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白木義一郎君 そこで、きのうも江崎長官は、はっきりと、警察当局は確信を持っているという答弁がわれわれの前であったわけです。この金東雲書記官がはっきりとこの
事件に加担しているという確信、それはいいんですけれ
ども、それから先がまたぼけちゃったわけです。
そこで
大臣、
国民不在の政治ということばがありますけれ
ども、今度ぐらい
国民不在の政治がはっきりしたことはないじゃないかと思うんです。それは、韓国との友好を維持していく、あるいはもっと進めていくためにはじっとがまんするということもわかりますよ。だけれ
ども、一番大事なのは
国民に対する
姿勢だと思う。ところが、
国民はいろんなことを聞いたり読んだりしておりますけれ
ども、政府のあり方に対してはどうしても割り切れない。その政府の総責任者はコンピューターつきのブルドーザー、そのブルドーザーが、コンピューターがこわれたのか、ブルドーザーがエンコしたのか、このくそ暑いときに、まずハイジャックがあった。これはみんな徹夜でテレビにかじりついていた。いよいよ月が明けて八月になったらば、この
事件が起きた。ずっとほうりっぱなしだ。そうして一月もたって
緊急質問。私は実は恥ずかしかったんです。
国民は何も言いませんよ。だけれ
ども、腹の中では、何が緊急だ、いまさらと、こう思っているに違いないのです。
そこで、こういう問題については超党派でいかなきゃいけないと思うのです。こういう問題で野党だ、いや与党だとかごちゃごちゃやっていると、一番迷惑するのは
国民なんです。外交問題ですから。ふだんは外交は大平にまかした、それはけっこうですよ。だけれ
ども、ここはそういうわけにはいかない。私の責任だとはっきりとした最高責任者のあり方があれば、こんなにもつれたりもたついたりしなかったんだろうと思うのです。これはなぜこんな——直接
関係のないようなことですが、あなたも将来総理
大臣を志望していらっしゃると、こう伺っているので、もし幸いにしてそうなったときにはと思って、申し上げるのです。
それは、為政者というのは、第一に耳を傾けて大衆の声を聞かなければならない。これはおわかりのことと
思います。こういう
事件については、最高責任者は直ちに
国民にはっきりとした責任者の
態度を明確にしてやるべきだと思う。たとえば、この
事件はまだ捜査中ではっきりしてないけれ
ども、しかし、こうなったときは皆さんの政府はこういたします、こうじゃなかったときはこうせざるを得ませんというようなことが
国民はほしいわけです。それを田中総理は
最初にやったわけです、列島改造論でばあんと。それで
国民は一応ついていったわけです、事のよしあしは別にいたしまして、小選挙区制をやるぞと、これも
国民がおうと思って乗り出したわけです。
その総理
大臣が、しかもお隣の韓国で、うんと応援もしましょう、お金も幾らでも出しましょうと言っている相手の人たちに、東京のまん中で変な
事件を起こされた、それに対してじっとがまんしている。これじゃ
国民はいやんなっちゃいますよ。だから、中には、あんなホールインワンなんかやるから、もうあれで角さんのつきはおしまいになったんじゃないかと、佐藤総理
大臣はあれからもうすぐ退陣した、あるいは総理
大臣は、昔戦争中に朝鮮へ行っていた、終戦と同時にぱっと帰ってきた、何かあるんじゃないかとか、あるいは、今太閤と言われるが、太閤秀吉は朝鮮政策であれから落ち目になった、だから角さんもこれがせいぜいじゃないかとか、そういういろいろんな憶測を、じっとがまんの子で、しているわけですよ。こういうことが起きてきますと、昔長崎で一人の暴徒が中国の国旗を傷つけた、そのときにすぱっとした
態度をとられた、最近では、台湾で
日本の自動車
会社がPRでちょっと勇み足をした、そしたらすぐにそういう二つの中国を認めるような
会社の自動車は中国の人間は必要といたしませんと言われて、びっくりして、ちょうど重役が行っていて盛んに言いわけをした、そういうことも
国民は知っているわけです。
ですから、今度の
事件の解決には非常にいいタイミングがあったのです。それは、
事件発生当初に春日
委員長が現地へ行っていたわけです。あのときに総理
大臣が、春日君、民社党のこともあろうけれ
ども、ここはひとつあなた、
日本の代表としてソウルにとどまっていてくれ、これはもう与野党もないんだ、そうしてこっちはこっちで成田さんどうだろうかとか、あるいは竹入君、あるいは宮本さん、あるいは
法務大臣、あなたは相当確信あるけれ
ども、あなたもひとつお知恵拝借だと、そうしてこれを、それこそ日韓の友好の大きな
方向へ持っていけるチャンスがあったわけです。それもしない。それじゃなければ、テレビへ出るなり、あるいは、選挙のときは東京中がらがら声でぶったんですから、せめて数寄屋橋くらい行って、この
事件はこうなんだというような
態度であれば、
国民もがまんいたします。そういうことがなければ、これは
国民を無視した
態度だ、そこらにいるのは虫けらだ、そういうふうにしか思っていない、こういうことになるわけです。しかもしょっちゅう閣議をやっている。ですから、私が
大臣に望みたいのは、ここでの
大臣のはっきりとした確信、
態度をどうか今後閣議の中にあらわして、そうしてこの問題を納得がいく解決、解決しなければならないことはきまっているじゃないですか。その納得いく
姿勢を
国民に反映をさせなければならないのが政治であり、責任者の
態度だと
思います。そういうわけですから、どうかひとついまからでも、おそいんですけれ
ども、しかしおそいと言っていられません。最高の知能を集めて、そうしてこの解決に当たっていただきたいことを申し上げて、私の質問を終わります。