運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1974-03-14 第72回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月十四日(木曜日)    午前十時二十四分開議  出席委員   委員長 小濱 新次君    理事 鯨岡 兵輔君 理事 國場 幸昌君    理事 床次 徳二君 理事 中村 拓道君    理事 加藤 清政君 理事 正森 成二君       田中 龍夫君    竹中 修一君       上原 康助君    塚田 庄平君       瀬長亀次郎君    中路 雅弘君       小川新一郎君    渡部 一郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)         (沖繩開発庁長         官)      小坂徳三郎君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房管理室長   伊藤 廣一君         経済企画庁長官         官房参事官   北川 博正君         沖繩開発庁総務         局長      岡田 純夫君         沖繩開発庁振興         局長      渥美 謙二君         自治大臣官房審         議官      森岡  敞君  委員外出席者         警察庁刑事局保         安部保安課長  相川  孝君         防衛庁防衛局運         用課長     伊藤 参午君         防衛施設庁総務         部施設調査官  古賀 速雄君         外務省アメリカ         局外務参事官  角谷  清君         建設省都市局下         水道部長    久保  赳君         自治省税務局固         定資産税課長  川俣 芳郎君         特別委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ————————————— 委員の異動 三月十四日  辞任         補欠選任   瀬長亀次郎君     中路 雅弘君   渡部 一郎君     小川新一郎君 同日  辞任         補欠選任   中路 雅弘君     瀬長亀次郎君   小川新一郎君     渡部 一郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  沖繩振興開発特別措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出第三六号)      ————◇—————
  2. 小濱新次

    ○小濱委員長 これより会議を開きます。  この際、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  先ほど理事会協議いたしましたとおり、不発弾事故調査及び沖繩振興開発計画実施状況等調査のため、現地委員派遣することとし、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小濱新次

    ○小濱委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  つきましては、派遣地派遣の期間、期日、派遣委員の員数及びその人選並びに議長に対する承認手続等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小濱新次

    ○小濱委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  この際、暫時休憩いたします。     午前十時二十五分休憩      ————◇—————     午後六時九分開議
  5. 小濱新次

    ○小濱委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  沖繩振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中路雅弘君。
  6. 中路雅弘

    中路委員 私は、すでに同僚議員がいままで質問した問題ですけれども、三月二日に沖繩小禄で起きました爆発事故の問題で、昨日帰ってきたわけでありますが、沖繩現地へ参りまして、現地調査をいたしました。県知事あるいは那覇市長開発庁をおたずねしまして、いろいろ御意見もお聞きしてきたわけですが、これに関する問題で幾つかお尋ねしたいと思います。  現地へ行ってみましたけれども、おそらく地雷じゃなくて爆雷じゃないかといわれていますが、六百キロの鉄パイルが百メートル近く飛んでいるのです。前にあります海報物産という鉄筋コンクリートの何階建てかの建物も飛び越しまして、粘土などは五百メートル近くまで飛んでいるという、死傷者も出した大きな事故ですが、ちょうど私が行きましたときも、首里水道管配管工事をやっている現場から約二百五十キロの大型爆弾工事中発見された。たまたまこれは発見されて事故にならなかった。しかし処理のために二百世帯一千名以上の人たちが一時避難をするということも起きていました。今度の大戦において文字どおり戦場になったわけですから、なおこのような事故が引き続いて起こるということが十分予想されるわけです。現地でいただきました資料を見ましても、七二年の復帰後、五月からことしの一月まででも、発見をされまして処理された不発弾だけで四万四千個以上あります。五十万トン。また、戦後の統計を見ますと、年間平均五万発の不発弾が発見されていますけれども、この不発弾処理の根本的な体制がいま必要ではないかと私は考えるわけですが、政府のほうで現在の不発弾埋没状況を概略でも調査をされているのか、資料があるのか、まずその点からお聞きしたいと思います。
  7. 岡田純夫

    岡田政府委員 埋没不発弾の問題は、これから県のほうと緊密に連絡をとりまして、住民方々から積極的に届け出をしてもらう。そのために総理府広報関係、それと開発庁と相談いたしまして、現地の琉球新報あるいは沖繩タイムス等地元紙協力を得まして、積極的に届け出をしていただきまして、それを県なりあるいは総合事務局なり、あるいは警察なりに届けてもらいまして、それを県のほうで把握していただいて対処していこうということで、現在県のほうと緊密に話し合っているところでございます。
  8. 中路雅弘

    中路委員 私も現地米軍関係あるいは防衛庁関係者皆さんにもお尋ねしましたし、開発庁でもお聞きしましたが、米軍防衛庁関係とも、この不発弾の問題についてはほとんど十分な資料が現在ないというお話です。市長にお会いしましたら、いま那覇市の建設土木工事で五十カ所やっているのですが、この爆発事故あと那覇市は十七件の工事を中止しています。そのうち十カ所は、少なくとも調査をしてからでないと工事の再開が進められないという意見市長が言っていました。民間工事も多数あるわけですから、全くいま資料もないわけですから、私は、これを契機に根本的に不発弾処理体制情報を集める、調査をする、こういった点から始めなければいけないんじゃないか。小禄爆発地点に行きまして被火者人たちとも懇談しましたら、たとえばあの地域海軍司令部のあった地域で、戦争中白いテープを張って、軍隊のほうでここに地雷が五百殆埋めてあるからという、そういうことも話しておる。私は、こういう旧軍の関係者あるいは住民人たち協力も得て、いま徹底的に調べる必要があると思う。屋良県知事の話では、少なくともこの小禄周辺海軍司令部があった、まだ相当埋没されているだろう周辺、あるいは激戦地であった首里城一体、この地域はいま開発も進んでいるわけですから、徹底した調査が必要だという意見も述べておられるわけですけれども、私は最初に、この不発弾——いままでは発見されたのをどう処理するかという程度対策でありますけれども、まず不発弾調査を国が中心になって、県や市あるいは旧軍の関係者住民専門家人たち協力を得て、しっかりした調査体制を至急つくって、まず科学的な組織的な調査をいまこの機会に徹底してやる必要があるんじゃないか。これを国の責任で、国の費用もつぎ込んでまずやらないと、いまの開発工事自身が市のほうも一部ストップせざるを得ないという状況にもあるわけですから、まず最初にこのような根本的な不発弾処理体制を確立をするということが緊急に急がれているわけです。この点についてひとつ長官に……。
  9. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 ただいまの沖繩不発弾調査でございますが、これをいままで本格的にやらなかったということは非常にまずかったと私は思うのです。もう爆発しちゃってからでありまして、なかなか言っても取り返しがつきませんけれども、しかし、この爆発きっかけにいたしまして、沖繩に対するわれわれの姿勢というものをまたこれを機会に大きく直したい。それには、こうした不幸な事件でございましたが、ちょうどこれをきっかけに、わがほうの出先と県と、あるいは市との十分な連絡もとれるようになりますし、また同時に、そうしたことで日本政府沖繩開発庁中心に積極的に動いていくという体制ができれば、沖繩方々に多少でも安心してもらえるということが実現するんじゃないかと考えまして、この爆弾をさがしてみんなを安全にしていくという運動は全県あげてひとつ御協力願いたいが、同時にわれわれとしては、全力をあげて努力してみたいというふうに考えております。
  10. 中路雅弘

    中路委員 現地で、私行きましたときも市で調べましたら、この事故が起きてから四日間だけで市のほうに三十四件の不発弾届け出があるのです。その面では、国が中心になって県や市と協力していただくとともに、いま十分な資料がないわけですから、住民皆さん協力が非常に大事じゃないかと思いますし、ぜひともそういう点で抜本的な不発弾調査体制からまず確立していただきたいと私は思います。  次に、先ほど市のお話をしましたけれども工事が市の場合はすでに十件ぐらい事前調査をしてからでないと続けられないという話もありますが、いままで開発庁中心にしてこの工事の安全のための事前探査といいますか、これはどういう方法でどの程度やられていたのか、お尋ねしたいと思います。
  11. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 詳細につきましては、担当者からお答えいたさせますが、私が就任以来聞きましたことは、港湾とかあるいはまた今度の公共事業道路、そうしたものについては従来からもそうであったそうでございますが、特に地下に入った爆弾を重点的によくさがして危険のないようにということで進めておるようでございます。おかげでまだ今日までございませんが、これは油断ができないわけですが、そういう体制は一応とった。しかし、今度の小禄爆発以来もう一回これを再検討しようじゃないかということで、さらに詳細な調査を進めていくということをきめております。  それともう一つは、市あるいは町でやっておる事業でございます。これがやはり十分な事前調査がなされないままに行なわれることもあるようでございまして、先ほどから御指摘の那覇におきましては、十幾つある工事のうち、ともかくいま一応ストップをかけて、そしてほんとうにだいじょうぶかどうかをすぐ調べるということのほうが大事だということで、多少当市その他においては不便かもしれませんが、がまんを願ってひとつ調査をまず先にやるという方向をやっておるわけです。この面についてはいささかいままでは十分な配慮が欠けておったのではないかと思って、反省をいたしております。
  12. 中路雅弘

