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1974-04-10 第72回国会 衆議院 運輸委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年四月十日(水曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 三池  信君    理事 江藤 隆美君 理事 加藤 六月君    理事 佐藤 孝行君 理事 佐藤 文生君    理事 佐藤 守良君 理事 太田 一夫君    理事 兒玉 末男君 理事 三浦  久君       阿部 喜元君    井原 岸高君      小此木彦三郎君    唐沢俊二郎君       國場 幸昌君    關谷 勝利君       細田 吉藏君    宮崎 茂一君       綿貫 民輔君    金瀬 俊雄君       久保 三郎君    石田幸四郎君       松本 忠助君  出席政府委員         運輸政務次官  増岡 博之君         運輸大臣官房審         議官      原田昇左右君         運輸大臣官房観         光部長     高橋 寿夫君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部長 住田 正二君         運輸省自動車局         長       中村 大造君  委員外出席者         警察庁交通局参         事官      寺尾  繁君         大蔵省主税局総         務課長     渡辺 喜一君         厚生省社会局更         生課長     角田 耕一君         資源エネルギー         庁臨時石油対策         本部企画官   渡辺 全侊君         資源エネルギー         庁公益事業部業         務課長     中井 富男君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部長 中村 四郎君         労働省労働基準         局監督課長   岸  良明君         労働省職業安定         局雇用政策課長 鈴木新一郎君         建設省道路局次         長       中村  清君         自治省財政局公         営企業第一課長 坂田 期雄君         自治省税務局府         県税課長    福島  深君         日本国有鉄道常         務理事     伊江 朝雄君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団理事)   北原 正一君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ――――――――――――― 委員の異動 四月四日  辞任         補欠選任   井原 岸高君     赤澤 正道君   國場 幸昌君     園田  直君   細田 吉藏君     石田 博英君   綿貫 民輔君     大石 武一君 同日  辞任         補欠選任   赤澤 正道君     井原 岸高君   石田 博英君     細田 吉藏君   大石 武一君     綿貫 民輔君   園田  直君     國場 幸昌君 同月五日  辞任         補欠選任   斉藤 正男君     清水 徳松君 同日  辞任         補欠選任   清水 徳松君     斉藤 正男君     ――――――――――――― 四月五日  鉄道弘済会民業圧迫阻止に関する請願石田  幸四郎紹介)(第三六二八号) 同月八日  鉄道弘済会民業圧迫阻止に関する請願(新井  彬之君紹介)(第三九六九号)  国鉄運賃値上げの無期限延期に関する請願(三  浦久紹介)(第三九七〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 四月三日  国鉄在来線輸送力強化に関する陳情書  (第四三二号)  船舶による油濁被害者救済制度の確立に関する  陳情書  (第四三三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  陸運に関する件(交通政策に関する問題等)  日本国有鉄道経営に関する件(新線の営業に  関する問題)  観光に関する件(通訳案内業に関する問題)      ――――◇―――――
  2. 三池信

    三池委員長 これより会議を開きます。  陸運日本国有鉄道経営及び観光に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  本日の日本国有鉄道経営に関する件について、日本鉄道建設公団理事北原正一君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
  4. 三池信

    三池委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。
  5. 久保三郎

    久保(三)委員 きょうは、参議院のほうの関係もあって、それぞれの各省の皆さんは大半向こうへ行っているようでありますが、政務次官はじめ各省庁実務者おいででありますので、当面の交通政策について若干のお尋ねをするわけであります。時間も限られておりますし、すでにいままで当委員会中心にして多少の議論をしてきたところでありますから、私も質問の要旨は簡単に申し述べますので、答弁のほうも、結論と言ってはたいへん失礼でありますが、結論重点にお述べいただきたい、こういうふうに思っております。  そこで、ものの考え方でありますが、すでに先般の運輸委員会でも申し上げたように、交通政策そのものが問い直されているというか、そういう時期に到来しているわけでありまして、これは言うまでもありませんが、一つには、直接的には昨年末来の石油ショックというか、そういうものが一つございましょう。それ以上に、いままでやってきた高度経済成長政策というか、あるいは列島改造政策というか、そういうものと交通との関係が、交通だけ見て、交通の面から破綻を来たしたというふうに見ていいと思うんですね。これは、過疎過密の問題を象徴的に取り上げればおわかりのとおりであります。だから、エネルギーショックというか、そういうものが出てこぬでも、交通政策は今日問い直されなければならぬというふうにてまえどもは思っているわけであります。  それと同時に、事実でありますから、エネルギーあるいは省資源というか、そういうことからいって、もう一つは、言うまでもありませんが、公害あるいは交通事故、そういう二つの大きな問題の処理について、政策的に重点を指向すべき時期であろう、こういうふうに思うのでありまして、いままでは、ともすれば輸送需要があるから多少の交通事故交通公害社会悪として許さるべきだというような考えが根底にあったと思うのですね。もはやそういうものはだれしも容認できないということで一致していると思うのでありまして、よって交通政策は、言うならば環境保全交通安全というワク内できちっとおさまるものでなくちゃならない。  それからもう一つは、日本の国土、あるいは日本国民生活と言ったほうがいいと思うのでありますが、これを政府政策として確保していくということに相なりますれば、衣食住に次ぐ交通の問題を重点的に位置づけていく必要がある。今日まで交通というものは、ともすれば他産業に従属した形、ほかの政策に追随した政策として処理されてきたのでありますが、今日ではそうじゃなくて、むしろこれらをコントロールし指揮するという立場から交通政策を考えてしかるべき段階ではないかというふうにも思うのであります。  そこで、当面する問題としては、何といっても公共的な交通経営なり機能というものをどうやって確保していくかという問題が一つある。それからもう一つは、そこに働く労働者の問題がある。これは言うまでもありませんが、交通の安全あるいは環境保全という問題からも必要な問題であることは当然であります。それからもう一つは、地域における交通住民との関係というものをもっと重視していく必要がある、こういうことだと思うのでありまして、そういう問題を中心にして至って実務的な問題についてお伺いをする次第であります。  そこで、まず第一に、都市交通面でありまして、公営交通の問題について自治省にお伺いしたほうがいいと思うのでありますが、今日の公営交通の経緯、大体大都市における高速鉄道中心にしてでありますが、その他の公共交通あるいは国鉄というか、そういうものと同じように、公営交通のいま一番問題点は何といっても財政再建の問題だと思うのですね。今日まで多少政策的な前進、たとえば建設資金助成についての前進どもあったけれども、基本的な、抜本的な健全化への方向はいまだしの感がある。  そこで、一つ考えられるのは、今日まで財政再建債というものをそれぞれ手当てしてまいりました。この残高は約八百五十億ぐらいになると思うのですね。これが、財政再建債というものが再建のガンになっているのが今日だと思うのですね。ついては、この八百五十億になんなんとするところの財政再建債は、国なり地方自治体そのもので肩がわりしていくことが考えられねばならぬ、いやでもおうでもそうする以外に方法がないじゃないかというふうにてまえどもは思っている。少なくともこの財政再建債を片をつけなければ前進はないだろうというふうに思うが、この点はどう思うか。  それからもう一つは、都市交通全体の中でありますが、特に建設資金というか、新しく都市交通を整備していくという立場で、昭和六十年度を基準にして大体混雑度一五〇%に引き下げようというのがいまの計画でありますが、これをもう少し早めていく必要がありはしないか。早めるためには、何といっても建設のスピードを上げるということですね。そのためには、何といっても建設資金に対する手当てを大幅にすることが一つ。もう一つは、土地なり工事あるいは経営形態が違うのがたくさんありますから、これらに対する調整の問題がある。ついては、いままでの計画を練り直して、いま申し上げた建設資金手当てを含めて再検討をする必要があると思うが、これについてはどういうふうに思うか、これは運輸省あるいは自治省。  それからもう一つ都市交通の面では、御案内のとおり東京あるいはその周辺を見ても、雑多なと言っては語弊があるが、いろいろな経営形態交通機関がある。これは歴史的、沿革的にそれぞれ理由があり、また重要さもあるのでありますが、もはや今日では、東京都あるいは首都圏というか、そういうものの交通は、それぞれの企業形態企業サイドからいろいろな点をながめていく時代ではないと思うのですね。総合的に首都圏なら首都圏全体の交通をどうするかということだと思う。これは言うまでもありません。  ところが、これを手っとり早くやるのには、経営形態を全部一緒にしてしまう、経営一元化するという方法がいままでも議論されてきました。しかし、これは言うべくしてなかなかそう簡単にいけるものではないことは御案内のとおりであります。ついては、少なくともこれの運営を一元的にするくふうをすべきだと思うのです。たとえば、共通乗車券の発売あるいは共同ターミナル設置あるいはバスでいえば共同停留所設置、その他運輸調整によるところの路線調整輸送力調整をする。これは国鉄私鉄公営、こういうもの全体を含めてやるべきだと思う。それには何といっても個々の企業だけではできませんから、これは一元的に運営する、コントロールするところの第三者機関を設けるべきだ、というのがわれわれの年来の主張なんであります。  政府側においても、従来これは検討してきたと思うのでありますが、なかなかその前進がない。もはやいろいろ考えているだけでは問題の解決はできませんから、いま申し上げたような第三者機関を設けることについて、関係省庁協議をしてみたらどうか、あるいは企業間の協議をしてみたらどうか。たとえば、この委員会で長いこと議論になりました、与党からの質問もあったが、千代田線と国電との間、北千住-日暮里間、たったそれだけの話でありますが、運賃が違うということでたいへんな問題をかもし出したことがある。これはいまだに解決をしておりません。そういうものを一つとっても、乗る者の立場から、利用する者の立場から問題を解決しなければ、いまの交通問題は解決できないと思うのですね。そういうことについて、運営一元化について検討する用意があるかどうか。これは運輸省自治省、これは警察庁関係ありましょうね。建設省もあるだろうし、いろいろな点があるけれども、代表するならば運輸省からひとつ話をしてもらいたい。都市交通について、さしあたりいま申し上げた三点についてそれぞれの向きからお答えをいただきたい。
  6. 坂田期雄

    坂田説明員 自治省でございますが、まず第一点の交通財政再建債に関してでございますが、八百七億円をたな上げをいたしまして再建債を発行いたしたわけでございます。これにつきましては、昨年国会で御決定いただきました公営交通財政健全化法に基づきまして、その残金の負担地方団体一般会計全額負担する。それから利子につきましては、大部分を国が負担いたし、残りは地方公共団体一般会計負担するということにいたしまして、いずれにいたしましても企業には全然負担がかからないという措置が講じられてきておるわけでございます。  なお、一般会計負担に対しまして交付税措置をしてほしいという話がございますが、現在のところ元利償還全額に対しまして、国の利子、補給と交付税による財政措置を合わせまして四五%程度になるような、そういう方向で検討いたしておるところでございます。  それから第二点目の建設資金の問題でございます。  公営地下鉄でございますが、地下鉄につきましては今年度千三百三十九億円、昨年の千百五十億円に比べまして一六%の起債ワクを確保いたしております。ことしは総需要抑制等状況もございまして、必ずしも十分な資金の確保ができなかったわけでございますが、今後都市状況に応じまして、建設に十分な資金が確保できるように、自治省といたしましても引き続き努力をいたしてまいりたいと思っております。  なお、建設資金条件等につきまして、今後償還期限延長等も十分検討いたしてまいりたいと思っております。  なお、地下鉄建設資金に対する補助金の件でございますが、昨年大幅に拡充されまして、これは運輸省補助金でございますが、そのうち半分は地方公共団体一般会計負担いたしておりまして、これに対しまして自治省の面でも交付税による財政措置その他をさらに折衝いたしてまいりたいというふうに思っております。  第三点目の運営面一元化の問題でございますが、私ども自治省公営立場といたしましては、なるべくその都市公営民営とで共同できるものは共同できるようにいたしたい、そういうことで、すでに東京とか横浜とか神戸、長崎県等では共通乗車券を発売いたしております。それからターミナルも、長崎県、横浜市では公営民営共通ターミナルを使用いたしております。停留所につきましても共同停留所設置する等かなり各都市、各地方団体段階関係者が集まりまして、協議連絡をとりながら進めてまいっております。  なお、中央の段階におきましても、今後運輸省あるいは警察庁連絡をさらに一そう密にいたしまして、そういう面への指導が一そう推進されるよう私ども努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  7. 原田昇左右

