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1974-03-01 第72回国会 衆議院 運輸委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年三月一日(金曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 三池  信君    理事 江藤 隆美君 理事 加藤 六月君    理事 佐藤 孝行君 理事 佐藤 文生君    理事 佐藤 守良君 理事 太田 一夫君    理事 兒玉 末男君 理事 三浦  久君       阿部 喜元君    唐沢俊二郎君       關谷 勝利君    細田 吉藏君       宮崎 茂一君    綿貫 民輔君       金瀬 俊雄君    久保 三郎君       神門至馬夫君    斉藤 正男君       梅田  勝君    木下 元二君       松本 忠助君    河村  勝君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 徳永 正利君  出席政府委員         環境庁大気保全         局長      春日  斉君         運輸政務次官  増岡 博之君         運輸省航空局長 寺井 久美君         運輸省航空局技         術部長     中曽  敬君         自治大臣官房審         議官      近藤 隆之君  委員外出席者         運輸省航空局飛         行場部騒音対策         課長      棚橋  泰君         建設省都市局都         市計画課長   野呂田芳成君         自治省財政局財         政課長     石原 信雄君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ————————————— 委員の異動 二月二十八日  辞任         補欠選任   井原 岸高君     小沢 辰男君   國場 幸昌君     長谷川四郎君   細田 吉藏君     中馬 辰猪君   綿貫 民輔君     園田  直君 同日  辞任         補欠選任   小沢 辰男君     井原 岸高君   園田  直君     綿貫 民輔君   中馬 辰猪君     細田 吉藏君   長谷川四郎君     國場 幸昌君 三月一日  辞任         補欠選任   紺野与次郎君     木下 元二君 同日  辞任         補欠選任   木下 元二君     紺野与次郎君     ————————————— 二月二十六日  花巻空港拡張反対に関する請願(北山愛郎君  紹介)(第二二九七号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  公共用飛行場周辺における航空機騒音による障  害の防止等に関する法律の一部を改正する法律  案(内閣提出、第七十一回国会閣法第七一号)      ————◇—————
  2. 三池信

    ○三池委員長 これより会議を開きます。  公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。太田一夫君。
  3. 太田一夫

    太田委員 最初に運輸大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  あなたは、この間の大阪判決が出まして以来、各方面でいろいろな所見を申し述べておられますが、その中で特に騒音源についてのいろいろ新しい施策と言っては何ですが、具体的な話をなさっていらっしゃいます。それは即便数を減少をするという、こういうことについて相当積極的なかまえをとっていらっしゃるように思うわけです。  けさ新聞を拝見しますと、日本航空が九時以降十時までの国内線のすべて並びに国際線の一便を減便をし、さらに全日空はその間において一便のみ国内線減便をする、こういうことを言いだしておるようでありますが、あなたの減便政策というものは、そういうように判決ワク外で、このワクの外へ出て、夜の十時以前に出てなお減便をするという意味を含んで各方面にお話しになっているのか、この減便政策というものについての内容を明らかにしていただきたい。
  4. 徳永正利

    徳永国務大臣 私がいままで申し上げておりますのは、これは前々からのことでございますけれども判決とは別に、現に大阪空港ではいろいろ悩んで苦しんでいらっしゃる方があるんだから、これに対しては音源対策としていろいろなことを考えなければならぬ。しかし当面すぐ即効薬として即効的に効果のあるのはやはり減便である。減便というのは、私は、何時から何時ということで限定して、いままで時間を限定しては申しておらなかったわけでございますが、日本航空けさ新聞は私も拝見しました。拝見しましたが、日本航空がどういう時点でどういう考えのもとに言っているのか、連絡をよく見ませんと、非常にけっこうなことではございますけれども、その辺のことがまだ詳細になっておりませんが、まず減便を、朝の七時から晩の十時までと、いままでの判決の前の話でございますが、その時間帯でなるたけ減便のできるように騒音対策一つはやる。もう一つは、地元ではいろいろ御批判があり、反対の声もございますけれども、何とか地元の御理解をいただいてエアバスを入れて、これによる大幅な減便もひとつぜひやりたい、そういうことで地元皆さん方の御協力もいただきたい、こういう意味減便問題を言っておるわけでございます。
  5. 太田一夫

    太田委員 大臣、あなたのお考えというのは、小型便を削減することによって大型便を代置するということになって、事と次第によっては輸送力はふえるわけだ。それで便数は減るかもしれないが、輸送力は逆にふえるという内容を持っていらっしゃるようであります。そういうことであるとするなら、日航の社長のきのう御方針を打ち出された内容のほうがさらに進んでおるじゃありませんか。政策というものは、時代の流れを見ながら、その流れあとからいくもんじゃなくて、先にいくものでしょう。エアバスを導入することによって在来ジェット機をかえていこうというのは、いままでの日航並び全日空の一番考え方の基本にあったことです。それが住民から簡単に許容されないということを感じました経営者側は、ついにエアバス問題とは切り離して、すみやかに、四月ごろだと思いましたが、これは何月のことかわかりませんが、差し止め判決の中に入らない十時前、夜の二十二時前二十一時の間において、日航が現在大阪空港に発着させておる国内線五便と、それから国際線の中に日航が三便あるんですが、その中の一便をやめると言われる。これはエアバスに代行するなんということは全然条件にはないんですよ、あなたはエアバスということを盛んに固執されますけれどもエアバス論というのはこの際あまりいい案ではない、ベターではないという気がするんです、世論の動向から見て。そうすると、いま日航ないし、全日空、ちょっと弱腰でございますが、日航のとったこの態度というものは実にりっぱなものだと思う。こういう態度があなたのほうにもつと強く打ち出されてもいいと思うのに、あなたのほうは、大型ジェット機をやめなさい、そのかわりエアバス、さらに収容人員搭載力の大きいのを代置しようなんということでは、これは前進案にならぬじゃありませんか。
  6. 徳永正利

    徳永国務大臣 私が申し上げたのは二本立ての話でございまして、一本は、日航に対しましても、あるいは全日空に対しましても、また国内航空に対しましても、こういう事態だから地元皆さん方の要望にこたえるような線でいろいろと検討してくれ、こういうことは前々から言ってあるわけでございます。私の考えとしましては、一つエアバスを入れて減便と、それだけを言っているわけではございません。それから一つは、減便しますとまずその誠意を示して、しかもこういう事態でございますから、エアバスを入れて、さらに減便もひとつさせていただきたいという順序を踏まなければ、おそらく地方の人は納得されないだろうと思います。ですから、そういうようなことはともかくといたしまして、一つは、減便をいたしたい、それからもう一つは、さらにそれに加えて、減便を大幅にやるためには、地元の御理解もいただいて、エアバスに振りかえていきたい。ただエアバスというのは、もう私、説明するまでもなく、騒音はうんと、うんとというよりも十ホンくらい低いそうでございますし、それから確かに大型でございますから輸送力は多いけれども、それがために輸送力をふやす、そういうような考えで言っているわけではございません。その辺は明確に、きちっとしていきたい、こういうふうに思っております。
  7. 太田一夫

    太田委員 減便減便として大幅にする、さらに減便するためにエアバス考えるとおっしゃったとするならば、一つ行政当局の姿勢としてわからぬわけじゃございませんから、それはそれで考えてみる価値があると思う。ただ国内線で、二十一時から二十二時までの間に発着するのは何便あるかといったらたったの十一便ですよ。たった十一便やそこらのものを、判決の中の文章はそれはそれなりに読むとして、もうちょっと飛行場周辺騒音化に悩む市民、国民皆さんの立場を考えてみたり、あるいは国内交通政策をからみ合わせて考えてみたりしたときには、この十一便を全部やめてもいいじゃないかという気は私はするのですよ。けれども、その中で、日航が持っていたのが五便であって、全日空が六便でございますか、こういうふうに日航が五便持っていた、その五便を全部四月からやめようということは、私は気持ちとして社長おっしゃったのであって、所要の手続はこれからされるわけでございますが、私はりっぱな経営方針だと思う。りっぱだと思う。だからあなたのほうは、全日空が六便の中に一便だなんということを言わないで、六便ともどうだ、やめたらどうかというところまで御指導なさるのは私はりっぱだと思うが、そのかわりエアバスの導入を認めるからなというようなことでなしに、そういう音源対策として抜本的に国内に代置する交通機関がある、新幹線というりっぱなものがあるんだから、そういうものによって代替して、ひとつ極力やめるように御指導いただくことが必要じゃないかと思うのです。  そこで大臣東京大阪間に限ってみますと、東京大阪間、飛行機の運賃が七千三百円、それから新幹線グリーン車に乗って六千百三十円でございますね。その差というのは、千百七十円でございます。どうですか、それは無理に騒音だとかあるいはさらに貴重な油資源を浪費して飛行機に乗らにやならぬというほど東京大阪間というのは遠い所でございましょうか。また飛行機経済性があるのでございましょうか。
  8. 徳永正利

    徳永国務大臣 そういうお説は、確かに一つのお説だと思います。でございますから、私ども騒音対策については後手後手に回っておったことも率直に認めなければならぬと思います。  これから先、日航がああいう態度に踏み切った、それも私はさらに九時から十時という時間帯が、いま非常に議論になっておりますけれども、その以前の一家団らんの食事の最中とか、そういうような時間帯も、やはり相当重要に考えなければならぬじゃなかろうか、こう思うわけでございます。日航がどういうように、九時から十時までを八時から九時の間に繰り入れるような考えでそう言ったのかどうか、よくわかりませんけれども、その辺も十分確かめて、総体的な減便についてひとつ十分検討して、そうしていまおっしゃるように、代替輸送機関がございますから、そういうようなものも含めて、できる限りの配慮をしてまいりたい、こういうふうに思っております。  いま具体的に何便どうする、こうするという具体案を実は検討させておりますけれども、非常に歯切れの悪い話になって恐縮でございますが、そういうつもりでやっておる最中でございます。
  9. 太田一夫

    太田委員 判決がああだったから十時前は公然と認められたというようなことで居直るのではなしに、そういうことを九時前もひとつ考えてみませんと、それは国民感情に合わぬでしょうね。子供というのは大体九時までに寝させないと、あくる日小学校に差しつかえるでしょう。小学校子供は、九時から寝て大体十時間というものは要りますね、寝させなければなりませんね。そうすると九時から寝て、一番おそくても九時でありまして、そして朝の七時に起きて、ちょうど十時間でしょう。十時間睡眠とらせるというのは、子供の発育のためには絶対の条件です。最低ですよ。その九時には飛行機がじゃんじゃん飛んでおるということではこれは困ったことですよ。それは御飯食べるときのことがあるが、そのときには防音装置食堂を用意なさればいいんでしょう。防音装置食堂までつくる予算がないからそれはだめだなんて、それはあなたの責任じゃありませんか。予算をもっとつくればいい。一室なんて言わなくたっていいじゃないですか。二室と食堂というようなことでどうですか。そういうところまでいくのがほんとうであるし、それまでくらいのことを言わないと航空というものは発展しませんよ。各地で、航空事業というものは公害のもとだなんということになったら、カドミウムと一緒にされたらたいへんでしょう。  ですから航空を愛するなら、航空公害に対して怒りを発揮してもらわなければ困る。それは航空公害源であったら、その公害に対して、航空公害怒りを注ぐことが、それが真の航空を愛する道だと私は思う。そういう意味航空を愛してほしいと思うのですよ。そうしなければ、だんだんとジャンボ化し、大型化するのは、音が少なくなっても、今度は排気ガスの点においてどういうことになるかという問題があるわけです。それはひとつ考えていただかなければなりませんね。元来その辺に住んでおる人たちというのは、相当騒音というものにはなれていらっしゃる人ですね。なれていらっしゃる人が相当大きな怒りを持っていらっしゃるわけでありますから、これは判決のいかんにかかわらず、十分にお考えになることが必要だ。  そこで、ついでに、エアバスエアバスということをおっしゃいましたから伺っておきますが、エアバス排気ガス安全性ということについて、この際明らかにしていただきたいと思います。
  10. 中曽敬

    中曽政府委員 まずエアバス安全性について申し上げたいと思います。  今回導入されることになっておりますエアバスボーイングの747型、ロッキードのL一〇一一型のエアバスでございますが、これはそれぞれのメーカー、ボーイング並びロッキードにおきまして、過去におきまして非常にたくさんの航空機を製造してきた非常に豊富な経験を持っております。そういう豊富な経験の蓄積を踏まえまして、改良すべきところは改良いたしましてつくりました最新の飛行機でございます。それがまず第一点としてあげられるかと思います。  さらに、機体構造におきましては、一部にかりに欠陥が発生したといたしましても、これが拡散いたしませんような構造が採用されておるというふうなこととか、あるいは脚ないしはブレーキ、そして操縦系統、さらにまた電気系統燃料系統火災探知システム、いろいろなシステムにおきまして、油圧系統等におきましてたとえば異常が生じた場合にも、直ちに予備システムが働くような、いわゆる二重、三重の設計が各所に施されておる。これを一般的に申しまして、いわゆるフェールセーフシステムと呼んでおりますけれども、つまりフェールしてもなおかつセーフであるというふうな構造各所に採用されておるわけでございます。  また、このほか、新しい安全装置といたしまして、飛行速度とかあるいは飛行距離方位等を瞬時に、立ちどころに正確に割り出しますところの慣性航法装置——横文字で申しますと、イナーシャル・ナビゲーション・システムと申しますけれども、そういった装置を備えておる。そうしてまた指定された高度に到達いたしますと、自動的にブザーが鳴るような、高度警報装置というふうな新規の安全装置が取りつけられております。さらにまた申し上げますならば、いわゆるオートパイロットと称しまして、一定地点に行こうと思います場合に、オートパイロットをセットしておきますと、自動的に自動航法飛行機がその地点まで行くというふうな装置も取りつけられております。  かように、各般の新しい新鋭装置が取りつけられておる、いわゆるフェールセーフシステムが取り入れられておるということ、並びに先ほど申しましたような、非常に豊富な過去の経験を土台にいたしまして開発された新鋭機材であるというふうなところでもって、こういった今度の新しい機材は安全であるというふうに私どもは判断をしておるわけでございます。  次に、排気ガスの問題でございます。今度の導入されますエアバス推力は、確かに在来機種に比べますと、非常に大きいわけでございます。たとえばDC8型の飛行機と比べますと、推力DC8が約三十二トン、これは最大推力でございますが、これに対しましてエアバスは八十二トンというふうに、約二・六倍の推力を持っております。したがいまして、この総燃焼排出ガスと申しますか、燃料が燃えまして、そうしてニンジンのあとに排出されますガスの量というものは、常識的に考えまして当然エアバスのほうが大きいということはいえるわけでございます。ところが燃焼効率が非常によくなっております。そういったことから申しまして、いわゆる総燃焼排出ガス量で比べますと、エアバスのほうが約一・六倍でございます。出力のほうは二・六倍でございますけれども排出ガスのほうは一・六倍というふうになっておるわけでございます。  さらに、いわゆる最近問題になっております一酸化炭素とかあるいは窒素酸化物炭化水素というふうなもので比べてまいりますと、DC8とエアバスとを比べてまいりますと、一酸化炭素窒素酸化物炭化水素、そういったいわゆる汚染物質総量で比べますと——これは一定サイクルがございます。ワンサイクル約三十分間にわたりましてエンジンを回しました場合の比較のしかたがございますけれどもワンサイクル標準サイクルにつきまして申しますと、こういった汚染物質総量で比べました場合に、総汚染物質量が、DC8の場合は一客席当たり〇・七五キログラムでございますが、これに対しましてエアバスは〇・三一キログラムというふうになっておりまして、むしろ汚染物質総量で比べますとエアバスのほうが小さいというふうなことが出ております。  以上でございます。
  11. 太田一夫

