       左藤  恵君    太田 一夫君       久保 三郎君    松本 忠助君       渡辺 武三君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 徳永 正利君         建 設 大 臣 亀岡 高夫君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      小坂徳三郎君         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長)   町村 金五君  出席政府委員         総理府総務副長         官       小渕 恵三君         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      秋山  進君         警察庁交通局長 渡部 正郎君         運輸大臣官房審         議官      原田昇左右君         建設省道路局長 菊池 三男君     ――――――――――――― 二月六日  理事紺野与次郎君同日理事辞任につき、その補  欠として平田藤吉君が理事に当選した。     ――――――――――――― 昭和四十八年十二月十九日  交通安全対策確立に関する陳情書  (第五二号)  交通安全対策確立に関する陳情書  (第九五号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  交通安全対策に関する件      ――――◇―――――
  2. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 これより会議を開きます。  理事辞任の件についておはかりいたします。  理事であります紺野与次郎君から理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。  引き続き理事補欠選任を行なうのでありますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 御異議なしと認めます。それでは、理事平田藤吉君を指名いたします。      ————◇—————
  5. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、小坂総理府総務長官町村国家公安委員長徳永運輸大臣亀岡建設大臣から、交通安全対策基本施策についてそれぞれ説明を聴取いたします。小坂総理府総務長官
  6. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 今国会における交通安全対策特別委員会審議が開始されるにあたり、交通安全対策に関する政府方針を申し述べます。  昨年中の道路交通事故による死者数は一万四千五百七十四人、負傷者数は七十八万九千九百四十八人であり、前年の昭和四十七年中に比べ、死者数において千三百四十四人、八・四%の減、負傷者において九万九千二百五十人、一一・二%の減と大幅な減少を示しております。  政府といたしましては、昭和四十五年に制定された交通安全対策基本法に基づき、昭和四十六年度から昭和五十年度までの五カ年間を対象として、交通安全基本計画を決定し、関係行政機関地方公共団体及び国民協力のもとに、諸般施策を講じてまいりました。昭和四十六年、同四十七年に引き続き昨年中も交通事故減少という成果を見たのも、このような総合的な交通安全対策が効果をあげてきた結果と考えられます。  しかしながら、死傷者の数は、なお年間八十万人をこえており、国民生活に多大の不安を与えております。特に、交通上最も弱い立場にある幼児老人に多数の犠牲者が出ていることは、まことに憂慮にたえません。  私は、昨年十一月総理府総務長官就任して以来、交通事故をさらに大幅に減少させなければならないという決意のもとに、当面、幼児交通安全対策自転車安全利用対策推進するとともに、石油供給削減措置という事態契機に、自動車使用抑制対策交通対策本部において決定し、推進してまいりました。  今後も、交通安全基本計画に基づき、現在の交通情勢に適合した総合的かつ計画的な諸施策を効果的に推進するようつとめていく所存であります。  このような施策の実現をはかるため、昭和四十九年度の予算編成に際しては、関係省庁交通安全対策関係予算の調整を行ない、その結果、予算額としては、前年度に比較して約七・五%増の総額約三千五百五十三億円を計上いたしました。  総理府所管予算といたしましては、交通事故被害者救済及びダンプカー安全対策を最重点施策としております。被害者救済対策としては、都道府県交通事故相談所の支所を増設することとしたのをはじめ、交通遺児育英資金確保などをはかることとし、また、ダンプカー安全対策推進するため、新たに、ダンプカー協会が行なう交通安全対策事業に対して都道府県が行なう助成について補助をすることといたしました。  以上、交通安全対策に関する政府方針を申し述べましたが、各位の御指導をお願い申し上げます。