    中路委員 いま部分的に調査をやられているというお話ですが、実際にどこの会社委託をして調査をやっておられるのですか、おわかりになりますか。
  13. 渥美謙二

    渥美政府委員 現在日本でそういう関係調査をする能力のある会社は、日本物理探鉱株式会社というのが一社だそうでございます。いまお話のございましたように、私ども工事といたしまして、空港であるとか港湾であるとか、それから道路関係、私ども工事ではございませんけれども海洋博会場関係、こういう事業につきましては、その会社委託して磁気探査というものを行なって、特に重機などを使います場所につきましてやってまいったわけでございます。
  14. 中路雅弘

    中路委員 この日本物理探鉱株式会社、私も少しこの会社仕事についても調べて参りましたけれども、コザ市にある沖繩出張所中心に、ここにある会社委託をされているわけですが、ここでやっている、会社事前調査といいますか、磁気探知ですね、これはどの程度能力か御存じですか。
  15. 渥美謙二

    渥美政府委員 大体五十キロ程度爆弾地下で一・五メーター、せいぜい二メーターぐらいの深さまで探知し得る、こういうふうに聞いております。
  16. 中路雅弘

    中路委員 私も現地で聞きまして、また開発庁にもお寄りしてお聞きしたのですが、大体この磁気探知器物理探鉱がいま使っている磁気探知器で、大型爆弾でいいますと一メートルからいまおっしゃったように二メートルぐらいだというのですね、探知できるのは。小型ですと五十センチぐらいというお話です、簡単に能力をいいますと。国道なんかの拡幅ですね、こういった点では一メートル、二メートルぐらいですから、ある程度わかると思うのですが、今度の事故もそうですが、いま沖繩でやられているのは下水道工事排水工事ですね、米軍のほうは、道路をつくってもほとんどそういう下水道の設備をやってませんでしたから、現在この仕事が非常に多いわけです。小禄で起きた事件というのも、四メートル打ち込んで、それで鉄パイプが当たったわけですね。だから、いまやられているこういう下水道工事には、現在の日本物理探鉱がやっている磁気探知器では発見されない、一、二メートルの能力の限界のものを使っていたのでは、ということになるわけなんで、これでは沖繩皆さんの、事前十分調査をして、安全を確認していくということに役立たないわけです、この調査では下水道工事排水工事には。これは今度の小禄事件でもはっきりしているわけですから、その点でこの調査事前に国の責任でやる場合もどういう調査をやっていくのか。ほんとうに安全を保障するためには、日本物理探鉱のいま持っている磁気探知器だけにまかしておいていいのかどうかですね、こういうことも含めて、ほんとうに安全を守るために、事前調査を、必要なところには徹底してやる、土質の調査もやるということになれば、もっと私は国の責任で、この調査方法についても、技術的な問題も含めて、根本的な検討がいま加えられなければ、事前調査をやったということにならないのではないかと思うのですが、この点について長官の御意見をひとつお伺いしたいと思います。
  17. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 一昨日でございますが、地元総合事務局長が東京へ参りまして、そこで地元における対策についていろいろお話し合いをいたしました。もちろんこの裏づけといたしましては建設省あるいは防衛庁それぞれ密接に協力をしていただくわけでございますが、調査のまず最初のスタートといたしましては、先ほど私が反省として申し上げたとおり、まず爆弾についての情報の収集が絶対大事だ。そして、これは先ほどもお答え申し上げましたが、ひとつ新聞に連日広告を出して県民の皆さん協力をしていただく、テレビ、ラジオでもそれを出すということで、ともかく爆弾についての情報をいただく。それをずうっと集めながら、またいろいろと具体的にある程度知っている聞き込みもありますから、そうしたものを全部合わせて、埋没していると思われる地図をつくろうじゃないか、そして一番集中度の高いところは、危険であるからもう工事はやめてもらう。さらにそこは十分検査をするが、しかし安全を確認するまではその地域はひとつ工事はやめてもらおうということで、非常に消極的な話でありますけれども、そのようなことで安全をまず守ろうという基本的な話し合いだけ進んでおります。なお発見されました爆弾につきましては防衛庁全力をあげてその危険性を取り除くということに協力してもらうことは、防衛庁長官と話をいたして、すでに了解されております。
  18. 中路雅弘

    中路委員 いまおっしゃったように、埋蔵不発弾ですね、まずこの根本的な調査をいまやらなきゃいけない。そしてそれを確認探査をしなければいけないわけです。そして工事については、調査をして安全の確認の上に立って工事をやる、こういうことを、少なくとも危険な個所については義務づけなきゃいけない。それを国の責任で、費用もやはり国が相当持つということでやらないといけないと思うのですが、これは開発庁へ行きまして、局長が上京していたので次長とお会いして、半ば懇談の形のときの話ですけれども、たとえば調査をする費用、それを下水道工事費用に上のせしてもというような話もちょっと出たんですけれども、こういうことになれば、地方自治体負担もかかるし、下水道工事についての住民負担もかかる。こういう解決方法じゃなくて、この調査やあるいはこのいまの仕事ですね、この調査をして確認していく、これを費用の面でも国がやはり中心になっていく、責任を持っていくということでやる必要があると思うのですが、もう一度この点確認をしたいのです。
  19. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 爆弾をさがすということについてはもちろん国も力を出しますが、県の当局自治体方々も積極的に協力していただかなきゃならぬと私は思っております。それから、いずれにいたしましてもこの爆弾分布地図を早くつくらなきゃいけない。これがどれくらいの地域にどれぐらいの量を情報をいただけるか、それをずっとまとめてみて、私はやはり、これをこそくな調査費にするかあるいは別建て調査費にしてあらためて沖繩県のためにそれを使わしてもらうというふうにするか、やはりある程度裏づけがございませんとできませんので、その点を調査が進むことを期待しておるわけであります。
  20. 中路雅弘

    中路委員 いまの調査とともに、この調査、それからいろいろいまの費用ですね、含めて国のほうが全面的にやっぱり責任を持って、県や市がそれに協力をしていくという形で進めてほしいというのは、これは県知事市長関係者にも会いましたけれども、これはみんな強い要望でありますから、ぜひそういう方向でこの問題の解決に至急当たっていただきたいというのを重ねてお願いしておきます。  それから、これはすでに私ども同僚の正森議員皆さんに御質問をしている問題ですけれども、今度の小禄爆発事故犠牲者補償の問題ですが、現地へ行きましたら、九日の日に見舞い金ということで、死者に百万円、重傷者に二十万円持ってこられたということだけで、あとはまだ何にも解決していません。土のかたまりで屋根を全部ぶち抜かれた八十近くぐらい被災者世帯がありますけれども、まだシートをかぶったまま、自動車も四十台、五十台ほどやられているわけですね。こういう人身及び物件の損害についての補償については、まだ何も解決されていませんけれども、先日那覇市議会代表が十二日に上京してこられた際に、これは沖繩タイムスの十三日号の記事ですが、鎌田自治省事務次官が、今度の補償の問題について「国の責任であることがはっきりしているので、国家賠償法を適用すべきである。不発弾の今後の処理については地方自治体政府が金を出してやらせることは自治体実情からして困難であり、政府が直接やるべきであると語った」という新聞記事が出ていますけれども、当然損害補償については、先日正森議員も御質問の中で取り上げましたが、国家賠償法の適用の問題。これについては現地県議会からの満場一致の決議の中でもそのことを強く要求しているわけです。新聞報道記事では、いまお話ししましたように、自治省事務次官爆発事故について、この国家賠償法を適用すべきだということを語ったということも出ています。私はこの点について、もう一度政府のほうのお考えをひとつお聞きしたいと思うのです。
  21. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 今度の爆発は、爆発物そのもの帰属等がやはり十分検討されなくてはいけないわけですが、いまの自治省事務次官がそのような判断を下しているということは、一つ見解だろうと思います。しかし、われわれといたしましては、この国家賠償法を適用するかどうかということについては、現在法務省といろいろと意見がありまして、法務省がこの問題に対してどのような見解を示すかということを待っておるわけであります。同時に、今日までに小禄のようなケースはなかったわけでありまして、あってもまたたいへん違う意味での爆発事故であったと思います。  なお、わがほうといたしましては、国家賠償法というようなものを引き出して賠償に当たるか、あるいは先般のとりあえずの見舞い金でしばらくつないでいただいて、その間に対策を十分練って、市民の損害を何とかなしていくか、その辺のところをいま検討している最中でございまして、今度のケースは全部正森委員もおっしゃいましたけれども、明確にそれを国家賠償法でやるんだということまで、ちょっとまだいっておりません。実情はそんなところでございます。
  22. 中路雅弘

