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1974-05-24 第72回国会 衆議院 建設委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年五月二十四日(金曜日)     午前十時四十分開議  出席委員    委員長 木村 武雄君    理事 天野 光晴君 理事 渡部 恒三君    理事 渡辺 栄一君 理事 井上 普方君    理事 福岡 義登君       稲村 利幸君    小沢 一郎君       梶山 静六君    金丸  信君       國場 幸昌君    田村 良平君       野中 英二君    村田敬次郎君       大柴 滋夫君    佐野 憲治君       清水 徳松君    柴田 睦夫君       瀬崎 博義君    新井 彬之君       北側 義一君    渡辺 武三君  出席国務大臣         建 設 大 臣 亀岡 高夫君  出席政府委員         建設大臣官房長 高橋 弘篤君         建設省住宅局長 沢田 光英君  委員外出席者         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十七日  辞任         補欠選任   柴田 睦夫君     津金 佑近君 同日  辞任         補欠選任   津金 佑近君     柴田 睦夫君 同月二十一日  辞任         補欠選任   瀬崎 博義君     米原  昶君 同日  辞任         補欠選任   米原  昶君     瀬崎 博義君 同月二十四日  辞任         補欠選任   浜田 幸一君     稲村 利幸君 同日  辞任         補欠選任   稲村 利幸君     浜田 幸一君     ――――――――――――― 五月二十三日  霞ケ浦への浄化水導入に関する請願(赤城宗徳  君紹介)(第七〇四三号)  は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 五月十六日  生産緑地法案反対に関する陳情書外三件  (第五七六号)  生産緑地法案の再検討に関する陳情書外一件  (第五七七  号)  日照確保に関する陳情書  (第五七八号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案  起草の件  建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出  第七五号)      ――――◇―――――
  2. 木村武雄

    木村委員長 これより会議を開きます。この際、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  本委員会において審査中の建築基準法の一部を改正する法律案について、審査の参考に資するため委員派遣したいと存じます。つきましては、議長に対し委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木村武雄

    木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、派遣地派遣の時日、派遣委員人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 木村武雄

    木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  5. 木村武雄

    木村委員長 次に、日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来各党間におきまして御協議が続けられておりましたが、お手元に配付しておりますとおりその案がまとめられております。同協会法業務に関する規定を改め、同協会が譲渡する住宅及びこれに付随する宅地等を取得する厚生年金保険または船員保険の被保険者に対し、同協会年金福祉事業団から借り入れた資金の貸し付けを行なう業務を追加しようとするものであります。  この措置により、今後、これらの被保険者が同協会分譲住宅等を購入する場合は、年金福祉事業団から同協会を通じても頭金として一定限度額融資を受けることができることとなりますが、本年度融資限度額は、二十年以上保険をかけた場合は三百五十万円、十五年以上は三百万円、十年以上は二百万円、五年以上は百万円となっております。  以上で趣旨説明を終わります。
  6. 木村武雄

    木村委員長 以上で説明は終わりました。  ただいまの天野光晴君の御説明に対し御発言はありませんか。——別に御発言がなければおはかりいたします。  本件につきましては、お手元に配付の起草案委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  7. 木村武雄

    木村委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、本法律案提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 木村武雄

    木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  9. 木村武雄

    木村委員長 次に、内閣提出建築基準法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。村田敬次郎君。
  10. 村田敬次郎

    村田委員 建築基準法改正案につきましては去る四月二十六日に提案理由説明がありましてその概要については了知しておりますが、さらに数点について大臣に御質疑を申し上げたいと存じます。  百貨店雑居ビル地下街などは日ごろたいへん混雑をしております。特に大規模百貨店ともなれば、休日には数万人の来客があり、万一開店中に火災が発生すれば悲惨な結果をもたらすのではないかと常々心配していたものであります。不幸にして昨年十一月二十九日には熊本大洋デパート火災が発生し、婦女子を含む死者百名、負傷者百二十四名というわが国火災史上まれに見る大惨事となりました。振り返って建築物火災の例を見れば、大洋デパート火災のほかにも、昭和四十八年三月の済生会八幡病院火災昭和四十七年五月には犠牲者百十八名を出した大阪千日デパートビル火災など、大規模建築物火災による惨事は枚挙にいとまがないところであります。われわれは、安全な買いものとか、あるいは宿泊、入院ができるかどうか、非常に不安を感ずる次第でございます。  建築基準法は、建築物火災事故を防止して利用者の安全を守り、さらに住みやすい環境を推進する上で国民日常生活に密着した重要な法律であります。この法律昭和二十五年に法律二百一号として制定されまして以来、私どももその当時の立案の経過をよく了知をしておるのでありますが、今日まで果たしてきた役割りは確かに評価できるものでございます。また建築物防災促進という観点から、近年数次の建築基準法令改正により、防災、安全に関する技術的基準整備、強化がはかられてきているわけであります。しかしながら、既存建築物に対しては建築基準法令改正規定適用されないなどのこともございまして、かような建築物火災事故あとを断たない状況であります。  このような相次ぐ火災事故の発生に対して、現行法令により国民生命の安全を十分に守り得るのか疑問を感ずる次第でありまして、これに対処するためには、新しい防災技術を十分駆使した新たな規制を行なうことによって国民生命の安全をはかる必要があると確信をするものです。また同様の目的から提案されておりました消防法改正案は五月十五日可決、成立したわけでございまして、建築基準法改正なくして消防法改正のみでこの種の建築物災害の防止がはかられるとはとうてい考えられないわけでございます。  一方、都市への人口の集中の一そうの進展に伴い、都心等における土地の合理的な高度利用要請が強まり、あるいは都市周辺部における新市街地開発整備必要性が強く指摘されておりますことは、いまさら申し上げるまでもないところであります。ところで、このような都心等土地高度利用周辺部開発整備実情は満足すべきものとなっているでありましょうか。国、地方公共団体等公的主体によるものなどは格別、一般私人による建築活動は、細分化された敷地において、十分に調整された都市開発等の計画に基づくことなく行なわれているのが現実であり、そのためもあって、都心等における日照紛争等の激増にその代表的な例が見られますように、建築行為市街地環境確保要請をめぐる問題は日を追って深刻なものになりつつあると考えるものであります。  市街地環境をめぐるこのような現状は、建築行政についての基本法である建築基準法の数次にわたる改正にもかかわらず、狭い国土の有効な利用市街地環境確保という二つ要請についての十分な調整が必ずしもはかられていなかったことが大きな原因一つとなっていたのではないか、国民が納得する町づくりルールが明示されていなかったことによるのではないか、私は常々このような考え方を持っていたのであります。  今回提案されました建築基準法の一部を改正する法律案は、以上のような私の疑念にこたえるものであるかどうか、まず亀岡建設大臣から改正の要点についてあらためて御説明をいただきたいと存じます。
  11. 亀岡高夫