    太田委員 排気ガスは非常に大きいけれども汚染物質総量は少ない、半分くらいだ。それが事実かどうか、私も科学者じゃないし、検討しておらないからわからないけれども、責任ある御答弁とするならば、そのことが非常にふしぎな飛行機だということになりますね。しかし、その前にもう一つ、先ほどのフェールセーフシステムですね、これは操縦を誤ることを自動的に防止する装置ということでしょう。それがあるとしても、なおかつ誤着陸あり、それからなお、この間も、日航も、全日空も、あるいは国内航空も、ともに東京千歳便が、所定コースを約二十キロずつ西にはずれて飛んでいたというような事故もあるわけで、私は機械に全部を信頼するということそのものは非常に危険だと思うし、ジャンボ化した飛行機公害が少ないということについては、それは新しいエンジンのうちはいいかもしれませんが、そのうちにまた、トンボ返りに使っておるうちにもとのもくあみになるかもしれない、そんな気もするので、これはよほど慎重に考えて結論を出していただく必要があると思う。  飛行機のことは、私はしろうとでわからないが、大体あんな重いものが飛び上がるのだから、これはよほど無理しているに違いない。無理があるに違いない。上から下に落ちるのはニュートンの原則で明らかなように、この世の中生まれてから不変の原理でございますが、下のものが、重いものが上へ上がるなんということは、よほど無理がある。ところが、この飛行機というものはふしぎなもので、進入するときの音のほうが、離陸するときよりもみな大きいのですね。それでホンにして調べてみますと、ボーイング727の100は、離陸するときは八十七ホンで、進入するとき九十六ホン、ダグラスDC8の62は、離陸するときは百二ホンで、進入するときは九十一ホン、ここはこういうふうになっておりますけれどもダグラスDC10は、離陸八十六ホンであって、進入九十三ホンと、新しい型でありますが、進入するときのほうが高音を発する。これは常識でございますか。
  12. 棚橋泰

    棚橋説明員 お答えいたします。  航空機騒音は、御承知のとおり、進入離陸とも、飛行場に近づくほど高くなるわけでございまして、ただいま先生のお話のございましたのは、どこの地点かということで着陸離陸騒音が違うわけでございます。そこで私どもが現在、航空法の御審議を願っております国際的な騒音証明制度というものを行ないます場合には、国際的に測定点がきまっております。それは進入、いわゆる着陸に関しましては、着陸する滑走路末端から二千メートル手前、それから離陸する場合には、滑走路の長さが違いますので、滑走路末端からというはかり方ができませんので、離陸開始地点から六・五キロ、この二地点をとって騒音を測定するということにいたしております。そういうふうな騒音測定方法によりまして、離陸着陸それぞれを飛行機ごとに比べるわけでございまして、そういう意味では、離陸が高いか、着陸が高いか、必ずしもいえないわけでございます。  航空機の特性は、御存じのように、着陸をいたします際には、非常偉い角度で、大体二度半から三度でございますけれども、その角度で低く進入をしてまいります。ただし、エンジンは非常にしぼって入ってまいります。したがいまして、先生おっしゃるように、着陸の場合には、その飛行機真下にいる場合にはかなり高い騒音になるわけでございます。離陸のほうは、逆に急速に上昇いたしますから、音自体は広い地域に拡散をいたします。ただし、エンジンは全開で運転をいたしておりますから、音は非常にたくさん出ますが、急速に上へ上がるために、大きな音が広い地域に拡散するわけでございます。したがいまして、その騒音が、どちらの騒音が多いかということは、一がいな比較はできないというのが実態でございます。
  13. 太田一夫

    太田委員 一がいに何とも言えないとおっしゃるんだが、一般の住民の側から見た騒音というのは、何か高い空の上のほうを飛ぶ飛行機騒音というものを問題にしておるわけじゃないんで、一番痛い騒音ですね、いま入ってきた騒音であったのか出る騒音であったのかという、この二つの区別をしてみると、飛び立った飛行機よりは入ってきた飛行機騒音のほうが大きいというのですね。これは相当地上に近いところで測定しておるでしょうね。そういうデータが発表されておりますけれども、私はふしぎに思うが、そういうことであるかもしれないと思うのです。  そこで、ちょっと聞きますが、確かに、出るときには急速度角度をとりますから早く大地から離脱をいたしますね。ところが、入るときには非常になだらかに入ってきますから、ちょうど言うと、高圧電線の下に家を建てておるようなもので、その進入路にあたるところには、これが高圧電力線であったら線下補償がもらえるわけです。ところが、入ってくる飛行機騒音の下にあるものは、その線下補償機下補償がもらえないのですね。この線下補償というか、進入航空路という道の下、その航空路の下の住民はそういう補償を元来もらってもいいものじゃないか。電気には線下補償があるが、航空機の線の下には補償がないというのは、航空機にいささか寛大過ぎると思うのですが、その矛盾はどう考えるのですか。あなたでわかりますか。あなたは騒音のほうじゃないですか。大臣でなければ……。行政上の問題じゃない。
  14. 棚橋泰

    棚橋説明員 お答え申し上げます。  先生おっしゃいましたように、進入の場合には非常に低く入ってまいりますから、騒音が高いということは事実でございますが、その場合には騒音自体真下にだけ及びますから、ちょっと離れたところでは離陸騒音のほうがきつい。それから真下のところでは着陸騒音がきついというのが大体一般論といわれております。  そこで、進入真下の部分でございますけれども、先生御承知のように、ただいまこの航空機騒音防止法で移転補償というのをやっておりますが、従来の移転補償は、飛行場滑走路末端から一定の四角く切った区域の中をいたしておりますが、いま先生のおっしゃいましたように、それでは着陸側と離陸側と音に応じた差ができませんので、実は今回の法律改正を待ちまして、音の大きさに応じて移転補償の区域指定をするということで、着陸側については、おっしゃいますように、滑走路末端から長い距離を幅狭く移転補償の対象にするというふうに措置する予定にいたしております。
  15. 太田一夫

    太田委員 局長にお尋ねしますが、いまのお話、たとえば入ってくるとき、進入路の下に所在する民家に対して補償的ないろいろな措置があるというふうに思えますが、これは、だから細長くしてあると言いますが、ほんとうに線下補償的な意味において補償の精神というものは盛られておるのですか。
  16. 寺井久美

    ○寺井政府委員 ただいま先生御指摘の線下補償ということの意味についてはよく存じませんけれども、私ども考えております騒音関係の補償という点につきましては、ただいま騒対課長から御説明しましたように、従来やっておりました長方形に区切る補償地域の定め方は適切でないということから、今回音に応じた細長い地域補償の対象にする、音の面からの補償制度ということで考えております。そういうきめ方に変えようとしておるという点を御了解いただきたいと思います。
  17. 太田一夫

    太田委員 大臣、八条の二で「住宅の騒音防止工事の助成」というのが今度新しく入ったわけでございますね。これはいまの電気の場合でいう高圧線の線下補償と同じような意味を持つとするならば、あなたのほうの騒音でも若干でも取り入れられておるとするなら、その線の引き方が、一種区域というのは非常に狭いのか、不適当なのか、それとも予算上にそういう制約があって、やむを得ず小さくしてあるのかと思うのです。たしか該当する家の数というのは、千二百戸じゃございませんでしたか、少な過ぎるんじゃないですか。
  18. 寺井久美

    ○寺井政府委員 防音工事のほうも、そういう音のWECPNLのコンターの中に入ります地域を予定いたしておりますので、結果といたしましては、進入の場合には非常に細長い地域に相なります。
  19. 太田一夫

    太田委員 だからその場合に、局長、細長くなるのはいいですよ、飛行機は遠くのほうから飛んでくるんだから。しかし、この細長さというその距離が現実に合わないんじゃありませんか。もっともっと広くあるのがほんとうじゃないですか、ということを思いますと同時に——ここで明らかにしてください。それじゃ騒音下に住む住宅の数、これは私も千二百——何戸でしたっけ、そんなわずかの数しかないということがおかしいし、そうしてそれにまた一室改造のみ認めるということもおかしいし、先ほどの食堂はがんがんいうということを大臣も認めていらっしゃいますが、食堂の改造だけやれば居間のほうができないということになるわけですね。この辺どうなんですか。
  20. 寺井久美

    ○寺井政府委員 ただいまの先生の御指摘は、予算上戸数が非常に少ないではないかという御指摘かと存じますが、民家の防音工事につきましては、現在御審議をお願いいたしております法案の改正が決定いたしました後に行なうことになっております。工事能力その他から考えまして、物理的にまず一度にたくさんの工事ができないというような点から、初年度は対象戸数を少なくしてございます。  それから、一室だけでは不十分ではないかという御意見につきましては、実は御存じのように、非常に広い範囲内の住宅を対象といたします関係上、多数の方々にこの防音工事というものが均てんする必要があるというふうに考えまして、当面まず一室から実施をしていく、二室目も漸次行なうというような方向で考えておりまして、一室で必ずしも十分であるというふうに考えておるわけではございません。
  21. 太田一夫

    太田委員 一室で十分と考えるんだったらそれはおかしいのでありまして、それはもう一室なんというのはとんでもない話だ、お茶濁しだ、こういうふうにしか言いようがない。しかし、ないよりはいいだろうというんですけれども、おなかのすいたときに米粒三つもらって、ないよりいいだろうというような話でありまして、どうも腹の足しにはならぬじゃありませんか、こう思うのです。本年度の事業費十二億、国費九億、そうすると三億円というのは大体地方負担ですね、千二百戸。  そこで、自治省にお尋ねいたしますが、自治省のほうは、この新機構に対しましては不即不離、あってもよし、なくてもよし、なるべくなら国でやってもらいたい、出資もあまり好ましくない、どうでもいいやというようなニュアンスのことを、連合審査のときに私はどうも聞いたんですが、この事業費と国の補助金との差というものに対しては、地方自治体としては、本人の負担か地方自治体で負担するのか、このことについてはいま結論はきまっておりますか。
  22. 石原信雄

    ○石原説明員 民家の騒音防止工事に対する助成につきまして、地方公共団体の関係者の意見を私ども聞いておりますが、関係者としては、直接原因者の負担としてこれは工事が施工されるべきである、したがいまして、公共団体が何がしかの助成を行なうべきかどうかについては、必ずしもそれについて積極的な意見を持っていない団体もあります。私どもとしましては、今後とも関係団体の意見を十分聞きながら、関係省とも協議してまいりたいと思います。
  23. 太田一夫

    太田委員 大臣、自治省と折衝される段階においてどういう取り組みになっておるのか明らかにしてほしいと思うのです。何かこの前のときの御説明では、地方公共団体になるべく負担をしてもらいたい、県にも補助を期待をしておるというふうなお話であったように思うのであります。それから大臣も、私はこのことについてはたいへん苦慮しておるというようなお話がありましたが、それは補助金が少ないことやら、対象にする部屋が一部屋であるということなども含めてのお話だと思いますけれども、一体、四十九年度予算は九億、十二億の事業費に九億、かりに千二百戸一室といたしまして三億の個人負担は、地方自治体に負担をしてもらうという内諾か了解が得られておるのか。いまの課長の話ではさっぱりまだ話が煮詰まっておらない。どうなんですか、どういう了解なんですか。
  24. 寺井久美

    ○寺井政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘の四十九年度予算九億、千二百戸分につきましては、私どもといたしましては、大阪府、兵庫県においてこの残りの二五%分につきまして御協力いただけるものと考えております。
  25. 太田一夫

    太田委員 自治大臣がいらっしゃいませんし財政局長がいらっしゃるわけじゃありませんが、いまは財政課長さんですね、石原さん、あなた、いまの航空局長のお話から、期待されておるというか、そういう話になっておると思うのですが、あなたとしては、自治体のほうで出すように十分財政上の措置をいま講じておるところですと言えますか。
  26. 石原信雄

    ○石原説明員 七五%の残りの分につきまして、関係地方公共団体に負担が願えないかというような話は、運輸省からも私ども聞いております。ただ、具体的に大阪府なりあるいは兵庫県の担当者に、これについてどう考えるかということを私どもたびたび意見を聞いておるのですけれども、関係自治体の意見としては、公共団体の負担あるいは助成ということは、どうも納得しかねるという意見をかなり強く持っております。したがいまして、私どもは、この問題についてはさらに関係自治体との意見調整を要するものと考えております。
  27. 太田一夫