    中路委員 法務省見解を聞いてというお話ですけれども、これは自治省でも、そういう御意見新聞にも出してありますし、沖繩現地皆さん、それから、これは先日不発弾事故についての見解ということで沖繩弁護士会見解を発表していますが、この中にも、今度の本件事件については、国家賠償法が当然適用されるという見解も表明しています。国家賠償法を当然適用すべきだと思います。  いずれにしても、国が何らかの立法措置も必要ですが、完全にこの問題については戦後処理の問題ですし、国が全責任を負わなければいけない問題だと私は思います。その立場でひとつこの解決に当たっていただきたいというふうに考えるわけですが、これももう一度、きょうは時間も限られていますから、この問題自身についての論議はとめますけれども、ぜひその立場で至急にひとつ対策を立てていただく必要がある。雨季を控えてシートかぶったままですからね。仮設の家に避難している人もあるわけです。仕事補償やいろいろの要求も現地では出ています。おくらすことはできないのじゃないかと私は思います。  それからもう一つ終わりにお聞きしたいのですが、私は現地に行ってみまして、この事故が起きてから県議会代表市議会代表あるいは各関係者が各党網羅して上京されて、政府に対するいろいろな要請にも来ておられます。事故が起きてから政府のほうから現地にどのような対策をしたか、どなたが出かけられたか、いろいろお聞きしましたら、建設省関係開発庁の方が、主として技術畑の方ですね、課長補佐クラスの人が三、四名四、五日後に行かれたということだけなんです。爆発現地現場を技術的な観点で一応調査をするという範囲にしかとどめられていないわけですが、私はこの問題については、やはり政府のしかるべき責任者現地に当然行って現地調査もやり、被災者協議会もできていますから、声も聞き、また県や市とも十分協議して、その意見も聞くという体制対策がなければ、ほんとうにこの問題の解決政府のほうが真剣に取り組んでいるとは当然現地では映らないわけですが、日にちはたっていますけれども、いまからでも、県知事か副知事が数日のうちに上京したいということも現地では言っておりましたが、やはり政府のしかるべき責任者がこの問題について現地に行って十分関係者協議をする。先ほどからお尋ねしている埋蔵不発弾対策にしても、やはりそういう必要があるのではないかと私は考えるのですが、長官がこの点についてどういうお考えなのか。できれば長官自身が一度出かけられる必要があると思います。
  23. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 お答え申し上げます。  実は、事故発生と同時に西銘政務次官現地に行ってもらいました。そして非常になまなましい事態の中で県庁及び那覇当局とも十分話をしていただいて、そうして報告に帰っていただいて、それと入れ違いに技術的な専門家を三人派遣いたしました。そしてさらにお見舞い金総理名でもらったものですから、それを持って再び西銘政務次官現地に飛んでもらって、それぞれの方にお手渡しをしたというふうにしておりまして、開発庁といたしましては、最高トップが二回爆発事故以来伺っております。それから、もちろん総合事務局現地にありますので、ここが非常に密接な関係を県及び市ととっておりまして、情報は逐一全部わがほうに入っております。  それから、きょう副知事が来られまして、国会でごくわずかな時間でございましたが、お目にかかりましたが、その前に約一時間半にわたって開発庁の政務次官と次官に会われて十分事情をお話しいただいておるようでございます。等々でございまして、開発庁といたしましては、決して今度の爆発事故以後首脳部が動いてないというわけではございませんで、非常に密接に現地連絡をしながら活動しておるつもりでございます。
  24. 中路雅弘

    中路委員 短時日ですけれども現地に行きまして、戦後三十年近くたって、こういう戦後処理といいますか、爆発物の処理も全くついていない、それだけではなくて、現地では、どこに埋蔵されているかという調査もまだ十分やられていないし、資料もないというところですから、不幸な事件ですけれども、これからこれを契機にして、国が果たさなければならない仕事を出発地から根本的にやっていかなければならないということを私は痛感したわけですけれども、ひとつその点で地元の県や市とも十分協議をされて、小禄のこの事故が再び繰り返されるという心配がいまのままでは十分あるわけですから、こういう問題についての賠償の問題、あるいは不発弾についての組織的な、科学的な調査、こういった問題についてひとつ積極的な対策を進めていっていただきたい。現地へ参りまして痛感をしたので、きょう、三十分だけ時間をいただいたので、終わりますけれども、強くそのことを要請しまして終わりたいと思います。
  25. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 ただいまの御要請は、全く私も同じ気持ちでございます。沖繩の問題はこれからやはりこうした面を新しくやり直さなくちゃいけない、非常に痛切に感じておりまして、また、今後もいろいろな面で御指導いただきたいし、また、御協力を賜わりたいと思います。
  26. 中路雅弘

    中路委員 終わります。
  27. 小濱新次

  28. 渡部一郎

    渡部(一)委員 私は、那覇小禄における爆発事故に関して調査に行ってまいりましたので、その際、現地沖繩総合事務局及び沖繩県災害対策本部より提示されました資料につき、委員会の皆さま方に配付をお願いいたしました。いま私はそれについては、総合資料でありますが、私のほうの調査につき、総務長官によく御理解を賜わりたい、こう思っておるわけであります。  県知事の私に対する要請は三点に分かれておりまして、まず、県知事の要請から申し上げますが、戦後補償という観点でこの問題を扱っていただきたい、したがって、被害諸費に対しては、国のほうでどういう形をとるにせよ、全面的にめんどうを見ていただきたいというのが第一点であります。  第二点は、地下の埋蔵物探知については組織的、科学的に、もう全面的にやっていただきたい。特に海軍壕の周辺首里城周辺あとは南部戦跡でありますが、こういうような、現在、激戦地として明らかに認められている地域については、国として、組織的に安全確保のための調査をやっていただけないかというのが第二点であります。  第三点といたしましては、爆弾処理でありますが、爆弾あと処理処理場及び処理技術に関しましてさまざまな問題点があるのでありまして、これに対する日本政府の、特に総理府関係対策を求めているわけであります。  私は、いま委員会の皆さんには見ていただきましたから、ちょっとこちらを見ていただいてから質問を……。  いま差し上げましたのは私の調査報告であります。今度は、私が調査した問題につき御報告さしていただきまして見解を承りたいと思うのです。  その前に、まず、先ほど申し上げました県知事の三点の御要求に対してどうお答えになるか、ひとつお答えを賜わりたいと存じます。
  29. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 県知事からそのような要望を渡部委員のところでお聞きいただいたことは、いずれにいたしましても、この問題をこのまま済ませるつもりはございませんので、非常にタイムリーに、いろいろな重要なサゼスチョンをいただいたと考えます。ただ、いまここですぐ、それは国の費用で全部持ちますというようなこともちょっと言いかねる事情もございますので、御要求の内容につきましても、当方でもよく調べて、できるだけそうした方向で進ませなければなるまいというふうにいま私は思っております。
  30. 渡部一郎