    亀岡国務大臣 村田委員建築関係都市関係専門家でありまして、ただいまの御所論、全く同感でございます。特に私、就任早々熊本大洋デパートをまだくすぶり続けておる中を行って見てきたわけでございます。一部においてスプリンクラーの取りつけ工事が行なわれておった。したがって、スプリンクラー機能は、工事完成の部門においても、水が行っていないために働く作用をしなかったということで、あのようなまことに痛ましい惨状を呈するに至ったわけでございます。私はそのときつくづく感じたわけでありますが、もし、防災施設なり、あるいは防火施設なり待避施設なりが完備しておれば、人命は一名も損傷せずに済んだのではないかという感じを持ったわけであります。特にあれだけの損傷を出した中で五階の階においては一人も犠牲者が出てないということでございます。それは、隣のビルに渡る工事用の木造の渡り廊下がつけてあったということで一人も犠牲者がなかったということを、実情を見まして感じたのであります。  日本国憲法の示すところによりますと、人命は政治を担当しておるわれわれとしては最高に考えなければならない立場にあるわけでございますので、いろいろな資金がよけいかかる、改造のために商売を休まなければならないというようなマイナス要素があっても、そういうものを克服して、もう完全な体制で大衆方々が安心して買いものに応じられる、あるいは娯楽に打ち興じられるというふうにしていかなければならぬと、そのとき心に決した次第でございます。そこで、帰りの飛行機の中で住宅局長に対しまして、いろいろ問題はあろうけれども、とにかく人命尊重という立場から、防災施設待避施設というものを完備しないところに大衆が集まってくるというようなことのないように改正をすべきであるという意見を申しますと同時に、審議会のほうに対しましてもいろいろ御諮問をしまして、ただいま提案しておるような結論に達した次第でございます。  と同時に、もう一つは、生活環境という面が高層ビル等によって阻害されるという際には、できるだけ日照というものが妨げられないように、最小限の健康保持のための日照というような方向に持っていくべきであるということから、これまた審議会の御答申をいただいていろいろ専門的に検討を加えていただきまして、その結論十分尊重をして提案をいたした次第でございます。消防法が成立をいたしておるわけでございますが、やはり人命尊重立場から、また生活権を守る立場から、すみやかに御可決くださいますように祈念をする次第でございます。  なお、具体的に改正内容につきましては、住宅局長のほうから説明を申し上げます。
  12. 沢田光英

    沢田政府委員 改正事項概要を御説明申し上げます。  まず第一点は、ただいまの大臣の御説明にもありましたように、最近のデパート病院等の大火災災害実例にかんがみまして、いわゆる遡及適用と申します点でございまして、既存百貨店病院、ホテル、複合用途建築物地下街、こういうふうなもので一定規模以上のもの、非常に危険の起こりやすいものにつきまして現行規定の一部を遡及適用するということが第一点でございます。  第二点は工事中の建築物使用に関するものでございまして、この問題につきましては、現行基準法で明確に記されておりません。それが災害一つ原因にもなっておる。もちろん増築等の場合には扱っておる例が非常に多いわけでございますが、こういうものも含めまして工事中の建物使用ということについてルールをきめた、これが第二点でございます。  第三点は、住居系用途地域におきまして、それの住環境整備をはかるということで、ただいま大臣が申しましたような日影の規制をやる、これが第三点でございます。  第四点は、四十五年に改正されました基準法の中で生まれました第二種住居専用地域内の環境保持。第二種住居専用地域と申しますのは立体化された住居専用地域でございますが、これが四十五年にできまして、だんだんと実態がわかってまいっておりますが、これの環境保持にはさらに一段の手直しが必要だということでこういうことをやっております。  最後に五番目には、いわゆる建築協定という事項が独特の事項として建築基準法の中にありまして、地域方々が全員の同意で基準法規制以上のいい環境をつくろうという申し合わせをするものでございますが、これができやすいような制度改正というものが第五点でございます。  以上でございます。
  13. 村田敬次郎

    村田委員 不特定多数の人々利用いたします既存特殊建築物に対して、人命の安全を確保するために防火避難に関する規定適用するのだという趣旨を徹底するならば、すべての特殊建築物に対して適用すべきだということも考えられます。聞くところによれば、特殊建築物の数でございますが、これは全国で数十万にものぼるということから、何らかの限定をすることはやむを得ないものだ、こういうふうにも考えられます。  そこで用途につきましては、ただいま御説明もございましたが、百貨店病院地下街複合用途ビル等限定をし、また階数面積でも限定をしておるということになるわけでありますが、この限定のしかたはどのような考え方に基づいてしておられるのであるか、この御説明住宅局長からお願いしたいと思います。
  14. 沢田光英

    沢田政府委員 適用の点につきましては二つの側面がございます。一つは、いま御指摘のように、これの遡及適用対象物を限るという点でございます。もう一つは、限られた対象物の中で、すべての基準法の新しい条項を全部適用するのではなくて、重点的にどうしても必要なものだけ適用していく。この二つの分野がございます。いずれにいたしましても、ただいま御指摘のように、建築物というものは非常に数も多うございますし、あるいは毎日の生活に密着しております。  そこで、これの遡及適用に関しましては、実効のあがる、しかも最小限必要なものに限定をするという必要があろうかと思います。そういうことで、まず第一点の問題につきましては、特殊建築物、すなわち不特定多数の人々が集まる建築物、しかもその中で非常に大きな災害が起こるだろうと思われます、いわゆる面積の大きいもの、あるいは階数一定階数以上にそういう機能があるもの、非常に多数の人が集まってあぶないものがあるもの、こういうものに限ったわけでございまして、いま先生おっしゃいましたように、百貨店、これは実際に被害が起こっております。病院地下街あるいは複合用途雑居ビル、あるいは最近非常に問題になってきております地下街、こういうふうなもので、一定規模以上でしかも一定階数以上にそういうものがある建物、こういうふうに限った次第でございます。それにつきましても、二千棟程度のものは入ってまいりまして、相当な出費があるというふうに感じます。  さらに、建築基準法のどの条項適用するかということでございますが、これは防火避難に関する条項の一部でございます。消火に関しましては消防のほう、火は消防のほうで消す、逃げるほうを守るのは建築の役目だ、こういうことで大体分けまして、防火区画とか、あるいは避難階段とか避難用照明とか、さようなものに限った次第でございます。
  15. 村田敬次郎

    村田委員 既存建築物に対して新たに防火避難施設整備させるということになりますと、すでにできておるわけでありますから、種々の制約が当然あると思います。たとえば特別避難階段を新たに設備しなければならなくなる、そのためには柱の一部を削らなくちゃならないというような場合もあるんじゃないか。改正いかんによっては結果的に非常に守りにくい規定になって、防災改修工事は行なわれないで実効のあがらない改正となってしまうこともあるのではないか。これは建築基準法適用を、私は府県建築部長としてやっておりますから、実際の現状を知っておるから申し上げるのですが、もしそんなことになってしまうと法律改正が意味をなさない。そのためにやむを得ない場合には建設大臣が認める構造方法等によることができることにしたのだ、こういうふうに思います。その具体的な内容についてお伺いをしたいと思います。
  16. 沢田光英