    原田政府委員 久保先生都市交通全体の総合的な対策という御指摘、まことにごもっともでございますので、私のほうから現状と私どもの考えております点を簡単に御説明させていただきたいと思います。  まず第一の建設テンポを速めるという問題と資金手当ての問題に関連してでございますが、建設テンポにつきましては、私どももきわめて頭を痛めておりまして、六十年を一応目標にして混雑率一五〇%にするという目標のもとに、大都市における都市交通全般施策を進めておるわけでございます。  たとえば東京を例にとりますと、乗車効率目標どおりいたしますためには、全体として区部を横切る放射線状の路線を六十年までに三十四複線整備しなければなりません。現在二十二複線ございますので、大体十二複線の新規増設が要るわけでございます。したがって、このためには地下鉄国鉄私鉄公営等について抜本的な対策が要るということで、私どもとしては、まず制度の面で、地下鉄助成については、従来の五〇%助成から四十八年度から六六%の助成に引き上げる。それから私鉄都心部への地下鉄との連結の相互乗り入れ、あるいは団地線等工事のための鉄建公団の行ないます私鉄肩がわり工事につきましては、四十八年度から五%まで利子補給する。これをさらに公営、準公営ニュータウン鉄道につきましても、四十九年度から補助率を従来の二〇%から三六%に引き上げるということ、そのほか開発銀行資金手当てといったようなことについて特別な低利融資の充実をはかっておる次第でございます。  それから資金手当てにつきましては、これに伴いまして財投、起債等の拡充が必要でございますし、これについても努力いたしておる次第でございますが、さらに建設テンポ等を見まして、これらの制度をさらに拡充する必要があればその方向努力していきたいというふうに考えております。  しかしながら、建設テンポについてもう一つ重要な点は、地域住民との調和をはかりながらやらなければならないという点でございまして、たとえば地下鉄七号線、十二号線等につきましては、現在車庫用地手当てができなくてこの建設が進展しないというような問題があるわけでございます。なお、私鉄が複々線化して輸送力をふやすためには、沿線用地の買収をしなければならない。そういったような点におきましてなかなか地元との調整がとれないという面も、テンポを進める上には非常に大きな障害になっておる次第でございまして、これらについて十分な有効な手当てをしていくということは、今後相当大きい問題になってくるであろうという感じがいたします。  それから第三の御指摘企業の問題でございますが、運営一元化をやっていけということにつきましては、私どもも、都市交通全体の運営が、あたかも一元的な主体のもとに運営されるがごとく有機的に運営されるということは、きわめて重要なことでございますので、これらについては、前向きにいろいろな施策を講ずる必要があるということで、一部できておることもございますが、将来の問題として、第三者機関設立等についても十分慎重に検討していきたいと考えております。
  8. 久保三郎

    久保(三)委員 時間もありませんので、自治省公営企業第一課長さんでありますか、いまの財政再建債の問題でありますが、これは企業には当面負担にはならないというようなお話ですね。後年は負担になるというのでありますから、その辺のことも考えていくことが一つではないだろうかというふうにてまえどもは申し上げているわけでありますので、その辺のところをひとつやってもらいたい。  それから、いまやっているのは全部いけないという立場からいま質問しているわけではないのです。そういう失礼なことを考えて、不遜な態度でいま質問しているんではなくて、いまやっている以上にもうちょっと先へ出られないかというのが、これからも質問するあれでありますから、別に弁護する立場で、いやこんなにりっぱにやっているのですからお認めくださいというようなことだけでは質問する必要はないんでありまして、そういう意味で申し上げているのであります。そういうことでありますから、現状についての御説明は大体わかっているつもりでありまして、承知の上でお尋ねをしているわけでありますから、ひとつ御了承をいただきたいと思います。  企業第一課長さんにはもっとたくさんお尋ねしなくちゃいけないのでありますが、時間の関係もありますので、以上であなたへの質問は終わります。  それでは次に、地方交通といいますか中小私鉄バスの問題でありますが、地方における中小私鉄とかバスというのは、もはや唯一の公共輸送として何とか維持しなくちゃならぬというのは、政府においても異論のないところでありまして、いろいろ御苦心をなさっている、あるいは地方自治体においても、これは困って何とかしようということでやっております。しかし、いままでの政策は、御承知のように中小私鉄については地方鉄道軌道整備法というような法律に基づいて、しかもこれは、きょう大蔵省主計局は来ておりませんが、大蔵省との関係もございまして、補助要綱というのが非常にシビアにできております。最近多少ゆるんではきておりますが、そういうのがある。たとえば十キロ未満の鉄軌道についてはこの法律助成は適用しないということがありますね。それから三年連続赤字でなければやりませんというようなことなんですね。ところが、いまの鉄軌道地方における有用性についてはもう言うまでもないのですね。何とかこれを維持させることが日本の――日本と言ったらたいへん大きなものになりますが、交通政策上大事なことなんですね。ついては、そういう制限を取っ払って、もっと前向きで考える必要はないのかというのが第一点。  それからバスについては、自動車局長おいででありますが、なるほど最近は多少前進しておりますね。地方バス路線維持要綱、これは要綱でありますが、毎年多少なりとも前進しております。しかしながら、地方におけるバス企業を完全に維持していくという、将来に安心を与えて運行させるというまでにはほど遠いものがあるわけですね。そこで、これはもう一歩踏み出して考えたらどうかということ。踏み出して考えるということは、単に対症療法的な助成でその場をしのぐということじゃなくて、地方における交通をどうするかという観点から、維持していくという観点から、ひとつ大きな政策としてやっていく必要がありはしないか、こういうふうに考えているわけなんです。  ついては、この再編整備というか再編成も必要でしょう。そうして整備していくということも必要だし、またそういう機運が、たとえば沖繩でもあるいは岩手のほうでもその他でも上がってきております。なるほど、これまでバスについては、運輸省補助要綱と並行して、合併というか、一元化というか、そういう方向をやりましたが、これは言うならば補助をせんがための対象として、どうもそういうにおいが強いためになかなかうまくいっていない。そこで、いま申し上げるのは、そうじゃなくて、地方交通を立て直すという観点からもう一ぺん新たな観点から考える用意はあるのかどうか。  それから、前段申し上げたような鉄道軌道整備法によるところの不合理というのはさしあたり直す用意があるかどうか。  それから次の三点目は、地方鉄軌道中小私鉄というかあるいはバス会社というか、その中には賃金の遅欠配もやらざるを得ないような企業があるわけですね。ここにも手元に資料があるのであります。これは小さい会社かもしれませんが、毎月一千二百万ほどの賃金繰り越し繰り越しになっておりまして、言うなら一カ月欠配なんですね。遅配というより欠配なんです。しかもその資金手当ては、労働組合の手をかりて労働金庫から融資を受けているわけですね。労働金庫金利は実際言うと安くはないのです。そうなると金利負担だけでも容易ではない。資金手当てについてもたいへんなんですね。こういうものについては、賃金欠配となると労働省かもしれませんが、経営全体の問題でありますからこれは運輸省の問題だと思うので、これらの中小私鉄バス企業に対する融資制度を、いまのような、単に新しい施設をつくったからというようなことで、そういう金を手当てしてやるとか、踏切の金はどうするとかいうようなことじゃなくて、経営を維持するための運転資金について低利、長期の資金手当てする用意があるかどうか。それからもう一つは、現にそういう高い金利の金を借りているのでありますから、多少なりとも利子政府において負担して維持していくという考えを持つかどうか。  地方交通については以上三点について、これは運輸省からお答えをいただきたいと思います。
  9. 中村四郎

    中村(四)説明員 中小私鉄につきまして、現在におきましてもなお地域住民の重要な足の確保といたしまして、社会的な役割りを果たしておるというのは御存じのとおりでございますが、従来、中小私鉄助成につきましては、輸送量としてバスに転換可能な路線につきまして、道路未整備等のために転換できないもの、そういうものについて助成をはかってきたわけでありますが、こういう考え方を今回転換させまして、バス地域住民の最後の足であるというだけではなしに、鉄道としても一定の大量の輸送を行ない、確実、安全に必要に応じておるという分野があるわけでありまして、これにつきましては、バスと並んでその中間的な輸送を行なっている鉄道は、地域住民の最後の足であるという考え方に立ちまして、四十九年度予算におきまして、従来に比べますと大幅な増大をはかったわけであります。  これの今後の運用につきまして、ただいま御指摘の営業キロの問題等ございましたが、私どものほうといたしましては、いまのような考え方に基づきまして、鉄道の特性が発揮できるような形態の鉄道事業につきましては、これの維持をはかっていくという考え方でございまして、画一的、形式的に営業キロ程で右左と分けていくというものでございません。これは一つの目安でございまして、あくまで鉄道としての特性を発揮できる大量、安全、確実な輸送分野におきます中小私鉄については、その経営の維持をはかっていくための助成を今後とも推進してまいりたい、かように考えている次第であります。
  10. 中村大造

    中村(大)政府委員 バスにつきましては、先生御承知のように、四十九年度の予算におきまして補助対象地域の拡大と路線の拡充ということをいたしまして、相当な効果があらわれるのではないかという期待はいたしております。しかしながら、現在の過疎化現象が進んでおります地方におきまして、なおかついわゆる住民の生活を守るために最低限度の輸送力を確保する、いわゆるシビルミニマムといいますか、そういうものを確保さすために、現在私ども地方バスに対してとっております措置が十分であるとは思っていないわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、もう少しバス事業の実態につきまして具体的な診断をいたしまして、そうして先生おっしゃいましたように、バスをいわゆる輸送力として維持するためにどうしたらいいかという観点から、早急に具体的な真剣な検討をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。  その中で、御指摘のいわゆる一元化という話が出たわけでございますけれども、これも従来私ども補助制度の中で、いわゆる一元化しておるところについては厚い助成をするという措置をとってきておるわけでございます。しかしながら、これは単にその補助のために一元化を促進したということではございませんで、やはり企業としてその体質を改善するといいますか、あるいは体力をつけるといいますか、そういうことのために一元化というものが有効な方法一つである、こういうふうにわれわれも判断しておるわけでございます。  これは地域地域の実態に即して判断することが必要でございますし、また、その当該事業者の自発的な熱意というものもやはり必要でございます。したがって、一律には申し上げられません。また、一元化方法について、たとえば公的な一元化がいいか、また、いわゆる私的な一元化で足りるか、この点についてもにわかには即断はできませんけれども、とにかく一元化方向で進みつつあるものについては、われわれもこれに非常な関心を持ち、またそれをバックアップしてまいりたいというふうに思っております。  それから、いわゆる最近の経営の悪化に伴いまして、先生御指摘のような賃金の遅配といいますか、こういう問題が生じておる点について、緊急な融資制度対策とかあるいは利子補給というふうな御提案、御質問かと存じますけれども、この賃金問題につきましては、私ども非常に憂慮いたしておりますけれども、これに対処いたします方法として、直ちに緊急融資という問題に結びつけるのがいいか、これも一つ方法かと思いますけれども、私どもとしては、これから春闘もございますしいろいろあるわけでございますけれども、要は企業の体力をつける、このために、たとえば現在計画いたしております、いわゆる運賃の適正化ということも一つだと思いますし、また、その他いままで申し上げましたような総合的な対策を組み合わせましてこれに対処してまいりたいというふうに思っているわけでございます。
  11. 久保三郎

