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鈴木強君 関連。
いまのお話はちょっと私には
理解できませんね。少なくとも公安
調査庁というものがあって、もしこの原本を入手し、翻訳をして、
調査庁が知っておったとすれば、これは国際的な関連でもあるし、重大なことでありますから、
政府全体としてこの情報に基づいて何がしかの対策をお
考えになるとか、そういうことは当然じゃないですか。その辺に対する、われわれが聞いておりまして対応策というものに対して積極性が欠けておるところに、いま佐々木
委員のおっしゃるような不幸な
事件が起きて、あとから野党に追及されて、そういうこともあったかもしれませんというようなあいまいもこの回答をしますと、国民としては治安に対する、
政府に対する信頼感というものがゼロになりますよ。これは重大な私は問題だと思います。ですから
委員長ね、公安
調査庁を次の
委員会にひとつ責任者を呼んでいただいて、この情報を入手しておったのかどうなのか、本をですね。そういうことも明確にこれはこの際国民の前にしたいと思いますから、そういうお取りはからいをお願いしたいと思います。
それから、関連でちょっと
お尋ねしたいのですが、まず、警察庁はきのう読売新聞の記事で知ったと、知ったなら、この本についてさっそく入手の手配をして、どういう努力をされたのか、まだ全然そういうことがないのかどうなのか、これが一つですね。
それからもう一つは、いろいろと
事件発生以来
国会でも両院で
質疑を重ねておりますが、どうもこれは全く雲をつかむようなことで、よくわからない。一体どうなっているのだろうかという不安と、それからもう一つは、一体
日本の警察というものはそういう点について明確にどういう
基本線を持っておったのか、非常にその捜査に対する方針にも疑義を持っておるように思うのです。皆さんが
事件発生以来御苦労していただいておることはわれわれも多といたします。そこで、もう
日本の警察当局としてはあらゆる手段を尽くして調べることはもう調べてしまったと、いまの段階でね。というのか、あるいは、いままでこういう調べをしたが、こういうところにまだ問題があるというふうに、残っておる部門があるのかどうか。これは捜査のことですからね。ここで具体的な内容について私は
質問しようと思いませんが、概念として、まあ大体済んじゃったというのか、それともまだ重要な部門で残っておるのでそれをやっておるとおっしゃるのかですね。その点です。
それは、いわゆるそのきめ手が金大中さんと梁一東さんですね、それから金敬仁さんですか、こういった方々をどうしても
日本に再来日していただいて、直接の
関係者から聞かない限りはそのなぞが解けないということは私もよくわかるんです。ですから、皆さんがきのう中間報告で示された韓国側のあの捜査の中間報告は、いま佐々木
委員おっしゃるように、何が何だかさっぱりわからぬ。急所が全然触れてない。だからせめてその
関係者がどういう供述をしたのかですね、そのくらいのことは
日本政府として、法的にどうであろうと、
日本の領土の中で起きたことでありますから、やはり韓国側にその点は要求をして、そしてその供述書ぐらい取ってですね、こちらに来られないとしても、とりあえずの
措置としてはそういう
措置をし、
基本的にはこれはやっぱり再来日をしない限りはこの本質はつかめないと私は思うのです。そこらについてあなたから述べていただきたい。
それから、法務大臣に
お尋ねしたいのですが、一体内閣、
政府としてですね、この
金大中事件に対してどういう態度であるのか、この点が私にはよくわからない。たとえば各大臣が衆参でお答えになる中でも、外務大臣の御答弁、通産大臣の御答弁、法務大臣の御答弁、率直に言って、ニュアンスというよりも
基本的な
考え方の中に、私は、強い弱いという表現も出るかもしれませんが、き然たる態度で答えている人と、何か政治的ということをにおわせて、どっちにも都合のいいような、向こうの顔も立てたような答弁をしておる。そこに一体閣内において田中内閣がこの