    太田委員 大臣、あなた閣議の模様かなんか、ちょっともう一ぺん話してもらえませんか。自治大臣は何と言っていらっしゃるのか。いまの話  で、運輸省のほうとしては、二五%は地方公共団体、特に県に負担をしてもらえるものなりとして七五%の補助率をきめた。ところが、いまのお話  を聞きますと、石原さんは事務課長さんですから正直にいま現状をおっしゃったと思うのですよ  ね、政策的な配慮ということでなしに。ですから、そうしてみると、府県のほうはどうも好ましくない、気に入らない、こう言っていらっしゃる一ようですね。そうすると、これはたいへんなことになってしまうのですね。
  28. 寺井久美

    ○寺井政府委員 ただいまのお話で、府県のほうとの話し合いが十分ついていないという御指摘でございます。私どものほうといたしましては、府県と話を十分いたしておりまして、特にただいま自治省のほうからお答えになりました財源の補てんの問題でございますが、この補てんの問題につきましては、どういう形でこれを補てんするかということにつきまして、いま自治省ともお話し合いを進めておりますし、自治体の御意見も十分伺いながら進めておる段階でございます。
  29. 太田一夫

    太田委員 それでは、大臣から答弁していただいたほうがいいと思います。たとえば、ことしは交付税が、きのうの本会議の政府側、自治大臣の説明によりますと、千何百億カットされておりますから、地方財政はそれだけ困難になるという見通しが言われております。しかし、特別交付税なり何らかの財源措置をして、府県をしてその差、本年度予算で三億円、四十八年度の予算、まだ事業がなされておりませんがこれで一億円、合わせて四億円については、財政上の補てんの措置を講ずるように努力をする、決して住民には迷惑はかけないつもりだと一応おっしゃっていただきたいと思うのですが、どんなものでしょう。
  30. 徳永正利

    徳永国務大臣 いま私が答弁しようと思ったら、いろいろ言っておりましたのは、大阪府はもう現に予算を計上していただいているそうでございますし、それからいろいろといま折衝が重ねられております。住民の皆さま方に御迷惑のかからないように処置いたしてまいりたい、そのように考えております。
  31. 太田一夫

    太田委員 建設省の都市計画課長さんがおいでになっております。ちょっと建設省のほうから都市計画についてお答えをいただきたいのですが、伊丹の大阪国際空港の周辺の、本法による第一種区域というのは、都市計画法上の用途区域では何区域になっておるかということはわかりますか。
  32. 野呂田芳成

    ○野呂田説明員 お答え申し上げます。  厳格に第一種、第二種という、この法案の改正の趣旨と安き合わせはちょっといたしかねたわけでございますが、現況は、この用途地域にあたりまして、大体八十五ホン以上は準工業地域に入れるという方針大阪の場合は一度やっているわけであります。しかし、その後飛行機の数がふえたりして、現実には八十五ホンの区域がだいぶ広がっておりまして、そういう意味では、準工業だけではなくて住居系の用途地域がだいぶ第一種地域の中に入っているというふうに相なっております。  それから豊中の中心とか川西、伊丹、宝塚のようなかなり良好な住宅がありますけれども、この中ではやはり住居系の用途地域がかなり介在しております。
  33. 太田一夫

    太田委員 これは一つ私の思うことですが、本法を読んでいるうちに、一種、二種、三種と区域を定めて、第一種区域に住んでいる、いわゆる一番外側に住んでいるところの住民には、防音装置の費用を七五%国費で補助しよう、こういうわけなんでありまして、その第一種区域、外側の、この表で見ますと八五WECPNLなんというむずかしいことをいっておりますが、ホンで話してもらったほうが都合がいいと思うのですけれども、だんだんむずかしくして、これは一体何の符号だかわからないようなことでごまかしてあるように思われますが、とにかく飛行機騒音に悩まされて、防音装置をしなければ安眠もできない、会話もできないというほどの騒音があるところを、かりに第一種、第二種でなくても、単なる住居地域として、ある程度の小さい工場の混在が認められる住居地域に指定してあるにしても、都市計画で住居地域であったら、そこに空からだろうが地の底のモグラだろうが、猛烈な騒音を持ち込むことは私は許されぬと思う。どうなんですか。地の底の音だろうが、空から来る音だろうが、八十五ホンだとか九十ホンなんという音を持ち込むのはもってのほか。これは都市計画からいって、住居区域は静ひつに保たれるべきであって、そこでは健康で文化的な都市生活ができる、こういう願いを込めて都市計画法ができたでしょう。これは第二条に書いてあるのだ。空から来る音だけは、何ホンであろうとこれは都市計画と関係ないというのはおかしいと思う。建設大臣に聞きたいのだが、もう一回都市計画課長さん、それは都市計画法に触れませんか、その指定は。
  34. 野呂田芳成

    ○野呂田説明員 確かに御指摘のような面はあると思いますけれども、現実にいま私どもが指定しております用途地域というものは、市町村県から上がってきまして大臣が認可するという形態をとっております。もともと用途地域というものは、空港開設以前からありまして、かなり環境のよい住宅地が形成されておったわけでございまして、そういうところに工場とか空港ができる場合、私どもは、その用途地域を変えるということは、実はなかなか地元の話し合いもつかず、むずかしいということになります。したがいまして、その用途地域の中に入り込んでくるほうがやはり原因者でございますから、そちらが指定にあたって都市計画と合わしていただくということが基本原則になるだろうと思います。
  35. 太田一夫

    太田委員 航空局長さんにそれでは答えてもらいましょう。  いまの話がほんとうだと思うのですね。そこは住居区域できまっている上へ、大きな騒音を発する飛行機を飛び込ませてくるということの、あなたのほうにその責任がある。都市計画法をじゅうりんし、無視した騒音だと思いますが、いかがですか。
  36. 寺井久美

    ○寺井政府委員 都市計画法の関係につきましては、ただいまお答えがございましたけれども、この都市計画法自体は、航空機がこのように発達する以前からございまして、先生御指摘のように、飛行場と都市計画というものの調整が十分とれていなかったことは事実であろうかと存じます。  私どもが今回改正をお願いいたしております趣旨、主眼の点におきましては、やはり空港を中心といたしました一つの都市再開発というものが必要である、これが最も騒音対策上も好ましいということでございまして、このように音の高いものが空から来るということに対しまして、できるだけ音の被害を少なくするということのために、やはりこういう周辺整備を今後行なっていかなければならない、こう考えまして法の改正をお願いしておる次第でございます。
  37. 太田一夫

    太田委員 あなたは笑わずに話すからことがむずかしくなる。いかにも、余分なことは聞きたくないし、余分なことは言いたくないというような顔をして話されるから、腹に一物、胸に二物あるように見えますよ。もっとあたたかい気持ちで、住民の気持ちになって、いやそうなんだ、それは騒音を持ち込んだほうが悪いのだ、だから航空会社に対して、音源については徹底的にひとつ科学的な対策を講じさせて、音量の削減並びにその排気ガスを減らすことのために全力をあげて、近代科学の力のありったけをつぎ込んでやるくらいな気魄を示さずに、あなたは何か腹話術で話すから、うしろでだれか変な人がいて、あなたが前でしゃべっていると、何か声がどこからか聞こえてくるような気がして、どうもあなたの意思のように聞きとれない。  航空局長は、騒音源である飛行機に対して、住民と、都市計画法上の精神に照らして、都市計画法の精神というものは、健康にして文化的な生活ができるためにこういうような用途区域をつくるのだ、その用途区域を守られているところに対して騒音を持ち込んで、若干の補助金で事足りるということでは、何かじくじたるものがあるのではなかろうか。その気持ちをちょっと言ってもらいたいと思うのです。
  38. 徳永正利

    徳永国務大臣 お説のとおりでございます。今度の判決におきましても、住民の皆さま方に対する損害についての不法行為責任は免れないというきびしい判決をちょうだいしたわけでございます。私ども全くそのように考えて、今後いろいろな不備な点はございましょうけれども、できるだけの力を出して、いろいろな法律を補完いたしまして、この障害の除去に挑戦してまいるつもりでございます。
  39. 太田一夫

    太田委員 大臣の誠心誠意は私は信ずるのです。あなたは元来うその言えない人だと人相学的に判断をして信ずるわけでありますから、私が信じてあとで、ああ、信じたのはやっぱりだめだったかなあということにならぬように、誠心誠意を現実化してください。  最後に、時間がなくなりましたから、四十一条についてお尋ねをいたします。  四十一条、整備機構の「評議員は、周辺整備空港の設置者の職員、機構に出資した地方公共団体の職員及び航空機騒音により生ずる障害の防止に関する対策について学識経験を有する者のうちから」任命をする、こうありますが、これに対して、この間自治省の松浦財政局長のおっしゃるのは、出資は二五%くらい出資するつもりである、だから地方団体は二五%の発言権だというようなことをおっしゃっていましたが、評議員会というのは、これはあくまでも一つの決議機関といたしましてこの機構に出資したとか、学識経験を有するとかいうことの——いうなら出資しないとか、したとかいうことのほかに、これは、すべて評議員は同様の発言権を持ち、力を持っていかなければならぬと思うのです。そういう運営がされると思う。したがって、私はこの前の大臣のお話でございましたか、それは学識経験の中に入れて関係市町村の代表も入れるつもりだとおっしゃったことを私はいま忘れておりませんが、そうならば「機構に出資した地方公共団体」としなくて、「関係地方公共団体」と、いっそのように修正したほうが合理的ではないのか、こう思いますが、これに対して大臣の御所見をいただきたいと思います。
  40. 棚橋泰

    棚橋説明員 先日、さようなことをお答え申し上げましたのは実は私でございますので、たいへん申しわけございませんが答えさせていただきます。  先日申し上げましたのは、評議員というのは、先生おっしゃいますように、四十条に書いてございますように、予算とか業務方法書というような非常に重要な問題についての審議機関でございます。したがいまして、機構に出資している職員、出資している地方公共団体、それの中から選ぶというのは、これはまず当然のことでございます。したがいまして、四十一条には、まずそれは当然のことである、あと、その他の公共団体については、いろいろの関係といっても広うございますから、いろいろあろうかと思いますけれども、特に御関係の強い公共団体には学識経験のある方ということとして御参加を願う、こういうふうにお答え申し上げたわけでございます。  理由といたしましては、先日申し上げましたように、出資をした地方公共団体というのは自分が出資者でございますから、ある意味では株主のような形で参画しなければならないので、それはそれで書いてございます。それから関係地方公共団体からなぜ評議員を選ぶ必要があるかというふうに申しますと、それはそこの航空機騒音によって被害を受けられたり、そういうことでございますから、その意味航空機騒音により生ずる障害の防止対策についての学識経験と、こちらのほうで選ばしていただくというのが至当ではないか、こういうことだと存じます。
  41. 太田一夫

    太田委員 終わります。
  42. 三池信

    ○三池委員長 斉藤正男君。
  43. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 私はまず最初に、いわゆる大阪空港公害訴訟の判決が出て、それぞれの評価がされておるわけでございますけれども運輸大臣に、一口に言って、この判決を聞き、読み、どういう感じを持たれているか、率直にひとつお気持ちを吐露していただきたいと思います。
  44. 徳永正利

    徳永国務大臣 判決の全文はまだ読んでおりませんけれども、私はその判決の骨子並びに概要を読みまして、いかに運輸行政を担当しておる私の責任の重大であるかということをさらに痛感をいたしておる次第でございます。
  45. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 たまたまあなたが大臣在職中に判決があったということで、これはまあ何の因果かということにもなりましょうけれども、歴代運輸大臣が、過去において十分な施策を施してこなかった、このことが、徳永さんが在任中に判決という形で出て、率直にこれを受けとめて、今後公害撲滅のために邁進をしたいという気持ちが吐露されたわけであります。  環境庁長官がお見えでありませんけれども局長お見えでございます。私は、環境庁の使命からいって、運輸大臣とはまた違った感想を持たれて当然であろうというように思うわけでございます。特に三木環境庁長官は、判決の一週間前、原告団代表に対して、判決を待って重大決意をしている、そのときにぜひものを申したいというかっこうで、一週間前に原告団と約束をされた。昨日原告団が上京をされて会見をされましたけれども、原告団が期待をしていたような発言ではなかったんじゃないかというように思うのです。局長からお答えいただくのは恐縮でございますけれども、環境庁は、特にこの空港騒音を中心とした問題に対し、判決が出た時点でどのようにお考えでございましょうか。
  46. 春日斉

    ○春日政府委員 この判決の当不当ということにつきましては、意見を述べることは差し控えたいわけでございますが、判決航空機騒音による住民の生活妨害等につきまして国の責任を認めたということは、従来の国の対策が、環境保全という面から見まして必ずしも十分ではなかった、こういうことに対するきびしい批判として環境庁としては受けとめておるわけでございます。環境保全行政を担当する者として、今後いろいろな積極的な施策の推進をはかる必要があると考えておるわけでございます。  なお、三木長官は、判決直後の談話といたしまして、この判決航空機騒音対策を拡充する一つの契機として受けとめ、そうして当面以下のような措置を推進するということで五つの抜本的な問題を提言いたしたのでございます。
  47. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 新聞報道によれば、いま局長が申されましたように数点のことを言っております。  その一つは、関西新空港がスタートしても、環境基準を達成できなければ、廃止を含めて根本的に再検討をする。二番目は、発着便数を極力減らし、東京大阪間のジェット機を大幅に減らす。三番目は、空港周辺の防音工事、移転補償などが効果を十分あげるよう、制度と運用を改善をする。四番目に、環境保全、資源問題を考慮して、総合交通体系を抜本的に再検討する。五番目に、空港建設にあたっては、周辺の土地利用や建築制限などの規制措置がとれるような新制度を検討する。六番目に、立地基準の設定も含め、新法をつくる。  三木大臣はいませんのでたいへん申しわけないのでありますけれども、これは運輸大臣の発言ならばわかるというような面もあるし、あるいは環境庁長官だからこの程度のことは言えるだろうということもあるし、副総理だからこのようなことは言わなくちゃ、また言えるだろうというのもわかるし、いろいろわかるわけでありますけれども、だいぶん運輸行政について運輸大臣が言うようなことをずばり言っているわけであります。副総理というようなことで意識してものを言うとすれば私もよく理解できるのでありますし、また環境庁長官として、特に問題になっている空港騒音等を中心にして考えれば当然なことだというようにも思うわけでありますけれども、これらの発言は、いままでもずっと運輸省と連絡をとりつつ騒音対策に取り組んできたと思うのですけれども、そういう意味でこの発言を私は非常に重大に考えているわけであります。  したがいまして、従来から運輸省と、あるいは関係各省と連絡協調の上の発言であって、この発言には大臣としては当然責任を持てる発言だというように思うのでありますけれども、専門的に大気保全というような立場から考えたとき、局長、この大臣発言を、あなたの責任分野で今後消化しなければならない守備範囲もかなりあるわけでありますけれども、そうした大臣の発言を受けて局長としてどういう考え方を持っているか、もう一度伺いたいと思います。
  48. 春日斉

