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1974-02-26 第72回国会 衆議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年二月二十六日(火曜日)    午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 三池  信君    理事 江藤 隆美君 理事 加藤 六月君    理事 佐藤 孝行君 理事 佐藤 守良君    理事 太田 一夫君 理事 児玉 末男君    理事 三浦  久君       阿部 喜元君   小此木彦三郎君       國場 幸昌君    關谷 勝利君       宮崎 茂一君    綿貫 民輔君       金瀬 俊雄君    神門至馬夫君       斉藤 正男君    梅田  勝君       紺野与次郎君    松本 忠助君       河村  勝君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 徳永 正利君  出席政府委員         運輸省航空局長 寺井 久美君  委員外出席者         運輸省航空局飛         行場部長    隅  健三君         運輸省航空局飛         行場部騒音対策         課長      棚橋  泰君         自治省財政局財         政課長     石原 信雄君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ————————————— 委員の異動 二月二十二日  辞任         補欠選任   久保 三郎君     阿部 昭吾君 同月二十三日  辞任         補欠選任   阿部 昭吾君     久保 三郎君 同月二十五日  辞任         補欠選任   石田幸四郎君     矢野 絢也君 同月二十六日  辞任         補欠選任   矢野 絢也君     石田幸四郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  公共用飛行場周辺における航空機騒音による障  害の防止等に関する法律の一部を改正する法律  案(内閣提出、第七十一回国会閣法第七一号)  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 三池信

    三池委員長 これより会議を開きます。  去る二十日、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、大阪府、兵庫県に委員を派遣いたしました。  この際、派遣委員から報告を求めます。佐藤孝行君。
  3. 佐藤孝行

    佐藤(孝)委員 派遣委員を代表して御報告申し上げます。  派遣委員は、団長をつとめました私のほかに、佐藤文生君、児玉君、坂本君、三浦君、石田君、河村君の七名であります。  二月二十日、大阪国際空港事務所において、佐藤大阪航空局長から、大阪国際空港の沿革、経緯、現況、特に航空機騒音対策についての報告を聴取した後、十時五十分より、二班に分れ、それぞれ予定視察個所に出発いたしました。  第一班は、大阪側方面で、私のほか、児玉君、三浦君の三名であり、第二班は、兵庫県側で、佐藤文生君、坂本君、石田君、河村君の四名でありました。  第一班には、豊中市長竹内義治君が説明役として同乗され、まず、豊中利倉地区へ向ったのでありますが、途中最近とみに騒音及び排気ガスによる著しい被害を受けているといわれる勝部地区に立ち寄りました。  勝部地区では、多数集まっておられましたが、多くの方々から、騒音排気ガス被害のなまなましい体験、子供さんたちの鼻出血実情等をお聞きしました。また、滑走路末端において、約二分間隔に着陸する大型ジェット機騒音排気ガス実態視察いたしました。  続いて、豊中利倉地区に参り、滑走路末端から四キロ地点着陸コース真下にある郵便局屋上において、これまた多数の地元方々から被害の個々の実例をあげての熱心な陳情を聴取いたしました。続いて同市豊南地区では、路上において、空港撤去減便要請等陳情を聞き、最後大阪市の三国地区に参り、府立東淀川高校校庭において、再三にわたり大型ジェット機騒音を耳にし、予定個所視察を終了し、午後一時過ぎ空港事務所に帰着いたしました。  次に、離陸側伊丹市及び川西市を視察いたしました第二班について申し上げます。  第二班には、伊丹市長伏見正慶君及び川西市長伊藤竜太郎君が同乗して説明に当たられましたが、まず、滑走路末端から離陸方向直線距離約千メートル地点にある伊丹北村地区に参り、猪名川堤防において騒音の強度及び持続時間等についてその実態視察するとともに、多数の地域住民からきわめて熱心な空港撤去等陳情を聴取いたしました。続いて、大阪空港騒音訴訟最初に提訴した住民の居住する高柴地区視察した後、川西市攝代地区に向かいました。同地区におきましては、空港を望見する丘の上から、およそ二、三分間隔で離陸する航空機について、その実情視察するとともに、同地区におきましても、多数の住民方々から、騒音の中での生活実情についての陳情を聴取いたしました。最後視察地である伊丹鴻池地区におきましては、出発機旋回点下にある同地区実情についての住民陳情を聴取するとともに、その実態視察して予定個所調査を終了し、午後零時五十分空港事務所に帰着いたしました。  少憩の後、午後一時四十五分から地元関係諸君陳情を聴取したのでありますが、以下その概要を申し上げます。  最初に、池田市長代理として、若生助役から、新関西国際空港早期建設ジェット機減便民家防音工事防音公共施設整備及びその財源の確保等についての要望があり、次いで、豊中市長竹内義治君から、新関西国際空港早期建設ジェット機減便空港周辺整備機構早期設置のほか、騒音区域の決定は、機械的でなく実情をよく調査し、従来の指定区域を尊重して、困っている住民を救済していただきたい旨、また移転補償については、租税特別措置をさらに考慮してほしい旨の熱心なる要望がありました。  また、川西市長伊藤竜太郎君は、移転代替地確保移転補償制度の充実と補償区域の拡大の早期実施空港周辺整備機構早期実現等についての陳情がなされ、伊丹市長伏見正慶君よりは、他の三市長と全く同意見であると述べられるとともに、特に新空港建設、現空港撤去について執心に陳情されました。続いて、大阪商工会議所理事地域振興部長山内直樹君、大阪空港騒音訴訟原告団代表十七己之助君、豊中騒音対策豊中連絡会代表服部好永君、伊丹自治会連合会会長増田忠治君の四名から、それぞれの立場から、航空機騒音にかかわる根本原因の追及に関する御発言や、周辺住民各位実情を詳細に述べられたのでありますが、その要望のおもなものは、十分な絡転補償費の支払い、健康破壊に対する医学的対策被害者救済民家の全室防音工事実施移転跡地工場化反対、現空港撤去等々でありました。  引き続き、派遣委員から、整備機構設置に関する問題子供さんの鼻出血の問題、騒音対策費自治団体負担分の問題、排出物及び騒音コンター問題等について熱心なる質疑がなされたのであります。  以上をもって本案審査のための委員派遣を終了いたしました。  以上、御報告申し上げます。
  4. 三池信

    三池委員長 以上で報告は終わりました。
  5. 三池信

    三池委員長 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。河村勝君。
  6. 河村勝

    河村委員 ただいま派遣委員報告がありましたように、去る二十日、私ども大阪空港現地に参りまして、つぶさに調査をいたしてまいりました。その際に、実際被害を受けている住民方々から事情を伺いまして、現在の大阪空港周辺状態というものが、単に生活上の機能をそこなうというだけではなくて、肉体的にも各種の障害を受けているという実情を、非常に苦悩に満ちた話を伺ってまいりましたし、また同時に、われわれも実際現地住民方々から話を聞いております最中に、二分あるいは三分おきに百ホン以上の航空機が離着陸するわけでありますので、とうてい住民方々の話も存分に聞けないような状態でありまして、いまさらのごとく、少しおそいかもしれませんが、いまさらのようにその実情がひどいのに驚いた次第であります。  結論的に申しまして、わかっていたことではありますけれども、ああいう規模空港が、日本のような人口稠密な地帯においては、内陸に存在するということがしょせん無理である。ローカル空港のように一日十便以内というようなところなら別でありますけれども、ああいう大きなスケール空港が、ああいう都市圏内陸部に存在すること自体が無理だという結論にならざるを得ない、そう強く感じたわけであります。大臣ももうすでに実情はよく御承知のことと思いますが、大臣はどういうふうにお考えになっておられるか、ますそれを伺いたいと思います。
  7. 徳永正利

    徳永国務大臣 私も全く同感でございまして、そのように思っております。地域住民皆さん方が、日々の生活騒音のために非常に苦しんでいらっしゃるということに実は胸を痛めているわけでございます。それがためには、これからいろんなことを考えていかなければならないし、御質問もあろうと思いますが、先生のいまのお気持ちに対しましては、私は全く同じような気持ちで今後の対策を進めていかなければならぬと思っております。
  8. 河村勝

    河村委員 私が申しましたのは、いろんな対策を進めてみましても、しょせんそれは十分なことはできるとは思われないんです。ですから結局は、なくさない限りは問題は解決しないという意味で申し上げたので、それについて大臣考え方を聞きたかったわけであります。  しかし、もう少しあとでもう一ぺんその結論についてのお話を伺いたいと思いますが、四十八年の七月に、当時の新谷運輸大臣が、新空港開港については、伊丹空港撤去も含めて検討するという意味のことを大阪空港騒音対策協議会に対して発言をされて、その後、航空審議会関西国際空港部会で、運輸省側から正式にそういう方針を明らかにされたというふうに聞いておりますが、これは大臣がおいでになる前でありますから、事務当局でけっこうでありますが、どういう発言をされ、また空港部会でどういう内容を明らかにしたのか、その点をまず説明してください。正確な表現を教えてください。
  9. 寺井久美

    寺井政府委員 四十八年七月の航空局長から十一市協にあてました文書は、先生御存じと思いますが、これの中に申しておりますのは、「現大阪国際空港の将来のあり方については、新関西国際空港との関連において十分検討を要するものであるが、その開港時点にこれを撤去することをも含めて可及的速やかに検討するものとし、その検討に際しては地元公共団体の意志を十分尊重するものとする。」ということを文書で十一市協の会長あてに出しております。  この文書のまず趣旨でございますが、関西空港は、現在の大阪国際空港騒音問題の解決をはかるということと、あわせまして関西地区におきます航空需要に対応するために早急に建設する必要があるだろうと考えておりまして、現空港の将来のあり方につきましては、現空港がわが国の総合交通体系の中できわめて大きな役割りをはたしておりますこと、関西地区におきます航空需要の推移、また新空港規模位置等関連のほか、新幹線等代替交通機関整備状況、あるいはまたジェット機の低騒音化、それからまた、現空港実施しょうといたしております周辺整備対策等の諸要件を総合的に勘案をして、関西空港開港時点にこれを撤去することをも含めてその取り扱いをできるだけすみやかに検討しょうという趣旨でございまして、その検討に際しましては、地方公共団体の御意見も十分尊重する、こういうたてまえになっております。  そこで、先生御指摘の関西国際空港部会でどういう点を明らかにしたかという点でございますが、この点につきましては、実は関西国際空港部会でいろいろ新空港について御審議願っておりまして、特に公害のない空港ということで鋭意御審議願っておりますが、その際、部会としてどういうふうに新空港考えるかという点につきましては、もちろん部会検討の結果の答申に付記されてしかるべきことであって、これは運輸大臣諮問いたしておりますけれども、運輸省の側で意見を差しはさむ性質のものではない、部会独自の御判断で御意見をつけていただいてけっこうでございます。こういう意味のことを申し上げた次第でございます。どういうふうに明らかにしたかという点につきましては、それ以上を出ておりません。
  10. 河村勝

