○
渡部(一)
委員 それじゃ私のやりましたことで、ちょっと
調査の結果の幾つかの事項を申し上げたいと存じます。
今回の
事故は、
小禄島田原地内雨水管敷設
工事という名称で、
工事は
那覇市の土木部の直轄
工事であります。つまり
自治省あるいは
沖繩県それ自体が
責任を持たなければならない
工事であったということであります。
不発弾の
処理の予算は、当
委員会で審議されたとおり、きわめて不適切でございました。第一に、国の、総理府の
不発弾処理に対する予算は六百七十七万円
程度でありますが、これは伊保島の琉球鉄工用地の借用料、弾丸を積み重ねる
地域の借用料でございました。二番目に、
埋蔵不発弾の発見費というものは措置されておりませんで、予算はついておりませんです。三番目に、埋蔵
爆発物の発見を奨励する
費用、報奨費とでもいうべきものは措置されておりません。したがって、放置されているわけでございます。四番目に、埋蔵
爆発物を見つけた場合に、これを掘さくする
費用というものは特別には措置されておりません。つまり掘り出す
責任者がいないし、金を出す
責任者がいないわけであります。
爆発物の
処理費、自衛隊
関係がこれを
処理しておりますが、この
処理費は大量の
処理件数に対しては少な過ぎて、実質的には無効であるというのが明らかにうかがわれます。
次に埋蔵
爆発物の
探知については、器材、機構、人員ともに不十分であります。県警では今期県補正予算中に約五百万円の保安器材費を要求しておりますが、その中に
探知器材はございません。
日本物理探鉱株式会社沖繩営業所の所有する陸上
探知器は一台、海上
探知器は二台であります。また、その性能も
大型爆弾で
地下一・五メートル
程度、小型
爆弾で三十センチないし五十センチ
程度であります。したがって、
探知器材の
開発と配備を増強する必要があり、また県警としてもこの配備をされることが必要ではないかと思われます。
次に埋蔵
爆発物に対するニュースが集まっていない点であります。これは現在
情報収集が不備であるだけでなく、機構的にも不備であります。発見されたもの、
届け出のあったものは、警察を窓口といたしまして消防防災課及び自衛隊
爆発物
処理班に
連絡され、同班によって
処理されておりますが、県警が掌握しておりますのは、三月十二日現在で五十一発、うち
爆弾五、砲弾四十四、機雷一、その他一であります。ところが私が町の段階に行ってみましてびっくりしたのでありますが、ある町では約二百発に及ぶ
爆弾の埋蔵物についての概略な
情報を持っております。町から警察に届けるルートすらまだ不十分であるということを示しております。
次に、三月十一日の夜、私は私のほうのある会合で四百人ばかりの人と
お話をしたわけでありますが、その席上、試みに
不発弾情報というものについて知っている方について
協力をお願いしましたところが、十四件、六百発の
情報が集まりまして、県警本部に提出して帰ってまいりました。
総合事務局関係の
お話では、二十六年から今日までの
処理件数は百十三万九千発、そのうち手りゅう弾以上の大きいものは約二十四万発、合計して毎年一万三千発から二万発、大きいものは七、八千発から一万発というランクで見つかっております。したがって、この傾向というものはどれくらい続くかわからないけれ
ども、まだ相当あるというニュースでございました。したがって私は、この発見
情報の収集に関しては、ひとつ御措置をいただきたい、こう思っておるわけであります。
次に被害者に対する
見舞い金でありますが、
先ほどから
お話が出ておりますように、
国家賠償法の適用というのが私も大事だと思いますが、とりあえずは災害救助法等の緊急適用、この緊急というところが大事なのでありまして、お願いしたいと思うのであります。
特に話が出ておりませんが、五十七台も自動車がつぶれているわけでありますが、そのうちタクシーが三分の二くらいあるわけであります。この
人たちは商売ができなくなりまして、そして車の購入のめどがつかないというので非常にろうばいしております。ここに対して緊急融資のお手当てをお願いしたいと思っておるわけであります。また九十一件の住宅破損については、国及び県で補修
工事をやっていただくというやり方でなければしようがない。いまはもうシートをかぶせてあるだけ、こういう
状況になっております。死者に対するお
見舞い金は、国から百万円、県、市から五十万円が出ているようでありますが、これはやはり一家の柱を失われた
方々等の事情を
考えれば、これはまだあくまでも臨時、暫定的な措置と見らるべきものであり、これに対する措置は十分に行なっていただきたいと思っております。
その次に、県民に対するPRでありますが、県民は概して
不発弾に対する警戒心が薄いと思われます。それは、たび重なる爆撃等でやられたおかげであり、また
不発弾がころがっている中で暮らしていて、なれてしまったという不幸な事情があることを御注意いただきたいと存じます。中には
不発弾から鉄くずを回収しようとしたり、信管や弾薬を引き抜いて漁業に使おうとした
ケースがあり、それにより死亡が二百八、重傷百七十というのが警察のほうから報告されております。これは注目すべき報告であると私は存じました。
もう
一つ、
地元で私が話し合ってまいりましたときに、
不発弾を見つけたらどうして警察に言わないのですかと伺いましたら、こういう返事でした。というのは、見つけて
届け出るよりも金くずとして売却したほうがもうかる、だから見つけて届けたら損するんだ、したがって、いま届けなくても庭にころがっている
不発弾は財産として保管するのが妥当であるという返事であります。これは、ではどうしたら
不発弾をすぐ片づけられますか、少なくとも見つかっているのを片づけられるかと伺いましたら、ネズミやハブやイノシシ並みにしてもらいたいという要求であります。これはネズミを昔、五セントから十セントでネズミのしっぽを買い上げた時期が