  7. 勝澤芳雄

  8. 町村金五

    町村国務大臣 本委員会の開催にあたりまして、国家公安委員会委員長として一言ごあいさつを申し上げますとともに、所信一端を申し述べ、一そうの御指導、御協力を賜わりたいと存じます。  委員各位には、平素から交通問題について多大の御尽力をいただいておりまして、まことに感謝にたえません。  御承知のように、昨年の交通事故は、関係機関をはじめ国民各層の方々の懸命な努力により、発生件数死傷者数とも大幅に減少し、戦後初めて三年間連続して減少傾向を維持できました。  しかしながら、交通事故による死者が、いまなお一万四千人をこえるということは、真に悲しむべきことであり、特に、幼児老人層に多くの死傷者を見ておりますことは、憂慮にたえないところであります。加えて、都市部における交通混雑大気汚染騒音等による交通公害も深刻な問題であります。  このような情勢に対処するため、警察といたしましては、これまでも人命尊重立場に立って交通事故抑止のため、諸般施策を強力に推進してまいったところでありますが、本年はさらに決意を新たにし、変転する交通情勢の推移に対応した実効のあがる交通安全対策を講じてまいる所存であります。  委員各位の一そうの御高示と御鞭撻を賜わりますようお願いをいたしまして、私のごあいさつといたします。
  9. 勝澤芳雄

  10. 徳永正利

    徳永国務大臣 お許しを得まして、運輸大臣といたしまして、交通安全対策について所信を申し述べます。  中東戦争契機とした世界的エネルギー危機は、国民生活にきわめて関連の深い交通部門に対しても深刻な影響を及ぼしつつありますが、このような情勢下におきましても、交通安全の確保事故未然防止は、あらゆる運輸サービス基本として、運輸行政における最も重要な課題と考えております。  この課題を解決するためには、人命尊重が何ものにも優先するとの認識のもとに、安全を確保する上で特に重要な役割りをになっている交通業務従事者の自覚と知識、技能の向上をはかるとともに、安全管理体制充実安全施設整備を含む総合的安全対策長期的視野に立って、強力に推進していく必要があります。  このため、運輸省としましては、今後とも安全確保を最重点施策の一つとして取り上げ、具体的諸施策を強力に実施してまいる所存であります。  まず、陸上交通のうち自動車交通安全確保につきましては、自動車運送事業者安全管理徹底自動車構造装置等に対する安全規制強化及び検査登録体制充実をはかるとともに、事故未然防止被害者保護を増進するために昨年設立されました自動車事故対策センターを中心として、従来の施策をさらに拡充強化してまいる所存であります。  鉄道交通安全確保につきましては、踏切道立体交差化構造改良及び踏切保安設備整備をはかるほか、運転関係従事者に対する指導訓練強化及び信号保安設備等鉄道交通環境整備を促進することとしております。また、長大トンネル内及び地下鉄道における火災事故対策として、車両不燃化推進事故時の即応体制確立等全力を傾注させる所存であります。  次に、海上交通安全確保につきましては、航路港湾航路標識整備船舶安全運航に必要な管理体制整備船体設備安全性強化運航要員資質向上をはかるほか、海上交通安全法をはじめとする各種海事関係法令周知徹底により、海難発生未然防止につとめるとともに、海難救助体制及び大量流出油防除体制充実強化をはかることとしております。  また、最近におけるモーターボート遊漁船等の急増による事故多発に対処するため、小型船舶についても新たに検査実施するとともに、すでに御審議をお願いしております船舶職員法の一部改正により、操縦者資格免許制度充実強化をはかる等その安全確保につとめることとしております。  さらに、昨年事故の多かったカーフェリーのほか、危険物運搬船等特殊船舶に対しても必要な安全対策強化してまいる所存でございます。  航空安全確保につきましては、航空保安施設航空管制施設及び航空気象業務整備拡充を強力に推進するとともに、騒音対策を含む空港整備ハイジャック防止体制確立航空機乗員及び航空保安要員養成体制強化をはかることとしております。  また、同時に航空会社に対しましては、機材の点検整備強化運航乗務員資質向上等安全運航管理体制整備を強力に指導していくこととしております。  さらに、今回新たに設置した航空事故調査委員会により、適確かつ迅速な事故原因の究明と、事故再発防止徹底を期してまいる所存であります。  以上、当面の重点施策について所信一端を申し述べましたが、今後とも国民の期待にこたえるべく交通安全行政推進してまいりたいと存じますので、何とぞ委員会皆様方の格別の御指導、御鞭撻のほどを心からお願い申し上げる次第でございます。
  11. 勝澤芳雄

  12. 亀岡高夫

