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大平国務大臣 戦争が終わりまして、極度の困窮の中から再建をはかってまいらなければならぬ立場にありました
日本といたしまして、当面国民生活の需要の充足ということ、さらに進んで国際的な
環境の中で
わが国の生存を確保し、さらに
わが国の競争力を高めてまいらなければならぬというような趣旨で、ある
意味においてなりふりかまわずに成長政策を官民とも追求してまいりましたこと、それ全体が私は悪いとは思いませんけれども、そのことが御
指摘のように痛ましい
環境の破壊を結果しておるということは、私どもも十分反省しなければならぬと思うのであります。
いまの御質問に対しまして、まず根本的に
わが国の
経済政策の基本をどう
方向づけるかという問題でございますが、すでに
政府も申し上げておりますとおり、われわれといたしましては成長政策から福祉重点に持っていかなければならないのではないか、生産から生活に
方向を志向していかなければならないという問題意識をもちまして
各種の施策を
考えておるわけでございまして、そのことがいま十分の成果をあげるにまだ至っておりませんけれども、まず第一に
経済政策の基本をそういう
方向に鋭意持ってまいることが第一だと思うのでございます。
しかしそれにいたしましても、すでに相当荒廃した
環境でございまするし、アフターケアがなされないままに放置されておる
地域も相当ありまするし、またこれから御
指摘のように新しいコンビナートをつくるというような問題もないとはいえないわけでございまして、そういった今後の
経済の
開発を進めるにあたりまして、従来のラインで、ただ生産第一主義に走ることなく、
環境への配慮というものを十二分に考慮しながら、きめこまかい配慮を加えながらやってまいるべきものと思うのでございまして、この点は先ほども御
答弁申し上げましたように、国内
関係各省庁と連絡をとりながら、この
条約の趣旨が生きるように十分配慮しなければならぬことと思います。