    久保(三)委員 お話の中では幾つかわれわれの考えとは少し違うのもあるようでありますが、時間もありませんので、ただ民鉄部長に一つ申し上げたいのは、十キロとか三年間連続とかいうのは一応のめどだと言うが、このめどをやめて、あなたがはしなくもおっしゃった、鉄軌道として必要な時代にもうなってきたのだから、それを有用なものとして育成する立場から考えていくのが至当であろうというふうに思うので、御考慮をいただきたい、こういうように思います。  それから、これも自動車局長御存じだと思うのでありますが、一元化というのは赤字の会社が幾つ集まっても赤字なんですね、数学的にも。結局、問題は、一元化即それは前進、前向きの制度的、財政的な前進がなければ無意味なんですね。一元化というのは乗る者の立場からやはり考えてほしい、一つにはこういうふうにも思うのですよ。そういうものを中心にもちろん考えておられるのだと思うのですが、政策的、財政的な前進をあわせて考えるということになりますれば、どうしても国なり地方自治体の介入というか、そういうものが必要になってくることは理の当然だと思うのです。そういうものをひとつ、かみ合わせで考えていってもらいたい、こういうふうに思います。  時間がありませんのでたいへんあれですが、次は、大蔵省並びに自治省の府県税課長おいでですから、簡単にお答えいただきたいのですが、先ほど来申し上げたように、公共交通が一番いま財政的にまいっちゃっているんですね。しかし、なくちゃ困るということで、まあ多少なりの助成やなんかいろいろくふうはしているわけです。いま自動車局長は、料金というか運賃の問題もおっしゃったけれども運賃の問題を議論する前に、税金や何かの問題はどうなんだろうという話が国民の中に出てくるわけですね。  そこで、この公共交通の税負担の軽減措置については、四十九年度にも多少前進はあったけれども、これもそう決定的なものではない。特にバス関係の税金、自動車税ですね、あるいは油の税金ですね、軽油引取税などは、たしか私鉄、民鉄というか、そういうバス会社だけで百七十億か八十億になるだろうと思うのです、いまというか、過去においての数字で。今度は高くなりますからもっとになるでしょうが、そういうものに対する手当てというか、こういうのはどういうふうに大蔵省並びに自治省は考えられておるか。これは別に運輸省に聞く必要はないと思うのです、運輸省は異存のないところでありますから。ただ力及ばず今日までの実態でありますから、応援するためにも申し上げているわけでありますが、大蔵省並びに自治省からお願いします。
  12. 渡辺喜一

    渡辺(喜)説明員 先生御承知のように、地方公共輸送機関といいますか、公営企業関係で私ども国税が関係しておりますのは、実は自動車重量税だけでございます。燃料の関係は、軽油でございますので、これは地方の税になっております。それからまた、鉄軌道は税の関係は全くございません。自動車重量税だけはあらゆる自動車に実はかかっておるわけでございます。これは税創立のときのいきさつ等を見ましても、自動車が道路の損壊あるいは輸送の渋滞、交通事故等もろもろの問題に深く関係しておるということであって、そういうものを、原因者負担といいますか、そういう観点から、自動車がある程度負担すべきではないかということでつくられた税でございまして、したがって、税の性格から申しますと一切の例外を認めない、現在でも、たとえば国の所有する車両であってもすべて重量税を負担しておるというふうなことでございまして、税の性格から申しますと、およそ自動車である限りは、すべてがその重量、目方に従って負担するのだというたてまえででき上がっているわけでございます。  ただ、この四十九年度の税制改正におきまして自動車重量税の引き上げを行なったわけでございますが、これはそういう自動車重量税本来の性格からくる考え方に加えまして、消費の抑制でございますとか、あるいは資源の節約というふうな観点にかなり重点を置いた、しかも二年間の暫定措置としての改正でもございましたので、そういう新たな観点を考慮いたしまして、今回の改正におきましては、バス、トラック等そういう公共の輸送機関に関係いたします車両、つまり営業車両につきましては、すべて現行据え置きということにいたした次第でございます。
  13. 久保三郎

    久保(三)委員 大蔵省務課長、据え置きになっていることは、さっきから言っているように、現況はわかっている、こう言っているのですよ。だからその先はどうだろうかということを質問しているのでありまして、これから御答弁いただく方にも申し上げておきます。現況はおおよそわかっています。私は国会議員の一人でありますから、四十九年度まではわかっている。四十九年度予算に関係するまではわかっている。あとはわからないから、その先を言っているわけでありますから、御了承いただきたいと思います。時間がありませんのでお願いします。  それから、主税局はこれでお帰りいただいてけっこうでありますが、総務課長、たとえば税金――国税ではそのほかにもございますね、直接的ではない会社法人というかそういうものもありますね。そういうものについても、この際もう一ぺん洗い直す必要がありはしないか。  それから、おっしゃった自動車税、国の所有の車まで取っている。しかし、いま一番困っているのは、公共交通をどうやって確保するかという問題からも税金は見直す必要がありはしないかということを言っているのです。それは据え置きましたと言うが、据え置くことは、私の所論に対して御同意いただいて、御理解いただいているものと思っている。だからもう一歩前進して、そういうものを撤廃する方向で考えてみたらどうですか、こういうふうに申し上げておきたいと思います。御返事はすぐにできないと思いますから、これだけにします。それでは自治省から……。
  14. 福島深

    ○福島説明員 公共交通に関します地方税でございますが、御案内のように、自動車税あるいは自動車取得税、また固定資産税、その他軽油引取税等の燃料関係税、いろいろ広範にわたっておるわけでございまして、地方税といたしましては、税負担状況だとか、あるいは資産の用途等を考慮いたしまして、かなりの範囲で軽減措置をとっておるつもりでございます。特にバスにつきましては、先ほど御指摘のありました地方過疎バス等につきましても、自動車取得税の非課税措置をとっておるところでございますし、今回はその範囲の拡大をいたしたいと考えておるわけでございます。また、鉄軌道等の問題で申し上げますと、たとえば線路の敷設だとか、あるいは新車でございますとか、そういうものにつきましても、非課税の特別措置を講ずるというような措置をとっておるところでございます。  また、先ほどお話がございましたように、歳出面におきましての財政援助措置と申しますか、そういう面もかなり前進をしてきておるように思っておるわけでございまして、私どもといたしましては、他の企業との関連等から申しましても、現在の公営交通地方税の負担程度のものにつきましては、援助費に占める割合等もいろいろ検討はいたしておりますけれども、大体ごしんぼういただける程度のものではないかというふうに考えておるわけでございます。  いずれにいたしましても、総合的な判断を要する問題でございますから、先ほど先生の御指摘もございましたように、これからの状況等も十分私どもは留意をしてまいりたい、このように考える次第でございます。
  15. 久保三郎

    久保(三)委員 さっきから申し上げているように、時間がないというのもおかしな話ですが、時間がないので、現況についての御説明はよろしい。もっとも、話というのは前がなくては話しづらいのですね。だから多少はやむを得ぬ。ひとつ御協力いただきたいと思います。  それで、課長さんに一言申し上げておきますが、地方にあるバスとか鉄軌道というものは、住民の生活にはなくてはならないものにいまなっています。そうですね。自家用車ではもう用が足りないものが、あとからもお話しますが、たくさんあるのです。だから、これを維持するという直接的な責任はだれだ、それは地域における自治体の責任だと私どもは思っている。直接的にはですよ。そうですね。地域住民が足がなくて困って、生活ができないならば、やはりそこの市町村長なり県知事というものが心配するのが当然です。そういう形からいくならば、企業も優遇するとか待遇するとかめんどうを見てやるとかいう立場で、税金の軽減を私どもは言っているわけじゃないのです。そういうものを運行維持させて発展させるために必要だから、そういう施策を考えてほしい、こういうことでありますので、御了承をいただきまして御検討を願いたい。  それで、これは政務次官、簡単にお答えいただきたいのですが、御了解いただいたものですが、運輸省は、大蔵省と税金というものにわりに弱いようにてまえどもは思っておるわけです。ついては、原田審議官もいらっしゃるけれども、税金対策というか、税金と金融の問題について、プロジェクトチームか何か知らぬが、最近はやりのものでもつくってけっこうですから、一ぺん前向きに検討したらどうですか。そういう時代だと思うのですよ。いかがでしょう。
  16. 増岡博之

    ○増岡政府委員 先生御指摘のとおり、住民の足を確保するという意味で、各種交通機関の近代化、これは経営基盤を改善強化するという意味での近代化につきまして、当然助成融資や税制の問題があるわけでございます。これまでも制度としていろいろやっておるわけでございますが、御指摘のとおり、今後もその制度については前向きで研究させていただきたいと思います。
  17. 久保三郎

    久保(三)委員 私は、特別にこれをテーマとして取り上げて、政策的に、運輸サイドからどうあるべきかをもう少し総合的に検討して、関係省庁ともまた御相談いただきたい、こういうことを申し上げておるわけであります。御理解いただけますね。よろしゅうございますな。  それでは、時間もありませんから、自治省課長さんもけっこうでございます。ありがとうございました。  次は通産省にお伺いしたいのでありますが、通産省にお伺いするのは、石油の問題が一つ。石油需給適正化法によって、御承知のように公共輸送といわれるバスあるいはその他の交通機関に対しては、一応優先二類ですか、そういう類別になってはいるけれども、実際は所要量を確保している、こういうことでやるようでありますが、私の考え方とすれば、制限するという立場じゃなくて、公共輸送を確保するというのは、これは国民生活の優先的なものであるから、病院や水道とかそういうものと同じように、全体を確保するという立場に立って、規制をすべきではない、こういうふうに思っているわけです。そういう考えでいるのだが、これはどうなのかということが一つであります。  それから、もちろん石油はいまのところは数量的には大体順調に入ってくるようでありますが、しかし値段がつり合わぬからというので、最近新聞を見ますと、ある業種に対しては石油の元売りは制限する、こう言っているのですね。もちろん交通機関に制限するということにはならぬと思うのでありますが、日本の貿易全体から見て、油の値段がうんと上がってきた場合において、将来にわたって油は、日本の貿易構造からいって無限大に持ってこられるかどうか、これはなかなか議論のあるところだと思うのです。まごまごすれば油をそう買う金はないということで、削らなければならぬ場合も出てくる。そういう場合を予想すれば、この際公共交通の石油におけるところの需要というか、そういうものの位置づけはきちんとすべきだというふうに考えているわけであります。これが一つ石油であります。  それからもう一つは電力でありますが、最近電力会社は全部値上げを申請をしてきた。遠からず値上げをするだろうというのが通説になっているのでありますが、公共輸送からいきますと、これは国鉄を含めてかなり多くの電力を使っているのですね。これを向こうがどの程度に値上げをするかわかりませんが、平均して大体九割ぐらい上げるでしょう。倍でしょう。ものによってはそれ以上上がるということです。そうなった場合に、運賃を上げることもそういうものを計算の上で運賃を上げていくことが正しいのかどうかということです。むしろ電力料金を押えるということが必要だと思うのですね。一般のキャバレーかどこかで使う電気と鉄軌道が使う電気ともしも同じ値段であるとするならばこれは不合理だと思うのです。こういうものに対する規制というか、そういうものは通産省として考えておられるかどうかですね。運輸省は私の議論に対して別に異論はないと思うのですが、運輸省は、電気も上がる、油も上がるから運賃さえ上げればいいと思っているかもしれませんが、話は逆ですね。もとを押える努力をしないで、結果として運賃値上げということでは、大衆は承服しかねます、はっきり言って。だから、電力料金についてどういうふうに考えておられるか、二点、通産省からお伺いします。
  18. 中井富男