    渡部(一)委員 それじゃ私のやりましたことで、ちょっと調査の結果の幾つかの事項を申し上げたいと存じます。  今回の事故は、小禄島田原地内雨水管敷設工事という名称で、工事那覇市の土木部の直轄工事であります。つまり自治省あるいは沖繩県それ自体が責任を持たなければならない工事であったということであります。  不発弾処理の予算は、当委員会で審議されたとおり、きわめて不適切でございました。第一に、国の、総理府の不発弾処理に対する予算は六百七十七万円程度でありますが、これは伊保島の琉球鉄工用地の借用料、弾丸を積み重ねる地域の借用料でございました。二番目に、埋蔵不発弾の発見費というものは措置されておりませんで、予算はついておりませんです。三番目に、埋蔵爆発物の発見を奨励する費用、報奨費とでもいうべきものは措置されておりません。したがって、放置されているわけでございます。四番目に、埋蔵爆発物を見つけた場合に、これを掘さくする費用というものは特別には措置されておりません。つまり掘り出す責任者がいないし、金を出す責任者がいないわけであります。爆発物の処理費、自衛隊関係がこれを処理しておりますが、この処理費は大量の処理件数に対しては少な過ぎて、実質的には無効であるというのが明らかにうかがわれます。  次に埋蔵爆発物の探知については、器材、機構、人員ともに不十分であります。県警では今期県補正予算中に約五百万円の保安器材費を要求しておりますが、その中に探知器材はございません。日本物理探鉱株式会社沖繩営業所の所有する陸上探知器は一台、海上探知器は二台であります。また、その性能も大型爆弾地下一・五メートル程度、小型爆弾で三十センチないし五十センチ程度であります。したがって、探知器材の開発と配備を増強する必要があり、また県警としてもこの配備をされることが必要ではないかと思われます。  次に埋蔵爆発物に対するニュースが集まっていない点であります。これは現在情報収集が不備であるだけでなく、機構的にも不備であります。発見されたもの、届け出のあったものは、警察を窓口といたしまして消防防災課及び自衛隊爆発処理班に連絡され、同班によって処理されておりますが、県警が掌握しておりますのは、三月十二日現在で五十一発、うち爆弾五、砲弾四十四、機雷一、その他一であります。ところが私が町の段階に行ってみましてびっくりしたのでありますが、ある町では約二百発に及ぶ爆弾の埋蔵物についての概略な情報を持っております。町から警察に届けるルートすらまだ不十分であるということを示しております。  次に、三月十一日の夜、私は私のほうのある会合で四百人ばかりの人とお話をしたわけでありますが、その席上、試みに不発弾情報というものについて知っている方について協力をお願いしましたところが、十四件、六百発の情報が集まりまして、県警本部に提出して帰ってまいりました。総合事務局関係お話では、二十六年から今日までの処理件数は百十三万九千発、そのうち手りゅう弾以上の大きいものは約二十四万発、合計して毎年一万三千発から二万発、大きいものは七、八千発から一万発というランクで見つかっております。したがって、この傾向というものはどれくらい続くかわからないけれども、まだ相当あるというニュースでございました。したがって私は、この発見情報の収集に関しては、ひとつ御措置をいただきたい、こう思っておるわけであります。  次に被害者に対する見舞い金でありますが、先ほどからお話が出ておりますように、国家賠償法の適用というのが私も大事だと思いますが、とりあえずは災害救助法等の緊急適用、この緊急というところが大事なのでありまして、お願いしたいと思うのであります。  特に話が出ておりませんが、五十七台も自動車がつぶれているわけでありますが、そのうちタクシーが三分の二くらいあるわけであります。この人たちは商売ができなくなりまして、そして車の購入のめどがつかないというので非常にろうばいしております。ここに対して緊急融資のお手当てをお願いしたいと思っておるわけであります。また九十一件の住宅破損については、国及び県で補修工事をやっていただくというやり方でなければしようがない。いまはもうシートをかぶせてあるだけ、こういう状況になっております。死者に対するお見舞い金は、国から百万円、県、市から五十万円が出ているようでありますが、これはやはり一家の柱を失われた方々等の事情を考えれば、これはまだあくまでも臨時、暫定的な措置と見らるべきものであり、これに対する措置は十分に行なっていただきたいと思っております。  その次に、県民に対するPRでありますが、県民は概して不発弾に対する警戒心が薄いと思われます。それは、たび重なる爆撃等でやられたおかげであり、また不発弾がころがっている中で暮らしていて、なれてしまったという不幸な事情があることを御注意いただきたいと存じます。中には不発弾から鉄くずを回収しようとしたり、信管や弾薬を引き抜いて漁業に使おうとしたケースがあり、それにより死亡が二百八、重傷百七十というのが警察のほうから報告されております。これは注目すべき報告であると私は存じました。  もう一つ地元で私が話し合ってまいりましたときに、不発弾を見つけたらどうして警察に言わないのですかと伺いましたら、こういう返事でした。というのは、見つけて届け出るよりも金くずとして売却したほうがもうかる、だから見つけて届けたら損するんだ、したがって、いま届けなくても庭にころがっている不発弾は財産として保管するのが妥当であるという返事であります。これは、ではどうしたら不発弾をすぐ片づけられますか、少なくとも見つかっているのを片づけられるかと伺いましたら、ネズミやハブやイノシシ並みにしてもらいたいという要求であります。これはネズミを昔、五セントから十セントでネズミのしっぽを買い上げた時期が沖繩県でありました。また、ハブについては厚生部衛生研の話では、ついこの間まで一千六十八円の単価でハブを一匹ずつ買い上げておる。これは最近ハブが値上がりしまして、この単価では集まらなくなりましたけれども、ハブは大幅にとり尽くされまして、いまは危険度は非常に減ったようであります。こうした捕獲に対する報奨費程度不発弾に対しても用意されたらどうだ、そうすればすぐ持っていきます、私のうちでも掘り出してきますとおっしゃった方がたくさんおるわけであります。こういうのは時宜に適してやっていただいたらどうかと私はお願いするわけであります。  その次に、自衛隊の関係であります。自衛隊の関係の方は来ておいでになりますか。——聞いておいていただければけっこうです。自衛隊でこの処理に当たっているのは、沖繩第一混成団後方支援隊の補給整備隊弾薬処理班で、竹森一尉以下九名であります。ところが、聞いて少しびっくりしたのでありますが、信管の取りはずし可能なものに関しては、伊保島の琉球鉄工でコンクリート詰めにし、海中投棄をするというようにやっているのでありますが、信管のはずせないものがあるわけです。たとえば艦砲のようなものがそれでありまして、この艦砲弾であるとか、さびついてだめなものとか、そうしたものに関しては、また取りはずしたときに湯げが出ていて、破裂する寸前で煙が出ているなどというものがあるのだそうでありますが、こうしたものについては読谷の米軍基地で爆破処理をしておりますが、米軍地元との間で、五十ポンド以下にしてくれという要求がございまして、五十ポンドというのは炸薬量を含めて五十ポンドでありますから、かなり小型弾でしかできない。したがって二百五十キロから五十キロ弾のような大型のものについては処理方法がなく、実際困っておられるようであります。特に千二百キロ級の艦砲弾が未処理のまま現地に三発ございまして、いずれも与那原、糸満、那覇の警察署がこれに対してコントロールをいたしております。早急に片づけるとはおっしゃっておりますが、こういうように何カ月にもわたって艦砲弾を警察が見ておるなどという状況は決してよいものではない。これは早急にお取り計らいをいただきたいと思っております。  次に、米軍側としても、読谷基地の借用についてあまりいい顔をしておらないようであります。ところが米軍に後に問い合わせてみましたところが、正式な、日本側の正規の意向があれば、これに対して考慮する余地はある、当基地を貸すか別のところかは別として、正規の要求を出してもらいたい。ところが、日本側の要求は、どこを借りたいとかどこを貸してくれとかいう要求が明確でないと述べております。したがって、米側に対して交渉する際、日本側の態度を明確にした上でお取り計らいをいただきたいと思います。  その次に、自衛隊の持っている地雷探知器というのは、地下二十ないし三十センチ程度のものでありまして、しかも手でやるものであります。したがって、二百キロ弾の場合に四、五メートル以下にもぐるのが普通だそうでありますから、見つからないのが普通だと述べております。したがって自衛隊としては、ここに「探知能力は少ない」と書いてありますが、実際的には不発弾処理班の人たちは、われわれに探知能力を求められたら無理です、われわれは探知することはできませんと述べております。したがって、いま表層にある不発弾処理する段階ではけっこうでありますが、その先はもう少し考える必要があろうかと存じます。  もう一つは、自衛隊の不発弾処理班の危険物取り扱いのための費用は過小に過ぎると存じます。それは危険手当が一時間に三十二円であります。これは実際、弾頭を扱っているときだけがこの金額で計算されるそうであり、また信管離脱や緊急処理の場合は一カ月千百円が出るというお話になっているそうでありますが、これはいまだに支給されていないそうであります。したがって、危険な仕事に従事する人に対しての人間的なお取り扱いというのが少ないのではなかろうか、こういうことを感じて帰ってまいりました。  次に、埋蔵爆発物の探査を業としている日本物理探鉱株式会社探査能力について申し上げたいと存じます。  これは日本でたった一つ、こうしたものの探査を扱っているのだそうでありますが、同社は海上探査器二十五台、陸上探査器十五台を持っておりまして、沖繩に海上探査器二台、陸上探査器一台を持っております。ところが、この海上探査器二台のほうは、海洋博のアクアポリスの会場で使用されておりまして、そして陸上のほうは伊江島空港建設に使われておりますから、両者ともいま仕事中であります。この会社の報告によりますと、那覇市を探査した際に、一平米当たり四十円でできましたということでありますから、私はこの会社能力を信用して言うならば、こうした単価をかけることによってある程度安全にできるのではないかと思います。この会社探査能力は、深度にいたしまして、五十キロ弾で地表より一・五メートル、半径一・五メートル程度であります。ボーリングとかパイルの打ち込みのような深いものをやる場合に、大阪で探査をやってもらった例があるんだそうでありますが、その場合、七メートル探査をやったんだそうですが、この際には、この陸上探知器一台で二カ所ができたそうでありますから、パイルその他の場合にも、必ずしも危険な手探り状態でやる必要はないのであって、この社に頼むならばある程度できるのではないか、こう思うわけであります。したがいまして、費用さえかければ、那覇本島の激戦区であった中南部主要地帯に関してはある程度の安全化というものも可能ではないか、こういうふうに感じたわけであります。  以上、私の概略の調査でありますが、そうした調査報告を持って帰りました。きょうは私が議論する時間はそんなに与えられておりませんから、私の報告について申し上げるにとどめますが、これについて沖繩開発庁あるいは総理府あるいは自衛隊あるいは警察庁等におかれましては、適切な処理をおとりくださいますようお願いしたい、こう存じます。
  31. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 最初に、渡部委員が非常に御苦労いただきまして、足でこのように具体的な、しかもすぐ役に立ついろいろなプログラムをお示しいただきましたことを厚くお礼申し上げます。  われわれもこうしたことをぜひ進めたいと思っているところでございまして、非常に具体的な御指摘でありますので、さっそくこれは開発庁におきまして具体的に検討し、それぞれの担当の者と実効のあがるような形でぜひ進めてまいりたいと考えます。また、特にこの米軍側に読谷の基地の貸借は、正式な要求をまだ日本側でしてないなんということは、実は私、寡聞にして知らなかったので、こうしたことも御注意いただいてたいへんありがたいし、また危険物の調査についてもある程度費用をかけるならば不可能なことではない、また、実はこの県民に対するPRをするときに、やはり少し報奨金を出そうかと私が言いましたら、いや、これは県民自身の命の問題だから、まず最初はひとつ、そういうお金でなしに御自分で参加していただくということがいいんじゃないかというようなことで、ともかく報奨金なしの広告を出させていただくことにしておりますが、こうしたこともたいへん血の通ったサゼスチョンだと考えております。  いずれにいたしましてもたいへん具体的でございまして、また三番目に御指摘の予算等に不適切であったという御指摘は、現状から見ればまことにそのとおりでございまして、先ほどもお答え申し上げたように、この不発弾処理という問題が沖繩のこれからの新しいわれわれの政策にならなければいけない、こうしたことを基盤にして健康な沖繩を取り戻さなければならないというふうに考えておるわけでございます。どうもありがとうございました。
  32. 小濱新次