    沢田政府委員 この数年におきます防災関係基準法規定技術基準というのは、非常に大きく進歩といいますか、整備といいますか、最近の実態あるいは技術進歩に伴いまして非常に大きな進歩を遂げております。ということは、いまあります建築物、その改正の前に建てた建築物というものがみんな既存適格になっておるということでございますが、先生おっしゃいますように、さような先に建築したものは、あとのことを予想しておりませんので、特別避難階段を設けろといわれましても設けられない、ところが外にそれを設けようと思うと敷地がない、こういうふうな状況が起こります。そこで、大臣の認める代替施設というものは、これからどういうものが出てくるかわかりませんけれども、いまはっきりわかっておりますのは、たとえば外階段なんかつけられない場合には隣のビルとつなぐ、こういうふうなことで特別避難階段のかわりをする、さようなことでございまして、今後、それぞれのケースによりまして、地方からの申請で上がってまいりますそれを、臨機応変に実効あることで解決して、これは実例技術的に積み上げていくという性格のものだと思います。私がいま申し上げますのは、ビルをつなぐ渡り廊下、先ほど大臣の御説明にありましたかようなものがいまのところ明瞭に浮かんでおります。
  17. 村田敬次郎

    村田委員 この改正によって防火避難設備整備が義務づけられることになった建築物については、附則の第一項の猶予期間規定によりまして三年または五年の期間内に改修工事を行なわないと違反建築物として取り扱われるということになるわけです。そして私の調べたところでは、対象となる建築物は、いま沢田局長もおっしゃいましたが、約二千棟以上もあるだろう。それからこれらの改修工事に要する費用は二千億円ないし三千億円という膨大な額になるのではないかということが思われるわけです。まずこの点についてお伺いをしたい。  それから、これに関連をいたしまして、本改正により必要となる防災改修工事費、これが、私が申し上げたように二千億円以上にのぼるということになりますと、これによって国民生命財産の安全が守られるならば、この工事費も支出をしなければならないということに当然なるであろうと思います。しかし他面、建築主、すなわち百貨店、旅館あるいは地下街の各所有者などは、膨大な資金を投じて改修工事に当たらなければなりませんから、大企業はともかく、場合によっては中小企業の死活にかかわる大問題になるであろうということが指摘をされています。私どものところにもこの問題に関連をしていろいろな陳情があるわけです。したがって、国または地方公共団体国民生命を守るための措置に対してはきびしい姿勢で臨むことは当然でありますけれども、一方そういった義務者に対しては必要な助成措置を講ずる必要が当然あると思います。現在、防災改修に対してどのような助成措置をとっているか。また附則の第六項によって、猶予期間内に行なう防災改修工事に対して資金のあっせん等必要な措置を講ずることになっておりますが、具体的にどのようなことを考えておられるか。これは方針でありますからぜひ亀岡建設大臣からお答えをいただき、なお必要な補足を住宅局長からやっていただきたいと思います。
  18. 亀岡高夫

    亀岡国務大臣 もちろん、きびしい制限によって防火施設退避施設避難施設等の完備を要求していくわけでございますので、それに要する経費等につきましては、やはり政府といたしましても十分配慮していかなければならない、こう考えるわけでございます。ところが、デパート協会等から私のほうにもいろいろ陳情があるわけでございますけれども、できるだけ金をかけずに安易に済ましていきたいという感じを、私はお話しを聞いているうちに感ぜずにはおれないわけであります。そういう気持ちがやはり今日まで何百何千という犠牲者を何年も何年も続けて出してきたということでありまして、とにかく相当高配当をしておるわけでございまするし、そういう面については経営者自体も十分配慮すべきではないか。もちろん国としても、年限を切って退避並びに防災施設を完備するように要求する法律を出すわけでございますので、そういう資金面についての配慮も法律の中に実は条文を入れておる次第でございまして、詳しい点については住宅局長からお答えさせるようにいたしたいと思います。   〔委員長退席天野(光)委員長代理着席
  19. 沢田光英

    沢田政府委員 この遡及適用制度と申しますのは、御存じのように、三年ないし五年の間にそれぞれの種別のものが改修されなければ、それはそのときから違反建築になるわけでございます。違反建築になりますれば代執行まで含めます非常に強い措置がございます。しかし、こういう強い措置だけやりましても、基準法が前にざる法だといわれていたときのような状態というのは起こり得るわけでございます。こういうものが起こりますれば結局は国民生命財産が守られないということになりますので、私どもは、きびしい規制と同時に十分な資金なりそのほかの援助、手当てというものが必要だということに考えを徹しております。  先生のお尋ねのいわゆる遡及適用対象となります建物、これは千七百から二千ぐらい、これは詳しい調査はいま府県でやっておるわけでございますが、その程度はあろうかというふうに考えます。これをそれぞれ例をとりまして私ども技術的に積算をいたしますと、大体二千三百億程度は少なくとも必要だ。これは、先ほどの避難防火の各種の施設を、それぞれの建物によってみんな一応違いますけれども、平均的な例をとって積算してみますと、二千三百三十億でございます。これを三年ないし五年でやるといいますと、単年度にその金を考えてみますと、おおむねピークで五百億ないしは六百億程度資金がいわゆる改修費として必要だ、かようなことになる次第でございます。  そこで、これに対しまして私どもは現在も実は遡及適用ではないのですが、そういうことをやっておるわけでございます。それは建築基準法の中に十条にございまして、特に危険な既存適格物につきましては個々に判断して是正命令が出せるという制度がございまして、これをこの両三年非常に励行はしてきて努力はしたわけでございますが、それでもまだ効果があがらないということで遡及適用に踏み切ったわけでございますが、これをやると同時に、私どもはやはり同様の助成を考えておりまして、その助成が現在ありますところでは、たとえば環境衛生金融公庫、これに関します業種のものにつきましては、約千八百万円以下一件について十年間で貸す、こういうふうなもののお金を四十九年度ワクとして千二百六十五億というもののワク内で希望があれば貸しておるという状態でございます。同様に医療金融公庫では五百八十億、中小企業金融公庫でのこれの該当になります融資ワクが二百七十億、国民金融公庫が二十五億、開銀が三百十五億、合計いたしますと二千億ないし三千億というふうな準備は一応されておりますが、十条命令ではなかなかこれは使い切れないということでございますが、遡及となりますればこれを十分にまず使っていく必要があるさらに足りなければこういうもののワクというものを大幅に広げてもらうということを、すでに私どもの関係のほうとは話しております。さらに融資だけでは償還がたいへんだということでございましょう。したがって、それに対します利率の低減とかそういうふうなものは、私ども昨年も予算要求はしたわけでございますが、なかなかそうはいきません。今度は遡及でございますので非常にきびしいということで、私どもは、金利の薄めの問題、あるいは税制の問題、こういう問題を次の予算要求に大幅に取り入れてぜひこれを獲得するというふうな計画で進めておる次第でございます。
  20. 村田敬次郎

