○
山本(
幸一)
委員 その言明を私は了とします。了としますが、法的根拠のないことだけは間違いありませんね。
そこで問題なのは、冒頭にお尋ねしたように、行政が一貫しておらぬ、
住民に一そう不信感を与えておる、てんで役所を信用していない、こういう問題が出てくるわけですね。いわばそういう知事との約束をしたから、それは守りますとここできょうは御言明なすったが、実際には、守りますと言いながら、本体ではありませんけれ
ども、本体に接近するようにだんだん工事が進められておる。こういうことで、たいへんな不信感を持っておる。
それが訴訟になっておる最大の原因だということは、これは私ははっきり記憶ありませんが、このとき私もたしかちょっと見たと思うのですが、四十三年に岐阜市で
政府が一日内閣を開いたんですよ。そのときの
建設大臣が保利茂さんですよね。そこでやはり問題になりまして、質問者がこの河口せきの問題を取り上げたわけですね。そうすると保利
建設大臣は、諸君の
納得のない限り河口ぜきの着工は断じてさせないから安心しなさい、こういう
答弁をしておりますね。
それから、さっき申し上げたように、松野君が岐阜に行かれて
大臣代理で言われたときには、かなり具体的なことが出ておりますよ、この文書を見ると。いろんなことが出ておりますよ。出ておりますが、結論から言えば、これは利水である、岐阜県としてはたいへんな不利である、岐阜市の水の不安も非常に大きい、こうおっしゃってみえる。
これらの経過をたどってみると、何だか知らぬが、選挙
対策でやったのかどうか知らぬけれ
ども、そう言いながら、一方においてはどんどん既成事実をつくっていく。その間に
反対住民との具体的な話し合いというものは、私もあまり聞かない。県当局はやられたかしらぬが、あまり聞かない。これは行政を進める上からたいへんなあやまちですよ。どうも役所は昔からその癖がある。いまだに直っていない。うまいことを言うけれ
ども裏では既成事実をつくっていく、こういう悪い癖が抜け切っておらぬ。ここに私は重大な問題があると思うんですね。
そこで、そういうことについてあなた方がきっちりしなければ、私はこの問題はなかなか片はつかぬと思うんですよ。訴訟の結果がどうなるのか、それは私
どもの関与すべきことじゃありませんから、見守っておらなければならぬと思いますが、訴訟の結果がどうあろうと、世間でよくやられる実力行使がないとは言えぬですね、いよいよやろうと思うと。そういう混乱、トラブルがまた随所に起きてくる。まず、ここをあなた方反省することが第一だと私は思うのです。したがっていまからでも十分
住民と話し合うチャンスをつくらなければいかぬ。私は、そういう機会をたくさんつくっていただくことが必要だ、こう思います。
それからその次に、たしか松野政務次官が行かれた七月二十五日の一週間
あとに、工事認可を
建設省は三十一日に出しておられる。当時、松野政務次官の回答は、
住民に
納得してもらおうと思って
努力しておられる形跡がきわめて見受けられるのです。要するに、無断じゃやりませんよ、皆さんに無断で認可はやりませんよ、自分としては、九月には
建設大臣を岐阜へ連れてきて、皆さんと十分話し合いしますよと言って
答弁しておられる。回答しておられる。九月ですよ。その会合は七月二十五日ですよ。一週間たたぬうちに突然認可が来た。この認可はもちろんせき本体は含まれていないと私は思いますが、含まれているのかいないのか、それを明確にしてもらいたいと思うのです。