  33. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私は渡部さんのあとで差しかえでやらしていただきますが、時間がたいへんおそいので、簡単に要略だけに質問をしぼってまいります。  まず大臣、これは基本的な問題なのでお聞きいただきたいのですが、三千七百ともいわれ三千八百ともいわれる地方公共団体、地方自治体がございますが、この地方公共団体の昭和四十九年度一般財政歳出歳入の地方財政計画というものが出ていることは御存じだと思いますが、この地方財政計画の対前年度の予算の歳出歳入の伸び率が、大体二二%から二三%例年なら伸びていくわけでございます。これは高度経済成長政策のもとでいろいろといま批判されております公害問題や物価問題、こういう問題で、総需要抑制ということを政府が打ち出されまして、景気をこれ以上刺激しない、抑制型に入るんだ、そうして公共事業を押えて極力物価の安定をはかる、こういう政府の基本的一貫した問題に地方公共団体も協力せざるを得ないということになりますと、政府が今年度の一般会計予算の伸びを一九・八%ですかに押えました。地財計画ではこれを一九・四%に押えているわけです。地方財政計画というものはあくまでも地方公共団体、自治体の財政指針にならなければなりません。ところが沖繩はこの標準にまで達していないわけです。一八%台だと思いますが、この点、私もよく数字を把握しておりませんが、一九・四%の地方財政計画の一般会計予算の対前年度平均伸び率よりも下回っている。これをさらに上回るということになりますと、基礎体力のない、四十七年にわが国に返ってまいりました沖繩の地方公共団体としての力は他の四十六都道府県から見たらずっと劣っている。それを一挙に自主財源の強化ということを打ち出しますと、これは大きな問題になってまいりますが、さりとて、このような基準にまで達してない財政の中ですべての問題が既存の都道府県と同格に見られるということはたいへんなことでございます。まずこの点について大臣はどのようにお考えになっておりますか、財政の立場からこれをお答えいただきたいのでございますが、こまかいことはけっこうでございます。
  34. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 沖繩の現状についてたいへん深い御認識をいただいて、また沖繩の今後の振興開発についてのわれわれの姿勢になお不足な面を御指摘いただきまして感謝申し上げます。  ただ今年度の予算の編成に際しましては、御承知のように総需要抑制という強い線が出されておりまして、その限りにおきましても一応われわれとしましては、沖繩公共事業については本土よりも有利な補助金政策と申しますか、そうしたことを心がけてまいったものでございますけれども、一、二やはり御指摘のように本土並みになってしまった面もあるように考えております。
  35. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 本法案の流域下水道問題につきましては、これはもう御存じのとおり、補助率が既存の都道府県においては流域下水道についても二分の一でございます。沖繩は三分の二となっていたものを、本土も沖繩も管渠の補助率を一挙に三分の二、要するに、既存の都道府県の補助対象率を引き上げたわけです。道路においては目的財源が低いために、都市計画道路等については沖繩のほうが有利であるということを聞いております。私はあえて内地ということばは使いませんが、沖繩が私たちの一番新しいきょうだいとして誕生したわけでございますが、これが三分の二である。まあ、これを引き上げたことはけっこうでございますが、特例措置によっても三分の二であった。これをさらに、沖繩の特殊的事情を勘案して四分の三というようなわけにいかないのだろうか。道路並みにある一定の特典というものを与えられないのだろうか、ただいま申し上げましたように、地方財政計画については対前年度の一般会計予算の伸び率を一九・四%以下、少なくとも一八%台で精一ぱい。これも平均でございますから、市町村においてはもっと低いところがございますでしょう。私は地方財政計画そのものについては議論をするところはございますが、ここではその議論をするところではございませんからいたしませんが、少なくとも沖繩の市町村と沖繩県、これには格差があってしかるべきであり、また当然あるべきであります。そういう中において下水道の補助率を既存の都道府県と同率にしていくということはちょっと酷であるというふうに思いますが、この点についてはいかがお考えでございましょうか。
  36. 岡田純夫

    岡田政府委員 お答え申し上げます。  御承知のとおり、沖繩の復帰の時点におきまして公共事業等の補助率をきめます場合に、本土の当時のいろいろな地域立法がございますが、それの負担率の最高、さらに当時の琉球政府日本政府として援助いたしておりました率、それも下回らないということで設定いたしましたものが従来流域下水道の三分の二でございました。ところがその時点で、他の地域立法の規定にかかわらず沖繩は、たとえば道路は改築につきましては十分の十でございますとか、港湾、空港ともそのようにするというふうなことで、一応他の地域立法を遮断いたしまして全般的に高めた。ところで今回、本土のほうが流域下水道につきまして四分の三になり、あるいは管渠につきましては三分の二というふうになりましたので、このまま置いておきまして逆に低くなる部分があるということであってはならないということで、他の規定にかかわらずでございますけれども、適用される別表からはずしまして本土と同じ補助率にする。この四分の三は相当高いということでございます。  いま一点、沖繩につきましては、公共事業等をやります場合に補助対象の範囲というものがございます。その範囲をとらえます場合に、たいへんこまかくて恐縮でございますけれども、本土におきましては終末処理場の門とかへい、さく等、それから公共下水道につきましては、末端の管渠等は補助対象から除外いたしております。しかし沖繩の場合につきましては、当時の沖繩の復帰に伴う建設省令の適用の特別措置等に関する政令に基づきまして、全面的に一〇〇%補助対象にいたしまして、それも四分の三であるという点、十分考えておるつもりでございます。
  37. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 本土のほうの既存の都道府県と同格に扱うということはできないことでありまして、これは当然なことだと思います。  そこでさらに、これは昭和四十九年度分の補助金から適用することになっておりますね。これは、下水道局長久しぶりでございますが、ちょっと御答弁いただきたいのですけれども下水道整備五カ年計画において沖繩はどのくらいにランクされているのか。四十七年以前はアメリカの軍政下に置かれておりましたからちょっとあれでございますが、本土の最低の県と比較してどうなのか。そして復帰してから四十七年以降、五カ年計画における進捗率はどうなのか。これが一点。  二点目は、昭和四十九年度分の補助金からいまのこれが適用になりますけれども、四十八年以前の事業の繰り越し分についても現行の補助率の三分の二から新しい補助率、つまり管渠三分の二、処理施設四分の三を適用すべきであると思います。これは私の考え方が狂っているのかどうか、私もその辺のところがちょっと明確でないのですが、四十八年度分、四十七年度分の繰り越し分については、四十九年度の新しいやり方ではできないかどうか、この二点です。
  38. 久保赳