    亀岡国務大臣 交通安全対策の諸施策について、御審議をお願いするにあたりまして、建設大臣として、建設行政の面から、交通安全対策についての所信を申し述べたいと存じます。  御承知のとおり、わが国の経済、社会の発展に伴う自動車輸送需要の増加と多様化は、道路整備必要性を高めており、このため、政府としては、昭和四十八年度を初年度とする第七次道路整備五カ年計画を策定し、道路事業推進をはかっておる次第でございます。  しかしながら、このような自動車輸送発達は、反面、交通事故多発をもたらしております。これに対しましては、関係者の懸命の努力により昭和四十六年以降死傷者は漸次減少しておりますが、昨年一年間で、一万四千五百余人死者と七十八万九千余人負傷者発生を見るといういまだ憂慮すべき状況にあります。  このような事態に対処するため、建設省といたしましては、最近の石油供給不足に伴う総需要抑制策の中にありましても、交通安全対策重要性にかんがみ、その一そう強力な推進をはかってまいる所存であります。  その第一は、道路の新設または改築を行なうにあたって交通安全対策基本法の精神にのっとり、交通安全施設等の完備した道路整備することとしております。  第二は、既存道路については、昭和四十六年度以降、交通安全施設等整備事業五カ年計画により、総合的かつ計画的に交通安全施設整備拡充をはかってまいりましたが、昭和四十九年度はその第四年度として、一そうの交通安全施設整備を進めてまいりたいと考えております。特に、道路交通上弱い立場にある歩行者自転車利用者交通事故から守るための施設整備重点を置くことといたしております。  また、既存道路における危険個所の解消をはかるべく、道路防災事業を強力に推進してまいることといたしております。  第三は、踏切道における交通事故防止交通円滑化をはかるため、国民の要望のきわめて高い日本国有鉄道地方鉄道等における踏切道立体交差事業推進することとしております。  第四は、交通事故防止及び児童、青少年の心身の健全な発達に資するため、都市公園整備五カ年計画の第三年度として、都市における国民日常生活に密着した児童公園等の住区基幹公園の緊急かつ計画的な整備推進をはかることといたしております。  第五は、道路管理体制強化により、道路交通の安全の確保をはかることとしております。特に大型車両による交通事故発生防止するため、道路法に基づき、これら大型車両通行に対する指導、取り締まりを強化し、その秩序正しい通行確保することにより、国民の願いである交通安全が実現されますよう、一そう努力を傾注する所存でございます。  以上、交通安全に関する諸施策について所信を申し述べましたが、交通事故防止のため、今後一そう徹底した総合的な交通安全施策を強力に推進してまいる決意でありますので、よろしくお願い申し上げます。
  13. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 この際、小渕総理府総務長官より発言を求められておりますので、これを許します。小渕総理府総務長官
  14. 小渕恵三

    小渕政府委員 このたび総理府総務長官就任をいたしました小渕恵三でございます。  もとより非力でありますが、交通安全確保のために全力を尽くして努力をいたしてまいりたいと存じます。勝澤委員長はじめ、委員先生方の御指導と御鞭撻のほどを心からお願い申し上げる次第でございます。  簡単でありますが、就任のごあいさつといたします。(拍手)      ————◇—————
  15. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 次に、昭和四十九年度における陸上交通安全対策関係予算について説明を求めます。秋山総理府交通安全対策室長
  16. 秋山進

    秋山政府委員 ただいまから昭和四十九年度陸上交通安全対策関係予算要求について説明させていただきます。  要求総額は三千五百五十二億九千三百万円でありまして、前年度予算額に比し二百四十八億六千六百万円、七・五%の増となっております。  おもな内容につきましては、お手元にお配りしてあります調書によって御説明申し上げたいと思います。  調書は、左の欄が事項でございまして、その次が四十九年度予算額、次が前年度予算額、次が比較増減となっておりますが、次に、備考欄は、その事項内容の概略が記載されております。  まず、1の道路交通環境整備は、総需要抑制に伴う公共事業のワクの制約から大幅な増額はいたしておりませんが、その中において、交通安全対策として最も重要な(1)の交通安全施設等整備につきましては、特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の第四年目としまして、一〇・一%増の四百七十七億七千四百万円を計上し、その推進をはかることといたしております。  