    ○中井説明員 私、公益事業部業務課長の中井でございます。電気料金につきましてお答え申し上げたいと思います。  いま先生の御指摘のとおり、今回の九社の改定申請におきましては、電灯料金に比べまして産業用の電力料金は約倍の値上げになっております。これにつきましては、今回の値上げの主因をなしております石油の価格が、実はアラブその他のいろいろな情勢によりまして急騰いたしておるわけでございます。そういった関係から、産業用につきましては電灯よりもかなり燃料の占めるコスト中のウエートが高うございますから、そういった関係から産業用のほうが高くなるわけでございます。  それから第二のお尋ねの公共料金、電力と同じように、交通用につきましての公共的な使命を果たしていらっしゃいますので、そういった点から一般産業用の電力料金よりも安くならないかというお尋ねでございますが、これにつきましては、電気事業法によりまして実は電気料金の算定は原価主義によるということになっております。そういった点から申しますと、いろいろな各種の政策的な要請があろうかと思いますが、そういった政策的な要請に基づきまして電気料金に特別な措置を講じますと、逆に申しまして、ほかの需要家の方々に負担をかける、そういうかっこうになるものでございますから、問題があろうかというふうに考えておるわけでございます。  以上、電気料金につきまして私のほうからお答えを申し上げました。
  19. 渡辺全侊

    渡辺(全)説明員 渡辺でございます。  先生お尋ねの先のほうの石油関係の問題でございますが、御承知のように、これまでのところでは、本来石油危機に関連いたしまして発表されました閣議決定の線に従いまして、農業、漁業あるいは公共輸送力の確保という点につきましては、その適正な必要量の確保につとめるという線に従いまして、いま御指摘の優先業種の二類にいたす一方、またその後におきましても、要するに公共輸送力の増強に伴います必要な石油使用量の増加等がございましたならば、筋道といたしましては、関係省とも直ちに御相談をする、適切な措置を講ずるということでこれまでやってまいっておるわけでございます。  さて、今後のことでございますが、御承知のように、御指摘の需給適正化法は短期対策法律でございまして、緊急事態といったことを背景に、現在の運用といたしましては、毎月毎月いわば供給並びに需要の実情を把握して必要な措置を実施をしてまいっておるところでございます。この五月につきましては、やはり最近時点までの情勢を把握した上で五月の措置を講じたいと思っておりますので、この月半ばを過ぎました時点で、基本的には原因をなしております石油の最近におきます輸入の動向等の把握を中心に、必要な検討を行ないたいと思っております。  これまでのところのいわば消費規制につきましては、御指摘のように、鉄道等の関係は第二類ということで、その使用量につきましては、既存の活動については前年同月並みの油、こういうことでございます。一類は、先生御指摘が若干ございましたように、水道の関係とか、あるいは火葬場であるとか、病院であるとか、あるいは学校であるとか、並びにいわゆる電力を含みますエネルギー関係の供給産業への油ということで、言ってみればエネルギー関係並びにどちらかといいますと生命の保護に直接間接に関係の深いものを対象として、法律上、必要最小限のものを使ってよろしい、つまり不要不急のものは自主的に省くとしても、要るだけのものはお使いください、こういう体系になっているわけでございます。  いまの鉄道等につきましては、前年同月並みということで、既存の活動につきましてはしておりますが、いわばその後の新規車両の増、あるいはいわば技術革新といいますか、たとえば無煙化に伴います石油使用量の増といったものにつきましては、これまでも必要に応じ配慮をすべき筋合いになってきておりますので、実情では、先生もおそらくお認めいただけますように、基本的にあまり問題はないかと思っております。  今後の問題につきましては、そういうことで基本的には供給サイドとの突き合わせの問題になります。これまでのところ、四月につきましても輸入量は前年四月の三・三%減ということでございますし、想定されます毎年毎年伸びます需要からいきますと、この三、四カ月、少ないときで想定需要に比べまして全体として五%、多いときには一〇%の減といったような程度の油しか入ってこないと同時に、また備蓄も、十月の危機以来十日ほど減っておりまして、すでにこの四月末ではおそらく四十七日分ということになろうかと思っております。三十九日分になりますと、もういわば油があっちこっちで切れてくるといった状態になりますので、そうした全体の総合勘案をいたしながら、毎月毎月今後の措置を必要に応じていたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  20. 久保三郎

    久保(三)委員 いまのお話、御両人、電気については原価主義ということでありますが、原価主義でやるというようなことは別に芸も要らない話なんですね。電気などは独占で、ほかに買い方がない業種ですね、品物ですよ。そういうものが原価主義でやられるのが当然だなんという、それは昔の電気事業法そのものはそうでしょう。しかし、時代も違っているのでありますから、御承知のように、これはもう政策的に基本的に変えていくということだと思いますね。これはそういうことでなければもっていけないと思うのです。石油もそのとおりですね。石油は幸いというかどうかわかりませんが、需給適正化法とかあるいは生活安定法とか、そういうものができましたが、そういう時代だと思うのですね。電気についてはせっかく御検討いただきたいと思うのです。  それから運輸省も、政務次官も審議官もいらっしゃるが、運賃値上げのほうばかり積み上げてきて、これだけ値上げしなければいけませんというようなことでなくて、もうちょっと政府間におけるところの交渉というか折衝を強める必要があると思うのですね。政府部内で交通なんというものの比重というか、ポジションというか、そういうものが非常に低下しておるんですな。そういうことは、たとえば通産省一つとっても、あまり運輸省の意見がいまのお話を聞くと反映できていないのではないですか。そういうところにやはり問題があるので、一言申し上げておきます。  時間がありませんので、これからは一括御質問申し上げますので、御答弁も、時間がありませんから、毎度申し上げるように簡単に結論だけいただきたいのです。  これは労働省中心質問でありますが、主としてトラックなどの運転者の過労運転が最近非常に多い。これを防止するのにはどうしたらいいかという問題が当面の課題なんでありまして、いままで運輸省あたりが多少これに関心を持っていたと思うのでありますが、四・二九通達を出して以来労働省のほうは何か後退しているようにも思う。  そこで、次に四つほどお伺いしたい。  トラック運転者の連続運転時間を規制しろということですね。いままでこれは規制してないのです。たとえば、高速道路を走るのもせいぜい二時間じゃなかろうかということです。あるいは一般道路でも四時間。それで一日運転時間というのは十時間程度に押えるという規制が必要じゃないか。これは言うまでもありませんが、ILOの六十七号条約、これは批准してないと思うのでありますが、ここでもやはり運転ハンドル時間というか、そういうものを五時間をこえてはいけませんというようなこともいっているわけですね。これは一つの例であります。こういう条約にとやかくこだわるわけじゃありませんけれども、安全の問題からいっても、これを少し規制する方向で検討をすべきではないか。  それから、先ほど申し上げた四・二九通達、これは神風タクシーというか、そういう問題が中心になった時代のあれでありますが、四・二九通達を出した当時ももちろん完全に守れなかった。だんだん時間がたつに従ってこの通達から遠のく、といったらたいへん言い方がきついのでありますが、最近ではどうもいろいろな点で悪化の傾向にある。そういうことで完全に実施されてないというのが現状なんですね。せめてこの四・二九通達の完全実施、あるいは時代というか最近の実態にも即応して前進ができるような立場で再検討してみる必要がありはしないかというふうに思うのです。これは第二点です。  第三点目は、これは冬眠しているそうでありますが、私も知らなかったのでありますが、昭和四十一年の十一月の訓令十二号で、自動車労務改善推進員の制度というのができているそうでありますが、これは委員の任命だけしておいて、何にもやらぬで開店休業でありますという話であります。開店休業ならつぶしちゃったほうがよさそうにも思うのでありますが、何で開店休業にしているのか。しかもこのメンバーというのは、運転者などが入っているわけじゃなくて、使う者が中心になってメンバーに入っているそうであります。こういうのをもっと生きた活用ができるような立場に組織もそれから機能も改善する必要がありはしないか、せっかくあるのでありますから、その制度を活用する方向を考えてみたらどうだということ。  それからもう一つ、これは労働省の安定局になりますか知りませんが、トラックの運転者、とにかく路線トラック、長距離を走るトラックですね、これの休憩所というか、休養施設というか、そういうものは昔というか十年ほど前ごろは、国道ふちに大体めしと書いた運転者専用の休養する――若干の仮眠ができたり、安いといっては語弊があるが、当時としては安い運転者向きの食事もできるという店があったのでありますが、最近は、時代の流れでありましょうね、どこへ行っても高級レストランしかなくなってしまった。そうなると、運転者の服装で腹一ぱいめしを食うなんという場所は、どこを探してもないというのが現実なんです。無理をして運転する。だからどうしても公的な機関で運転者の休養施設をつくって安全の確保を考えるべきだし、労働者保護も考えてみるべきではないかということなんであります。国道に全部つくれといってもなかなかすぐにはできないし、またいろいろな問題があるかもしれません。しかし、さしあたり、てまえどもは――最近公団法の改正が提案になっていますが、ここにはターミナル設置するということでありますが、ターミナルの中には当然そういうものも設置されるだろうし、またすべきである。と同時に、高速国道、自動車道ですね、そういうところのインターチェンジあるいはサービスエリアには必ずこういうものをつくることを、さしあたり六カ所ぐらいでその点は大体間に合うんじゃないかと思うのですが、そういうものをつくるために考えてみたらどうか。これは、建設省道路局次おいででありますが、地主は建設省にするほかないと思うのですね、国道のふちのことでありますから。建屋は、できれば労働省労働者保護の観点からも当然考えていいはずではないのか。これは業者もやはりしかるべき応分の負担をする。そして運営については運輸省がほかの省と一緒になってめんどう見るという立場でないと、これはうまくいかないと思うのですね。ここではっきりした三省からのお答えをいただくというわけにはいきませんと思うのでありますが、この点一応お答えをいただくと同時に、検討してほしいと思うのです。これはあとから政務次官の考えもいただきたい。そういうものが労働省中心にするお尋ねであります。  次は厚生省でありますが、これは交通安全の委員会でもちょっと申し上げましたが、最近問題の一つとして、横文字でいうとトランスポーテーションプアーというのがありますね。いわゆる交通から疎外されている者の交通をどうするか、疎外されている者というものは、言うなら身体障害者あるいは子供あるいは老人、病人、そういうものの交通を考えていったらどうか。たとえば横断歩道橋一つとっても、老人にはああいうものはとても渡れない。渡れないとするならばどうしたらいいのか。エスカレーターをつけたり、あるいは身障者のためには最近少しばかりありますが、スロープの歩道橋をつくるということも考えているようであります。あるいは盲人のためには、何というかぼつぼつの出た舗石というか歩道をつくって安全を確保する、あるいは盲人専用の横断歩道のいわゆる信号を設置するとかいろいろな問題があると思うのですね。局部的にはおやりでありますが、これは関係省庁それぞれ合議の上こういう制度を推進するためにひとつ骨折ってもらいたい、こういうふうに考えているわけであります。これは厚生省から中心としてお答えをいただきたい。  それから、最後でありますが、これは国鉄であります。新幹線の騒音の問題、これは当委員会でも問題になったと思うのでありますけれども、名古屋の周辺からは訴訟が起きています。訴訟が起きたからどうでなくて、いま訴訟に勝つとか負けるとかの問題でなくて、むしろ空港で問題になったように、いまできることを誠意をもってやる、これは当然だと思うのですね。そういう意味からいって新幹線の減速運転を中心にしてものを考えられないのか。もちろん全体を減速運転すれば輸送に困難を来たすとかいろいろ制約はあるだろう。あるだろうが、その中でもできるものはやるべきだと考えているが、この考えはどうなのか。  それからもう一つ、これは運輸省であります。これは審議官政務次官ですな。新幹線のあとからできた五線、これはいまの新幹線騒音というか公害というか、そういうものの新しい開発ができるまで着工をとめるというのは正しいと思うのです。しかし、とめておいて開発のほうがおくれたんじゃ困るわけです。ついては、新幹線方式以外の新しい交通システムも開発するために、これは金も技術も組織も動員してかかるべきだと私は思うのですが、この点はどうなのか。  以上であります。
  21. 岸良明