    ○久保説明員 お答えいたします。  まず最初の問題は、沖繩県下の下水道の整備状況、普及率、この問題でございましたが、実は沖繩県下は復帰前、わが国に復帰する以前からも普及率としてはかなり高い普及率を持っておりまして、四十七年度末の現状では、人口普及率でございますが、一九%を示しております。ちなみに日本全国の同じ時期の同じ昭和四十七年度末の人口普及率を申し述べますと、それよりも若干低い数字になっておりまして、一八・五%でございます。国内の県単位に申し上げますと、かなり差がございますが、たとえば佐賀県とか島根県はゼロでございますが、高知県等を見ますと三・八%とか徳島県では六・三%とか、そういうオーダーでございます。したがいまして、五カ年計画の中におきましても、特に沖繩につきましては、内地の平均よりも高めるということで見ておるわけでございます。  それからその次の問題でございますが、四十八年度の繰り越し事業に対する補助率の問題かと思いますが、これは繰り越しされましても、あくまでも四十八年度の事業でございますので、補助率は四十九年度予算から上がるということから、繰り越し事業につきましては、旧補助率で整理せざるを得ない状況でございます。  以上であります。
  39. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 四十七年度を当初とした三カ年計画では総額約二十七億、沖繩では。これが四十九年度で三カ年計画が完了するわけでございましたが、昭和五十一年でなければ完成できない。しかも総額において六十六億ぐらいもかかる。昭和五十一年度にようやく完成するといわれておりますが、これは事実ですか。
  40. 久保赳

    ○久保説明員 沖繩下水道のみならず、下水道全般についていえることでございますが、五カ年計画で一応見積もった数字が、特に昭和四十八年度におきましては建設単価が異常に上がってきております。したがいまして、その上がった分だけは工事が後年度にずれ込むということがございますので、沖繩につきましても、そのようなことがございますのは事実でございます。
  41. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣、沖繩三カ年の下水道計画を計画した。昭和四十九年に完成の見込みだった。それも総額二十七億かかる。いま御答弁があったように、約二・五倍にも単価がはね上がった。沖繩のような地方財政計画の標準一般財政の伸び率までいかないような、まだ三カ年にもならないようなところで、はたしてこの六十六億の下水道、このように上がってしまった人件費、公共事業資材の高騰等によるところの影響というものが消化不良を起こすのじゃないかと思うのですけれども、これはどういうふうに対策を講じようとお考えですか。これは土木関係全体にいえることでありますが、本法案に関連して、下水道の問題だけにしぼっても、こういう問題が出てきます。はたして三カ年でできるのかどうかということさえも危ぶまれてきた。これに対しては特交とか何かで見るのですか。それとも起債のワクを大幅に出してくれますか。しかし起債のワクをふやしたとしても、償還の問題等、元利償還金の問題が出てきますから、利子分についてはたな上げしてくれるとか、何らかのかっこうで基地をかかえた沖繩の財政、この人件費だけでも五一%をこえるという硬直した財政の中で、沖繩県がはたしてやっていけるかどうかという今後の対策ですが、これは自治省、大蔵省とも相談しなければならぬと思います。この点、閣僚会議等にはかっていただけますか。
  42. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 特段にこの下水道関係だけの問題を、私はまだ十分承知いたしておりませんで、ただいま御指摘いただきまして、今後この問題についてよく勉強してまいりますが、根本的にいうならば、昨年度と申しますか、四十八年度における諸物価の値上がり、賃金の上昇というものは、特に沖繩には非常に強烈な打撃を与えておることはよく承知いたしております。したがいまして、こうした何カ年計画というものも当然それは計画を修正するか、あるいはまたその起債についての補助率を高めるか、あるいは単価を引き上げるか、いずれかのことをして対応しなければ計画が十分達せられないということは予測されることでございまして、ただいま御指摘の諸点も含めて、これは前から沖特で常に問題になっております沖繩の物価高ということについての対策一連含めまして、よく内部でも検討し、関係省庁ともよく検討してまいりたいと考えております。
  43. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 十分内部との詰めでございますが、大臣としては一体何を特筆してテーマに載せますか。いまの三つの救済方法のうち、起債の問題、元利償還の問題、特交の問題、それから財政補助金、単価の問題、見直し、それから三カ年計画の手直しをやるのかやらないのか。特に市町村財政を圧迫するような公共事業資材の高騰に伴うところの対策は何か、ひとつ具体的な点でお尋ねしたい。
  44. 岡田純夫

    岡田政府委員 基本的には大臣のいま御答弁になったとおりでございますけれども、多少事務的なことを御参考に申し上げておきたいと思います。  自治省からも来ておられますが、起債の充当率につきまして、従来公共下水道については三分の二であるというものを四分の三に、それから流域下水道につきましては六割であったものを四分の三にというふうなことで高率化とともに、その裏負担につきましての起債の充当率が上がりましたので、そういう面の効果が大きい。それからなお公共負担率の引き上げによりまして、ほぼ従来の沖繩県負担分の三分の一程度軽減されてきておるということでございます。  それからさらに御指摘のように交付税でございますとかその他の一般財源措置等もございますし、また一般的に公共負担からまいりますと、ほぼ一割程度負担沖繩県の場合なっておると私ども記憶いたしております。一方、一般の府県のほうは五割程度になっておりますので、ずっと地方負担はそもそも低い。さらに今回のように流域下水道負担率が上がり、起債の充当率が高まってまいりますと、こなしていけるというふうに考えております。しかし基本的にはいま大臣が言われましたように、さらに軽減について努力をいたしてまいりたいということでございます。
  45. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私は一つ名護市の例を取り上げますと、下水道事業費が十六億、国の負担割合四分の三で十二億、市の負担割合四億、市の財政規模が二十九億、地方負担分について、政府はこの問題についてどう考えるかということでございますけれども、この名護市の負担四億円のうちの四分の三、三億円が起債です。四分の一は特別交付金です。めんどうを見るといっている。そういたしますと、二十九億の一般会計予算に占める四億、そのうちの三億が起債だ。これでは名護市の場合でも公共下水道負担というものは著しく財政圧迫をしているように見えるのでございますが、大臣、こういう一つの総体的なことを議論されますと、何か私たちも納得してしまうのすが、一つ一つの、たとえば海洋博の問題一つ取り上げても、それに伴うところの関連公共事業の一還としての下水道を見たときにおいても、名護市の場合ではこういう財政圧迫をしている。これは当然大蔵大臣や自治大臣、または閣僚会議において三億の起債のワクについては認めてもらうことはありがたいのですが、その返還についての問題、対策等をいまから当然手を打っていただかないと、当該公共団体では非常に不安感におちいるのではないか、硬直した財政になるのじゃないかと思いますので、これはぜひとも長官の御答弁を聞きたいのですが、専門的でございますでしょうか。
  46. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 たいへん専門的な御質問でまいりますんですが、この三億円の起債ワクのあと処理の問題につきましては、なお名護市の場合、部内でもまだ話を聞いたこともございませんので、よく部内でまず詰めて、それからどうするかということを検討させていただきたいと思います。
  47. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣は経済に非常に明るい分野で御出発をなされておりますし、私ども日ごろ大臣の経営学、経済学、また財界の指導者としての力量を高く買っております。これを置きかえて地方公共団体を一つ会社にたとえるならば、市長は社長であり、その市を運営していく立場というものは民間企業とはまた違った立場において苦慮なされております。どうかひとつよろしく御配慮をいただきたいのでございます。  次に、沖繩の市町村の歳出においての消費的経費、投資的経費、その他の構成割合はどのようになっておりますか。これは自治省にお尋ねします。
  48. 森岡敞

    ○森岡政府委員 沖繩県の四十九年度の当初予算について申し上げます。  人件費が四二・三%、扶助費が五・一%、公債費が二・九%、この三つを義務的経費と申しますか、そういうふうに考えますると、大体これで五割でございます。投資的経費が二九%、そのうち公共事業費が二六%、単独事業費が三%、その他の各般の経費が二〇・七%ということに相なっております。
  49. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そういたしますと、私は四十八年度の決算で調べたのでございますけれども、消費的経費が五二・四%、投資的経費が三七・九%、その他が九・七%となっております。沖繩の消費的経費は五二・四%であり、既存の都道府県の中でも一番おくれておるといわれておる岩手県が五〇・七%、島根県の四五・三%、宮城県の五〇・二%よりも消費的経費、要するに消えていってしまうところの経費ですね、人件費とかそういったものは、一番沖繩が高いことになっております。財政硬直の原因になるこれらの問題についてはこれは大事な問題だと思います。これは私は四十八年度決算で調べたのでございますが、これに対する自治省の指導、硬直財政を硬直させないで、これから成長期にあるところの沖繩の問題を、これは一つ大きな問題だと思うのでお尋ねしておきたいと思うのですが、それが一点。  二点目は、自主財源をどれくらいに見ているでしょうか。自主財源の構成に対して、何%に見ているか。特に四十七年、四十八年、四十九年度の当初予算を組むにあたって、自主財源の伸び率というものを私は過大に見過ぎているんじゃないかと思う。自主財源を過大に見るということは、はっきり言えば法人住民税、法人税、また個人住民税、これらの県民税とか市民税とかこういった自主財源が伸びる率が大幅に見込まれる。これはあくまでも身になり、血になるところの自主財源ではございますけれども、これを過大に見ることによって健全財政であり得るかのような錯覚を起こすことが沖繩の今後の財政に大きな影響を与えるのでございますが、特に法人税の伸び率は土地の高騰、要するに建設的予算ともいわれないところの投資的な土地のもうけの額が入っている。そういうものが県民税になってあらわれてくる。住民税の自主財源になってくる。これは非常に危険な要素を含んだところの自主財源構成と思われるのでございますが、この点についての御見解はいかがでしょうか。
  50. 森岡敞