二枚目に移りまして、子供の遊び場の確保は、特に配意いたしまして、(6)の基幹公園整備建設省関係でございますが、一八・九%増の百七十三億六千四百万円、それから(7)の校庭開放事業文部省関係でございますが、四〇・四%増の三億三千七百万円を計上いたしております。  次に、2の交通安全思想の普及は、少額ではありますが、四六・三%増の六千万円を計上いたしております。この中には、(1)にありますとおり、新規事業としてダンプカー事業者安全指導経費が含まれております。  次、三枚目に移りまして、安全運転確保につきましては、例年以上に留意し、二三・四%増の百四十六億六千三百万円を計上し、これによって(2)の交通取締用車両等整備、(3)の交通事故事件捜査活動等強化、これは警察庁関係でございますが、をはじめといたしまして、四枚目の検査施設増設検査要員の増員を内容とします(7)の自動車検査登録業務処理体制整備運輸省関係について重点を置いております。  次に、4の被害者救済につきましては、福祉型予算の一環として特に二倍強の増額をしており、(2)の救急医療施設整備について三〇・五%増の八億六千八百万円、次の五枚目の(3)の脳神経外科等充実文部省関係につきまして五倍強の四千二百万円、それから(5)にございます、昨年発足いたしました通勤途上災害保護制度実施労働省関係は、二倍強の二百六十九億八千六百万円、(8)の自動車損害賠償責任保険特別会計運用益につきましては、昨年十二月発足いたしました、(ア)にございます自動車事故対策センターには、三倍強の十五億五千八百万円、また、次の六枚目に入りまして、交通遺児育英資金をはじめ各種公益法人に対する補助内容とします(イ)の被害者救済、これには四九・三%増の七億一千八百万円を計上し、その充実をはかっております。  5のその他は、調査研究に要する経費でありますが、ほぼ前年並みであり、この中には交通事故発生件数増減に関する要因の調査等総理府の行なう調査も含まれております。  以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。
  17. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 次に、昭和四十九年度における海上交通及び航空交通安全対策関係予算について説明を求めます。原田運輸大臣官房審議官
  18. 原田昇左右

    原田政府委員 昭和四十九年度海上交通及び航空交通安全対策関係予算について御説明申し上げます。お手元に縦長の用紙で横書きの資料、右上の端に運輸省と書いてある資料をお配りしてございますので、それに沿って御説明申し上げます。  まず、海上交通安全対策関係予算でございますが、一部未定のものを除きまして、合計百七十七億九百万円を計上してございます。これはほぼ前年度並み予算となっております。  内訳を御説明いたしますと、まず第1に、交通環境交通安全施設等整備といたしまして百十六億二千万円計上してございます。  内容としましては、東京湾口、瀬戸内海、関門航路等航路しゅんせつのための経費六十六億五百万円、防波堤の建設、泊地のしゅんせつ等避難港の整備のための経費三億九千三百万円、その他シーバース建設調査のための経費がございます。これは港湾調査費の一部でございまして、現在実施計画を作成中でございますので、金額は未定となっております。  以上は、昭和四十六年度を初年度といたします港湾整備五カ年計画に基づくものでございます。避難港の整備は、前年度に比して減少しておりますが、これは四十八年度をもって所要の整備を終了する避難港が二港あるためでございます。  それから航路標識整備のための経費四十六億二千二百万円がございます。この中には、レーダー等により船舶の動向を把握し、船舶管制を集中して行なう海上交通情報機構整備のための経費が含まれております。  第2に、船舶安全性確保といたしまして一億一千五百万円計上してございます。  内容といたしましては、船舶検査を行ないますための経費九千万円、この中には新たにモーターボート等検査実施いたします小型船舶検査機構に対する出資金三千万円が含まれております。  それから船舶安全対策として、各種船舶に対する安全基準整備を行なうための経費二千四百万円、これには四十八年八月に定めましたカーフェリー安全対策に基づくカーフェリー特殊基準充実強化のための経費九百万円が含まれております。  その他、国際条約履行体制整備のための経費百万円がございます。  第3に、安全運航確保といたしまして、二億一千四百万円計上してございます。  内容といたしましては、海上交通安全対策のための経費一億二百万円、これは最近における船舶大型化交通ふくそう化等に対応して海上交通安全法が一昨年制定され、昨年七月から施行されましたので、その円滑な施行のために、関係者に対する法令内容周知等を行なうための経費でございます。前年度に比べ減少しておりますのは、法律の施行に伴う管制所通信施設等施設整備が四十八年度をもって終了するためでございます。  次のページに参ります。