    河村委員 何か空港部会責任を転嫁したようなものの言い方でありますが、しかし、諮問のしかたというものは、現在の伊丹空港を何らかの形で存続して、それにプラスアルファとしてやる場合と、それから伊丹空港をなくして新空港をつくる場合とは全く構想が変わってくるわけでしょう。そうであれば、諮問のしかたはどっちでもけっこうでございますというような諮問はないはずですよ。とかくああいういろいろな種類の諮問委員会を隠れみのに使って責任転嫁をするきらいが間々あるんですけれども、少なくとも伊丹空港は、可能ならばなくして新しい空港をつくりたいんだ、伊丹空港機能も含めたものをつくりたいんだという意思表示がなくて、一体空港部会扱いようがありますか。何かあなたのほうで、どっちでもいいですよ、どっちでもけっこうでございますというような話をしたというが、そんな無責任なことは私はないと思う。その点はどうなんですか。
  11. 寺井久美

    寺井政府委員 この関西空港規模位置につきまして諮問をいたしました当時は、要するに関西地区輸送需要に見合って相当大規模空港が必要であろうということで、その規模位置について諮問をした次第でございます。  その後、審議の過程におきまして、現在の伊丹空港騒音問題の解決ということと非常に関連があるという先生方の御意見がございまして、それでこの位置規模関連いたしまして、現空港あり方というものが当然関連がございます。そういうことでございますので、どちらでもよろしいということではございませんで、この関西地域内にどの程度規模空港ができるか。それも騒音その他の影響のない空港という前提に立っておりますから、そういうことで御審議願った結果、関西空港はこの程度規模ができれば必要ないではないかという御意見があれば、それは審議会立場として、御意見としてつけていただいてけっこうでございます。こういう趣旨でございます。
  12. 河村勝

    河村委員 そんなばかな諮問のしかたはありませんよ、そんなあなたまかせの。諮問機関というものは、まるっきり何も方針なしに預けっぱなしという性格のものであってもいいものでありませんよ。それは行政責任の逃避ですよ。だから、少なくとも可能ならば、可能なる限りいまの伊丹空港というものをなくして、それではほんとうに無公害空港をつくりたいんだ、それぐらいの意思を表明しないで諮問するというなら、しないのも同じじゃありませんか。伊丹空港をなくすという答申があればそれでもけっこうでございますよ、なんというそんな諮問のしかたというのは私はないと思う。やはり一つの目標を明示して、それでどうしても不可能な場合には伊丹は何かの形で残ってもしかたがありませんよというならわかるけれども、この段階まで来て、まだそういうあいまいなことでやっておるのですか。運輸大臣、いかがですか。そういう諮問のしかたというのはあるんでしょうか。もしそうだとすれば、伊丹空港は残したいという意思表示をしているのと同じことだと私は思うのです。いかがですか。
  13. 徳永正利

    徳永国務大臣 まあ私は、諮問をするときは、いまの空港騒音問題に関する限り非常に欠陥空港である、だからひとつそういうような問題のない規模位置考えてください、こういうことだろうと思うのです。ただ結果的に、これをそれじゃもう全部取っ払いますから新しくつくってくださいとかなんとかいうんじゃなくて、こういうような前提において新しい位置なり規模考えてくださいという諮問でありまして、その結論によって、まあ全然ということもないでしょうけれども、騒音もないから、近間のところに置いておいてくれという地元の要求が出るかどうか、その辺をも考え合わせまして、その時点考えるということで、原則的には、新しい空港規模なり位置なりを考えていただきたい、これがやはり原則だと思うのです。
  14. 河村勝

    河村委員 ですから私は言っているんです。できないことをやれと言っているんではありません。ですから、可能ならば運輸省政府としては、とにかくこういう内陸空港でこういうようなスケールのものがあるのは無理だ、だから新しい無公害空港をつくってそれにかえたい、伊丹空港はなくしたい、そういう方向でやってくれ。それが実際不可能ならそれはしかたありませんよ。だけど、可能なる限りはそういうことで構想をつくってもらいたい、そういうことじゃないんですか。いかがなんですか、その辺。
  15. 徳永正利

    徳永国務大臣 私は原則的にはそうだと思います。
  16. 河村勝

    河村委員 それで昨年の十二月に出た「航空機騒音に係る環境基準の設定について」という中央公害対策審議会答申がございますね。これの最終目標である住宅地域でWECPNL七〇以下というのが大阪空港の将来の目標ですね。正確な騒音コンターをつくるのはどれだけかかるかわかりませんが、常識的に判断をして、周辺どのくらいの住宅を取っ払えばこの基準に合うことができるかですね。おおよそどのくらいのことだと思いますか。
  17. 寺井久美

    寺井政府委員 七五以上の地域世帯数が十七万九千世帯でございます。これは世帯数でございますから、戸数にいたしますと、アパート等もございますのでこの数字よりは減るわけでございますが、世帯数では十七万九千という数字になっております。
  18. 河村勝

    河村委員 ですからね、大臣、少なくともジェットを使わないようなローカル空港に落とすというなら別ですけれども、そうでなければ、この十七万九千世帯なんというものを移動することはできないのですね。ですからもう結論は出ているわけです。この間の質問でこの問題について大臣答弁されたのを聞いておりますと、新空港ができた時点で、そのときに伊丹空港をなくすかなくさないかをきめるんだというような答弁をされましたね。そういうことですか、ほんとうに。
  19. 徳永正利

    徳永国務大臣 頭を抜かしてけつだけ取るとそういうことと思いますけれども、実際、原則は、こういうような六千ヘクタールの中に十七万九千世帯も、七五というホンじゃなくて何かむずかしい音があるところにいるんですから、私はおっしゃるとおりだと思うんです。ですから原則的には、新しい位置規模をひとつぜひお考えいただきたいというのが諮問内容であり、結論としては、まあその時点でどういうふうなことになりますか、いま先生もおっしゃるように、いろんないままでのお話もございましたように。そこで、どういう結論になるかは、一応考えといたしまして、原則的には規模位置、これはもう新しいところに全部移すという原則に立っている。こういうことで、しっぽだけをつかまえて質問されましたので、その時点と言ったのでございまして、それは結果的にはその時点考えるようなことに私はなるだろうと思います。
  20. 河村勝

    河村委員 私が言っているのはそうではないのです。大臣は、新空港ができ上がった時点伊丹空港の存廃をきめるんだ、こういう答弁をされたのです。もし私の聞き間違いならばけっこうなんですけれども。そういうことであるべきものではないでしょう。新空港空港部会答申ができて、この間、秋山空港部会長も、新空港をつくったらなくすというファクターを入れていま答申をつくっているということを明言をされました。ですから、でき上がった時点ではなくて、もし伊丹空港をなくすという条件のもとに新しい空港答申ができ、それが住民の納得いき得るものであったならば、その計画が決定した時点伊丹空港をなくすか残すかは結論を出すべきものでしょう。でき上がるのには、そのプランができて一応大体これでよろしかろうといってから十年近くかかるわけでしょう。そうすれば、当然これからこの法案は、野党が反対しょうと何しようと通るには通るでしょうから、こういう対策をおやりになる場合でも、もし計画が決定した時点でなくなるんだということであれば、この対策の進め方はうんと変わってきちゃうんですよ。一万も二万も動かす必要はない。かりに七、八年先になくなるというものならしんぼうしょうという人だって一ぱいいるんだし、まるっきり話は変わってくるのです。  それと同時に、いま現地空気は、とにかく早く結論がほしいということですよ。そうすれば、もうすべて政府を信頼して、いろいろ対策についても、この法律なんかもけっこうでございますンいう空気ですね。要するに、何かだんだん延ばていって最後は残すじゃないかというような、子ういう疑惑がうんとあるわけですね。少なくともプランが決定したその時点できめるべきものでしょう。いかがですか。
  21. 徳永正利