    ○森岡政府委員 まず最初の歳出における各経費別の構成比を見ますると、確かに御指摘のように沖繩県の場合いわゆる義務的経費というものの構成がかなり高うございます。一つには、復帰前からかなり多数の職員を擁しておる。ほかの府県に比べまして教員あるいは警察官あるいは事務職員、全般を通じましてかなりな人数の超過職員と申しますか、ございます。しかしそれらの人たちを一挙に本土並みの規模に持っていくということはなかなか困難なことでございましょうし、私どももそういう観点から漸次その規模を適正化していくということで、その財源措置を地方交付税などでもめんどうを見ながら指導してまいっておるわけでございます。でき得べくんば義務的経費特に人件費につきましては、将来の財政構造の弾力性を確保するという観点から、できるだけ投資的経費のほうに回す財源が多額であることが望ましい、かように思い、指導を続けてまいりたいと思います。  それから自主財源の比率でございますが、四十七年度の決算で見ますと地方税が全体歳入の八・一%、地方譲与税が一・三%、合わせまして九・四%でございます。ほかに地方交付税が約四五%ということになっております。確かに地方税なり地方譲与税の構成比がこれまた本土府県に比べましてかなり低いという点が沖繩県の財政の非常に脆弱な、苦しい面であろうと思います。したがってまた地方交付税につきましては、その面を十分反映いたしますように、充実した措置を講じておるつもりでございます。  なお、地方税などの伸び率の問題でございますけれども、こまかい資料をいま手元に持っておりませんので恐縮でございますが、四十九年度の地方税の見込みは前年度に対して一〇一・六%増を見ておりますから、これはかなりな増を見ておると思います。県の歳入見込みでございますので、ちょっと私ども、いまこれについての評価は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、ただいろいろな開発事業が進んでおりますので、いまお話の中にもございましたように、各種の法人関係税の増収とかあるいは所得割りの増収とかこういうものがかなり見込み得る状態にあるのではないか、かように考えます。
  51. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私はもう少しこの話をお聞きしたかったのでございますが、時間がありませんので先に移らしていただきますが、特段の御配慮をひとつお願いしたいと思います。  そこで、基地交付金及び基地調整金の四十八年度の総額は、沖繩県を含めて交付金の場合幾らであり、沖繩の場合幾らになっておりましょうか。四十九年度もわかったらお願いしたいと思います。これが一点でございます。  時間がありませんからどんどん言っていきます。大臣、ここのところはちょっとお聞きいただきたいのでございますが、基地交付金というのは御存じのとおり固定資産税だけを対象に交付されております。米軍及び自衛隊がそこにいなければ当然固定資産税が上がってくる分が米軍及び自衛隊がいるために上がってこない。これは安保条約やいろいろな条約に拘束されるのでございますが、この基地交付金の問題で私がいつも疑問に思うことは、安保条約に基づく地方税法の臨時特例法によって、米軍人、軍属の住民税、自動車税等については非課税になっております。その他、米軍人、軍属はアメリカ本国に所得税を納めているかもしれませんけれども住民税、地方税は当然日本政府に納めなければならない。そういうものについて特例措置によって見られているわけでございますけれども、特例措置を含め、またいま言った交付金、基地交付金等を含めても、当然ここにアメリカの軍隊がいなければ、日本人だけであれば、もっと財源が上がってくる。しかも行政サービスを米軍にしなければならぬ。このマイナス点を加えますと、私はこの基地交付金という問題の対象額及び対象範囲、そしてその算定基準を引き上げなければならぬと思う。ことしは確かに自治省で上げていただきましたが、対象範囲を広げますとこれは拡散してしまいます。  そこで私はまず二点目は外務省にお尋ねしたいのですけれども、日米安保条約の問題に対する各事務レベルの日米合同委員会等がございます。基地交付金の問題についてどのようにこの問題を出してくれるかということをきょうはここでお尋ねしたい。  昭和四十七年以降の沖繩問題を論ずる場合とそれ以前の問題とは当然違うのでございまして、この基地交付金なり調整金、または特例措置による問題等についてきめこまかい日米合同委員会の事務レベルにおいての議論をしていただきたい。何らかのかっこうでこの基地交付金の対象範囲をまず拡大してもらいたいということが一つ、その次はその対象範囲を広げてもらいたい、基準の単価、積算の単価の単位を少なくとも固定資産税の、大蔵省路線でない、自治省路線でひとつやってもらいたい。これは非常に大きな問題でございますので、まず外務省に御決意を伺いたい。  いまの二点お尋ねします。
  52. 川俣芳郎

    ○川俣説明員 基地交付金、調整交付金の四十八年度の総額、さらに沖繩県分についてお答え申し上げます。  四十八年度の基地交付金の総額は五十三億円でございまして、そのうち沖繩県分が二億円でございます。調整交付金は総額二十億一千万円のうち沖繩県分が十四億一千万円でございます。  基地交付金の配分につきましては、交付総額の十分の七・五に相当する額を所在市町村の対象資産の価額に案分をいたします。残りの十分の二・五につきましては、対象資産の種類及び用途、所在市町村の財政状況等を勘案して配分をいたすことといたしております。また調整交付金につきましては、総額の三分の二に相当いたします額を所在市町村の米軍資産の価額によって案分をいたします。残りの三分の一につきましては住民税、電気ガス税等市町村税の非課税措置等による財政上の影響を考慮して配分をいたすということにしております。  四十九年度におきましてもただいま申し上げましたような現行の方法によって配分をいたしたい、かように考えております。
  53. 角谷清

    ○角谷説明員 第二点につきましてお答え申し上げます。  沖繩につきましてはもちろん基地が非常に多くございまして、そのためにいろいろ御迷惑がかかっておるということはわれわれもよく承知いたしておりまして、したがいまして基地の整理統合等を進めておるわけでございます。他方、しかしながら沖繩に対しましても、これはもちろん返還協定の二条を待つまでもなく安保条約が適用になる次第でございますから、地位協定十三条に基づきまして課税の免税措置等が規定されておるわけでございます。したがいまして、一般的に申し上げますれば、この十三条、それからそれに基づく地方税法の臨時特例というものが沖繩に本土と同様にかかるということがいえると思うわけでございまして、この点につきまして日米の間で話をするというわけにはこれはまいらぬと思うわけでございます。ただ、個々のケースがこの十三条の規定に照らしてどういうような解釈なり、どういうような意味合いを持つかという点につきましては、これは日米で話し合うこともございますけれども、これもどちらかと申しますれば、これはやはり一般的な点でございまして、沖繩を特別にというふうな形では協定の関係ではできておりませんから、そういう点はなかなか困難だと思いますけれども、しかし個々のケースにつきましては、これは日米で話し合うこともあり得る、こういうことでございます。
  54. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 個々の場合のあり得るというケース沖繩の例にとってはだめなんですか。
  55. 角谷清

    ○角谷説明員 私が申し上げたかったのは、要するに個々の場合、もちろん沖繩でも本土でもそれはあり得ると思いますから、そういう意味において沖繩はだめということは申し上げておるわけではございませんけれども、もし個々のケース沖繩だけのケースであるということになりますれば、これは話の対象になると思います。そういう意味で申し上げました。
  56. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 大臣、いま大事な発言が外務省から出ておりますが、沖繩の場合だけということになると対象になる、日米合同委員会事務レベルにおいてこのテーマが取り上げてもらえる——大臣のお力にかかってまいりましたが、どうですか。
  57. 角谷清