    ○春日政府委員 三木長官の談話でございますが、これはもちろん環境庁長官としての談話であり、その具体的な問題につきましては、関係各省庁とあらかじめ十分調整した上の話ではもちろんございませんけれども、私といたしましては、環境庁長官の守備範囲において発言されたものと信じております。  なお、提言されました幾つかの問題は、騒音一般の対策を責任を持っております大気保全局長も十分これは消化してまいりたい、各省庁とも連携をとりながら三木大臣の談話を推進してまいりたい、かように考えております。
  49. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 この二・二七判決で被害者も一番不満だと思っておるし私どもも全く不満だという点は、将来請求に対する判決が棄却という態度をとったことであります。特にこの判決の中で多くの住民の被害をほとんど認めていない。精神的、肉体的な苦痛、苦悩、こういうものが棄却をされたということは全く問題にならないし、ゆゆしいことだと思うのであります。現実にこの騒音あるいは振動あるいは排気ガスあるいは墜落の危険というようなもの、あるいは頭上寸前を離着陸するというような圧迫感、恐怖感といったようなものは、あの直下に住まなければわからないものでありますけれども、たいへんなものだと思うわけであります。これらによって健康が破壊されていることは事実であって、たとえば難聴だとか、あるいは頭痛だとか、乳幼児への影響だとか、あるいは学童の勉学だとか、あるいは流産、あるいは鼻出血、あるいは病気療養の長期化、あるいはいらいら、恐怖心、睡眠、通話等々ずいぶん耐えがたき被害を受けているわけであります。  ところが、この判決によりますと、こういうものに対し、ある程度わかるような気もするけれども、科学的な立証がないということで一方的に棄却をしている。「原告らがこれによって受けている被害は、現在のところ健康障害にまでは至っていないにしても、前述のごとく精神上のものに止まらず、日常生活上のあらゆる面に及んでおり、」「長年月の間には徐々に身体や精神に悪影響をきたすような場合もあり得るわけであるから、到底なおざりにすることはできない。」というような表現で、現在はない、しかしこれが長期、長時間にわたって続くならばあり得るというようなことで、あるとは断定もしていない。この辺はまことに現状から離れた解釈ではなかろうか。私は弁護士でもなければ何でもありませんので、この辺よくわかりませんけれども、全く不満です。大気保全局長としてこういうことに対しあれこれ論評は避けたい気持ちは私もわかりますけれども、しかし、環境庁の局長としての立場から言えば、この辺の裁判官の言い分に対しては不満であろうと思うわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
  50. 春日斉

    ○春日政府委員 先生の御指摘どおり非常にむずかしい問題でございます。今回の判決について、先生がただいま引用されましたように、航空機騒音による健康被害の有無の判断は現段階では非常に困難である。そして、騒音の日常生活、精神、情緒という面に対する悪影響というものは深刻かつ多岐にわたる、こういうふうに認めていながらも、じゃ騒音と病気との因果関係、たとえば高血圧なり胃病なりそういったものとの因果関係はどうかというと、これは現段階では認めがたい、こういうような判決になっておるわけでございます。医学的な立場から見れば、この判断というものは、やはり現状においては肯定すべきものではなかろうかと私は考えております。しかし、環境庁といたしましては、騒音と疾病の問題はきわめて重大な問題と受けとめておるわけでございます。したがいまして、当面医学的な基礎研究、これは臨床面、疫学面から推進する必要があろうかと、これは十分考えておる次第でございます。
  51. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 騒音が人体に与える影響、特に激甚な騒音が健康に及ぼす影響というようなものは、何も今日新しく出たことではない、長年いわれてきたわけであります。これらに対しまして、やはり航空騒音があるいは交通騒音が人体に与える影響というようなものを、当然環境庁なりあるいは運輸省は権威ある機関を設けて調査をしてなければならないと思うのです。今日こういうような指摘があり、あるいは被害者の要求があったから取り組みたいということではおそいと思うのですけれども、一体いままでこういう交通公害が人体に与える影響といったようなことでどれほどの取り組みをしてきたのか、環境庁並びに運輸省の答弁をいただきたい。
  52. 春日斉

    ○春日政府委員 御指摘どおり、騒音と疾病の問題、これは医学的な立場から見ても非常におくれておるわけでございまして、行政面で申しますと、労働環境と申しますか、職場環境での定常騒音の健康に及ぼす影響というものはかなり調べられておりまして、御承知のごとく、百ホン以上の定常騒音の職場は有害職場として指定されて、いろいろな処置が行なわれ、それから検診をたしか一年に二回でございますか、そういうようなことも行なわれておるわけでございますが、航空機騒音あるいは鉄道騒音のごとき間欠的あるいは衝撃的騒音の場合につきましては、確かにおくれていることは私どもも同感でございます。  環境庁といたしまして過去どういったことをやったかと申しますと、これはまだ厚生省当時でございますが、四十四年から三年にわたりまして、航空機騒音と健康の関連についての若干の調査を行なっておりますが、決して十分なものとは私どももちろん考えておりません。四十九年度の事業といたしましてもこの点はさらに追試し検討いたしていくつもりでございます。
  53. 寺井久美

    ○寺井政府委員 運輸省といたしましても、本件については重大な関心を持っておりますが、現在までこうした原因究明の調査等につきまして、先生御指摘のようにあまり十分な成果をあげておりません。私どもがいたしました調査の一つといたしまして、難聴関係の調査、これは航空機騒音防止協会のほうで東大に委託いたしましてお願いをしてまいっております。それから鼻出血につきましても、これは調査という段階でございませんで、診断をお願いいたしましたけれども、因果関係等につきましては結論が出ておりません。
  54. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 新聞報道ですから間違ったら訂正してくださいよ。この被害について被告の主張というのは——被告は国であり、特に運輸省であり、航空局長は当面の責任者だと思うのだけれども、「航空機騒音による身体的被害は学問的に明らかでない。主観的訴えはあるが、医師の診断書等で具体的にはっきりしていない。精神的影響は主観の問題だ。通話、テレビ等の障害には防止、補償対策がとられている。騒音の間欠性、慣れに空港の公共性、諸施策等をあわせ考えれば社会生活上、受忍できる程度の被害である。」これもこのとおり言ったかどうか知りませんよ。それは新聞社が、活字の都合もあるだろうし紙面の都合もあるから、要約してこういうように載せたと思うのですけれども、これは開き直った弁解であって、裁判ということになって、被告、原告に分かれ争うということですから、主張の気持ちはわからぬでもありませんけれども、少なくもこれは私企業じゃないのですよ、国ですよ。国の主張としては、ちょっと開き直った言い方ではなかろうかというように思うのですよ。「精神的影響は主観の問題だ。」なるほどそれは主観ですよ。しかし、あの激烈な爆音を聞かなければどうも寝つかれぬという人があるかどうか。あの下に住んだら食欲が進んだという人があるかどうか。あの下に住んだら子供の勉強が成績が非常にあがったというケースがあるかどうか。あるいは乳飲み子が非常に発育がよくなったというような例があるかどうか。いずれも私は常識的にいって逆だと思うのですよ。あの激しい爆音や振動や衝撃が子守歌のようで気持ちがいいというようなことはあり得ないと思うのですよ。  そういうことから考えると、なるほど先ほど、若干の調査はやったけれども、権威ある機関からの具体的な因果関係の報告がなかったので、ということでありますけれども、私は、申しわけ的にやったことであって、本格的に取り組んだとはいえないと思う。しかし、環境庁ですら、これから勉強しなければならぬ、こう言っているのですよ。運輸省は、当然こうした問題については積極的に、権威ある機関を設けてさっそく取り組むべきだというふうに思うのでありますけれども、その点はいかがでございますか。
  55. 寺井久美

    ○寺井政府委員 先生御指摘のように、この騒音と身体障害の因果関係につきましては、私ども環境庁とも御相談をいたしまして積極的に調査を進めていきたいというふうに考えております。
  56. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 調査をしていきたいと思いますとかなんとかいうのですけれども、この道の権威ある専門家というのも、少ないかもしれませんけれどもあると思うのですよ。そしてまた、こういう人たちが願っているのも、やはり具体的な根拠に立った臨床データから、しかじかかようの因果関係があるということを出してもらいたいと思っているのも、被害者としてはわかると思うのです。幾ら訴えたって通じない、こうこうこうだと言ったって、いやそれは科学的な証明がないじゃないか、それは主観だよということで退けられている以上、やはり被害者といえども、そんなばかなことはない、これほど苦労しているんだ、これほど悩んでいるんだと言っても、救済の措置がないということになれば、加害者である国が、責任をもって斯界の権威を集めて、公平な第三者機関を設けて、一刻も早くこの因果関係を追跡をするという必要があると思うのですよ。大臣、この辺、責任ある答弁々ひとつお願いしたいと思うのです。
  57. 徳永正利

    徳永国務大臣 環境庁におきましても、そういうものを、どういう機関をつくるかは別といたしまして、その追跡をやるということでございますし、私どもも、御指摘のように、当然そういう因果関係と申しますか、因果関係を追及するのはもちろんのこと、それを乗り越えた行政の措置というものはとってまいらなければならないと思います。具体的な問題等につきましては、いずれ御報告さしていただきたいと思います。
  58. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 春日さんにもう一点伺いたいのですけれども、特に三木長官は、環境権ということでその後発言をされておりまして、「日照権とか静穏権といった個々の概念としてはすでに定着化の方向にある。しかし、環境権は法概念としてはまだ熟していない、いわば“若い権利”だ。そこで、まず政治理念としての環境権を確立していきたい」すなわち、二・二七判決ではこの環境権なるものが棄却されたような形になっているわけであります。  そこで、多分に日照権とか静穏権とかいうものが環境権の中の一部だというようにいわれておって、やや日照権とか静穏権というのが概念としては定着化の方向にある、こういうように言われておる。局長は、この環境権の中にその日照権、静穏権というようなもの以外にまだ何かあるというようにお考えでしょうか。私は、日照権、静穏権というのは、環境権という一つの概念があって、その一部に日照権もあるし静穏権もあるしというように思っているので、環境権というのと日照権あるいは静穏権というのが同じ並列の段階のものではないというように思うのですけれども、これはしろうとの考えですが、その点はいかがですか。
  59. 春日斉

    ○春日政府委員 実は、私も法律を専攻いたしたわけではございませんので、法律的な意味での環境権の問題につきまして知識がございませんけれども判決で申しております環境権の否定は、環境権というような新しい拡張した概念を持ち出すまでもなく、従来から認められておる人格権というようなもので対処できるのではないか、まあこういうような主張のように私は感じたのでございます。  で、環境権も人格権もそれでは法的概念としてどのくらい違っているかと申しますと、これまたいろいろ論議があろうと思いますが、法律の立場で申しましても、健康で、あるいはいい環境に住みたいという権利は、これは当然あるはずでございます。     〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕 これを、ある場合には人格権と言い、それを拡張した意味での環境権というものもあるのかもしれませんし、それの一種の具体化されたものが日照権なのかもしれません。私は、先生がおっしゃっておるように、日照権と環境権というものが並列にあるものではなくて、むしろ環境権の中の一つの具体化されたものが日照権というふうに感ずるわけでございまして、先生の御所見に対して賛意を申し上げるわけでございます。あくまでも私は法律的なしろうとでございまして、回答になっていないのを申しわけないと思います。
  60. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 裁判官が頭が古いのか、あるいは時勢にうといのか知りませんけれども、今日段階において、いわゆる環境権あるいは人格権、その中に含まれるであろう日照権とか静穏権とかいうふうなもの、これは特に今日の環境行政の上で、あるいは環境保全の上で、もはやそういうものがあるとかないとか論議をする時代ではないと思うのです。当然、憲法に保障された健康にして文化的な生活という中には網羅されていることであって、こういう点については、私は環境庁はやはりその名が示すごとく、環境権について個人の権利あるいはその尊厳さ、あるいはその確保のための努力というようなものは、声を大にして叫ばなければならない主管の省であろうというように思うわけでありますけれども、まあ専門的なことばの解釈はとにかくとして、環境行政をつかさどる最高の責任者としての環境庁長官あるいは局長等が、この環境権、人格権等についてもっと定着させ、さらにその権利を主張するような方向で国民に臨むべきだ、このように思うわけでありますけれども、いささかこういう点について環境庁の認識が足りないではないか、もっと強調すべきではないかというように思うわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
  61. 春日斉

