○土井
委員 それで
大型機の問題について、これは素朴な意見としてこういうことがあるわけです。いまそれぞれ現用機、DC8は二百三十人乗り、これが日航の例をとりますと、747SRに切りかえられた場合四百六十人乗り、これがやがて就航するはずになるDC10についていうと三百八十人、そういうものですね。
全日空の場合には、いま747で百七十七人、これがロッキードL一〇一一になると三百三十人というぐあいになるわけですから、一時に大量の乗客を運ぶことになると経費は安上がりということになってまいります。そうでしょう。経費は安上がりでございますね。特に人件費や燃料費というふうなことを
考えていくと、端的にそれは出てくると思うのです。このダイレクト・オペレーション・コース、DOCからすると安上がりであるということになってくると、いま日航などは現にたいへんにもうけているということが一応いえる。これは昨年度の年末のボーナス支給額などを見ましてもはっきりわかっているわけでありまして、四十七年度の下期が、ボーナス支給額総額六十九億であったのが、一年たった四十八年度の下期には百二十六億という二倍強にふくれ上がっているということ、中身を少しいろんな企業で働いていらっしゃる方の横の相対的な比較において見てみた場合に、これはもうたいへんに日航の場合はボーナス額が高いというのが出てくるわけであります。たとえば鉄関係、平均年間を通じて大体五十二万くらいであります。化繊企業に働いていらっしゃる
方々は、年間じゃなく半期に三十万
程度であります。電力関係同じく半期で三十万、弱電機、家電の花形といってよろしいかと思いますが、三菱電機関係なんかについていうと、これは年間を通じまして約四十五万。日航の場合は、年間じゃございません、半期で九十二万です。倍ですね。あるいは三倍に近いようなボーナス支給額が現に日航の社員についてはあるわけであります。
そこで
運輸大臣、大きいことはいいことだ、もうかることはいいことだ、これはコーマーシャルの中ではけっこうでありますけれ
ども、現にこの飛行機が飛び、飛行機を飛ばせることによって経営をはかっております日航の、あるいは
全日空の
航空機が飛ぶその下には、この
騒音、振動等々に悩んでいる
被害者が現にいるわけですね。もう
大臣もよく御承知のとおりで、いままで企業の中で公害企業と名ざされた企業が、世の批判じゃない非難を浴びた原因はどこにあるかというと、この公害防止に対して投資をしなかったということであります。公害防止に対してお金をかけてこなかったということであります。発生源者負担の原則というものが、もういまこれは世界の常識でありますけれ
ども、そういう点から
考えましても、今回のここで御
審議中の法案の中身に、発生源者負担の原則というのがどのように生かされるかという問題は、やはりここで繰り返し繰り返し御質問の中にも出てきた問題でしょう。いま
運輸省がこの発生源に対して、音源に対して、どのようにこれから
対策を講じていかなければならないかという基本線は、もう言うまでもなく環境庁が出されたあの環境基準に従ってお
考えになるということであります。
この環境基準というものは、公害
対策基本法という
法律に即応してこれはつくられたということになっておりますね。いまその公害
対策基本法の中で、特に二十二条という個所を見ますと、「事業者は、その事業活動による公害を防止するために国又は地方公共団体が実施する事業について、当該事業に要する費用の全部又は一部を負担するものとする。」とございます。こういう趣旨からいたしましても、また、現にこの環境基準のもとにある、公害
対策基本法がかつて昭和四十五年の暮れの公害国会と呼ばれたあの国会の中で問題になった一番のポイントはどこにあったかということを、ひとつこの節
考えてみる場合にも、それは申し上げるまでもございません、一条の二項で、経済の発展との
調和を保ちつつ公害を除去する、というところが問題だったわけであります。経済の発展というものを至上命題として、それとの
調和を保ちつつ公害を除去では、公害
対策にならない。人命優先だ、健康保全優先だ、環境保全が優先するのだという基本
姿勢を持たないと、実は公害
対策は十分に取り組めないということがあのときの大きな課題で、一条二項のあの条文が削除されるようになったわけですね。
そういう点から
考えましても、今回のこの法案の中で、発生源者負担の原則、PPPの原則というのがどのように生かされるのか。これは端的に申し上げますと、
騒音を出している、
空港を管理しているこの
航空会社と国が寄って、全額負担をして、発生源
対策や
騒音対策に対してはこれを十分にまかなっていくべきではないかという声が、もうあっちにもこっちにもあるわけであります。
これは、いま私が申し上げましたような経過からいたしましても、当然のことだと思うわけでありますが、ひとつ
運輸大臣は、このPPPの原則からいたしまして、またあの
空港に対して管理なさる
運輸省とされまして、どのようにお
考えになっていらっしゃるかという点をお
伺いしたいのです。