○原(茂)
委員 その点は、政府の態度決定をまつことも必要でしょうが、積極的に
会計検査院の独自の
見解を示していいんじゃないかというように私は思うのです。
そこで次に、皆さんからちょうだいした資料に基づいてちょっとお
伺いをしておきたいのですが、「過去十
年度の
検査対象予算規模および
会計検査院職員の推移」というリストをちょうだいいたしました。もう一枚、「最近五箇年の所管別
実地検査施行
状況」のリストもちょうだいいたしました。
この二つについてお
伺いしたいんですが、たとえば三十九
年度は三兆二千五百五十四億三千八百万円、こういう当初の歳入、歳出もこれに見合うというときに、皆さんの
会計検査院職員の定員というものは千百九十二名、調査官数が五百四十三名、ずうっと今日に至って四十八
年度になりますと、十四兆二千八百四十億七千三百万円という総予算になった。歳入、歳出同額であります。このとき
検査を行なう
職員の定数はというと、千二百十二名にしかふえていない。調査官数は六百五十三名。予算のふえ方はもう幾何級数的に膨張いたしました。三十九
年度から見ると何倍になるんでしょうか、四十八年は約五倍近くに予算がふくれ上がっている。にもかかわらず
検査を行なう皆さんの
職員、調査官の数はほとんどふえていない。千百九十二名が千二百十二名、五百四十三名が六百五十三名、これで満足に
仕事ができたらおかしいと思うのであります。どんなに優秀な電算機あるいはその他の機械設備を導入したからといっても、これでできるような状態ではない。これじゃどんどん取り残しが行なわれて当然だと思う。満足な
会計検査はできないというふうに私には思えるわけであります。当然、この歳入歳出の大膨張に見合ったある程度の人員増というのを
会計検査院だけはやらない限り、どうしようもない、どうしようもないで毎
年度毎
年度十分な
会計検査ができないままに放置されて次に移っていく。これは国民の負託にこたえるゆえんではない。国民の血の出るような重要な予算というものの行使された軌跡が適正であり、正しいものであり、より有効に使われているかどうかを指導監督する
立場にある
検査院としては、これではやっていけないという
立場で急遽対策を、というよりは特に
職員増を行なう必要が当然あるのではないか、こういうふうに考えるのですが、そこで
院長に、この状態でもだいじょうぶやっていけます、国民の負託にこたえるような
会計検査を遅滞なく十分やりますと言うことができるかどうかをお答えいただきたい。
同時に、
大蔵省からおいでいただいていますのでお聞きしたいのですが、こんな状態の
検査ぶりで
——一体
会計検査が何%終わっているかというのを見ると、いただきました二つ目の表、
実地検査の施行
状況あるいは施行の率というようなものの表にありますように、全体的にいっても四十四
年度で八%、四十五
年度で七・一%、四十六
年度が七%、四十七
年度が七・一%、四十八
年度が七・三%という施行率、進捗率であります。こういう状態で、食い残しのようにほとんどできていない
検査業務というものをこのまま放置していても、もっと正確なものが、短時日の間に適正な
会計検査結果が出てこなくても、
大蔵省としては何ら支障がない、痛痒を感じない、けっこうでございますということになるのかどうか。私は、
大蔵省の
立場に、この
意味からはたいへん関心を持つわけであります。これじゃ困るんだというんだったら、予算づけを行なって人員増を行なってしかるべきだし、そういう発議が
大蔵省からなされていないで今日まで来ている。毎
年度の数字を見ると歴然とそのことが出ているのに、けっこうだ、もうおくれてもいいんだ、十分に
会計検査されなくてもけっこうなんです、
大蔵省の
立場でそう言い切れるのかどうか。
大蔵省からおいでいただいているので、二点にわたってお
伺いをし、
院長からは、現在で十分でございますとおっしゃるかどうか、どうしても人をふやさなければだめだというのかをお
伺いしたい。