    ○岸説明員 私から運転者の労働条件に関します三点についてお答えを申し上げます。  まず、連続運転時間を規制すべきではないかという点でございますが、御指摘のとおりILOその他の国では連続運転時間の規制を行なっておるわけでございます。わが国の場合、御承知の二九通達を制定する際にはそういう点も十分考慮いたしまして、ただわが国の実情からするならば、労働基準法をより運転者の実態に即するような形であの二九通達を制定をしたわけでございます。その二九通達の中で、御承知だと思いますけれども、これは一日の実労働時間を八時間ととりました場合に、最長限が十時間になっております。したがって、基準法の規定による休憩時間を中間に入れるとすれば、運転時間といいますか、実労働時間は大体四時間から五時間、こういう形で先生の御指摘の問題にある程度マッチするのではないかというように考えております。もちろん道路の実情に応じてきめのこまかい規制をせいという御意見については、非常に示唆のある御意見でございますし、私どもとしては、今後十分考慮をして検討をしてまいりたいと存じます。  それから、二九通達がどうも行なわれていないじゃないかというお話でございますが、その点について私どもも非常に限られた力でございますけれども、対象事業場の二八%に対して監督を実施する、非常に重点をかけて行なっておるわけでございます。ただ、その二九通達の内容について、これは率直に申しましてまだまだ十分にこれが実現をされていないという面がございますので、私どもといたしましては、特に本年度において、重点的に問題のある事業場について強力な監督指導を行なう、こういう方針でことしの運営方針をきめておるわけでございます。  また、労務改善推進員の問題でございますが、これは二九通達ができました際に、やはり労働条件の改善ということには、何といっても使用者がしっかり自覚をしてもらってそういうような労務改善をはかっていく必要がある、こういうことで、特に指導力のある民間の方々に御委託をしたわけであります。逐次これは増強いたしまして、現在約五百名の方々が活動しておられます。先ほど先生は、全然この活動状況がないというお話でございますけれども、四十七年の実績を見ますと、大体延べ人数にして五千人、対象の事業場にして七千の事業場を指導いたしておるわけでございます。まだ非常に足らない点もございますので、今後はこの指導の方法等を十分研究いたしまして効果的な指導が行なわれるように努力してまいりたい、かように思います。
  22. 鈴木新一郎

    ○鈴木説明員 トラックの運転手の方々たちの休養施設の関係につきましてお答え申し上げます。  私どもでは、雇用の促進安定のために従業員の方々たちのための福祉施設を設置するようにいろいろ努力しておるところでございます。具体的には、私どもの雇用促進事業団を通じましてこういう施設の特定のものに対しまして長期、低利融資を行なったり、あるいは特に全国的見地から重要なものにつきましてはみずから設置運営しておる、こういうことを進めておるわけでございます。  お尋ねのトラックの運転手の施設でございますが、これは第一義的には、私どもとしては業界の方たちがやはりみずからつくっていただくのが基本ではなかろうかと考えております。その際、私どもとしては、融資制度もあるわけでございますので、せっかく御利用いただきますように、もし計画ができますれば、ひとつお手伝いできるかどうか、その面で検討してまいりたい、このように考えておる次第であります。
  23. 中村清

    中村(清)説明員 いまお話がございました高速道路のサービスエリアにトラックの運転手の仮宿泊所といいますか、そういうものをつくったらどうかというお話でございますが、御承知のように、サービスエリアなりあるいはインターチェンジといいますのは敷地が非常に狭うございます。したがいまして、私どもといたしましては給油所とか、あるいは便所とか食堂とか売店とか、あるいは自動車の修理場とか駐車場とか、そういう必要最小限度のものということにしておりまして、なかなかいまお話がございましたような施設が入る余地は乏しいということと、それからいま一つは、こういう施設は本来的には従業員に対する福祉施設といいますか、あるいは労務管理の問題と申しますか、そういったことで運輸業者自身が十分お考えになる問題じゃなかろうかというふうな感じがするわけでございます。  なお、先ほどお話がございましたように、ただいま日本道路公団法の一部改正案を国会で御審議をいただいておりますが、その中ではインターチェンジの周辺につくりますトラックターミナルには、いまお話がございましたような仮の宿泊施設を必ず建築するということにしたいと考えております。
  24. 角田耕一

    ○角田説明員 からだの不自由な方々の公共的交通機関の利用の問題でございますが、身体障害者の団体の方々等からだいぶ強い要望がございます。それで四十七年十二月に、総理府にございます中央心身障害者対策協議会の意見具申もございまして、かねてから関係機関に要請をいたしております。厚生省といたしましても、障害者の生活圏の拡大をはかるために身体障害者福祉モデル都市というものを四十八年度に六カ所、今年度は十七カ所ということで、先生の御意見にもございましたように積極的に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
  25. 中村清

    中村(清)説明員 身体障害者あるいは御老人の方に対しましては、私ども道路行政を担当しております立場からしまして、交通安全施設は本来五カ年計画に基づいて現在やっておりますが、その中におきましては、特に道路交通上弱い立場にあります歩行者、それから特に御老人とか、あるいは身体障害者に対する措置を十分に考えてまいりたいと思います。  具体的に中身を申し上げますと、たとえば歩道と車道の間の段差をなくしますとか、あるいはいまお話がございましたような盲人用の点字ブロックを歩道に埋め込む、あるいは横断歩道橋とか立体の地下道につきましてスロープ式のものを考えていくといったことをいままでもやっておりますし、今後とも十分やってまいりたいと思います。
  26. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 身体障害者の問題についてのお尋ねにまずお答え申し上げます。  駅前広場から駅のコンコースに向かっては、先ほど御指摘ございました点字ブロックなどを用意しております。  まず身体障害者の最近の旅行の御利用あるいは訓練施設の御利用というものが非常にふえてまいりましたことは事実でございます。私どものほうといたしましては、できるだけそういうふうな設備を充実するということで、まず目の不自由な方には、先ほど申し上げました点字ブロックあるいは自動券売機の点字テープあるいはまた階段からホームへの御案内の点字ブロック、こういうことで、これから逐次広げてまいりたい、かように考えております。  それから、からだの不自由な方、つまり車いすを御利用になる方につきましては、現在の改札口が狭いものですから、それを広げるとか、あるいはまた新幹線の開業で博多まで延長いたします際に、新幹線に御利用できるような個室を設けるというふうなことなど、最近はきわめてその方面への私どもの注意力が向いておりまして、逐次整備をしてまいりたい、かように存じております。  それから、新幹線の騒音対策としてのスピードダウンについての問題をどう考えるか、こういう御質問でございますが、現況を申し上げるとまたおしかりを受けますけれども、私どもは、いま環境庁からいただいております八十ホンの基準をいかに守るか、それから、それを飛び出すものに対してはどういう対策をするか、この二つが問題でございます。したがって、その対策の中には、御指摘のとおり、なるほどスピードダウンという問題も一つ対策であろうかと思います。そのほか、車と軌条とが摩擦して発生する騒音というもの、これは宿命的なものでございますので、この音源の対策をどうするのかという問題、それから線路に並行した緩衝地帯をどう設けるのか、あるいはそれによってなおかつ騒音対策が八十ホン以下にならないものについては、一体どういう沿線の住民に対する障害対策をするのか、こういうことになりますので、私ども輸送力の点から申しまして、現在でも東京-大阪間の需要は非常に多うございます。これをかりに全線スピードダウンいたすことになりますと、相当な輸送力の減ということになりまして、これはもうもちません。そんな状況でございますので、できるだけ私どものほうの音源対策と、それから地域住民に、私ども基準としていただいておりますホン以下に下げられないものに対する障害対策をどうするかということを、鋭意これから進めてまいりたいということでございますので、結論から申し上げますと、スピードダウンはいたしたくない、こういうことでございます。
  27. 原田昇左右

    原田政府委員 今後の新幹線についての考え方でございますが、いま国鉄の伊江常務からも御説明ございましたとおりでございまして、今後の新幹線整備にあたりましては、環境保全を十分はかりながら進めるということに尽きるかと思います。その環境保全とは、環境庁、中央公害対策審議会等で審議中の環境基準を十分守るということでございます。  なお、これに関連しまして、新しい交通システムを考えたらどうかというお話でございますが、一応、全国新幹線網で考えておりますのは、現在のタイプの新幹線につきまして十分な音源対策を考慮した改良を加えるという方式でいっておりますが、なお、別途国鉄においても、超電導の磁気浮上方式の開発が進められておりますし、さらに四十九年度予算におきまして、新たに運輸省で常温磁気浮上方式の低公害鉄道の開発という予算がつきましたので、こういった開発も進めまして、もちろん現在計画中の新幹線にこれを採用するということではございませんけれども、今後の新しい無公害な鉄道の開発をしていきたい、こう考えておる次第でございます。
  28. 久保三郎

    久保(三)委員 警察庁寺尾参事官お見えでありますが、時間がないのでたいへん失礼ですが、いま申し上げたようなことを中心警察庁でも考えていただきたい、こういうふうに思います。  そこで、たいへん超過しまして同僚の皆さんに御迷惑をかけましたので、以上で終わりにしますが、一言、監督課長に申し上げておきますが、自動車労務改善推進員の中には、やはり運転者の代表というか、そういうものも入れて推進したほうがむしろ効果的ではないのか、こういうふうに思うので、これは考えてもらいたい。  それから休養施設については業者がやれという、これは当然な話でありますが、業者がやれといっても、ごらんのとおり、トラック業者は中小が中心であり、それから資金力も非常に弱いところに問題があるのでありまして、運輸行政のひずみを、道路あるいは労働行政にしわ寄せするのはいかがかと思うのだけれども、当面やっぱり安全運転というものが必要なので、高速道路で土地の取得は建設省がまあ一緒にやれば――しかも先ほどお話があったように、高速道路にとまろうと思っても駐車のスペースが足りないというようなことは、やっぱり道路管理者の責任でもあろうかというふうに思うので、業者についても協力をさせるとしても、いま申し上げたようなことでやってほしい。  それから伊江常務から、新幹線のスピードダウンは考えていない、したくない。私も、したくないと思う心理はわかります。しかし、したくないといっても、多少はしなければ問題の解決にはならぬだろうというふうにも思うので、これは再考を促したい、こういうふうに思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  29. 三池信

    三池委員長 太田一夫君。
  30. 太田一夫

    ○太田委員 最初に国鉄からお答えをいただきたいのでありますが、昭和四十年四月から着工をいたしました岡崎-瀬戸間、それから瀬戸-稲沢、清洲間、この岡多線並びに瀬戸線の工事でありますが、九年たちましていまなお開通の見通しが立っておりません。そこで、最近でございますが、愛知県におきましては、県知事の諮問機関の形をもちまして、名古屋周辺の交通網を整備する調査会議がつくられておりまして、その答申がありました。その答申によりますと、大ざっぱにいうとこういうことなんです。  現在名古屋周辺の通勤通学者の輸送というのは、鉄道四に対して自動車、自家用車でありますが、これが六ということになっておる。であるから鉄道のほうを六にして車のほうを四にする、こういうことにしないと、将来の発展計画というものに欠陥がある、こういうことから、都市公営企業による、半径の小さい四キロぐらいの環状線のほかに、十五キロ程度の外環状線をつくろうという計画やら、それから都心から五十キロ圏内を中心として輸送力の大増強という計画がなされて、非常な資金も要りますので、どういう経営形態によってそれを整備しようかというところまで突き詰めた案ができまして、これを県知事のほうに答申という形をもって示されまして、そしてそれがいよいよ具体的に目鼻をつけられるという段階になったわけです。  ところが、そういうふうに交通機関の整備計画が片方で非常に苦心をして進んでおるにかかわらず、鉄道建設公団に国鉄が依頼されております岡多線におきましては遅々として進まない。名古屋圏におきますところのバスの輸送人員、特に公共機関であるバスの輸送人員の推移を見てみますと、昭和四十四年を頂点にいたしまして、四十五年から逐年交通量が減ってまいりました。そういうことで、首都圏においては大体横ばいであるが、阪神圏などにおいては逆にバスによる輸送人員もふえておるようなのに、名古屋圏においてはバスさえも減ってきたというところに、道路の発達の不自由さがあると同時に、鉄道そのものの現状が非常に不便だということになっておると思うのです。  そういうことから私どもは、この鉄道公団が現在建設されております岡多線が遅々として工事が進まないということに非常な不審を覚えておる。どうしてもそれが進まない。近く中豊田まで開業をするというんだが、たかだか二十キロやそこらのことでは機能を完全に発揮するわけにいかない。そこで、この計画について、当初の計画と現在の進行状況について、基本的な点を御説明をいただきたいと思います。
  31. 北原正一

