○
鈴木強君 それでは、
山梨学院大学の問題は以上で終わります。どうぞ政務
次官の勇断をもっての
指導助言によってこの問題が
解決するように、また私
たちもできるだけ一緒に
協力はしたいと思っております。
それから、次に国士館
大学の
暴力事件についてお伺いしますが、まあ最近かなり新聞ラジオ、テレビ等報道
関係が、マスコミが一斉に報道をされておりますので、私立国士館
大学の暴力
行為というものがクローズアップされておりますが、これは非常に根が深い。私はたまたま、あの近くに梅ケ丘という駅がありますが、その近くに居住しております。まずあの辺の人
たちはもう国士館
大学生を見たら逃げろというぐあいに、非常におそろしがられているような
学校でありまして、たまたま先だって朝鮮の
高等学校の
学生生徒との乱闘
事件から問題が出たようですけれ
ども、非常に根が深いんですね、これは。そこで私もかねがね非常に
心配はしておったんですけれ
ども、ホームにおける
学生の挙動なんかを見ておりましても、異常ですね。それから、私はあるとき新宿のほうから経堂に向かっていく各駅停車からおりてくる
学生を見ておりましたか、
——あそこはこういう一回階段を上へのぼりまして、そしてまた出るようになっているんですね、出口は。ところがそこを通らないで、線路をぱあっと走っていくんですね。百メートルぐらい向こうへ行きますと、踏切があるんです。そこからさっと出てしまうんです。あれ
一つ見ても、あれが
大学生かなと思いますと、今日の
大学教育というものは全く地に落ちたというような実感を持っておったんでございます。
それで、いま私はここで伺いたいのは、国士館
大学の
教育方針というものが私立
学校教育法に基づいてほんとうにやられているのかどうなのかということが
一つです。それからもう
一つは、
暴力事件発生の背景というものが一体どこにあるのか、それは国士館
大学の
教育方針、学風、こういったものにかなり基因するのではないかという疑いを持つんですけれ
ども、そういう点がどうなのか。それからもう
一つは、どうあろうと暴力
行為をふるうということは絶対に許すことはできませんよ。これは田中法務
大臣がおっしゃっておられるように、日本の憲法は人権尊重の立場からも世界に最たるものである、こういうことを
大臣はいつもここでおっしゃる。私も全くそうだと思うんです。ですから、その暴力
行為をふるったことに対しては、断固としてこれは処断をしなければならない。したがって、これに対する
警察当局の取り締まりの方針について、従来から今日、今日から今後にわたってどういうふうな方針を持たれているのか。この三つにしぼって
お尋ねしたいと思うんであります。
その第一番の、国士館
大学の
教育方針でございますが、この方針は、ちょっと私も勉強してみましたが、国士養成のための独特な
教育を行なっているように思います。それでその
中心が、館長訓話というものが一週間に一ぺん行なわれまして、これが剣道場に
学生を集めて訓話を聞かせるわけですね。その館長の訓話の
内容というのを漏れ承りますと、入学をするとまず国士館の由来、国士館標語というのがありまして、誠実、勤労、見識、気魄
——これは確かにいいですね、この標語を見る限りにおいては。それから吉田松陰の人となり、尊皇の意義
——これは少し、世上問題になっております明治憲法以前のものだと思いますが、そういう意義などを講義をし、訓話をしている。こういうことでございます。国士とは将棋の駒の歩のようなものだ。前列に並べておくと一番下の役目であるが、いざ戦争となると敵地に入り金になる。この歩の金になったような人物が国士に当たる、こう説明をされている。これは
ことばの表現ですから、戦争が始まったら敵地に入るなんという
ことばはこれは穏やかな
ことばでは私はないと思うのです。普通われわれがいう将棋の勝負という、そういう意味からいって、たとえばそうもとれますけれ
ども、しかし、少なくとも
学生に対する訓話としては私は適切な
ことばではないと思いますけれ
ども、こういうふうな訓話をされているのであります。それから、こういう訓話をして、
学生が館長に質問したいと思いましても、質問は一切許さないんですね、言いっぱなしですよ。批判なんかすると退学処分にするような、そういうようなこともやっておるようでありまして、ですから、そういうことに対して
学生諸君も、中においてかなり不満もあり、反発もあるんですね。しかし、それは大きな力で押えてきているというのが私は実態だと思うんですね。ですから、こういうふうな、少しわれわれから見て、
学園の場においてやられるのには少し不適格だし、そういうことがあるいは
学生の、まだ思想的に固まらない若い人
たちの中に、だんだんとはぐくみ育てられまして、そういうことがいつか国士気どりになって、敵地に入って金になるというような、そういうふうな
精神で行動されているんじゃないかという気もするわけですがね。こういうことが
学校教育法の
目的とするどころにはたしてかなっているのかどうなのか。
学生の
指導方針というものに誤りがあるのではないかどうか。こういうわれわれは
心配をするわけですがね。この点は一体どうですか。