○御巫
政府委員 数字の問題でございますので便宜私から取りまとめて、
三木副
総理、
小坂特使並びに中曽根通産大臣の
中東諸国御歴訪の際にお約束をされました、もしくは検討を約束されました
政府ペースのものを含む
経済協力案件を申し上げます。
まず第一番目に、
三木副
総理が約束されました分でございますが、
エジプトにつきましては、まずスエズ運河の拡張計画というものがございます。このうちの第一期の拡張計画につきまして三百八十億円、これは金利二%、返済期間二十五年、そのうちに据え置きの期間七年間を含むという条件で供与する旨をお約束になりました。それから
エジプトからは主として商品援助あるいは、プロジェクト援助も含むような大規模な援助をほしいという要請がございましたが、これらのこまかい金額、条件その他につきましては、今後さらに
日本に帰られてからお詰めになって、今後見える
エジプトからの
特使等とも御相談になっておきめになるということで、検討を約されたという形でございます。
それから
サウジアラビアにつきましては、これは
技術協力だけでございますが、今後大体五年の間ぐらいに約百名の各種の分野の
専門家を派遣しましょう、また
サウジアラビアが
希望するならば約三百名ぐらいの研修員を受け入れる用意がございますということをお示しになりました。それからまた、
サウジアラビアがやっております職業訓練センターというようなものに対しまして、そういうものを拡張する場合には
専門家を
日本から派遣することも考慮いたしますということをお述べになったわけでございます。
次に、
シリアにつきましては、
シリアは御
承知のように戦争を行ないまして、その持っておりました製油所が破壊されましたので、そのかわりに新しい製油所をつくりたいという要請を持っております。しかしこの規模その他につきまして、まだ
シリア側でもはっきりしたことがきまっておりませんという状態でございましたので、これをさらに
専門家を派遣して
調査したりして詰めるということをお約束になりまして、今後金額、条件等はだんだんに煮詰まってまいるというふうに
期待しております。
それから
イラクでございますが、
経済技術協力協定というものをかねがね結びたいという話が出ておりましたのですが、その
協定を締結することについては原則的な同意を御表明になりました。
イラクにつきましては、さらに中曽根通産大臣があとフォローされましたので、中曽根通産大臣のところでまた申し上げることにいたします。
中曽根通産大臣はまずイランにおいでになりまして、イランにつきましては輸出用の製油所のプロジェクトというものがございまして、これにさらに、そのあと
石油化学
関係の工場をつくるプロジェクトがつながっておるという話がございまして、これを全体で合わせますと相当大きい金額になりますので、これらのプロジェクトについてはいろいろな意見が交換されましたが、さらに検討を続行するということでございました。
イラクにつきましては、いま申し上げましたように
三木副
総理がお見えになりましたあとでございましたので、中曽根通産大臣がイギリスとブルガリア等を
訪問せられております間に事務当局の者が参りまして、
経済技術協力協定の文言等につきまして
話し合いを詰めましたが、問題は、その中にどういうような実際の
経済協力を入れるかという問題が重要問題でございましたので、結局中曽根通産大臣と
先方のジャズラウィといいます工業大臣との間で約束されましたのは、
経済技術協力協定を結ぶということを前提にいたしまして次の三点でございました。
まず第一番目には、円借款と民間信用との合計いたしまして十億ドルを、仕上がりの金利と申しますか、平均の金利として五・二五%で供与する。それによりましてLPGのプラント、製油所などの建設に
協力をする。それから、
イラクから研修生を受け入れる等々の
技術協力を行なう。それから
イラク政府は
わが国に対しまして十年間に九千万トンの原油、そしてLPGにつきましては年間少なくとも百二十万トン及び
石油製品が
供給されるように措置をする。この三点につきまして合意をしてこられました。後にこれらの点が
経済技術協力協定の中に盛り込まれるということになっております。
小坂特使は、まずモロッコに着きまして、三十億円の円借款を供与することをお
話し合いになりました。この円借款をどういうようなかっこうで使うとか、詳細の点につきましてはさらに今後両国間で検討を続けるということでございます。
アルジェリアにつきましては、従来から
アルジェリア政府からいろいろなプロジェクトに対します援助の要請が出ておりましたが、
特使がおいでになりましたときに、主として電気通信
関係のプロジェクトに円借款を供与するという話を示されまして、結局金額として百二十億円ということはきまりましたが、その詳しいことにつきましては今後両国間でさらに検討を続けましょうということでございました。
それから
ヨルダンに行かれました際には、やはり同じく電気通信
関係のプロジェクトを中心に円借款を三十億円供与する。しかし、この詳細についてはさらに詰めましょうという話でございます。
スーダンにつきましても、プロジェクトはまだはっきりきまっておりませんが、やはり三十億円の円借款を供与することをお
話し合いになりまして、このプロジェクトを何にするかとか、条件等についてはさらに検討を続けるということでございました。
リビアは、主として
技術協力について話が出まして、研修生の受け入れとか、
専門家の派遣とか、そういうような
技術協力を今後やっていこうというお
話し合いだけでございました。
レバノンの場合は、
石油資源の探査をやってほしいという要請がございまして、これにつきまして検討してみたいということをお約束になった。
以上が三人の大臣、
特使の御
旅行の結果のお約束並びに検討のお約束の事項でございます。