    村田委員 遡及適用対象建築物の調べについて、私もいろいろと調べてみますと、百貨店が二百五十五件、スーパーが百五十九件、病院が六百十二件、ホテルが百十四件、旅館が百二十六件、劇場、映画館、キャバレー、バーあるいは料理店、トルコぶろ等の複合用途に供するものが三百六十五件、地下街が四十九件で大体千六百八十件程度であろう、それに要する改修費の総額が二千三百三十億円程度であろう、こういうふうに承知をしておるのでありますが、大体こういったところでよろしいですか。
  21. 沢田光英

    沢田政府委員 私ども調査でそのようになっております。
  22. 村田敬次郎

    村田委員 そういたしますと、これらの建物はおそらく全国的にも三大都市圏のところが相当多いだろうと思いますけれども、それ以外の地方都市等にもあると思います。その具体的な指導について、この新法がもし制定された場合にどういうふうに進めていかれる予定ですか、お伺いしておきます。
  23. 沢田光英

    沢田政府委員 この既存適格の改善の問題につきましては、四十九年度の予算で千五百万程度でございますが、調査費あるいは指導費のようなものがすでに組まれております。これによりまして、私どもは、特定行政庁、すなわち基準法を扱います地方庁におきまして調べて、その中間的なものが先ほどの数になっているわけでございます  こういう目をつけましたものにつきましては、技術的にもコンサルテーションをしなければいけない。そこで改修計画というものをつくる費用がその次にその中に入ってございます。さらにそれを実施するときに、いわゆるお金の面その他についてもコンサルテーションをしなければいけない技術あるいは援助の面、こういう問題で、すでに地方公共団体におきましてはこれに対する体制がある程度整っている。私どもは、今度の予算を通じましてさらにこういうものを強化し、先ほどの事業費の充実、あるいは事業費に対する援助の充実、こういうこととあわせて完ぺきを期すべきだというふうに考えております。
  24. 村田敬次郎

    村田委員 先ほど来の大臣沢田局長の御説明で、建築物防災改修工事に対して、現在、環境衛生金融公庫、医療金融公庫中小企業金融公庫等の政府関係金融機関からの長期低利の融資が行なわれておるということもわかりました。また今年度からは新たに日本開発銀行からも三百十五億円のワク内で融資が行なわれることになったと聞いておるわけです。この改正に伴って三年または五年以内に相当な量の工事が必要となるわけでございますが、これらの工事に対して、政府関係金融機関の融資ができるだけ利用できるように融資ワクを飛躍的に拡大することが防災対策の推進上特に必要であると考えられるわけです。この問題は既存の業界にとってはたいへんな負担でもございますので、あらためて建設大臣から決意のほどをよく承っておきたいと思うのです。
  25. 沢田光英

    沢田政府委員 先生おっしゃるような数字が、ミニマムでございまして、それ以上に事業費も必要かもしれませんし、さらには調査の進むにつれましてそういう全貌もわかってまいります。さらにそれに対する援助も先ほど申し上げたように必要でございます。私どもは現在の手のうちでは、先ほど先生が御指摘のようなものを持っておりますが、さらに遡及適用になった非常にきびしい状態にはまだまだ足りないと思います。そこで私どもは、たとえば今度の五十年度の予算におきまして利子補給の金を用意するとか、あるいは税制を、これは償却問題でございますが、経営上の有利な償却ができるようにする、かようなものをいまのところ原案として作成しておりまして、五十年度の予算ではぜひそういうものをあわせてこの効果を十分にしたいというふうなことでございます。
  26. 村田敬次郎

    村田委員 大事な問題ですから大臣から伺っておきたい。ただいま沢田局長から、五十年度の利子補給、税制上の償却等についての措置等について予算要求を行なう旨の御発言があったわけであります。これは融資と並んでこういった制度的な裏づけがぜひ必要でございますし、またこれについての措置は、対大蔵省あるいは各省に対してもしっかりと折衝していただきたいと思いますが、建設大臣の口から決意のほどを承っておきたいと思います。
  27. 亀岡高夫

    亀岡国務大臣 四十九年度の予算要求においても実は事務的に要求をいたしたわけであります。しかし、法的根拠というものを裏づけにすることが予算化する上においての大きな前提条件にもなりますので、ぜひとも法的根拠をおつくりいただいて、ただいま住宅局長から申し上げたように、助成の問題、税制上の特別扱いの問題等についても強力に要求をしていかなければならない、こう考えておるわけでございます。
  28. 村田敬次郎

    村田委員 ぜひ大臣に引き続いて御努力をお願いいたしたいと思います。  次に、今回の改正の重要な柱の一つとされておる日照権、日照保護の問題についてお伺いしたいと思います。  すでにこの問題につきましては、私は、昨年の二月二十八日でございましたか、当時の金丸建設大臣にこの建設委員会の席上で御質問をしたところでありますが、この質疑の冒頭でも申し上げましたように、日照紛争というものの件数が最近非常に増加をしておるわけであります。大都市のみならず地方都市においても日照権の問題が問題となりつつある。また紛争の形態も、マンション等の大規模建築物建築をめぐるものから木造二階のアパートなどの建築をめぐるものまで、さまざまなものがございます。このような日照紛争の実態に直面をいたしまして、政府はどのような基本方針のもとに日照保護の施策を講じ、またこの問題に対拠しようとしておるか、まず建設大臣から承りたいと思います。
  29. 亀岡高夫

    亀岡国務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、日照問題は基本的には私法上の相隣関係の問題であろうかと思うわけでございます。しかし最近、住民運動として日照紛争の激化が各所に起きておるわけでありますが、これらに対処してまいりますために、日照が住環境の重要な要素であるという立場から、住宅地における中高層建築物の建設に伴う日照問題を公法上の問題としてもとらえていく必要があると私は考えておる次第でございます。政府としては、長期的視野に立ちまして市街地の再開発を積極的に推進しようといたしておるわけでございまするし、市街地環境全般の向上をはかることによって日照問題を解決すべきであると考えておるわけでございますが、当面の対策としては、激増する日照紛争を解決するため、日照確保のための基準をここに明示いたしておるわけでございまするし、そして住宅地における中高層建築物の形態の規制を早急に実施する必要があると考えて御提案申し上げておる次第でございます。
  30. 村田敬次郎

    村田委員 政府では、今回の改正によりまして日照でなくていわゆる日影の規制、これは承るところによりますと世界でも非常に珍しい規制だそうでありますが、日影規制に踏み切ろうとしておるわけであります。日照紛争の増大にかんがみてこれに対処する必要性を痛感したということによるものであろうと思いますが、このような措置を講じようとする具体的かつ基本的な理由あるいは背景について承りたいと思います。
  31. 沢田光英

