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国務大臣(
加藤常太郎君) 私としては、もう木島議員と同じ意見であります。まあ、これは労使がもう少し話し合えと、もうこの段階では、そういったってどうもなかなかこれは解決つけにくい。まあ要は、政治であろうが、行政であろうが、会社であろうが、
公共企業体であっても、やはり背後は国民の声ということを認識することが第一であります。ところが、なかなかいまの労使の
関係、私は、いまあなたがおっしゃったように、そういっておらないと思います。今回の順法の前から私心配いたしたのでありますが、御
承知のように、あっせんを打ち切った。私、どろをかぶるつもりで、いままで
労働大臣が飛び込んでいくということはあまりないのでありますけれ
ども、まあ管轄がどうであろうがこうであろうが、まあ
政府を代表したような意味になりますけれ
ども、入ってよく話をいたしました。ところがもう、どうもこれは率直に申しますと、国鉄
当局もおられますし、主務大臣もおるところではありますけれ
ども、やはりもう少し労使の
関係が、相互信頼と話し合いをするという点にほんとうに私欠けておると思います。ごらんのように、テレビを見てても、両者が立っていろいろ討論的なことをやっても、もう両方ともが横を向いたようなかっこうで、同じ
日本人でないというようなかっこうであります。やはりかような問題から私は立ち入って、ほんとうによく労使の立場を——ことによったら
政府もそれは介入するかもわかりません。それは何で介入するか。法律とかそういう以外に、やはり国全体の行政は、これはもう
政府は責任がないようでありますけれ
ども、むろん責任があるんであります。そういう意味で、いろいろこの問題に対しましては研究いたしております。しかし、歯どめがないかというと、歯どめはけっこうあるんであります、公労委で。これはここで主務大臣の運輸大臣と
労働大臣は調停、あっせんには申請ができるんでありますから、あの場合でも、それをまずやろうと思っておったんでありますが、あっせんを打ち切ったと、そのあくる日でありますから、もうこれは日にちもありませんから、私は自分で決意いたしまして、飛び込んで、
あとで総理の了解を得たと、そういうのでありますから、国鉄が当事者能力なければ、これはことによったら、やはりいまあなたがおっしゃったように大乗的な見地から、
事件を解決するために、大乗的見地から、これは少々無理なことをやったかもわかりません。
しかし、いろいろな健全な労働組合の発展、こういうところから考えていくと、なかなかあのときに、まあこれは専門的になりますけれ
ども、動労の言うことを聞くとほかの組合はどうする。総評から
日本の労働界全体が私の意見と同様で、この際は国民のために、いろいろ両方文句はあっても、これは解決しなくちゃならぬと、これがもうあのときの大勢であります。ところが、どうも動労のほうはせぬ。国鉄のほうもどうも、そういうような熱意がありながら、もう少し歩み寄ることができなかった。しからば、それでも解決したんであれば、私はここではっきり申し上げるんですが、解決はどうもしておらぬ。いま木島議員がおっしゃったように、四月にやるんだと、これはもう違法であることは間違いありません。しからば、違法に対してどういう処置があるかと申しますと、法律では行政
措置で、解雇なりいろいろ減俸問題だけで、刑法的にない。こうなりますと、これはなかなか違法を違法と知りつつやるんでありますから、法律外のことでありますから、やはり公労委を、ひとつあっせんを歯どめにしてもらって、そして、どうもそれでももういかなければ、私は、これはいろいろなことを
政府も考えなくちゃならぬと思います。しかしその前に、私が横から見まして、木島議員は納得いたしませんけれ
ども、もう少し感情が両者にあると、やはり国民的視野に立って、迷惑するのは一般の国民で、政党政派を超越して、イデオロギーを超越して、もう全国民がかようなことは困るというようなことは、これは組合側も私はもう少し認識してもらいたい、良識に立って。そうして
当局も、これはもう
労働者はおまえのほうの
関係だからおまえ一人でやれと、これはいけません。やはり当事者がよく考えて
政府に要請してくる、こういうような場合もあるかもわかりませんが、いま過程の段階でありますから、もうこれ以上申し上げませんが、本質的にいまでも私の頭には——これはもう
労働大臣だとかなんとかいう意味ではありません。国民の一員として、政治家の一員として、もうこの問題に対しまして、これがへたをするとへたなことになりますからたいへんなことになります。そういう意味で……。