○中村(茂)
委員 こういう
法律をつくってしまったあとで検討するといっても、
法律上よりか、まとまらない
土地についてはなかなか許されないわけでありますから、しかもこの答申の中で、少数意見ということですけれ
ども、前文でまとめているのは、
土地区画整理事業等の「
開発事業に結びつかない暫定的
農地についても、生鮮食料品等の供給、環境維持
機能に着目して、第二種
生産緑地地区と類似の取扱いをすべきである」、こういうふうに答申も問題にしている。「第二種の
生産緑地地区と類似の取扱い」というのは、これは
面積の問題と五年という問題が当然出てくるわけですけれ
ども、ここでいっている
趣旨というのは、それだけまとまらなくも
農地を存続していこうという人については何とかしなさいということをいっているわけですよ。それをそういう面についてはずしてしまって、しかも、はずした
法律でこれから
農業団体やそういう関係者と十分検討させていただきますというふうに言っても、これは言うだけであって、解決できる見通しはなかなか困難じゃないか、こういうふうに私は思うのです。
そういうことに関連してもう一つ心配の起きてまいりますのは、御存じのように、それぞれの自治体で条例をつくっていまこの
緑地の問題が進んでおります。特に、いろいろ調査をしてみますと、三
大都市圏の中で百八十二のうちすでに九十三の
都市において自治体の
生産緑地制度が取り入れられてきている。そこで、いま審議しているこの
法案と、それぞれの自治体等で取り上げられているこの
生産緑地制度、これを比較検討してみますと、いま私が問題を提起しました、
農業を維持継続していきたい、こういう人たちに対してどういうふうな手だてをしてその道を開いていくかということが、やはりこの
生産緑地制度の中へ取り入れられて生かされているという点と、いま審議しているこの
法案は、
面積を非常に広く集約をしなければならないために、そういう人たちが置き去りになるという点が一番大きな違いになる点になっているというふうに私は思うのです。
特に検討していただきたいというふうに私が思っていますのは、ここに小金井市の
緑地保全条例を持っています。これは昨年の十二月に
制定したものですけれ
ども、参考までに少し申し上げてみますと、この小金井の
緑地保全条例というのは、私の目から見れば模範的というか、きめのこまかい配慮がなされているというふうに思うのです。それはまず一つとして、
農業を管理し維持継続しようという
緑地については
農業緑地ということで、これは千平米以上のものについて
農業緑地という規定を行なって
農業の維持をはかっていかせよう、こういうふうに一つの
緑地をきめてあるということ。二番目には、やはり
面積は千平米でありますけれ
ども、良好な自然環境、山林、こういうものを含めてこれは環境
緑地として残していかなければいかぬ、こういうことで環境
緑地というきめ方をしてあるということ。それから三番目に、
公共緑地として
公共の用に供する、しかし現在のところについては
緑地としてやっていく、事前に地主とそういう約束ができて、この
地域については将来
公共の敷地になるんだけれ
ども公共緑地として残していこう。これは五百平米であります。小さいというか狭いんですよ。
こういうふうに三つの段階にして、それぞれ特徴を生かしていく。しかもこれは
宅地並み課税を免除するんではなくて、奨励の方法をとっているわけでありますけれ
ども、特に
農業緑地と環境
緑地については、固定資産税と
都市計画税の五〇%、
公共緑地についてはその全額を補助として出すということですから、言いかえれば全額を免除する。ですから
緑地に
指定したところについて、やはりその
趣旨に沿ってそういう面もきちっと差をつけて残している。これは私は、将来の
緑地政策について非常に参考になる条項だ、こういうふうに思うのです。
そこでお聞きしたいわけでありますけれ
ども、この
法案がこのままの状態で通ったとします。そうすると、ここから漏れて
農業が切り捨てられる面が相当出てくるわけであります。しかし、
地域で条例ができていますし、これからも条例をつくるという形勢にあるわけでありますから、これができたからといって、やはりそういうところから漏れてくる面についてこの
緑地制度によってやっていかなければならない面が出てくるので、どういうふうに思っても、この
法案ができても、私はそれぞれの自治体の条例は残っていくんじゃないかというふうに思う。また残さざるを得ないんではないかというふうに思う。ですから、それぞれの自治体になってみれば、これは
希望者がある、そうすれば、国の
制定した
生産緑地に該当するのかしないのか、いや条例のものに該当するからひとつこの条例でお願い、こういうふうになるのが落ちではないかというふうに私は思う。この点について
建設省と自治省からそれぞれひとつお願いしたいのであります。