    沢田政府委員 昭和四十年代に入りまして、この日照問題というものが社会にかなりクローズアップされてきたということでございますが、最初の出だしにおきましては、いわゆる低層住宅間の日照問題というものが非常に問題になりました。しかも、その低層の間で違反建築物による被害、こういうふうな取り上げられ方が非常にされました。そこで私どもは、四十五年度建築基準法改正でいわゆる住居地域の北側斜線というかっこうになったわけでございます。しかし、その後ますます違う方向といいますか、さらに延長されておりまして、大都市におきまして、住宅地にマンションが建ってくる、あるいは立体化されたものが建ってくる、こういうものがまわりの低層のものとの間にギャップをつくりまして、いわゆる外部に対して迷惑を及ぼすということから紛争が非常に急激に激発いたしまして、そこで私どもは、四十七年あるいはその以前から建築審議会に、この日照問題を含めまして都市環境の問題として、先ほどから大臣が申し上げましたように、都市整備の問題ではあるけれども、しかし当面のこの日照問題をどういうふうにするかということを諮問をいたしまして、基準の専門委員会、あるいは日照問題の専門委員会と、二年間にわたりましてこの検討をしていただきました。   〔天野(光)委員長代理退席、渡辺(栄)委員長   代理着席〕  その間にも次第に激しくなりまして、地方におきましては、こういうふうなもののルールがないというために、地方公共団体がそれを埋めるために、指導要綱、あるいはところによりましては条例、こういうふうなものを独自に制定をいたしましてカバーをしていただく、こういうことで、その条例、要綱につきましてもいろいろな違いもございます。そこで私どもは、この審議会からの中間答申あるいは最後の答申ということで、私法上の問題ではございますが、しかし公法的にも必要な部面には取り入れなければいけないという答申をいただきまして、その後鋭意基準を定めておったわけでございますが、答申といたしまして基準が出てまいりましたもので、これをいわゆる日影の規制という方法でやる。すなわち日影でやると申しますのは、日照権問題というとらえ方ではございました。むしろこの過密の都市でこの日当たりという資源をいかに公平に分配し、しかもそれを町のいい形につなげていくか、かような町づくりルールとして日照基準はあるべきだというふうな審議会のお考えもございます。私どももそのとおりだと思います。すなわち、うしろの家が何時間受けなければいけないという言い方ではございませんで、みずからが影を自分の敷地外にどのくらい出しちゃいかぬか、こういういわゆるみずから守るようなルールでございまして、みずから守るようなルール一つきめますれば、建物が建つ際にすべてそういうルールが守られて、建物の間に一つのオープンスペースというのが生まれて、それか積み重なっていい町ができる、かような意味で非常に独特だということでございます。そういう背景でいまの改正案にたどり着いた次第でございます。
  32. 村田敬次郎

    村田委員 先ほど亀岡大臣が、日照問題は基本的には私法上の相隣関係の問題である、しかし最近の日照紛争の激化に対処して、日照が住環境の重要な要素であるという立場から、いわゆる住宅地における中高層建築物の建設に伴う日照問題を公法上の問題としてもとらえる必要が出てきたというふうに私、伺ったわけでございます。  この日照権という権利をめぐっていろいろな議論が学界でもされておるようでありまして、たとえば憲法第二十九条の財産権、「公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める」とされておる財産権を主たる論拠とする物権的な請求権であるという考え方。それから憲法第十三条の「生命自由及び幸福追求に封ずる國民の権利」であるとする考え方。あるいは第二十五条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文。十三条、二十五条等を根拠とする人格権的な請求権説など多くの学説があると聞いております。また、昭和四十七年六月に都内の違反建築物に対して下された日照侵害事件についての最高裁判所の判決をめぐる報道などにも、この判決をもって日照権を認知したものとして評価している例が見られたように記憶しております。  ところで、この日照権問題は特に東京都ではたいへんやかましい問題になっておるわけでございますが、この建築基準法改正が発表されましてから、日照保護の団体、住民団体などで組織をしております建築公害対策市民連合という団体があるわけでございますが、それが五月二十一日の夜に渋谷区の渋谷勤労福祉会館で集会を開いて、今国会に上程中の建築基準法一部改正案に反対するという決議を採択したという新聞をつい一日、二日前に見たわけであります。  この意見はどういうことかというと、この法律案の中に、住宅地に最低限の日照確保するための日影規制基準が織り込まれておる市民連合はこの基準をもって国民不在の官製基準と批判をして、「日照を真に確保するためには、ビル建築主に関係住民の同意を得るよう義務づけることこそ必要だ」、こういう言い方をしておるわけです。はたしてそのビル建築主に関係住民の同意を得るということを義務づけることが現在の社会情勢から見て妥当であると思われるかどうか、また建築公害対策市民連合なるものの発表しておる決議に対してどういうふうに考えられるか、ひとつこれを伺いたいと思います。
  33. 沢田光英

    沢田政府委員 御質問は二点あったかと思いますが、日照権に対してどういうふうな考え方を持っておるかということがまず最初だと思いますが、先生おっしゃいますように、日照権の問題につきましては法曹界でもいろいろ議論がされておりまして、いわゆる物権的な考え方のもの、あるいは人格権的な考え方のもの、あるいは生存権的な考え方から日照権というものがいわゆる絶対の権利として存在し得るのだ、こういう議論がかなりいろいろとやられております。しかし、まだこれが定着した定説とはなっていないということは事実だろうと思います。  私どもは、この改正にあたりましては、こういう日照権の有無という立場ではなしに、そういうものは今後の判例の積み重ねなり議論の積み重ねによって国民がきめるべきものでございますのでそういうふうな立場ではなしに、先ほど申し上げましたように、日照というものは都市整備の上でも大事だ、したがって、日照紛争を解決すると同時に、今後子孫に残すべきいい町づくりルールをどうするか。日照というものは、日照だけではございませんで、そのほかの風害とか環境とかそういうものの代表的な指標でございます。したがって、これをとらえて、これの上に一つ都市づくりのルールをつくる、それによって日光を公平に受けられるというふうな結果を招き、この紛争をできるだけ解決する、かような考え方でやったわけでございます。  第二点のいわゆる市民連合の反対の問題でございますが、主として同意にかかるものだと思います。すなわち、こういうふうな住居関係その他に立体化された建物を建てるときには、まわりの関係住民、この関係住民の定義もいろいろございますが、そういうものの同意をとれ、そういうことが大きな筋でございます。私どもはこれにはにわかに肯定するわけにはいかない筋を持っております。と申しますのは、いわゆる憲法によりましても財産権というものは保障されておりますが、この財産権の行使に関しましては、やはり公共の福祉の範囲内で行使をするという逆に制限もついておりまして、その制限をどこできめるかといいますと法律できめるということになってございます。建築基準法はそういうふうな財産権、私権の制限を公法でするというふうな性格の法律でございます。  そういうことで私どもは、先ほどのいわゆる都市環境の問題、あるいは日照問題、こういうものの調和を見つけまして、それを社会的な合意を得るべく原案をつくって、審議会の答申をいただきましてこの改正案といたしたわけでございまして社会的同意を得られましたそういうルールというものが財産権の行使についてできました以上は、さらにその範囲内において同意を公法上義務づけるということは、公法の性格からいってもなじみませんし、また個人個人の同意によって町のかっこうがきめられるということでは一つルールにもなりません。いい町ができるという保障にもならないかと思います。そういう点から、私どもはこの同意制ということは取り入れておらないわけでございますが、そういう点を実は市民連合は主張しておるわけでございます。
  34. 村田敬次郎