    北原参考人 鉄道建設公団の工務を担当しております理事北原でございます。  ただいま先生からお話のございました岡多線の重要性ということにつきましては、私どもも十分承知しておるというふうにお答えしてよろしいかと思います。当初この工事をいたしましたときにも、おっしゃいましたような旅客の見通しと、それから東海道線の貨物の逼迫ということもひいては旅客にも影響があるということでございまして、貨物も早く稲沢の操車場に入れるという目的と両方をもちまして着工いたしまして、鋭意進めてまいったわけでございますが、途中、私ども努力も至らなかったかと思いますけれども、用地買収等につきまして難航をいたしたというようなこともありまして、工事がおくれております点ははなはだ申しわけなく思っております。  ただいまの状態では、中豊田までの開業を早くするつもりで鋭意工事を進めておりまして、その間の用地につきましてはほとんど解決したのでございますが、一点だけまだ未解決なところもあり、これも近く解決する予定でやっておりまして、何とか五十年度には中豊田まで開通させ、岡多線全体の竣工も、これは予算の配賦という問題もございますけれども、五十三年度もしくはおくれても五十四年度には、瀬戸線をも含めまして開業できるように努力をしてまいりたい、そういうふうに考えております。
  32. 太田一夫

    ○太田委員 国鉄から御説明いただきたいのです。
  33. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 いま公団からお答え申し上げましたとおりでございますが、私どもといたしましても、東海道線の貨物輸送を救済するためには、やはりバイパス路線が必要であることは申すまでもございません。現在でもバイパスをつくっておりますが、これも第二のバイパスになろうかと思いますので、その意味におきましては確かに御指摘のとおり急いで工事をしなければならぬ線路というふうに価値づけておりますが、御説明がございましたような事情でおくれているということでございまして、ただし中豊田までは五十年度には工事も完成するということでございますので、この時点の一日も早く来るようにということで待っておるわけでございます。
  34. 太田一夫

    ○太田委員 そこで、国鉄お尋ねいたしますが、いまの貨物線のバイパスということにつきましてはよくわかるわけです。しかし、これが中豊田まで開通した際において、旅客輸送というのはどういうことになるのでございますか。
  35. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 目下のところでは、旅客営業もいたしたい、こういうふうに考えております。
  36. 太田一夫

    ○太田委員 目下のところいたしたいということは、中豊田まで五十年の何月かに開通したときには、開業と同時に旅客営業をしたい、こういう御方針と理解してよろしいですか。
  37. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 運輸大臣の御認可をいただかなければなりませんので、目下のところと私は申し上げたわけでございますが、御認可いただきましたならば、開業と同時に旅客営業をいたしたい、かように考えております。
  38. 太田一夫

    ○太田委員 それはどのような計画でございますか。朝晩の通勤通学輸送のみでございますか、それとも日中も一般旅客を扱うのでございますか。それともそれはどれくらいの輸送力を見込んで、そうして何回ぐらいの旅客列車を運転なさる御予定でありますか。
  39. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 まだ事務的な案でございますけれども、御利用いただける終日の御利用客は大体一万三千人ぐらいというふうに考えておりますので、それに見合う輸送と申しますと、まあ列車の連結の両数にもよりますけれども、大体十三、四本になろうかというふうに考えておりまして、これはもちろん、御指摘のとおり通勤通学の朝のラッシュ、夕方のラッシュだけではなくて、昼間も含めての考え方でございます。
  40. 太田一夫

    ○太田委員 一万三千人の輸送量と見て、これは朝晩の往復とすれば、片方六千五百ずつでございますね。たいして多くはないわけです。それを十三、四本というと、朝四、五回、晩四、五回、途中一時間か一時間半に一本。何両ぐらいの組成で運転なさるおつもりですか。
  41. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 大体四両ぐらいの編成になろうかと思っております。
  42. 太田一夫

    ○太田委員 そうすると、その所要の車両の発注はいつなさいますか。
  43. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 これは四十九年度中に発注いたしますれば十分間に合うわけでございます。したがいまして、大体七、八月ごろ発注の計画になろうかと思います。
  44. 太田一夫

    ○太田委員 七、八月というのは、ことしの七月、八月でございましょうね。
  45. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 そのとおりでございます。
  46. 太田一夫

    ○太田委員 それまでに国鉄鉄建公団との間の具体的な計画の相談が成立し、運輸省の認可は夏までには完全にとって車の発注もする、こういう手順になるものと理解してよろしいですか。
  47. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 そのとおりでございます。
  48. 太田一夫

    ○太田委員 そこで聞きますが、最初一番問題の起きました岡崎の中岡崎駅というのは、出入り口はどうなりますか。具体的な話で恐縮でございますが、地図を拝見いたしますと、このどちら側に出入り口があるかはっきりしておりませんが、これは表口、裏口、両方口ができるのでございますか。
  49. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 まだ具体的に中岡崎をどうするとか、あるいはまた、北野桝塚から中豊田までの間の駅をどういうかっこうにするか、実はまだそこのところは具体的にきまっておりません。
  50. 太田一夫

    ○太田委員 そうすると、私がふしぎに思いますことは、たとえば永覚という駅でございますか一つ駅の予定があります。この永覚という駅には、現在百五十坪の用地を、東口にできるものとして土地の人が何とか用意をして準備されておるわけでございます。ところが、百五十坪というのは、平米でなくて恐縮でございますが、これは一反の半分でございます。そんな小さなものしかないというわけなんです。したがってここは、あなたのほうからいうと、駅前としてそこへ自動車が来て乗ったりいろいろのことをするのにははなはだ不適当な広さでございまして、用地買収ができておるとおっしゃいますけれども、まだ用地買収もできておらぬと私どもは見るわけです。そういう用地買収のできておらないところは駅をおつくりにならないのでございますか。
  51. 北原正一

    北原参考人 永覚には駅をつくるということで進めております。
  52. 太田一夫

    ○太田委員 つくるということになっておるとするならば、いまの百五十坪しかそういった用地が確保されてないのははなはだ常識の線をはずれておるじゃありませんか。さらに、これはどのくらいの広さが当初案としてはあって、現在折衝中であるのか、そういう点が何かあるんでしょう。
  53. 北原正一

    北原参考人 いまのは駅前広場のお話かと思いますが、駅前広場につきましては、いろいろな考え方がございますが、ここに来られる旅客の方々に御不自由のないような程度の広場というものは確保するというふうに考えてやっておるわけでございます。はなはだ申しわけないのですが、いまの百五十坪というこまかい数字につきましては、ただいまここへ資料を持ってきておりませんのでわかりませんが、基本的には地元のほうともいろいろと協議をいたしたり調査いたしまして、国鉄のほうの使い勝手もございますので、よく協議をして必要なものはつくっていく。場合によっては、都市計画でそれがきまっておるかどうかとかいろいろなことがございますけれども、よく御相談をしてきめてやっていくということで、そういう方針でやっております。
  54. 太田一夫

    ○太田委員 私の聞きますのは、公団のほうは施工のほうでございますから、大体国鉄の腹がきまっておらぬところに問題があるという気がしてしようがない。たとえば、中岡崎の駅にしましても、表口のほうは広場がもう完成しておるのです。これは市民に対しては、ここに駅をつくって旅客電車をとめるということから、そこに広場と  いうものが都市計画によってつくられ、区画整理もできまして、お互いに二〇%程度の減歩などをいたしまして協力しておるわけです。これはできておる。ところが、いまの裏側をつくると言ったって、裏側というのはかろうじて道ぐらいがあって、高架駅でございましょうから、出入りする階段が向こうに向いている程度でございましょうけれども、広場というようなものがあちらにつくられる傾向というのはいまのところは見られません。中岡崎の場合は、そういう意味で東口ができて正面広場ができればそれでけっこうやっていけるわけです。ところが、永覚というところにはその用地がわずか五畝しか用意されておらないというので、土地の人は、どうもおかしい、広場だなんと言ったのはごまかしであろう。土地の農民の人たちから、ここに駅をつくるつくると言いながら、そして安い金で出させておいて、さてとなったときにはできないのではないか。その証拠には、上から見ても貨物線が単線が一本まっすぐにつくられておりまして、そこにお客さんが乗りおりするようなホームをつくられる痕跡もなければ、その線路の配置もない。だから、ちょっと見たところ、旅客電車が早急に動くという徴候が見られないというのです。これは常務理事どうです。
  55. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 手続的なことを申し上げて非常に恐縮なんでございますが、これはやはり公団側と国鉄側との協議を済ませまして、そして大臣の御認可をいただきました上ではっきりいたすわけでございますが、まだその協議段階でございますので、御指摘のとおり、工事側としては用地買収を進めておりましても、開業の設備についての具体的な動きがいま出てきてない、こういう段階でございますから、もうしばらくいたしますとその辺が御認可いただければはっきりする、こういうことでございます。
  56. 太田一夫

    ○太田委員 では常務理事にちょっとお尋ねしますが、これは土盛りじゃありませんで、すべて高架でございますね。そこに駅舎をつくるという場合に、上のホームを、付帯設備をつくる場合に、なぜ線路その他擁壁工事というようなものと御一緒になさらないのか。あとからつくるというのも、それはつくれないことはないでしょうけれども工事をやるのに一緒におやりになったほうが非常にむだが省けて単価も安く済みそうな気もするが、それができないのはどういうことであろうか。しばらくの間貨物輸送だけしておいて、あとで旅客輸送の必要があればつけ足そうということで、旅客のことが除外されておったんじゃないかという疑いが非常に強いのですが、どうしてホームを一緒におつくりになりませんでした。
  57. 北原正一

    北原参考人 いまの永覚のところにつきましては、一緒に駅舎をつくらなくてもあとからでもできるということでございます。その駅舎の大きさ等につきましては、開業のときに適当な大きさがきまるということでございまして、初めの路盤をつくっておりますときには、駅舎の大きさにつきましてはまだ未確定な要素もございますので、開業の少し前にどの程度の駅舎が適当であるかということを算定いたしましてきめてやるという方式になっております。いま国鉄ともどの程度の大きさがいいかということをいろいろ協議をしておりますので、それができましたらつくるということで、開業までには間に合うということでやっております。
  58. 太田一夫

    ○太田委員 私は鉄建公団のほうからお答えをいただくことはあまり好ましくないと思っている。それは常務理事、基本計画があって、あなたのほうが、ここは旅客列車も動かすが旅客が主じゃない、貨物が重点であるからこうだとか、あるいは貨物、旅客両方とも重視しなきゃならないからこれは複線で早急にやらなきゃいかぬとか、いろいろなことがあるわけでしょう。それを国鉄の将来の経営方針、輸送方針というものがきまらないで、鉄建公団が、旅客列車を運転してやろうかな、まあめんどうくさいからやめておこうとか、こういう工法によればたくさんもうかるから、あんまり貨物はないだろうけれども引き込み線をつくってやりましょうかというわけにはならぬでしょう。  ですから、国鉄の基本方針というのは、当線は旅客、貨物両方とも重視して輸送する鉄道としておやりになったのか。伊江さんは最初、貨物のバイパスとしてということをおっしゃっただけであって、地方の旅客輸送ということを少しもおっしゃらなかったのでよけい疑惑を持ちますが、どちらを輸送するつもりでございますか。その使命です。
  59. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 ことばが足りませんでしたことをおわび申し上げますが、先ほどは、なぜ工事段階でホームと駅舎を同時につくらないかということで御質問がございましたので、公団のほうにお答えいただいたわけでございますが、私どもは、開通の時点において中豊田までは旅客輸送をするという基本方針は、御指摘のとおり当然持ってございます。で、その立場から内々協議段階では進めてまいっておりまして、最終的に協議を整えまして大臣の御認可をいただく、こういうところまできておりますので、そういう意味におきまして、歯切れの悪いようなことを申し上げましたけれども、基本的には、もちろん双方協議でございますけれども国鉄は、この営業をどうするかというかまえをもって協議に応ずるわけでございますから、御指摘のとおりでございます。
  60. 太田一夫