旅客船の安全対策経費七百万円がございます。これにはカーフェリー安全対策に基づく運航管理体制強化のための経費が含まれております。  それから一つ飛びますが、乗船指導監査のための経費がございます。これもカーフェリー安全対策に基づく乗務員乗務体制強化のための経費でございます。  その他、船員法で船長に課せられております発航検査義務履行状況を監査するための経費短波放送による船員災害防止指導のための経費がございます。  次いで、海技従事者国家試験実施のための経費九千八百万円がございますが、この中にはモーターボート等小型船舶について設けられている新しい資格制度において、実技試験を国にかわって実施する機関に対して補助するに必要な経費三千二百万円が含まれております。  この小型船舶操縦者資格免許制度の創設のため、今国会で御審議をお願いすべく船舶職員法の一部改正案を提出しておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  次の項目は、第4に、警備救難体制整備といたしまして五十六億九千六百万円計上してございます。  内容といたしましては、巡視船艇及び航空機整備強化のための経費五十億七千三百万円、それから海難救助体制整備のための経費六億二千三百万円でございます。  最後に、海難防止に関する研究開発といたしまして、備考にございますとおりの研究実施するための経費六千四百万円を計上してございます。  以上が海上交通安全対策関係予算でございます。  次に、ページをくっていただきまして、航空交通安全対策関係予算でございますが、合計六百八億九千二百万円を計上してございます。これはほぼ前年度並み予算となっております。  内訳を御説明申し上げますと、まず第1に、交通環境交通安全施設整備といたしまして四百八十七億八千六百万円を計上してございます。  内容といたしましては、まず、空港整備のための経費三百六十四億五千九百万円、航空の安全を強化するためのレーダー等管制施設航空保安無線施設等航空路整備をするための経費百十六億七千二百万円がございます。これらは、昭和四十六年度を初年度とする空港整備五カ年計画に基づくものでございます。  それから、航空気象業務整備のための経費六億五千五百万円がございます。  第2に、安全運航確保といたしまして九十一億六千八百万円計上してございます。  内容といたしましては、空港維持運営のための経費四十四億七千三百万円、航空路施設維持運営のための経費十三億五千五百万円、航空保安施設検査のための経費三十三億四千万円がございます。  第3に、航空従事者教育訓練充実といたしまして二十八億七千五百万円計上してございます。  内容といたしましては、航空保安学校充実のための経費五億三千二百万円、航空学校充実のための経費二十三億四千三百万円でございます。航空保安学校充実のための経費が前年度に比べ減少いたしておりますのは、仙台分校整備が四十八年度をもって終了するためでございます。  最後に、航空交通事故防止に関する研究開発といたしまして、備考にございますとおりの研究実施するための経費六千三百万円を計上してございます。  以上が航空交通安全対策関係予算でございます。  簡単でございますが、これで説明を終わらせていただきます。
  19. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 次に、昭和四十九年度における交通警察運営について説明を求めます。渡部警察庁交通局長
  20. 渡部正郎

    渡部政府委員 昨年、警察といたしましては、交通事故によります死者を一万五千人以下に押えるということを一応の目標にいたしましてやったわけでございますが、この目標を四百二十六人ほど下回りまして、死者が一万四千五百七十四人にとどまったということは、一応の成果であったのではないかと思っているわけでございますが、一昨年比の減少数が千三百四十四人でございまして、これは昭和三十七年に次ぐ大幅な減少数でございます。ただ、昭和三十七年におきましては負傷者が逆にちょっとふえておりますが、昨年は死者が大幅に減ったのみならず負傷者も十万近く減りまして、件数もこれは史上最高の減少を示しているわけでございますが、その点では一応の成果があがったものと見られるわけでございます。  なお、減少のペースは、石油問題が起こる以前から前年比を上回る減少率で減少を続けておりまして、時とともに減少のペースを速めたという状況になっているわけでございます。  ただ、昨年の死亡事故状況をいろいろ振り返ってみますと、昨年としても幾つかの問題が残っているわけでございまして、最も問題なのは、七歳から十二歳の小学生の死者が、わずかではございますが、一・三%ほど増加したということは、全体の死者が大幅に減少した中でのことでございますので、なおさら問題であろう、ことしはこれを重点の一つに取り上げたいというふうに思っている次第でございます。  