    村田委員 たいへん重要な問題であります。それで実は私も沢田住宅局長の御意見よくわかるのです。これは政策的な問題を非常に含んでおりますから、ぜひ亀岡大臣にお伺いをしておきたいと思いますのは、たとえば東京都の日照権問題、これは考えてみますと、東京都は公営住宅もなかなか建たないのですね。ご承知のように、建設省で割り当てされるような公営住宅の戸数を消化することがいろいろなところからできない。これは、用地難ということもあれば、日照権問題ということもあれば、いろいろなことがあると思いますが、できない。したがって、東京都の一千百数十万という住民にとって住宅問題というのが最大の問題の一つになっておることは御承知のとおり。しかも東京の都市計画その他が、非常に積み重なるいろいろな悪条件によって、これは日本全体の問題になってきております。これは田中総理自体も御指摘をされておるところであって、したがって、いわゆる大都市の高層化、それからまた大都市の再開発、そういった問題を含めて解決をしていかなければならないという政策的な大きな御提案をされております。私もそのとおりだと思うのですが、市民連合等の言われる所論だけを聞いておりますと、同意を得られなければ建物を建てていけない、日照権は最大限に保護すべきであるというような観点があまりにも大きく強調されておるきらいがあるのではないかというふうに思います。  これは昨年の二月の御質問のときも指摘をしたのでありますが、東京都の太陽のシビルミニマムに関する専門委員の報告というのがございましてその中でいわゆる日照権問題を非常に大きく取り上げておる。また建設省のほうでも、この問題をほうっておけないことだということから、かねてからいろいろ研究をしておられまして、たとえば建築審議会建築行政部会市街地環境分科会日照問題専門委員会という田上穰治先生を主査とする委員会が、四十七年十月十一日に日照問題に対する対策についての中間報告をされておる。こういった日照問題を踏まえながら、東京都の今後のそういった大きな意味の都市計画ということに対していわゆる市民連合のそういったような意見もあるあるいは、もっともっと大局的な、国家的な見地に立って住民のしあわせというものを推進していかなければならない立場もある。そういうものを踏まえながら、東京都の再開発ということについて亀岡大臣の御意見を承っておきたいと思います。
  35. 沢田光英

    沢田政府委員 東京都の都市整備のお話でございますが、やはり東京は、都市問題あるいは住宅問題を含めました大きな意味での都市問題の大本山だろうと思います。したがって、この町をいかにいい町として後世に残していくかということは国民の最大の課題だろうと思いまして、私どもの役目でもあろうと考えております。  そこで基本的には、このように用途が混在し、あるいは宅地が狭小化し、したがって日照問題等の大きないろいろなトラブルが相隣関係として起こっておるこの東京都、こういうものを抜本的によい整備された都市にいたしますには、何といってもやはり再開発。広く言えば再開発でございます。これを大々的に進める必要がある。その中でも一番よろしいのは、やはり再開発法によります再開発事業というものを都市のマスタープランに従ってどんどんやっていくということが基本だろう。これが一番早いだろうと思います。しかし、そういうふうなものは急には進展はいたしませんので、徐々に力を入れていくということになりましょう。そういたしますれば、日々やはり建築というものはこの中で建て、建てかえられ、そういうふうな状態が起こっておるわけでございますがそういうものの中にも、後世にひずみを残すようなルールはやめさせて、後世につながっても、再開発事業とマッチをいたして一体となって都市全体がよくなっていく、かようないわゆるルールをきめる必要がある。それの指標といたしまして日照の日影という問題を取り上げましてルールをつくった、すなわち事業を根本的に進めるとともにやはり社会ルールとしての公法上の規範、こういうものを定める必要があろうというふうなことが審議会の中でもまとまりまして、私どももそのとおりだということで、今回の改正の中にその後者のルールを盛り込んだという次第でございます。
  36. 亀岡高夫

    亀岡国務大臣 ただいま住宅局長から答弁申し上げたとおりでございまして、とにかく御指摘のとおり、公営住宅等のみならず公団住宅等、東京の市街化地域においてはなかなか住宅か建たないというのが現状でございます。それらについてはいろいろの阻害要件というものがあるわけでございます。自治体の超過負担の問題でありますとか、あるいは土地の入手難でありますとか、いろいろ理由があるわけでございまして、その理由を一つ一つ排除していくための立法措置というようなことを講じておるわけでございまして、この日影規制という問題についても、今回、建築基準法改正という形で御提案申し上げておりますのも、その住宅対策を解決していくための一つの阻害要件を排除していくという形で御提案を申し上げておる次第でございます。その他、やはり何といっても自治体の超過負担、特に公共施設に対する対策というものが従来非常に十分でなかったという点等にもかんがみまして、そういう点での充実をはかると同時に、また、木造公営住宅等に対して、ころがし方式による高層住宅並びに環境の改善というような方法をもって住宅の高層化をはかって、住宅対策の一環としてやってまいるというための再開発法の御提案ということ等についても、建設省としては、国会に対して御提案申し上げておる線に従って今後強力に進めてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
  37. 村田敬次郎

    村田委員 この問題はたいへん重要でございますし、大都市の再開発、すなわち東京都の今後の問題というのは、建設省、建設大臣、あるいは経済企画庁長官、あるいは総理を含めて今後取っ組んでいただかなければならない問題だと思っています。  私は、これに関連してこの際一つ伺っておきたいのですが、建設省では、いま御案内のように、いわゆる河川事業であるとか、あるいは道路事業であるとか、そういったような公共事業に関する仕事をたくさんやっておいでになる。それと同時に、最近、建設省で一番大きなウエートをとりつつある問題は都市問題だと思います。これは住宅局、都市局、計画局といったようないわゆる都市問題に取っ組むための事務というものが非常に急増してきておりまして、この国会の論議も、私、建設委員会等を通じて聞いておりますと、いわゆる都市問題に関する議論というのがもう八割、九割といっていいかと思います。むしろ道路や河川の問題というものの御質疑は非常にわずかで、したがって都市問題というものがいかに大きなウエートを占めてきたかということを私は感じるのでございます。したがって、たとえばヨーロッパ、西欧等の例を見てみましても、こうした段階になってくれば、いわゆる都市問題を扱うためのたとえば都市住宅省といったような省を独立をさせ、これは今度の国土庁の設置という問題とも関係があるわけでございますが、公共事業、河川、道路などの事業を担当いたします公共事業省と都市住宅省と、二つに建設省の区分を分けて、むしろそういった意味で取っ組んでいくのが今後の行政のあり方としては正しいのではないか、そういったふうに考えてもおるわけでございますが、これはおそらく田中総理の頭の中でも、国土庁の新設等に伴って、そういった公共事業を扱うところと都市問題を扱うところと分けて考えたらどうかといったようなお考えもあるのじゃないかと思うのですが、これは亀岡建設大臣個人の御意見でけっこうでございますから、この大きな問題についての考え方をこの際伺っておきたいと思います。
  38. 亀岡高夫