    ○春日政府委員 この問題につきましては、私どもも十分勉強いたしてまいりたいと考えております。  ただ、環境庁といたしましては、いささか次元が違いますが、環境基準というものを公害対策基本法の中で提唱いたしておりまして、騒音、それからいろいろな大気汚染物質、あるいはにおいの問題等々につきまして環境基準を設定いたしたい。環境基準と申しますのは、国民の健康を維持し日常生活を保全するに足りるような望ましい行政的な目標値、こういうことにいたしております。したがいまして、この環境基準を達成するために、さらに具体的な排出規制と申しますものを設けて、その環境基準の達成に努力いたしておるわけでございまして、環境権のきわめて具体的な、次元の違った話ではございますが、そういう意味で環境庁も行なっておるということであります。
  62. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 先ほど大臣から太田委員の質問に答えられて、減便が直ちに実施をされるということを承りました。私は試みに、朝七時から夜十時までに、各時間帯に分けて伊丹空港の離着陸便数をここで発表していただきたいと思います。
  63. 寺井久美

    ○寺井政府委員 本年二月一日の実績をとって御紹介申し上げます。  午前七時台から一時間おきに申し上げますが、午前七時台二十二便、八時台十八便、九時台二十七便、十時台三十四便、十一時台二十八便、十二時台三十便、午後の一時台三十三便、二時台二十三便、三時台二十六便、四時台三十四便、五時台三十一便、六時台二十六便、七時台二十六便、八時台二十五便、九時台十八便となっておりまして、そのあと特に午後九時から十時までの間におきましては、定期便が十八便、不定期便その他ゼロとなっております。
  64. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 ただいま時間帯の、これは二月一日現在ですか、(寺井政府委員「さようでございます」と呼ぶ)発表がございました。全日空並びに日本航空は、直ちにこの九時台の離着陸についても善処をするかのごとき発表をいたしております。しかし、これは間引きならばわかるのですけれども、圧縮では私はそれほど効果はないと思うわけであります。今後ダイヤの編成にあたって、当然これは航空局へ報告があり、許可を求めることであろうと思うのでありますけれども、いま局長から発表されたこの時間帯の飛行便数は、一体、定期、不定期を含めてのものであるのかどうなのか。もし不定期が含まれているとすれば、この時間帯のどこの部分に不定期何便が入っているのか、それをひとつ知らしてください。
  65. 棚橋泰

    棚橋説明員 お答えいたします。  ただいま御説明いたしました数字の中に二十二便不定期が入っております。失礼しました。不定期便と申し上げましたが、不定期便その他、たとえば航空局の検査用の飛行機とかいろいろな飛行機がございます。それを全部含めてでございます。二十二発着入っております。  時間帯といたしましては、ほとんどが昼間大体十時から夕方の五時までの明るい時間帯ということになっております。
  66. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 こんなものを秘密にしたって調べればわかることだから、十時から五時までの間の明るいうちと言わないで、時間帯ごとに、ある日にとった資料を言ってください。
  67. 棚橋泰

    棚橋説明員 ただいまちょっと私間違えまして、二十五でございました。失礼いたしました。不定期便が三便ございまして、その他が二十二ございまして、二十五でございます。  いまの先生の御質問、ちょっと聞き落としましたが、それの時間帯別の配分と存じます。  十時台が二、十一時台が二、十二時台が四、十三時台が五、十四時台が二、十五時台が一、十六時台が五、十七時台が二。それから、たいへん失礼いたしましたが、先ほど落としました三のうちの二が十八時台に入っております。不定期便二が十八時台に入っております。
  68. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 ほぼ時間帯の定期便、不定期便その他を含めて離着陸がわかったわけでありますけれども、問題は、この午後九時台の便をやめるということになり、あるいは減らすということになりましても、これが繰り上がればいいんだということではないと思うんですね。どの時間帯でもいいことではないけれども、特に早朝と夜間は困る。したがって早朝、夜間をやめて昼間へ持っていくということでは、減便意味というのは私は半減すると思うのです。  ここで大臣に確固たる決意を伺いたいのは、需要があるから供給がある、あるいは供給があるから需要があるというイタチごっこみたいな、鶏と卵方式の議論は私はしたくない。現実に各航空会社やあるいは旅行あっせん業者が、どういう大阪への旅客の宣伝をしているか。ここに運輸省として直ちにとれる減便への施策が私はあると思うのです。むしろ過大な広告をして、大阪へ集まる旅客を、航空会社なりあるいは旅客あっせん業者が募集をしているというようなことが、需要を増大させている大きな理由ではなかろうか。したがって、そのようなことはまかりならぬ、伊丹空港の現状にかんがみ、誇大な宣伝をし募集をするなというような行政指導は直ちにできると思うのですけれども、いままでそういうことをおやりになったことがあるかどうか。もし、やったことがないというならば、直ちにやるべきだと思うのですけれども大臣の所見を伺いたい。
  69. 徳永正利

    徳永国務大臣 先生御指摘のように、便は圧縮では意味が薄いわけでございまして、これは削減でなければならぬ、九時以後なんという問題は、やらぬよりいいかもしれませんけれども、とにかく圧縮よりも削減に大きな意味を持っておると思います。それは全く同感でございます。  それから、旅行業者等に対する指導は、いままでもやっておるそうでございますが、これを契機になお一そうのそういう面に対する行政指導を強めてまいりたいと思います。  それから、需要のあるところに供給だということのお話でございますが、もちろんこれは全然無視するわけにはまいらぬと思いますけれども、いままであまりにもそれを追いかけ過ぎたきらいは、ひとりこの問題ばかりではなくあると思います。そういうような面は、今後は騒音公害等も含めて見直さなければならない、かように考えております。
  70. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 やや具体的な問題を伺いたいと思いますけれども、機構ということばが出てきました。私はあまり特殊法人の数とか性格とかは知りませんけれども、少なくとも法律によって機構とうたった法律というのは数少ないと思うのですけれども、何か前例にこういう形の法人組織がございますか。
  71. 棚橋泰

    棚橋説明員 お答えいたします。  ただいますでに成立しております法律といたしましては、小型船舶検査機構というのが、これと同じような性格のものでございます。ただ、国会に法案を提出いたしました際の機構という名前は、この法案のほうが早かったかおそかったか、ちょっと記憶がございませんが、ほぼ同じころだったかと存じます。
  72. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 当法案は継続審議でございますし、小型船舶検査機構が出た船舶安全法の一部改正も前国会で成立したものであって、どちらが先とかあととかということではないのですけれども、いみじくも運輸省が出した二法案にこういうことばが出てきたわけであります。これは、公社とか公団とかなんとか、ほかのいまたくさんある機関の名前が使えないという法的な理由が何かあるのですか。
  73. 棚橋泰

    棚橋説明員 お答えいたします。  実は、この法人の性格は、公社、公団、事業団と若干違うわけでございます。御承知のように、公社、公団、事業団というのは、法律が成立いたしますとすぐに義務的に設立される、こういう性格を持っております。それに対しまして、との機構は、いわゆる認可法人というものでございまして、発起人がありまして、その発起人からの申請によって、妥当である場合には認可をして国がこれに出資をするという性格を持っております。したがいまして、法案の立案の段階におきまして、公社、公団、事業団類似の名称は使用できないということになりまして、しからばあといわゆる認可法人にはどういうような名前のものがあるかということをいろいろ調べましたところ、たとえばセンターとか、そういうような性格はございます。ただ、センターというのは、全国に一本のような場合に大体使っておるようでございますので、こういう空港ごとにというものについては必ずしも適当でないということで、実は御承知のとおり、この法律予算の段階では第三セクターと仮称しておったわけでございますが、第三セクターと申しますのは民間からの出資があるものをいうのが通常であるというような話もございまして、この名前も使えないということで、いろいろ考えました結果、機構という名前をこれに当てはめたわけでございます。小型船舶検査機構がどういう理由でこれと同じ名前をお使いになったかはつまびらかではございませんが、小型船舶検査機構のまねをしてつけたわけではございません。私どものほうが先ではないかというふうに思っております。
  74. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 先だからりっぱだとか、あとだからとろいとかと言っているのではないのです。全く新しい名前になっておりますので、その由来をお尋ねしたわけでありますが、説明によってわかりました。  そこで、この機構が出発するには、出資金を地方自治体にお願いをすることになっておると思うのですが、たとえば伊丹の場合は兵庫、大阪両府県にまたがっている。したがって地方自治体の出資も、大阪と兵庫が出資をしなければ、この機構としてのスタートはできないんじゃないか。これが福岡とかあるいは新東京国際空港だとかいうような場合は、地元というのは福岡県でありあるいは千葉県であるということで、一県が出資をすればそれで事成れりと思うのですけれども、関係自治体が二つになっているという場合は、これは二つとも条件を満たさなければ、機構としての資格を備えないという解釈なんでしょうか、その点はいかがですか。
  75. 棚橋泰

    棚橋説明員 法律の条文上の法文の解釈としての御返答と、それから今回設立を企画しております場合のお答えとはいささか違うかと存じますけれども法律上の条文では、「政府及び関係地方公共団体が出資する額の合計額とする。」と書いてございますので、政府だけないしは地方公共団体だけということはあり得ない。政府と、出資をするときめた地方公共団体の出資額の合計である、かように解釈できるかと存じます。  ただ、大阪につきましては、すでに予算におきましては国が七五%で、残りを大阪府、兵庫県に出資をしていただくということは再三明らかにいたしております。  それからもう一つは、この機構が設立されます場合の前提条件として、周辺整備計画というのを策定するということになっておりまして、その周辺整備計画の策定をされる方は地元の府県であるというふうに明らかになっております。これは法文で明らかになっております。その際、空港が二府県にまたがる場合には二府県の共同である、かように書いてございますので、それらから類推解釈をいたしまして、大阪につきまして、片一方だけの地方公共団体の出資で機構が設立できるということはむずかしいだろう、かように考えております。
  76. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 この間の自治省財政局長の発言等々からいたしますと、自治省としてこの法案に対してあまり乗り気でない、かなり冷淡だという印象を私は受けたのであります。これは自治省として、やはり事、金を地方自治体が負担をする問題になればああいう気持ちも私はわからぬではない。  そこで、なぜ関係地方自治体が出資をしなければならぬのか、あるいは事業を推進するにあたって、関係自治体のうち市町村まで負担をしなければならないのか。いや市町村は全く関係ない、事業費の中でも全く金は取りませんというならばまた別でありますけれども、私は国が元凶であり加害者だというならば、発生源が全額持ってあたりまえじゃないか、なぜ出資金なり事業費について自治体が持たなければならないのか、どうしてもわからぬのです。それをあなたは、いや飛行場があることによって関係市町村には便益が供与されていると言うかもしれませんけれども、便益というのはどんな便益が供与されているのか私はよくわからないのですけれども、どういう根拠ですか。
  77. 棚橋泰

    棚橋説明員 先生おっしゃいましたように、飛行場に便益があるので、この機構に出資をしていただくとか事業費を分担していただくという考えでは毛頭ございません。  実はこの機構の行ないます仕事は、大きく分けて二つございまして、一つは、たとえば周辺に緩衝地帯をつくるとか、移転補償を国にかわって行なう、ないしはそのための代替地を造成するという、いわゆる飛行場の設置者として当然騒音対策上やらなければならない義務を肩がわりするという性格が一つでございます。それからもう一つの性格は、さらにそれより広い地域についての再開発でございます。  この再開発は、もともとは地方公共団体が責務と権限をお持ちになっておやりになる仕事でございます。ただ今回の場合に、特にその再開発を促進しなければならないということには騒音一つの大きな原因になっておるわけでございます。したがいまして、騒音が原因になっているという点については、国ははっきり責任をとって、その分には金も出しますし、出資もいたします、こういう考えでスタートいたしております。したがいまして、その一の部分、最初に申し上、げました部分についてはこれは全額国が行なう、それから残りの部分については、元来地方公共団体も責務、権限をお持ちでございますから、しかし原因が騒音でございますので、それば国と地方公共団体とが金を出し合ってやろう、こういう趣旨でこの機構のアイデアが出たわけでございます。したがいまして、その意味において地方公共団体に出資をしていただきますし、事業費も一部その範囲内において持っていただく、これは地元大阪府、兵庫県との間のお話し合いで明確にそういうふうに解釈をしております。  なお、市町村についてこの機構の事業費その他について分担をしていただくというような計画は、ただいまのところは全然ございません。
  78. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 まあ運輸省なりの説明はわかりました。最後に私は、この機構が設置をされて、周辺の騒音対策にいよいよ着手をするということが、関係するもろもろの交通騒音、あるいは交通振動、あるいはテレビ、ラジオ等々の難視聴といったようなものの対策に影響するところを若干心配をするわけであります。防衛庁あるいは防衛施設庁が基地周辺に行なっている騒音・振動対策、あるいは建設省がどうしても取り組まなければならないであろう高速自動車道路周辺の騒音、振動、場合によっては日照権の補償、あるいは国鉄が手がけております新幹線を中心とした騒音・振動対策等々いろいろあるわけであります。しかし、法律を改正をし、新しい機構をつくり、不十分といえども本格的に対策に乗り出すという意味では、私は国の責任において行なう最初の公害対策だと思うわけであります。これがもろもろの今後のこうした交通公害対策の一つの基準になると思うのであります。  したがいまして、この運用にあたっては、ぜひこの本意を関係住民にも知悉、徹底をさせ、関係自治体にも十分な了解を得て、いやしくも押しつけがましい態度はとるべきではない。あくまでも被害者住民の立場に立ってものごとは進めなければならぬ。だいぶ誤解もあるようでございますから、この辺は十分納得をしていただいて取りかからないと、あとあといろいろな問題を残すのではなかろうかというように思うわけであります。いずれにいたしましても、交通公害の対策として本格的に法律をもって初めて対処する機関でございますから、それは慎重でなければならぬし、これがまた他の関係へのブレーキになるというようなことがあってはならぬと思いますので、内容はきわめて不十分であり、納得できませんけれども、もしこの法律案が可決、成立をし、実施というときには、慎重な配慮とともに、前向きでひとつ取り組まなければならないだろうというように思うわけでありますけれども大臣の所見を伺って、質問を終わります。
  79. 徳永正利