    徳永国務大臣 おことばを返して恐縮ですけれども、やはり私は、考え方として、そういうよ、な考え方もあるかと思いますけれども、実際問題として、やはり審議会答申プランができまて、そうしてそこで、もうこれは全廃するんだ、一応そこの時点においても私は原則は変わらぬと思いますけれども、実際問題として、どういうところにどういう規模のものができるかわかりませんけれども、たとえばローカル線なんかは非常に便利がいいし、音も少ないし、それまでにこういうような周辺機構騒音対策もやっていけば、被害もないし生活もこれで十分だ、それならそういうローカル線はひとつ置いてもいいんじゃないか、あるいは置いておいてくれぬかというような話にでもなれば、ということの話でございまして、私は原則論は、やはり最初に申し上げたとおりで、実際問題として、プランができたところでもう全廃すると言った限りにおいては全部なくしろ、こういうことは、その辺の実際論と先生との間に、ちょっと私の考えと食い違いがあるわけでございますが、これはもう原則はそのとおりでございいす。しかし、何がしかの時間がかかるでしょうし、その時間のかかる間には、この周辺整備機構をさらに明年度から強化もして、その対策は一日でも早く立てていかなければいかぬと私は思うのです。  それで、まあその結果、新しい空港ができなところで、御迷惑のかからぬということが明確にこ  報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添附しなければならない。(出資者に対する書類の送付)  第四十九条 機構は、第四十七条の認可又は前条第一項の承認を受けたときは、当該認可に係る予算、事業計画及び資金計画又は当該承認に係る財務諸表機構に出資した地方公共団体に送付しなければならない。(利益及び損失の処理)  第五十条機構は、毎事業年度損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。  機構は、毎事業年度損益計算において損失を生じたときは、前項規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。(借入金)  第五十一条 機構は、資金の借入れ(借換えを含む。)をしようとするときは、運輸大臣認可を受けなければならない。(空港周辺整備債券)  第五十二条 機構は、運輸大臣認可を受けて、当該機構に係る周辺整備空港の名称を冠した周辺整備債券(以下「債券」という。)を発行することができる。  債券債権者は、当該債券に係る機構の財産について他の債権者に先だつて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。前項先取特権の順位は、民法の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。  機構は、運輸大臣認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。  商法(明治三十二年法律第四十八号)第三百九条から第三百十一条までの規定は、前項規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。前各項に定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。(債務保証)  第五十三条政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の長期借入金又は債券に係る債務について保証することができる。(償還計画)  第五十四条機構は、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画をたてて、運輸大臣認可を受けなければならない。(資金の貸付け)  第五十五条政府は、予算の範囲内において、機構に対し、第四十四条第一項第二号及び第四号に掲げる業務に要する経費に充てる資金を無利子で貸し付けることができる。(余裕金の運用)  第五十六条機構は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。  一 国債その他運輸大臣の指定する有価証券の   取得  二 銀行への預金又は郵便貯金  三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭   信託  (給与及び退職手当の支給の基準)  第五十七条機構は、役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、運輸大臣承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。(運輸省令への委任)  第五十八条この法律規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、運輸省令で定める。     第六節監督  (監督命令)  第五十九条 運輸大臣建この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。  (報告及び検査)  第六十条 運輸大臣は、この法律を施行するため  必要があると認めるときは、機構に対しその業  務に関し報告をさせ、又はその職員に、機構の  事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況  若しくは帳簿、重日類その他の物件を検査させる  ことができる。  前項規定により立入検査をする場合におい  ては、当該職員は、その身分を示す証票を携帯  し、かつ、関係者の請求があるときは、これを  提示しなければならない。第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪  捜査のために認められたものと解釈してはなら  ない。     第七節補則  (解散)第六十一条機構の解散については、別に法律で  定める。  (大蔵大臣との協議)第六十二条 運輸大臣は、次に掲げる場合には、  大蔵大臣に協議しなければならない。   一 第二十一条第二項、第四十四条第二項、第   四十五条第一項、第四十七条、第五十一条、   第五十二条第一項若しくは第四項又は第五十   四条の認可をしようとするとき。  二 第四十八条第一項又は第五十七条の承認を   しようとするとき。  三 第五十六条第一号の規定による指定をしょ   うとするとき。  四 第五十八条の運輸省令を定めようとすると   き。  (他の法令の準用)  第六十三条不動産登記法(明治三十二年法律第二十四号)及び政令で定めるその他の法令の適用については、政令で定めるところにより、機構を国の行政機関又は地方公共団体とみなLて、これらの法令を準用する。   第四章雑則  (騒音障害の防止に関する配慮)  第六十四条地方公共団体は、特定飛行場以外の公共用飛行場についても、当該飛行場に係る航空輸送需要の動向、その周辺地域における市街  化の進展等の状況にかんがみ、当該周辺地域において航空機騒音により生ずる障害が著しくなると予想される場合においては、当該周辺地域についての振興又は整備に関する施策の策定及び実施にあたっては、できる限り、航空機騒音により生ずる障害の防止について配慮するものとする。  国は、地方公共団体前項規定する施策に基づき航空機騒音により生ずる障害の防止について配慮した措置を講ずるときは、その措置のため必要な資金確保その他の援助に努めるものとする。  (関係地方公共団体の長からの意見聴取等)  第六十五条 運輸大臣は、第三条第一項の規定により航空機の航行の方法を指定し、又は第八条の二、第九条第一項若しくは第九条の二第一項の規定により区域を指定しようとするときは、あらかじめ、当該指定に係る飛行場の周辺地域を管轄する都道府県知事の意見をきかなければならない。  都道府県知事は、第九条の三第二項の規定にょり空港周辺整備計画を策定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見をきくとともに、関係行政機関の長に協議しなければならない。(運輸省令への委任)  第六十六条 この法律規定するもののほか、この法律実施のため必要な手続その他の事項は、運輸省令で定める。(経過措置)  第六十七条 この法律規定に基づき政令又は運輸省令を制定し、又は改廃する場合においてども、そういうことをいま考え方としては考えておるわけでございます。
  22. 河村勝

    河村委員 ぜひこの際、便数制限等に関する運賃問題との関連もありますし、だからジェット料金みたいなものを取って、それをプラスアルファしていくことによって、それで原因者負担によるこういう費用のカバーもできるし、同時に交通量の調整もできる、そういうものだと思うのですね。ですから、これはほんとうは私は、こういう法案が出た際に、もうすでにそういうプランがなければおかしいと思うのですよ。ですから、これは何も第三次空港整備計画なんぞを待たずに、当然、本国会は無理としても、次期国会くらいには出すのだというくちいの決意がなければいかぬと思うのですけれども、大臣、いかがでございますか。
  23. 徳永正利

    徳永国務大臣 そういう決意をも含めて、いまいろいろやっておるところでございます。
  24. 河村勝

    河村委員 今度の法案によって、第一種区域、第二種区域、第三種区域、この三つに分けて、騒音度によって区分けしたものに対するそれぞれの対策をやっていくわけですね。第一種区域はWCNLで幾らにするのだという案は、もうすでに案ができ上がっているわけですか、その政令の内容はどういうふうにするつもりですか。
  25. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 せんだってもお答え申し上げましたが、ただいま政令を準備中でございますけれども、この法律の提案の当初から、第一種区域はWCNLのほぼ八五、第二種区域は九〇、第三種区域は九五というのを予定いたしております。
  26. 河村勝

    河村委員 そこで、先般現地調査をやった際に、航空局でつくった騒音コンターというものをいただきました。それと川西市で実際指導して測定した騒音コンターをもらいました。ところが、多少の食い違いがあるのはあたりまえだと思うのですけれども、はなはだしく違うのですね。これはちょっとごらんになってもわからないかもしれませんが、簡単に申せば、川西市で測定のものは高いWCNLの地域運輸省のものよりはるかに広いわけですね。全く食い違いが大き過ぎるので実はびっくりしたのです。おそらく大臣は御存じないでしょうけれども、航空局当局ではおおよそつかんでおられるはずだが、この食い違いというのは一体どういうふうにしてできてきているのですか。
  27. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 私どもの先生方に先日お示しいたしました騒音コンターは、昭和四十五年に東大の五十嵐教授が作成されましたものを、四十七年度の便数に置きかえまして修正をしたものでございます。御承知のように、四十七年度以降は飛行機の便数は全然ふえておりませんので、ほぼ大体そういうものではないかと思っております。  一方、先生川西市とおっしゃいましたのは、川西市のほかに関係各市も御協議になって十一市協でいろいろ御調製になっておるようでございますけれども、そのコンターの測定方法その他につきましては、残念ながら私ども十分その方法等について存じておりませんので、いかなる理由でそのような食い違いがあるか、ちょっと明らかでございません。  そこで、そういう点を防ぎますために、昨年私どものほうで大がかりな騒音測定をいたしました。その際には必要があれば関係市にもどうぞお立ち会いくださいということを申し上げたわけでございますけれども、二百数十点の点をとりましてかなり大がかりな騒音測定をいたしました。それをコンピューターで解析いたしまして、なお不足する点について補足の測定をいたしまして、その結果のコンターの素案がほぼでき上がりまして、先日、関係の市のほうに事務的に御説明を申し上げました。  その結果はやはり食い違いがございますけれども、私どものほうのコンターでは、非常に騒音の激甚地、九十とか九十五という点につきましては、現地市のおかきになりましたコンターよりもやや大きくなっている。逆に、八十五とか七十五というあたりのコンターがかなり小さくなっておるというような数字が出ております。これは私ども、この間、環境基準が示されまして、環境庁から新しいWCNLというものがはっきり示されたわけでございまして、その基準に従ってかいたつもりでございますが、まだ食い違いがある点につきましては、関係の市にお立ち会いを願って、必要があれば再度確認をいたしたい。その際には、私どもと地元市だけではなくて、中立的なお立場にございます府県、それから環境庁にも、必要がございましたらお立ち会いをいただいて、再度そのコンター相互間の調整をいたしたい、さように考えておるわけでございます。
  28. 河村勝

    河村委員 その点は非常に重大だと思うのです。そうすると、私たちが見せていただいたこのコンターというものは、最近実測をしたものとは違うわけですね。どうですか。
  29. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 先ほど御説明申し上げましたように、若干食い違っております。
  30. 河村勝

    河村委員 若干食い違う程度て——それていまのお話だと、意見調整が可能なぐらい近づいたというお話とはずいぶん食い違っておると思うのだな。これがほんとうに納得いかなかったら、それは相互の不信感ばかりつのっちゃって、これはやってもだめですよ。その測定というのは一体何日間ぐらいでやったのですか。
  31. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 一つのポイントを二日間、そして全体を通じまして約二カ月かかって測定をいたしております。
  32. 河村勝

    河村委員 私が川西市で説明を聞いたところによると、春夏秋冬、年間を通じてとったものである。それから朝であるとか、あるいは晩であるとか、少なくとも春夏秋冬とっておる。実際行ってみても、曇りのときと、それから天気のとき、雨のとき、全然違うわけですね。だから二カ月といっても、期間は二カ月、実際は測定した日というのはもっと少ないわけでしょう。実際に測定した延べ日数は何日ですか。
  33. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 先生の御指摘が一ポイントという意味でございましたら、先ほど申し上げましたように連続二日間、それから延べ全部でございましたら約二カ月間かかって測定いたしております。さらにそれで解析いたしまして、不十分な点につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、再度それらの点を選びまして補整測定を行なっております。
  34. 河村勝

