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藤原道子君 私は、難病対策についてお伺いしたいのでございますが、その前に、ちょっと
大臣にお伺いしたいと思います。
昨日の、キノホルムに対する佐々木さんの
質問に対して、
大臣をはじめ、御答弁はたいへんよかったと思います。けれ
ども、これを私は、あくまで実行していただきたいと思う。ということは、例のサリドマイドの問題でございます。三十六年にドイツでサリドマイドが危険であると、こういうことで、全部これを禁止、し諸外国も禁止、回収したんです。それで、私は、
厚生省に対して、諸外国で禁止し、回収しているんだから、日本も直ちにこれを回収すべきじゃないかという
質問をいたしました。ところが、日本では、まだ不具者はあまり生まれていないし、いま検討中でございますから、一度許可した製薬に対して研究の結果が出ないで禁止することはむずかしいと、こういう答弁だった。私はそんなばかなことはない。諸外国が全部回収しているんだから、日本もこれをやりなさい。もし、禁止することができないとするならば、研究の結果が出るまで一時ストップしなさい。それで、もし、この結果が白と出たら売ってよろしい。しかし、もし黒と出たらどれだけの不幸な
子供が生まれるかを思うと、やはりこの際、一時ストップすべきじゃないかということを、ずいぶんやかましく主張したんです。ところが、これに対して、そのまま
厚生省は何らの手続もしないで十カ月ぐらい放置したと思う。で、製薬会社のほうから回収をした。ところが、回収した薬を
名前を変えて、また売ったというようなうわさもある。でございますから、諸外国では、三十七年度には非常に
子供が少なくなる一五、六人くらいの不具者が生まれただけ。ところが、日本では三十七年度は最高の被害者が生まれている。生まれた数は三百五十名ぐらいと聞いている。まあ、それはたくさんなくなっておりますけれ
ども……。という結果になっておるということに対して、幾ら許可したものを、あれなしに禁止はできないといっても、発明したドイツをはじめ、諸外国がこれを禁止したんだから、被災児がたくさん生まれているんだから、だから、私は研究しているというならば、
結論が出るまで一時ストップしなさいということに対して、これをやってくれなかった。その結果、いま、もう十二、三でしょうか、
子供たち。非常に頭のいい
子供、足で字を書き、絵をかく非常な不幸な状態があるわけなんで、私は
自分の力の足りなかったことを、この子たちに会うたびに胸が痛む思いがしている。
こういうことに対して、私はたびたび
質問してきたんですけれ
ども、その後、四十三年の五月の七日に、私は社労委で、またこの問題を取り上げたんです。外国から輸入している補助器というのを、手のない人に、これをもっとみんなに与えたらどうだというようなことで、いろいろ
大臣に
質問しました、園田
厚生大臣に。ところが——こういうやり方だったんだから、サリドマイド児に対しては国と製薬会社に責任がある。これを主張したんです。園田さんは、これに対して国と製薬会社に責任があると、はっきり答弁した。ところが、聞くところによりますと、
厚生省でだいぶもめたというような話。それで結局、新聞社等に対して、
大臣が、国と製薬会社に責任があるというのは、国としては
法律的な責任ではなくて、あくまで道義的な責任であると主張した。それで園田さんも私の
質問に対しては、そのときのような、はっきりした答弁ができなかった。私は今日、非常に薬に対する被害に対して、薬公害に対して
国民が非常に不安を持っている。こういうときに、もし許可した製薬会社に禁止ができないなんということなら、一体どうなる。それでこの大きな被害を生んでおるということは、私は国に責任があると思う。それでいま裁判がまだ続いている。諸外国はほとんど解決したんです。ところが、日本はまだ解決しない、おかしいじゃないかという
質問をしたときに、
厚生省の答弁は、諸外国では裁判を重ねてきたけれ
ども、日本では今度初めてのことだから、当分、裁判をやるんだと、こういうことを言う。おかしいですよ。これに対して
大臣はどうお
考えになるか。
と同時に、森永砒素ミルクについても私はたびたび
質問している。あのとき、
業者のほうから廃物の払い下げがほしいと要求されているけれ
ども、この中には、砒素が六%入っておりますと、これを払い下げてようございますかという問い合わせがあった。けれ
ども、
厚生省は十カ月くらい打っちゃっておいて、その結果、差しつかえないという答弁が出ている。その結果いまだに——森永砒素ミルクも今度いよいよ裁判になる。サリドマイドも裁判が続いているんです。こういうことに対して私は断じて国に責任がある。砒素が六%入っている廃物を許可するなんということはおかしい、じゃないか。そういうことでございますから、きのうの答弁ではたいへんけっこうでございましたが、きのうの佐々木さんの、スモン病の原因か、というようなことが出てきておる今日、さらに、きょうは、
大臣そして当局の責任ある御答弁が聞きたい。園田さんのはっきりした答弁に対して異議があります。それで、きょうまでぐずぐずしているということは、私は納得がいかない。これに対して
大臣の御答弁を伺いたい。