    徳永国務大臣 御指摘のとおりと思います。この法律は必ずしもこれで万全とは思いません。なお今後もいろいろ改正をして、前向きに検討してまいらなければならないものだと思いますが、当面提案いたしておりますこの法律案に基づきまして、御可決いただきました暁には、十分住民皆さん方の立場に立って謙虚にその対策を進めてまいるつもりでございます。  なお、この法律が他のいろんな対策についてブレーキになることのないようにというお話でございますが、全くそのとおりでございまして、今後、不足の面はまたいろいろ御指摘もいただき、私どもも努力いたしまして補完し、予算面においても拡充強化をしてまいりたい、そのように努力いたしたい、かように考えております。
  80. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 終わります。
  81. 佐藤守良

    佐藤(守)委員長代理 木下元二君。
  82. 木下元二

    木下委員 去る二月二十七日に大阪国際空港夜間飛行禁止等請求事件の判決が下されました。この判決は、住民の生命、健康よりも航空会社の利益を優先して認めたものでありますが、この点はきわめて不当なものであると思います。ところが、この不当な判決でも、国側の騒音公害についての不法行為責任を明確に認めております。判決内容のこまかい点につきましてはこの段階で聞きませんけれども、この国に不法行為責任があるという点を認めた点につきましては、運輸大臣はこの点はお認めになるというふうに伺っていいわけですか。
  83. 徳永正利

    徳永国務大臣 法律的な解釈によって一審の判決が下されたわけでございますが、私はそれを謙虚に受けとめております。と同時に、行政の責任者といたしまして、そういう行政的な立場からその責任を痛感しておる次第でございます。
  84. 木下元二

    木下委員 航空機騒音によって生じる障害が著しいと認めて指定されます第一種区域の住宅につきまして、防音工事に関して助成の措置をとるということになっております。第八条の二であります。この民家の防音工事助成対象地域というのはWECPNL八五以上と政令で定めるというふうに聞いておりますが、なぜWECPNL八五以上ということになるのか。     〔佐藤(守)委員長代理退席、加藤(六)委員長     代理着席〕 また、この防音工事の助成をいつまでかかってやろうという計画なのか、伺いたいと思います。
  85. 棚橋泰

    棚橋説明員 お答えいたします。  御承知のように、民家の防音工事を法制化いたすことになりました発端の一つに、環境庁から勧告がございまして、WECPNL八五以上のものについてはさような措置を講ずるようにという勧告をいただきました。それに従って八五ということに一応定めておるわけでございます。  それから、何年計画かということでございますが、これは空港ごとによって違ってまいるかと存じますが、先生御想定になっておられると思います大阪国際空港につきましては、大阪空港周辺整備機構の成立をまって、これに事務を取り扱わせるつもりでございますが、その計画の中では一応七カ年ということに試算をしてございます。
  86. 木下元二

    木下委員 七カ年——八年と違いますか。つくられた計画を見ますと八年になっておりますが……。
  87. 棚橋泰

    棚橋説明員 御承知のように、法案を提出いたしましたのは昨年でございまして、一年間かかっておりまして、その予算は、四十九年度において一括して消化をするということに計画をしておりますので、さような意味で七年と申し上げたわけでございます。
  88. 木下元二

    木下委員 昨年末に環境庁が中央公害対策審議会の答申に基づいて環境基準を定め、これを告示したのであります。住宅専用地域についてはWECPNL七〇以下、それ以外の地域の場合には同じく七五以下ということになっております。  この環境基準が定められまして、達成期間というのが設けられる。まあこれは問題でありますけれども、達成期間が経過しても達成しないときに——達成期間で達成しないときというのは住居専用地域で七〇以下にならないときでありますが、その場合には防音工事等を行なうというたてまえになっておるのです。しかるに、運輸省のほうのWECPNL八五以上について防音工事の助成を行なうということにいたしますと、環境庁の示されました方針と違うように思うのですが、この点はいかがでしょうか。これは、同じ国の機関でありながら、それぞれ方針、基準が違うということでは困ったことでありまして、この場合、ことに環境基準にかかわる問題でありますので、当然、環境庁が示す基準に運輸省は従うべきだと思うのでありますが、いかがですか。
  89. 棚橋泰

    棚橋説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、ただいまの計画を定めました時点ではまだ環境基準が明らかでございませんでしたので、一応事業の積算としてはさように組みました。それから、環境基準の達成は、環境庁の勧告に従ってそれが達成できるように努力をするのが当然でございます。ただ、私ども考えております基準達成の方策は、防音工事のみではございませんで、中央公害対策審議会の御答申にもございますように、音源対策とそれから周辺の防音工事を含めた周辺対策をあわせて行なうようにというふうな御答申をいただいております。したがいまして私どもは、片一方で周辺対策、防音工事というのを行ないますとともに、あわせて音源対策というので、騒音のコンターというものが大幅に縮まるような努力をすべきだ、かように思っております。  その意味で八五WECPNLを当面対象として、そして五年間たった時点においてそれが環境基準に達していないというおそれがある場合には、それなりの措置を講ずる必要があるかと思います。  なお、中央公害対策審議会の御答申でも、そこらの点をおもんばかられまして、とりあえずWECPNL八五の中の地域について着手をするというような趣旨のことが書かれてございます。
  90. 木下元二

    木下委員 そういたしますと、このWECPNL八五以上について防音工事の助成を行なうというのは、とりあえず当面の措置だというわけですか。とりあえず当面の措置であって、環境庁の示す環境基準の達成に万全を期してその努力をする、達成期間にどうしても達成しないときは、防音工事をさらに行なって、七〇以下になったのと同様にする、こういうふうに伺っていいわけですか。
  91. 棚橋泰

    棚橋説明員 環境基準の五年達成目標では室内で六五以下、かようになっておるかと存じます。大体、防音工事の効果は二〇ないし二五デシベルというふうに考えておりますので、さような線に沿って実施をしたい、かように思っております。  そこで私どもは、先ほど申し上げましたように、音源対策で大幅にコンターを縮め得るというふうに思っております。しかし、その対策その他についてその見通しが得られないような場合には、環境基準の線に沿ってその計画をその時点において手直しするのは当然のことと、かように存じております。
  92. 木下元二

    木下委員 その環境基準は七〇以下にならないときには防音工事をするんだ、これは達成期間が経過した後ですが、そうなっておるのに、運輸省の案では八五以上について防音工事の助成をする。その矛盾は一体どう解消するのかということを聞いているのですよ。それに対しまして、あなたは先ほど、防音工事の助成を八五以上についてするというのは、とりあえず当面のものだというふうに言われたように思うのです。そうではないのですか。
  93. 棚橋泰

    棚橋説明員 環境基準の達成目標値には、「五年以内に、八五WECPNL未満とすること又は八五WECPNL以上の地域において屋内で六五WECPNL以下とすること。」この線には近づけるように、もしそれが音源対策その他で不十分であるならば、当然その方向に向かって計画を手直しするというのは当然なことだ、かように申し上げておるわけであります。
  94. 木下元二

    木下委員 それは、いまのは改善目標ですね。改善目標というのは、達成期間というのが「十年をこえる期間内に可及的速やかに」という設定があって、そしてその中間目標的なものとして改善目標というものが設定されておる。そこでそういうふうにうたわれておるわけですね。そして、その改善目標と運輸省の出されておる案の八五以上については、工事の助成措置をやるということとがまさに一致をするわけなんですね。  そういたしますと、その運輸省の計画では、先ほど言われました八年が七年になったわけでありますが、その七年というのは少し長きに失するのではないか。この環境庁の改善目標では、五年以内にやると書いてある、だから、これは当然これに合わせるべきだと思うのですよ。もっとも、これはさっきもあなた初めにちょっと言われましたけれども、この運輸省の案が出てきた時点では、これはまだ環境基準というものは設定されてなかった。この運輸省案というのは昨年の一月か二月か、あるいはその前後に出てきたと思うのでありますが、その後に環境基準というのはつくられた。正確につくられたのは昨年の十二月であります。したがって、そういう時期的なズレがあってそういう不一致が生まれたとは思うのですが、これは少なくともいまの段階で環境基準がこういうふうに示された、改善目標、中間目標もきめられたわけであります。そうだとすれば、運輸省案も当然これにマッチをさせるようにすべきだと思うのです。そうでなければ、この運輸省の線と環境庁の線と食い違った形が残る。いかがでしょうか。これはぜひ改めていただきたいと思うのです。
  95. 棚橋泰

    棚橋説明員 当委員会で前にもお答え申し上げたと思いますけれども、私どもの周辺整備機構の計画というものは、運輸省が予算の要求等をいたしますときに試みに計算した試算であるということを繰り返し申し上げておると思います。政府としてこの案が確定しておるというものではございません。ただ、おおよそその程度の事業を予定しておるという計算基礎としてお示しをしたわけでございます。その中に七年間の計画を組んであったということでございますので、その点につきましては、その後環境基準等も出ましたので、当然それなりの措置は講じなければならない、かように思っております。  それで、実は御承知のように、昭和五十年を初年度といたします第三次空港整備五カ年計画を騒音対策を中心に練るということになっておりますので、当然、先生の御指摘のような点を含めて、その計画の中で検討を行なうべきだ、かように思っております。
  96. 木下元二

    木下委員 運輸大臣に伺いますが、いまの経過でおわかりのように、このように運輸省案と環境庁の環境基準とは幾らか不一致の点があるわけでありますので、当初の運輸省案にこだわらないように、七年計画というふうなことではなくて、この環境基準に示された改善目標、五年以内に八五WECPNL未満とすること、これ以上の地域においては屋内で六五WECPNL以下とすること、これに合わせるように防音工事をやっていただきたい。
  97. 徳永正利

    徳永国務大臣 そのようにいたします。
  98. 木下元二

    木下委員 第二の問題でありますが、この防音工事を行なうのは、あくまで建物の所有者等の権利者であります。特定飛行場の設置者、すなわち運輸大臣は、その工事に関して単に助成の措置をとるということにされております。助成の措置と申しますのは、一般的にはいろいろの態様があろうと思われますが、本法案の八条の二の問題としましてどのように考えておられるか、簡単でけっこうですから。
  99. 棚橋泰

    棚橋説明員 八条の二では、防音「工事に関し助成の措置をとるものとする。」かように書いてございます。したがいまして、これにつきましては、いろいろな形の方法があり得るかと思っております。たとえば、ただいま御説明しました、周辺整備機構がこの工事を行ない、それに対して助成をするというような意味の間接助成というようなものも可能かと思っております。その点につきましては、法案が成立いたしました後において、補助要綱その他において政府部内で明確にするということでただいま検討中でございます。
  100. 木下元二

    木下委員 この大阪空港公害訴訟の判決が示しましたように、国は空港周辺の住民に対しまして騒音公害の被害を与えておるのであります。不法行為の加害者なのであります。だとすれば、これによって生じた被害の賠償とともに、将来にわたって被害が生じないように国が万全の措置を講ずべきことは当然であります。その措置の一環として防音工事をするというならば、これは助成の措置というよりも、国の責務としてこの防音工事を全額国の負担において行なうというのがたてまえでなければならない、こう思うのでありますが、運輸大臣、いかがでしょうか。
  101. 寺井久美

    ○寺井政府委員 ただいまの防音工事に関連いたします御質問でございますが、まず、判決が現在確定いたしておりませんので、国の義務としてやるかどうかというような点につきましては、御返事を差し控えさしていただきますが、私ども考えておりますのは、騒音対策全般の一環として民家の防音工事を行なっていくという考え方でこの法案ができております。
  102. 木下元二

    木下委員 だから、私は一番最初に運輸大臣に伺ったのであります。この空港訴訟の判決をどう受けとめるか、こまかい内容等についてはともかくとして、国が騒音公害をまき散らして住民に加害行為を行なった、その不法行為責任は認めるかどうかと伺ったのであります。大臣はこれをお認めになるという答弁をされておるのであります。いまのお話では、判決が確定しないから云々というようなことを言われる。それは困りますよ。少なくとも加害行為の責任はお認めになるのでしょう。これは私は、不法行為とか加害行為とかいうこと以前に、それはそれとして、それ以前の問題として考えましても、とにかく空港設置によって生じた騒音であることは間違いないのですから、住民側には何ら責めがない、これは明らかなところなんですね。そうだとすれば、これは全額国の負担ということは当然の措置でなければならないと思うのです。いかがですか、大臣
  103. 徳永正利

    徳永国務大臣 私、先ほど申し上げましたことは、行政の責任者としてその責任を痛感しているということを申し上げております。いま、国がそういうふうな立場において、おまえがそういうような責任を感じておるならば当然これは十割国がやるべきじゃないかという御議論でございます。私もでき得べくんばそうしたいと思っておりますが、何ぶんにも今日までのいろいろな経過がございまして、この法律にも不十分な点が、そこばかりではなくていろいろございます。こういう面につきましては、今後さらに努力をしてまいりたいと思います。
  104. 木下元二

    木下委員 それでは、いまの点については、当面は予算も組んでおるといった問題があろうかと思いますけれども、これから将来の問題として抜本的に考える、こういうふうに伺っていいと思うのです。実は私、環境庁長官にもその問題を昨日伺ったのでありますが、長官も、その問題については、一部助成をするといったことでなくて、全額国が負担をし、そして全面的に防音工事をしていく、そういう方向で検討するという答弁をしていただいたのであります。大臣も同じような方向でお考えいただく、こう伺っていいわけですね。
  105. 徳永正利

    徳永国務大臣 そのとおりでございます。
  106. 木下元二

    木下委員 いまの答弁でそれ以上こまかく聞く必要がないかもわかりませんけれども、もう一つだけ念のために伺っておきますが、この防音工事の助成対象というのは、対象家屋全体ではなくて一室または二室ということになっております。これは家屋全体の防音工事をなぜしないのかという問題があるのです。これは家屋が小さい場合はけっこうであります。しかし、通常の家屋というのはもう三室、四室ある、これが普通であります。そういう家屋で、一部だけ密閉して防音工事をやるというふうなことでなくて、全体に施すのは当然のことだと思うのです。この点はいかがでしょうか。
  107. 棚橋泰