    亀岡国務大臣 私は、現在の機構においてもやり方によっては住宅は建つ、こういう確信を持っておるわけでございます。特に今国会に御提案申し上げております宅地開発に関する関係法案等につきまして、再開発の面、あるいは都心部から数十キロ離れた地区における新都市づくり、宅地づくりといったような面、そういう面に対する政府のいままでの腰の据え方というものが十分であったかどうかということになりますと、そういう面においては、非常に都市問題を大きく取り上げながらも十分ではなかった。そういうところへ十分腰を据えていくことによって、あえて住宅省というものをつくってという構想もあるいはあるかもしれませんが、しかしそうなりますと、せっかく建設省として今日までやってきております基礎というものの運営のしかたというような面から見ましても、とにかく緊急に目の前で家をどうして建てるかということでございまして、その方面に、法律的な措置なり予算措置なり、そういうものを十分積み上げていくべきである。  住宅省ということを考えますような場合には、やはりもっと広い立場から国土省というような中における住宅対策をどうするか。住宅対策といいましても、土地問題と自治体の超過負担の問題。自治体に超過負担は絶対にさせないということと、そこに住民が入ることによって自治体にいろいろな面で大いにプラスしていくという方策をとりませんと、行政機構を変えることだけによって住宅が建っていくということは、これはもう私は期待できない。やはり地方自治体の協力なしでは住宅は建たないということをわれわれ体験的に知ったわけでありますので、そういう面について、現在の立場の中において、今回成立させていただけるであろう国土利用計画法というあの法律ができたわけでありますから、あれを母法としてのいろいろな関連法というものを講じて、そして住宅問題イコール都市問題の解決ということをはかっていける、こう私は考えておる次第でございます。
  39. 村田敬次郎

    村田委員 これは大臣とよくまた意見交換をいたしたいと思いますが、私は建設行政を非常に愛しておりますから、したがって、いま大臣の御指摘になったように、今度国土利用計画法が制定をされる運びになり、これは野党のたいへんな御協力によるわけでありますが、そうして国土利用計画の部門が国土庁として発足をする見通しが非堂に強くなってきた。この段階でひとつ、住宅をたくさん建てたり、あるいは非常に解決がしにくくなった建築問題を含めて、都市建設の問題にどういうふうに対処していくか。その場合に、今回の改正によって建設省のほかに国土庁という新しい役所ができるわけですね。西欧のいろいろな制度を見ておると、いわゆるいま建設省という名前のもとに統轄をされておるいろいろな事務が異質なものが、二つの流れがあるんじゃないかということを申し上げたいわけです。  と申しますのは、公共事業を推進をしていくいろいろな仕事と、それから都市問題、住宅問題等を解決していくための仕事というものを、この際ある程度切り離して、それをいわゆる国土利用計画その他の大きな体系の面から考え直していくことが必要ではないかということを感じております。これはこれから亀岡大臣とは、いろいろなことについて御指導を願ったり、また助け合ってやっていかなければならない仕事がたくさんあると思います。これは建築基準法そのものの問題ではありませんから、きょうの議論はこのくらいで建築基準法のほうへまた戻りたいと思いますが、ひとつ体系的に、国土の総合利用、あるいはまた建設ということをどういうふうに進めていくかという観点から、ぜひ御検討をいただきたいと思います。  それから、建築基準法関連をいたしまして、最近、地方公共団体において昭和四十六年ごろから、条例あるいは指導要綱を定めて日照紛争の未然の防止につとめるところがふえてきております。たとえば私の地元県であります愛知県でも、名古屋市がことしの三月から指導要綱を定め対処をしております。このような条例あるいは指導要綱は全国的にいってどのくらい制定されているか。またその内容は、事前公開制、関係住民の同意制などいろいろありましょうが、どのようなものか。これは事務当局から承りたいと思います。
  40. 沢田光英

    沢田政府委員 いわゆる指導要綱のたぐいと申しますか、そういうふうなものは、日照に関するもの、及び日照開発を両方とも内容とするもの、あるいは開発を主体とするもの、いろいろございまして、関連するものということでとらえますれば、二百をこえるというところで制定をされておる、かような状態でございますが、私どもが、いわゆる日照としてはっきりとらまえまして、しかもこれを地方公共団体調査を依頼をいたしまして上げてきておるものが六十五明らかになっております。もちろんそのほかにも逐次そういうものがふえておるようでございますけれども、現在の状況で私どもが把握しておりますのは六十五でございまして、そのほかにいわゆる条例化したものが十一ございます。  したがいまして、関係のものは私ども七十六つかまえておる次第でございますが、その中で、日照に関します基準、これをある程度定めまして、たとえば四時間日照確保しなさいとか、あるいは四時間日照が得られないところ、あるいは日照を阻害をするところ、こういうふうなものに関しましてはそこの同意を取りつけなさい、こういう同意制。それから建てるほうでは、事前にこれをいわゆる協議をしなさい、あるいは公開をしなさい、かようないろいろな条項が組み合わさって各種各様に入っておりますが、一番の筋と申しますのは、やはり、一定の基準以上まわりに迷惑を及ぼすときにはまわりの同意を取りつけて建築をしなさい、かような筋がその中の半数以上を占めておるというのが事情でございます。
  41. 村田敬次郎

    村田委員 日照問題、まだ実はたくさんあるのでございますが、時間がもうあまりないようでありますから、次の問題にいかなければなりません。  昭和四十五年がたとえば東京都の日照の問題になりました案件が二百十九件、昭和四十六年が三百八十件、昭和四十七年が千百四十八件で、昭和四十八年、昨年には実に三千三百八十二件にのぼっていますね。それからことしの三月三十一日までで四百件ということでありますから、まだことしの件数は昨年に比べてそれほど多くないわけでありますが、この日照紛争、ますますこれから多くなるだろうと思います。今度の改正によってこの問題についてのはっきりした考え方が一部出てきたわけでありますが、なおこの問題は、いわゆる住民パワーとの関連においていろいろ御苦労される面がたくさんあると思います。ひとつぜひ住民の基本的な権利という問題を踏まえながら、また大都市の今後のあり方というものを考えながら、しっかりと対処をしていただきたいと思います。  それから次の問題にまいります。地下街防災対策についてでありますが、今回の法改正の中にも地下街が盛り込まれております。この防災対策についてお伺いをしたいと思います。  このたびの改正によりまして、既存地下街一定規模以上の面積のものに対しては防火避難に関する規定適用されることになり、地下街の安全性が高まるということになっておりますが、地下街に関しましては、従来から各方面で設置の是非を含めていろいろ論議をされているところでございます。私も自民党の地下街問題の議員懇談会をつくろうということで提唱をしておるものの一人でありますけれども、この問題は、たとえばこの次は地下街がやられるんじゃないか、火災等が起こった場合にパニックが必至である。たとえば無防備である大阪の梅田地下街であるとか、私の地元の愛知県の名古屋の地下街であるとか、いろいろ心配が絶えないわけです。これはまだ大きな問題がデパートほどには起こってないわけでありますが、もし起こったらたいへんなことになるという関連がございまして、ひとつ建築規制の面から今後の地下街対策をどういうふうに考えておられるか、これは亀岡大臣から伺いたいと思います。
  42. 沢田光英

