○森山国務大臣 私は、今度の問題に限りませんが、外国の機関から指名して、シンポジウムをやるから出てくれ、こういいましても、外国の機関
がいったから一々聞く必要はない。わが国が必要だと思えば出せばよし、必要でないと思えば出さなくともよろしい。わが国は独立国でありますから、外国から入ってきたものは何でもいいなんていささかも思っておりません。けれ
ども、かりにそれだけの理由があるという内容だとする場合には、それはこちらから出すということもありますし、また、向こうから招待してこなくとも、必要があることだったら、こちらから押しかけてでも行かなければならぬという問題も私はあると思います。いずれにいたしましても、われわれは自主性をもって独立国としてやるわけでございますから、外国の機関
がいったからといって、だからいかにも大事そうな、外国が指名したからというような、そういう
考え方は私あまり好きじゃないですね、率直に言いまして。だけれ
ども、かりに当該の場合、あるいは研究の内容は、私はしろうとだからわかりませんけれ
ども、かりにもし必要があるのだといたしますれば、これは県立の機関でございますから、当然沖繩県の知事さんにお願いして、あるいは沖繩県の県
会議員の方々にお願いして、これは非常に大事なシンポジウムだからぜひひとつやらしてくれということを言われたらどうか、そういう努力がなされておるかどうかというのが一つの
問題点じゃなかろうかと私は思うのです。沖繩はなかなか金がかかって、そういうものを出す金がないんだとおっしゃるかもしれぬけれ
ども一私は必ずしもそうじゃないと思いますが、やはり県立の試験場であれば——私ともの出身県でも、これは県
会議員さんもよく行きますけれ
ども、県の職員の方も、よくこのごろは海外へ行くようになりました。ですから、沖繩でそういう努力はやはりされてしかるべきではなかろうかと私は思います。そういうのをされたかどうか、一つの
問題点でございましょう。
そして、これはもちろん、研究内容が沖繩にとって非常に重要であるということでございます。また、そのことが、沖繩ばかりでなく、日本全国の農業の面で非常に役に立つということでございますれば、沖繩開発庁というのがございますから、ひとつ沖繩県を通して沖繩開発庁のほうに申し出ていただいて、何とかならぬかという行政的な手だてを尽くされてしかるべきだと私は思っておりますが、今回の場合それが尽くされたのかどうかというような問題もございましょう。
それから、沖繩開発庁ということになりますれば、これを見るとFAOとIAEAのジョイントコミッティーみたいなものでございますから、それがほんとうにぜひ必要なんだということになりますれば、沖繩県のためにも、また沖繩県以外にも重要な内容であるということになれば、農林省自身でまずこの問題についていろいろ
検討してしかるべきではないか。そして、そういうことのあれで
最終的に
科学技術庁のほうにということになってまいれば、またそれなりの要するに行政的な努力を尽くして、そして打開していく。
ところが、何かいまここで聞いた範囲内においては、新聞に投書をし、また投書をきっかけに御
質問があり、それについて経過の
報告を先ほど来聞いておるところでは、そこまでの順序が尽くされておるのかどうか、私はよくわかりません。しかし、少なくも国会で論議する前に、沖繩県の農務部というのがきっとあるのかもしれませんね、だから沖繩県の農務部長から、農務部だけ、沖繩県だけでは片づかぬ——そのぐらいの金は、言ってくれれば私のところで出しますよと、沖繩県の知事さん言うかもしれませんよ。そこまで話は詰めているかどうか私は存じませんけれ
ども、それでどうしてもだめだというなら開発庁のほうに、ひとつこういう際に何とかならぬか、沖繩はたくさん問題をかかえて容易じゃないんだということで御相談になる。開発庁からまた農林省に相談され、また私
ども科学技術庁にも相談になる。そういう過程の中に、それだけの価値があるものなら、それは道は開いていかなければならぬと思いますよ。道を開いていかなければならぬと思うのです。だけど、どうでしょうね、そこまで手が尽くされたんでしょうか、その辺のところは私は存じませんが、いかがでございますか。私が
質問を受けていてこちらから聞いちゃいけないんですけれ
ども、経過がよくわかりませんから、その辺のところを尽くしてみたがどうにもならぬから国会へ持ち出したというのであれば、またそれなりの理由があると思いますが、どうもお話を承っておりますと、これは朝日新聞の投稿がきっかけのような感じ
がいたしますので、その辺の事情についてもう少し伺わしていただきたいと思います。