    河村委員 そうすると、二カ月というのは延べ二カ月ですね。この点は大臣にも特に申し上げておきたいのですけれども、よほど慎重にやりませんと、いいかげんのところでもって見切り発車ルするようなことになりますと、必ず非常な紛争の種になります。ですから、この点は特にシビアー考えてほしいと思います。  それから、次に法案の内容でありますけれどもこの第三条の一項ですが、今度の場合これは改正になっておらないのです。この場合に、「当該飛件場において航空機が離陸し、又は着陸することぶできる経路又は時間その他当該飛行場及びその田辺における航空機の航行の方法を告示で指定す、ことができる。」というふうになっているままであって、その経路とか時間とか、要するに航空機の航行の方法を指定するというだけであって、脚種、便数等の指定ができるようになっておらないのですね。その点について、この前、航空局長は、機種、便数等は、飛行場の管理者の管理権として当然できるからこの法案には書かなかったのだ、そういう説明であったが、そのとおりですか、未わりませんか。
  35. 寺井久美

    寺井政府委員 便数につきましては確かにおっしゃるとおりですが、機種と申しますのはやや問題があろうかと思います。騒音証明制度の導入を考えておりまして、ある一定の音以上の音を出す航空機の制限を法律的にやろうといたしております。先生御指摘の空港管理者の立場から行政指導できるという点につきましては、まさにそのとおりでございます。ただ、これはあくまで行政指導でございまして、この種の機種はいかぬというとは、法律的な拘束力はございませんが、たとえば大阪につきまして、いままでいわゆるジャンボ機の乗り入れをとめておりますが、これもやはり行政指導としてやっておるわけでございます。そ十の六空港周辺整備機構に関すること。     —————————————      理 由  最近における飛行場周辺航空機騒音により生ずる障害実態にかんがみ、住宅騒音防止工事に対する助成、航空機騒音により生ずる障害を防止し、生活環境の改善に資するための周辺地域における緑地等の整備に関する計画及びこれを実施するための空港周辺整備機構の設立等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
  36. 三池信

    三池委員長 本案につきましては、第七十一回国会におきましてすでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  38. 三池信

    三池委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  ただいま本委員会において審査中の本案について、参考人の出席を求め意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の出頭日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  41. 三池信

    三池委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  ただいま本委員会において審査中の本案について、審査の参考に資するため委員を派遣いたしたいと存じます。つきましては、議長に対し委員派遣承認の申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、派遣地、派遣の日時、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  44. 三池信

    三池委員長 これより本案について質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。金瀬俊雄君。
  45. 金瀬俊雄

    金瀬委員 航空機騒音防止法の一部を改正する法律案について、大臣及び関係政府委員質問いたします。  第一点は、この法改正案の提案理由を見ますと、航空機騒音による障害実態にかんがみ、周辺住民に対し新しい方式の騒音対策を講ずる必要があると述べている。したがって、この法案の審議にあたっては、第一に障害実態を明らかにすること、第二点はその原因を追及すること、第三点は現行法の不備のの解明をすること。第四点は、今回の改正案による新しい方式の騒音対策が有効であり、正しいものであるかということ。第五点は国の政治上の責任が誠実に履行されているかどうか。この五つの点について十分明らかにされなければならない、さように考えておりますが、大臣の所見をお伺いいたします。
  46. 徳永正利

    徳永国務大臣 提案の理由の説明時点においても申し上げておりますように、この航空機騒音というのは、いま御指摘のございましたように、いろいろな面からこれを規制してまいらなければなりませんが、ただいま御指摘のございましたようないわゆる騒音の防止は、音源の対策周辺対策、これば中央公害対策審議会においてもそういうような御答申が出ているわけでございますが、そういう面について今日まで鋭意、発着の時間とか、あるいは回数とか、あるいは飛行方法の規制とか、低音の飛行機の導入とか、いろいろな面において努力をしてまいったわけでございますけれども、さらにこの法律案によりまして、御指摘のような地方公共団体等にもよく御協力を得まして、さらに徹底した騒音対策を進めてまいるということでございまして、御指摘の点につきましては、私どももそういう姿勢で今後進めてまいるつもりでございます。
  47. 金瀬俊雄

    金瀬委員 いま私が申し上げました五点について大臣は認めたということでございますので、次の質問を申し上げます。  それは、航空機による障害実態ということがここに出されておりますが、その実態というのはどんなことであるか、それをはっきり個条をあげて御説明願いたい、さように考えております。
  48. 寺井久美

    寺井政府委員 航空機騒音障害と申します点につきまして、私どもは、まず音そのものがある特定の地域についてはかなり激しい、したがいましてこれがこの地域に居住されておられる方々にとってはかなり迷惑な状態になっておる、こういう音の量というものを軽減していかなければならないであろう。これが通常の生活障害を起こすというようなことではやはり迷惑をかけるということになっておりますので、こうした御迷惑をかけないようにあらゆる手段を講じていきたいということが、音の障害ということでございます。  もう一つ例示を申し上げますと、たとえばテレビなどを見ます場合、画面のゆれというものと音によって難聴を起こすというような点がございます。あるいは電話等につきましても、やはり聞き取りにくいというようなことが音による障害というふうに考えております。
  49. 金瀬俊雄

    金瀬委員 航空機騒音障害、その実態ということでいまあなたは、音が激しいので居住している人がたいへん迷惑しておるということが第一点、第二点はテレビが見えないということ、二つをあげたわけですね。その中で、第一点の居住についてたいへん住民に迷惑をかけているということは、どういうこととどういうことと、どういうことか、個条書きにちょっとあげてみてくれませんか。
  50. 寺井久美

    寺井政府委員 具体的に例を申し上げますと、たとえば夜間、音のために安眠ができない。あるいは病気で伏せっておる方々が十分安静に療養できないというようなこともございましょうし、あるいは夕刻家庭団らんの時期に、音のために会話が十分できないというようなこともあろうかと存じます。
  51. 金瀬俊雄

    金瀬委員 そうすると、いま局長が幾つかあげたわけですが、この問題についてはもっとたくさんあると思いますが、その点はあとでまた追及することにしまして、いま説明のあった障害実態というのは、航空機騒音の防止法の目的にある「関係住民生活の安定及び福祉」に重大な悪影響があると考えてもいいかという問題です。そう考えてもよろしゅうございますか。
  52. 寺井久美

    寺井政府委員 私どもは、ただいま先生のおっしゃいましたように、重大な悪影響があるというふうには必ずしも考えておりませんけれども、相当の御迷惑をかけておるということは事実であろうかと存じます。これもその場所等によりましてかなりの差がございますので、一般論として重大な障害があるというふうには必ずしも考えておりません。
  53. 金瀬俊雄

    金瀬委員 局長、あとでこれは出てくるけれダも、重大な障害がないとすれば、それでは、そこに住んでいる人を片づけるということが出てくるのですが、片づける必要がないということになりと、やはり空港の運用時間というものとの関連において安全性が担保できれば、一応その範囲内で飛行機が就航できるというのが公共飛行場のたてまえであったわけです。こういう騒音問題の対策のために便数制限を実際上やっておりますと、ここへ便数を制限することができるというふうに書いても、それは差しつかえなかろうかと存じます。ただ、先ほどからるる御説明申し上げておりますように、実行上こういう制限が担保されておりまして、現にやっておりますので、特にこの罰則を伴う条項の中に入れるまでのことはないというふうに考えて入れなかったということでございます。
  54. 河村勝

    河村委員 あなたの答弁はおかしいね。だから、いまはっきりそう言ったでしょう。ほかに法律はあるが、それは飛行場の容量によって制限するためにある、そう言ったでしょう。だから、騒音がたいへんだから便数を減らせという法律的な目的は、他の法律にはないんですよね。そうだったら、騒音のために減らす、それに罰則をつける、それはこの事態になったらあたりまえでしょう。いま減らさなきゃ困る時期に来ているんでしょう。だから、つべこべ言わないで、入れますと言ったらいいじゃないですか。なぜ悪いのか。
  55. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 ただいままで御説明申し上げましたのは、もう一つ実は理由が……。これはまことに法律的なことでございますので、ちょっとはばかれるかと思いますけれども、この条文はそもそも航空機そのものに対する規定でございます。したがいまして経路とか時間、これはパイロットにおいて知り得る能力があるわけでございますけれども、回数、便数と申しますものは、きょう一体何回飛んでおるかということは、そこの飛行場に離着陸する航空機、すなわちパイロットそのものには知り得ない可能性の強いものでございますので、したがいましてこの法律に、ここにそれを入れる、この条文そのものに入れるということにはふさわしくない、かような理由もあろうと私は考えております。
  56. 河村勝

    河村委員 わけのわからぬ答弁は聞かぬでもいい。大臣、メンツばかり考えて、意地でも、政府がつくった法案は修正しないなんという精神でやるなら、そんなの審議する意味はありませんよ。もうちょっとすなおに考えたらいかがですか。
  57. 徳永正利

    徳永国務大臣 私も条文はしろうとでございまして、よくうまい説明ができませんけれども、何か、項を改めてそういうふうなことを入れるというようなことは、この条文からも関連上あり得ることだというようなことだそうでございまして、それは国会の御審議においてひとついろいろ御相談をいただきたいと思います。
  58. 河村勝

    河村委員 まあよろしい。最後に、これは修正案として提出しますから、そのときに精神のほどを判断をいたします。  時間がなくなってしまいましたが、一つだけちょっと聞きたいのですが、第九条の二のというのがありますね。第三種区域の中で、緑地帯その他にするために買い入れたもの以外の、つまり「前項の土地以外の第三種区域に所在する土地についても、できる限り、緑地帯その他の緩衡地帯として整備されるよう適当な措置をとるものとする。」、前段の条項、同じ第三種区域の中でも実際買い入れて緑地帯にするものと、それ以外のものと分けて、それ以外のものは何か緩衡地帯として整備されるよう適当な措置をとるというような、ほんとうに適当な表現がしてあるのですけれども、これは一体どういう意味なんです。この第三種区域であってもほんとう政府が緑地帯として整備するのは一部であって、そのほかはまあ適当にしておこう、こういうことなんですか。
  59. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 先生御承知のように、九条の二の一項の条文は、移転補償で買い入れました土地で行なうための条文でございまして、この適当な措置はそれ以外の土地でございます。たとえば、元来国有地で持っております土地とか、それから地方公共団体等がお持ちになっておる土地とか、ないしは買い入れでなくて借り入れ等の処置ができる土地とか、そういうような土地についてもできる限り緑地帯等になるような措置をとるようにという条文だ、そういうふうに考えております。
  60. 河村勝