    沢田政府委員 まず私から事務的に進んでおる状態を御報告させていただきます。  先生がおっしゃいますように、地下街に関しましては私ども非常な恐怖心を持っております。と申しますのは、いまの地下街には、もちろんいいものから悪いものまでございますが、その中で一たん災害が起こりますと、おそらく電灯が消えたりする。さらに地下街というのは特有の事故がございまして、方向感覚がおかしくなるというふうなことが顕著にあります。明るいところでも方向感覚がおかしくなるということがございます。そういうことから、大きな人身災害が起こるんではないかというふうなことをこの両三年非常に気にしております。また国会でも、ほかの委員会でもそういう問題が取り上げられております。  そこで私どもは、この地下街建築的な基準法的な対策もございますが、やはりもっと広い範囲の問題だというふうに省としてとらまえております。そこで関係がどこにあるかと申しますれば、大体、公共の広場、道路、こういうふうなものの地下部門をどういうふうに利用するかといういわゆる占用許可の話でございますので、そういう意味で道路も関係をいたします。さらに駅前の広場こういうふうなものの地下でもございますから、運輸省も関係してまいります。さらには防災の問題、避難の問題等では警察庁、消防庁、こういうことが関係してまいる。私どもの省といたしましても、先ほど言いました道路、それからさらに私どもはもちろんでございますが都市局、こういうものが関係しております。  この地下街の発生の経過を考えてみますと、基準法が、取り締まりが先ではなかったわけでございます。大体大都市に人口が集中しモータリゼーションが進んでまいりまして、地下のいわゆる公共的な車庫、置き場、こういうふうなものが社会の要請となってまいりまして、公共の地下部分をそれに利用しよう、かようなことでいわゆる占用許可の話でそういうものがつくられるという段取りなんです。そのときにいろいろ採算上の問題などもございまして、同時に商店街のようなものをつくり、さらに通り抜けのための交通の便利のためにそこに都市計画道路をつくる、この三位一体で一つの経営と申しますか、考え方と申しますかそういうものをやっていこうということで発生してきたように私は思っております。  で、そういうときに、そのものが発生いたしました以上、地下街の地下道に面します各かまえはやはり人がそれを使用し、あるいは道路は人が通る、こういうものの災害を防がなければいけないということで、前々から、その発生時点の直後から建築基準法の中にその防災技術基準を入れておるわけでございますが、四十五年の改正のときにも、さらにそれを受けまして、それを相当強化しております。しかし、いわゆるデパート災害に直接は関係ないのでございますが、不特定多数の人がある制約された状態のときに災害が起こったら非常な大災害になるということから、地下街が脚光を浴びたわけでございます。そこで、先ほど申し上げました関係各省が寄りまして、これに対する方針というものをこの一年ばかり検討し、あるいは通達も出しておる次第でございます。  その方針といたしますと、地下駐車場は必要でございましょうが、地下街に関しましては、これを必要最小限に抑制していく、そういう人が密集し大災害が予想されるようなものはできるだけ控えていこう、公共的にどうしてもやむを得ないもの、皆さんの便利のためにやむを得ないもの、こういうものに限って都市計画でそれを定めてきめていこう、こういうルールが私どもの中でできておりまして、中央にそのための協議会がございます。それからさらに地方にも各自治体ごとにそういうものができておる。そこで、そういうスクリーンを通しまして、今後のものは必要やむを得ざるものに限っていくということを一つ方針として取り上げました。  さらには古いものがございます。古いものが遡及適用対象になるわけでございますが、これについても、現在、地下街整備防災避難その他の安全衛生上の基準をこの委員会できめておりますけれども、そういうものを基本にいたしましてあるいは基準法によりましてこれをできるだけ早く改善していく、すなわち遡及適用の問題につながってきた、かような次第でございまして、さらに、これの学識経験者からなります調査委員会というものを昨年やりまして、梅田の地下街につきましては、その実情、対策、こういうものの資料を十分私ども得ておりまして、こういうものを基本にして今後の地下街のあり方ということに対処していきます。  いずれにいたしましても、一種の都市計画上の土地利用ということでございまして、安全に快適に土地利用をどうしていくか、地下ではどうしていくかということの方針をさような機構、さような考え方で現在検討して至急対処する。その中の一つとして、地下街の遡及をこの基準法基準法サイドとしては取り上げる、さような次第でございます。   〔渡辺(栄)委員長代理退席、委員長着席〕
  43. 村田敬次郎

    村田委員 まだまだたくさんお尋ねしたいことがありますが、時間が参ったようでありますから、何もきょうすべてやらなければいけないわけでありませんので終わりたいと思いますが、ちょうど木村委員長がおいでになりましたから、木村委員長建設大臣に最後にお伺いをしておきたいのです。  今回の建築基準法改正は、これは提案理由説明その他にも述べられておりますように、たいへん重要な改正であって、むしろこれを制定することがおそきに失するのではないかというくらいでございます。しかしながら、今回の会期があと六月三日までもう残すところ十日足らずになりました。この期間中においてこの建築基準法改正を通すことがもちろん一番望ましいわけでありますが、万一これを通すことができない場合には、ぜひ最も近い機会にこれを通過さして、国民のためにこの法律を制定しなければならないというふうに思いますが、その見通しについての考え方をひとつ木村委員長にまずお伺いをしたいと思います
  44. 木村武雄

    木村委員長 皆さんと相談して今期国会にぜひこの法律案を通したいとは思っておりまするが、何せあすのことのわからないのが政界の実情でありまして、御期待に沿い得たいとは思いまするがまあ一生懸命で皆さんと一緒にやってみたいと、こう思います。
  45. 村田敬次郎

    村田委員 建設大臣いかがでございますか。
  46. 亀岡高夫

    亀岡国務大臣 ひたすら一日も早く御審議を完了していただければしあわせに存ずる次第であります。
  47. 村田敬次郎

    村田委員 細部にわたって質問したい点が多々ございますが、きょうはこのくらいでやめたいと思います。  これまでの質疑を通じて、この改正案の主要な柱となっております建築物防災対策、日照の保護対策等が、いずれも現下の社会的要請にこたえようとするものであり、その内容についても十分に了解し得るものであると思います。ただこの場合に、これらの諸施策が円滑に実施されるよう、たとえば建築物防災対策について見れば、これに応じる建築費に過重な負担を課することのないように、金融、税制上等で、先ほど亀岡大臣もお答えになりましたように、所要の優遇措置を講じるように、また日照保護対策について見れば、建築確認等に際してまちまちの取り扱いがなされることがないように十分配慮をする必要があると考えます。この点を特に要望しておきたいと思います。  最後に私は、本法案の提出は、国民生命、健康、財産の保護の見地から見てややおそきに失したうらみさえあり、これらの諸対策を早急に実施に移すべきであると考えるものであります。ただいま木村委員長並びに亀岡建設大臣から所信の表明もございましたように、本法案の可及的すみやかな成立を希求いたしまして、本日の私の質問を終わります。
  48. 木村武雄

    木村委員長 次回は、来たる二十八日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会