    棚橋説明員 民家の防音工事は、実はわが国で  これをやりますのは初めてでございまして、まだ、実験工事その他もいたしておりますけれども、日本の場合は家屋が非常に複雑でございますので、実験工事その他でもなかなかむずかしい点がございます。非常に多くの戸数をこなしますためには、やはり標準仕様とかそういうものにして実施していかなければなりませんけれども、工務店等の能力その他についても、なかなかなれるまでに手間がかかるであろう、かようなことから予算額をかなり押えて、当初年度三億円、それから九億円とだんだんふやしていく、こういうことを予定をしておるわけでございます。  したがいまして、これを実施いたします場合には、その予算の中でできる限り多くの方々に防音工事をするためには、まず一室からスタートすべきではないかということで、当初一室を希望される方からやろう、こういうことになりまして、次年度以降は二室というふうに拡大をしていくというところまで大体考えておるわけでございます。それから先のことについてはまだ検討中でございます。
  108. 木下元二

    木下委員 その考え方は、一定予算ワクなりあるいはその工事能力といったものを限定して出発するからそういう考えになるのであって、そうでなくて、やはり騒音被害を一掃して住民の環境を守り抜くという観点に立つならば、これはもう家屋全体の防音工事は当然のことだと思うのです。この点についても予算をしっかり今後の問題として組んで、ひとつ工事施工がスムーズに運べるように、家屋全体を対象にする、これは私は可能だと思うのであります。大臣、この点は先ほども答弁をいただいたわけでありますが、この点も含めてこれからの問題としてひとつ十分に検討して、そういう方向で進むということをお約束いただきたいと思うのです。
  109. 徳永正利

    徳永国務大臣 家屋全体の防音をやる方向でいくか、その防音をそういうふうにやらなければならないような御家族に対しましては、代替地等のほうが適当であるか、いろいろ御相談をしてやらなければならぬことがあろうと思います。しかし、先生の言われる精神はよくわかります。一つの御提案として承っておいて、努力いたしたいと思います。
  110. 木下元二

    木下委員 精神だけを理解してもらうんでは困るのです。それはもちろん移転を希望する人に対しては、移転ができるように補償をしていくということが必要でありますが、ここにずっと居住を希望する人たちに対しては、全体について防音工事を進めていくという方向が私は必要だと思うのです。いかがですか。
  111. 徳永正利

    徳永国務大臣 そういう点も将来の問題としてひとつ検討してまいりたいと思います。
  112. 木下元二

    木下委員 少しこまかくなりますが、この防音工事についての仕様というものはあるんでしょうか。
  113. 棚橋泰

    棚橋説明員 お答えいたします。  少しこまかいことを御説明申し上げますと……(木下委員「いや、あるかないかでいい」と呼ぶ)民家の防音工事につきましては、先ほど申し上、げましたように、実験工事が大体終わっておりまして、その効果測定がほぼ終わっております。したがいまして、それに従って早急に仕様をきめるという段階まできております。
  114. 木下元二

    木下委員 たとえば、冷暖房はしてもらえるんでしょうか。
  115. 棚橋泰

    棚橋説明員 暖房はあれでございますけれども、冷房につきましては、ただいま室内の冷房をつけなかった場合の効果、実は実験工事では、冷房にかわるものとして熱交換器という換気装置だけをつけてやってみたわけでございますが、必ずしも結果は十分でないようでございます。そこで学者の先生方にお集まりをいただきまして、冷房装置を含めてどのような装置を取りつけたらいいかということを御検討願っておりまして、大体結論が出つつございます。前向きの方向で検討しております。
  116. 木下元二

    木下委員 その冷房も、ぜいたくというふうな声があるかもわかりませんけれども、決してそうではなく、これはもう密閉されるわけですからね。ま夏の暑いときに密閉をされるという状態になるわけでありますから、そういった点も考慮して、ひとつこれは、ぜひともいま言われたような形で進めていただきたいと思います。  それからもう一つだけ防音工事の問題で伺いますが、病院、学校などはこれまでも対象にされてきたのでありますが、この医療機関でも、これまで五ベッド以下は対象にされていなかったのであります。教育関係も、学校教育法一条の学校は対象とされておりましたけれども、各種学校は対象にされていなかったのであります。民家が対象にされるのでありますから、これはまた当然でありますが、これとともに、少なくとも医療行為やあるいは教育活動が行なわれる各種学校についても、すべてを騒音被害のない条件が保たれるように防音工事がされるべきだと思います。この点についてはいかがでしょうか。
  117. 棚橋泰

    棚橋説明員 御指摘のとおり、診療所につきましては、六ベッド以上ということになっております。それから学校につきましては、おっしゃるように、各種学校というのはただいまのところ対象に入っておりません。そのほかにも対象にしてほしいというような御希望のある施設もいろいろございます。で、ことしからそういう趣旨の一つといたしまして、四十九年度から公民館に対象範囲を拡大するという措置を講ずることを予算の中身といたしておりますが、五ベッド以下の病院ないしは各種学校については、ただいまのところまだ対象とはいたしておりません。もちろんいろいろあるわけでございますけれども、やはりまず民家の防音工事という、いわゆる個々の方からの面と、それから逆に公共性の強い学校とか病院の大きなものというほうからの防音工事と、両方から進めていかなければならないというふうに考えておりまして、それらの進捗状況を見まして、いま先生のおっしゃったようなものについても逐次検討していきたいというふうなことで検討はいたしております。
  118. 木下元二

    木下委員 その五ベッド以下の医療機関、それから各種学校、これらについても、いますぐというわけにはいかないかもわからぬけれども、可及的すみやかに対象にしていく、こういうふうに伺って——これは当然のことだと思うのですよ、もう社会通念から見ても当然だと思いますが、そういう方向で前向きで検討される、大臣、こう伺っていいわけですね。
  119. 徳永正利

    徳永国務大臣 いま政府委員が答弁いたしましたように、公共性の強いものから順次、あとう限りの速度と力でやっていきたい、こういうことでございまして、先生の御指摘の点につきましては、そういう方向でやってまいりたいと思う次第でございます。
  120. 木下元二

    木下委員 次は、騒音障害が特に著しいと認めて指定をされる第二種区域の問題でありますが、これは第九条によりまして移転補償が行なわれます。移転補償が行なわれる範囲は、これまできわめて少なく、狭く、騒音被害の実態に即応していなかったのであります。これを今度は政令によりまして、WECPNL九〇以上の地域にするということであります。この移転補償の対象となる範囲の拡大は当然のことだと思います。ところが、これまでこの制度はあまり活用されておりません。これはどうして活用されていなかったのか、どう考えられますか、簡単でけっこうです。
  121. 棚橋泰

    棚橋説明員 理由は、大きく言って三つあると思っております。  一つは地価の問題、買収価格の問題で、移転をされようという方との間の折り合いがなかなかむずかしかったということでございます。  それから二番目は、移転しようにも移転先がないという方のための代替地というようなものが確保できなかったという点でございます。  それから第三は、これを担当いたしておりますのは、大阪でございましたら大阪航空局というところでございまして、ここの数人の職員が担当しておるということで、事務能力が非常に不十分であったということだというふうに思っております。
  122. 木下元二

    木下委員 まあそういうことであろうと思いますが、特に一番、二番に言われた問題というのは、一言で言えば補償価格が低いということじゃないんですか。十分な補償が与えられれば、行く先だってあるわけなんですから。行く先がなかなかないということは補償価格が低いということと結びついておると思うのです。この補償額というのは、これは爆音公害にさらされておるところでありまして、騒音激甚地のところであります。そのために地価が低下しておる。他地域の土地と比べまして相当安く評価されておる。だから、補償金をもらっても移転先の土地が高くて入手できない、こういう理由のためにこの制度があまり活用されていなかったのだ、こういう要因というものが私は非常に大きいと思うのです。この点はお認めになりますか。
  123. 棚橋泰

    棚橋説明員 地価を構成いたしますものには、その周辺の環境、交通の利便さ、その他諸条件が重なっておりますので、必ずしも個々の地価の問題について、先生御指摘のようなことであるかどうかということは、一がいには言うことはできないというふうに思っております。
  124. 木下元二

    木下委員 少なくとも私が指摘をした要因が大きかったことはお認めになろうと思うのです。そこで伺いたいのは、補償額の算出は、昭和三十七年閣議了解である「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」というものがありまして、これに基づいてやられておるというふうに聞いておるのですが、これは間違いないでしょうか。
  125. 棚橋泰

    棚橋説明員 政府全体といたしましてさような閣議了解がございまして、これに基づいてやっております。
  126. 木下元二

    木下委員 さらに運輸省としては、公共用地の取得に伴う損失補償基準というものがあって、運輸省の訓令があってこれに基づいて処理されておる、そうですね。
  127. 棚橋泰

    棚橋説明員 特定飛行場の用地に関しましては、航空局長の訓令で、その細目についてはいまおっしゃいましたようなものによれということをいっておりますので、結果的に先生のおっしゃるとおりであろう、かように存じております。
  128. 木下元二

    木下委員 いま指摘しました訓令によりますと、私、条文を一々引用いたしませんけれども、手元に持ってきておるのですが、これによりますと、八条、九条というものがありまして、結局補償額というのは、その対象である土地と近傍地あるいは類地の現状の姿、その位置や環境、そういうものを総合的に比較考量して算定されるということになっております。したがって、騒音激甚地であるかどうかというようなことも含めて算定される、こういうことになっておると思うのです。私はこれはきわめて不合理な処理であると思いますが、どうお考えでしょうか。
  129. 棚橋泰

    棚橋説明員 先生おっしゃいましたように、そういう近傍類地の価格を標準にきめるということになっております。これは先ほど申し上げましたように、地価を構成いたしますものにはいろいろな要素がございまして、騒音一つの要素ではございますけれども、そのほかに、空港ができたことによって交通が便利になったとかいろいろな面がございまして、必ずしもその騒音によってその近傍類地の価格が低いということを不当であるというふうなことで、高い価格に評価するということはできないというのが私ども考えでございます。
  130. 木下元二

    木下委員 ちょっと、いまの発言は問題ですよ。空港ができたことによって住民が便利になったなんて、そんなことを住民に言ったらほんとうにおこりますよ。ほかの交通機関が近くにできたならば、これは住民は喜ぶでしょうし、便利になるでしょうけれども、この伊丹空港周辺の住民がこの空港を利用するのでしょうか。とんでもないことですよ。いまの発言は取り消してください。
  131. 棚橋泰

    棚橋説明員 私が申し上げましたのは、地元住民の方が空港を利用するので便利になったから地価が上がるという意味ではなくて、空港ができますと、道路その他のいろいろな施設ができるというような場合もございまして、利便になる場合もあります、そういうことを申し上げたわけでございます。  なお、大阪につきましては、騒音問題その他もございまして、先生おっしゃるように、いろいろな場合もあると思いますが、たとえばいなかに空港をつくった例をお考えいただきました場合には、もともと何もなかったところに空港ができて、騒音も起きますかわりに地価も上がったというようなこともございますので、そういう意味の要素を考えないで算定するということはできない、それらの地価を構成するいろいろな諸要素を全部勘案いたしますと近傍類地の価格がきまるので、その近傍類地の価格によらざるを得ない、こういうことを申し上げたわけでございます。
  132. 木下元二

    木下委員 私は、こういう運輸省の訓令があるわけでありますから、これがあるので、これによって処理をされるということについていまここでいろいろと批判をしておるわけではないのです。私が言いたいのは、住民がもう騒音がひどくていたたまれないということでほかへ移転したいと考えて移転をするわけですね。それに対して補償をするというのであれば、その土地について、騒音激甚地として他地域に比べて地価が低下をしておる、そういう状態の物件として補償をするということは正しくないと思うのです。それは当然、もし騒音のない静かな土地であったならばどうかという評価をしてやるべきだ。もしそういう評価ができない、これは訓令の関係でそういうふうな特別の評価ができないというのなら、それはそれでけっこうであります。そのかわり、それは騒音激甚地として評価せざるを得ないというならば、そういう評価をした上で、さらに騒音激甚地として地価を低下せしめた補償というよりもこれは厳密には賠償金であります。それを上のせするようにするべきだと思うのです。これは理論的には当然そういうことになると思う。この点大臣、いかがでしょうか。私は特にこの問題は大臣から伺いたいのです。
  133. 寺井久美

    ○寺井政府委員 大臣がお答えする前に、私ども考え方を御説明させていただきたいと思います。  先生御指摘のように、騒音地帯におきます地価というもの、この評価のしかたにはいろいろございますが、ただいま御説明申し上げましたように、近傍類地の価格で評価をする、これは一般の道路その他の公共用地を取得する場合と同じ手法でございます。そこで、私どもがいま当面いたしております問題といたしましては、つまり代替地のほうが高くなるという場合に移転ができないということでございまして、この代替地を安く提供する方法を考えざるを得ない。そこで、この周辺整備機構によりまして、代替地をできるだけ安く造成をしてお移りいただきやすいような仕組みにしていく必要があるというふうに考えておりまして、代替地造成につきましても、地方公共団体と一体となりまして推進をしていく、こういう考え方が今回の法改正の一つの柱になっております。
  134. 木下元二

    木下委員 それはそれでけっこうであります。代替地ができるだけ安く手に入るように方途を講じてもらうということはけっこうでありますが、それはそれとして、この法案の第九条で、移転の場合にはこれによって「通常生ずべき損失を補償する」、こういうたてまえになっておるわけなんで、その補償というのは、現在住んでおる物件、これを第三セクターのほうに取得してもらって、そして補償をもらう、こういうことになるわけなんですが、その補償金の基準は、私がいま言いましたような基準になるのが当然だと思うのです。騒音がひどいから移転するというのでしょう、その場合に、騒音によって価格がずっと低下しておる、それはやはり埋めてもらわないと、これは通常生ずべき損失を補償するということにならないと思うのです。どうですか。
  135. 棚橋泰