車種別に見ましても、ほとんどの車種の死亡事故減少しております中で、営業用の乗用車、大型、普通ともにこれも死者、死亡事故はふえております。ことに大型の営業用の乗用車は八・六%ほど死亡事故死者がふえておるわけでございまして、その点ことしの対策上考えなければならないというふうに思っているわけでございます。  個別的なことについていま申し上げたのでございますけれども、全般的に見まして、先ほど来お話が出ておりますように、わが国の交通事故、ことに交通事故死者、これは比較のしかたはいろいろあるわけでございますが、たとえば自動車の走行台キロを分母に比較いたしますと、私どもがいろいろ検討したところでは、他の主要国に比較いたしまして、まだ日本は非常に死者の数が多いといわざるを得ない。ことにアメリカ、イギリス等と比べますと、台キロ当たりの死者は相当に日本は多いというふうに見られるわけでございます。そういう観点からいたしましても、今後とも大幅に、ことに死者は減らしていかなければならないという基本的な課題があるというふうに考えているわけでございます。  なお、それ以外にもいろいろ問題がございまして、昨年におきまして人口十万人当たりの死者、これは全国平均が十三・五人でございますけれども、県別に申し上げまして一番多かったのは栃木県でございまして、これは二十五・五人の方がなくなっているということで、平均の約二倍の死者を出しております。一番少ないのは東京都でございまして、四・八人でございますが、四十七の都道府県のうち七割近い三十三の道府県では、この平均の十三・五人をまだこしているというところがございまして、県による格差が相当目立っております。  また、わが国の人口の四五%が住んでおります人口二十万以上の都市、これは八十三ございますけれども、この十万人当たりの死者の数というのを昨年について比較してみますと、一番多かったのは福山市でございまして、二十六・五人、一番少ないのは、先ほどもちょっと申し上げました東京でございますが、そのうちの二十三区と比較いたしますと、二十三区が四・二人で、福山市と東京二十三区を比べますと六・三倍ほどの開きがあるということになります。  また、人口十万から二十万までの都市、これが八十四ございますけれども、この中で最も死者率が高かったのは小山市でございまして、三十四・三人の人がなくなっております。最も少ないのは三鷹市の〇・六人でございまして、小山市と三鷹市を比べますと、実に死者率が五十七倍の開きを持っているということでございます。  また、昨年の増減状況を検討いたしましても、全国的には死者が大幅に減った情勢の中で、人口二十万以上の都市について昨年の増減を検討してみますと、一番ふえましたのは盛岡市でございまして、一一二・五%の増加になっております。これが一番増加率が高いわけでございますが、人口二十万以上の都市のうちの約三分の一に当たります二十八の市では死者が昨年ふえております。また、人口十万から二十万までの小都市の中で一番ふえましたのは宇治市でございまして、これが一四〇%死者がふえております。これもやはり三分の一ほどの二十九の市で死者が昨年ふえているわけでございます。十万人当たりの死者率を見ましても、昨年一年間の前年比の増減を見ましても、市では非常に大きな格差があるという状況になっているわけでございます。  もちろんこれはいろんな複雑な背景をそれぞれの都市が持っておるわけでございますので、いきなり数字を比較してどうこうということはできないことなのかもしれませんけれども、しかしながら、人命尊重立場からいいましても、あるいはまた法の前の平等という考え方からいたしましても、同じ日本の都市の中で、死者率なりあるいはその増減に大きな格差があるということは非常に問題ではなかろうか、全体の死者の数を減らさなければならないけれども、そういう大きいワクの中でやはり都市別の格差解消ということをことしは大きい課題として取り上げていかなければならないのではないか、というふうに思っておる次第でございます。  都市死者率の高い原因については、目下いろいろと検討中でございますけれども、一般的にいえますことは、その都市の地域交通に対して、その都市に対する通過交通の量が多くて、しかもそれがもろに地域交通と混在しているという形のところの市の死者率というのが一般的にいって非常に高くなっているように思うわけでございます。そういう観点からいいましても、どうしても基本的には通過交通と地域交通の分離という考え方に立った諸施策が非常に望ましいというふうに考えているわけでございます。  バイパスをつくれば一番いいのだと思いますけれども、なかなか早急にはいきませんし、また、日本の実情からいいまして、バイパスができましても、高速道路でもない限りは、両側にすぐ家が建ちまして、アクセス・コントロールを失ってしまうという状況もあるわけでございますので、警察立場といたしましては、規制という手段を使いながら、通過交通と地域交通というものを分けていくということをことしの大きな課題にしていきたいと思っているわけでございます。  