○森山国務
大臣 山原
委員が、この
委員会で、傾聴すべき意見をしばしば吐かれておりますことにつきましては、敬意を表します。ですから、分析研の問題も、去年の九月に山原
委員が言われたときに真剣に取り組めば、それなりの解決の
方法があったと思いますが、やはりあの時点でほおかむりしたということに大きな問題があると、私は
考えているわけでありますし、アイソトープの問題についても、私は存じませんが、昨年の四月にそういう御
指摘になられたといたしますならば、やはり問題点の
一つに触れられたというふうに私は思います。
ただ、
一つ、しかしこのアイソトープの問題で、現在問題になっておりますのは、労働安全衛生の観点でございまして、主役は、これは
労働省労働基準局あるいは安全衛生部、
地方の労働基準局ないし労働基準
監督署が主役でございまして、それで私
どもは、むしろその
意味では、わき役になっておる法の構成になっておることもそうでございますし、私
どもは全然関係ないとは申しませんよ。しかし、皆さまがもし御論議になるなら、まず
労働省と大いにおやりになられて、
科学技術庁何しているのだ、こうおっしゃるならよくわかりますが、当面
原子力発電所とか、アメリカの
原子力潜水艦の入港とか、いろいろかかえておりますから、何といいますか、そういう
一つの空気に乗じて、何でもかんでも
科学技術庁が悪いというようなお
考え、印象を与えるように御
指摘でございますと、せっかくの山原
委員の御
指摘も迫力がなくなる。その点は、私のほうからひとつ申し上げておきたいと思います。
先ほ
ども、
労働省の安全衛生部長にも言っておるのでありますが、私は、何も
科学技術庁の責任を回避するつもりはありませんよ。しかし元来、こういう労働安全衛生上の問題は
労働省がやることになっており、そしてそれだけの手足を持ってやっておるわけでございますから、そこがまずしっかりしてもらわなければ困るので、
労働省がこれはやはり主務であるということだけは確認して、わがほうもわき役として、その方面ではやっていく。しかし、アイソトープの放射線障害の防止に関する
法律全体につきましては、基本につきましては、私
どものほうが責任があるわけでございますから、やはり
全国で三千人も業者があれば、それがどうなっているかというのは、やはりつかめるようなことをしなければ、人数が十数人だからできないなんということは、これは私は責任のがれであると思っておるわけでございます。それならそれなりに、先ほど申し上げましたように、業者の
団体の職域別、業種別、
地域別の再編成等もやって、少ないなら少ないなりに、頭を使って一生懸命やればいいじゃないか、長い間、昔からと同じようなことをいつまでやっていていいのかというふうに、私は内部
職員に対して、この際決意を新たにして出直せ、こういうふうに言っておるわけでございますから、せっかく御
指摘になられますといたしますならば、迫力あるいまのような観点から、ひとつ御
指摘を願えればありがたいと思っておるわけでございます。
今回の問題は、したがって、主役は
労働省、責任を、先ほど申し上げたように、回避するわけではいささかもない。しかし、これは私
どもはわき役でございますから、エックス線なんかの場合も、みんな
労働省がそうなんで、その際、一々厚生省に、皆さま方御
指摘になることございませんでしょう、それは。ただ、
原子力というものは、何でもかんでも
科学技術庁が、というので、ことばは悪いですが、何んでもかんでも
——適当な表現じゃないことばで、ちょっとこの辺まで出てくるわけでありますが、それはまた、
新聞記者諸君がいますから、発言には注意いたしますが、先ほど来申しますように、せっかく私は、山原
委員の御発言に対しては敬意を表しているわけですから、ひとつ私の言うことも一理ある、こういうふうに見ていただけるだろうと思うので、どうかその点は、そういう観点から御納得をいただきたい、こういうふうに思います。
それから、この再処理センターの場合も、わが国におきましては、
原子力発電がようやく軌道に乗りつつあるわけわけでございますが、再処理の問題については、いままで施設が十分でなかった。今度初めてこれから始まるわけでございます。ですから、念には念を入れて、いろいろ注意をしていただくということなら、私
どもはありがたくお受けするのでございますが、何か伺っておると、非常にあぶないものをつくっているじゃないかというようなお話でございますが、これはこの前の
委員会でも申し上げましたように、それは原子炉ほどの放射能で、たとえば五ミリレムというようなところで、今日も通念になっているようなところまで押えることはできませんけれ
ども、三十二ミリレムくらいのところでやる。それでも多いのじゃないかとおっしゃるかもしれないが、しかし自然放射能でも百ミリレムでございますし、通常人で五百ミリレム、職業人で五レムというような、そういう基準のある中で、この数字でとにかく発足できるということは、これはまずまずだというふうにおほめ願ってしかるべきじゃないか。しかし、
先生のお手元にありますICRPのあれにも書いてありますように、少しでも少なく、アズ・ロー・アズ・レディリー・アチーバブルというふうになっていくという
意味では、そういう努力はこれからいたしますよ。だけれ
ども、初めてできる再処理センター、なかなかたいへんだったろうな、しかししっかりやってくれよ、こう言って御激励されるなら、私はわかるのでありますが、あなたは、いかにもあぶなっかしいものを政府がつくっているように思われる……。いろいろおっしゃいましたけれ
ども、私は同意いたしかねるということでございます。技術論としていろいろおっしゃったけれ
ども、技術論は、私は大部分は納得できません。こういうものについての政治的な御意図があられて、技術論の着物を着て政治論を御展開になるように思えてならない、というふうに申し上げるほかないのであります。一々またやってもよろしゅうございますが、長くなりますからやめます。
それから、日立港の問題でございますが、日立港を使う。どこでも、こういうところは、通常の商業港を使ってやるのが通常でございまして、当初これを利用して始めたことは間違いございません。しかし日立港が非常に仕事がお忙しいわけでございますから、これにいつまでもたよる、お願いするわけにいくまい。しかし暫定的にお願いしようという形でおったわけでございます。ところが先般、私の承知しているところでは、日立市議会の一特別
委員会の決議というふうに聞いて、日立市議会でそういう御決議をなさったということでなくて、一
委員会でそういう御決議があったという点につきましては、たいへん残念に思っておるわけでございまして、先ほど
原子力局長から、いろいろなことを
考えておるというお話をいたしましたが、やはり私
どもは、本来は日立港に全部お願いしたいが、日立港が商業港として非常にお盛んにやっておられるわけでございますし、それでということになれば、いつまでもお願いするわけにいくまいという形で、別のことを
考え、暫定的にお願いするのだという形でやっておるわけでございますから、
先生にも、新しく発足する再処理工場でございますから、どうかひとつ、しばらくめんどう見てやれよというふうに、むしろそういう角度で、いろいろ御
指導願えればと思っておるわけであります。
そして、しかし、やっている中で、やはり私
どもは人間の仕事でございますから、いろいろ問題がこれから出てまいりましょう。そういう面につきましては、これは山原
先生のおっしゃることだから、われわれも拳拳服膺せねばならぬというようなことがありますれば、大いにひとつそういう点に留意して、仕事を進めてまいりたい。そういう心がまえでおりますものでございますから、日立港の利用並びに今後の輸送問題について、いろいろ問題はございます。しかし初めてわが国として手をつけることでございますから、どうかひとつ祝福をして、これからの出発に対処していただけないか。これは私の
答弁かお願いかわかりませんけれ
ども、一言申し上げる次第でございます。