    棚橋説明員 この「通常生ずべき損失を補償する」という規定は、その土地から移転をしなければならないというために、たとえば石とか木とかへいとかいろいろございます、そういうものについてすべて評価をして移転の補償をする、こういう趣旨でございまして、通常の移転に要します費用というものをすべて算定する、こういう趣旨でございます。
  136. 木下元二

    木下委員 そうしますと、私がいま指摘した問題については考慮する余地がないというのですか。
  137. 棚橋泰

    棚橋説明員 先ほどから局長も申し上げておりますとおり、これは空港周辺の問題だけではございませんで、いろいろな公共用地の取得全部を通じた原則でございまして、繰り返し申し上げておりますように、地価を構成する要素としてはプラスの面もあり、マイナスの面もあり、いろいろあるわけでございまして、やはり近傍類地による以外による基準がないということから、この補償については、さような形でやらざるを得ない、かように考えております。  なお、局長が申し上げましたように、それではなかなか移転が促進されないということから、安い代替地を提供することによって、事実上高く買ったと同じような形を構成したいというのが、今度の周辺整備機構による代替地の造成でございます。
  138. 木下元二

    木下委員 そういうほかの方法で救済をするということですので、そう聞いておきますが、この問題は、やはり私はもっと基本的に洗い直す必要があると思うのです。近傍類地という考え方も、それに立つというならそれは一つ考え方でありますが、さらに、さっき申しましたような賠償金の上のせといった問題、あるいはその近傍類地の中に、これはもう騒音がひどくないところの地域を近傍類地として考えるといったようなこと、こういうことを私は考えて手直しをする必要があると思います。ひとつこの点は、これからの問題としてよく検討していただきたい。大臣いかがですか。
  139. 徳永正利

    徳永国務大臣 いま御指摘の議論は確かにあると思います。検討してみたいと思います。
  140. 木下元二

    木下委員 それから、もう一つだけ特に問題でありますが、借地人、借家人の問題であります。これは事実上補償を受けられなくなっております。私が聞いておりますのでは、建物所有者である借地人は、地主の建物等設置制限承諾書というものをもらわなくてはならないというふうに聞いております。借家人は、家主の建物撤去等申請書というものをとらなくてはならないと聞いております。これではもう借地・借家人というのは補償申請はきわめて困難だ。もう不可能に近い。そんなことを地主のほうが承諾するはずがないんですから、これは実績も、調べてみますとゼロだというふうに聞いております。この点は、私は法改正にあたってぜひとも改めていただきたい点の一つであります。これでは借地・借家人には補償を拒否するのにひとしいと思います。もう騒音にいたたまれずに移転を希望する住民には、それが借地人であっても借家人であっても、あるいはそのほかのものであっても、同じようにしかるべき補償をするというのが当然でございます。この点どうでしょう。
  141. 棚橋泰

    棚橋説明員 先生御指摘のように、この借地人、借家人の移転補償の対策というのは非常に重要な問題でございまして、私どもも非常に対策について苦慮しておる問題でございます。ただ、この移転補償の趣旨と申しますのは、そこが騒音が著しい地域であるので、そこから建物をのけるということが趣旨でございます。したがいまして、一たんのけた建物がまた建つ、ないしは、借家人でございましたら、一たん移転の補償をして引っ越された方のあとにまた次の方が入ってこられるということでは、これは補償の趣旨を達することができませんので、したがいまして、これに対して補償するということが非常にむずかしいという困難な問題がございます。特にアパートというようなものにつきましてはそういう例が顕著でございます。  そこで、私どもといたしましては、従来も移転を希望される借家人の方の地主に対して同時に移転補償を受けるようにというような御説得をしておるわけでございますけれども、なかなかそれが進んでいないのはそのとおりでございます。ただ、これは先ほどの趣旨から申し上げまして、よってそれに補償するということはなかなかむずかしいんじゃないか。特にアパートについてはそういうことがいえるんではないか。そこで、このたびは周辺整備機構によりまして、公営アパートというようなものを建設いたしまして、アパートならアパート全体が移転をして、地主もあわせて補償が取れるというような措置もあわせ講ぜられるようなことも計画をいたしております。
  142. 木下元二

    木下委員 私は、いまあなたが言われた中に、いみじくもこの法案の本質がのぞかれておると思うのですよ。借地人、借家人の権利なんかはもう見ない、結局出てもらうのがこの法律の目的だということだと思います。  私は、その借地・借家人が補償を受けて移転したあと、新たに借地、借家関係が生まれるという問題、これは確かにあると思うのですよ。しかし、だからそのゆえに借地人、借家人には補償をしないということでは、補償制度の意味がなくなってくる。それは補償補償としてやって、その上で新たな借地、借家関係を生じさせないように、方途は私はあると思うのです。これは当局自身が、地主あるいは建物所有者と折衝をしてそういうことをやればいいんです。それが成功するかどうかというのは、結局当局側の努力と提示をする条件によると思うのです。そうした努力をしないで、借地・借家人が移転したあと新たに借地、借家関係を生ぜしめないということまで、移転をする借地・借家人に要求をするということは、これは弱い立場につけ込んで無理難題を吹っかけるのにひとしいんですよ。だからこれは、当局側あるいは整備機構でもって地主または建物所有者と折衝して、土地あるいは建物の利用関係を制限する方法を考えればいいと思うのです。こういうことをひとつ大臣、お考えいただきたいと思うのです。これは私、当然のことだと思うのです。私も法律家として借地・借家人だけが特別差別をされて扱われる、これはもう見かねる問題であります。いかがでしょう。
  143. 徳永正利

    徳永国務大臣 先生は法律家で、私は法律家でないもんですから……。法律的な権利義務、いろいろな問題があろうと思います。したがいまして、そういう問題につきましては、いままでは、先ほども申し上げて、政府委員が説明しておりますように、わずかな人間でこういう重大なことを処理してまいっておったわけでございますけれども、幸いに整備機構を成立さしていただきますならば、陣容も整え、また地元のいろいろなそういう事情にも明るい職員等も参加をしていただくことになると思いますから、十分そういう点は配慮して、追い出しとかそういうような非難のないように努力を続けてまいります。
  144. 木下元二

    木下委員 もう時間がありませんので、次の最後の問題に移りますが、空港周辺整備計画が策定されまして、周辺に緑地帯をつくったりあるいは工場、倉庫などをつくるときめられておるのであります。ところが、たとえばすでに都市計画によって住居専用地域ときめられておるようなとき、これは一体どういうことになるのか。結局、都市計画が変更を余儀なくされるということだと思いますが、そうでしょうか。もうイエスかノーか、一言でけっこうです。
  145. 棚橋泰

    棚橋説明員 先生お急ぎでございますので、この法律の条文を繰っている時間がちょっとございませんが、その中に周辺整備計画をつくる、それに従っていまおっしゃったようなことをやるわけでございますけれども、その周辺整備計画は、現在ある地域の計画に矛盾しないようにしなければならない、そちらが上位の計画であるというふうに規定をされておりますので、これによって現行の都市計画その他の計画が動かされるということはないというのがこの法律の趣旨でございます。
  146. 木下元二

    木下委員 ところが、そう言われますけれども、現実に伊丹などの場合に、住居地域が工場、倉庫等の地域にされるということになりませんか。
  147. 棚橋泰

    棚橋説明員 先ほど申し上げましたように、この法律では、現在ある既存の地域計画のほうが上位であるという思想が出ております。しかし、先生おっしゃるように、住居区域があって、そこを倉庫とか何かにしなければならないような事態が起こるのではないかというようなことでございますけれども、再開発計画は、その点に関しましては任意買収ということを原則にいたしております。それから騒音に関係のない施設として予定をいたしておりますものは、たとえば倉庫、流通団地というふうに申し上げてあるわけでございまして、その他の体育施設とか公園とかそういうものも予定をしていないわけではございませんから、必ずしもさようにはなってこないのではないかというふうに思っております。
  148. 木下元二

    木下委員 それはそう聞いておきます。  空港周辺整備計画がつくられましたけれども、後に変更を必要とするというふうな場合が起こったとき、法案には変更について規定がないんですね、私見ましたけれども。空港撤去もあり得るということを運輸大臣が言われておるというようなことでありますが、撤去があり得るということなのに変更はないということは考えられません。変更だってあり得ると思うのですが、そういう場合はどうするのですか。
  149. 棚橋泰

    棚橋説明員 周辺整備計画は、それに従って周辺整備を行なう計画でございまして、大筋は当初立てるという前提のもとにこの法律ができております。しかし、おっしゃいますように、途中で事情の変更もございますし、そのような場合には計画変更が行なわれるのは当然なことで、決してこの法律がそれを禁じているものではないというふうに考えております。
  150. 木下元二

    木下委員 そうすれば、これはやはり変更について規定を設けて、たとえば都市計画なんかの場合でも、変更する場合には公聴会の開催といったようなことがきめられておるわけでありますから、一定の手続を規定するべきではないか。どうですか。
  151. 棚橋泰

    棚橋説明員 この法律は基本的には、最初に立てた計画を見てすべての行動が動いていくということが大前提になっております。したがいまして、当初の周辺整備計画というのに重きを置いてこういうことになっておりますけれども、それについて変更がないということではないというふうに申し上げておりまして、その際には、当然のことながら、計画の策定の際の手続と同じ手続が行なわれなければ変更が行なわれないということは、類推解釈として成り立つ、かように思っております。
  152. 木下元二

    木下委員 それは、やはり普通の法律を見ましても、変更についても規定を設けておくべきだと思いますが、ひとつ考えてもらいたいと思います。  この周辺整備機構の組織の問題を一つ申しますが、この機構に住民が参加、あるいは自治体の議会が発言権を持つという仕組みにはなっていないという問題であります。住民または議会の意見が保障されるような仕組みにするべきだ、こう思うのですけれども、いかがでしょう。
  153. 棚橋泰

    棚橋説明員 住民の意向と申しますものは、私どもは地方公共団体を通じて反映される、かように思っております。地方公共団体は必要に応じて機構に出資をされるということにもなっておりまし、先ほど申し上げましたように、認可法人でございますから、そこらの計画をおきめになって、発起人たる地方公共団体が、中心となった方が、機構の設立認可申請を出されるわけでございますから、当然それらを通して必要な地方公共団体は出資をなさりましょうし、また、出資をして中へ参加するのではなくて、外部から客観的にこれに対していろいろ意見を言いたいという地方公共団体につきましては、先ほど太田先生の御質問にお答え申し上げましたように、評議員というのに加わっていただいて御意向を反映する、かようなことを考えております。
  154. 木下元二

    木下委員 地方公共団体の職員が参加するだけでは、これは民主的とはいえないと思うのです。私が言っているのは、地方公共団体の議会が発言権を持つとか、参加するとか、そういう方法がないという点が一つの欠陥だということです。これは問題を指摘するにとどめます。  最後に、もう時間が来ましたので、この空港周辺整備機構と大阪空港を将来どうするかという問題のかかわりについて一言だけ触れたいと思います。  すでに環境庁は、一昨日の判決があったあと、空港撤去もあり得るということを環境庁長官から言われました。運輸省もすでに昨年の七月ですかに同じような言明をしておられます。ところで、本法案による空港周辺整備機構、空港周辺の整備というのは、空港の存続を前提にして構想が生まれたものであります。実際に計画された時期から見ましても、そのことははっきりいたしております。緩衝地帯をつくったり、周辺に倉庫や工場を設ける、そして住民を移転させるという考え方、これは一体、空港撤去ということになればどういうことになるのかという問題があると思うのです。これは莫大な資金を使って——五千三百七十億といわれておりますが、実際は、私が試算しましただけでも、何兆円という資金を必要とすると思います。この資金を使ってこれだけの大事業を進めるというのは、空港を将来においても固定して使うという前提から出発をしておると思うのです。ところが、この空港撤去があり得るということを政府のほうで表明するということになってきますと、この整備機構をつくって大事業を進めていくという根拠がゆらぐことになります。一体、空港撤去になった場合に、この空港をどうするのか。あのウナギの寝床のように細長い空港であります。その周辺が細長く整備をされて工場、倉庫がつくられる、そういうことになって空港が撤去されるということになった場合に、その空港をどう使うのか。また再びその工場や倉庫を撤去しなければならない、こういう問題さえ起こってくるわけであります。だから私は、こういう点から見ましても、この整備機構をつくって大々的に事業を進めていくということは、根本的に再検討をすべきだというふうに思うのです。特にこれは住民あるいは自治体の意見もございます。そうした意見にも十分に耳を傾けるべきだと思います。私がいま申しましたような点について、大臣の所見を伺いたいと思います。
  155. 徳永正利

    徳永国務大臣 整備機構は、さしあたり大阪空港を目標にしておりますけれども大阪空港ばかりでなくて他に指定するところも出てくるだろうということをも予想し、また考えておるわけでございます。おまえたちは撤去撤去と言うけれども、撤去というのはおかしいじゃないかというような御議論でございますけれども、私どもはまじめに、その時点において検討すべきものである、そうして撤去すべきときには撤去すべきであるというふうに、いままでたびたび申し上げているとおりでございます。では撤去のあとをどうするのかという問題は、その時点で考えていくべきだと思います。  なお、膨大な予算をこれにかけていくということについて反対だという御趣旨の御発言でございますけれども、いまの大阪の実情から見まして、新しい空港をつくるにいたしましても相当の時間がかかるだろうと思います。そういう面からいたしまして、いまこの空港の騒音に悩まれる住民皆さん方を一日も放置することはできない、これは完ぺきな法律ではございません、いろいろまた手直しをし検討してまいらなければならぬものがたくさんあろうと思いますけれども、まずこういうところから出発して、そういう騒音に挑戦していきたい、かように考えておる次第でございます。
  156. 木下元二

    木下委員 もう時間がありませんので終わります。
  157. 加藤六月

    ○加藤(六)委員長代理 次回は、来たる五日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十一分散会