そのほかにまた、都市ごとに交通状況をいろいろ検討してみますと、日本の高度成長をささえるために輸送も非常に大きく伸びたわけでございますけれども、ことに自動車による物、人の輸送が急激に伸びてきておりますので、そういう点で、都市によりましては、都市交通容量に対して交通量がすでにある一定の限度をこして非常にいろいろな問題を複雑に引き起こしているというところがあるように思われるわけでございます。そういう観点に立ちまして、単に地域交通と通過交通の分離ということだけではなくて、それぞれの都市の特性に応じた、その都市に見合う交通の量と質との最適化とでも申しますか、そういう意味での都市総合交通規制というものをことしの大きな課題として取り上げているわけでございます。  なお、単に交通事故あるいは死者だけの問題ではございませんで、交通によります生活と環境の破壊と申しますか、そういう問題が、近年はことに光化学スモッグをはじめ、出てきているわけでございます。そこで、警察といたしましても、ことしはその都市総合交通規制の中に、単に事故対策だけではなく、交通の侵害から生活と環境を守るという前提に立ちながら、必要な交通というものはあとう限り確保していく、たいへんむずかしい問題だとは思うわけでございますけれども、そういうような観点で、そういう意味でも総合的な都市規制というものに取り組みたいというふうに思っている次第でございます。  なお、こまかいその他の問題につきましては、お手元に配付してございます「昭和四十九年における交通警察運営について」に項目をあげておりますので、御参考までに見ていただければ幸いと思います。  以上をもって説明を終わらせていただきます。
  21. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 次に、昭和四十九年度における道路交通安全施策について説明を求めます。菊池建設省道路局長
  22. 菊池三男

    ○菊池政府委員 昭和四十六年度から交通事故の件数あるいは死傷者というものが減る傾向になりまして、また、ただいまの警察庁のお話でも、昨年またさらに減ってきているということで、たいへん明るいニュースでございます。私ども道路管理者といたしましても、関係の各省庁と十分な緊密な連絡をとりながら、なお一そう交通事故を減らすという意味合いで努力してまいりたいと考えております。  先年道路整備五カ年計画が改定されまして、きめていただいたわけでありますけれども、その中におきましても、交通問題を非常に大きく取り上げておりまして、やはり生活道路整備という観点から、交通の事業に相当大幅な事業費を入れることにしております。  お手元に別添の資料が差し上げてございます。この第一ページをごらんいただきたいと思います。  交通安全の問題につきましては、実は私どもは二本立てで考えております。一つはこの一ページに書いてございます交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法というものに基づきましてやっております事業と、それから二ページにちょっと出てまいりますが、一般の改築事業でやる交通安全事業でございます。  最初の特定交通安全事業につきましては、四十一年度にきまりましてから毎年続けてまいりまして、昭和四十五年、これは下から数行目のところに書いてございますが、交通安全基本計画に沿いまして途中で改定いたしまして、昭和四十六年度を初年度とする五カ年計画ということで、四十九年度はその第四年度目に当たるわけでございます。  次のページをごらんいただきたいと思います。  そこで、その第四年度目に当たるわけでございますけれども、この交通事故防止という観点から非常に大きく事業を促進いたしておりまして、実は第四年度目を終わりますと、最後に残るものは四十九年度の事業費より少ない数字しか残らなくなっております。先食いという形で進めております。したがいまして、あるいは次の五十年のときには五カ年計画を改定しないともう要求する幅がないということにもなるわけで、そういう意味では非常に促進はしておることでございます。  これは右のページの表に書いてありますように、主として道路管理者といたしましては、歩道とか自転車道とかあるいは横断歩道橋あるいは道路標識を立てる、区画線のレーンマークを引く、防護さくをやるとかそういうことをやっておるわけでありますけれども、そのほかに二ページの下のほうに数行書いてございますが、改築事業でやっておるものも相当ございます。と申しますのは、現在ある道路に歩道をつけたいと思いましても、幅が狭い場合にはもう歩道のガードレールを張る余地がございません。またかさ上げする余地がございませんので、そういう場合には私ども小規模バイパス、ミニバイパスといっておりますけれども、道路からはずしましてバイパス的に新しい道路をつくりまして、そしてそちらのほうに歩道をつける、また、原道がそのためにすきましたら、原道のほうにその後また歩道をつけるというようなやり方で、これはとても特定交通安全事業では費用的にできませんので、改築事業ということで改築の一環としてやっております。