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沢田政府委員 まず私から事務的に進んでおる
状態を御報告させていただきます。
先生がおっしゃいますように、
地下街に関しましては私
ども非常な恐怖心を持っております。と申しますのは、いまの
地下街には、もちろんいいものから悪いものまでございますが、その中で一たん
災害が起こりますと、おそらく電灯が消えたりする。さらに
地下街というのは特有の事故がございまして、方向感覚がおかしくなるというふうなことが顕著にあります。明るいところでも方向感覚がおかしくなるということがございます。そういうことから、大きな人身
災害が起こるんではないかというふうなことをこの両三年非常に気にしております。また国会でも、ほかの
委員会でもそういう問題が取り上げられております。
そこで私
どもは、この
地下街の
建築的な
基準法的な対策もございますが、やはりもっと広い範囲の問題だというふうに省としてとらまえております。そこで関係がどこにあるかと申しますれば、大体、公共の広場、道路、こういうふうなものの地下部門をどういうふうに
利用するかといういわゆる占用許可の話でございますので、そういう意味で道路も関係をいたします。さらに駅前の広場こういうふうなものの地下でもございますから、運輸省も関係してまいります。さらには
防災の問題、
避難の問題等では警察庁、
消防庁、こういうことが関係してまいる。私
どもの省といたしましても、先ほど言いました道路、それからさらに私
どもはもちろんでございますが
都市局、こういうものが関係しております。
この
地下街の発生の経過を考えてみますと、
基準法が、取り締まりが先ではなかったわけでございます。大体大
都市に人口が集中しモータリゼーションが進んでまいりまして、地下のいわゆる公共的な車庫、置き場、こういうふうなものが社会の
要請となってまいりまして、公共の地下部分をそれに
利用しよう、かようなことでいわゆる占用許可の話でそういうものがつくられるという段取りなんです。そのときにいろいろ採算上の問題な
どもございまして、同時に商店街のようなものをつくり、さらに通り抜けのための交通の便利のためにそこに
都市計画道路をつくる、この三位一体で
一つの経営と申しますか、
考え方と申しますかそういうものをやっていこうということで発生してきたように私は思っております。
で、そういうときに、そのものが発生いたしました以上、
地下街の地下道に面します各かまえはやはり人がそれを
使用し、あるいは道路は人が通る、こういうものの
災害を防がなければいけないということで、前々から、その発生時点の直後から
建築基準法の中にその
防災技術基準を入れておるわけでございますが、四十五年の
改正のときにも、さらにそれを受けまして、それを相当強化しております。しかし、いわゆる
デパートの
災害に直接は関係ないのでございますが、不
特定多数の人がある制約された
状態のときに
災害が起こったら非常な大
災害になるということから、
地下街が脚光を浴びたわけでございます。そこで、先ほど申し上げました関係各省が寄りまして、これに対する方針というものをこの一年ばかり
検討し、あるいは通達も出しておる次第でございます。
その方針といたしますと、地下駐車場は必要でございましょうが、
地下街に関しましては、これを必要最小限に抑制していく、そういう人が密集し大
災害が予想されるようなものはできるだけ控えていこう、公共的にどうしてもやむを得ないもの、皆さんの便利のためにやむを得ないもの、こういうものに限って
都市計画でそれを定めてきめていこう、こういう
ルールが私
どもの中でできておりまして、中央にそのための協議会がございます。それからさらに
地方にも各自治体ごとにそういうものができておる。そこで、そういうスクリーンを通しまして、今後のものは必要やむを得ざるものに限っていくということを
一つ方針として取り上げました。
さらには古いものがございます。古いものが
遡及適用の
対象になるわけでございますが、これについても、現在、
地下街整備の
防災、
避難その他の安全衛生上の基準をこの
委員会できめておりますけれ
ども、そういうものを基本にいたしましてあるいは
基準法によりましてこれをできるだけ早く改善していく、すなわち
遡及適用の問題につながってきた、かような次第でございまして、さらに、これの学識経験者からなります
調査委員会というものを昨年やりまして、梅田の
地下街につきましては、その
実情、対策、こういうものの資料を十分私
ども得ておりまして、こういうものを基本にして今後の
地下街のあり方ということに対処していきます。
いずれにいたしましても、一種の
都市計画上の
土地利用ということでございまして、安全に快適に
土地利用をどうしていくか、地下ではどうしていくかということの方針をさような機構、さような
考え方で現在
検討して至急対処する。その中の
一つとして、
地下街の遡及をこの
基準法で
基準法サイドとしては取り上げる、さような次第でございます。
〔
渡辺(栄)
委員長代理退席、
委員長着席〕