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上田哲君 私は、ただいまのその
総理の御
発言を聞いて、疑いをさらに深くしたのであります。ことばだけの問題ではなくて、事実関係をさらに私は糊塗して御答弁なさるような仕組みが防衛庁側から
総理の手元に伝えられたとしか
考えようがありません。私が申し上げていることは
——繰り返しませんが、数値の問題だけではないのであります。自衛隊で再三にわたって確認したにもかかわらず、地上給油を空中給油装置に向かってしていないという事実、このことはどこかからデータを借りてきたとか借りてこないとかいうこととは違うのでありまして、このことは、私は、何回にもわたって虚偽の答弁が繰り返されたということに徴して、計画的であったと思わざるを得ません。
特に、ただいま
総理の御
発言になった御説明の中で、私は絶対許さないことがある。これは実は自衛隊ではやってなかったけれども、マクダネル社一九六一年の調査にあったなどというのは、自衛隊の官僚が、その点については知識のない
総理に向かってこのようなデータをもって説明せよと与えた、非常に欺瞞するものとして、私は許さない。一九六一年のマクダネル社
——それぐらいのことは私のほうにも調査してあります。まさに十二年前のデータであります。しかもこれはF4Eなどという飛行機はその当時ありません。F4Eファントムの実測ではないのです、それは。F4HであってF4Eファントムではありません。しかもここには明確に、八分・四分ではなくて、十一分・五分台、五三・五%の数字があります。機種も違う、数字も違う、八分・四分が虚偽架空のものであるということを私どもが追及をしてきたのは、それぐらいのデータは、十年や十五年前のことは諸外国のデータについても十分調査がついている。この
段階に至って防衛庁は、その点について知識の十分でない
総理にこのようなデータを与えてさらに
国会を瞞着しようとするのか。
私はそういう説明ということが
——総理は再三にわたって、
国会からしかられる、それがシビリアンコントロールの保証ではないかといま言われたけれども、答弁するのにさらに
実質的でない偽りのデータをもって、これでしかられていると言われるのでは、
国会のシビリアンコントロールはどこに行くのでありますか。これは私は与党野党の問題ではないと思う。私たち全体が、
国会全体がまたしても黙れと言われるような時代をおそれなければならないのが共通の任務であると
考えるのです。
その立場からすれば、一回二回、二転三転をした防衛庁側の制服組やせびろのシビリアンの答弁も、伝え聞くところによると、制服側の突き上げによって思いどおりの答弁ができなかったというふうにすらこれは風聞しております。そのような事態が
国会をおおうような暗い時代が来てはならないと思うから、私たちは
国会の権威をかけて皆さんに追及をしておるのに、このようなでたらめな数値をもってさらにわれわれの追及をかわそうとするようなことは、私は断じて、
国会の権威をかけて、してはならぬと思います。これはひとつ
総理、しっかり御答弁をいただきたい。
関連でありますからたくさんはできないので、私は次の問題に移りますが、問題はいまのような
——(「長いな」と呼ぶ者あり)何をおっしゃる。
総理答弁が間違っているからその点を追及したんじゃありませんか。
国会の問題ですよ、これは。そこで私がお伺いしたいのは、単に申しわけなかったということばの問題ではないのです。この空中給油問題をこのように取り上げているのは、私が従来から申し上げているように、
政府の説明のように、四次防が単なる三次防の兵器更新の、装備更新の
延長にすぎないという言い方はいかぬのだ、明らかに四次防は三次防とは違う質的変換を遂げているのだ、それは近代戦遂行能力というものを具備しているということを立証しようとする趣旨にほかなりませんが、それをさらに収縮的に言うならば、空軍の一般的にいう近代戦略であるCAP体制に向かってわが航空自衛隊もいま四次防をもって移行しようとしているのだということを、この空中給油装置をもって立証していると私は思うからであります。そのために、このファントムという四次防の主力戦闘機であるものの主要装備の一つである空中給油装置を取り上げたのでありまして、その立場で言うならば、これは少なくとも
政府の説明されているところから言っても、専守防衛のワクをはみ出すではないか、これは
政府もお認めになる。
第二に、四十八年度からこの百二十八機の本格的な生産配備体制に入るのだから、
ほんとうに
政府の専守防衛を、ここで少なくとも
政府の専守防衛を守られるのであるならば、いまにしてこのファントムの空中給油問題をきちっとしておかなければならないのだということを申し上げているんです。
したがって、しっかり御確認をいただきたいことは、第一に、空中給油を空で
——空で行なうから空中給油と言うんですが、空中給油を空で行なうことは、
政府の主張としても専守防衛にもとることとしてこれをとらないという御答弁をしっかり確認をしていただきたいことが一つ。
第二に、
政府の御答弁としての将来とも空中給油機を持たないということも確認をしていただきたいことが二つ。
第三に、一般的にはその方向をたどっていると御答弁をされた、一般的には戦闘空中パトロール体制を空中給油体制は指向するものである、しかし航空自衛隊はそのようなCAP体制はとらないのであるということを確認をしていただきたいことが三点。
これを確認されるならば、第四に、それならば、これを取りはずすためには金がかかるということはひっくり返ったのでありますから、取りはずしたほうが安くなるのでありますから、それから、取りはずしても性能に変化がないということも確認されたのでありますから、このような虚偽の答弁を繰り返さないということの保証のためにも、そのような確認の上に立って、第四に、ファントム百二十八機に対して空中給油機をはずされるということを確認をしていただきたい。で、もしそれにもかかわらずこれを取りはずすことができないというのでありますならば、これまでのさまざまな虚偽の御答弁というのは単に情報の取り違えなどというものではなくて、どんなにごまかしても、空中給油装置を残しておきたいという底意があると論断しなければならないことになります。そういう立場を払拭されて、
国民の真の
理解をその部分だけでも得るためにも、この際、以上の確認に立って、空中給油装置を取りはずすということをここで明確に御答弁をしていただくことが、先ほどの遺憾の意を表明されたことの当然な帰結であると思います。その御結論が出ない場合には、もう一問だけ保留いたしまして、御答弁を
お願いします。