    河村委員 そうですが。この中にそんなに国有地だの公有地がたくさんあるのですか。
  61. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 御承知のように、この法律自体は、大阪だけを想定しておるものではございませんで、全国の空港を想定いたしておりますので、とにかくできる限り緑地帯、緩衝地帯にしなさい、こういうふうな条文だというふうに解しております。
  62. 河村勝

    河村委員 すると、きわめて例外的なものだ、そう考えてよろしいのですか。
  63. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 原則は、買収して緑地帯にするのが望ましいのではないか、そういうふうに思います。そういう意味では、先生おっしゃるように例外的な規定だと思いますけれども、ここの精神は、単に買った土地だけ緑地帯にするという態度ではなくて、いろいろな手段を講じて、そこらができる限り緑地帯になるような措置をとるように、こういう立法の趣旨であるというふうに解しております。
  64. 河村勝

    河村委員 時間が来ましたのでやめますが、最後大臣、最近でもまだローカル線で新たにジェット化をしているところがありますね。一体、この狭い国土で、まあ国際航空は、これは競争もあるし、距離も長いし、だからジェットにしなければならぬということはわかりますが、ジェットの騒音というものは、いかに技術開発をしてもそう減るものじゃありませんね。そうであれば、国内航空については対外的な競争はないのですから、それで汽車よりも速いにきまっておるのですから、もうジェットはやめて、国内航空はプロペラでいくんだというくらいに私は切りかえる時期だと思うのですけれども、その点、非常に大きな問題でありますが、大臣に所見を伺いたいと思います。
  65. 徳永正利

    徳永国務大臣 このぐらい騒音問題、公害問題がやかましくなり、また事実そういう状況下に狭い日本はあるわけでございまして、お説のようなことは考えられることでございますが、おっしゃるように非常に重大な問題でございます。またこの点については十分検討さしていただきたいと田います。
  66. 河村勝

    河村委員 終わります。
  67. 三池信

  68. 神門至馬夫

    ○神門委員 私は、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止等に関する法律の一部を改正する法律案等に関連して質問を行ないますが、まず最初に、きのうから続いて、予算委員会におきましては、大企業の参考人が呼ばれまして、反社会的な行為が追及され、国民の耳目が集中いたしております。これと同じように、明日は大阪空港における公害判決が出るわけでありますが、この判決のもたらす影響はきわめて大きく、マスコミが一斉に取り上げておるのもそのゆえであります。  このような状況の中にあって、三木副総理であったと思いますが、二十日にこの判決等にかがわるいろいろな見解を出しておられる。それは、この判決の内容のいかんにかかわらず、決断をもってこういうような交通公害、なかんずく航空機騒音に対しては抜本的な対策をとっていきたい、このようなことを新聞紙上で見ましたが、これが今日まで飛行機をはじめ、鉄道あるいは自計車、こういうものが公共性の名において非常に高速化していく、大型化していく。特に飛行機の場合は、急速な発展によって、ジェット機化とともに騒音公害は環境権を侵害するというゆゆしい段階まで来たわけであります。  この前も、二月十九日の参考人の意見の中におきましても、環境権そのものの保全は、調整というようなものではない、公共性と調和というようなものではない、絶対不可侵の生存権にかかわるものだ、こういうような意見が出されて、非常に私たちの関心を引いたわけでありますが、その運輸行政の責任者として交通公害の焦点に立つ運輸大臣が、この明日の判決を前に、今日の騒音害等に対してどのような責任感を持っておいでになるのか、あるいはやろうとしておられる決意を持っておいでになるのか、その点をひとつここで表明していただきたいと思います。
  69. 徳永正利

    徳永国務大臣 私も、判決は判決といたしまして、これは誠意をもって検討してまいらなければならぬと思います。受けとめてまいらなければならぬと思います。と同時に、いま現に騒音に苦しんでいらっしゃる住民がたくさんいらっしゃるのですから、それの対策は、あとう限りの努力をしまして、ひとつできるだけの対策を立てて進んでいかなければならぬと思います。
  70. 神門至馬夫

    ○神門委員 そういう決意を前提にしてたくさんのことをお聞きしたいと思いますから、ひとつ簡潔にお答え願いたいと思います。  まず、本法改正案の附則第九条でありますが、この第九条の改正によりまして新東京国際空港公団法の第二十条の改正をここに提案されております。この改正によって、新東京国際空港はこの公団が設置者でありますね。その設置者が、いまある意味の基本法的に全国の空港騒音対策としての整備機構という一つのパターンをつくろうとしている。これは設置者は政府であっても、騒音対策はこの第三セクターに準じておると申しますか、このような整備機構をもってやろうとしておる。が、この附則第九条の改正は、直接公団に整備機構がいま法律改正をもってやろうとしている目的を果たさせようとしているのかどうか。
  71. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 この法律の附則におきまして新空港公団法の一部を改正いたしましたのは、従来新東京国際空港公団自体が、たとえば移転の方のための代替地の造成とか、それからこの法律で今度新しくこれからの飛行場については緩衝地帯を設けるという規定を置きましたけれども、その緩衝地帯の造成等についての権限規定その他そういう関係の規定がございませんでしたので、それを附則で改正をしたわけでございます。したがいまして、これは単なる国である公共用飛行場の設置者と公団たる設置者というものには若干の違いがあろうかと存じます。公団のほうにむしろ幾らか幅広い能力を与えるべきであるというような点から、これについては公団にも能力を与える、かようなことだと存じております。ただ、この周辺整備機構は新空港にはつくらないのだ、これをもって公団ですべてをやるんだ、こういう意味規定ではございません。
  72. 神門至馬夫

    ○神門委員 そうすると、やろうとする騒音対策の具体的な事業と、それに伴うところの事業資金の調達と申しますか、それらのものがどこでどういうふうに違いますか。公団が直ちに整備機構がやろうとする事業をやるものではないということになれば、どこがどういうふうに違うからできないということですか。
  73. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 この周辺整備機構と申しますものの仕事は、私ども大きく分けて二つの性格があるというふうに考えております。一つは、飛行場の設置者が騒音の原因で周辺について種々の事業を行なわなければならない、たとえば代替地の造成事業とか緑地の造成とか、そういうものをやらなければいけない、こういう関係の事業が一つでございます。  それからもう一つは、騒音はかなり広い範囲に及びますので、そこにございます周辺についていわゆる町づくりと申しますか、そういう意味周辺整備、再開発というような事業、これは元来は地方公共団体が権限的にお持ちの事業でございますけれども、それが騒音が原因のゆえにいろいろさらにやらなければいけないというような性格も持ちますので、この事業を地方公共団体が行なう場合に国がその資金等の一部を見る。そういうような観点で、国と地方公共団体の出資の事業で事業団のようなものをつくっていくというのがこの周辺整備機構であるというふうに考えております。先生質問の公団との関係につきましては、公団は、前者の部分の能力については、これはこの附則改正で与えられたというふうに考えられますが、広い範囲の再開発とか周辺整備というものについては、これは地方公共団体との関連において行なうべき性格で、そこまで能力は与えていない、かように考えております。
  74. 神門至馬夫

    ○神門委員 この第九条の第四号として新設になった中は、言うならば整備機構が目的とする、あなたがいま前段で説明されたようなことが全部解釈としては出てまいりますね。ですが、いまあなたのほうから回答されたように、地方公共団体等の関係において、その事業のやり方等が共同でということでなしに、助成という姿をもってやるそれのみが違う。しかし、緑地帯なり都市計画等の一部に影響を及ぼすというような相当範囲の大きなものが想定されるような内容にはこの中でなっておりますね。そういう地方公共団体等の出資なり事業主体としての関係というものが、公団と整備機構との主たる違いですか。
  75. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 先ほどお答え申し上げましたように、この法律が今度改正になったことによって、空港設置者として新たに行なわなければならない、たとえば緩衝地帯の造成とか民家防音工事とか、そういうものについては、公団がやり得る能力を与えたものでございまして、御指摘のように、地方公共団体との関連におけるものについてはそこまで能力は与えていない、かように考えております。
  76. 神門至馬夫

    ○神門委員 昨年、中公審の特殊騒音専門委員会の報告がなされて、「航空機騒音に係る環境基準について」というのが十二月の年末に環境庁から出されましたね。それでいま運輸大臣から、判決いかんにかかわらず、騒音公害等に対しては最善の力を尽くす、こういうふうなお考えが述べられたわけですが、環境基準によっては三つの段階に分かれていて、新設する飛行場にはその環境基準に当てはまるような条件を整備して新設開港するというような内容があるわけです。そうすると、新東京国際空港騒音に関する限り、あらかじめそういうようなものが十分整備をされて建設をされ、そしてその建設をされたものが整うた上に初めて開港される。こういうような点も、これは設置者が直接やるかどうかという、主体者であるかどうかということとは別に、騒音と環境との非常に大きな兼ね合いの問題になると思うのですが、それらのものが全部整うてから新東京国際空港開港される。これはいま大臣が明日の判決を前にして重大な決意を表明された以上は、かつての古いものにはいろいろ問題があろうとも、新しいものにはそれらが予見されながらも出発をされることはあるまいと考えるが、いかがですか。
  77. 寺井久美

    寺井政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げますと、昨年十二月の環境基準の告示に基づきますと、新東京国際空港騒音基準の達成は十年以内になっております。具体的に申しますと、この十年以内に最終目的の基準にならなければいけないわけでございますが、その中間目標値といたしまして五年目に目標がございます。私どもいま考えておりますのは、開港時点において、この中間目標値である五年目の目標値を達成するように最善の努力を払いたいというように考えております。完全にこの中間目標値に達するということがあるいは不可能かもしれませんが、少なくともおおむねこの目標値に達するようにいたしたいということで、いま鋭意進めておる次第でございます。
  78. 神門至馬夫

