○相川説明員 ただいまの御
質問に
お答え申し上げます。
私の手元に昭和四十七年と昭和四十八年の米軍を中心といたします麻薬事犯の検挙
状況という
数字がございますが、これによりますと、四十七年で、大体アメリカ軍人、軍属
関係で、麻薬取締法あるいは大麻取締法違反という
関係で二百二十四人を検挙いたしております。それから四十八年に入りますと、同じく米軍人、軍属
関係で三百七十六名の検挙を見ております。
それから、御
指摘のございました米兵を中心といたします麻薬密輸事犯でございますけれ
ども、概要について申し上げますと、神奈川県警察本部並びに横須賀警察署の捜査
関係者が、四十八年の八月中旬ごろから、横須賀市内におきまして米兵を中心とする麻薬の密売があるという情報によりまして、米軍の捜査当局とも緊密な連絡をとりながら捜査を進めたわけでございます。その結果、大量のヘロインやモルヒネあるいは大麻等が米軍人によって密輸されており、しかもこれらが末端の消費春、特に米軍人を中心とする消費者のところへ密売されているという事実の全貌が明らかになっております。
これは幾つかの事件から成り立つものですけれ
ども、
一つはアメリカ海軍の第七艦隊のオクラホマシティー号というのがございますけれ
ども、ここの乗務員が四十八年の八月ごろシンガポールに寄港いたしておりまして、その際モルヒネを四百二十五グラム入手いたしまして、これを船内で一部使用したほか、残りを横須賀港から
国内に密
輸入しております。そして乗り組み員その他の者に密売しているという事犯でございます。
それからもう
一つは、横田基地所属の米軍人が、同じく四十八年の八月ごろ休暇を利用しましてバンコクへ行きまして、そこでヘロインを五百グラム入手しまして、基地に持ち帰りまして、これを同じく基地内の米軍人に密売していたという事犯でございます。
それからもう
一つは、同じく横田基地所属の米軍人でございますけれ
ども、
タイ国におります同僚と連絡をしまして、これは四十七年の九月ごろから四十八年の五月ぐらいの間にかけまして、軍事郵便を利用して、ヘロインを十八キログラム、それから大麻をやはり十九キログラムぐらい
国内に密
輸入いたしたような事犯がございます。そのほか小さいものもございますけれ
ども、最近、私
どもの麻薬取り締まり
関係では、かなり大がかりな密
輸入あるいは密売事犯であると言うことができます。そしてこの
関係者につきましては、昨年の夏から神奈川県で鋭意捜査を進めまして、結局現在までに被疑者を三十二名検挙いたしております。
この内訳を申し上げますと、大体米国の軍人の方が三十名、その他が二名ということになっております。この三十二名につきましては、それぞれ必要な取り調べを行ないまして、現在身柄づきで二十五名を検察庁に送っております。そして目下この中には取り調べを継続している勾留中の者もあります。
大体そのような
状況でございます。