    ○角谷説明員 ちょっと私の御説明が足りなかったかと思いますけれども、別に沖繩だけというところに私は特に協定上大きな意味を持たせておるわけではございませんで、協定はもちろん沖繩も、それからいわゆる本土もこれは一様に適用があるわけでございまして、そういう意味におきましては同じでございます。ただ、何か特殊なケース沖繩にございまして、それがこの協定に関係がありますれば、それば本土にない、沖繩だけにあるという意味におきまして、それはそういうケースも取り上げられ得るであろう、こういうことを申し上げましたので、基本的には、これはもちろん協定でございますから、本土も沖繩も区別なく一様に該当する、こういうことでございます。  それから、日米で取り上げると申し上げましたけれども、これは初めにも申し上げましたとおり、たとえば地位協定十三条の適用等は、これは日米間の問題でございますけれども、それに基づきます国内的な救済措置というようなものはこれは国内的な方法でやるよりほかにございませんから、それを日米で取り上げるというわけにはまいらぬわけでございます。
  58. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 まあ何だかごまかされちゃったみたいになったですけれども、これは大事な問題ですから、私は事務レベルでこの問題だけでも提起してもらいたいんですよ。これは何も条約改正とかなんとかいう問題でなくて、対象の範囲をまず拡大する、そしていま言ったような特例措置もいただいてはおりますけれども、基地交付金の問題については沖繩県日本で一番基地が多いんですから、この問題について外務省が積極的姿勢を示してもいいのじゃないか、これは私は沖繩委員会におけるところの成果が出てきたと思えるのです。特に長官が一生懸命になってがんばっていらっしゃるんですから、外務省も側面からバックアップしてやっても悪くないんじゃないですか。
  59. 角谷清

    ○角谷説明員 ただいま基地交付金のお話がございましたけれども、基地交付金そのものはやはり国内的な措置でございますから、これは日米で話し合うというわけにはまいらぬと思います。ただ、たとえば多少問題になっておりますトレーラーバスが協定との関係でどうなるかという協定の解釈の問題になりますれば、これは日米で当然話し合う、また現に話し合っておる、そういうことでございます。
  60. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私はそういう問題にからめて、いま三沢で、米軍基地の中のトレーラーハウス、これは固定資産税の対象になるという見解があるのです。それからまたもう一つは、立川市において問題になっております米軍人軍属のプライベートに使っておるところの自動車税、これを日本人並みにするという立川市の、条例改正にまで踏み切ろうとして、この間質問したら、自治省が介入して指導するという。こういう問題が沖繩にだって起きざるを得ない。そういう問題を、大臣、トレーラーハウスに対しては当然固定資産税の対象になるにもかかわらず、米軍は日米安保条約の第何条だかちょっと忘れましたけれども、地位協定のそれに抵触してできないというようなことの見解になっておりますが、いま言った一連の地方自治体の財政問題から、戦後、それこそ小野田さんが帰ってきたような状態下にあって、当然戦後がまだ続いているという状態であってはならないのじゃないか、こういった地方行財政の立場から見て、私は長官の決意が一段と強まって、外務省に対してもまた自治省に対しても、こういった米軍軍人及び安保条約下におけるところの地方財政を圧迫している諸問題について、ひとつ新たな決意に立ったところの決断をいま迫られてきたやに私は思考いたしますが、御所見を承ります。
  61. 小坂徳三郎

    小坂国務大臣 小川委員先ほどからの御指摘は、私はいまの沖繩にもう一度——先ほどはからずも問題になりました爆弾爆発事件から、いままでやってきたことをもう一回見直さなければいけないということと同じように、いま御指摘の諸問題はやはり一種の差別と申しますか、そうしたものを県民に与えておる問題に対して、われわれももっと努力しなければならぬということを深く感じさせられました。  この問題は、しかしいろいろとややこしい行政間の調整も必要でございますので、もちろん問題は問題として非常にいい御指摘だと私は考えまして、私自身はこの問題を積極的に考えてまいりたいし、同時に、自治省あるいは外務省とも非公式でございましても公式でございましても、おりに触れてこの問題を少しずつ前に向けて進めていく。実は私も新聞で立川のケースを読みまして、ほほうやるもんだなと思ったわけでございまして、こうしたような問題が自然発生的に出てまいりますと非常に秩序がくずれる、むしろそうした問題が起こる可能性があるならば、諸先生方の御理解と御協力の中で、秩序ある形でそうした問題の解決に進んでいくのが方途ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  62. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 時間が参りましたからこれでやめさしていただきます。残念なんですけれども、まだありますが、私は何ぶんにも当該委員ではございませんし、きょうは渡部委員の差しかえでやらしていただいておりますので、この辺で終わらせていただきます。  最後にどうしてもお願いと、一つだけお許しをいただきたいことは、戦災によって原形破壊されて境界不明となった地域の地籍確定作業、これは一体どの程度進んでいるのかということです。またこの調査の結果、境界不明土地はどれくらいあるかということの中から、米軍施設、区域内にある米軍施設の中で防衛施設庁はどのような地籍調査を行なっておるのか。過日も土地問題でいみじくも田中総理はこう言っております。土地問題を議論するにあたって土地の利用計画を立てる。当然です。土地利用計画を立てるにあたっては土地の実態調査が必要である。ところが日本内地においても土地の実態調査が、国有地がどれくらいあって、公共用地がどれぐらいあって先行取得用地がどれぐらい大資本に買い占められたのか、また今後未利用地、また都市計画法上においての都市計画区域と調整区域、無指定区域、こういったさまざまな問題を含めて現在土地問題が議論されております。それが国土総合開発法の規制問題、土地の利用問題にいま発展している。そういうことを考えたときに、沖繩という特殊な、戦後がいまだ続いているように錯覚するようなこの県にあって、その土地の実態が明確化されていない。しかもこのことについては七十一国会において、山中総理府長官も宮澤経済企画庁長官もまた田中法務大臣も、この問題に対して集団和解方式等の問題についていろいろな問題があるから新たな立法を検討する答弁が行なわれております。また三月八日の予算第一分科会においても坪川開発庁長官が同様の答弁をしております。特別立法の一例としては国あるいは地方自治体責任のもとに土地区画整理事業の逆の方式、全面買収方式とか土地の公共用地先行取得に伴うところの、地主に負担をかけない、現在の区画整理は二五%の減歩がございますが、こういった問題とは全然逆な方式の立法措置というものを考えなければ、この土地の利用問題については解決できないやに思いますので、この辺について御見解を承って私の質問を終わらしていただきますが、立法措置の件、ただいまるると述べてきました事例に基づいての御答弁をお願いいたしたいと思います。
  63. 岡田純夫

    岡田政府委員 いわゆる地籍の不明確になっている土地の問題でございますが、返還基地につきましては四十七年以降毎年予算定額補助で県のほうに流しまして調査をいたしております、四十七年度は一千万円、それから四十八年度は二千三百余万円、それから来年度は四千万円ということで。現段階といいますか、いままでにわかりましたことは四十七年度の調査の結果、返還基地の中であるいは地籍不明土地の約八割が基地内、当時基地の中にあったというふうなもの、二割程度が復帰の時点で返還されておったというものでございますので、四十九年度の調査にあたりましては、復帰時点で返還されているものにつきましては、開発庁が県のほうに助成いたしまして現在現況の把握につとめております。それからまたいろいろ航空写真とかその他がございますので、資料の補足につとめております。来年度でもって現況把握は終わりたいということで努力をいたしております。その中から個々の地域につきましていろいろ事情がございますので、何と申しますか、米軍側にあった間に地形の変化、地籍そのものがまた変わってきてしまっておるということもございますので、そういう問題についてどのようにとらえていったらいいか、地域ごとのいろいろな事情というものを踏まえながら、現地の何と申しますか、協議会と申しますか、和解と申しますか、そういうふうな体制地域ごとにつくってまいりたい。そして県の段階でそれらの意向をまとめまして、沖繩開発庁が窓口になりまして、関係法務省とか経済企画庁とかあるいは防衛施設庁、特に基地内の関係は防衛施設庁にお願いしておりますので、そのほうと十分連絡をとりながら体系的に対処してまいりたい。具体的な地域ごとの解決の方策というものは、下と申してはなんでありますけれども現地からのそれぞれの地域ごとの意向というものも踏まえて解決してまいりたい。  おっしゃいました特別立法云々の問題でございますけれども、この問題につきましては、何と申しましても、私有財産権の最もティピカルな土地の問題でございますので、強制的に云々というふうな性質にはきわめてなじまない。またみんなが一致しないというと、極端な場合、一人、二人の地主さんの問題が起きましてもやはりそれは非常に問題があるということで、極力現地におけるところの和解ということを念頭に置きまして考えてまいりたい。いまのような問題につきましては、法務省でありますとか、経済企画庁でございますとか、そういう方面と十分連絡をとりまして、慎重に対処いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  64. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 たいへん長い間ありがとうございました。私は本委員会に参りまして感じましたことは、非常に問題が複雑多岐にわたりておるし、地方財政の問題だけでもこれを徹底的に議論いたしますならば、国民健康保険の問題だとか、租税特別措置の問題だとか、地方交付税の問題だとか、起債の問題についてまだまだ沖繩が本土の都道府県、市町村の歩んできた道をこれから新たに歩まねばならない。また公共事業、物価高の中でたいへんな問題をかかえておる。私は爆弾の問題等もいま聞いておりまして、沖繩がかかえているたいへんな問題の中で長官の御努力に対して敬意を表するとともに、一段と御決意を固められてこの問題に対処せられんことを希望いたしまして質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。
  65. 小濱新次

    ○小濱委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時四十九分散会