大体特定交通安全事業の三倍くらいを改築事業でやっておりますので、実際には両方合わせますと相当大きな金額になるわけでございます。  四ページをごらんいただきたいと思います。  四ページ昭和四十九年度の特定交通安全事業の数字が出ておりますが、たとえばここに五百三十二億というのが出ております。これは事業費でございますので、もう一つ総理府説明しました別添の資料、これは予算でございますので、ちょっと数字の出し方が違っておりますけれども、この事業費でまいりますと約五百三十億が特定交通安全であり、そのほかに改築でやっておりますのが約千五百億ぐらいございますので、合わせたものが一応交通安全ということの直接の事業費でございます。  それから五ページに、大規模自転車道の整備の問題が書いてございます。最近のバイコロジー運動の影響もございまして、またサイクリングというような要望もございます。自動車と自転車とを分離してやるべきだということで、これは大幅に進めたいと考えております。現在のところ五千三百キロくらいが自転車道として統計上あるようになっておりますけれども、今度の五カ年で大体五千キロくらい、いままであると同じくらい五カ年で整備したいというふうに考えております。  それから七ページに参りまして、防災対策のことが書いてございます。これは、昭和四十三年に飛騨川の大事故がございまして、防災については総点検をいたしまして、その総点検した結果危険と思われる個所は、四十三年、四十四年、四十五年と大体そのくらいのオーダーで全部終わりました。ところがまた、昭和四十六年になりまして、大崩等、のり面の崩落によります事故がたくさん出てまいりましたので、さらに再点検をいたしまして、非常に緊急にやるべきだという場所が九千カ所と、それから続いてやったらいいというところが二万五千カ所ございまして、九千カ所につきましては四十八年度中にほぼ終わる予定でございます。また残りの二万五千カ所につきましても、今度の五カ年計画の終わります昭和五十二年度までには全部完了したいというふうに考えております。  それからその次の八ページ、九ページ踏切道の立体交差の問題でございます。これも非常に大きい事故が起こりますので、三十六年に踏切道改良促進法ができましてから鋭意進めておりまして、この資料に書いてございますように、現状としては相当立体化されたということでございますが、これもまだまだやるところがございますので、引き続きこれを促進してまいりたいというふうに考えております。  それから少し飛びまして、一三ページをごらんいただきたいと思います。  これは児童の遊び場の問題でございます。児童の遊び場をうんとつくろうということで、まん中ごろに都市公園整備五カ年計画というところで、一つの昭和六十年の目標を定めまして、それに合わせた整備の水準を確保していこうということで、それ以下書いてございますので、一つの目標、この数字をごらんいただきたいと思っております。  それから少し飛びまして、二〇ページをごらんいただきたいと思います。  これは、こちらに資料を提出いたしました中で新しい問題でございます。これは高速自動車道路ができましたときの救急体制の問題でございます。本来市町村が救急の問題を消防においてやるわけでありますけれども、高速道路は非常に閉鎖されたところでございますし、またインターチェンジの入り口から入って事故現場へ行きますと隣の市町村になっていることもございます。またこれからやります道路は、市町村の救急体制が弱体なところもございます。したがいまして、そういうようなところは、道路公団がみずから救急体制をつくりましてみずからやる、あるいは恵那山のトンネルのような特殊なところはみずからやる、それ以外のものにつきましては、その出動した度合いに応じて市町村に対して道路公団のほうからそれに対しての費用を負担をするというような形で一応きまりましたので、そういうことで市町村消防、それから道路公団と相まって、この救急問題については万遺憾のないように、一刻も早く救急ができるようにということで進めてまいりたいと思っております。  それ以後は、道路の管理の問題、あるいは共同溝の問題、あるいは車両交通の情報の提供の問題、あるいは建設業に対する交通安全の指導の問題等々ございますが、時間の関係がございますので、これはお読みいただきたいと思っております。  そういうことで、できるだけ交通事故をなくすという観点で進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
  23. 勝澤芳雄

    勝澤委員長 どうも御苦労さまでした。  以上で説明聴取は終わりました。  次回は公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時八分散会