    ○神門委員 その国際空港のとり方、いわゆる三大空港といわれる羽田、この伊丹、板付、これらの飛行場においては、確かに十年かかってもどらかと思われるような問題があるし、十年後というものがあるが、新設される新東京国際空港に関する限りそれが大幅に後退した。五年目の水準もまだ完全に出発することがむずかしいんじゃないかというようなことは、いま大臣がおっしゃった、騒音に対する環境対策を十分にしてという決意とはなはだ違ってくるんじゃないか。たとえば二月十九日における参考人の意見をよく聞いておりますと、あそこに来ました航空工学の専門家である芝浦工大の小坂宏参考人などが言っておりまし方ように、今日の騒音公害というものはすべて予見されていた、それで、前もって対策を立てればこのような騒音公害は防止することができたということを断言しておるわけです。いままた、予見されることを待たずして踏み切ろうとすること、これは政府みずからが被害者と名のって住民に迷惑をかけることになりはしないか。あるいは環境基準という、政府の一機関である環境庁から出ているにもかかわらず、その環境基準というものを、何というか、ほんとうに理想基準というふうなものにしてあなた方は神だなに飾ろうとしているのか。それとも、ほんとうにそれを実行しようとするならば、新しく出発しようとする新東京空港からその範を示すべきではないかというふうに、これは国民常識として、明日の判決が重大であるがゆえに、運輸省としては当然そう考えるべきだと考えるわけです。公共性なり国際的な発展というふうなものの大乗的な見地が、常に住民を環境侵害の中で泣かせたという今日までの経過から見ても、そのようにするのがいま運輸大臣が表明された決意の裏づけになると思うが、どうですか。
  79. 寺井久美

    寺井政府委員 この環境基準は非常にきびしい基準でございますが、この達成に全力を傾ける、これは大臣も申されたとおりでございまして、そのために、現在の空港整備五カ年計画を主として環境基準達成という目的のために新しい計画に組みかえるということを現在進めております。  成田につきまして、先生御指摘のように、確かに開港時に十年先の基準に合っておればそれにこしたことはないのでございますが、御存じのように成田に着工いたしましてすでに数年を経ております。われわれといたしましても、五年目標というものを開港時に達成をしたいということでいまやっておりまして、この辺の努力は御理解いただきたいと思うのですが、その目標を五年先までほっておくということではなくて、もう本年中に開港予定されておりますそれに間に合わせるべく、五年の目標をいま達成しょ、うとして努力をしておる次第でございまして、漫然とこの目標達成を神だなに上げておるという次第ではございませんので、御了承いただきたいと思います。
  80. 神門至馬夫

    ○神門委員 これまでの飛行場騒音防止法なり、いま改正されようとする法律、それは騒音に対する地上対策がほとんどすべてですね。いわゆる騒音源、音源対策というものはほとんど法律の中にはないわけですね。これは先日、同僚の金瀬さんのほうからもお話があったように、音源対策ということなら直ちにその航空会社の負担になってくる。利益を受けている航空会社にもう少し音源対策として強要すべきではないかという意見が出ていた。私はその辺がこの改正法全体に貫通する問題として非常に不備な点があろうと思うが、しかしいま直ちにやり得ることは何かというと、エンジンを改良するのが最も早い。それから夜間飛行を禁止する、あるいは就航便数の制限をする、あるいはジェット機の小型化をする、プロペラにかえる、これは成田空港がどのような構造になろうとも、直ちに行政措置においてなされることなんですね。これは先ほどの騒音防止法第三条に基づいて、行政措置においてそれは全体が発足しようとする飛行機においてはなされることですが、そのようなことをすればWCNLのある程度の七〇なり七五という、この環境基準に近づけることはいまからでもできるのですよ。それはどうですか。
  81. 寺井久美

    寺井政府委員 成田空港は、御存じのように国際空港として発足しょうといたしております。したがいまして、国際線に就航する航空機を一挙に小型化するということも実際問題として非常にむずかしいかと存じます。ただ、われわれができますことは、就航時間というものにある程度の制限を加える、あるいはこれも国際間を運航いたします航空機については、時差等の関係もございましてかなりむずかしい面もございますけれども、時間の制限、あるいは航行の方法の指定、特に今後航法上いろいろな新技術が開発されていくものと期待いたしておりますが、そういう新技術が取り入れられる段階にまいりましたら早急に取り入れてまいりたいと思いますし、またエンジンそのものも静かなエンジンということで、騒音証明制度というものが一応国際的に認められておりますので、これを早急に取り入れて、騒音証明のない航空機の就航を禁止していくというようなことで、音源対策と申しますか、そういう面からの音の量を軽減していきたい、こういうふうな措置をとりたいと考えております。
  82. 神門至馬夫

    ○神門委員 その辺の問題は、まだいろいろと成田空港の問題についてはお聞きしたいことがありますが、時間の関係で次に進みます。  二月十九日の運輸委員会参考人の意見聴取のときに、この大阪空港地元公共団体の代表というような資格で出ておいでになる大阪府の黒田知事、兵庫県の坂井知事、伊丹市の伏見市長、この三者の意見がこの法改正に対して出されたわけですが、整備機構に対するいろいろな考え方は若干違います。しかし、こぞっておっしゃることは、この空港設置者は国である、整備機構というクッションを設けて責任を転嫁するのじゃないか。さっき言うように、公団が直ちに設置者であり、そして騒音対策をやろうという成田空港とは違ったこの整備機構に、騒音対策は占有にさせよう、こういうように責任を転嫁するのじゃないか。あるいは騒音防止施策のためのこの資金というものは、当然設置者である国が全額負担すべきではないか。なぜ地方自治体に持たすのか。整備機構に対するいろいろなニュアンスの違いはありましたけれども、これが共通して一致する点です。  まず、ここで運輸大臣に確認しておきたいことは、このような整備機構が発足しょうとも、騒音防止の全責任設置者である国にある、政府にあるというこの基本は、ごうも変わりませんか。
  83. 徳永正利

    徳永国務大臣 それはもう原則的に全くそのとおりだと思います。
  84. 神門至馬夫

    ○神門委員 そうしますと、この整備機構の中にあるところの政府責任、意図というものは、これまでの航空諸法に比べて大きく後退しているのじゃないかと思うのです。私はこの騒音防止法の中におけるところの考え方、あるいは航空法、空港整備法、それらの基本となるものは、いま運輸大臣が話されたように、すべての騒音公害に対する全的責任運輸省にある、政府にあるのだという、こういう基本に立って貫通しております。ところが、この整備機構になってまいりますとその点がどうも一貫してない。先ほど騒音対策課長が言っておりましたように、これは基本法的な概念を持つのでと、こうおっしゃった。いま直ちに適用しようとするのは、大阪空港にこれを設置されるわけですね。しかし、この整備機構というものは、大阪空港を対象にするものでなしに、次々と特定飛行場を指定して、そこに騒音防止のための任務を与えようとする、こういうような意味においてある程度の基本法的な性格を持つものだ、こういうふうな、基本法ということばは使われなかったが言われておるわけです。とりあえず大阪という第一種空港に対してこれが適用されるわけですね。そのときに、全的責任を持つ国が、全部の資金を持たずに地方公共団体にその四分の一を持たせようとしている。これは説明にあったとおりです。  それからもう一つは、出資金だけではなくして長期にわたって公共団体に負担をさせようとしている。これはあなたのところから出されております。「トランスポート」、四十八年三月号、運輸省の広報誌に明確に、この五千億程度の事業費の内容について、二〇%が国、一〇%は地方公共団体が無利子の融資を続けていく、十年にわたってまだ銭を出す銭を出すというやり方をしていこうという、あるいはこの法律内容を見ますと、まあいろいろ他にありますが、とりあえずその辺で質問いたしますと、その点はいま運輸大臣がおっしゃった、基本的な設置者である国が全的責任を持つということと、第一種空港である大阪空港のみをいま対象にしたときに、基本法的概念でなしに対象にしたときに、その四分の一を地方公共団体に出資させ、今後もあわせてそのような事業費を分担させるということは間違いではないか、法の精神と違ってはいないか、この点をまずお尋ねします。
  85. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 先ほど先生の御質問の新空港公団のときにお答え申し上げましたように、今回、周辺整備機構をつくって行なおうとする事業には二種類の事業がございまして、空港設置者として当然責任をもってやるもの、これについては一〇〇%空港設置者がやる、こういう考えでございます。  それから、非常に広い範囲についての——騒音が原因のためにではございますけれども、再開発とか整備を行ないます。これは、かりに騒音があろうがなかろうが、そもそも地方公共団体責任と権限をもっておやりになる性格の事業でございまして、これに対して騒音がその一原因になるということから、その経費の相当部分は国が負担すべきではないか、しかしその他については、これは元来、地方公共団体事務ではないか、こういうようなことでこの周辺整備機構というものを設立するわけでございまして、さような意味におきましては、大阪でございましてもどこでございましても同じでございまして、それに対する地方公共団体責任分担はしていただこう、こういうことで、地方公共団体にも、出資ないしは必要な事業のうちの無利子融資等の一部分というものは、地方公共団体において御負担いただく、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、大臣のお答え申し上げた、騒音について全責任を持つということとはいささかも矛盾しない、かように考えております。
  86. 神門至馬夫

    ○神門委員 その辺のものは議論すればかみ合わなくなるでしょうが、それならば、この間のように、たとえばその地元負担というものはけしからぬと言っている、特に強く言っている兵庫県知事、伊丹市長、こういう公の席上ての発言があるわけです。  そこで、その出資金及び事業費の、いわゆる整備機構が意図するような出資金を、この法律の成立とともにその地方公共団体は拒否することはできませんか。あるいは拒否したらこの法律の効果、国はどういうような措置をとりますか。
  87. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 この周辺整備機構は、いわゆる公社、公団、事業団と異なりまして、法律が制定されて、周辺整備空港に指定されて計画ができると自動的に設立されるものではございません。地方公共団体の長を中心とする発起人という方から、こういう周辺整備機構をつくって周辺整備をするという申し出があった場合には、運輸大臣がそれと出資をして行なう、かようなふうな条文建てになっておりまして、法律的にはそういう意味でこれをつくったら当然出資しなければならない、そういう義務規定法律上は負わせておるものではございません。  大阪につきましては、その辺のお話をこの法律を提出いたします前に、何回にもわたって大阪府、兵庫県等とお話し合いをいたしまして、この法律が成立したならばさような意味の出資をしてもいい、こういうお話がございましたので、当面大阪についてこれを設置する予定だということで予算を計上しているわけでございます。
  88. 神門至馬夫