    ○太田委員 そうすると、伊江さん、あれでございますか、いまになっては中豊田までの旅客の輸送を始めようということでありますが、工法の手順といたしまして、しろうとにわからないのは、きちっと単線の貨物輸送だけの設備ができ上がっていきつつあるところに、あとから高いところにホームをつくったり何かなさるわけです。これは相当むだなお金がかかりますね。これはもうだれが見たってむだなことでありますが、そのむだをあえてせざるを得ないのは、当初には中豊田まで開通するときに旅客輸送の腹がなかったということでございますか。そうでなかったら、上部構造をなさるときにホームの工事も一緒にできたはずだと思うのです。これはどういうことでしょうか。
  61. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 岡多線が北野桝塚まで開業いたしましたときには、地元の皆さまには貨物だけということで、ただしこれが先に延長いたしました場合には旅客輸送もいたしますということにつきましては、地元の方々にも内々お話しをしてきた経緯がございます。したがいまして、そういう経緯を踏まえてこれからつくっていくわけでございますけれども、やはり工事段階的に設備を整えていくということが順序でございまして、高架のあとにホームをつくるということに金が非常に要るんじゃないか、むだじゃないかという御指摘でございますが、大体工事というのは、そういうふうに事柄がきまり次第、まずどこから施工をしていくかという問題を踏まえましていろいろと工事が付帯的についていく、こういうことでございます。したがいまして、先ほども公団の北原理事からお答えがございましたように、ホームが上にできましても駅舎は下へできるという例は幾らもございます。そういうことでこれから段階的に整備していく、こういうことでございます。
  62. 太田一夫

    ○太田委員 私は駅舎ができておらぬと盛んに言っておるわけじゃないです。旅客のホームができておらぬと言っているのです。ホームは上でございますね。線路は上にあるけれども、ホームが下にあるなんということはないでしょう。そんな鉄道は見たことがないですよ、あなた。
  63. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 高架にいたします、営業を延ばす線につきましては、やはり先に路盤をつくりまして、それからホームをつくってまいりますから、あくまでも工事段階的な経過、その断面をごらんいただいた御質問かと思いますので、決して手戻りにはなりません。
  64. 太田一夫

    ○太田委員 時間がないのでこれで終わります。  伊江さん、このことについてちょっと専門的にわかったら一ぺん答弁してください。それは、かりに四両だと、四両のホームをおつくりになるのか、もっと長いホームをおつくりになるのかという点が一つ。ホームの長さ、有効長。  それからもう一つは、待避線をおつくりになる――いま単線です。当初複線計画で、当分の間単線です。御計画は変更されました。だったら、どこの駅に待避線をおつくりになるのか、その待避線の長さはどれくらいのつもりでいらっしゃるか、そういうことの基本計画がありましたらひとつこの際発表してください。
  65. 伊江朝雄

    ○伊江説明員 私は、残念ながらいまその工事の、どこへ待避線をつくり、ホームの長さをどのくらいにするのかということについてはつまびらかにいたしておりませんので、後ほど調べましてお答え申し上げたいと思います。
  66. 太田一夫

    ○太田委員 鉄建公団北原さん。
  67. 北原正一

    北原参考人 その辺の列車の回数とどこに行き違いが要るかどうかというようなことにつきましては、いま国鉄のほうとこまかく検討しておるわけでございますが、先ほど先生がおっしゃいましたように、将来もっと両数がふえるということもあり得るかと思いますが、その四両ということもまだ最終的に決定したということよりも、伊江常務が勘でおっしゃったことかと思われますけれども、それに従いましたホームの長さというのは、とりあえずは短くしておきましても、あとからでも延ばし得るように、手戻りのないように基礎等も一緒にやっておくというような方針で、方針としてはそういうふうにやっております。  それから、いまの行き違い等につきましては、何せ距離としまして桝塚から短い距離で部分開業でございますので、場合によったら単線だけでもいいかもわかりませんし、もう少しそのこまかい運行計画と関連いたしまして、行き違いの必要なところには行き違いをつくるということになるかと思いますが、それらにつきましてはいま国鉄と詰めておる最中でございます。
  68. 太田一夫

    ○太田委員 ありがとうございました。時間がなくなりましたからお答えは要りません。  伊江常務理事さんにお願いしておきますが、いまのお話を聞いておりましても、計画がまだ一向にこまかくありませんのであって、実施計画がありませんから、たぶん電車を運転するであろうというぐらいの程度にしかわかりませんが、稲沢操車場以西から静岡の岡崎市以東に参ります直通の貨物列車は全部岡多線を通すという以上、岡多線を通過する貨物列車の本数がそんなに少ないことはないのです。そうすれば、その列車が運転されるときを考えてみましても、待避線はどこにどれくらいのものをつくるかということは、いまからあってしかるべきだ。二十何キロの間に待避線が一つもないなんということはありませんよ。ですから、現在御検討中ということでありますが、そういう具体的なものがもしきまりましたら、早急にひとつお示しをいただくことをお願いしておきまして、私のお尋ねを終わります。えらい失礼いたしました。
  69. 三池信

    三池委員長 三浦久君。
  70. 三浦久

    ○三浦委員 私は通訳案内業者の待遇の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  旅行のよしあしは通訳案内業者のよしあしによってきまるともいわれておりますし、また日本を訪れる外人が絶えず接触するのは、言うまでもなくこの通訳案内業者ですから、そういう意味では、日本に関する正しい知識を受け入れることができるかどうかというのも、この通訳案内業者に負うところが非常に多いと思うのです。  そういう関係でよく皆さん方も言われておりますが、通訳案内業者というのは民間の外交官の役割りを果たしている、こう言われておりますね。そのために通訳案内業法なんという法律が設けられておりまして、そしてきびしい試験が行なわれ、そしてまた、都道府県知事の免許を受けないとこの通訳案内業はできないということになっておりますね。私も通訳案内業者の人々にお会いしてみたのですけれども、なかなか能力のある、そして誠実な人が非常に多いと思うのです。  日本通訳案内業者の能力というのは、世界的にも非常に高く評価されているということも聞いております。あるアメリカの旅行業者が世界一周をした旅行者にアンケートをとったら、日本通訳案内業者の評判が一番よかった、こういう結果も出ているようであります。そういう意味ではこれらの通訳案内業者の待遇の改善という問題は、非常に重大な問題だというふうに考えているわけなんです。  それで、まず最初に、通訳案内業者の就業の実態についてお尋ねをいたしたいと思います。
  71. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 お答え申し上げます。  通訳案内業を営むためには、いま先生のお示しのように、国家試験を受けまして、それから免許をとるという二つの手続が必要になります。四十八年の暮れまでの間に通訳案内業の試験を通った人の数が、累計で五千八百六十六人ほどおります。それらの中でガイドの免許をとった方、これが二千二名ほどおります。なお、さらにその中で日本通訳協会というところに属しまして現実にガイドの仕事をする態勢にある方が千三百十一名、これはことしの四月の一番新しい数字でございますけれども、おります。  日本観光通訳協会、社団法人でありますけれども日本観光通訳協会の正会員として加入しております千三百十一人のガイドさんの内訳を若干申し上げますと、このうち専属ガイドと申しまして特定の旅行業者に専属いたしまして仕事をしておられる方が百六十六人おります。それから非専属ガイド、いわゆるフリーのガイドということでそのときどきで契約をなさる方々が三百七十四人おります。この両方で五百四十人でありますが、この方々が専属あるいは非専属を問わず、一応外人観光客の案内という現場の活動をしていらっしゃる方々であります。さらに、このほかに、何と申しますか、休眠会員ということばは悪いのですけれども、俗称そう言っておりますが、ガイド協会の正会員でありながら、現実に活動しておられない方が七百七十一人おりまして、会計千三百十一人でございます。この専属ガイド百六十六人の方々は各旅行社にそれぞれ配属されております。一番多いのが日本交通公社百一人でありまして、以下はずっと下がりまして大体十人前後ないし二、三人というランクまでございます。  以上でございます。
  72. 三浦久

    ○三浦委員 この専属ガイドの百六十六名の中には社員ガイドも入っているわけですか。
  73. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 専属ガイド百六十六人は、社員ガイドは入っておりません。社員ガイドの方は非専属のフリーという中に入っている人があると思います。
  74. 三浦久

    ○三浦委員 実際にこの通訳案内業でめしを食っている人というのは非常に少ないように思うのです。せっかくむずかしい試験を通って、免許まで受けて、そしてまた日本観光通訳協会の正会員になりながら、そのうちの半分以上の人たちは休眠会員というようなことですね。これはやはり通訳案内料というのが非常に安いので、それで本職ではとても成り立っていかないから、副業として、日曜日とか祭日とか、アルバイト的にやろう、そういうような人たちが多いのではないかというふうに推測できるのですが、この点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  75. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 私も個々のガイドの方々に伺っておりませんので、私も推測の域を出ないのでございますけれども、確かに専属ガイドの数が少ない点につきましては、一つは先生お示しのような基本的問題があるかと思います。それからもう一つは、やはり観光旅客の日本に訪れる数の季節的な波動の問題があると思うのであります。専属ガイドという形で就業していただきましても、観光客の閑散期には出動日数が少ないというような形で、これがまた専属契約を結ぶ旅行業者の経営問題等があったりするものでございますから、専属ガイドの数が伸び悩んでいるという点があるかと思います。
  76. 三浦久

    ○三浦委員 この通訳案内料というのはどういうふうにきまっているのですか。
  77. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 これは報酬を得まして、そして外人に対して外国語で旅行の案内をする事業でございます。
  78. 三浦久

    ○三浦委員 いや、私がお尋ねしたのは、通訳案内業者の料金ですね、これはどういうふうにきめられているのかということです。
  79. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 失礼いたしました。  料金のきめ方でありますが、これは先ほども申し上げました日本観光通訳協会という、これはガイドさんの方がつくっていらっしゃる社団法人でありますけれども、この通訳協会の業務の中に、旅行業者との間でいわゆる協定料金といいますか、そういった料金を取りきめるという仕事が入っておりまして、毎年、旅行業者の団体でありますところの国際旅行業協会の代表とこの通訳協会の代表の方々が相談いたしまして料金を協定するという仕組みになっております。
  80. 三浦久