沖繩県でありました。また、ハブについては厚生部衛生研の話では、ついこの間まで一千六十八円の単価でハブを一匹ずつ買い上げておる。これは最近ハブが値上がりしまして、この単価では集まらなくなりましたけれ
ども、ハブは大幅にとり尽くされまして、いまは危険度は非常に減ったようであります。こうした捕獲に対する報奨費
程度を
不発弾に対しても用意されたらどうだ、そうすればすぐ持っていきます、私のうちでも掘り出してきますとおっしゃった方がたくさんおるわけであります。こういうのは時宜に適してやっていただいたらどうかと私はお願いするわけであります。
その次に、自衛隊の
関係であります。自衛隊の
関係の方は来ておいでになりますか。——聞いておいていただければけっこうです。自衛隊でこの
処理に当たっているのは、
沖繩第一混成団後方支援隊の補給整備隊弾薬
処理班で、竹森一尉以下九名であります。ところが、聞いて少しびっくりしたのでありますが、信管の取りはずし可能なものに関しては、伊保島の琉球鉄工でコンクリート詰めにし、海中投棄をするというようにやっているのでありますが、信管のはずせないものがあるわけです。たとえば艦砲のようなものがそれでありまして、この艦砲弾であるとか、さびついてだめなものとか、そうしたものに関しては、また取りはずしたときに湯げが出ていて、破裂する寸前で煙が出ているなどというものがあるのだそうでありますが、こうしたものについては読谷の
米軍基地で爆破
処理をしておりますが、
米軍と
地元との間で、五十ポンド以下にしてくれという要求がございまして、五十ポンドというのは炸薬量を含めて五十ポンドでありますから、かなり小型弾でしかできない。したがって二百五十キロから五十キロ弾のような大型のものについては
処理方法がなく、実際困っておられるようであります。特に千二百キロ級の艦砲弾が未
処理のまま
現地に三発ございまして、いずれも与那原、糸満、
那覇の警察署がこれに対してコントロールをいたしております。早急に片づけるとはおっしゃっておりますが、こういうように何カ月にもわたって艦砲弾を警察が見ておるなどという
状況は決してよいものではない。これは早急にお取り計らいをいただきたいと思っております。
次に、
米軍側としても、読谷基地の借用についてあまりいい顔をしておらないようであります。ところが
米軍に後に問い合わせてみましたところが、正式な、
日本側の正規の意向があれば、これに対して考慮する余地はある、当基地を貸すか別のところかは別として、正規の要求を出してもらいたい。ところが、
日本側の要求は、どこを借りたいとかどこを貸してくれとかいう要求が明確でないと述べております。したがって、米側に対して交渉する際、
日本側の態度を明確にした上でお取り計らいをいただきたいと思います。
その次に、自衛隊の持っている
地雷探知器というのは、
地下二十ないし三十センチ
程度のものでありまして、しかも手でやるものであります。したがって、二百キロ弾の場合に四、五メートル以下にもぐるのが普通だそうでありますから、見つからないのが普通だと述べております。したがって自衛隊としては、ここに「
探知能力は少ない」と書いてありますが、実際的には
不発弾処理班の
人たちは、われわれに
探知能力を求められたら無理です、われわれは
探知することはできませんと述べております。したがって、いま表層にある
不発弾を
処理する段階ではけっこうでありますが、その先はもう少し
考える必要があろうかと存じます。
もう
一つは、自衛隊の
不発弾処理班の危険物取り扱いのための
費用は過小に過ぎると存じます。それは危険手当が一時間に三十二円であります。これは実際、弾頭を扱っているときだけがこの金額で計算されるそうであり、また信管離脱や緊急
処理の場合は一カ月千百円が出るという
お話になっているそうでありますが、これはいまだに支給されていないそうであります。したがって、危険な
仕事に従事する人に対しての人間的なお取り扱いというのが少ないのではなかろうか、こういうことを感じて帰ってまいりました。
次に、埋蔵
爆発物の
探査を業としている
日本物理探鉱株式会社の
探査能力について申し上げたいと存じます。
これは
日本でたった
一つ、こうしたものの
探査を扱っているのだそうでありますが、同社は海上
探査器二十五台、陸上
探査器十五台を持っておりまして、
沖繩に海上
探査器二台、陸上
探査器一台を持っております。ところが、この海上
探査器二台のほうは、
海洋博のアクアポリスの会場で使用されておりまして、そして陸上のほうは伊江島空港建設に使われておりますから、両者ともいま
仕事中であります。この
会社の報告によりますと、
那覇市を
探査した際に、一平米当たり四十円でできましたということでありますから、私はこの
会社の
能力を信用して言うならば、こうした単価をかけることによってある
程度安全にできるのではないかと思います。この
会社の
探査能力は、深度にいたしまして、五十キロ弾で地表より一・五メートル、半径一・五メートル
程度であります。ボーリングとかパイルの打ち込みのような深いものをやる場合に、大阪で
探査をやってもらった例があるんだそうでありますが、その場合、七メートル
探査をやったんだそうですが、この際には、この陸上
探知器一台で二カ所ができたそうでありますから、パイルその他の場合にも、必ずしも危険な手探り状態でやる必要はないのであって、この社に頼むならばある
程度できるのではないか、こう思うわけであります。したがいまして、
費用さえかければ、
那覇本島の激戦区であった中南部主要地帯に関してはある
程度の安全化というものも可能ではないか、こういうふうに感じたわけであります。
以上、私の概略の
調査でありますが、そうした
調査報告を持って帰りました。きょうは私が議論する時間はそんなに与えられておりませんから、私の報告について申し上げるにとどめますが、これについて
沖繩開発庁あるいは総理府あるいは自衛隊あるいは警察庁等におかれましては、適切な
処理をおとりくださいますようお願いしたい、こう存じます。