    ○神門委員 大阪府知事は強い出資拒否の発言はなかったが、兵庫県なり伊丹市、あの川西豊中というふうな被害十一市町村の首長の場合は、これはまだまだたいへんな問題があると思いますよ。それは設置者の全責任という基本的理念とは違いがないと言うけれども、具体的にあらわれるのは、このように負担行為をどうするかということで実際問題としてあらわれてくるのですから、私は、拒否する可能性というものは、まだあとからいろいろ申しますが、あると思うのです。  そこで、自治省からおいでいただいておると思いますけれども、このように地方自治体として強力に反対している、しかしその目的としては騒音を防止するという、環境権を守ろう、保全しょうということですから、これはいいことなんですね。しかし、それは全的に国がやるべきだということのこの辺に違いがある。自治省は、このような出資をさせ、将来ともこの事業費の負担等を無利子のもので出資をさせる。あるいは損害があったときにはどうするかということはあとから聞きますけれども、このようなときの危険負担の分担をしなければならない、このようなことについてどのようにお考えになり、いま関係自治体とどういう相談をなさっているか。
  89. 石原信雄

    ○石原説明員 周辺整備機構設置について検討がなされた過程で、私どもも関係自治体の意見は十分聞きまして、その考え方は、その論議の過程で関係省庁にもお伝えいたしております。  基本的には、先ほど来御答弁もあったように、この周辺整備機構が行ないます仕事の内容によりまして、設置者としての国が全面的に責任を負うべき部分と、それから相当広い範囲で関連する事業を行なう限りにおいて関係自治体も利害関係を有するという部分があるわけであります。いずれにいたしましても、この機構がスタートする前提となります出資につきましては「法律が制定されても、それは義務として自治体の出資を求めるのではなしに、あくまで自治体が納得の上で出資がなされるものと考えております。また、自治体が出資するという決意をいたした場合におきましては、私どもはその財政的な面での御協力を申し上げなければならないと考えております。
  90. 神門至馬夫

    ○神門委員 たいへん大切なことですが、いまの点の運輸省としての確認ですね、主管省は運輸省になりますから。今後とも建設省なり自治省なり関係公共団体との関係というものは、周辺整備の段階でたくさん出てくると想定されますね。その辺でいまの見解をもう一ぺん再確認をしておきたいと思います。  それとあわせて、利益金の処理については、これは第五十条に明記してありますが、このような機構でありますから、非常に経営が悪化する、こういう場合にはその危険負担は一体どうなるのか。やはり出資なり事業費負担なりと同じように、危険負担の義務が、発足に賛成すれば自治体に負わされるのかどうか。さっきの基本的なものといまの二つあわせて答弁願います。
  91. 寺井久美

    寺井政府委員 まず基本的な問題でございますが、基本的な問題は、ただいま自治省のほうからも御答弁がありましたし、またわれわれのほうからも申し上げましたように、これは本来出資を強制する性質のものではございません。あくまで地方公共団体と一体になって一つの広範な業務をしようという性質のものでございますから、御賛同がない場合には当然御参加いただけない、こういう法の仕組みになっております。その点は確認申し上げておきます。  それから、損害が生じた場合にどうするかという問題につきましては、その損害の程度にもよりまして、国としてもいろいろ対策考えなければならないと考えておりますが、基本的にはやはり出資の割合に応じて損失負担というものも考えていかなければならないというように考えております。
  92. 神門至馬夫

    ○神門委員 そうすると自治体は、金の面でもずっとつき合いをしなければならないという義務を負うわけですね、参加したら。この辺はきわめて大切なことなんですが、出資しない場合には、仲間に入れずに出発する、こういうようなニュアンスのものがあったと思うのですが、そのときに、参加しないものにしっぺ返しをするというようか意味の、いやならばそれを置いて出発する、こういうことでなしに、騒音対策として整備機構が想定するような任務は、設置者の責任においてやっていこうということについては、間違いございせんね。
  93. 寺井久美

    寺井政府委員 この大阪空港周辺につきましては、この整備機構のアイデアを出しました時点から大阪府、兵庫県とも十分考え方の調整をやっておりまして、大かたの御賛同をいただいてこういうふうになっております。具体的に、いざ出発の時点になりまして、いろいろの御都合ですぐには間に合わないというような状態がかりに生じたといたしましても、その点については、国といたしましても、県あるいは府に対しまして、十分御賛同を得るよう努力をしたいと考えております。がりに、どちらかの地方公共団体がすぐには御参加がいただけなくても、やはりそういう全体のワクの中で考えていかなければならないと考えております。  ただ、事業計画そのものが、府県知事からお出し願うという考えになっておりますので、その辺も実際上御参加いただけない場合には、事前に十分御討議をさしていただかなければいかぬと考えます。
  94. 神門至馬夫

    ○神門委員 それと、まだあるのですが、そのときの参考意見に、兵庫県知事及び伊丹市長は、大阪空港撤去するという前提整備機構そのものを、今日前進した側面から価値を見直して、協力してもいい、撤去前提になればという、お二方ともこういう強い意見でした。大阪府知事のほうは、これまでの騒音対策よりか一歩進んだという側面を了として協力しよう、こういうように整備機構に対するニュアンスが違っておったわけです。  そこでまた、ここで問題になってくるわけです。さっきの議論をたくさん関西空港との関連でやっておいでになりましたが、撤去前提にするならば賛成しょう、参加しょうというわけですね。あなたのところから四十八年七月九日に、前航空局長の内村さんの名前で十一市協の会長である伏見さんに出されておりますね。この二項の問題がさっきも河村さんと議論されておったわけです。この書類が出されて、航空審議会関西空港部会は大問題になったという話を私は聞いてました。それから空転して当分開かれなかったということで、いろいろもんちゃくはあったけれども、この間の秋山さん、関西空港部会の会長は、撤去前提とする規模のものを考えざるを得ないだろう、そのような規模考え騒音基準等の環境の問題を考えるならば、これは海の上しかないであろうということを明確に参考人としての意見でおっしゃっておりました。そうなってくると、この文書ては——確かに大臣ががんとして、設置された時点検討しますということを、この存廃問題を言っておられましたが、この文書のなにとしては、  「現大阪国際空港の将来のあり方については、新関西国際空港との関連において十分検討を要するものである」ということを、これは事後ということで、終わってない。このような基本的な立場に立って、あらためて関西空港ができたときに決定的なものは判断しましょうという、こういう文書構造になっていますね。撤廃することをきめたかどうか、それはいいが、兵庫県知事も伊丹市長も言っているように、このような密集地帯にあのような超金属音をもって環境を侵害するようなことは、これはもう完全な欠陥空港である。この欠陥空港であるという概念はいろいろあるとしても、常識的にいわれる欠陥空港だということは、運輸省が認められて、どこまで手を尽くしてもどうもしょうがない。さっきもぼう大な被害対象戸数をおっしゃっておるような状況の中では、欠陥空港だというようにお考えになっているんだというふうに解釈をしてよろしいか。そうして兵庫県知事及び伊丹市長が、撤去前提整備機構に賛成しょう、こういうことについて、それの答えは一体どういうふうにされるのか。あるいはこのような文書で、新関西空港設置されたときに大阪空港撤去問題は決断を下しましょうという文書ですが、とりあえず整備機構は始まるわけですね。十何年先に新関西空港ができたときに、ぼう大な予算をつぎ込んだそのものを拾ててしまう決意もあわせて、いまおっしゃったように、新関西空港ができたときに決断することを表明されたのか、この三つについてお尋ねします。
  95. 寺井久美

    寺井政府委員 伊丹市長あるいは兵庫県知事の御意見として、撤去前提に賛成するというご意見をお持ちになっていらっしゃることは重々承知いたしておりますし、大阪府のほうでは多少違ったニュアンスでこの問題に対処されておられるということも承知いたしております。去年の航空局長文書というものは、確かに先生がただいま御紹介いただきましたように、この新空港建設できたと申しますか、少なくともめどがついた時点において、現在の空港あり方について検討します、私どもが考えておりますのは、先ほど大臣も御答弁されましたけれども、それまでにこの周辺整備機構の設定によって、現伊丹空港周辺の再開発、それから片方、並行いたしましていわゆる音源対策というものを進めてまいります。大阪空港が非常に騒音基準の目的達成にむずかしい空港であることは重々承知いたしておりますが、この新空港ができますまでの間にそういう努力を続けてまいりまして、その時点においてあらゆる要素を総合的に判断して、現伊丹空港あり方というものを決定いたしたいというのがこの文書趣旨でございます。  そこで、先生御指摘の、一番最初の、一体伊丹空港欠陥空港であるという認識があるかという点につきましては、欠陥ということばの意味がいろいろございますけれども、私どもは騒音上非常に問題が多い空港であって、周辺住民方々生活の上においてもいろいろ御迷惑をかけている、そういう意味で非常に問題のある空港であるということは、十分認識いたしております。ただ、空港の施設面とか、そういう面になりますと、はたして欠陥といえるかどうかという疑問があると存じますけれども、いずれにいたしましても、非常に問題の多い空港であるということを認識いたしておりますので、これにかわるべき空港ができればもちろんそれにこしたことはないわけで、新空港ができた時点、かなり先のことになりますけれども、その時点においてどういう判断をするかということは、あらゆる要素を総合的に考えなければならない。しかし、その場合においても地方公共団体の御意思を十分尊重したい、こういう考え方であります。
  96. 神門至馬夫