    ○三浦委員 その協定の内容については運輸省のほうは御存じですね。当然この法人を監督指導されていらっしゃるのでしょうから。  それで、この四十六年一月実施の協定通訳案内料金と四十九年度のを比較してみますと、これは、添乗実費は一応比率ですから除きますけれども、あまりたいした差はないと思いますが、そうすると、昭和四十六年というのはA級で四千円ですね。B級で三千五百円、C級で三千円、四十九年度というのはA級で四千七百円、それからB級で四千百円、C級で三千五百円ですね。そうすると、これのアップ率を見てみますと、A級が四千円から四千七百円ですから一七・五%ぐらい。それからB級で一七%、C級で一六%です。約ですけれどもこのぐらいしか上がってないんですね。  ところが、物価の上昇というのは、御承知のとおりにたいへん上がっているわけです。昭和四十五年度を一〇〇として消費者物価指数がどうなっているかと考えますと、この前の総理府の発表によっても、昭和四十九年二月の消費者物価指数というのは一四五・八なんですね。結局四十五年に比べて四五・八%上昇しているわけです。昭和四十六年の物価指数が一〇六ですから、昭和四十六年に比較しても、消費者物価指数というのは約四〇%上がっているということになると思うのです。  ところが、いま申し上げましたように、この通訳案内料というのは、協定料金ですけれども、非常にアップ率が悪い、物価の上昇にも追いついていない、こういう状況になっているのですが、この点についての原因はどこにあるというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  81. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 私もこの原因につきまして確信ある考え方は持ってないわけでございますけれども、やはり一般的に申せますことは、この相互の交渉能力というふうな点を比べますと、どうしても買い手市場的な力関係があるのではないだろうか。通訳案内業の方は、確かにことばでめしを食うという一つの職人芸を持っていらっしゃる方でありますけれども、こういったものに対する社会的な評価というものが必ずしも十分でない、あるいは力関係も弱いというふうなことがありまして、この協定のネゴシエーションをする際に、どうしても低目になってしまうという傾向があるのではないだろうかと推測しております。
  82. 三浦久

    ○三浦委員 この比率だけを見てもあまりぴんとこないのですけれども、実際の収入を見ましても、一般にいわれているような高給取りではないんですね。たとえば、稼動日数は大体百八十日から二百日というふうに見てよろしいわけでしょう。それはどうでしょう。
  83. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 これは年によって多少波動があるかと思いますけれども、おおむねそのぐらいの数字だと思います。
  84. 三浦久

    ○三浦委員 そうしますと、昭和四十九年度の協定料金でもって、A級のツアーディレクターの場合ですね、一番高い熟練者の場合、大体平均すると二十人から二十四人ぐらいのお客さんを御案内するだろうというふうに仮定いたしまして、それも宿泊を伴う案内というふうに仮定してみますと、添乗実費が二千九百五十円ですね。それに通訳案内料が四千七百円です。両方合わせて七千六百五十円。そうすると、二百日働いたとしても百五十三万円にしかならない。これは月にすると十二万七千円です。月にして十二万七千円ですと、これは日雇い労働者が一日五千円で働いているというのと同じなんです。そしてボーナスもない、恩給もない、福利厚生面も何もない、要するに一日五千円で働いている、それだけのことなんですね。ですから、将来の生活というものにものすごく大きな不安を持っているというふうに思うわけなんです。  ところが、こういう非常にきびしい状況に置かれておりますけれども法律的にはどういうような地位を占めているのかといいますと、たとえば観光基本法という法律がありますね。その観光基本法の第二条では、「外国人観光旅客の来訪の促進及び外国人観光旅客に対する接遇の向上を図ること。」というふうになっております。「接遇の向上を図ること。」という大きな目的は、これは通訳案内業者の力に負うしかない問題だと思うのですね。それからまた第七条では、「外国人観光旅客に対する接遇の向上を図るため、」通訳案内等に「必要な施策を講ずるものとする。」という一項目もありますね。そうすると、民間外交官だといわれているこのような通訳案内業者の人々に対して国がもっともっとあたたかい手を差し伸べてやる必要があるんじゃなかろうか。たとえば案内料金というのは、いまお話がありましたように、国際旅行業協会と日本観光通訳協会ですか、これとの間できまるんだ、こうおっしゃるわけですね。しかし実際には、いまお話がございましたように、力関係が違うので非常に安くなっている。そうすると、そこに接遇の向上をはかるとか、または接遇の向上をはかるために通訳案内業者に対してもいろいろ施策をしなければならない、こういう規定があるわけですから、この人たちの通訳案内料金をもっと上げてやるために、運輸省のほうでもっと積極的な指導、こういうものが国際旅行業協会のほうに対して行なわれる必要があるんじゃないかというふうに思うのですが、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
  85. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 御指摘のように、たいへん大事な仕事をしておりながら、必ずしも経済的に恵まれてないということがございます。おそらくこれは社会一般の傾向として、ことばを話すというふうなことが、一般の人たちの語学の素養が向上するに従って希少価値的なものが薄れてきているということも、基本的にはあるかと思いますけれども、しかし、志を立てて通訳案内業の免許をとって専属契約をして暮らしている人というのは、ほかに転身する道もありませんし、もうこの道で食っていく以外にないわけです。  一方、ひるがえって政策的に考えますと、観光基本法の条文を御引用くださいましたごとく、外国人の接遇の向上をはかるために、優秀なガイドを確保するということは非常に大事な問題でございます。このことは、私どもにとって大事であるばかりでなく、ガイドさんと契約をする当の旅行業者ももちろん重大な関心を持っている問題であると思います。したがいまして、最近のたとえば大工さんとか左官屋さんとか植木屋さんとかの日当を見ましても、非常に高い日当になっているという社会一般の情勢から見まして、かなり高い教養を積み、むずかしい試験を通った方の報酬としていかにも低いと私は思います。  そこで、いま先生の御指摘のような、国際旅行業協会に対して指導をせよというお尋ねに対しましては、私は基本的には一応両協会同士の話し合いにまつべき問題であると思いますけれども、いまのような点がございますので、十分良質なガイドが確保できるような意味での待遇の改善につきまして、国際旅行業協会に対して要請をいたしたいと思います。
  86. 三浦久

    ○三浦委員 これは昭和四十四年の十一月に旅行あっ旋及びガイド制度懇談会というものが「旅行あっ旋業制度及び通訳案内業制度のあり方について」という意見書を出しているのです。これを見てみますと「本懇談会は、運輸省大臣官房観光部長の発議により、」諮問というのじゃないのですけれども、発議によってこういう意見を出すということで意見書が出されているわけなんですが、これを見てみますと、三六ページのまん中にII問題点として料金問題というのがあります。ここでは「旅行あっ旋業者は、旅行経費合理化の趣旨から通訳案内料金の低廉化を求め、一方、通訳案内業者は高料金を要求し、対立的立場にあるため、料金決定について第三者のあっ旋または国による認可制の採用を期待する意見もある。」こういうふうにいっています。結局、業者は安いほうがいい、通訳案内業者は高いほうがいい、そういう対立関係にある。そうすると力の強い者が勝ってしまう、こういう結果になるということだと思うのです。  それで、その次のページに改善案として、「料金の認可制は事業者の申請主義によるものであり、料金決定を国に期待することには困難があるので、問題が起った場合は、行政官庁の行政指導のもとに公平な第三者のあっ旋による料金問題討議の場を設けるべきである。」こういうふうに料金問題についての改善点が指摘されていると思うのですけれども、この趣旨から見ますと、現在やはり料金問題についてはもっと上げてくれというようないろいろな問題が起きているんじゃないかと思うのです。この点については、いまの日本観光通訳協会のこの料金問題に対する意向というものを、運輸省はどういうふうに把握しているのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
  87. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 この両方の協会によります協定料金の相談というのは、毎年秋から年末にかけて行なわれまして、一月一日ということでその年の協定料金をきめる慣行になっているようであります。  四十九暦年の料金につきましては、昨年の暮れ以来の折衝によりましてきまったわけでありますけれども、そのときガイドさんの協会のほうは、昨年の公務員のベースアップの率と同じ一五・数%を要求された。これに対しまして、旅行業者のほうがなかなか応じ切れなくて、それではということで一〇%をちょっとこえた、たしか一一%程度だと思いますけれども、そういうことで一応暫定料金という形で手を打とうということに聞いております。したがいまして、これは暫定でございますので、ガイド協会のほうでは、これでは不満である、特に最近のように物価の上昇が激しい――産業界によっては物価手当的なものを出しているところもあるというようなことを含めまして、この暫定にプラスアルファをする気持ちを持っていらっしゃいます。私も一般の物価情勢に比べまして、この点については確かに意味があるような気がいたしますので、暫定料金に上乗せをいたしまして、本料金が早くできるように関係者にお願いしたいと思っております。
  88. 三浦久

    ○三浦委員 この日本観光通訳協会の構成メンバーを見てみますと、これは本来料金決定については対立的な関係にある国際旅行業協会の人々が入っておられますし、それからまた、旅行業者の方々もたくさん入っておられるのです。私はそのことをとやかく言うわけじゃありませんけれども、どうしてもやはり、この日本観光通訳協会の構成を見ていると、たとえば日本交通公社を中心とするそういう旅行業者と自主的に対等な立場で料金交渉ができるというような立場にはないというふうに思われるのですよ。ですから、そういう意味ではかなり運輸省がこの問題について通訳案内業者の立場に立って強力な行政指導が行なわれないと、優秀なガイドを確保するということも非常に困難になるのではないかというふうに考えるわけなんです。それで、いまこの日本観光通訳協会のほうからも、運輸省に対して強い行政指導を望んでいるのじゃないかというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
  89. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 初めに、通訳協会の構成のことにちょっと触れて御説明いたしますけれども、賛助会員という制度がございまして、百三十三社が賛助会員になっております。これは旅行業者が三十二社で、あとはホテルとかレストラン、観光みやげ品店等々でございまして、百三十三社が賛助会員という形で入っております。これが賛助会費というのを毎年約五百万くらい出しております。これはちょうど観光通訳協会の会費の半分ぐらいを占めるわけでございます。その他補助金等を入れましたこの通訳協会の一年間の事業規模、約千五百万近くでありますけれども、そのうちの五百万を賛助会員が賛助しているという形で財政基盤の強化に寄与しているという関係があるわけでございます。もともとこの旅行業者あるいは国際観光関係の事業者と通訳案内業、ガイドさんの関係というのは、そう本来敵対的な関係にあったのではなくて、やはりガイドさんがいなければ旅行業者も仕事にならないという点がございましたものですから、昔からいい意味の内部関係のような形でお互いにめんどうを見合ってきたということがあると思うのであります。そういったことで、この通訳協会にも旅行業者等が賛助会員として入りましてバックアップしていくという形があると思います。  ただ、このことが通訳協会のほうの内部事情として、いかにも対等の要求をぶつけるというようなことにこと欠くようなおそれがあったらいけないと思いますので、そこのところは、私たちが第三者の立場からバックアップをしまして、こういった賛助会費をもらったりしているということのために、正しいバイラテラルな交渉が曲げられるということがないように配慮したいと思います。
  90. 三浦久

    ○三浦委員 大体運輸省のほうでも、現在の通訳案内料金というのは、その地位にふさわしくない低廉なものであるというふうにお考えになっていらっしゃるようですし、また、その改善のためにも今後努力をしたいというお話でありますので、私はぜひとも強力な行政指導をお願いを申し上げたいと思うのです。  このガイドさんたちの要求の一つに、自主的な料金制度にしたい、こういうのも一つございます。協定料金じゃなくて自主的な料金制度にしたいのだ、この点については運輸省どういうふうにお考えですか。
  91. 高橋寿夫

    ○高橋(寿)政府委員 若干私見にわたりますけれども、実は私、昨年の秋にいまのポストに参りまして、通訳協会の会長さんがお話しに来られました。そのときに、その料金の非常に低いことを伺いましたときに、私が自主料金をつくったらどうですかということを申し上げたことがあるのです。そうしましたら会長さんがおっしゃるのに、やはり力関係というものがあって、自主料金ということをやりたいけれども、現実問題としてなかなかむずかしいのだというお話があったわけでございます。  私も確かに私見ではそう思ったのですが、その後いろいろ調べてみますと、なかなかむずかしい点があるようでございます。したがいまして、将来ガイドさんたちの力がついてきまして、自主交渉できめるという状態になるのが理想でありますけれども、そういった力がつくまでの間は、やはり私どもが必要なお口添えをしてきめていくことがいいのじゃないかというふうに考えております。
  92. 三浦久

    ○三浦委員 終わります。
  93. 三池信

    三池委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時三分散会