金大中事件をどうとらえておるかということに対する疑義がある。疑問がある。
そこで、私どもは本会議を開いてそこで田中総理から明確にこの問題に対する報告を受けたいと思いましてね、本会議の要求をいたしておりますが、自民党
政府のほうではこれにがえんじない。やむを得ずいま両院で
委員会をやっておるわけでありますが、おそらくこれは明日ぐらいに
衆議院の本会議で
質疑をするということに私は落ち着くと思います。したがって、参議院もそれに基づいてやるのでありますが、いませっかくわれわれがここまで問題についていろいろと
質疑をしてまいっておりますが、
政府のそういう統一したこれに対する確固たる不動のこの姿勢というものがわれわれに受けとめられない。私たち、率直に言って法務大臣がお答えになっておる点は多としております。高く評価しております。そういう
日本の国内において起こった
事件であり、少なくとももう週刊誌とか外部においていろいろとわれわれが出版物を読んでみますと、具体的に韓国CIAというものがやったと、しかないというようなそういう
趣旨で、具体的には人物も書いて、きのうあたりの週刊ポストなんかはもう明確にいっておる。ところが、われわれが
国会の中で聞けばその点はまるっきりあいまいもこになっちゃって、これはまあ週刊誌とほかの新聞とということのあれはあるとしても、国民は読んでおりますから、これだけ具体的な話が少なくとも公の雑誌の中に載っておるにもかかわらず、その辺が一つも
国会の中では出てこない、こういう
国会に対する不信も出てきますよ。だから、私はどうしてもこの点は、内閣がもっとき然たる態度で、主権侵犯間違いなしとわれわれが判断しておるようなそういう問題でありますから、その確証がないということに対してちゅうちょをしておることはわかりますが、あまりにもこの問題を政治的に解決しようとする空気が最近濃厚になってきた。
現に、私は朝日新聞をけさ見ましたが、あなたも、金氏再来日については信じておる、政治的な解決以外にはこれはないということをおっしゃっておる。この政治的解決というのは一体どういう意味なのか国民にはよくわかりませんが、何か本体というものに対して、国際的な日韓の友好
関係ということだけを気にして、そしてこの重大な主権侵犯に及ぶ問題がどうかするとカムフラージュされてしまうような印象を受けるんです。だから、やはりやるべきことはやって、かりに、大臣に脅迫の電話があった、それをはねのけてやっておられる、これはりっぱですよ。われわれ政治家は、いまこの瞬間身にどういう危険があるか、これは覚悟の上ですよ。刺されることもあるかもしらぬ。殺されることもあるかもしらぬ。しかし、そんなことをおそれて言論の自由をわれわれは曲げることはできない。したがって、お互いに政治家はそういう信念に基づいてやっておるわけでありますから、何かこの本筋を忘れて、日韓に与える影響だけを気にして政治的な解決なんということであれば、これはもう断じてわれわれは承服できない。ただすべきはただし、要求すべきは要求して、少なくとも韓国が
日本の
国会における議員の発言に対して干渉するがごとき言を弄することは私は絶対に容認することはできない。そういう意味において、もう少し内閣自体がき然たる態度で当たるような方法をとってもらいたいと思うんだが、一体どうなっておるのか。それからあなたの、金氏の再来日については確信をしていると言うのでありますが、私たちもそう確信をいたしますが、何とかそれをやってもらいたいし、そのために何か政治的解決以外にないというような、こういう少しずれたような
考え方については——まあ私、あなたの意見を聞かない間に失礼なことを申し上げてはいけませんから、受ける感情ですから、そういうふうに思いますから、この政治的解決ということが、何か田中さんあたりがテレビの放送で言ったような、まあまあまあというようなことで解決するようなことでは私は断じてないと思いますから、そういう危険性がなきにしもあらずですから、
政府全体の態度として、その辺についてはき然たる態度で法務大臣はやってほしいと思うんですが、そういう意味を含めて
お尋ねします。