    ○神門委員 あしたの判決で、将来代替の飛行場をつくって、そこを撤去すべきであるという判決が、これは直接請求は原告のほうからしておりませんから、出ないかもわからぬが、その内容としては、それに類するものがあるいは予想されるわけですね。そういうようなあと追いでなしに、運輸省がむしろ、欠陥的な条件を騒音対策上持つというこの密集地の飛行場であるとするならば、積極的に航空審議会のほうに、撤去をも前提とするこの新関西国際空港諮問していく、こういうことがなくては、一番最初におっしゃった運輸大臣の決意表明は何ら裏づけがないわけですね。ただことばごとになってしまう。その辺が実は、このことに対して積極性がないのをさっきから非常に残念に思うし、何か責任をのがれよう、のがれようということで、新国際空港ができたときにということで固執しておいでになる。これはやはり勇気をもって決断をして、撤去前提にものを考えている、こういうようなことを示すべきいま一番大事なときではないか。判決の中から世論が盛り上がって、また運輸省は引っぱられて、首にひもをかけられて、しょうがなしにそういう方向に持っていったというような不細工なざまをいますべきではない、このことを強くここで警告をしておきます。またあとでそのような決意を一ぺん運輸大臣のほうから表明していただきたいと思います。  それで、続きで質問しますが、六十三条の「他の法令の準用」の問題でございますね。「その他の法令の適用については、政令で定めるところにより、」とあるが、非常に抽象的であります。抽象的でかつ危険な内容を持つのではないか。それらの計画遂行の段階で、あるいはいま話しますように、より環境基準をよくしようという騒音対策を進めるということが目的ではありますが、法律はえてして独裁者の武器になりやすい。そうなってくると、たとえば強制収用等の強権的な条項までが適用されるようなことになりはしないかと、この六十三条の「他の法令の準用」の問題から関連して考えるのですが、このような場合には、もう少し適用法令なりその条文というものを明記して、その心配をしないようにしていくのが民主的な立法のやり方じゃないのだろうか、法文の整理のしかたじゃないか、こういうふうに考えるのです。  最近の公団等の体系を見てみますと非常にこういう傾向が強いのですね。こういう傾向が強いがそういうような危険的な条文を適用されるおそれはないか、その点のみを明確にひとつ、何と何と何を適用するというようなことはいいですから、そういうことは絶対にしないならしないということを明確に言っていただきたいと思います。
  97. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 先生御指摘の条文につきましては、他のこの種のものの例文と大体同じでございまして、主として登記とか許認可等の手続上の規定を国とみなすということでございまして、先生おっしゃるような強権的なものをこの法令で引用するということではございません。
  98. 神門至馬夫

    ○神門委員 局長でも大臣でもいいですから、強権発動をしないということを、課長のほうからあったのですが、説明員ですから、政府委員のほうからひとつ……。
  99. 寺井久美

    寺井政府委員 この六十三条の準用の規定は、そういうふうに、先生がただいまおっしゃいましたように、強権を発動させることを意図したものではございませんで、事務的な委任関係の問題を法令を準用しようということでございます。
  100. 神門至馬夫

    ○神門委員 整備機構の構成等は、運輸省のほうから説明に来てもらっていろいろ検討してみましたが、その点は質問は省略して、第四十三条の「役員及び職員の公務員たる性質」というのがありますね。あるいは第五十七条に「給与及び退職手当の支給の基準」というふうなことで、性格的なものがもう一つ出ている。それでこの場合、この機構職員には国家公務員やら地方公務員やらあるいは公団の横すべりがあるかもわからぬが、そういうような人がたくさんそこに行くような構想がどうも運輸省のほうにあるようですが、ここの機構職員は労働法が適用されるのか、公務員法が適用されるのか、その辺の説明を願いたい。
  101. 隅健三

    ○隅説明員 機構の職員につきましては、現在政府関係機関、すなわち公団におきましても労働三法が適用になっております。それと同じように、当機構の職員については労働法が適用されます。
  102. 神門至馬夫

    ○神門委員 そうすると、労働三法が適用されるということが明確になりましたが、それらの職員がその機構の職員になるときには、どのようなかっこうで、退職で行くのか、出向で行くのか、その辺はどういうことが想定されておりますか。
  103. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 これにつきましては、他の事業団と大体同様に、出向もございますし、退職もございますし、大体同じょうに行なわれるものと考えております。
  104. 神門至馬夫

    ○神門委員 同じようにというのが私にはわからないのです。
  105. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 復帰を希望して出向する場合もございますし、それから退職して行きつきりの出向もあるというふうに考えております。
  106. 神門至馬夫

    ○神門委員 非常に複雑なようでありますが、多様な国及び地方公共団体からの職員が入ってくるということが、事務的に聞いてみますと予想されておるようでありますが、そのような場合には、やはり宿舎は完全に整えておくとか、本人の希望を前提にするとか、こういうようなことは、当然前提としていつの場合でも公団の場合と同じように考えられているということですか。
  107. 棚橋泰

    ○棚橋説明員 まだ法律が成立しておりません段階でございますので、宿舎の準備とかそういうことに着手するわけにはまいりませんので、その点につきましては、他の事業団、公団等と同じように、設立が終わりましてから急遽準備にかかるということにならざるを得ないというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、それらの点については、著しい不利益がないように対処するということで考えております。
  108. 神門至馬夫

    ○神門委員 私たちがしろうと考え考えてみても、それらの機構の職員に国及び地方自治体の県、市の段階から入ってくる、あるいは機構独自で採用ということも考えられるのではないかと思いますね。その場合に、そこの賃金を云々ということがここにありますけれども、高いものに合わすか、低いものに合わすか、これはずいぶん違いますね。国及び地方公務員との格差、それらのものは一体高いほうに調整していくというふうに考えていくのか、あるいは先ほど復職を希望していく場合に云々ということがありましたが、それらの者が復職した場合の調整ということは一体どうなっているのか、これらはこういう整備機構ができる場合にきわめて大切な問題だと思いますので、お尋ねします。
  109. 隅健三

    ○隅説明員 この前例といたしまして阪神外貿埠頭公団、京浜外貿埠頭公団がございます。これについては地方公共団体の職員が出向いたしまして、そこの職員になっているわけでございます。一応地方公共団体から来られたいわゆる地方公務員としての給与を受けられておる方と国家公務員である一般職の俸給表の適用を受ける職員とがございますけれども、その間を調整いたしまして、本人に不利にならないように給与規程をきめるのが通常でございます。  それから、大体いままでの原則といたしまして、国家公務員が一応こういう政府関係機関あるいは法人に出向いたしました場合には、やはり現俸給よりもやや上目の俸給の適用を受けるのも、これも慣例でございます。この機構につきましては、給与規程のきめ方、あるいは個人に対する俸給の適用については、決して本人の現職に比べて不利にならないように十分配慮することにいたしております。
  110. 神門至馬夫

    ○神門委員 それでは、時間がなくなりました恥ら、ひとつ大臣に、先ほど申しましたように、撤去前提としてこの整備機構をとらえていこう、こういうような関係自治体の首長の意見というものが明確になっておるし、そうして五年の長期にわたって、今日の争われているこの飛行場騒音といわゆる公共性と環境権、この辺の問題がいま判決を出されようとしている。しかも運輸省のほうとしては、若干のもんだいはあったようだけれども、公文書をだして撤去云々の考慮というものがなされておる。それは、だれが考えても、どのようなこの訴訟関連文書を読みましても、大阪空港は特異なそんざいだという一つの表現を強調しております。ですから、これを撤去すれば、また波及的にというようなことでなしに、その辺の一つの決意をお聞かせ願いたい。  それからもう一つ、それを前提として整備機構をもって、たとえば特定飛行場等の騒音を防止するということですが、はたして羽田の飛行場のような背後地のないときに周辺整備ができるかどらか、あるいは四国の松山飛行場のような背後地のないところに、このような構想を盛った騒音対策ができるか、私はできないと思うのです。できかいようなそういうところには、これは代替飛行場をもって充てるのか。あるいはこの整備機構構想で対処できないとすれば、どのような考え方で、他の騒音の激しい特定飛行場薄い処置をしようとしているのか。これはいまの撤去問題をめぐる大阪飛行場と密接に関連することです。この点もひとつ大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
  111. 徳永正利

    徳永国務大臣 大阪の飛行場につきましては、私は特殊な立場にある、特殊事情を持っているというふうに考えております。そういう意味合いでもって今後対処してまいらなければならぬ、こういうふうに考えております。(神門委員「それは撤去ということも考えて特殊なという意味ですね」と呼ぶ)はい。通達でございますか、航空局長の通達を出しておりますような、いわゆるそうい、うようなことをも含めて、特殊事情というものを十分考えて対処してまいらなければならないと思います。  それから東京、松山のいま具体的な話が出ましたが、政府委員から答弁させます。
  112. 寺井久美

    寺井政府委員 東京羽田につきましては、この周辺整備機構考えておりますような再開発ということがかなりの部分において行なわれておりますので、特にこういう形で行なう必要があるかどうか、将来はともかくといたしまして現在はすぐには必要ないのではないかと考えております。ただ、滑走路その他の配置がえ等の改造は行なう必要があると存じますが、いずれにいたしましても、この環境基準達成の方向でこの空港をどうするかという場合に、必ずしもこの周辺整備機構のやり方でやらなければならない空港ではないのではなかろうかというふうに考えております。  また、松山につきましては、確かに背後地はなうございますけれども、現在のところ人家もそれほど多くございませんので、これはもちろん県知事さんと御相談しなければわかりませんけれども、必ずしもこの周辺整備機構構想が適用され得ない空港だというふうにも考えられないわけでございます。
  113. 神門至馬夫

    ○神門委員 具体的な現地主義的な方法を考えぬと、画一的なものではなかなかやっていけない諸条件があると思います。整備機構そのものは、一面前進した面はありますが、やはり先ほど来話があるように、音源対策の問題として、あるいは空港整備の第三次五カ年計画の中で、騒音料をとるというような構想考えている、まだ固まっていない。しかし新聞にはそういうことが早く出ておりましたね。それらのことはそう固まっていないとかいうようなことでなしに、たくさんのプランを出してもらって、積極姿勢を示してもらうことが私はむしろ大切じゃないか。いわゆる国民の税金なり地方公共団体のみが、設置者もあたふたとしながらも、この発生者が落としていった音と音量を掃除している、始末しなければならぬというようなことについては、国民感情としてはやり切れない問題がある。やはり発生者でその激しい金属音を落としながら利益をあげているその会社、ましてや毎年毎年二〇%以上も収入なり経営状態がよくなっているという今日の航空会社ですから、それらからも十分音源防止対策の費用としてその資金を出させる方法を、ひとつこの際早急に決定してもらいたい。きめてそして万全の対策を整えてもらう。国民のそのような気持ちに対して納得を与えてもらう、そのことを最後にもう一回大臣の決意をお聞きして、終わりたいと思います。
  114. 徳永正利

    徳永国務大臣 御指摘のような点は十分私どもも今日までもいろ、いろな面から考え、また検討してまいったところでございますが、御趣旨を体しまして今後も努力してまいりたいと思います。
  115. 神門至馬夫

    ○神門委員 終わります。
  116. 三池信

    三池委員長 次回は、明二十七日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。午後零時四十八分散会